JP3218858U - 塗装剤成分のための可溶性容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】開封される必要なく塗装剤に添加され、内容物が空気中に広がることが回避される、塗装剤に添加される成分のための容器を提供する。【解決手段】空洞を有する器2と、蓋3とを含む、塗装剤成分のための容器1であって、塗装剤のための基液中で少なくとも部分的に可溶である剛直な自立型構造体を形成すべく発泡スチロールを含むかまたはそれから作られている。器2にはその開口部に近い外被面5においてネジ山4aが形成されており、蓋3には容器1上のネジ山4aとの嵌合に適合した円形突出縁部において対応するネジ山4bが形成されている。【選択図】図1

Description

本考案は、塗装剤、例えば塗料に添加する成分のための可溶性容器、ならびに塗装剤に成分を添加するための材料および送達システムに関する。
塗装剤中には、典型的には3つの主成分:結合剤、液体および添加剤が存在する。第4の成分である顔料が添加されると、この特定の種類の塗装剤は一般に塗料と呼ばれる。塗装剤は、表面に塗工されてそれを覆うことが意図されたものである。塗工方法は、個別の塗装剤に依存するものの、スプレー塗工、ブラシ法、浸漬および静電噴霧を含むことができる。
多くの顔料およびその他の無機塗料成分、例えば、フィラー、結合剤、レオロジー剤および乾燥剤は、大抵、開けた混合槽の上で25kgの材料が入った袋、例えば紙で作られた袋を切り開いて内容物が混合物中へと落ちることによって混合槽に加えられる。その他の液体成分、例えば、溶媒、共溶媒および溶解した結合剤は、貯蔵槽から混合槽へと圧送するかまたは注ぐことによって添加される。時には、例えば顔料およびその他の添加剤を添加する場合にペーストを使用する。
乾燥材料を上記の混合槽に加えることは、材料が混合槽内に注がれる時に作業者を粉塵に曝露させる。これは非有害物質の場合には許容され得るが、材料が有害な特性を呈しかつ/または殺生物剤などの生物学的に強力な材料、例えば、メデトミジン、トラロピリル、ピレチオンおよびその他の活性物質である場合には、その材料を取り扱っている作業者の健康を脅かす原因となる。しかも、空気中での取扱方式に起因する粉体の乾燥損失および製造設備の汚染は、粉体の材料を使用する際のコストおよび曝露危険性を増大させている。
潜在的有害物質への曝露を回避するために、塗料成分を可溶性材料の中に詰めることができる。英国特許第1297204号;米国特許第4,296,859号;米国特許第4,221,601号;および米国特許第2007/221531号には、塗装剤または塗料を調製するために液体に添加されることになる成分、例えば顔料またはその他の成分のための、様々な包装材または袋についての記載がある。包装材または袋は、それが添加される液体中に可溶である材料で作られる。内容物は、包装が溶解するにつれて放出されることになり、したがってその中に入っている成分は、袋または包みを開封する必要なく添加され得、また、内容物への曝露が回避され得る。
英国特許第1297204号明細書 米国特許第4,296,859号明細書 米国特許第4,221,601号明細書 米国特許第2007/221531号明細書
本考案は、塗装剤に添加する成分のための容器および包装システムに関するものであり、成分、例えば活性物質および有害物質の搬送、取り扱いおよび塗装剤への添加に関する課題を解決することを目的とする。「塗装剤」とは、本明細書において、例えば物体に塗装、噴霧または液体流体中への浸漬を施すことによって表面に広げて覆うことを意図した液体流体、例えば塗料を表したものである。「成分」とは、塗料または塗装剤を製造するために液体に添加されることが意図された任意の物質または物質の混合物を意味する。「活性物質」という表現は、成分中に含まれて塗装剤と混合された場合に塗装剤に機能性、例えば防汚特性、導電性または防食性を付与する物質を指す。「有害物質」とは、人間および/または環境に対して有害であり得、塗料または塗装剤を調製および/または使用する際に危険となる可能性のある、成分を意味する。さらに、「基液」とは、本明細書において、塗装剤を調製すべく溶解および/または混合されるために成分が添加される液体、例えば溶媒または水を意味する。「可溶性材料」とは、基液中で分解して塗装剤と混合する材料を意味する。したがって、「可溶性材料」という用語は、それ自体、材料に固有の特性ではなく、材料が添加されることが意図された液体に対する特性であると解釈されるべきである。
包装材は、塗装剤に添加されるべき成分、例えば有害物質のための、容器の形状を有し得、容器はさらに、基液中に可溶でなければならない。有害物質は、例えば、生物学的に強力な材料、重金属を含む顔料、または種々の物質のナノ粒子であってもよい。容器は非可溶性部分を含んでいてもよいものの、好ましくは容器全体が、容器が添加される塗装剤に使用する基液中に可溶である材料から作られる。したがって、容器は、完全に可溶性でありかつその内容物と共に丸ごと塗装剤または基液に添加されるように設計されてもよい。このことは安全性の観点から有益である、というのも、それは例えば、粉体を含む容器を塗装剤に添加する際に開封する必要がない場合に粉塵への曝露の危険性を低減するであろうからである。容器を丸ごと塗装剤に添加するという特徴は、背景技術において引用される文献中にも記載されている。しかしながら、本考案に係る容器は、剛直な自立型構造体を形成すべく可溶性材料が使用されるように設計される。これが意味するところは、容器が、それに充填がなされているかいないかにかかわらずその形状を維持できることになり、その形状を維持しながら妥当な圧力に耐え得る、ということである。
自立型の剛直な容器の使用は、大抵その取り扱いがより簡単であり得るという利点を有する。とりわけ、容器の全ての内容物を一度に使用すること、すなわち内容物全体を同時に添加することが望ましくない事例において、再密封可能な容器を有することが望ましい場合には利点がある可能性がある。
容器は、全体が上記の可溶性材料で作られてもよいし、部分的に可溶性材料で作られかつ部分的に非可溶性材料で作られてもよい。容器は、例えば、容器の内容物を基液に添加すべき時に先立ってその一部を除去することが必要であるかまたは望ましいように設計され得る。したがって、例えば、取り外し可能な部分が非可溶性材料で作られ得る一方で、容器の残りの部分は、基液に添加されて溶解し得る可溶性材料から作られ得る。容器が全体的に可溶性材料で作られていない場合、それは例えば、可溶性材料を少なくとも75パーセント、より好ましくは少なくとも90パーセント含むように設計され得る。取り外し可能な部分は勿論、容器の残りの部分と同じ材料かまたは別の可溶性材料かのどちらかである可溶性材料で作られることもできる、ということに留意されたい。
塗装剤または塗料を製造するために容器を液体に添加する前に取り外されることが意図された取り外し可能な部分が容器に形成される場合、これらの部分は、容器の内容物をより速く放出させて、それが添加される基液または塗装剤と混合させるために、容器を全体的に開封するかまたは容器の1つもしくはいくつかのより薄い部分を露出させるように設計され得る。容器は、容器を開封して必要な材料を引き出すかまたは容器全体をその内容物と共に塗装剤系もしくは塗料混合物に添加するかのどちらかを行うことができるように、蓋または、容器の管理された開封を容易にするためのその他の特徴部を有して設計され得る。
容器は、蓋と器とを含むように構成されてもよい。容器は、再密封可能な開口部、例えば、器のネジ山との嵌合に適合したネジ山が形成されているとともに回し開けるかまたは回し締めるように設計された蓋を有して作られてもよい。
しかしながら、特定の事例においては、例えば有害かつ潜在的に危険な成分が中に含まれている場合、容器を開封できることは望ましくないことがあり、容器は1まとまりの密閉容器として設計され得る。
容器は、容器の主成分として発泡スチロールを使用して作ることができ、全体を発泡スチロールで作ってもよい。発泡スチロールは勿論、容器のある特性を改善するために添加剤を要望または必要に応じて(容器の添加が意図される塗料に対して添加剤が大きな悪影響をもたらさない限り)含んでもよい。ポリスチレンは、容器に使用される発泡スチロールの密度が5〜500kg/m、好ましくは8〜100kg/mの範囲内であるように加工され得る。
塗料または塗装剤を製造するための液体に容器を添加する前に容器から一部を取り外してもよいことを上に簡単に述べた。容器はまた、容器の大部分よりも速く溶解するように設計された1つまたはいくつかの部分を含むように設計されてもよい。こうして、容器内に含まれた成分は確実に速く放出され得る。これは例えば、刻み目としてのより薄い部分を容器壁に形成することによって成し遂げられ得る。場合によっては、全体的な剛直材料部分に空いた1つまたはいくつかの穴と、壁の内側に貼られた可溶性材料からなる薄膜または薄層とが存在していてもよい。勿論、蓋を取り除いたときに容器内の内容物が器の外へ出て来ることが依然として防止されるように、器の上の蓋のところにある開口部を覆う可溶性材料の膜または薄層を形成することも可能である。したがって、器を塗装剤に添加する前に蓋を取り外してもよく、内容物は、開口部を覆っているとともに迅速に溶解するよう設計された膜が溶解するまで器からの放出が防止される。膜はまた、層が破れていないならば内容物が容器の外へ取り出されていないということを指し示す役割も果たすであろう。
可溶性材料からなる容器はまた、搬送中または取扱い中に蓋を定位置に保持することを目的として、限定されないが例えば弾性バンドまたはゴムバンドなどのバンドを使用して器に固定され得る蓋を有することも可能である。例えばバンドの材料が可溶性で無いならば、これらの類のバンドは、容器を取り扱うとき、または蓋を器から取り外すときに、取り外しが簡単でなければならない。他の事例では、バンドも可溶性材料から構成されていてよい。バンドの位置決めおよび固定を簡単にするために、蓋の上部および/または器の底において可溶性材料に様々な形状および数の刻み目を加えることもできる。
器を密封した状態で蓋を維持するためには、蓋をその係止位置に保つネジ機構を含むことができる。そのような場合、容器を密封するために蓋を器の上で回し締めることができるように、器の上部にネジ山を形成することになり、蓋にも嵌合するネジ山を形成することになる。代替の構造では、蓋を器に押し込んだときに器の周縁に押し込まれる、蓋の周縁からの突出部を有してもよく、こうして、蓋を定位置に保つさらに高い摩擦が蓋と器との間に作り出される。
上記の容器は、その取り扱いおよび搬送の際に容器の内容物をさらに保護するために気密に密閉されたプラスチック製の袋またはラップの中に入っていてもよい。プラスチック製の包みを周囲に有する容器は、容器を入れるために適合した容積および大きさを有する保護筐体、例えばHDPE(高密度ポリエチレン)製筐体の中にそれを入れる前に、例えば気泡ラップまたは類似の梱包材で包まれてもよい。上記の容器は、搬送中にそれが動き回らないように、外側の保護筐体の容積全体を満たさなければならない。上記の包装についての記載は、安全な取り扱い上の予防策が採られることを保証し、また、事故による損傷および容器から周囲への粉体または活性物質の放出から容器を守る。
本考案はさらに、上に開示される容器の中に含まれた、塗料のための活性物質または有害物質を含む成分に関する。活性物質は、生物学的に強力な材料、例えばメデトミジンであり得る。生物学的に強力な材料とは、概して、生物、例えば動物または植物に対して生物学的作用を呈する物質を意味する。容器全体が液体中に溶解するように設計され得るため、それは、添加される前に特定の操作を何ら行うことなく液体に添加されることができ、また、容器内の成分との接触またはその吸入の危険性がない。活性物質は、例えば、海洋環境における表面のフジツボ付着および生物汚染を防ぐための活性物質であるメデトミジンすなわち(±)−4(5)−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾールを含有する成分であり得る。したがって、この事例において塗装剤は、海洋環境に曝される表面、例えば船舶またはボートの船体に塗工されることが意図されることになる。メデトミジンの機能は、例えば、米国特許第6,762,227号に記載されている。それゆえ、この文献において開示されているメデトミジンを使用してもよいし、WO2015/011177およびWO2015/011178において開示されている特定のエナンチオマーを使用してもよい。
塗装剤からの活性物質の制御放出をもたらすためには、ナノ粒子が使用され得る。ナノ粒子は、その径の小ささゆえに、吸入されると人間にとって有害となることがあり、呼吸器系および肺に損傷を引き起こすことがある。それゆえ、塗装剤にナノ粒子を添加することが望まれる場合には、それと空気との混合および人間への曝露の危険性を低減することが望ましく、ナノ粒子は、塗装剤に添加される場合には可溶性容器内に収容されることが好適であり得る。米国特許第20060201379号において開示されているような、ナノ粒径に調製された銅および亜鉛の酸化物、例えば酸化銅(I)および酸化亜鉛(II)を含めて、様々な種類のナノ粒子が活性物質の制御放出のために使用され得る。固有表面積(表面積と粒子体積との比率)が大きいがゆえにナノ粒子は、活性物質、例えば、メデトミジンなどの防汚剤、またはその他のクロロタロニル、ジクロフルアニド、SeaNine、イルガロール、ジウロンおよびトリルフルアニドなどの防汚剤を吸収するのに寄与する。ナノサイズの金属酸化物に結合した活性物質、例えばメデトミジンは、制御された様式で塗料から周囲へと漏れ出す。したがって、ナノサイズの金属酸化物に結合したメデトミジンなどの活性物質は、活性物質粒子単独に比べて、大きさが比較的大きいことに主に起因して優れた分散安定性を有する。
上にメデトミジンなどの防汚剤のために容器を使用することを例示してきたが、容器には所望のいかなる活性物質または成分が入っていてもよい。
本考案の一態様は、塗装剤の製造中に塗装剤に添加または送達される成分を収容している、可溶性材料を含む容器を含む、包装システムである。塗装剤中の基液は、可溶性材料が上記塗装剤中に溶けることができて、それゆえに容器が溶けている間に上記成分が塗装剤に添加または送達されるように、選択されなければならない。成分のための包装材として可溶性材料を使用することにより、混合槽への成分の添加は、それを混合槽へ添加する前に包装を開封する必要がないため、無塵となり得る。
包装材に使用する可溶性材料は、発泡スチロールとすることができる。しかしながら、使用される同じ基液中に溶解するその他の可溶性材料を、互いに組み合わせてかつ/または発泡スチロールと組み合わせて使用してもよい。
包装システムは、いかなる種類の物質のために使用されてもよいものの、主に、いくぶん少ない量で添加されることになる添加剤、例えば、水中構造体のために海洋用塗料に使用される防汚剤などの活性物質のために意図される。包装システムは、多量成分にも同様に使用され得るものの、通常は、塗装剤の5%未満、多くの場合1%未満を構成する活性物質または添加剤のために意図される。
包装システムは好ましくは、(取り扱いの簡単さのために)軽量であり、(搬送および取り扱いのために)耐久性がある。包装システムは、上記塗装剤系中において迅速/高速な、好ましくは30分未満、好ましくは10分未満、よりいっそう好ましくは2分未満の溶解速度を呈することが好ましい。混合速度の要求および要望に応じて、必要とされる性能を満たすべく容器をその全体的な構造および壁の厚みに関して適合させることができる。容器を液体中に溶解させるのに必要な混合速度および時間は勿論、多数のパラメータ、例えば、基液中での容器の溶解度、容器壁厚み、温度、混合槽内での撹拌または混合に依存する。容器は、例えば既知温度の特定の基液に添加される場合に例えば既知条件下で特定の時限内に溶解/制動することを特徴とし得る。
可溶性材料は、上記塗装剤中に溶解した場合に上記塗装剤の性能、機能、特性または品質に対する悪影響(活性物質、研磨速度、乾燥時間、粘度、硬さ、柔軟性または他の添加剤の機能に対するそのような影響を含む)がないかまたは限られていなければならない。
関連する本考案の別の態様は、可溶性材料から構成される包装システムの用途であって、上記成分を塗装剤の基液に添加または送達する第1ステップにおいて、上記可溶性材料が塗装剤系の基液中に溶解可能である、用途である。第2ステップにおいて、上記可溶性包装システムによって添加された上記成分を含有する上記基液は、塗装剤系の残成分と混合され、上記残成分は、顔料、結合剤および/またはその他の添加剤から選択されるものである。上記基液は、例えば、キシレン、MIBK、1−メトキシ−2−プロパノールまたはベンジルアルコールから構成されるかまたはそれを含み得る。好ましい実施形態において、基液は、キシレンから構成され得るかまたはそれを主として含み得、可溶性容器材料は、発泡スチロールであり得るかまたはそれを含み得る。
したがって、本考案はまた、
・基液を提供する、すなわち、塗料または塗装剤の成分を混合および溶解させるために使用する所望量の液体を混合槽に満たす、ステップと、
・自立型可溶性容器内に収容された成分、例えば活性成分を提供するステップと、
・容器をその内容物と共に基液に添加するステップと、
・成分を基液中に放出させながら容器を基液中に溶解させるステップと
を含む、塗装剤の調製に関する。混合速度は、ある種の混合機または撹拌設備を使用することによって増加させることができる。とりわけ、インペラなどを使用する場合には、その内容物を放出してそれをより速やかに混合すべく、容器が機械的に影響を受けて破壊され得る。
ステップを必ず上に開示される特定の順序で実施せねばならないことが意図されていないこと、すなわち、容器、基液および添加剤を混合槽に加える順序が変更され得ることに留意すべきである。さらに、手順に含まれるさらなるステップ、例えば、数例を挙げれば、さらなる成分の添加、加熱操作、撹拌および混合が存在してもよい。上記のステップは、塗装剤/塗料の製造のための工業/工場プロセスにおける標準的/慣例的な性能を満たすべく当業者によって簡単に適合/最適化されることができる。
可溶性容器は、可溶性自立型容器内に含まれる成分としてのメデトミジンを添加するために使用されてもよく、使用される容器は、発泡スチロールを含んでいてもよいし、実質的にそれから構成されていてもよいし、全体的にそれで作られていてもよい。塗装剤用の基液は、発泡スチロールを溶解させるのに好適に使用されるものであるキシレンであってもよいし、それを含んでいてもよい。
蓋の備わった器を含む容器の模式図を開示する。 蓋の備わった器を含む別の容器の模式図を開示する。
考案の詳細な説明
以下では、本考案がいかにして実施され得るかを開示する目的で本考案をいくつかの実施形態によって例示する。これらの実施形態は単に本考案がいかにして実現され得るかについての可能性のいくつかを記載しているに過ぎないことに留意されるべきである。
容器は、塗装剤に添加される本質的に任意の種類の成分、例えば、添加剤、顔料または結合剤のために使用されることができるが、特に、塗料を調製している者による接触または吸入が望ましくない有害物質に適している。固形成分、例えば粉末または小粒子のために使用されることが概して考えられる。上に開示されているように、容器は、開封される必要なく基液に添加され得るように、全体として可溶性材料で作られ得る。
図1において、容器1は、円筒形状を有して開示されている。しかしながら、容器1は本質的には任意の形状(例えば角胴形)および大きさを有することができる。容器の適切な大きさは、通常は約0.5〜5リットルであるが、これらの大きさから外れて変化してもよい。図1において開示される容器1は、器2と蓋3とを含む。器2には、その開口部に近い外被面5においてネジ山4aが形成されており、蓋3には対応するネジ山4bが円形の突出縁部において容器1のネジ山4aとの嵌合に適合して形成されている。かくして、器2の開口部を通じて容器1の内容物を注ぎ出すことができるように蓋3を取り外すべく、蓋3は回し外されることによって器1から取り外され得、容器1が開封され得る。蓋3は、その後、器2の開口部に再び置かれ、器2の開口部を閉鎖すべく回し締められる。本明細書に記載の容器1は、円筒形状ならびにh*π*t/4の内容積およびH*π*T/4の外体積を有する。外被面5の壁の厚みは(T−t)/2であり、端部(底および蓋3)の厚みは(H−h)/2(蓋と底の厚みが同じであると仮定)である。
図1中、容器は、上部のネジ蓋である蓋の備わった器として例示されており、それは塗装剤中に溶解するように設計されており、その結果として容器全体は、その内容物を混合することおよび粉塵への曝露レベルを本質的に皆無に低減することと並行して、溶媒中に浸漬されることおよび溶解することができる。塗装剤に容器を添加しないことが望まれる場合には蓋3を開けてもよく、また、塗装剤中に容器を溶かし含ませることが望ましくないならばその内容物、例えばメデトミジンを混合槽内に注ぎ込むことができる。
図2に、器2と蓋3とを含む別の容器1を開示する。蓋3は、それを器1の開口部に対して圧入することによって器3に取り付けられる。この場合には蓋3は摩擦力によって器3上で定位置に保たれ、また、蓋が突出部を含んでいてもよい。本明細書に記載の容器1は、97mmの内径および110mmの外径を有するように設計される一方で、その内部高さが231mmでありその外部高さが246mmである。したがって、容器の内容積はおよそ1.7リットルであり、外体積はおよそ2.3リットルである。したがって、壁の体積、すなわち容器を構成している材料の体積は0.6リットルである。
図1中および図2中の容器は、例えば、発泡スチロールで作られることができ、Sunporの製品A422を出発物質として使用することができる。適する容積は、図2に開示しているとおりであり、つまり、2リットルより少し大きい内容積である。壁厚は、容器の全体にわたって約1cmであるように設計される。しかしながら、一部がより薄ければ、壁の一部はより速やかに溶解することができ、かつ内容物がより速く放出されて混合速度を増すことができる。容器材料は、発泡スチロールとすることができ、出発物質は、本質的にペンタンのみを含有するポリスチレンとすることができる。ポリスチレンは、成型器具を使用して熱流によって膨張させることができる。ポリスチレンは、体積に対して質量が2〜4%である構造を有するように、つまり、固形ポリスチレンに比べて体積が(25〜50)倍に膨張するように、膨張させることができる。例えば、メデトミジンと容器とを塗装剤に添加するために使用するには、上記のようなこの容器を製造するための出発物質として約40グラムのポリスチレンを使用することができ、それに1000gのメデトミジンを含むことができ、つまりメデトミジン/ポリスチレンの重量比は約25/1となる。
以下の実施例は、1キログラムのメデトミジンのための使用に適した発泡スチロール(EPS)で作られた容器を溶解させることによる塗装剤の粘度に対する影響をシミュレートするものである。適した容器は、図2において上に記載されており、体積が約30倍(約35kg/mの密度)に増加するように膨張させた40グラムのポリスチレンで作られた2リットルより少し大きい内容積を有する。1kgのメデトミジンは、0.1重量%で組み込まれる場合、約650リットルの塗装剤に対して十分である。それゆえ、塗料に添加されることになるポリスチレンの量はさらに少なく、0.01重量%未満である。
実施例において、使用した塗料成分はHempel Mille Alu Baltic(Blue)であり、EPSはFAPACKから受け取り、キシレンはSigma Aldrichから得た。
粘度は、塗料についてはスピンドル3(25RPM)を使用し、キシレン溶液についてはスピンドル1(200RPM)を使用して、Brookfield CAP2000+低トルク回転粘度計を使用して決定した。測定は摂氏20度で20秒間行った。
100mlの塗料をプラスチック製バケツに入れた。塗料の粘度は、10回測定して平均値を算出することによって決定した。最初の段取りでは、6mgのEPSを塗料に添加して撹拌した。この添加は、塗料650リットルに対する1箱のEPSの添加に相当する。粘度を測定し、EPSをさらに60mg(全量66mg)および560mg(全量622mg)添加して手順を繰り返した。
標準としてEPSをキシレンに溶解させた。1回目の添加は6mgであり、2回目の添加は62mg(全量68mg)であり、3回目の添加は620mg(全量688mg)であり、最後の4回目の添加は5,76グラム(6,45グラム)であった。粘度は3回の測定結果の平均値として決定した。結果を以下の表1および表2に開示する。
結果から、650リットルの塗料に対する、1kgのメデトミジンを意図した1つのEPS容器の添加は、粘度に対して何ら影響を与えないであろうこと、および本質的に粘度に関して塗料に影響を与えない可能性が最も高いであろうことが明瞭である。したがって、この研究は、塗装剤の品質に本質的に悪影響を与えることなく、キシレン系塗装剤中に溶解される発泡スチロールからなる容器を使用する理論を支持する。ポリスチレンは、一般には無害な不活性物質であると考えられ、それゆえにポリスチレンは可溶性包装材として好適に使用される。
図2における規格を有する実寸大の容器を、キシレン中に容器を溶解させる試験に供した。この特定の試験において、容器は空であり、それゆえに著しい浮遊が実証された。塗装剤系の製造中に添加または送達される成分で容器が満たされたならば、容器はより重くなり、それゆえにキシレンとの接触およびそれに続く容器の溶解が促進されるであろう。キシレンと接触している容器の露出面は迅速に溶解し、30秒後には容器の底部が部分的に溶解する。塗装剤系の製造中に添加または送達される成分で容器が満たされたならば、成分はこの段階で容器から溶媒中へと放出されるであろう。容器は継続的に溶解し、2分後に容器は発泡スチロールからなる小さな残存固形物質を少しだけ残し、ポリスチレンがほぼ完全にキシレン中に溶解した。
実施例では、発泡スチロールとキシレンとの適合性についての試験のみを開示した。しかしながら、溶解性に関して塗装剤用の基液としての使用に適したキシレンと同程度の特性を有するその他の有機液体を見出すためにこれらの試験結果を用いることは当業者にとって自明である。
上記の実施形態は、本考案がいかにして用いられ得るかについての一例に過ぎない。容器の大きさおよび形状は変えてもよい。ネジ山の形成されたねじ込み式の蓋を、別の種類の蓋で置き換えること、または再密閉可能であってもよいし再密閉可能であることが意図されなくてもよい取り外し可能な部品で置き換えることは、簡単であり得る。容器はまた、容器の様々な特性をもたらすためにポリスチレン以外の材料を含むこともでき、特に、塗装剤を製造するために混合槽に容器を加えることになる前にその部分を取り除くことが意図される場合には本質的に任意の材料を好適に使用することができる。

Claims (14)

  1. 空洞を有する器と、蓋とを含む、塗装剤成分のための容器であって、塗装剤のための基液中で少なくとも部分的に可溶である剛直な自立型構造体を形成すべく発泡スチロールを含むかまたはそれから作られている、容器。
  2. 前記器にはその開口部に近い外被面においてネジ山が形成されており、前記蓋には容器上の前記ネジ山との嵌合に適合した円形突出縁部において対応するネジ山が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の容器。
  3. 前記蓋を前記器に押し込んだときに、前記器の周縁に押し込まれる前記蓋の周縁からの突出部を、前記蓋が有していることを特徴とする、請求項1に記載の容器。
  4. 前記容器内に含まれた成分を確実に速く放出するために、前記容器の主部分よりも速く溶解するように設計された取り外し可能な構成要素が、前記器内に設けられることで1つまたはいくつかの部分を器内に形成していることを特徴とする、請求項1に記載の容器。
  5. 前記取り外し可能な構成要素を前記器から液体中へと速やかに溶解させるために、前記取り外し可能な構成要素が発泡スチロールから作られていることを特徴とする、請求項4に記載の容器。
  6. 前記器の内壁に刻み目が配置されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器。
  7. 可溶性薄膜が前記器の内壁に配置されており、前記可溶性薄膜が発泡スチロールから作られていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器。
  8. 前記器の開口部に可溶性薄膜が配置されており、前記可溶性薄膜が発泡スチロールから作られていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器。
  9. 前記容器の少なくとも75%が、可溶性でありかつ前記塗装剤のための前記基液中で溶解または崩壊する発泡スチロールから作られており、前記基液がキシレンを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器。
  10. 前記容器の少なくとも90%が発泡スチロールから作られていることを特徴とする、請求項9に記載の容器。
  11. 前記容器の少なくとも100%が発泡スチロールから作られていることを特徴とする、請求項10に記載の容器。
  12. 前記発泡スチロールの密度が5〜500kg/mであることを特徴とする、請求項1に記載の容器。
  13. 前記容器が、弾性バンドまたはゴムバンドから選択される少なくとも1つの取り外し可能なバンドを含み、これにより前記蓋を前記器に固定し、搬送中または取扱い中に前記蓋を定位置に保持することを特徴とする、請求項1に記載の容器。
  14. 前記取り外し可能なバンドの位置決めおよび固定のために前記蓋の上部および/または前記器の底において前記可溶性材料に刻み目が形成されていることを特徴とする、請求項13に記載の容器。
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