JP3219117U - 回転式乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多数の対象物の乾燥処理を効率的に行うことができる回転式乾燥装置を提供する。【解決手段】印刷物を懸下する多数の搬送ストリング10と、搬送ストリング10の両端を支持する一対のガイドフレーム11とを備え、印刷作業台の上部空間に設置される。ガイドフレーム11は、水平に延びる2つの直線経路の両端を滑らかに連結したオーバル形の環状経路を鉛直面内に形成し、一対のガイドフレーム11が、水平方向に互いに対向するように配置され、搬送ストリング10は、一対のガイドフレーム11間において水平方向に延び、環状経路に沿って移動自在である。【選択図】図1
Description
本考案は、回転式乾燥装置に係り、さらに詳しくは、複数の対象物を懸下して同時に乾燥させる回転式乾燥装置の改良に関する。
スクリーン印刷は、対象物に版を重ねて載置し、スキージーを用いて版からインクを押し出すことによって行われる。インクが転写された印刷物は、必要に応じて加熱乾燥された後、さらに自然乾燥又は送風乾燥される。例えば、Tシャツ、制服、作業服などの衣類にスクリーン印刷を行う場合、印刷作業台上において手作業で印刷処理及び加熱乾燥が行われ、その後、作業者が印刷物を乾燥装置へ運ぶ。乾燥装置では、10分から数時間の時間をかけて自然乾燥又は送風乾燥が行われている。
多数の対象物に対し印刷を行う場合、順に印刷処理された印刷物は、順に乾燥処理される。このとき、印刷処理に要する時間に比べ、乾燥処理に要する時間の方が長いため、多数の印刷物を同時に乾燥させる必要がある。このため、多数の印刷物を縣下して省スペースで配列させ、多数の印刷物を効率的に乾燥させる乾燥装置が必要になる。
乾燥前の印刷物は、重ねることができないことから、1枚ずつ乾燥装置に搬入する必要がある。また、順に搬入された印刷物は、順に乾燥が終了するために、乾燥が終了した印刷物から順に取り出す、つまり、先入れ先出し方式により印刷物を出し入れする必要がある。このため、作業者が印刷物を持って移動しなければならず、また、移動先が順に変動して煩雑であり、作業効率が低下するという問題があった。特に、多くの印刷処理を行う場合に、乾燥装置が大型化し、印刷物を移動させる距離が長くなるため、作業効率が低下するという問題があった。また、大きな設置スペースが必要になるという問題もあった。
さらに、印刷物の乾燥処理に限らず、多数の対象物の乾燥処理を同時に行う様々な業務、例えば、衣類等の洗濯業における洗濯物乾燥、素麺等の食品加工業における食品乾燥においても同様の問題があった。
本考案は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、多数の対象物の乾燥処理を効率的に行うことを目的とする。
本考案の第1の態様による回転式乾燥装置は、複数の対象物をそれぞれ懸下する多数の搬送ストリングと、前記搬送ストリングの両端を支持する一対のガイドフレームとを備えた回転式乾燥装置において、前記ガイドフレームが、水平に延びる2つの直線経路の両端を滑らかに連結したオーバル形の環状経路を鉛直面内に形成し、前記一対のガイドフレームが、水平方向に互いに対向するように配置され、前記搬送ストリングが、前記一対のガイドフレーム間において水平方向に延び、前記環状経路に沿って移動自在であるように構成される。
本考案の第2の態様による回転式乾燥装置は、上記構成に加えて、前記ガイドフレームが、円形の断面を有し、前記環状経路に沿って延びる金属パイプからなり、当該金属パイプが、前記環状経路に沿って延びるスリットを有し、前記搬送ストリングが、両端に可動連結部をそれぞれ有し、前記ストリング可動連結部が、前記金属パイプ内に転動自在に収容され、前記環状経路に沿って移動可能な転動ローラと、一端が前記転動ローラに対し回転自在に連結され、前記スリットを介して前記金属パイプ外に引き出された他端が前記搬送ストリングに連結されるブラケットとを有する。
本考案の第3の態様による回転式乾燥装置は、上記構成に加えて、前記ガイドフレームが、前記直線経路を形成する2つの直線パイプと、異なる前記直線パイプの一端を互いに接続する2つの湾曲パイプとにより構成され、前記直線パイプ及び前記湾曲パイプが、接合面の外径側の一部のみが接合されるように溶接接合され、前記直線パイプ及び前記湾曲パイプの接合部が、前記転動ローラが通過する際に搬送ストリング側に向かって撓むことが可能であるように構成される。
本考案の第4の態様による回転式乾燥装置は、上記構成に加えて、前記搬送ストリングが、テンション調整部を備える。
本考案によれば、回転式乾燥装置が、オーバル形の環状経路を鉛直面内に形成し、当該環状経路に沿って移動自在の多数の搬送ストリングを備え、当該搬送ストリングに対象物を懸下することができる。このため、複数の対象物を効率的に乾燥させることができる。
(1)回転式乾燥装置1の構成
図1〜5は、本考案の実施の形態による回転式乾燥装置1の一構成例を示した図である。図1は斜視図、図2は正面図、図3は側面図、図4は平面図、図5は底面図である。なお、この回転式乾燥装置1は、左右対称であるため、左側面図と右側面図は、いずれも図3に示した通りである。
図1〜5は、本考案の実施の形態による回転式乾燥装置1の一構成例を示した図である。図1は斜視図、図2は正面図、図3は側面図、図4は平面図、図5は底面図である。なお、この回転式乾燥装置1は、左右対称であるため、左側面図と右側面図は、いずれも図3に示した通りである。
回転式乾燥装置1は、乾燥処理の対象物である印刷物を縣下するための多数の搬送ストリング10と、搬送ストリング10の両端を支持する一対のガイドフレーム11と、ガイドフレーム11を支持する支持フレーム130〜132により構成される。
(1−1)搬送ストリング10
搬送ストリング10は、水平方向に延びる細長い部材であり、乾燥中の印刷物を支持する。印刷物は、搬送ストリング10から垂下するように搬送ストリング10に取り付けられ、印刷面がどこにも接触しない状態で乾燥処理される。例えば、印刷物としての衣類が搬送ストリング10に引っ掛けて取り付けられる。
搬送ストリング10は、水平方向に延びる細長い部材であり、乾燥中の印刷物を支持する。印刷物は、搬送ストリング10から垂下するように搬送ストリング10に取り付けられ、印刷面がどこにも接触しない状態で乾燥処理される。例えば、印刷物としての衣類が搬送ストリング10に引っ掛けて取り付けられる。
搬送ストリング10は、柔軟性を有する細長い形状、例えば、紐形状からなる。搬送ストリング10には、例えば、樹脂製の紐、金属製のワイヤなどを用いることができるが、素材や形状は任意である。
搬送ストリング10の両端は、一対のガイドフレーム11によって移動可能に支持され、ガイドフレーム11の搬送経路に沿って移動することができる。搬送ストリング10は、その両端にテンション調整部15及びブラケット16を備えている。搬送ストリング10の端部は、テンション調整部15を介して、ブラケット16に連結されている。搬送ストリング10は、ブラケット16及び転動ローラ6で構成される可動連結部に連結され、ガイドフレーム11に移動自在に支持されている。可動連結部の詳細については後述する。
(1−2)ガイドフレーム11
ガイドフレーム11は、水平方向に延びる2つの直線経路を含み、これらの直線経路の両端を滑らかに連結したオーバル形の環状経路を鉛直面内に形成し、当該環状経路に沿って移動自在となるように搬送ストリング10を支持するフレーム部材である。
ガイドフレーム11は、水平方向に延びる2つの直線経路を含み、これらの直線経路の両端を滑らかに連結したオーバル形の環状経路を鉛直面内に形成し、当該環状経路に沿って移動自在となるように搬送ストリング10を支持するフレーム部材である。
ガイドフレーム11は、オーバル形のフレーム部材である。ガイドフレーム11は、円形の断面を有する金属パイプの延伸方向を環状形状に加工して形成される。この環状形状は、鉛直面内において水平方向が長手方向となるオーバル形、つまり、長円形からなる。例えば、鉛直面内の異なる高さにおいて水平方向に延びる直線形状の2つの直線部110,111と、これらを滑らかに連結する湾曲形状、例えば半円形の2つ湾曲部112,113とを備える。また、一対のガイドフレーム11は、互いに対応する形状を有し、水平方向において互いに対向する。このため、図2示すとおり、正面方向から見れば、ガイドフレーム11は、形状が一致し、重なり合っている。
ガイドフレーム11の互いに対向する面(内側面)には、スリット114がそれぞれ形成されている。スリット114は、ガイドフレーム11の延伸方向に沿って延びる環状形状を有する。一対のスリット114も、互いに対応する形状を有し、水平方向において互いに対向している。ブラケット16は、スリット114を通るように配置され、ガイドフレーム11の内外を連結するとともに、スリット114に沿って平行移動することができる。つまり、スリット114により環状経路が規定され、搬送ストリング10は、当該環状経路に沿って平行移動することができる。
(1−3)支持フレーム130〜132
支持フレーム131〜132は、回転式乾燥装置1を固定するための支持部材であり、回転式乾燥装置1を天井から吊り下げ固定している。回転式乾燥装置1は、印刷処理を行う印刷台の上部空間に配置されるため、天井から吊り下げ固定することが望ましいが、例えば、壁や床を利用して固定することもでき、回転式乾燥装置1の固定方法は任意である。
支持フレーム131〜132は、回転式乾燥装置1を固定するための支持部材であり、回転式乾燥装置1を天井から吊り下げ固定している。回転式乾燥装置1は、印刷処理を行う印刷台の上部空間に配置されるため、天井から吊り下げ固定することが望ましいが、例えば、壁や床を利用して固定することもでき、回転式乾燥装置1の固定方法は任意である。
吊り下げフレーム130は、上端が天井に固定され、鉛直方向に延びるフレーム部材であり、スリット114と対向するガイドフレーム11の面(外側面)に固定されている。ガイドフレーム11は、それぞれ2本の吊り下げフレーム130を用いて、直線部110の両端付近が固定されている。
補強フレーム131は、吊り下げフレーム130の横揺れを防止するためのフレーム部材である。補強フレーム131は、上端が天井に固定され、斜め下方向に延び、下端が吊り下げフレーム130に固定される。
水平フレーム132は、ガイドフレーム11の間隔を一定に保持するフレーム部材である。水平フレーム132は、水平方向に延び、異なるガイドフレーム11を支持する吊り下げフレーム130を相互に固定する。
(2)回転式乾燥装置1の使用例
図6は、回転式乾燥装置1を用いた乾燥処理の様子を示した図である。搬送ストリング10には、シャツやタオルなどの印刷物2が取り付けられている。1つの搬送ストリング10には、1つの印刷物2を取り付けてもよいし、2以上の印刷物2を取り付けてもよい。印刷物2は、印刷面が接触しないように、搬送ストリング10に引っ掛けて取り付けられる。
図6は、回転式乾燥装置1を用いた乾燥処理の様子を示した図である。搬送ストリング10には、シャツやタオルなどの印刷物2が取り付けられている。1つの搬送ストリング10には、1つの印刷物2を取り付けてもよいし、2以上の印刷物2を取り付けてもよい。印刷物2は、印刷面が接触しないように、搬送ストリング10に引っ掛けて取り付けられる。
図7は、印刷物2の取り付け、乾燥及び取り外しの様子を模式的に示した図である。部屋R内には、印刷作業台3及び回転式乾燥装置1が設置されている。印刷作業台3は、例えば、シルクスクリーン印刷を行う作業台である。回転式乾燥装置1は、印刷作業台3の上部空間に設置されている。
印刷作業台3は、傾斜した作業面を有し、当該作業面上に対象物及び版が重ねて載置され、スキージーを用いて印刷物にインクが押し出され、印刷物が製作される。回転式乾燥装置1は、印刷作業台3に向かって印刷処理を行っている作業者の頭上に設置されている。製作された印刷物2は、回転式乾燥装置1の搬送ストリング10に取り付けられ、乾燥処理が行われる。
印刷物2は、ガイドフレーム11の下側の直線部111上において搬送ストリング10に取り付けられ、例えば、図7において時計回りに移動する。つまり、印刷物2は、湾曲部112を経由して、上側の直線部110に移動し、上側の直線部110を移動しながら乾燥処理が行われる。乾燥処理は、自然乾燥であってもよいし、送風機4からの送風により乾燥を促進することもできる。図示しないヒータにより加熱して更に促進することもできる。その後、印刷物2は、湾曲部113を経由して、下側の直線部111に移動し、取り外される。印刷物が取り外された搬送ストリング10は、下側の直線部111上において新しい印刷物2が取り付けられる。
回転式乾燥装置1は、鉛直面内に環状経路を有し、当該環状経路に沿って多数の搬送ストリング10を移動させることができる。このため、搬送ストリング10は、環状経路の下側において印刷物2が取り付けられ、搬送経路の上側を移動しながら乾燥処理され、再び下側の環状経路に戻って、印刷物2が取り外される。このため、印刷物2の乾燥処理が、先入れ先出し方式によって順に行われ、効率的に処理することができる。しかも、印刷処理を行った作業者が移動することなく、印刷物2を搬送ストリング10に取り付けることができ、作業効率を向上させることができる。さらに、印刷物2は、印刷作業台3の上部空間に設けられた鉛直面内の環状経路を移動するため、省スペースで実現することができる。
図7に示した通り、回転式乾燥装置1の下には、2以上の印刷作業台3を設置することもできる。環状経路の直線部に沿って2以上の印刷作業台3を設置することにより、2以上の作業者が、印刷物2を搬送ストリング10に取り付けることが可能になる。
(3)回転式乾燥装置1の詳細構成
図8〜13は、回転式乾燥装置1の詳細構成を示した図であり、図8〜13を用いて回転式乾燥装置1の詳細構成について説明する。
図8〜13は、回転式乾燥装置1の詳細構成を示した図であり、図8〜13を用いて回転式乾燥装置1の詳細構成について説明する。
図8は、ガイドフレーム11の詳細構成の一例を示した図であり、図中の(a)は、搬送ストリング10側から見たガイドフレーム11の内側面が示され、(b)は、搬送ストリング10とは反対側から見たガイドフレーム11の外側面が示されている。
ガイドフレーム11は、直線状に延びる2本の直線パイプ50,51と、湾曲させた2本の湾曲パイプ52,53とにより構成される。湾曲パイプ52,53は、例えば、半円形からなり、直線パイプを曲げ加工することによって得られる。直線パイプ50,51と湾曲パイプ52,53とは、接合部54において互いに接合される。湾曲パイプ52,53の両端を異なる直線パイプ50,51の一端にそれぞれ連結することにより、オーバル型の環状形状からなるガイドフレーム11が形成される。
図9は、回転式乾燥装置1の断面図であり、図2のA−A切断線により切断した場合の断面が示されている。図10は、可動連結部を構成するブラケット16及び転動ローラ6の構成例を示した図である。搬送ストリング10は、テンション調整部15を介して、可動連結部に連結され、可動連結部は、ブラケット16及び転動ローラ6により構成される。つまり、搬送ストリング10は、ブラケット16を介して、転動ローラ6に連結され、環状経路に沿って移動自在に支持されている。
(3−1)テンション調整部15
テンション調整部15は、搬送ストリング10に適度な張力を生じさせるための張力調整部品であり、一端が搬送ストリング10に連結され、他端がブラケット16に連結される。テンション調整部15には、例えば、ターンバックルが用いられる。ターンバックルは、バックル部150と、2つの連結アーム151,152とにより構成される。連結アーム151,152は、バックル部150の両端に設けられ、互いに逆ネジになるようにバックル部150に螺合されている。このため、バックル部150を回転させることにより、連結アーム151,152間の距離が変化し、搬送ストリング10の張力を調整することができる。なお、図中では、搬送ストリング10の両端それぞれにテンション調整部15が設けられているが、1つの搬送ストリング10に対し、少なくとも1つのテンション調整部15が設けられていればよい。
テンション調整部15は、搬送ストリング10に適度な張力を生じさせるための張力調整部品であり、一端が搬送ストリング10に連結され、他端がブラケット16に連結される。テンション調整部15には、例えば、ターンバックルが用いられる。ターンバックルは、バックル部150と、2つの連結アーム151,152とにより構成される。連結アーム151,152は、バックル部150の両端に設けられ、互いに逆ネジになるようにバックル部150に螺合されている。このため、バックル部150を回転させることにより、連結アーム151,152間の距離が変化し、搬送ストリング10の張力を調整することができる。なお、図中では、搬送ストリング10の両端それぞれにテンション調整部15が設けられているが、1つの搬送ストリング10に対し、少なくとも1つのテンション調整部15が設けられていればよい。
(3−2)ブラケット16
ブラケット16は、搬送ストリング10を転動ローラ6に連結する部材であり、一端が搬送ストリング10に連結され、他端が転動ローラ6に連結されている。ブラケット16には、例えば、金属製の薄板を用いることができる。ブラケット16の厚さは、スリット114の幅よりも薄く、ブラケット16は、スリット114を介して、ガイドフレーム11の内外を連結する。具体的には、ブラケット16は、その長手方向に2つの連結孔が形成され、一方の連結孔には、テンション調整部15の連結アーム152が連結され、他方の連結孔は、転動ローラ6が回転自在に連結される。
ブラケット16は、搬送ストリング10を転動ローラ6に連結する部材であり、一端が搬送ストリング10に連結され、他端が転動ローラ6に連結されている。ブラケット16には、例えば、金属製の薄板を用いることができる。ブラケット16の厚さは、スリット114の幅よりも薄く、ブラケット16は、スリット114を介して、ガイドフレーム11の内外を連結する。具体的には、ブラケット16は、その長手方向に2つの連結孔が形成され、一方の連結孔には、テンション調整部15の連結アーム152が連結され、他方の連結孔は、転動ローラ6が回転自在に連結される。
(3−3)転動ローラ6
転動ローラ6は、回転軸61と、回転軸61に対し回転自在な2つの転動体60とにより構成され、ガイドフレーム11の内部空間に転動自在に収容される。転動体60は、軸方向において外側に向かって凸となるR形状の側面を有する円盤形状からなり、例えば、樹脂成型品が用いられる。転動体60の外径は、ガイドフレームの内径よりも小さく、ガイドフレーム11の内面に沿って転動し、ガイドフレーム11の延伸方向に移動することができる。また、転動体60の中心には、回転軸61を挿通する孔が形成されている。回転軸61は、金属製の軸体であり、ブラケット16を挟んで、2つの転動体60が回転自在に取り付けられている。
転動ローラ6は、回転軸61と、回転軸61に対し回転自在な2つの転動体60とにより構成され、ガイドフレーム11の内部空間に転動自在に収容される。転動体60は、軸方向において外側に向かって凸となるR形状の側面を有する円盤形状からなり、例えば、樹脂成型品が用いられる。転動体60の外径は、ガイドフレームの内径よりも小さく、ガイドフレーム11の内面に沿って転動し、ガイドフレーム11の延伸方向に移動することができる。また、転動体60の中心には、回転軸61を挿通する孔が形成されている。回転軸61は、金属製の軸体であり、ブラケット16を挟んで、2つの転動体60が回転自在に取り付けられている。
テンション調整部15を用いて、搬送ストリング10に適度な張力を与えることにより、転動ローラ6の転動体60は、搬送ストリング10側のガイドフレーム11の内面に接触する。この状態で、搬送ストリングに対し、ガイドフレーム11の延伸方向に沿った外力を加えれば、転動体60が転動して、転動ローラ6がガイドフレーム11内を移動し、搬送ストリング10が平行移動する。
(3−4)搬送制御棒7
図11は、搬送制御棒7の一構成例を示した図である。搬送制御棒7は、細長い棒状体であり、上向き係合部70、下向き係合部71及び把持部72を備えている。搬送ストリング10は、搬送制御棒7を用いて搬送方向への外力を加えることによって移動する。
図11は、搬送制御棒7の一構成例を示した図である。搬送制御棒7は、細長い棒状体であり、上向き係合部70、下向き係合部71及び把持部72を備えている。搬送ストリング10は、搬送制御棒7を用いて搬送方向への外力を加えることによって移動する。
上向き係合部70は、搬送ストリング10に対し、下側から近づけて搬送ストリング10を拘束する係合部である。上向き係合部70は、上部が開放された形状、例えばU字形状からなり、搬送ストリング10に対し、水平方向又は上向きの外力を加えることができる。このため、上向き係合部70を用いることにより、直線経路上における搬送ストリング10の水平移動や、湾曲経路上における上昇移動(押し上げ)が可能になる。
下向き係合部71は、搬送ストリング10に対し、上側から近づて搬送ストリング10を拘束する係合部である。下向き係合部71は、下部が開放された形状、例えば逆向きのU字形状からなり、搬送ストリング10に対し、水平方向又は下向きの外力を加えることができる。このため、下向き係合部71を用いることにより、直線経路上における搬送ストリング10の水平移動や、湾曲経路上における下降移動(引き下げ)が可能になる。
把持部72は、作業者により把持される部分である。回転式乾燥装置1は、作業者の頭上に設置され、しかも、印刷物2が取り付けられた搬送ストリング10が鉛直面内の環状経路上を移動するように構成されている。このため、搬送制御棒7を用いることにより、搬送ストリング10を容易に移動させることができる。
(3−5)ローラ交換部115
図12は、ローラ交換部115の一構成例を示した図である。ローラ交換部115は、ガイドフレーム11に設けられた転動ローラ6の交換口である。ローラ交換部115は、ガイドフレーム11の外側面に設けられ、転動ローラ6を取り出し、あるいは、追加することができる。ローラ交換部115は、開閉可能な蓋を備えた交換口であり、蓋を閉めることにより、転動ローラ6の転動動作には影響を与えない。
図12は、ローラ交換部115の一構成例を示した図である。ローラ交換部115は、ガイドフレーム11に設けられた転動ローラ6の交換口である。ローラ交換部115は、ガイドフレーム11の外側面に設けられ、転動ローラ6を取り出し、あるいは、追加することができる。ローラ交換部115は、開閉可能な蓋を備えた交換口であり、蓋を閉めることにより、転動ローラ6の転動動作には影響を与えない。
(3−6)接合部54
図13は、接合部54の状態を説明するための図である。図中の(a)〜(c)は、ガイドフレーム11の断面図であり、(a)は、図8のB−B切断線により切断した場合の断面が示され、(b)及び(c)は、(a)のC−C切断線により切断した場合の断面が示されている。また、(b)は、転動ローラ6が通過していない場合の様子が示され、(c)は、転動ローラ6が通過する場合の様子が示されている。
図13は、接合部54の状態を説明するための図である。図中の(a)〜(c)は、ガイドフレーム11の断面図であり、(a)は、図8のB−B切断線により切断した場合の断面が示され、(b)及び(c)は、(a)のC−C切断線により切断した場合の断面が示されている。また、(b)は、転動ローラ6が通過していない場合の様子が示され、(c)は、転動ローラ6が通過する場合の様子が示されている。
接合部54は、直線パイプ50,51と湾曲パイプ52,53の端面を突き合せ、端面同士が溶接により接合されている。溶接処理は、ガイドフレーム11の外側から行われる。このため、接合面、つまり、パイプの肉厚部の端面において、径方向外側は溶接接合されているが、径方向内側は溶接接合されていない状態になる。
図13の(b)には、接合部54を含むガイドフレーム11の内面が示されている。ガイドフレーム11の内面には、接合部54に相当する位置に周方向に延びる接合溝が形成される。この接合溝は、接合面のうち内面側が溶接接合されていないことに起因して生じる。この接合溝の幅が広い場合には、転動ローラ6の円滑な移動が妨げられる。しかしながら、搬送ストリング10の張力(図13(a)の矢印)を利用して、ガイドフレーム11を撓ませることにより、転動ローラ6が通過する際に接触する接合溝の幅を狭めることができる。
図13の(c)は、転動ローラ6の通過時におけるガイドフレーム11の内面が示されている。搬送ストリング10の張力を適切に調整することにより、転動ローラ6がガイドフレーム11の内面を押圧し、ガイドフレーム11を搬送ストリング10側へ撓ませることができる。このため、転動ローラ6が接合溝を通過するとき、ガイドフレーム11を搬送ストリング10側へ撓ませ、接合溝の幅が狭くなる。つまり、転動ローラ6が通過するときだけ、しかも、当該転動ローラ6が接触している部分だけ、接合溝の幅を狭めることができ、転動ローラ6の円滑な移動を確保することができる。
吊り下げフレーム130の固定位置では、ガイドフレーム11が撓みにくいため、接合部54は、吊り下げフレーム130の固定位置と一致していないことが望ましい。特に、接合部54が吊り下げフレーム130による固定位置よりも外側に設けられていることが望ましい。
本実施の形態による回転式乾燥装置1は、印刷物2を懸下する多数の搬送ストリング10と、搬送ストリング10の両端を支持する一対のガイドフレーム11とを備え、印刷作業台3の上部空間に設置される。ガイドフレーム11は、水平に延びる2つの直線経路の両端を滑らかに連結したオーバル形の環状経路を鉛直面内に形成し、一対のガイドフレーム11は、水平方向に互いに対向するように配置され、搬送ストリング10は、一対のガイドフレーム11間において水平方向に延び、環状経路に沿って移動自在である。
このような構成を採用することにより、回転式乾燥装置1を印刷作業台3の上部空間に設置することができる。このため、印刷作業台3の上部空間を有効利用することができる。また、印刷処理を行う作業者が、長い距離を移動することなく、印刷物の取り付け及び取り外しを行うことができるため、作業効率を向上させることができる。
また、印刷物2を懸下する搬送ストリング10が鉛直面内の環状経路に沿って移動自在となる。このため、印刷作業台3の上部空間を有効利用することができる。また、印刷物を順次に移動するため、取り付け及び取り外しが先入れ先出し方式になり、効率的に乾燥処理を行うことができる。
また、本実施の形態による回転式乾燥装置1は、ガイドフレーム11が、円形の断面を有し、環状経路に沿って延びる金属パイプ50〜53からなり、当該金属パイプ50〜53が、環状経路に沿って延びるスリット114を有する。また、搬送ストリング10は、両端に可動連結部をそれぞれ有し、当該可動連結部は、金属パイプ50〜53内に転動自在に収容され、環状経路に沿って移動可能な転動ローラ6と、一端が転動ローラ6に対し回転自在に連結され、スリット114を介して金属パイプ50〜53外に引き出された他端が搬送ストリング10に連結されるブラケット16とを有する。このような構成により、搬送ストリング10が環状経路に沿って移動自在となるように構成することができる。
また、本実施の形態による回転式乾燥装置1は、ガイドフレーム11が、直線経路を形成する2つの直線パイプ50,51と、異なる直線パイプ50,51の一端を互いに接続する2つの湾曲パイプ52,53とにより構成され、直線パイプ50,51及び湾曲パイプ52,53は、接合面の外径側の一部のみが接合されるように溶接接合され、直線パイプ50,51及び湾曲パイプ52,53の接合部54は、転動ローラ6が通過する際に搬送ストリング10側に向かって撓むことが可能である。
このような構成により、転動ローラ6が接合部54を通過する際、ガイドフレーム11を搬送ストリング10側に向かって撓ませることができる。このため、ガイドフレーム11の内面に形成された接合溝であって、転動ローラ6が乗り越えて通過する溝の幅を狭めることができ、転動ローラ6を円滑に転動させることが可能になる。
また、本実施の形態による回転式乾燥装置1は、搬送ストリング10が、テンション調整部15を備える。このような構成により、搬送ストリング10に適切な張力を付与することができる。
また、本実施の形態による回転式乾燥装置1は、直線経路が、2以上の印刷作業台3の配列に沿って延びるように配置される。この様な構成により、印刷作業台3の上部空間をさらに有効利用することができる。また、回転式乾燥装置1を複数の作業者で共用することができるので、さらに効率的に乾燥処理を行うことができる。
なお、本実施の形態では、印刷物2を乾燥する回転式乾燥装置1の例について説明したが、本考案は、印刷物2を対象物とする乾燥装置のみに限定されない。つまり、本考案は、乾燥させる対象物が限定されず、印刷物以外の対象物を乾燥する乾燥装置にも適用することができる。例えば、衣類等の洗濯業において洗濯物乾燥のために用いられる乾燥装置や、素麺等の食品加工業において食品乾燥のために用いられる乾燥装置にも適用することができる。
1 回転式乾燥装置
10 搬送ストリング
11 ガイドフレーム
15 テンション調整部
16 ブラケット
110,111 直線部
112,113 湾曲部
114 スリット
115 ローラ交換部
130〜132 支持フレーム
150 バックル部
151,152 連結アーム
2 印刷物
3 印刷作業台
4 送風機
50,51 直線パイプ
52,53 湾曲パイプ
54 接合部
6 転動ローラ
60 転動体
61 回転軸
7 搬送制御棒
70 上向き係合部
71 下向き係合部
72 把持部
10 搬送ストリング
11 ガイドフレーム
15 テンション調整部
16 ブラケット
110,111 直線部
112,113 湾曲部
114 スリット
115 ローラ交換部
130〜132 支持フレーム
150 バックル部
151,152 連結アーム
2 印刷物
3 印刷作業台
4 送風機
50,51 直線パイプ
52,53 湾曲パイプ
54 接合部
6 転動ローラ
60 転動体
61 回転軸
7 搬送制御棒
70 上向き係合部
71 下向き係合部
72 把持部
Claims (4)
- 複数の対象物をそれぞれ懸下する多数の搬送ストリングと、前記搬送ストリングの両端を支持する一対のガイドフレームとを備えた回転式乾燥装置において、
前記ガイドフレームは、水平に延びる2つの直線経路の両端を滑らかに連結したオーバル形の環状経路を鉛直面内に形成し、
前記一対のガイドフレームは、水平方向に互いに対向するように配置され、
前記搬送ストリングは、前記一対のガイドフレーム間において水平方向に延び、前記環状経路に沿って移動自在であることを特徴とする回転式乾燥装置。 - 前記ガイドフレームは、円形の断面を有し、前記環状経路に沿って延びる金属パイプからなり、当該金属パイプは、前記環状経路に沿って延びるスリットを有し、
前記搬送ストリングは、両端に可動連結部をそれぞれ有し、
前記可動連結部は、
前記金属パイプ内に転動自在に収容され、前記環状経路に沿って移動可能な転動ローラと、
一端が、前記転動ローラに対し回転自在に連結され、前記スリットを介して前記金属パイプ外に引き出された他端が、前記搬送ストリングに連結されるブラケットとを有することを特徴とする請求項1に記載の回転式乾燥装置。 - 前記ガイドフレームは、前記直線経路を形成する2つの直線パイプと、異なる前記直線パイプの一端を互いに接続する2つの湾曲パイプとにより構成され、
前記直線パイプ及び前記湾曲パイプは、接合面の外径側の一部のみが接合されるように溶接接合され、
前記直線パイプ及び前記湾曲パイプの接合部は、前記転動ローラが通過する際に搬送ストリング側に向かって撓むことが可能であることを特徴とする請求項2に記載の回転式乾燥装置。 - 前記搬送ストリングは、テンション調整部を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の回転式乾燥装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018003632U JP3219117U (ja) | 2018-09-19 | 2018-09-19 | 回転式乾燥装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018003632U JP3219117U (ja) | 2018-09-19 | 2018-09-19 | 回転式乾燥装置 |
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---|---|
JP3219117U true JP3219117U (ja) | 2018-11-29 |
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ID=64457197
Family Applications (1)
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JP2018003632U Expired - Fee Related JP3219117U (ja) | 2018-09-19 | 2018-09-19 | 回転式乾燥装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3219117U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113071117A (zh) * | 2021-03-31 | 2021-07-06 | 重庆伟星新型建材有限公司 | 管道热处理设备 |
-
2018
- 2018-09-19 JP JP2018003632U patent/JP3219117U/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
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CN113071117A (zh) * | 2021-03-31 | 2021-07-06 | 重庆伟星新型建材有限公司 | 管道热处理设备 |
CN113071117B (zh) * | 2021-03-31 | 2023-01-10 | 重庆伟星新型建材有限公司 | 管道热处理设备 |
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