JP3217511B2 - 原子炉燃料集合体 - Google Patents

原子炉燃料集合体

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JP3217511B2
JP3217511B2 JP00655693A JP655693A JP3217511B2 JP 3217511 B2 JP3217511 B2 JP 3217511B2 JP 00655693 A JP00655693 A JP 00655693A JP 655693 A JP655693 A JP 655693A JP 3217511 B2 JP3217511 B2 JP 3217511B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は沸騰水型原子炉の燃料集
合体に係り、特に燃料棒を保持する燃料スペーサ近傍に
おける冷却材の流れを改善して限界出力を向上した燃料
集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子炉の炉心においては、炉心
の下方から上方に向かう冷却材の流れに沿って冷却材中
に蒸気ボイドが発生する。従って、炉心上部ほどボイド
率が高くなり、このため炉心上部での圧力損失が大きく
なり易い傾向がある。
【0003】また炉心上部では原子炉停止時にボイドが
なくなると、運転時からの減速材密度の変化量が非常に
大きくなり、中性子の減速が良くなって制御棒によって
炉心を未臨界に保つための余裕(炉停止余裕と呼ぶ)が
小さくなる。このような問題を解決するために、従来は
図19乃至図21に示す燃料集合体が設計されていた。なお
図19は燃料集合体の一部切断正面図、図20は図19のA−
A矢視断面図、図21は図19のB−B矢視断面図を示す。
【0004】燃料集合体1は、角筒状のチャンネルボッ
クス2で覆われており、このチャンネルボックス2内に
は9行9列に燃料棒3が配列されている。燃料棒3の上
端と下端は上部タイプレート4および下部タイプレート
5で支持され、軸方向の複数箇所には燃料棒3を横方向
に間隔をもって保持する燃料スペーサ6a,6bが配置
されている。なお、例示する燃料集合体1においては軸
方向の上部に図20に示す燃料スペーサ6aが2個と、そ
の下部に図21に示す燃料スペーサ6bが5個の計7個が
配設されている。
【0005】燃料集合体1の水平方向断面中央部には、
内部を冷却材が流通するウォーターロッド7が配置され
ており、また燃料棒3より短い構成の部分長燃料棒8が
8本配置され、この部分長燃料棒8の上端は当該燃料ス
ペーサ6bから少し上方に突出した状態で保持されてい
る。なお、部分長燃料棒8の上端より上方に位置する燃
料スペーサ6aは、図20に示すように部分長燃料棒8を
保持する必要がないので、圧力損失低減のために燃料棒
3,8を挿通し、互いに連結する格子部材の円筒フェル
ール9が削除されて空所10としている。
【0006】このように、一部の燃料棒を部分長とする
ことにより、燃料集合体上部の冷却材流路面積を広げて
圧力損失を低減し、同時に燃料集合体の上部に装荷する
燃料(核分裂物質:ウラン、プルトニウム等)の量を減
じて、前記炉停止余裕を維持している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の設計のような燃
料集合体1については、燃料棒の除熱と言う観点からは
次のような支障があった。燃料棒3,8の除熱は、冷却
材のサブクール状態から飽和温度までの加熱と、飽和水
の沸騰によって行われている。従って、理想的には冷却
材の内で液相(飽和水)は燃料棒3,8の表面付近を流
れ、気相(蒸気)は燃料棒3,8間の空間を流れること
が最も除熱効率が良いことになる。
【0008】一方、実際の燃料集合体1における冷却材
流動様式を見ると、ボイド率が高く除熱上余裕の少ない
燃料集合体上半部領域では、環状流と呼ばれる流動状態
となっている。図22の燃料棒間の冷却材流動説明図に示
すように、この流動状態では燃料棒3間の空間11で矢印
12方向に流れる冷却材のボイド率は高くなり、液滴13が
蒸気の中を流れて、燃料棒3の表面は液膜14が覆ってい
る。この液膜14の沸騰により燃料棒3の除熱が行われて
いる。
【0009】また図23は部分長燃料棒上端部の冷却材流
動説明図、および図24は部分長燃料棒上方の燃料スペー
サ部の冷却材流動説明図で、部分長燃料棒8の上端より
上方に位置する円筒フェルール9を多数格子状に組み合
わせた構造の燃料スペーサ(フェルール・スペーサとも
言う)6aの下端(上流側)近傍の流動状態を表したも
のである。
【0010】図23は図24のC−C線に沿って展開したも
ので、部分長燃料棒8の上端より上方の燃料棒3相互間
の空所10で形成される冷却材流路は、他の燃料棒3,8
相互間の空所11の冷却材流路より広いので、燃料棒表面
の摩擦抵抗が小さく二相流の流速が早い。なお、図24に
は燃料スペーサ6aの下面近傍の流速分布を速度等高線
で示しており、添字の数字が小さいほど流速が大きいこ
とを表す。
【0011】この局所的に早い流れが燃料スペーサ6a
の下面の円筒フェルール9の欠けた部分の空所10を通過
する時に、円筒フェルール9の下端9aと衝突して流れ
に乱れが生じる。この乱流は流速の大きい部分ほど大き
く、その結果、燃料スペーサ6aの下端近傍で燃料棒表
面の液膜14が薄くなる。
【0012】この現象は、この部分で限界出力が発生す
ることを意味し、従来の燃料集合体の炉外熱水力試験ル
ープによる限界出力実験結果によると、図20の燃料スペ
ーサ6aで、円筒フェルール9を削除した空所10側に面
した円15で示した燃料スペーサ6aの下端近傍で遷移沸
騰が発生し易いことが分かった。
【0013】また図23で分かるように、部分長燃料棒8
の上端部では、それまで部分長燃料棒8の表面を流れて
きた液膜14が、液滴13となって燃料棒3相互間の空間10
へ放出され、周りの燃料棒3の冷却に寄与していないと
いう支障があった。
【0014】本発明の目的とするところは、部分長燃料
棒の上部に配設する燃料スペーサに燃料棒を保持するフ
ェルールより上流側に長いスリーブを設けて、前述の問
題点を改善し、除熱効率の高い燃料集合体を提供するこ
とにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】複数の燃料棒および部分
長燃料棒を間隔をもって保持する燃料スペーサを軸方向
に複数個配置すると共に前記燃料棒等の上下端を夫々上
部タイプレートおよび下部タイプレートで支持した燃料
棒束をチャンネルボックスで囲繞した燃料集合体におい
て、前記部分長燃料棒の下流側に配置する燃料スペーサ
が部分長燃料棒の下流で燃料棒相互間で形成される冷却
材の流路にスリーブを配置すると共に、このスリーブの
上流端が前記燃料棒を保持するフェルールの上流端より
突出させ、また上流端面には内側チャンファと内周面等
に旋回フィンを形成、あるいはスリーブの上流側に流れ
の擾乱機構を設けたしたことを特徴とする。
【0016】
【作用】部分長燃料棒上端より上方の燃料棒間流路は、
他の位置の燃料棒間流路よりも燃料棒が存在しない断面
広いため、燃料棒の摩擦抵抗がなく冷却材の二相流
の流速が局所的に速くなるが、燃料スペーサ下端で燃料
棒を保持する円筒フェルールの上流側にて、この高速流
は燃料棒表面より遠い位置に取り入れ口を有する円筒ス
リーブにバイパスさせて取り込まれる。
【0017】このため、燃料スペーサ下端での局所高速
流の衝突が抑制され、燃料棒表面の液膜厚さを大きく減
ずる作用が緩和される。また、この円筒スリーブ外周面
の抵抗により燃料棒表面近傍の二相流の流速を減じて、
燃料スペーサ下端での乱流発生が減少する。
【0018】さらに、部分長燃料棒の上端から剥がれて
燃料棒間の空間に形成された冷却材の流路に飛散する液
滴を、旋回フィンあるいは擾乱機構により偏向して隣接
する燃料棒の表面に積極的に付着させるので、燃料棒表
面における液膜を厚くし、除熱効率が向上して燃料集合
体の沸騰遷移発生までの熱的余裕が増大する。
【0019】
【実施例】本発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。なお、上記した従来技術と同じ構成部分については
同一符号を付して詳細な説明を省略する。図1は燃料集
合体の一部切断正面図、図2は図1のD−D矢視断面
図、図3は図1のE−E矢視断面図を、また図4は部分
長燃料棒より上方に位置する燃料スペーサの側面図を示
す。
【0020】燃料集合体16は、角筒状のチャンネルボッ
クス2で覆われており、このチャンネルボックス2内に
は9行9列に燃料棒が格子状に配列されている。燃料棒
3の上端と下端は上部タイプレート4および下部タイプ
レート5で支持され、軸方向の複数箇所に燃料棒3の間
隔を保持する燃料スペーサ17a,17bが配設されてお
り、図1に示した例では上方より燃料スペーサ17aが2
個、燃料スペーサ17bが5個の計7個配設している。
【0021】燃料集合体16の水平方向断面中央部には、
内部を冷却材が流通するウォーターロッド7が2本と、
周辺近くに燃料棒3より短く構成された部分長燃料棒8
が8本配置され、この部分長燃料棒8の上端は当該燃料
スペーサ17bより上方に突出した状態で保持されてい
る。
【0022】図4に示す燃料スペーサ17aは、内部に燃
料棒3が挿入される多数の円筒フェルール9(管状フェ
ルールとも呼ぶ)を格子状に配列し、隣接する相互を溶
接にて結合する。さらに、この格子状に配列された円筒
フェルール9の外周を帯状の支持バンド18で取り囲み、
当接する部分を溶接している。またウォーターロッド7
は複数個の円筒フェルール9を取り除いた空所に支持板
材19を円筒フェルール9の外周と連結する形状で取り付
け、これにより支持されている。
【0023】なお、燃料棒3が挿入される円筒フェルー
ル9は、隣接している円筒フェルール9同士に跨って連
続ループバネ20が係合されていて、この連続ループバネ
20が設けられた対面内側の上下には、各2個の内側突出
突起9bが形成され、この内側突出突起9bと前記連続
ループバネ20により燃料棒3,8の外面を押圧支持す
る。
【0024】また燃料スペーサ17aにおいて部分長燃料
棒8上方に配置して格子部を形成する円筒スリーブ21
は、図5の部分長燃料棒上端部の冷却材流動説明図にも
示すように、共に配列した円筒フェルール9よりも下端
が下方(上流側)に長く形成し、その突出長さは約5cm
以下で、下端の内面側にチャンファ22を形成して構成さ
れている。
【0025】なお、図1の一実施例においては燃料棒3
の上下端は上部タイプレート4および下部タイプレート
5によって支持しているが、燃料棒5,8の自重を燃料
スペーサ17a,17bのスプリング保持力によって支持
し、燃料棒の上下端を最上段または最下段の燃料スペー
サによって保持する構造の燃料集合体としても良い。
【0026】次に上記構成による作用について説明す
る。図6の部分長燃料棒上方の燃料スペーサ部の冷却材
流動説明図で示すように部分長燃料棒8上端より上方の
燃料棒間流路が他の位置の燃料棒間流路よりも断面が広
いため二相流の流速が局所的に速くなる。
【0027】しかしながら、図5で示すように燃料スペ
ーサ17aでは、この高速流を隣接する燃料棒3の表面よ
り遠い位置に取り入れ口を有する円筒スリーブ21で、円
筒フェルール9の下端より更に上流側においてバイパス
して取り込むので、局所高速流が隣接する円筒フェルー
ル9の下端で燃料棒表面の液膜厚さを大きく減ずる現象
が緩和される。
【0028】また、この局所的な高速流の取り込み口で
ある円筒スリーブ21の内面側のチャンファ22により取り
入れ口での流れの乱れが少なく、かつ、バイパス側に高
速流を誘導する形状であるため、隣接する燃料棒表面の
液膜流への影響が少ない。
【0029】この結果、従来の構造では局所高速流が直
接空所10に隣接する円筒フェルール9の下面に衝突し
て、横方向に大きな乱流を起こしていたものが、上流側
に突出した円筒スリーブ21により局所高速流がバイパス
され、その外面による摩擦抵抗により円筒スリーブ21の
外側の二相流の流速が緩和されて、燃料棒表面において
大きな乱流が生じない。
【0030】図6は部分長燃料棒8の上端より上方に位
置する円筒フェルール9と円筒スリーブ21を格子状に組
み合わせた構造の燃料スペーサ17aの下端(上流側)近
傍の流動状態を表したもので、下端近傍の二相流の流速
分布を等高線で示す。なお、図5は図6のF−F線に沿
って展開したもので、上記図23の従来の燃料スペーサ6
aと比較をすると、円15で示した燃料スペーサの下端近
傍で遷移沸騰が発生し易い位置の等高線が燃料棒3の表
面で緩やかになり、円筒フェルール9の下端近傍におけ
る流れの乱れが小さくなることが分かる。
【0031】この沸騰遷移は燃料スペーサの直下近傍で
発生し易く、従来の部分長燃料棒8の水平断面における
配置は、燃料集合体のなかで沸騰遷移が生じ易い位置、
または生じ易い燃料棒位置に隣接しているので、燃料集
合体の限界出力(沸騰遷移が発生しない最大熱出力)の
向上に大きく寄与しているが、部分長燃料棒8の外周に
隣接した燃料棒3における、他の位置の燃料棒3よりも
限界出力余裕が小さい支障は本発明の燃料スペーサ17a
によって解決される。
【0032】このために燃料集合体16によれば、限界出
力の向上と共に燃料集合体16の上部における圧力損失の
低減と、燃料装荷量の削減、および減速材量の増加によ
る炉停止余裕が改善される効果がある。
【0033】図7の一部切断斜視図は円筒スリーブの第
1の変形例を示す。上記一実施例では、燃料スペーサ17
aの部分長燃料棒8の位置に対応する格子部に上流側に
長く延びた中空の円筒スリーブ21を配設しているが、第
1の変形例では円筒スリーブ23の内側に突出した旋回フ
ィン23aを設けた構成としたものである。
【0034】この旋回フィン23aは、燃料棒3を支持す
る部位の円筒フェルール9の軸方向長さ24の範囲内に、
当該円筒スリーブ23の胴部の部材を周方向に複数箇所切
込んで内側方向に斜めに突出させたもので、円筒スリー
ブ23の下端には前述と同様に内面にチャンファ22を形成
している。
【0035】この円筒スリーブ23を配設することによ
り、円筒スリーブ23内に誘導された部分長燃料8の上端
より上部の局所高速二相流中に含まれる液滴13が、旋回
フィン23aによって発生する旋回力による遠心力で流れ
の中心部から外周部に偏向し、円筒スリーブ23通過後に
おいて、隣接する燃料棒3に付着し易くなる。
【0036】なお、旋回フィン23を設ける軸方向位置
が、燃料棒3(部分長燃料棒8ではない)を支持する円
筒フェルールの軸方向長さ24の範囲内であり、当該円筒
スリーブ23から旋回フィン23a形成のために生じた開口
から二相流が若干漏出しても燃料棒3を支持する円筒フ
ェルール9の外側流路に衝突するので、燃料棒3の表面
の液膜流を乱して液膜14の厚さを減じるような不具合は
生じない。
【0037】図8の一部切断斜視図は円筒スリーブの第
2の変形例を示し、円筒スリーブ25の下流端に円筒スリ
ーブ25の一部を突起状に延長し、その突起部を当該円筒
スリーブ25内の通過流に旋回力を与えるように内側へひ
ねりを加えて旋回フィン25aを形成した構成のもので、
これによっても円筒スリーブ25通過後における液滴13が
隣接する燃料棒3に付着し易くなり、前記第1の変形例
と同様の効果が得られる。
【0038】なお、旋回フィン25aは隣接する燃料棒3
位置の円筒フェルール9と上端面において点溶接できる
ように、円筒スリーブ25の正方配列において対角方向に
設けるのが良い。また当該円筒スリーブ25は、燃料棒3
が挿入されていないので旋回フィン25aは、当該円筒ス
リーブ25の内外に張り出す形でひねられいても燃料棒3
にフレッティングを生じさせることはない。
【0039】上記のような各変形例を採用すると、上記
一実施例に比べて燃料スペーサの圧損は若干増加する
が、部分長燃料棒8上方における冷却材を有効に隣接す
る燃料棒3の冷却に活用できるので、燃料集合体の限界
出力が向上する効果がある。
【0040】次に本発明の他の実施例について説明す
る。部分長燃料棒8が配置されている燃料集合体26に
いて、部分長燃料棒8の上方に配置した燃料スペーサ27
aには、擾乱機構付き円筒スリーブ28を円筒フェルール
9と共に格子状に配列したもので、図9は燃料集合体の
一部切断正面図、図10は図9のG−G矢視断面図、図11
は図9のH−H矢視断面図を、さらに、この燃料集合体
26に採用の燃料スペーサに装着した擾乱機構付き円筒ス
リーブ28を図12の一部切断斜視図により示す。
【0041】図9に示す燃料集合体26の軸方向上部に配
置した燃料スペーサ27aには擾乱機構付き円筒スリーブ
28が配置されていて、この擾乱機構付き円筒スリーブ28
は、部分長燃料棒8の上方に位置する冷却材流路で燃料
スペーサ27aの格子部の上流側に燃料棒3を保持する円
筒フェルール9より上流側に長く延びた円筒スリーブ21
の内部に擾乱機構29を溶接固定している。
【0042】図12の一部切断斜視図に示すように、擾乱
機構付き円筒スリーブ28は、円筒スリーブ21内に上部が
十字形部材29aでなり、中心は流路抵抗の少ない円柱状
または円筒状の中心部材29bを下方に延ばし、その先端
に螺旋形の流れ擾乱部29cを設けた擾乱機構29を溶接、
固定して構成されている。
【0043】この擾乱機構29の流れ擾乱部29cは、燃料
スペーサ27aの下端から20cm以内の位置に配する。な
お、十字形部材29aの下面(上流側)にはチャンファ22
を形成すると共に、円筒スリーブ21の内部に溶接、固定
した上端(下流側)は周方向に曲げて旋回フィン29dを
形成しても良い。
【0044】本他の実施例では、図13の部分長燃料棒上
端部の冷却材流動説明図に示すように、部分長燃料棒8
の表面の液膜14は上端で剥がれ、液滴13となって燃料棒
3の間の空間10に蒸気流に混じって上方に流れるが、沸
騰遷移の生じ易い燃料スペーサの下端近傍では、擾乱機
構29によって偏向されて隣接する燃料棒3の表面に付着
する。
【0045】この結果、部分長燃料棒8の上方の燃料棒
間の流路における液滴13が燃料棒3の冷却に寄与し、燃
料集合体26における限界出力が向上する。さらに、部分
長燃料棒8に隣接する燃料棒3の燃料スペーサ27aの下
端近傍の部位での沸騰遷移を生じ易い流れの乱れも緩和
される。
【0046】本他の実施例では擾乱構造29と燃料スペー
サ27aとが擾乱機構付き円筒スリーブ28の円筒スリーブ
21を介して溶接固定した一体構造である。従って、片持
ち梁の構造であるが十字形部材29aが十分な剛性を与え
ているため流体振動による支障は生じない。
【0047】また図14の部分長燃料棒上端部の冷却材流
動説明図は、他の実施例の変形例を示したもので、擾乱
機構29における流れ擾乱部29eの形状が上方に開いた傘
型としたもので、加工が簡便で前記他の実施例と同様の
効果が得られる。
【0048】以上のように燃料スペーサ17a,27aを部
分長燃料棒8の上部に組み込んだ燃料集合体16,26にお
いては、冷却材の流路抵抗が小さく、従来の限界出力の
向上のための図示しない流れ擾乱燃料スペーサを設ける
方策に比べて、流れ擾乱燃料スペーサによる中性子吸収
が増加して中性子経済的に不利となることもなく、簡易
な構造で限界出力の向上が図れる。
【0049】なお、本発明の実施例では軸方向に複数配
する燃料スペーサをすべて円筒フェルールと円筒スリー
ブを多数格子状に組み合わせた構造として示したが、円
筒の代わりに図15の要部平面図に示す八角筒フェルール
30を基本にした燃料スペーサでも同様の作用と効果が実
現できる。また燃料スペーサの段数配分が本実施例の組
み合わせと異なっていても本発明の効果が得られる。
【0050】さらに、部分長燃料棒8の存在する軸方向
領域では限界出力余裕に余裕が得られるので、この部分
には圧力損失が低いことが特徴である図16の斜視図に示
す投影面積の小さい他の形式の燃料スペーサ31や、特開
平1-217294号公報の第1図で開示されている燃料スペー
サの格子枠の上下に山形突起を設けた低圧損燃料スペー
サを組み合わせても良い。
【0051】他の組み合わせとして本発明の燃料スペー
サ17a,27aと特願平3-314551号の図1乃至図4で開示
している部分長燃料棒や、部分長燃料棒の上端の形状が
他の形状の部分長燃料棒とを組み合わせても良い。な
お、上記実施例では燃料棒が9×9で、太径のウォータ
ーロッド7が中央に2本配置され、部分長燃料棒8が8
本の原子炉燃料集合体を参照して説明したが、本発明は
これに限定されるものではなく、全ての部分長燃料棒8
を有する燃料集合体に対しても適用できる。
【0052】図17の一部切断正面図と図18の図17のI−
I矢視断面図に、燃料棒が8×8で太径のウォーターロ
ッド7が中央に1本配置した燃料集合体32の例を示す。
また燃料スペーサ17a,17b,27a,27bの個数も1体
の燃料集合体16,26に7個配置した例で説明したが他の
数および組み合わせでも良い。
【0053】本発明における実施態様項として次のもの
がある。 (1) 部分長燃料棒が存在する原子炉燃料集合体におい
て、部分長燃料棒の下流側に配置する燃料スペーサの部
分長燃料棒の下流で燃料棒相互間で形成される冷却材の
流路に配置して上流端が燃料棒を保持するフェルールの
上流端より突出させたスリーブにおける上流端の内側面
にチャンファを形成したことを特徴とする原子炉燃料集
合体。
【0054】(2) 部分長燃料棒が存在する原子炉燃料集
合体において、部分長燃料棒の下流側に配置する燃料ス
ペーサの部分長燃料棒の下流で燃料棒相互間で形成され
る冷却材の流路に配置して上流端が燃料棒を保持するフ
ェルールの上流端より突出させたスリーブの内側面に旋
回フィンを形成したことを特徴とする原子炉燃料集合
体。
【0055】(3) 部分長燃料棒が存在する原子炉燃料集
合体において、部分長燃料棒の下流側に配置する燃料ス
ペーサの部分長燃料棒の下流で燃料棒相互間で形成され
る冷却材の流路に配置して上流端が燃料棒を保持するフ
ェルールの上流端より突出させたスリーブで下流端に旋
回フィンを形成したことを特徴とする原子炉燃料集合
体。
【0056】(4) 部分長燃料棒が存在する原子炉燃料集
合体において、部分長燃料棒の下流側に配置する燃料ス
ペーサの部分長燃料棒の下流で燃料棒相互間で形成され
る冷却材の流路に配置して上流端が燃料棒を保持するフ
ェルールの上流端より突出させたスリーブに上流端から
突出して流路抵抗が小さい中心部材とその先端の流れ擾
乱部からなる擾乱機構を設けたことを特徴とする原子炉
燃料集合体。
【0057】
【発明の効果】以上本発明によれば、部分長燃料棒の導
入目的である燃料集合体上部での二相流圧力損失の低減
と炉停止余裕の向上を維持すると共に、部分長燃料棒に
隣接する燃料棒における除熱効率を向上し、限界出力余
裕の低下を抑制して、燃料集合体の限界出力を向上する
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例の燃料集合体の一部切断
正面図。
【図2】図1におけるD−D矢視断面図。
【図3】図1におけるE−E矢視断面図。
【図4】本発明に係る一実施例の燃料スペーサの側面
図。
【図5】本発明に係る部分長燃料棒上端部の冷却材流動
説明図。
【図6】本発明に係る部分長燃料棒上方の燃料スペーサ
部の冷却材流動説明図。
【図7】一実施例の第1の変形例を示す円筒フェルール
の一部切断斜視図。
【図8】一実施例の第2の変形例を示す円筒フェルール
の一部切断斜視図。
【図9】本発明に係る他の実施例の燃料集合体の一部切
断正面図。
【図10】図9におけるG−G矢視断面図。
【図11】図9におけるH−H矢視断面図。
【図12】本発明に係る他の実施例の擾乱機構付き円筒
フェルールの一部切断斜視図。
【図13】他の実施例の部分長燃料棒上端部の冷却材流
動説明図。
【図14】他の実施例の変形例を示す部分長燃料棒上端
部の冷却材流動説明図。
【図15】八角筒フェルールによる燃料スペーサの要部
平面図。
【図16】従来の低圧力損失燃料スペーサの斜視図。
【図17】燃料集合体の一例を示す一部切断正面図。
【図18】図17におけるI−I矢視断面図。
【図19】従来の燃料集合体の一部切断正面図。
【図20】図19におけるA−A矢視断面図。
【図21】図19におけるB−B矢視断面図。
【図22】燃料棒間の冷却材流動説明図。
【図23】従来の部分長燃料棒上端部の冷却材流動説明
図。
【図24】従来の部分長燃料棒上方の燃料スペーサ部の
冷却材流動説明図。
【符号の説明】
2…チャンネルボックス、3…燃料棒、4…上部タイプ
レート、5…下部タイプレート、7…ウォーターロッ
ド、8…部分長燃料棒、9…円筒フェルール、10,11…
空所、12…冷却材の流れ(矢印)、13…液滴、14…液
膜、15…遷移沸騰が発生し易い箇所(円)、16,26,32
…燃料集合体、17a,17b,27a,27b…燃料スペー
サ、18…支持バンド、19…支持板材、20…連続ループバ
ネ、21,23,25…円筒スリーブ、22…チャンファ、23
a,25a,29d…旋回フィン、24…円筒フェルールの軸
方向長さ、28…擾乱機構付き円筒フェルール、29…擾乱
機構、29a…十字形部材、29b…中心部材、29c,29e
…流れ擾乱部、30…八角筒フェルール、31…低圧力損失
燃料スペーサ。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の燃料棒および部分長燃料棒の夫々
    を間隔をもって保持する燃料スペーサを軸方向に複数個
    配置すると共に前記燃料棒等の上下端を夫々上部タイプ
    レートおよび下部タイプレートで支持した燃料棒束を角
    筒状のチャンネルボックスで囲繞して内部を冷却材流路
    とした燃料集合体において、前記部分長燃料棒の上端よ
    下流側に配置する燃料スペーサが部分長燃料棒上端よ
    下流で燃料棒相互間で形成される冷却材の流路にスリ
    ーブを配置すると共に、このスリーブの上流端が前記燃
    料棒を保持するフェルールの上流端より突出させたこと
    を特徴とする原子炉燃料集合体。
  2. 【請求項2】 複数の燃料棒および部分長燃料棒の夫々
    を間隔をもって保持する燃料スペーサを軸方向に複数個
    配置すると共に前記燃料棒等の上下端を夫々上部タイプ
    レートおよび下部タイプレートで支持した燃料棒束を角
    筒状のチャンネルボックスで囲繞して内部を冷却材流路
    とした燃料集合体において、前記部分長燃料棒の上端よ
    り下流側に配置する燃料スペーサが部分長燃料棒上端よ
    り下流で燃料棒相互間で形成される冷却材の流路にスリ
    ーブを配置すると共に、このスリーブの上流端の内面側
    にチャンファを設けたことを特徴とする原子炉燃料集合
    体。
  3. 【請求項3】 前記スリーブの上流端の内面側にチャン
    ファを付けたことを特徴とする請求項1に記載の原子炉
    燃料集合体。
  4. 【請求項4】 前記スリーブの胴部内側に旋回フィンを
    設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいず
    れかに記載の原子炉燃料集合体。
  5. 【請求項5】 前記スリーブの下流端に旋回フィンを設
    けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれ
    かに記載の原子炉燃料集合体。
  6. 【請求項6】 前記スリーブに擾乱機構を設け、この擾
    乱機構の擾乱部が前記スリーブの上流端より上流側に位
    置することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいず
    れかに記載の原子炉燃料集合体。
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