JP3218961B2 - 含塩素プラスチック廃材の処理方法 - Google Patents

含塩素プラスチック廃材の処理方法

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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含塩素プラスチッ
ク廃材を無害化処理する方法に関し、より詳しくは、塩
素含有有機物、例えば、塩化ビニルなどの塩素含有プラ
スチックを廃棄処理する際に、ダイオキシンなどの有害
な塩素化合物を発生させずに処理する方法に関するもの
であり、廃棄物中のプラスチック分を燃料化して再利用
すると共に金属分の再資源化が容易に図れる方法であっ
て、シュレッダーダストなどの廃棄物処理方法として適
切な方法である。
【0002】
【従来の技術】近年、都市ゴミや産業廃棄物が急増し、
その埋立処分や焼却処分が社会問題化している。特に、
廃棄された自動車や家電製品などの破砕処理によって生
じるシュレッダーダストなどが急速に増加しており、そ
の対策が現在緊急の課題になっている。このシュレッダ
ーダストは、配線の被覆材である塩化ビニルなどのプラ
スチック廃棄物と金属屑が混在したものであり、現在そ
の大部分は埋立処理されている。一方、産業廃棄物に含
まれるプラスチック廃棄物については、資源再利用の観
点から、その燃料化(固形燃料化、油化、ガス化)が図
られており、その代表的な方法としてプラスチック廃材
やゴム廃材を乾留して油分とガス分を回収する方法が知
られている(特開昭48-67 号、同49-90773号、同50-416
8 号、同50-85573号)。
【0003】
【従来技術の問題点】ところが、塩化ビニルなどの塩素
含有プラスチックは、その塩素分が加熱分解時に塩化水
素として揮発し装置の腐食を招き、また回収した燃料に
混入する難点がある。さらに空気の存在下で焼却する方
法においてはダイオキシンなどの有害な塩素化合物が発
生する問題がある。そこで、含塩素プラスチック廃棄物
については、焼却処理に先立ち高温度の水蒸気を添加し
て低温乾留することにより、塩素分を塩化水素として分
離する方法(特開昭48-60466号)や、塩化ビニル樹脂に
鉄または酸化鉄を添加して加熱処理することにより、塩
素を鉄と反応させて3価の塩化鉄(FeCl3)とした後に、
この塩化鉄をガス化して分離する方法(特公昭50-32264
号)が知られている。
【0004】しかし、前者の方法では塩化水素による腐
食の問題は解決されず、また後者の方法は、塩素を昇華
性の高い塩化鉄(III) に転換することにより低い加熱温
度で熱分解処理できるようにしたものであり、塩素分を
ガス化して分離する点においては従来の方法と変わりな
く、熱分解後に生成ガスと塩化鉄ガスを分離する工程が
必要であるため処理工程が繁雑であり、燃料化および再
資源化の効率も低い。さらに、上記いずれの方法も金属
屑が多量に含まれるシュレッダーダストについては、金
属屑が回収されずに焼却灰として多量に残り、この焼却
灰は重金属の溶出や粉塵の発生を防止するためセメント
固化して埋立て処理するか、溶融して安定なスラグにす
る必要があり、再資源化の上で問題が残る。
【0005】
【発明の解決課題】本発明は、従来の塩素含有プラスチ
ック廃材の処理方法における上記課題を解決する処理方
法を提供するものであり、塩化ビニルなどの塩素含有プ
ラスチック廃材を乾留処理して燃料化する際に、金属屑
の混在下かつ非酸化性雰囲気下で乾留することにより含
有塩素を金属屑と反応させ非昇華性の金属塩化物として
生成ガスから分離して残渣中に残し、この塩素の固定化
により有害な塩素化合物ガスの発生を防止して廃棄物の
無害化を図ると共に、実質的に塩素を含まない乾留ガス
およびこの乾留ガスを凝縮分離した乾留油を回収して燃
料に利用できるようにし、燃料化と共に金属分も資源化
してその実用性を高めたものである。
【0006】
【課題解決の手段】すなわち、本発明によれば、(1)
含塩素プラスチック廃材を、金属屑の混在下、非酸化性
雰囲気下で、300〜450℃の温度で低温乾留するこ
とにより、上記プラスチック廃材に含有される塩素を金
属屑と反応させて金属塩化物を形成させ、これを残渣中
に残して乾留ガスから分離し、この低温乾留残渣を洗浄
して水溶性金属塩化物を除去し、さらにこの脱塩した洗
浄残渣を450〜600℃で高温乾留することにより、
プラスチック廃材に含まれる塩素の70%以上を除去し
た乾留ガスを回収することを特徴とする含塩素プラスチ
ック廃材の処理方法が提供される。
【0007】本発明の上記処理方法は、(2)プラスチ
ック廃材に含まれる塩素の99%以上を除去した乾留ガ
スを回収する処理方法、(3)金属屑の混在した含塩素
プラスチック廃材がシュレッダーダストである処理方
法、(4)金属屑に代えまたは金属屑と共に、消石灰、
生石灰または炭酸カルシウム等のカルシウム含有塩基性
無機化合物を加えて乾留する処理方法を含む。
【0008】さらに、本発明の上記処理方法は、(5)
回収した乾留残渣を洗浄後、粉砕し、磁選して鉄屑を分
離回収する一方、その残留分から非鉄金属と炭化物を分
離回収する処理方法、(6)乾留残渣をアルカリ洗浄
し、残渣から溶脱した金属分を水酸化物として回収する
処理方法を含む。
【0009】
【発明の実施形態】本発明において含塩素プラスチック
廃材とは塩化ビニルなどの塩素含有樹脂に代表されるプ
ラスチック(樹脂)廃棄物を言う。塩化ビニルは電線の
被覆材などとして多量に用いられており、理論的には5
6重量%(以下%と表示)程度の塩素を含有し、他のポ
リオレフィン系樹脂およびポリスチレン樹脂などとは、
その燃焼、熱分解の挙動が大きく異なり、比較的低温
(約200℃以上)で、塩化水素を発生しつつ熱分解が
進行する。
【0010】本処理方法は、この塩化水素の発生を避け
るために、含塩素プラスチック廃材を金属屑の混在下か
つ非酸化性雰囲気下で300〜600℃の温度で乾留
し、含有塩素を金属屑と反応させ、乾留温度では揮発し
ない金属塩化物を生成させることにより残渣中に固定す
る。金属屑の量は、理論的にはプラスチックに含まれる
塩素の全量を金属塩化物に変えるのに足りる量であれば
良いが、実際は反応性等の問題から、反応当量より過剰
であることが好ましい。含塩素プラスチック廃材と金属
屑が混在する代表的なものは上記シュレッダーダストで
ある。通常、シュレッダーダストには概ね10〜30重
量%の金属屑が含まれており、残余は主に樹脂成分であ
る。本処理方法は、このシュレッダーダストを金属屑と
樹脂成分が混在したまま処理することができる。
【0011】塩化ビニルを主成分とする電線の被覆材
を、金属屑を混在させずに窒素ガス雰囲気下で300〜
600℃に乾留すると、300℃までに含有塩素の80
%強は塩化水素として揮散するが、シュレッダーダスト
を金属屑が混在する状態で上記温度で乾留すると、塩化
ビニルの分解によって生じる塩化水素はダスト中に含ま
れる鉄、銅、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、カル
シウム、ナトリウム、鉛などの金属と反応して上記乾留
温度では気化しない金属塩化物、例えば、塩化鉄(II)[F
eCl 2 ]、塩化銅(I)[CuCl] 、塩化カルシウム[CaCl 2 ]、塩
化鉛(II)[PbCl 2 ]、塩化亜鉛[ZnCl 2 ]、塩化ナトリウム[N
aCl]、塩化マグネシウム[MgCl 2 ]および次亜塩素酸アル
ミニウム[AlOCl]の非揮発性金属塩化物を形成し、これ
が乾留残渣中に固形分として残る。このため塩素ガスや
塩化水素ガスなどが殆ど発生しない。
【0012】なお、金属屑に代え、または金属屑と共に
カルシウム含有塩基性無機化合物を加えても良い。カル
シウム含有塩基性無機化合物としては消石灰、生石灰ま
たは炭酸カルシウムなどが用いられる。この場合も同様
にプラスチックの分解によって生じた塩素はこれらカル
シウム化合物と反応して塩化カルシウムとなり、残渣に
固定される。従って、廃材中の金属量が少ない場合には
これらのカルシウム化合物を加えることにより、容易に
しかも安価に塩素を残渣中に固定することができる。
【0013】金属屑が混在したプラスチック廃材の乾留
は、窒素などの不活性ガスを導入して空気を排出した非
酸化性雰囲気下で行う。非酸化性雰囲気とは酸素濃度1
6vol%以下であり、好ましくは酸素濃度4vol%以下
適当である。空気中(酸化性雰囲気)で乾留すると混在
する鉄などが乾留時に酸化し、酸化数の高い揮発性の塩
化物を形成するので好ましくない。例えば、鉄は空気中
で乾留すると有機物廃材中の含有塩素と反応して塩化鉄
(III)FeCl3を生じる。この塩化鉄(III)は沸点が約31
7℃であり、塩化鉄(II)FeCl2 の沸点(約1023℃)よりも
格段に低い温度で揮発するので、乾留時に気化し塩素を
残渣中に固定する作用を果さない。
【0014】乾留温度の範囲は、樹脂中の塩素が分解す
る300℃以上から廃材中の樹脂成分の大部分が分解す
る600℃以下が適当である。300℃より低いと脱塩
化水素が進まず、また、600℃を越えると金属塩化物
の一部が揮発してガス中に移行するので好ましくない。
【0015】乾留時間は樹脂が熱分解して反応が十分に
進行し、金属塩化物の生成が終了するために十分な時間
行う。廃材の処理量や温度等にもよるが、約200gの
プラスチック廃材を分解するのに必要な時間は概ね30
〜60分程度である。
【0016】乾留は多段に分けて行う。具体的には、含
有塩素の大部分が離脱する300〜450℃程度、好ま
しくは300〜350℃の温度で1次乾留(低温乾留)
を行い、その残渣を樹脂類の大半が分解する450〜6
00℃の温度で2次乾留(高温乾留)を行う。
【0017】1次乾留の段階で含有塩素はその殆ど全量
が分解して金属屑と反応し金属塩化物として乾留残渣に
残り、乾留ガス中に揮発する量はごく僅かである。1次
乾留において、樹脂の大部分は含有塩素の離脱と共に熱
分解し、乾留ガスとして揮発する。この乾留ガスをコン
デンサーに導き、冷却凝縮して乾留液を回収し、さらに
乾留液を遠心分離等により油水分離する。また、未凝縮
のガス分をアルカリ液に導き、アルカリ洗浄によってガ
ス中にごく僅か残留する塩素分を捕集分離した後に回収
する。この乾留ガスは主に炭化水素ガスであり燃料ガス
として再利用することができる。
【0018】1次乾留残渣中の金属塩化物は大部分が水
溶性であり、この残渣を洗浄して金属塩化物を溶解させ
る。洗浄は水洗でもよく、また苛性ソーダや石灰等を加
えたアルカリ洗浄でもよい。苛性ソーダや石灰等を加え
て洗浄することにより、洗浄液が中和され、残渣から溶
脱した金属イオンは、水酸化物として沈殿するので、こ
れを分離回収することができる。この場合、洗浄液のア
ルカリ量は、溶脱した金属分が水酸化物沈殿を生じるp
H域になる量を用いる。最適pH域は金属の種類等によ
って異なり、各々の金属種等に応じてアルカリ量を定め
れば良い。
【0019】なお、洗浄排液のpH値が排水の規制値を
外れる場合には上記金属水酸化物を回収した後に排水の
pHを再度調整して排水規制値の範囲内におさめる。具
体的には、現在の排出基準では排水のpHが5.8〜
8.6の範囲に規制されているので、この規制値を外れ
るときには金属水酸化物を回収した後に再度pHを調整
して上記範囲内に整える。
【0020】この他に、水洗により溶脱された金属塩化
物は、例えば、電気透析やイオン交換樹脂による方法、
洗浄液を煮沸して結晶化させる方法など常用の方法によ
り分離回収しても良い。
【0021】1次乾留残渣を洗浄後、2次乾留する。2
次乾留により樹脂の大部分が熱分解してガス化する。1
次乾留の残渣に固定された塩素は乾留残渣を洗浄して除
去されているので、2次乾留の留出ガスには塩素ガスな
いし塩化水素ガスは殆ど含まれておらず、乾留ガスの大
部分は水素および炭化水素である。これを1次乾留の場
合と同様に冷却部に導いて凝縮し、乾留液を回収する。
一方、未凝縮のガス分はアルカリ液に導き、アルカリ洗
浄によってガス中にごく僅か残留する塩素分を捕集分離
した後に回収する。
【0022】上記乾留液からは1次乾留の場合と同様に
水分を遠心分離などにより除去し、油分を回収する。回
収した乾留ガスおよび油分は燃料として再利用すること
ができる。なお乾留は2段に限らず、乾留温度を段階的
に変えて数回繰り返してもよい。乾留ガスの成分例(vol
%) を以下に示す。
【0023】 H2:51%、CH4:17%、CO2:0.05、CO:
7.6%、C24:0.6%、C26:2.6%、C
38:1.1%、n-C410:1.0%
【0024】2次乾留の残渣は洗浄してごく僅かに残る
金属塩化物を除去した後、乾燥し、粉砕した後に磁選な
どにより鉄屑を分離し、回収する。この鉄屑はスクラッ
プとして再利用することができる。鉄を除去した乾留残
渣は比重選別、重液選別などの選別方法によって炭化物
と非鉄金属屑とに分離し、炭化物は燃料として回収する
一方、非鉄金属屑は金属製錬の原料として回収する。炭
化物の分離回収方法は上記比重差を利用した方法に限ら
ず、形状や粒度の差を利用した方法を利用しても良い。
なお、残渣の洗浄は水洗でも良く、あるいはアルカリ洗
浄でも良い。2次乾留残渣の洗浄液からの金属分の回収
は、1次乾留時における乾留残渣の洗浄と同様に行えば
良い。
【0025】以上の処理方法によれば、プラスチック廃
材に含まれる塩素の約70%以上、好適には約80%以
上、さらに好ましくは99%以上の塩素が揮発せずに残
渣中に固定して除去される。従来の燃焼処理においては
含有塩素の約30〜80%がガス化して揮散するのに対
して塩素固定化の割合が極めて高く、また乾留残渣に固
定された金属塩化物は洗浄により容易に溶脱できるの
で、後処理の負担も少ない。
【0026】
【実施例】本発明を実施例によって以下に具体的に説明
する。なお本実施例は例示であり本発明の範囲を限定す
るものではない。
【0027】〔実施例1〕 シュレッダーダスト(カーダスト)195g(金属分45
g、樹脂分121g、樹脂中塩素4.8g、その他29g)を図1に
示す乾留装置を用い、ルツボ炉1の炉内を窒素ガス雰囲
気に保ち、300℃の温度で1.5時間加熱して1次乾
留を行った。乾留ガスをコンデンサー2に導入して乾留
液(26ml)を受器3に回収し、未凝縮の乾留ガスを受器4
の苛性ソーダ液(濃度1%、100ml)に通じて回収した。
乾留液は遠心分離により水分と油分(8ml)に分離した。
油分の主成分はA重油相当品で、アルカリ洗浄後の乾留
ガス(17ml)の主成分は水素とメタンであり、いずれも燃
料として再利用でき、かつその塩素含有量は痕跡程度で
あった。
【0028】一方、1次乾留の残渣(162g)を500mlの
純水で洗浄し、この洗浄液の塩素量を測定したところ
4.02gであった。引き続き、1次乾留の洗浄残渣を
上記乾留装置を用い、560℃の温度で1.5時間加熱
して2次乾留を行い、凝縮後、23mlの乾留液と18リッ
トルの乾留ガスを回収した。乾留液は遠心分離により油分
と水分に分離し、また乾留ガスはアルカリ洗浄した。こ
の2次乾留残渣(87g)を500mlの純水で洗浄し、洗浄
液中の塩素含有量を測定したところ0.62gであっ
た。一方、乾留ガスについて同様に塩素量を測定したと
ころ塩素は殆ど含まれていなかった。また、2次乾留ガ
スの主成分は1次乾留ガスと同様に水素とメタンであ
り、この乾留油はA重油相当品であった。
【0029】以上のように、1次乾留によって、含有塩
素のほぼ全量が1次乾留残渣に固定され、この約82%
が残渣の水洗によって除去される。また、回収された乾
留液および乾留ガスには塩素がほとんど含まれず、しか
も、これらの主成分は燃料油および燃料ガスとなる水素
およびメタンである。本実施例の結果を表1にまとめて
示した。
【0030】
【表1】
【0031】〔比較例1〕 被覆電線用塩化ビニル樹脂屑(8.1g)を、金属屑を混在さ
せずに、アルミナ炉芯管に装入し、炉内に窒素ガスを導
入し、300℃で1次乾留を行い、さらに1000℃に
加熱して2次乾留を行った。1次および2次乾留ガスは
各々10%濃度の苛性ソーダ液(100ml)に導入してガス
中の塩素を塩素イオンとして捕捉し、その塩素濃度を測
定した。また、乾留残渣は200mlの純水で60分間洗浄
し、その洗浄液について塩素濃度を測定した。この結果
を表2に示した。表2に示すように、1次乾留ガスおよ
び2次乾留ガスのアルカリ洗浄液中の塩素量は各々2.
0g、0.01gであり、また乾留残渣の塩素量は0.3
4gであり、含有塩素の約85%がガス化して1次乾留
ガス中に混入し、塩素を分離することができない。
【0032】
【表2】
【0033】〔実施例2〕 アルミナ炉芯管を有する管状炉を用いたほかは実施例1
と同様の乾留装置により、表3に示す温度および雰囲気
条件下で、成分の異なるシュレッダーダストを一次乾留
した。実施例2の試料No.1〜4は原料の鉄、銅、カル
シウムの含有量が平均的なシュレッダーダストに相当す
る場合、試料No.5は鉄の含有量が多い場合であり、
料No.6は銅の含有量が多い場合である。表3に示すよ
うに、本実施例の試料No.1 〜6はいずれも乾留ガス中
の塩素量は含有塩素量の1%未満であり、含有塩素のほ
ぼ全量が残渣に残り、さらに残渣の洗浄により、その9
6〜98%が溶脱している。
【0034】〔比較例2〕 実施例2と同様の乾留装置を用い、表4に示す成分のシ
ュレッダーダストを原料とし、表4の温度および雰囲気
一次乾留した。この結果を表4に示した。なお、試料
No.17は金属屑を含有しない試料を実施例2の試料No.1
と同一の条件で乾留した場合である。表4の結果に示す
ように、700℃で乾留したものは温度が高いので3〜
4%の塩素がガス化して乾留ガスに混入している。ま
た、試料No.13,14に示すように、乾留温度が250℃で
は、温度が低いので含有塩素の71〜74%が洗浄残渣
に残り、大部分が分解されていない。さらに、試料No.1
5.16に示すように、空気を吹込む従来の熱分解方法で
は、含有塩素の38〜52%がガス化して乾留ガスある
いは乾留油に混入する。また、試料No.17に示すよう
に、金属屑が存在しない場合には、77%の塩素は揮発
して乾留ガスあるいは乾留油に含まれるようになる。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】本発明の処理方法によれば、シュレッダ
ーダストをダイオキシンなどの有害な塩素化合物ガスを
発生させずに脱塩素化処理することができ、有機廃棄物
を燃料化して再利用すると共に、金属分の回収による再
資源化が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 乾留装置の概略図
【符号の説明】
1−ルツボ炉、2−コンデンサー、3、4−受器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10J 3/00 B09B 3/00 ZAB C10L 3/06 C10L 3/00 A (72)発明者 片桐 知己 東京都文京区小石川1丁目3番25号 三 菱マテリアル株式会社地球事業センター 内 (56)参考文献 特開 昭58−36691(JP,A) 特開 平6−320137(JP,A) 特開 昭47−34072(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 3/00 302

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含塩素プラスチック廃材を、金属屑の混
    在下、非酸化性雰囲気下で、300〜450℃の温度で
    低温乾留することにより、上記プラスチック廃材に含有
    される塩素を金属屑と反応させて金属塩化物を形成さ
    せ、これを残渣中に残して乾留ガスから分離し、この低
    温乾留残渣を洗浄して水溶性金属塩化物を除去し、さら
    にこの脱塩した洗浄残渣を450〜600℃で高温乾留
    することにより、プラスチック廃材に含まれる塩素の7
    0%以上を除去した乾留ガスを回収することを特徴とす
    る含塩素プラスチック廃材の処理方法。
  2. 【請求項2】 プラスチック廃材に含まれる塩素の99
    %以上を除去した乾留ガスを回収する請求項1の処理方
    法。
  3. 【請求項3】 金属屑の混在した含塩素プラスチック廃
    材がシュレッダーダストである請求項1または2の処理
    方法。
  4. 【請求項4】 金属屑に代えまたは金属屑と共に、消石
    灰、生石灰または炭酸カルシウム等のカルシウム含有塩
    基性無機化合物を加えて乾留する請求項1、2または3
    の処理方法。
  5. 【請求項5】 回収した乾留残渣を洗浄後、粉砕し、磁
    選して鉄屑を分離回収する一方、その残留分から非鉄金
    属と炭化物を分離回収する請求項1〜4のいずれかの処
    理方法。
  6. 【請求項6】 乾留残渣をアルカリ洗浄し、残渣から溶
    脱した金属分を水酸化物として回収する請求項1〜5の
    いずれかに記載する処理方法。
JP35226395A 1995-02-22 1995-12-28 含塩素プラスチック廃材の処理方法 Expired - Lifetime JP3218961B2 (ja)

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