JP3217872B2 - 吹付耐火被覆組成物の施工方法 - Google Patents

吹付耐火被覆組成物の施工方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄骨構造の建築物など
において、鉄骨等に被覆して耐火構造とするための吹付
耐火被覆組成物の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄骨等に吹付耐火被覆構造を形成するた
めに、従来乾式工法;半湿式工法及び湿式工法が
使用されている。以下にこれらの工法の概要を説明す
る。 乾式工法 原料−セメント質材料、ロックウール 施工法 上記原料を乾式混合し、これを輸送管内を通して空気搬
送し、吹付ノズル部分で吐出させると共に別にノズル周
辺に設けた噴出口より水を霧状に噴出させ、原料と水を
交叉接触させて吹付ける方法である。乾式工法の長所と
しては、(a)必要とする設備は原料搬送用ブローファ
ン、水搬送ポンプ、原料及び水の輸送管で、いずれも軽
量で大動力を必要とせず、また、輸送管も高耐圧を必要
としない;(b)吹付直後でも含水率が低く、総重量が小
さいため、鉄骨面に厚吹きを行っても自重での落下が少
ない;(c)総合的に低コストで施工できる、等が挙げら
れる。一方では、ノズルから吐出する際、水と原料を完
全混合することが困難なため、セメント及びロックウー
ルによる粉塵発生が多い等の短所もある。
【0003】半湿式工法 原料−セメント質材料、ロックウール 施工法 ロックウールを輸送管内を通して空気搬送し、吹付ノズ
ル部分で吐出させると共に別にノズル周辺に設けた噴出
口より水に分散したセメントスラリーを霧状に噴出し合
流接触させて吹付する方法である。半湿式工法は、乾式
工法の長所の他、ロックウールとセメント質材料を別々
に搬送するため、予めこれらを混合する必要がない。ま
た、空気搬送するものは軽量のロックウールのみである
ため、低動力で、しかも長距離搬送が可能であるためよ
り低コストで施工可能となる。短所は乾式工法とは異な
りセメント粉塵の発生はなくなるが、ロックウールの粉
塵発生は防止できない。
【0004】湿式工法 原料−セメント質材料、軽量骨材、ロックウール、増粘
剤 施工法 原料の重量の1.0〜1.5倍の水で、原料を混練し、ペ
ースト状スラリーとなし、これを輸送管内をポンプ搬送
し、吹付ノズル部分で圧縮空気により吹付ける方法であ
る。湿式工法の長所は粉塵がないことであるが、(a)高
粘度のスラリーを搬送するため、高圧ポンプが必要とな
り、また、高圧に耐える輸送用配管が必要となり、その
結果、機械設備が高額となる;(b)混練水比が高いた
め、スラリーの重量が重くなり、そのため一度に厚く吹
付けを行うと、スラリーが流動落下してしまう。厚く吹
付けた際の流動落下を防ぐには、スラリーの粘度を更に
大きくする必要があるが、そうすると搬送に要する圧力
が更に高くなる。搬送に要する圧力を下げるには、スラ
リーの粘性を下げなければならないが、そうすると流動
落下傾向が大きくなるため、一度に吹付けできる厚さが
極端に薄くなる。従って、現状では、所定厚さの湿式吹
付耐火被覆を施工(例えば、1時間耐火性能であれば2
5mm、2時間耐火性能であれば35mm、3時間耐火
性能であれば45mm)するには、2層または3層に分
けて施工し、先に吹付けた層が硬化後、2層目ないし3
層目を施工しなければならず、施工能率が悪い;(c)上
記(a)及び(b)の理由により施工コストが高くなる、等の
短所がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、現在行
われている吹付耐火被覆工法には、一長一短があり、即
ち、乾式あるいは半乾式工法はコストが安いために耐火
被覆工法として広く用いられている。しかし、施工時の
粉塵発生が多いため、労働衛生上問題がある。一方、湿
式工法は粉塵の発生はないものの、施工コストが高いと
いう問題がある。
【0006】従って、本発明の目的は、半湿式工法にお
いて、コストを上げずに経済性を保ちながら施工時の粉
塵発生を少なくすることができる耐火被覆組成物の施工
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明に係る吹付
耐火被覆組成物の施工方法は、アルカリ土類金属の酸化
物及び/または水酸化物、セメント質材料、軽量充填材
料、及びアルカリ土類金属の酸化物及び/または水酸化
物と常温で化学反応する水溶性酸性塩類を含有してなる
吹付耐火被覆組成物の施工方法において、軽量充填材料
を輸送管内を空気搬送し、吹付ノズル部分で吐出させる
と共に、別にノズル周辺に設けた噴水口より、セメント
質材料とアルカリ土類金属の酸化物及び/または水酸化
物に水を加えて混合したスラリー部を、また、これとは
別に設けた噴水口よりアルカリ土類金属の酸化物及び/
または水酸化物と常温で反応する水溶性酸性塩類の水溶
液部をそれぞれ別のポンプで輸送管で搬送し、吹付用の
ノズル部分で軽量充填材料と、スラリー部と、水溶液部
とを合流接触させて吹付成形することを特徴とする。
【0008】
【作用】上述のように従来の半湿式工法においては粉塵
の発生を防止するために、使用水量を増加する方法が採
られている。しかし、この方法では、吹付直後の成形物
の重量が重くなり、鉄骨面より落下あるいはダレが生ず
るという問題がある。
【0009】本発明の吹付耐火被覆組成物の施工方法
は、従来の半湿式耐火被覆材料の施工工法よりも多量の
水を使用し、粉塵の発生を防止すると共に吹付直後に疑
似硬化反応を生じせしめ、従来の半湿式工法で問題とな
っていた水量を増加した場合に生ずる鉄骨からの落下あ
るいはダレをも防止するものである。
【0010】本発明の耐火被覆組成物の施工方法は、軽
量充填材料を輸送管内を空気搬送し、吹付ノズル部分で
吐出させると共に、別に吹付ノズル周辺に設けた噴出口
よりセメント質材料及びアルカリ土類金属の酸化物、水
酸化物を水に分散してスラリー部としたものを霧状に噴
出させ、更に別のアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物
と常温で化学反応する水溶性酸性塩類の水溶液部を霧状
に噴出させ、合流接触して吹付けるものである。この
際、耐火被覆組成物中のアルカリ土類金属の酸化物、水
酸化物と上記水溶性塩類が吹付成形した時点で急速に反
応し、疑似硬化状態となり、そのため使用水量の増加に
よって吹付物の重量が重くなっても落下を防ぐことがで
きる。
【0011】本発明方法に使用する吹付耐火被覆組成物
の軽量充填材としては、繊維状物質または軽量骨材をそ
れぞれ単独または複合して使用することができる。
【0012】繊維状材料としては、ロックウール、ガラ
ス繊維、炭素繊維、シリカ−アルミナ繊維等の無機質繊
維の他、セルロース繊維、アクリル繊維、ポリエステル
繊維等が例示できる。これらの形状は特に限定されない
が、良好な空気搬送性を得るには、繊維長としては約3
0mm以下が好ましい。また、軽量骨材としては、パー
ライト、シリカバルーン、シラスバルーン、焼成ひる石
等が例示できる。粒径については特に限定されるもので
はないが、良好な空気搬送性を得るには約5mm以下が
好ましい。なお、これらの添加量としては、本発明の吹
付耐火被覆組成物の全重量のうち10〜60重量%の範
囲が好ましく、この範囲を逸脱すると、機械的強度、耐
火性能、鉄骨面への付着性の点で好ましくない。
【0013】次に、耐火被覆組成物に使用するセメント
質材料は、吹付成形体に最終強度を付与するものであ
り、水和反応して硬化するものであればいずれのもので
あってもよい。例えばポルトランドセメント、アルミナ
セメント、半水石膏等を使用することができる。また、
その配合割合は目的とする成形体の強度に応じて増減す
ることができるが、配合材料の乾燥重量を基準として通
常10〜50重量%の範囲内である。
【0014】本発明の耐火被覆組成物の施工方法は、吹
付成形後、即疑似硬化して流動落下しなくなるところに
特徴がある。これはアルカリ土類金属の酸化物、水酸化
物と、これらと常温で反応する水溶性塩類との反応によ
るものである。このためにスラリー部には、アルカリ土
類金属の酸化物、水酸化物を配合する。なお、アルカリ
土類金属としては急性反応性及び安全性及びコストの点
で、カルシウムまたはマグネシウムが好ましい。
【0015】一方、本発明方法に使用する吹付耐火被覆
組成物を構成する水溶液部は、上記アルカリ土類金属の
酸化物、水酸化物と常温で化学反応する水溶性酸性塩類
の水溶液よりなるものである。該水溶性酸性塩類として
は、急速反応性及び安全性及びコストの点で硫酸アルミ
ニウムまたはリン酸アルミニウム等が好ましい。
【0016】上記水溶性酸性塩類の添加割合は無水物と
して配合材料の乾燥重量を基準として3〜30重量%が
適当である。該添加割合が3重量%未満では、充分な疑
似硬化を示さず、30重量%を超えるとセメント質材料
の配合割合が減少し、最終強度が低下するために好まし
くない。なお、この水溶性塩類の添加割合は水溶液の流
量で調節する。
【0017】セメント質材料、急速疑似硬化反応の一役
をなすアルカリ土類金属酸化物、水酸化物は水に分散し
てスラリー状にしてスラリー部として吹付ノズルに供給
される。その際の濃度は、これらの配合割合並びに目的
とする吹付成形物の含水率により決定されるが、その上
限は50%程度であり、これ以上の濃度ではポンプ搬送
が大掛かりとなるために好ましくない。
【0018】また、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化
物と常温で化学反応する水溶性塩類は水に溶解して水溶
液部として吹付ノズルに供給される。その際の濃度は同
様に配合割合並びに目的とする吹付成形物の含水率によ
り決定される。なお、その上限は溶解度であることは言
うまでもない。
【0019】また、本発明の目的である粉塵発生を防止
するためには、吹付成形体の吹付直後の含水率として吹
付成形体配合材料の乾燥重量を基準としてその1.0〜
2.0重量倍の水を含むよう、使用水量を設定すること
が望ましい。含水率が1.0重量倍未満では粉塵の発生
は防止しきれず、2.0重量倍を超えると落下の問題が
生ずるために好ましくない。
【0020】一方、アルカリ土類金属の酸化物及び/ま
たは水酸化物の配合割合はこれらと反応する水溶性塩類
の化学量論量と同量ないし4倍量が好ましい。化学量論
量未満では水溶性塩類が吹付成形体内に残留し、これは
鉄に対して腐食性があるために好ましくない。また、化
学量論量を超えて添加することは初期の水溶性塩類との
反応速度の点で好ましいが、4倍量を超えて添加しても
効果はない。
【0021】なお、本発明方法に使用する吹付ノズルの
一実施態様を図を用いて説明する。図1は吹付ノズルの
横断面図であり、図2は図1のa−a断面図である。図
1に示す吹付ノズルは軽量充填材を搬送するためのパイ
プ(1)の周面を貫通してスラリー用パイプ(8)が設けられ
ており、スラリー用パイプ(8)の先端にはノズル(9)が設
けられている。なお、ノズル(9)はパイプ(1)のほぼ軸線
上に位置する。パイプ(1)の先端外周には水溶性酸性塩
類溶液用ノズル(3)が設けられている。水溶性酸性溶液
用ノズル(3)は基筒(11)に前筒(12)がはまっており、基
筒(11)の孔(13)に空気用パイプがコック(14)を介して連
通しており、また孔(15)に水溶性酸性塩類溶液用パイプ
がコック(16)を介して連通している。前筒(12)には、外
側環状の溝(17)と内側環状の溝(18)とがあり、外側環状
の溝(17)は孔(13)に連通しており、内側環状の溝(18)は
孔(15)に連通しており、前筒(12)の多数の噴射孔(19)に
環状の溝(17)と環状の溝(18)とが連通している。なお、
(20)はパッキンである。
【0022】図1及び図2に示す吹付ノズルについて説
明すると、スラリー用パイプ(8)の先端のノズル(9)より
スラリーを霧状に噴出させ、軽量骨材をパイプ(1)より
噴射させる。即ち、軽量骨材がスラリーの噴霧の膜を通
って吹付体に吹付けられるので、軽量骨材は完全に湿り
を帯び、また、スラリーの噴霧膜によって包まれるため
に、移送の際の輸送管内抵抗も増えず、粉塵も全くなく
なり、付着効果も増大して吹付層を形成することができ
る。更に、高圧空気が孔(13)から環状の溝(17)を通って
噴射孔(19)へ導入され、かつ水溶性酸性塩類溶液が孔(1
5)から環状の溝(18)を通って噴射孔(19)へ導入され、前
記軽量骨材とスラリーとの混合物を包囲するので、軽量
骨材が周囲に飛散するのを防止するのと同時に強固な吹
付耐火被覆を形成することができる。
【0023】
【実施例】
実施例1 普通ポルトランドセメント25重量部及び消石灰[Ca
(OH)2]10重量部を65重量部の水で溶解してスラ
リーを調製した。次に、硫酸アルミニウム18水塩[Al
2(SO4)3・18H2O]をAl2(SO4)3として7重量%
となるように水に溶解した。次に、ロックウールを空気
搬送し、ノズルより吐出しながら、上記スラリー及び溶
液をそれぞれ別のポンプで搬送し、ロックウールと合流
接触させて鉄骨面に吹付成形を行った。なお、スラリー
及び溶液の流量はロックウール60重量%、ポルトラン
ドセメント25重量%、消石灰[Ca(OH)2]10重
量%、硫酸アルミニウム無水物5重量%となるように調
製した。その結果、吹付時の粉塵発生は認められなかっ
た。また、吹付直後の吹付物は配合材料の乾燥重量の
1.3倍の水分を含んでいたが、吹付物は吹付後、直ぐ
に疑似硬化したため鉄骨からの脱落はなかった。なお、
乾燥後の成形物の嵩比重は0.3であった。
【0024】実施例2 普通ポルトランドセメント20重量部及び水酸化カルシ
ウム25重量部を65重量部の水で溶解し、スラリーを
調製した。次に、硫酸アルミニウム18水塩[Al2(SO
4)3]をAl2(SO4)3として15重量%の濃度となるよう
に水に溶解した。次に、ロックウールを空気搬送し、ノ
ズルより吐出しながら上記スラリー及び溶液をそれぞれ
別のポンプで搬送し、ロックウールと合流接触させ鉄骨
面に吹付成形を行った。なお、スラリー及び溶液の流量
はロックウール40重量%、ポルトランドセメント20
重量%、水酸化カルシウム25重量%、硫酸アルミニウ
ム無水物15重量%となるように調整した。その結果、
吹付時の粉塵発生は認められなかった。また、吹付直後
の吹物は配合材料の乾燥重量の1.5倍の水分を含んで
いたが、吹付物は吹付後、直ぐに疑似硬化したため鉄骨
からの脱落はなかった。なお、乾燥後の成形物の嵩比重
は0.4であった。
【0025】実施例3 普通ポルトランドセメント55重量部、消石灰[Ca
(OH)2]20重量部を80重量部の水に分散してスラ
リーを調整した。次に、硫酸アルミニウム18水塩[A
2(SO4)3・18H2O]をAl2(SO4)3として8重
量%の濃度となるように水に溶解した。次に、粒径0.
2〜2.5mm、嵩比重0.12の焼成ヒル石を空気搬送
し、ノズルより吐出しながら上記スラリー及び溶液をそ
れぞれ別のポンプで搬送し、焼成ヒル石と合流接触させ
鉄骨材に吹付成形を行った。なお、スラリー、溶液及び
焼成ヒル石の流量はポルトランドセメント55重量%、
消石灰20重量%、焼成ヒル石20重量%、硫酸アルミ
ニウム無水物5重量%となるように調整した。その結
果、吹付時の粉塵発生は認められなかった。また、吹付
直後の吹付物は配合材料の乾燥重量の1.3倍の水分を
含んでいた。吹付物は吹付後直ぐに疑似硬化したため、
鉄骨からの脱落はなかった。なお、乾燥後の吹付物の嵩
比重は0.5であった。
【0026】実施例4 普通ポルトランドセメント35重量部、消石灰[Ca
(OH)2]20重量部を65重量部の水に分散し、スラ
リーを調整した。次に、硫酸アルミニウム18水塩[A
2(SO4)3・18H2O]をAl2(SO4)3として10
重量%の濃度となるように水に溶解した。次に、粒径
0.2〜2.5mm、嵩比重0.12の焼成ヒル石を空気
搬送し、ノズルより吐出しながら、上記スラリー及び溶
液をそれぞれ別のポンプで搬送し、焼成ヒル石と合流接
触させ鉄骨材に吹付成形を行った。なお、スラリー、溶
液及び焼成ヒル石の流量はポルトランドセメント35重
量%、消石灰20重量%、焼成ヒル石35重量%、硫酸
アルミニウム無水物10重量%となるように調整した。
その結果、吹付時の粉塵発生は認められなかった。ま
た、吹付直後の吹付物は配合材料の乾燥重量の1.5倍
の水分を含んでいたが、吹付物は吹付後直ぐに疑似硬化
したため、鉄骨からの脱落はなかった。なお、乾燥後の
吹付物の嵩比重は0.3であった。
【0027】なお、実施例1〜4の吹付耐火組成物の耐
火性能を調べた結果、いずれも従来の吹付耐火被覆組成
物と同等以上の性能が認められた。
【0028】比較例1 ポルトランドセメント100重量部を200重量部の水
で分散し、セメントスラリーを調製した。次に、ロック
ウールを空気搬送し、ノズルより吐出しながらセメント
スラリーを別のポンプで搬送し、ロックウールと合流接
触させ鉄骨面に吹付成形を行った。なお、スラリー流量
はロックウール60重量%、ポルトランドセメント40
重量%となるように調整した。その結果、吹付成形物の
鉄骨面からの落下はないものの粉塵発生は大であった。
なお、吹付直後の吹付物は配合材料の乾燥重量の0.8
倍の水分を含んでおり、乾燥後の嵩比重は0.3であっ
た。
【0029】比較例2 比較例1において、水を350重量部とした以外は比較
例1と同様に吹付成形した。なお、スラリーの流量はロ
ックウール60重量%、ポルトランドセメント40重量
%となるように調整した。その結果、粉塵の発生はなく
なったが、吹付物は一部鉄骨面からの落下が認められ
た。なお、吹付直後の吹付物は配合材料の乾燥重量の
1.4倍の水分を含んでおり、乾燥後の嵩比重は0.3で
あった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、施工コストの安い半湿
式工法において、コストを上昇させず、経済性を保ちな
がら、これまで問題となっていた施工時の粉塵発生を大
幅に低減でき、しかも、耐火性能上も何ら支障のない吹
付耐火被覆組成物の施工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に使用できる吹付ノズルの一実施態
様を示すの横断面図である。
【図2】図1に示す吹付ノズルのa−a断面図である。
【符号の説明】
1 パイプ 3 水溶性酸性塩類溶液用ノズル 8 スラリー用パイプ 9 ノズル 11 基筒 12 前筒 13 孔 14 コック 15 孔 16 コック 17 外側環状の溝 18 内側環状の溝 19 噴射孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 22:16 C04B 22:16 A 14:02) 14:02) B (72)発明者 藤 雅史 茨城県石岡市柏原6丁目1番地 株式会 社アスク中央研究所内 (72)発明者 大澤 努 茨城県石岡市柏原6丁目1番地 株式会 社アスク中央研究所内 (56)参考文献 特開 平6−92708(JP,A) 特開 平3−122040(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 28/00 - 28/36

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ土類金属の酸化物及び/または
    水酸化物、セメント質材料、軽量充填材料、及びアルカ
    リ土類金属の酸化物及び/または水酸化物と常温で化学
    反応する水溶性酸性塩類を含有してなる吹付耐火被覆組
    成物の施工方法において、軽量充填材料を輸送管内を空
    気搬送し、吹付ノズル部分で吐出させると共に、別にノ
    ズル周辺に設けた噴水口より、セメント質材料とアルカ
    リ土類金属の酸化物及び/または水酸化物に水を加えて
    混合したスラリー部を、また、これとは別に設けた噴水
    口よりアルカリ土類金属の酸化物及び/または水酸化物
    と常温で反応する水溶性酸性塩類の水溶液部をそれぞれ
    別のポンプで輸送管で搬送し、吹付用のノズル部分で軽
    量充填材料と、スラリー部と、水溶液部とを合流接触さ
    せて吹付成形することを特徴とする吹付耐火被覆組成物
    の施工方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ土類金属がカルシウムまたはマ
    グネシウムである請求項1記載の吹付耐火被覆組成物の
    施工方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ土類金属の酸化物及び/または
    水酸化物と常温で化学反応する水溶性酸性塩類がリン酸
    アルミニウム、硫酸アルミニウムである請求項1記載の
    吹付耐火被覆組成物の施工方法。
  4. 【請求項4】 軽量充填材料が繊維質材料及び/または
    軽量骨材である請求項1記載の吹付耐火被覆組成物の施
    工方法。
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