JP3218679U - ねじ込み深さ調節機能を有するドライバービット - Google Patents

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Abstract

【課題】回転工具にではなくドライバービット自体にねじ込み深さ調節機能を付与した取り扱いが容易なドライバービットを提供する。【解決手段】ねじ体をねじ孔にねじ込むことに用いる、ねじ込み深さ調節機能を有するドライバービットであり、係合部14が軸部11の先端に一体に設けられてなるビット本体10と、ビット本体の軸部に軸方向スライド可能に嵌合される筒状体20と、筒状体を軸部の軸方向任意箇所に固定する位置決め機構30と、筒状体の先端部の当たり部21と、を有する。位置決め機構30には、ロックナット体34を用いるもの、止めねじを用いるもの、などを採用することが可能である。【選択図】図1A

Description

本考案は、止めねじやボルトといったねじ体をねじ孔にねじ込むときのねじ込み深さを調節する機能が付与された、ねじ込み深さ調節機能を有するドライバービットに関する。
周知のように、ドライバービットは、止めねじやボルトなどのねじ体を機械部品やその他の部材のねじ孔にねじ込むことに使用され、その先端の係合部には、相手方ねじ体の端部に具備されている被係合面としての周面の形状に見合う形状が付与されている。例を挙げると、被係合面が六角孔の周面(内周面)であるねじ体のねじ込みには、六角柱状の係合部を有するドライバービットが用いられ、被係合面が六角形の頭部の周面(外周面)であるねじ体のねじ込みには、六角形の係合部を有するソケット型のドライバービットが用いられる。
また、ねじ孔にねじ体をねじ込むときの状況には、複数の部材をねじ結合するときのようにねじ体をねじ孔に締め付けてしまう場合(以下「本締め」という)のほか、所定のねじ込み深さまでねじ込むだけのねじ込みを行う場合(以下「予備締め」という)があり、予備締め後には、通常、本締めが行われる。予備締めを行う事例としては、たとえば、筒状のカラーを軸棒に止めねじで固定する作業を行うのに際して、軸棒にカラーを嵌合した後に必要になる止めねじの本締め時の回転操作量をできるだけ少なくしてその作業に要する労力を軽減するために、軸棒に嵌合するのに先だってカラーのねじ孔に所定のねじ込み深さまで止めねじ(ねじ体)をインパクトドライバーなどの電動工具を用いて予備締めしておくことがある。この種の予備締めを多くのカラーを対象として行う場合、ねじ孔への止めねじのねじ込み深さの精度を高めておくことが本締め時の作業効率を向上させる上で有益であるけれども、作業者の勘に頼る予備締めではねじ込み深さに大きなばらつきが発生することを避けられない。
一方、先行例として、回転工具に採用されるねじ締め付け深さ調整装置が提案されている(特許文献1参照)。この先行例では、電動ドライバーのような回転工具の円筒突部の外周の雄ねじにスリーブの雌ねじをねじ合わせることによって、スリーブを軸方向移動可能に取り付けてある。そして、上記円筒突部に対して軸方向で位置決めした上記スリーブの先端を作業面に押し付けることによって、回転工具の駆動部に取り付けられたドライバービットの移動量を制限するようにしている。
また、他の先行例として、電動回転工具のアタッチメントが提案されている(特許文献二参照)。この先行例には、電動回転工具のビット取付用筒軸がトルクリミッタを介して六角ビットに連動連結されているものが開示されている。
特開平2−279280号公報 特開昭59−97850号公報
しかしながら、先行例としての特許文献1によって提案されているものは、ねじ込み深さ調節に利用されるスリーブを回転工具側に取り付けるものであるため、スリーブが回転工具の大きさに見合って大形化し、取扱いが複雑になるという問題点があるほか、回転工具の径大な円筒突部の雄ねじ径に合わせてスリーブの雌ねじ形成箇所を径大にする必要がある反面で、回転工具の回転部材に取り付けられたドライバービットとスリーブの開口壁との間隔を狭くしてスリーブからのドライバービットの突出幅を設定しやすくするためには、スリーブの開口部を絞り形状にしてその内径をドライバービットの直径に近付ける必要があるために、スリーブの形状が複雑になって製作コストが高くつくという問題点もあった。
また、先行例2によって提案されているアタッチメントは、トルクリミッタの作用を利用して六角ビットによる締付力を制限するものであるため、トルク変化を生じない上記した予備締めには利用することができない。
本考案は、以上の状況に鑑み、回転工具にねじ込み深さ調節機能を付与するのではなく、ドライバービット自体にねじ込み深さ調節機能を付与することのできる対策を講じることによって、取扱いの複雑化を回避し、併せて、予備締め時のねじ込み深さ調節を容易にかつ精度よく行うことのできる、ねじ込み深さ調節機能を有するドライバービットを提供することを目的としている。
本考案に係る、ねじ込み深さ調節機能を有するドライバービットは、ねじ体をねじ孔にねじ込むことに用いられるドライバービットであって、上記ねじ体の端部に具備された被係合面としての周面に対して抜き差し自在でかつ周方向で係合可能な係合部がロッド状の軸部の先端に一体に設けられてなるビット本体と、このビット本体の上記軸部に軸方向スライド可能に嵌合される筒状体と、この筒状体を上記軸部の軸方向任意箇所に固定する位置決め機構と、上記筒状体の先端部により形成されて、上記ねじ体のねじ込み時に上記ねじ孔の開口周縁部に突き当てられる当たり部と、を有する、というものである。
この構成を有する、ねじ込み深さ調節機能を有するドライバービットでは、ビット本体の軸部に位置決め機構を介して筒状体を固定し、ビット本体の係合部をねじ体の被係合具としての周面に係合させた状態でビット本体の回転をねじ体に伝達してねじ体をねじ孔にねじ込むと、ねじ込みに伴って筒状体がビット本体と共に前進してその当たり部がねじ孔の開口周縁部に突き当たり、これによってねじ込みに伴うビット本体の前進が阻止される。そして、その後のビット本体の回転がねじ体に伝達されると、ねじ体だけが前進してねじ体の被係合面としての周面からビット本体の係合部が抜け出し、ビット本体からねじ体への回転の伝達がなされなくなる。これによって、ねじ体のねじ込み深さが定まり、予備締めが終了する。また、この構成では、ビット本体の軸部にスライド可能に嵌合した筒状体を位置決め機構を介してその軸部に固定するものであるので、当該ドライバービット自体にねじ込み深さ調節機能が付与されるだけでなく、ビット本体の軸部に筒状体を固定する際に、ねじ込み深さ調節のために行われる筒状体の位置の選定を容易にかつ精度よく行うことが可能になり、取扱いも容易になる。
本考案では、上記位置決め機構が、ビット本体の上記軸部の一部に形成された雄ねじ部と、上記筒状体の後端部に設けられて上記雄ねじ部に対してねじ合わせ可能なねじ孔を有する筒部と、上記雄ねじ部にねじ合わされて、上記筒部の端面を軸方向に押圧することによって上記筒状体が上記軸部に対して回転することを阻止する機能を発揮するロックナット体と、でなる、という構成を採用することが可能である。これによると、ロックナット体の作用によって筒状体がビット本体の軸部に確実に固定されるので、予備締め時に、筒状体が初期の位置から位置ずれしてねじ込み深さ調節の精度が低下するという事態が起こりにくい。また、この考案では、上記軸部及び上記筒部の両方の表面に目印として利用可能なマークが施されていてもよい。これらのマークは、たとえば、筒部のねじ孔をビット本体の軸部の雄ねじとねじ合わせて軸部に対する筒状体の固定位置を微調節する際に、筒部を回転させたときの筒部の軸方向移動量の目安を知ることに役立つ。
本考案では、上記位置決め機構が、上記筒状体の筒壁を貫通するねじ受け孔と、このねじ受け孔にねじ込まれて上記筒状体が嵌合されている上記軸部に先端が突き当てられる止めねじと、でなるものであってよい。これによると、ビット本体の軸部に筒状体を嵌合してから止めねじをねじ受け孔にねじ込んで締め付けると、止めねじの先端が軸部に突き当たって筒状体が軸部に固定される。
さらに、本考案では、上記位置決め機構が、上記筒状体の後端部に形成されて周方向の複数箇所に割溝を有する縮径可能な雄ねじ付き筒部と、この雄ねじ付き筒部にねじ合わされるナット体と、このナット体を上記筒部の雄ねじ付き筒部にねじ込むことを介して上記雄ねじ付き筒部を縮径させることによりこの雄ねじ付き筒部で上記軸部を挟持させる作用を発揮する締付け機構と、でなるものであってよい。これによると、ビット本体の軸部に筒状体を嵌合し、併せて、雄ねじ付き筒部にナット体をねじ込んで締め付けると、締付け機構の作用により雄ねじ付き筒部が縮径してビット本体の軸部を挟持し、これにより筒状体が軸部に固定される。
以上のように、本考案に係る、ねじ込み深さ調節機能を有するドライバービットは、当該ドライバービット自体が予備締め時のねじ込み深さ調節機能を有していて、冒頭で説明した特許文献1のように電動ドライバーなどの回転工具側に円筒突部を取り付けてねじ込み深さ調節機能を発揮させるようなものではないので、取扱いが容易になり、併せて、ねじ込み深さ調節を容易にかつ精度よく行うことができるようになる、という効果が奏される。
本考案に係るドライバービットの第1実施形態を例示した分解斜視図である。 同第1実施形態の縦断面図である。 本考案に係るドライバービットの第2実施形態を例示した分解斜視図である。 同第2実施形態の縦断面図である。 本考案に係るドライバービットの第3実施形態を例示した分解斜視図である。 同第3実施形態の縦断面図である。 一例による予備締め手順の初期段階の状態を示した説明図である。 一例による予備締め手順の中間段階の状態を示した説明図である。 一例による予備締め手順の終了時点の状態を示した説明図である。 一例による本締めの初期段階の状態を示した説明図である。 一例による本締め終了時点の状態を示した説明図である。 他例による予備締めの初期段階の状態を示した説明図である。 他例による予備締めの中間段階の状態を示した説明図である。 他例による予備締めの終了時点の状態を示した説明図である。
図1Aは本考案に係る、ねじ込み深さ調節機能を有するドライバービット(以下、単にドライバービットと称する)Aの第1実施形態を例示した分解斜視図、図1Bは同第1実施形態の縦断面図である。
第1実施形態のドライバービットAは、電動ドライバーのような回転工具に取り付けて使用され、六角孔付き止めねじでなるねじ体を機械部品やその他の部材に形成されたねじ孔にねじ込むことに用いられる。言い換えると、ねじ体をねじ孔に予備締めすることに用いられる。
図1Aのように、ドライバービットAは、ビット本体10及び筒状体20を備えている。ビット本体10では、そのまっすぐなロッド状の軸部11に、回転工具に装着される取付け部12や、筒状体20が固定される丸棒状のストレート部13が具備されていて、この軸部11の先端に、ねじ体としての六角孔付き止めねじの六角孔に相応する形状を有する係合部14が一体に設けられている。また、筒状体20の内径は、当該筒状体20を上記ストレート部13に大きながたつきなく軸方向スライド可能に嵌合することのできるサイズに形成されていて、その長さはストレート部13よりも短い。
ドライバービットAは、軸部11に筒状体20を固定することに用いられる位置決め機構30をさらに備えている。第1実施形態のドライバービットAに採用されている位置決め機構30は、ビット本体10の一部に形成された一定長さの雄ねじ部31と、筒状体20の後端部に設けられて上記雄ねじ部31に対してねじ合わせ可能なねじ孔(図1Aには表れていない)を有する筒部32と、ロックナット体34とを有する。さらに、ドライバービットAは、筒状体20の先端部により形成されて、上記予備締めを行う際に、ねじ孔の開口周縁部に突き当てられる当たり部21を備えている。なお、筒状体20の材質は金属であるが、金属にかえて合成樹脂を採用してもよく、構成樹脂を採用した場合には、当たり部21によってねじ孔の開口周縁部が傷つくことが低減される。
図1Bに示したように、ビット本体10の軸部11を構成しているストレート部13に筒状体20を軸方向スライド可能に嵌合すると共に、筒状体20の後端部の筒部32のねじ孔33を軸部11の雄ねじ部31にねじ合わせた状態で、あらかじめ雄ねじ部31にねじ合わせておいたロックナット体34を回転させることによって、そのロックナット体34で筒部32の端面を軸方向に押圧させると、筒部32がその位置でロックされて軸部11に対して回転不能になり、係合部14に対する筒状体20の軸方向位置が固定される。係合部14に対する筒状体20の軸方向位置は、上記予備締めを行う際のねじ体のねじ込み深さに関係している。係合部14に対する筒状体20の軸方向位置を変更して予備締め時のねじ体のねじ込み深さを調節するときには、ロックナット体34を緩めた状態で筒部32を正方向又は逆方向に回転させる。このようにすると、雄ねじ部31と筒部32のねじ孔33との噛み合いを通じて筒部32が筒状体20と共に軸方向で前進又は後退して、係合部14に対する筒状体20の軸方向位置が変わる。このような位置変更後にロックナット体34を回転させることによって、そのロックナット体34で筒部32の端面を軸方向に押圧させると、筒部32がその位置でロックされて、係合部14に対する筒状体20の軸方向位置が固定される。
ここで、筒部32を任意の角度だけ回転させたときの当該筒部32の軸方向移動量は、筒部32のねじ孔33が噛み合っている雄ねじ部31のピッチによって定まる。たとえば、雄ねじ部31が並目ねじでそのピッチが1mmであると、筒部32を360度回転させたとき(すなわち1回転させたとき)の筒部32の軸方向移動量は1mmになる。したがって、このことを利用すると、係合部14に対する筒状体20の軸方向位置の変更に伴う軸方向移動量を容易に割り出すことができる。そこで、この第1実施形態では、上記軸方向移動量の目安を容易に認識することができるようにするための対策として、図1Aに示したように、ビット本体10の軸部11を構成している取付け部12と筒部32との両方の表面に目印として利用可能なマークM1,M2を施している。こうしておくと、両方のマークM1,M2の回転方向での隔たりを目安として、上記した係合部14に対する筒状体20の移動量が認識しやすくなり、係合部14に対する筒状体20の軸方向位置の微調整を容易に行えるようになる。
図2Aは本考案に係るドライバービットAの第2実施形態を例示した分解斜視図、図2Bは同第2実施形態の縦断面図である。
第2実施形態のドライバービットAは、上記した第1実施形態と同様に、電動ドライバーのような回転工具を用いてねじ体をねじ孔に予備締めすることに用いられる。
図2Aのように、ドライバービットAは、ビット本体10及び筒状体20を備えている。ビット本体10では、そのまっすぐなロッド状の軸部11に、回転工具に装着される取付け部12や、筒状体20が固定される丸棒状のストレート部13が具備されていて、この軸部11の先端に、ねじ体としての六角孔付き止めねじの六角孔に相応する形状を有する係合部14が一体に設けられている。また、筒状体20の内径は、当該筒状体20を上記ストレート部13に大きながたつきなく軸方向スライド可能に嵌合することのできるサイズに形成されていて、その長さはストレート部13よりも短い。
ドライバービットAは、軸部11に筒状体20を固定することに用いられる位置決め機構30をさらに備えている。第2実施形態のドライバービットAに採用されている位置決め機構30は、上記筒状体20の筒壁を貫通するねじ受け孔35と、このねじ受け孔35にねじ込まれる止めねじ36とでなる。図2Aには止めねじ36を回転させるための六角レンチ37を併せて示している。
さらに、ドライバービットAは、筒状体20の先端部により形成されて、上記した予備締めを行う際に、ねじ孔の開口周縁部に突き当てられる当たり部21を備えている。なお、筒状体20の材質は金属であるが、金属にかえて合成樹脂を採用してもよく、構成樹脂を採用した場合には、当たり部21によってねじ孔の開口周縁部が傷つくことが低減される。
図2Bに示したように、ビット本体10の軸部11を構成しているストレート部13に筒状体20を軸方向スライド可能に嵌合すると共に、筒状体20のねじ受け孔35に止めねじ36を六角レンチ37を用いて締め付けると、筒状体20が嵌合されている上記ストレート部13に止めねじ36の先端が突き当たり、係合部14に対する筒状体20の軸方向位置が固定される。係合部14に対する筒状体20の軸方向位置は、上記予備締めを行う際のねじ体のねじ込み深さに関係している。係合部14に対する筒状体20の軸方向位置を変更してねじ体のねじ込み深さを調節するときには、止めねじ36を緩めて筒状体20を軸方向で前進又は後退させると、係合部14に対する筒状体20の軸方向位置が変わる。このような位置変更後に止めねじ36を締め付けると、係合部14に対する筒状体20の軸方向位置が固定される。
図3Aは本考案に係るドライバービットAの第3実施形態を例示した分解斜視図、図3Bは同第3実施形態の縦断面図である。
第3実施形態のドライバービットAは、上記した第1及び第2の各実施形態と同様に、電動ドライバーのような回転工具を用いてねじ体をねじ孔に仮ねじ込みすることに用いられる。
図3Aのように、ドライバービットAは、ビット本体10及び筒状体20を備えている。ビット本体10では、そのまっすぐなロッド状の軸部11に、回転工具に装着される取付け部12や、筒状体20が固定される丸棒状のストレート部13が具備されていて、この軸部11の先端に、ねじ体としての六角孔付き止めねじの六角孔に相応する形状を有する係合部14が一体に設けられている。また、筒状体20の内径は、当該筒状体20を上記ストレート部13に大きながたつきなく軸方向スライド可能に嵌合することのできるサイズに形成されていて、その長さはストレート部13よりも短い。
ドライバービットAは、軸部11に筒状体20を固定することに用いられる位置決め機構30をさらに備えている。第3実施形態のドライバービットAに採用されている位置決め機構30は、筒状体20の後端部に形成されて周方向の複数箇所に割溝41を有する縮径可能な雄ねじ付き筒部42と、この雄ねじ付き筒部42にねじ合わされるナット体43とを有していると共に、ナット体43を雄ねじ付き筒部42にねじ込むことを介して当該筒部42を縮径させることのできる締付け機構44(締付け機構44については後述する)と、でなる。
さらに、ドライバービットAは、筒状体20の先端部により形成されて、上記予備締め行う際に、ねじ孔の開口周縁部に突き当てられる当たり部21を備えている。なお、筒状体20の材質は金属であるが、金属にかえて合成樹脂を採用してもよく、構成樹脂を採用した場合には、当たり部21によってねじ孔の開口周縁部が傷つくことが低減される。
図3Bに示したように、ビット本体10の軸部11を構成しているストレート部13に筒状体20を軸方向スライド可能に嵌合した状態で、ナット体43を雄ねじ付き筒部42にねじ込むことにより、締付け機構44の作用で当該筒部42を縮径させると、この筒部42がストレート部13を挟持して、係合部14に対する筒状体20の軸方向位置が固定される。係合部14に対する筒状体20の軸方向位置は、上記予備締めを行う際のねじ体のねじ込み深さに関係している。係合部14に対する筒状体20の軸方向位置を変更してねじ体の予備締め時のねじ込み深さを調節するときには、ナット体43を緩めて雄ねじ付き筒部42によるストレート部13の挟持状態を解除した後、筒状体20を軸方向で前進又は後退させると、係合部14に対する筒状体20の軸方向位置が変わる。このような位置変更後にナット体43を雄ねじ付き筒部42にねじ込むことにより、締付け機構44の作用で当該筒部42を縮径させると、この筒部42がストレート部13を挟持して、係合部14に対する筒状体20の軸方向位置が固定される。
この第3実施形態において、上記締付け機構44は次のように構成されている。すなわち、図3Bに示したように、この締付け機構44は、雄ねじ付き筒部42の端部に設けられた先細形状のテーパー部45と、ナット体43の内周面に形成されて上記テーパー部45の外周面に重なり合うテーパー面46とによって構成されている。この締付け機構44では、ナット体43を締め付けると、そのナット体43のテーパー面46が重なり合っているテーパー部45に軸方向荷重が作用し、その軸方向荷重によりテーパー部45と共に雄ねじ付き筒部42が半径方向に締め付けられる。したがって、上記したように、ナット体43を雄ねじ付き筒部42にねじ込むと、締付け機構44の作用で当該筒部42が縮径してストレート部13を挟持し、係合部14に対する筒状体20の軸方向位置が固定される。
以上説明した第1、第2及び第3の各実施形態では、いずれも、筒状体20がビット本体10の軸部11を構成している丸棒状のストレート部13にスライド可能に嵌合されているけれども、この点は、ストレート部がたとえば六角柱状に形成されていてもよく、その場合には、六角柱状のストレート部に大きながたつきなく嵌合可能な大きさの六角形状の筒孔を備えた筒状体20を採用することが望ましい。
次に、図4A〜図4Eを参照して予備締めの手順の一例を説明する。なお、図4Aに示されているように、この事例では、ビット本体10の軸部11を構成しているストレート部13に固定された筒状体20の当たり部21からビット本体10の係合部14が突出していて、機械部品である円筒状のカラー50に形成されているねじ孔51に、六角孔付き止めねじ(いもねじ)としてのねじ体60を予備締めする場合を説明する。
ねじ体60の六角孔はビット本体10の係合部14の相手方要素であって、その六角孔の内周面は被係合面61としての六角形の周面になっている。そのため、上記係合部14はねじ体60の被係合面61としての六角形の周面に対して抜き差し自在でかつ周方向で係合可能である。
図4Aのように、ストレート部13に固定された筒状体20の当たり部21から突出している係合部14を、カラー50のねじ孔51にねじ込まれているねじ体60の被係合面61に挿入すると、筒状体20の当たり部21が、カラー50のねじ孔51の開口周縁部62に間隔aを隔てて対峙する。この状態から、回転工具を動作させてドライバービットAのビット本体10の係合部14をねじ体60に押し付けながら正回転させると、ビット本体10の回転がねじ体60に伝達されてねじ体60がねじ孔51にねじ込まれる。
このねじ込みに伴って筒状体20がビット本体10と共に前進してその当たり部21が図4Cのようにねじ孔51の開口周縁部62に突き当たり、ねじ込みに伴うビット本体10の前進が阻止される。この状態からビット本体10の回転がねじ体60に伝達されると、ねじ体60だけが前進して図4Cのようにねじ体60の被係合面61としての周面からビット本体10の係合部14が抜け出し、ビット本体10からねじ体60への回転の伝達がなされなくなる。これによって、予備締めが終了し、ねじ体60のねじ込み深さが定まる。
予備締めの後に本締めが行われる。本締めは、図4Dのようにカラー50に軸棒70を挿通させ、また、予備締めされたねじ体60の被係合面61に六角レンチ80を差し込む。そして、図4Cのように六角レンチ80を回してねじ体60をねじ込み、ねじ体60の先端を軸棒70に突き当てる。これにより本締めが終了し、カラー50が軸棒70に固定される。
ところで、図4Dに示した予備締め終了時点でのねじ体60先端とねじ孔51の終端出口との間隔Cの広狭は、その後に行われる本締めでの作業性に影響を及ぼす。すなわち、本締めでは、上記間隔Cの広さに見合う量(角度)だけねじ体60を回転させる必要があり、ねじ体60の必要回転量が少ないほど本締め時の作業効率が向上する。したがって、予備締めによって上記間隔Cをできるだけ狭くしておくことが望ましいと云える。本考案に係るドライバービットAにおいて、上記間隔Cは、図4Aに示した筒状体20の当たり部21からの係合部14の突出幅b1、ねじ孔51の深さ、ねじ体60の長さ、ねじ体60の被係合面61の深さなどを勘案することによって容易に定めることが可能である。
次に、図5A〜図5Cを参照して予備締めの手順の他例を説明する。なお、図5Aに示されているように、この事例では、ビット本体10の軸部11を構成しているストレート部13に固定された筒状体20の当たり部21からビット本体10の係合部14が退入していて、機械部品である円筒状のカラー50に形成されているねじ孔51に、六角孔付きボルトとしてのねじ体60を予備締めする場合を説明する。
ねじ体60の筒部の六角孔はビット本体10の係合部14の相手方要素であって、その六角孔の内周面は被係合面61としての六角形の周面になっている。そのため、上記係合部14はねじ体60の被係合面61としての六角形の周面に対して抜き差し自在でかつ周方向で係合可能である。
図5Aのように、ストレート部13に固定された筒状体20の当たり部21から退入している係合部14を、カラー50のねじ孔51にねじ込まれているねじ体60の被係合面61に挿入すると、筒状体20の当たり部21が、カラー50のねじ孔51の開口周縁部52に間隔aを隔てて対峙する。この状態から、回転工具を動作させてドライバービットAのビット本体10の係合部14をねじ体60に押し付けながら正回転させると、ビット本体10の回転がねじ体60に伝達されてねじ体60がねじ孔51にねじ込まれる。
このねじ込みに伴って筒状体20がビット本体10と共に前進してその当たり部21が図5Bのようにねじ孔51の開口周縁部62に突き当たり、ねじ込みに伴うビット本体10の前進が阻止される。この状態からビット本体10の回転がねじ体60に伝達されると、ねじ体60だけが前進して図5Cのようにねじ体60の被係合面61としての周面からビット本体10の係合部14が抜け出し、ビット本体10からねじ体60への回転の伝達がなされなくなる。これによって、予備締めが終了し、ねじ体60のねじ込み深さが定まる。
予備締めの後に本締めが行われる。図示していないけれども、本締めは、たとえば、ねじ体60の頭部とカラー50との隙間に別部材を差し込み、その後、予備締めされたねじ体60の被係合面61に六角レンチを差し込み、六角レンチを回してねじ体60をねじ込んで上記別部材をねじ体60の頭部とカラー50との間に挟み込んで挟持させる。これにより本締めが終了し、別部材がねじ体60を介してカラー50に固定される。
ところで、図5Cに示した予備締め終了時点でのねじ体60頭部とカラー50との隙間Zの広狭は、その後に行われる本締めでの作業性に影響を及ぼす。すなわち、本締めでは、上記隙間Zの広さに見合う量(角度)だけねじ体60を回転させる必要があり、ねじ体60の必要回転量が少ないほど本締め時の作業効率が向上する。したがって、予備締めによって上記隙間Dをできるだけ狭くしておくことが望ましいと云える。本考案に係るドライバービットAにおいて、上記隙間Dは、図5Aに示した筒状体20の当たり部21からの係合部14の退入幅b2、ねじ孔51の深さ、ねじ体60の長さ、ねじ体60の被係合面61の深さなどを勘案することによって容易に定めることが可能である。
図4A〜図4C及び図5A〜図5Cを参照して説明した予備締めの手順では、ねじ体60として、被係合面61が六角形の周面によって形成されているものを説明したけれども、この点は、被係合面がプラス型やマイナス型などの他の形状であってもよく、その場合には当然にビット本体10の係合部14の形状も被係合面61の形状に合わせたものが選定される。また、ねじ体の被係合面が頭付きボルトの頭部の外周面であってもよく、その場合には、ビット本体の係合部としてソケット型のものが選定される。
なお、本明細書中での説明において、図面に示された要素のうち、同一又は相応する要素には、便宜上、同一符号を付した。
A ドライバービット(ねじ込み深さ調節機能を有するドライバービット)
10 ビット本体
11 軸部
14 係合部
20 筒状体
21 当たり部
30 位置決め機構
31 雄ねじ部
32 筒部
33 筒部のねじ孔
34 ロックナット体
60 ねじ体
61 被係合面
62 ねじ孔の開口周縁部
35 ねじ受け孔
36 止めねじ
41 割溝
42 雄ねじ付き筒部
43 ナット体
44 締付け機構
M1,M2 マーク

Claims (5)

  1. ねじ体をねじ孔にねじ込むことに用いられる、ねじ込み深さ調節機能を有するドライバービットであって、
    上記ねじ体の端部に具備された被係合面としての周面に対して抜き差し自在でかつ周方向で係合可能な係合部がロッド状の軸部の先端に一体に設けられてなるビット本体と、
    このビット本体の上記軸部に軸方向スライド可能に嵌合される筒状体と、
    この筒状体を上記軸部の軸方向任意箇所に固定する位置決め機構と、
    上記筒状体の先端部により形成されて、上記ねじ体のねじ込み時に上記ねじ孔の開口周縁部に突き当てられる当たり部と、
    を有することを特徴とする、ねじ込み深さ調節機能を有するドライバービット。
  2. 上記位置決め機構が、ビット本体の上記軸部の一部に形成された雄ねじ部と、上記筒状体の後端部に設けられて上記雄ねじ部に対してねじ合わせ可能なねじ孔を有する筒部と、
    上記雄ねじ部にねじ合わされて、上記筒部の端面を軸方向に押圧することによって上記筒状体が上記軸部に対して回転することを阻止する機能を発揮するロックナット体と、でなる請求項1に記載した、ねじ込み深さ調節機能を有するドライバービット。
  3. 上記軸部及び上記筒部の両方の表面に目印として利用可能なマークが施されている請求項2に記載した、ねじ込み深さ調節機能を有するドライバービット。
  4. 上記位置決め機構が、上記筒状体の筒壁を貫通するねじ受け孔と、このねじ受け孔にねじ込まれて上記筒状体が嵌合されている上記軸部に先端が突き当てられる止めねじと、でなる請求項1に記載した、ねじ込み深さ調節機能を有するドライバービット。
  5. 上記位置決め機構が、上記筒状体の後端部に形成されて周方向の複数箇所に割溝を有する縮径可能な雄ねじ付き筒部と、この雄ねじ付き筒部にねじ合わされるナット体と、このナット体を上記筒部の雄ねじ付き筒部にねじ込むことを介して上記雄ねじ付き筒部を縮径させることによりこの雄ねじ付き筒部で上記軸部を挟持させる作用を発揮する締付け機構と、でなる請求項1に記載した、ねじ込み深さ調節機能を有するドライバービット。
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