JP3217088B2 - ステンレス鋼製多重巻きパイプ - Google Patents

ステンレス鋼製多重巻きパイプ

Info

Publication number
JP3217088B2
JP3217088B2 JP20883291A JP20883291A JP3217088B2 JP 3217088 B2 JP3217088 B2 JP 3217088B2 JP 20883291 A JP20883291 A JP 20883291A JP 20883291 A JP20883291 A JP 20883291A JP 3217088 B2 JP3217088 B2 JP 3217088B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
copper
steel sheet
stainless steel
plated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP20883291A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0533103A (ja
Inventor
幸人 野村
孝一 佐竹
寿一 小沢
直人 大久保
美博 植松
克久 宮楠
孝 井川
敬夫 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Sanoh Industrial Co Ltd
Original Assignee
Sanoh Industrial Co Ltd
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanoh Industrial Co Ltd, Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Sanoh Industrial Co Ltd
Priority to JP20883291A priority Critical patent/JP3217088B2/ja
Priority to GB9215814A priority patent/GB2258244B/en
Priority to DE4224564A priority patent/DE4224564C2/de
Publication of JPH0533103A publication Critical patent/JPH0533103A/ja
Priority to US08/143,400 priority patent/US5458156A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3217088B2 publication Critical patent/JP3217088B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B15/00Layered products comprising a layer of metal
    • B32B15/01Layered products comprising a layer of metal all layers being exclusively metallic
    • B32B15/013Layered products comprising a layer of metal all layers being exclusively metallic one layer being formed of an iron alloy or steel, another layer being formed of a metal other than iron or aluminium
    • B32B15/015Layered products comprising a layer of metal all layers being exclusively metallic one layer being formed of an iron alloy or steel, another layer being formed of a metal other than iron or aluminium the said other metal being copper or nickel or an alloy thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S138/00Pipes and tubular conduits
    • Y10S138/06Corrosion

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,自動車のブレーキチュ
ーブ等の油圧配管やヒューエルパイプおよび冷蔵庫の放
熱管等に使用される多重巻きパイプ(代表的には二重巻
きパイプ)に係り,詳しくは,銅めっきが施された硬さ
が極めて低い軟質のオーステナイト系ステンレス鋼製の
多重巻きパイプに関する。
【0002】
【従来の技術】多重巻きパイプは,通常は銅めっきを施
した鋼帯を造管用ロールで巻き回してパイプ形状に造管
し,これを還元性ガス雰囲気中で銅の融点以上に加熱す
ることによって銅めっき層を融着層とするセルフブレー
ジングを行わせて製造される。図1に二重巻きパイプを
例としてその断面を図解的に示した。1は鋼帯,2は銅
めっき層,3はセルフブレージングにより形成された融
着層である。かような多重巻きパイプに使用される素材
鋼には造管性や造管後の加工性の点で通常は低炭素普通
鋼の鋼帯が用いられている。この素材鋼は製造時にはコ
イルに巻かれた状態にあるので鋼帯とも呼べるが,本明
細書では鋼板とも呼ぶことにする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】安全性を高める観点か
ら,普通鋼を素材とする多重巻きパイプの耐食性が重要
視されるようになり,このため,素材を厚肉化したり,
多重巻きパイプにさらに種々のめっきや樹脂コーテイン
グを施すことが行なわれている。このような素材の厚肉
化やめっきおよびコーテングは,素材コスト及び製造コ
ストの上昇ならびに素材重量の上昇を招くといった問題
がある。
【0004】一方,素材自身の耐食性を確保するために
多重巻きパイプ素材にステンレス鋼を用いることも提案
されたが,ステンレス鋼は普通鋼に比べて一般に硬質で
あり加工硬化も大きいので,多重巻きパイプ造管時の形
状および密着性が悪く,セルフブレージングにより形成
された融着部にボイドが多発し,パイプ本来の使命であ
る気密性を損ねるという問題が生ずる。かようなボイド
の発生状況は,渦流探傷に代表される非破壊検査によっ
てチエックされる。
【0005】本発明は,耐食性を高めるためにステンレ
ス鋼を素材とする多重巻きパイプの製造を意図し,ステ
ンレス鋼を素材とした場合の前記問題の解決を目的とし
たものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,銅めっ
きを施した鋼板を多重巻きに造管してなる多重巻きパイ
プにおいて,該鋼板が,重量%において, C;0.05%以
下, Si;1.0%以下,Mn;5.0%以下, Ni;9.0%以上15.0
%以下, Cr;15.0%以上20.0%以下, N;0.04%以下,
Cu;5.0%以下を含有し,場合によってはさらにMo;3.
0%以下,Al;1.5%以下, Ti;0.5%以下, Nb;0.5%以
下, V;0.5%以下, Zr;0.5%以下, B;0.03%以下,
REM;0.02%以下のいずれか1種または2種以上を含有し
たうえ,下記の(1)および(2)式を同時に満足するように
各成分量が調整され,残部がFeおよび不可避的に混入
する不純物よりなる極軟質オーステナイト系ステンレス
鋼の冷延鋼板に1μm 以上の厚さの銅めっきを施した鋼
からなることを特徴とする銅めっきステンレス鋼製多
重巻きパイプを提供する。 K=20.5+13.0×C+0.99×Si−1.1×Mn−Ni−0.4×Cu+0.4×Cr +117.1×N≦19.5 ・・・(1) H=27.1+60.9×C+0.26×Si−Ni−0.79×Cu+0.68×Cr+52.6×N ≦ 29.0 ・・・(2) 。 ここで,銅めっきの前に厚さ1μm以下のNiめっきを施
しておくのがよい。
【0007】
【作用】本発明者らは, 多重巻きパイプの耐食性向上を
目的として素材のステンレス化を検討し,オーステナイ
ト系ステンレス鋼の化学組成と冷延鋼帯の機械的性質の
関係を系統的に調査して硬さおよび引張強さと成分の関
係の定量化を行うとともに, 種々の特性を有する鋼を素
材として二重巻きパイプの試験製造を行い,次のような
知見を得た。
【0008】二重巻きパイプの試験製造結果によれば, (1) 通常のオーステナイト系ステンレス鋼は低炭素普通
鋼に比べて硬質であるため二重巻きパイプ造管時の形状
が悪くセルフブレージングにより形成された銅の融着層
部にボイドが多発した。これを回避するためには素材鋼
の硬さおよび引張強さが低いことが必要である。 (2) たとえ造管時の形状が良好であっても,銅めっき量
により,更にはその下地のNiめっき量により,セルフ
ブレージングにより形成される銅の融着層部にボイド発
生率が変化する。
【0009】オーステナイト系ステンレス鋼の硬さなら
びに引張強さと成分の関係を調査研究した結果によれ
ば, (1) 硬さを低下させるためには,C,N,Si,P,S,Al,
Ti等の不純物元素を低下させる以外に,オーステナイ
ト系ステンレス鋼には必須の元素であるCrを低下させ,
Niを増加させること,さらにはCu,Mnを添加するこ
とが極めて有効である。 (2)引張強さを低くするには, Ni,Mnを増加し, Cuを
添加すること, 逆にSiを低下することが有効である。
【0010】本発明は以上のような知見に基づき,多重
巻きパイプ素材に用いるオーステナイト系ステンレス鋼
の成分を厳密に調整定量化することよって,ボイドのな
い良好な製品を得たものである。先ず, 素材鋼の成分の
限定理由について説明すると次のとおりである。
【0011】Cは多量に含まれると固溶強化により鋼が
硬質となるので,0.05重量%以下とする。
【0012】Siは軟質さの点からは低い方が好ましい
ものの,0.1重量%未満では脱酸が不十分になるため0.1
重量%以上とする。しかし1.0重量%を越えて添加して
も脱酸効果は飽和するので上限は1.0重量%とする。
【0013】Mnは多量に含まれるほど硬さは低下し,
加工硬化は小さくなり引張強さを低くする傾向にあるも
のの,5.0重量%を越えて添加されてもその効果は大き
く上がらないため上限を5.0重量%とする。
【0014】Niは,オーステナイト系ステンレス鋼に
は不可欠な元素であり, 硬さならびに引張強さを十分に
低くするためには,多量に含まれるのが好ましく9.0重
量%以上必要である。上限は経済性を考慮して15重量%
以下とする。
【0015】Crは耐食性の点から15.0重量%以上添加
するのが好ましい。しかし軟質化の点より, あまり多量
に含有されると,硬さの上昇を招くため20.0重量%以下
とする。
【0016】Nは極めて有効なオーステナイト生成元素
でありオーステナイト相を安定にするものの,0.04重量
%を越えて含有されると固溶強化による硬さの上昇なら
びに表面性状の劣化を招くため0.04重量%以下とする。
【0017】Cuは, オーステナイト生成元素であり,
硬さならびに引張強さを低下させるのに極めて有効に作
用する。しかし5.0重量%を越えて添加すると熱間加工
性を劣化させ,熱間圧延時に耳切れを生じるため5.0重
量%以下とする。
【0018】Moは添加量を増加すると耐食性が向上す
る。しかし多量に添加すると硬さを上昇させるため3.0
重量%以下とする。
【0019】Alは製鋼時の脱酸に有効な元素であり,
特にTiやZrの添加直前に添加して溶鋼中の酸素濃度を
下げることによって,TiやZrの歩留りを向上かつ安定
化させることができる。しかしAlは固溶強化により1.5
重量%を越えて添加すると硬さを上昇させるのでその上
限を1.5重量%とする。
【0020】Ti,Nb,VおよびZrは結晶粒の細粒化を
図り, 成形加工後の肌あれを防止する。しかし,それぞ
れ0.5重量%を越えて添加してもその効果は飽和するの
で,各々0.5重量%以下とする。
【0021】Bは熱間加工性を向上させる元素であり,
熱間加工割れの防止に有効である。しかし,0.03重量%
を越えて添加すると, かえって熱間加工を劣化させるば
かりでなく耐粒界腐食性を劣化するので0.03重量%以下
とする。
【0022】REM(希土類元素)はBと同様に熱間加工性
を向上させるのに有効な元素であるが,0.02重量%を越
えて添加してもその効果の向上は望めないので0.02重量
%以下とする。
【0023】以上の個々の成分規制に加えて, ブレージ
ングにより銅の融着部に生ずるボイドを防止するために
は,素材鋼の硬さが低く,なおかつ引張強さを低くする
必要がある。本発明者らはボイド発生におよぼす硬さお
よび引張強さの影響を調べると共にこれら硬さと引張強
さにおよぼす化学成分の影響を調査し, 前記(1)式に従
うK値≦19.5, および(2)式に従うH値≦29.0の両条件
を満足するように厳密に各成分量を調整することがこの
目的に合致することが明らかとなった (後述の第5図お
よび第6図)。
【0024】また,またボイド発生率はNiめっき量な
らびに銅めっき量によっても変化することが分かったの
で,このため造管時の形状の良好であったものを用いて
適正Niめっき量ならびに適正銅めっき量を把握する試
験を行い, 次の結果を得た。
【0025】すなわち,表1に示す化学成分の鋼を14種
類溶製して, 連続鋳造法にて鋳造しスラブとなし,これ
を抽出温度1220℃で熱間圧延して3.8mmの熱延鋼帯を得
た。この熱延鋼帯に1100℃, 均熱1分の熱延板焼鈍・酸
洗を施し,その後1.0mm厚まで冷間圧延し, 1050℃, 均
熱1分の中間焼鈍・酸洗を施し,その後0.3mmまで仕上
げ圧延し1050℃, 均熱1分の仕上焼鈍・酸洗を施した。
これら14種類の冷延鋼板のうち鋼2を用いてNiめっき
量ならびに銅めっき量を変化させ, ボイド発生の有無を
調査して適正めっき条件を把握した後,全鋼種に対して
3.5μmの銅めっきを施したものと,0.5μmのNiめっき
を施した後に3.5μmの銅めっきを施したものとを素材と
して内径7.4mm,外径8.0mmの二重巻きパイプを製造し
た。ブレージング温度は1125℃であった。ボイドの発生
の有無の検査は渦流探傷法によって行い(以後の試験も
同じ),ボイド発生率%は長さ100mに造管した二重巻
きパイプ数に対するボイド発生パイプ数の百分率で示し
た。またこれらめっき前の素材の硬さおよび引張強さも
調べ,それらの値とK値およびH値についても表1に示
した。
【0026】
【表1】
【0027】図2に, 鋼2のボイド発生率に及ぼすNi
メッキ厚さの影響を示す。この時の銅めっき厚さはいず
れの場合も約3.5μmであった。Niめっき厚さが1μm以
下ではボイド発生は認められないが1μmを越えるとボ
イドの発生が認められるようになる。このためNiめっ
き厚さは1μm以下にすることが必要である。ステンレ
ス鋼に対する銅めっき性を向上するためには, Niめっ
きを行なう方が好ましいが,図2の結果に見られるよう
に,過剰な厚さのNiめっきはセルフブレージング処理
後の鋼の融着部にボイドを生じさせる。
【0028】図3に鋼2のボイド発生率に及ぼす銅めっ
き厚さの影響を示す。銅めっき厚さが1μm以上では普
通鋼を素材とした場合 (ボイド発生率 0.5%以下) と同
等か,それ以下のボイド発生率になっている。このこと
から当該ステンレス鋼に対しては銅めっき厚さは1μm
以上必要であることがわかる。
【0029】図4に二重巻きパイプのボイド発生の有無
におよぼす素材鋼の硬さおよび引張強さの影響を示す。
白丸印はボイド発生が認められなかったものである。図
4の結果から,ステンレス鋼素材の硬さをHV130より低
くし且つ引張強さを55kgf/mm2より低くすることが必要
であることがわかる。
【0030】図5は,各供試材(仕上げ焼鈍後の前記鋼
板素材)のK値と硬さの関係を示したものである。硬さ
はK値と良好な相関を有し,K値の上昇と共に硬さが上
昇することがわかる。ボイドが発生しない硬さHV 130以
下とするには (1)式に従うK値が19.5以下となるように
各成分量を調整することが必要である。
【0031】図6は,該供試材のH値と引張強さの関係
を示したものである。引張強さはH値と良好な相関を有
し,H値の上昇と共に引張強さが上昇することがわか
る。ボイドが発生しない引張強さ55kgf/mm2以下とする
には (2)式に従うH値が29.0以下となるように各成分量
を調整することが必要である。
【0032】
【実施例】表2に本発明例,比較例ならびに従来例とし
て用いた素材鋼の化学成分と,式(1),(2)より計算され
たK値およびH値を示す。従来例にはSUS304,SUS304Lお
よびSUS305を用いた。本発明例の鋼はK≦19.5で且つH
≦29.0となるように各成分が調整されている。
【0033】表2の各オーステナイト系ステンレス鋼を
溶製し,連続鋳造法にて鋳造しスラブとなし,これを抽
出温度1220℃で熱間圧延して3.8mmの熱延鋼帯を得た。
この熱延鋼帯に1100℃, 均熱1分の熱延板焼鈍・酸洗を
施し,その後1.0mm厚まで冷間圧延し, 1050℃, 均熱1
分の中間焼鈍・酸洗を施し,その後0.3mmまで仕上圧延
し1050℃, 均熱1分の仕上焼鈍・酸洗を施した。得られ
た各冷延鋼帯の両面に厚さ3.5μmの銅めっきを施し,こ
れを素材として二重巻きパイプに成型し,1125℃でブレ
ージング処理して二重巻きパイプ製品を製造した。得ら
れたパイプのボイド発生率を本文の試験の場合と同様に
して評価した。その結果を表3に示した。また, 表3に
は各素材鋼板のビッカース硬さと引張強さの測定値も併
せて示した。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】 表3の結果に見られるように,従来例の鋼28(SUS304)お
よび29(SUS304L)は硬さおよび引張強さともそれぞれHV
130以上, 55kgf/mm2以上であり,これを用いた二重巻き
パイプではボイド発生率もそれぞれ6.5%および4.8%と
高くなっている。従来例の鋼30(SUS305)は硬さはHV 130
以下となっているものの引張強さが高く, このために造
管形状が悪くなりボイドの発生が認められる。
【0036】また,比較例の鋼24および25では硬さは13
0以下になっているものの,H値が本発明で規定するよ
りも高く, 引張強さがそれぞれ56および60kgf/mm2と高
くなっており,これを素材とする二重巻きパイプではボ
イドの発生が認められる。またH値が本発明で規定する
よりも高い比較例の鋼26およびK値とH値が本発明で規
定するよりも高い比較例の鋼27は, 硬さと引張強さが高
く, これらを素材とする二重巻きパイプにはボイドの発
生が認められる。
【0037】これに対して,(1)および(2)式を満足する
ように成分調整した本発明例の鋼15〜23はいずれも硬さ
は120より低く引張強さも55kgf/mm2より低くなってお
り, これらを素材とした二重巻きパイプは,ボイド発生
率が0%を示し,ボイド発生率が従来例の3.15〜6.5%,
比較例の0.75〜2.65%のものに比べて,顕著な効果を
示した。
【0038】
【効果】以上のように, 本発明による多重巻きパイプ
は,ステンレス鋼板素材を用いるものであるにも拘わら
ず,セルフブレージングにより形成される融着部を含め
てボイドが存在しないので気密性の良好な安全なパイプ
である。そして,従来の低炭素普通鋼を素材とするもの
では得られない高耐食性を有し,かつ該普通鋼素材とす
るものよりは強度も高い。このため,多重巻きパイプが
使用される用途において,装着パイプの軽量化と耐久性
に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 二重巻きパイプの半径方向の断面を示した略
断面図である。
【図2】 ボイド発生率に及ぼすNiめっき量の影響を
示す図である。
【図3】 ボイド発生率に及ぼす銅めっき厚さの影響を
示す図である。
【図4】 二重巻きパイプのボイド発生不良率におよぼ
すステンレス鋼の硬さおよび引張強さの影響を示す図で
ある。
【図5】 オーステナイト系ステンレス冷延鋼板の硬さ
とK値の関係を示す図である。
【図6】 オーステナイト系ステンレス冷延鋼板の引張
強さとH値の関係を示す図である。
【符号の説明】 1 素材鋼板 2 銅めっき層 3 セルフブレージング融着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小沢 寿一 茨城県古河市鴻巣758 三桜工業株式会 社 古河工場内 (72)発明者 大久保 直人 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新 製鋼株式会社 鉄鋼研究所内 (72)発明者 植松 美博 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新 製鋼株式会社 鉄鋼研究所内 (72)発明者 宮楠 克久 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新 製鋼株式会社 鉄鋼研究所内 (72)発明者 井川 孝 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新 製鋼株式会社 鉄鋼研究所内 (72)発明者 小田 敬夫 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新 製鋼株式会社 鉄鋼研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−60897(JP,A) 特開 昭61−139651(JP,A) 特開 平3−243790(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C23C 30/00 F16L 9/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅めっきを施した鋼板を多重巻きに造管
    してなる多重巻きパイプにおいて,該鋼板が,重量%に
    おいて, C;0.05%以下, Si;1.0%以下,Mn;5.0%以
    下, Ni;9.0%以上15.0%以下, Cr;15.0%以上20.0%
    以下, N;0.04%以下, Cu;5.0%以下を含有し,且つ
    下記の(1)および(2)式を同時に満足するように各成分量
    が調整され,残部がFeおよび不可避的に混入する不純
    物よりなる極軟質オーステナイト系ステンレス鋼の冷延
    鋼板に1μm 以上の厚さの銅めっきを施した鋼板からな
    ることを特徴とする銅めっきステンレス鋼製多重巻きパ
    イプ, K=20.5+13.0×C+0.99×Si−1.1×Mn−Ni−0.4×Cu+0.4×Cr +117.1×N≦19.5 ・・・(1) H=27.1+60.9×C+0.26×Si−Ni−0.79×Cu+0.68×Cr+52.6×N ≦ 29.0 ・・・(2) 。
  2. 【請求項2】 銅めっきを施した鋼板は,厚さ1μm以
    下のNiめっきを施したうえ1μm 以上の厚さの銅めっ
    きを施した鋼板である請求項1に記載の銅めっきステン
    レス鋼製多重巻きパイプ。
  3. 【請求項3】 銅めっきを施した鋼板を多重巻きに造管
    してなる多重巻きパイプにおいて,該鋼板が,重量%に
    おいて, C;0.05%以下, Si;1.0%以下,Mn;5.0%以
    下, Ni;9.0%以上15.0%以下, Cr;15.0%以上20.0%
    以下, N;0.04%以下, Cu;5.0%以下を含有し,さら
    に,Mo;3.0%以下, Al;1.5%以下, Ti;0.5%以下,
    Nb;0.5%以下, V;0.5%以下, Zr;0.5%以下, B;
    0.03%以下, REM;0.02%以下のいずれか1種または2種
    以上を含有したうえ,且つ下記の(1)および(2)式を同時
    に満足するように各成分量が調整され,残部がFeおよ
    び不可避的に混入する不純物よりなる極軟質オーステナ
    イト系ステンレス鋼の冷延鋼板に1μm 以上の厚さの銅
    めっきを施した鋼板からなることを特徴とする銅めっき
    ステンレス鋼製多重巻きパイプ, K=20.5+13.0×C+0.99×Si−1.1×Mn−Ni−0.4×Cu+0.4×Cr +117.1×N≦19.5 ・・・(1) H=27.1+60.9×C+0.26×Si−Ni−0.79×Cu+0.68×Cr+52.6×N ≦ 29.0 ・・・(2) 。
  4. 【請求項4】 銅めっきを施した鋼板は,厚さ1μm以
    下のNiめっきを施したうえ1μm 以上の厚さの銅めっ
    きを施した鋼板である請求項に記載の銅めっきステン
    レス鋼製多重巻きパイプ。
JP20883291A 1991-07-26 1991-07-26 ステンレス鋼製多重巻きパイプ Expired - Lifetime JP3217088B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20883291A JP3217088B2 (ja) 1991-07-26 1991-07-26 ステンレス鋼製多重巻きパイプ
GB9215814A GB2258244B (en) 1991-07-26 1992-07-24 Stainless steel multifold pipe
DE4224564A DE4224564C2 (de) 1991-07-26 1992-07-24 Edelstahlmehrfachrohrleitung
US08/143,400 US5458156A (en) 1991-07-26 1993-10-29 Stainless steel multifold pipe

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20883291A JP3217088B2 (ja) 1991-07-26 1991-07-26 ステンレス鋼製多重巻きパイプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0533103A JPH0533103A (ja) 1993-02-09
JP3217088B2 true JP3217088B2 (ja) 2001-10-09

Family

ID=16562849

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20883291A Expired - Lifetime JP3217088B2 (ja) 1991-07-26 1991-07-26 ステンレス鋼製多重巻きパイプ

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5458156A (ja)
JP (1) JP3217088B2 (ja)
DE (1) DE4224564C2 (ja)
GB (1) GB2258244B (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08184391A (ja) * 1994-12-29 1996-07-16 Usui Internatl Ind Co Ltd 蛇腹管
JP3659542B2 (ja) * 1997-03-12 2005-06-15 日新製鋼株式会社 耐銅浸透性等にすぐれた二重巻きパイプ用銅めっき鋼板およびその製造方法
JP4389186B2 (ja) * 1998-02-23 2009-12-24 忠弘 大見 ガスケットおよび管継手
JP2000005816A (ja) * 1998-06-22 2000-01-11 Usui Internatl Ind Co Ltd 多重巻ステンレス鋼管
JP3691341B2 (ja) * 2000-05-16 2005-09-07 日新製鋼株式会社 精密打抜き性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板
EP1306600B1 (en) * 2000-08-01 2007-10-24 Nisshin Steel Co., Ltd. Stainless steel oil feeding pipe
US6783870B2 (en) * 2000-10-16 2004-08-31 Engineered Materials Solutions, Inc. Self-brazing materials for elevated temperature applications
EP1715071A4 (en) * 2004-01-13 2007-08-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd AUSTENITIC STAINLESS STEEL, PROCESS FOR PRODUCING THE SAME, AND STRUCTURE COMPRISING THE SAME
EP2017074A3 (de) * 2007-06-13 2009-07-01 TI Automotive (Heidelberg) GmbH Aluminiumbeschichtete Kraftfahrzeugrohrleitung aus Metall und Verfahren zur Herstellung einer Kraftfahrzeugrohrleitung mittels Schmelztauchbeschichten
US20100300574A1 (en) * 2007-11-29 2010-12-02 Yutaka Jinnouchi Multiwall steel tube
EP2738380B1 (de) * 2012-11-28 2018-02-21 TI Automotive (Heidelberg) GmbH Kraftstoffleitung
JP6552385B2 (ja) * 2015-11-05 2019-07-31 日鉄ステンレス株式会社 耐熱性と加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板とその製造方法、および当該ステンレス鋼製排気部品
KR102247418B1 (ko) * 2018-12-19 2021-05-03 엘지전자 주식회사 동합금 스테인리스 배관과, 이를 포함하는 공기 조화기 및 그 제조방법

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB352323A (en) * 1930-03-12 1931-07-09 Bundy Tubing Co Improvements in or relating to tubes
US3957086A (en) * 1973-06-29 1976-05-18 Bundy Corporation Corrosion resistant tubing
SE7705578L (sv) * 1976-05-15 1977-11-16 Nippon Steel Corp Tvafasigt rostfritt stal
US4102677A (en) * 1976-12-02 1978-07-25 Allegheny Ludlum Industries, Inc. Austenitic stainless steel
JPS55118973A (en) * 1979-03-07 1980-09-12 Kansai Paint Co Ltd Composite film-forming slurry coating composition
US4424083A (en) * 1980-11-21 1984-01-03 Exxon Research And Engineering Co. Carburization resistance of austenitic stainless steel tubes
US4505946A (en) * 1980-12-02 1985-03-19 Aichi Steel Works, Limited Method for coating metal with a dissimilar metal
JPS5980757A (ja) * 1982-11-01 1984-05-10 Hitachi Ltd 高強度オ−ステナイト系鋼
DE3742539A1 (de) * 1987-12-16 1989-07-06 Thyssen Stahl Ag Verfahren zur herstellung von plattiertem warmband und danach hergestelltes plattiertes warmband
US4999159A (en) * 1990-02-13 1991-03-12 Nisshin Steel Company, Ltd. Heat-resistant austenitic stainless steel
DE4010178C1 (ja) * 1990-03-30 1991-06-13 Bundy Gmbh, 6900 Heidelberg, De
US5297587A (en) * 1990-05-18 1994-03-29 Itt Corporation Sealed double wall steel tubing having steel outer surface

Also Published As

Publication number Publication date
GB2258244A (en) 1993-02-03
DE4224564C2 (de) 2002-08-08
US5458156A (en) 1995-10-17
DE4224564A1 (de) 1993-03-04
GB2258244B (en) 1995-04-05
JPH0533103A (ja) 1993-02-09
GB9215814D0 (en) 1992-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2224028B1 (en) Steel plate for line pipes and steel pipes
JP4341396B2 (ja) 低温靱性および溶接性に優れた高強度電縫管用熱延鋼帯
EP3128029B1 (en) Steel material for highly-deformable line pipes having superior strain aging characteristics and anti-hic characteristics, method for manufacturing same, and welded steel pipe
JP5793283B2 (ja) ブラックスポットの生成の少ないフェライト系ステンレス鋼
EP3276024B1 (en) Thick steel plate for structural pipes or tubes, method of producing thick steel plate for structural pipes or tubes, and structural pipes and tubes.
KR100484983B1 (ko) 용접부의 내이차가공 취성 및 고온피로특성이 우수한페라이트계 스테인레스강
TWI460292B (zh) 肥粒鐵系不銹鋼
WO2010090041A1 (ja) ブラックスポットの生成の少ないフェライト系ステンレス鋼
JP3217088B2 (ja) ステンレス鋼製多重巻きパイプ
WO2019189871A1 (ja) 二相ステンレスクラッド鋼板およびその製造方法
EP3276025B1 (en) Steel plate for structural pipe, method for producing steel plate for structural pipe, and structural pipe
KR20170128574A (ko) 구조관용 후육 강판, 구조관용 후육 강판의 제조 방법, 및 구조관
JP6048615B2 (ja) 耐歪時効特性及び耐hic特性に優れた高変形能ラインパイプ用鋼材およびその製造方法ならびに溶接鋼管
EP2990498A1 (en) H-shaped steel and method for producing same
JP2011153361A (ja) 曲げ性および耐溶融金属脆化特性に優れた高強度Zn−Al−Mg系めっき鋼板
JP2007260716A (ja) 変形能に優れた超高強度溶接鋼管の製造方法
KR20160103100A (ko) 페라이트계 스테인리스 열연 어닐링 강판, 그 제조 방법 및 페라이트계 스테인리스 냉연 어닐링 강판
KR102002241B1 (ko) 구조관용 강판, 구조관용 강판의 제조 방법, 및 구조관
EP3118342B1 (en) Ferritic stainless steel
JP3322097B2 (ja) 溶接施工性に優れた高強度、高耐食フェライト鋼用溶接材料
WO2014156175A1 (ja) 厚肉鋼管用鋼板、その製造方法、および厚肉高強度鋼管
JPH10121202A (ja) 耐硫化物応力割れ性を必要とする環境で使用される高強度鋼材およびその製造方法
WO2019151045A1 (ja) ラインパイプ用鋼材およびその製造方法ならびにラインパイプの製造方法
JP2018131668A (ja) 曲げ加工性に優れた高強度溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板及びその製造方法
JP2001247930A (ja) 耐震性および耐火性に優れた圧延形鋼とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010724

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080803

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090803

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090803

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110803

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term