JP3219517B2 - マグネトロン用陽極構体 - Google Patents
マグネトロン用陽極構体Info
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Description
クロ波加熱機器に用いられるマグネトロンの陽極構体に
関する。
に示すように構成されている。円筒状の陽極筒体1内に
は偶数枚の陽極ベイン2が軸心aを中心に放射状に配列
され、これらの陽極ベイン2の陽極筒体軸方向(以下単
に軸方向と略す)両端面には溝3a,3bが形成されて
いる。そして、これらの溝3a,3bにそれぞれ大径の
均圧環4a,4bと小径の均圧環5a,5bとが互いに
対向されて陽極筒体1と同軸に配置され、大径の均圧環
4a,4bと小径の均圧環5a,5bとが陽極ベイン2
に対して交互に電気的に接続されている。ここで、均圧
環4a,4b,5a,5bはその軸方向両端面が陽極ベ
イン2の軸方向両端面と同一面になるように取り付けら
れており、軸方向両端の均圧環4a,5aと均圧環4
b,5bとの軸方向内側端面間の距離Lsが陽極ベイン
2の軸方向の寸法Hvの約75%ほどになるように構成
されている。また、陽極筒体1の両開口端縁には、中央
に孔が設けられた一対の略円錐台形状の磁極片6a,6
bが軸方向に相対向してそれぞれ気密に封着されてい
る。なお、7はアンテナリードで、陽極ベイン2の一つ
から導出されて出力部(図示せず)内に延設されてい
る。
ネトロンからの不要輻射、すなわち高調波成分や30〜
900MHzの比較的低い周波数成分の除去対策とし
て、特開昭63−110527号公報に開示されている
方法などが提案されているが、近い将来導入される基本
波成分(帯域幅、およびサイドバンドレベル)の規制の
対策方法として配慮した例はない。
体では、均圧環4a,4b,5a,5bの軸方向両外側
端面が陽極ベイン2の軸方向両端面と同一面になるよう
に取り付けられているため、軸方向両端の均圧環4a,
4bと均圧環5a,5bの間で生じる電界と、大小の均
圧環4a,5aと均圧環4b,5b間で生じる電界との
差が大きくなって電界が不安定傾向となるとともに、均
圧環4a,4b,5a,5bで生じる電界が陰極bと陽
極ベイン2との間の電子作用空間cに侵入して電子運動
の妨げとなる現象が生じており、この結果、サイドバン
ドが放射されるとともに基本波帯域幅が広くなってい
た。
波帯域幅を狭くでき、かつサイドバンドの放射量を低減
させることができるマグネトロン用陽極構体を提供する
ことを目的とするものである。
に本発明の第1の手段は、陽極筒体内にこの軸心を中心
に偶数枚の陽極ベインが放射状に配列され、これらの陽
極ベインにおける陽極筒体中央からこの軸方向に離れて
いる両端面に溝がそれぞれ形成され、各溝にそれぞれ大
径の均圧環と小径の均圧環とが同軸心で互いに対向され
て配置され、大径の均圧環と小径の均圧環とが陽極ベイ
ンに交互に電気的に接続され、前記陽極ベインの1つか
らアンテナリードが導出されて出力部内に延設されてい
るマグネトロン用陽極構体において、均圧環の前記軸方
向外側両端面が、陽極ベインの前記軸方向の両端面より
もそれぞれ陽極筒体軸方向中央寄りである内側になるよ
うに溝を形成して均圧環を溝内に配置し、軸方向両端の
均圧環同士の軸方向内側端面間の距離が陽極ベインの軸
方向の寸法の65%以下になるように構成し、アンテナ
リードを、大径の均圧環が結合されていない側の陽極ベ
インより引き出すように構成したものである。
手段において、陽極ベインの軸方向寸法が陽極ベインの
陽極筒体軸心寄り側端縁が作る包絡線の直径よりも大き
くなるように構成したものである。
の端面が陽極ベインの軸方向の端面よりも内側に位置す
るため、均圧環で生じる電界の陰極と陽極ベインとの間
の電子作用空間への侵入が陽極ベインが壁となって阻止
され、シールド効果を生んで電子運動の妨げとなる現象
が抑制される。また、軸方向両端の均圧環の軸方向内側
端面間の距離が陽極ベインの軸方向寸法の65%以下に
なるように構成したことにより、軸方向両端の均圧環の
間に生ずる電界と、大径の均圧環と小径の均圧環との間
に生ずる電界との差が、従来よりも小さくなるため、陽
極の軸方向の電界分布がより一定になって安定し、基本
波のサイドバンドの放射量が抑制される。
ける大径の均圧環が陽極ベインに結合されていない側か
ら引き出すことにより、陽極ベインにおけるアンテナリ
ードの接続部と大径の均圧環の外周面との間に溝の空間
が位置するため、均圧環近傍の乱れた電界とアンテナリ
ードとが結合しにくくなり、より良い基本波スペクトラ
ムを得ることが可能となる。
インの軸方向寸法が陽極ベインの陽極筒体軸心寄り側端
縁が作る包絡線の直径よりも大きくなるように構成する
ことにより、陽極ベインの熱伝導率を向上させることが
でき、陽極ベインの急激な温度上昇を防止することがで
きる。
する。なお、従来のものと同機能のものには同符号を付
して、その説明は省略する。
の陽極筒体軸心(a)方向(以下、単に軸方向という)
の両端面には溝10a,10bが深く形成され、この溝
10a,10b内にそれぞれ大径の均圧環4a,4bと
小径の均圧環5a,5bとが互いに対向されて陽極筒体
と同軸に配置されて、均圧環4a,4b,5a,5bの
軸方向外側の端面が陽極ベイン2の軸方向の端面よりも
内側(陽極ベイン2の軸方向中心寄り)に位置されてい
る。そして、軸方向両端の均圧環4a,5aと均圧環4
b,5bとの軸方向内側端面間の距離(以下、均圧環距
離と略す)Lsが陽極ベイン2の軸方向の寸法Hvの6
5%以下になるように構成されている。なお、従来と同
様に、大径の均圧環4a,4bと小径の均圧環5a,5
bとは陽極ベイン2に対して交互に電気的に接続されて
いる。
2における大径の均圧環4aが陽極ベイン2に結合され
ていない側から引き出されている。上記構成において、
均圧環4a,4b,5a,5bの軸方向外側の端面が陽
極ベイン2の軸方向の端面よりも内側に位置するように
均圧環4a,4b,5a,5bが配設されているため、
均圧環4a,4b,5a,5bで生じる電界の陰極bと
陽極ベイン2との間の電子作用空間cへの侵入が陽極ベ
イン2が壁となって阻止され、シールド効果を生んで電
子運動の妨げとなる現象が抑制される。このため電子運
動の乱れに起因する基本波成分の帯域幅を狭くすること
ができる。
方向の寸法Hvの65%以下になるように構成したこと
により、均圧環距離Lsが従来よりも小さくなるため、
軸方向両端の均圧環4a,5aと均圧環4b,5bとの
間に生ずる電界は従来よりも大きくなり、この電界と、
大径の均圧環4a,4bと小径の均圧環5a,5bとの
間に生ずる電界との差は、従来よりも小さくなる。した
がって、陽極の軸方向の電界分布がより一定になって安
定し、図2の(c)に示すように基本波のサイドバンド
の放射量が抑制される。なお、図2の(a)、図2の
(b)はそれぞれ均圧環距離Lsが陽極ベイン2の軸方
向寸法Hvの75%および70%の場合の基本波スペク
トラム特性を示す図で、図2の(c)に示すように均圧
環距離Lsが陽極ベイン2の軸方向寸法Hvの65%で
ある場合はサイドバンドの放射量が良好に抑制されてい
ることがわかる。
2における大径の均圧環4aが陽極ベイン2に結合され
ていない側から引き出すことにより、陽極ベイン2にお
けるアンテナリード7の接続部と大径の均圧環4aの外
周面との間に溝3aの空間が位置し、また、上述のよう
に均圧環4a,4b,5a,5bが陽極ベイン2の溝3
a,3b内に深く埋設されて陽極ベイン2がシールドの
役割をするため、均圧環4a,4b,5a,5b近傍の
乱れた電界とアンテナリード7とが結合しにくくなり、
図3の(b)に示すように、より良い基本波スペクトラ
ムを得ることが可能となった。なお、図3の(a)は、
アンテナリード7を、陽極ベイン2における大径の均圧
環4aが陽極ベイン2に結合されている側から引き出し
た場合の基本波スペクトラム特性を示す図で、この場合
は基本波スペクトラムが不良であることがわかる。
極ベイン2の軸方向寸法Hvの関係は、図4に示すよう
にLs/Hv比が55%以下になると急激に軽負荷時の
温度試験にて陽極温度が上昇してしまい、また、陽極ベ
イン2の軸方向寸法Hvを小さくすると、陽極の温度上
昇がさらに急激となる。したがって、陽極ベイン2の軸
方向寸法Hvを陽極ベイン2の内周端面により作られる
包絡線直径R以上に設定して熱伝導率を向上させたり、
陽極筒体1の肉厚を大きくしたり、ラジエタ枚数を増加
させたりして冷却効率を向上させたりすることが必要に
なってくる。ここで、図4における実線部は陽極ベイン
2の軸方向長さHvが9.5mm,陽極ベイン2の内周端
面直径Rが9.0mmの場合を示し、また、図4における
一点鎖線部は陽極ベイン2の軸方向長さHvが8.5m
m,陽極ベイン2の内周端面直径Rが9.0mmの場合を
示す。図4に示すように、陽極ベイン2の軸方向寸法H
vを陽極ベイン2の内周端面により作られる包絡線直径
R以上に設定することにより、冷却効率が良好に向上し
て陽極の温度上昇が抑制される。
前記軸方向外側両端面が、陽極ベインの前記軸方向の両
端面よりもそれぞれ陽極筒体軸方向中央寄りである内側
になるように均圧環を溝内に配置し、軸方向両端の均圧
環同士の軸方向内側端面間の距離が陽極ベインの軸方向
寸法の65%以下になるように構成することにより、基
本波の帯域帯を狭くすることが可能となり、また、基本
波サイドバンドの放射量を低減することができる。そし
て、基本波をクリーンスペクトラムとすることができる
ため、出力部に設ける高調波抑制用チョークを簡素化で
きる。
ける大径の均圧環が陽極ベインに結合されていない側か
ら引き出すことにより、均圧環近傍の乱れた電界とアン
テナリードとが結合しにくくなり、一層良い基本波スペ
クトラムを得ることが可能となる。
インの陽極筒体軸心寄り側端縁が作る包絡線の直径より
も大きくなるように構成することにより、陽極ベインの
熱伝導率を向上させることができ、陽極ベインの急激な
温度上昇を防止することができる。
体の縦断面図
更時の基本波スペクトラム特性図
出し方向の違いによる基本波スペクトラム特性図
絡線直径
Claims (2)
- 【請求項1】 陽極筒体内にこの軸心を中心に偶数枚の
陽極ベインが放射状に配列され、これらの陽極ベインに
おける陽極筒体中央からこの軸方向に離れている両端面
に溝がそれぞれ形成され、各溝にそれぞれ大径の均圧環
と小径の均圧環とが同軸心で互いに対向されて配置さ
れ、大径の均圧環と小径の均圧環とが陽極ベインに交互
に電気的に接続され、前記陽極ベインの1つからアンテ
ナリードが導出されて出力部内に延設されているマグネ
トロン用陽極構体において、均圧環の前記軸方向外側両
端面が、陽極ベインの前記軸方向の両端面よりもそれぞ
れ陽極筒体軸方向中央寄りである内側になるように溝を
形成して均圧環を溝内に配置し、軸方向両端の均圧環同
士の軸方向内側端面間の距離が陽極ベインの軸方向の寸
法の65%以下になるように構成し、アンテナリード
を、大径の均圧環が結合されていない側の陽極ベインよ
り引き出したマグネトロン用陽極構体。 - 【請求項2】 陽極ベインの軸方向寸法が陽極ベインの
陽極筒体軸心寄り側端縁が作る包絡線の直径よりも大き
くなるように構成した請求項1記載のマグネトロン用陽
極構体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01035593A JP3219517B2 (ja) | 1993-01-26 | 1993-01-26 | マグネトロン用陽極構体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01035593A JP3219517B2 (ja) | 1993-01-26 | 1993-01-26 | マグネトロン用陽極構体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06223730A JPH06223730A (ja) | 1994-08-12 |
JP3219517B2 true JP3219517B2 (ja) | 2001-10-15 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01035593A Expired - Fee Related JP3219517B2 (ja) | 1993-01-26 | 1993-01-26 | マグネトロン用陽極構体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3219517B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP2005259508A (ja) * | 2004-03-11 | 2005-09-22 | Toshiba Hokuto Electronics Corp | 電子レンジ用マグネトロン |
-
1993
- 1993-01-26 JP JP01035593A patent/JP3219517B2/ja not_active Expired - Fee Related
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