JP3216535U - 繊維ロープ - Google Patents
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Abstract
【課題】ロープ全体としては柔らかく、断面は円に近く、強度も出し易いことは言うまでもなく、内層ロープのみが切断される現象を上手く回避できる繊維ロープを提供する。【解決手段】内層ロープ2とその外側を被覆する外層ロープ3の二重構造とし、内層ロープ2を緩く、また外層ロープ3をきつく打ってなる繊維ロープ1で、内層ロープ2と外層ロープ3が同じ素材で、且つ内層ロープ2と外層ロープ3の糸量比が60:40から55:45の範囲内に設定された構成になっている。【効果】内層ロープの糸量を外層ロープに比べて十分に多くすることで、内層ロープのみが切断される問題点を解決できるようになった。【選択図】図1
Description
本考案は、主として船舶、殊に大型貨物船の係留、タグボートの曳航、更には海洋土木
工事用などに用いられる内、外層二重構造の繊維ロープに関する。
工事用などに用いられる内、外層二重構造の繊維ロープに関する。
従来のこの種の二重構造の繊維ロープは、内・外層ロープ共に一般繊維(多くはナイロ
ンの長繊維糸)を採用するほか、内層ロープをナイロンに、外層ロープをポリエステル繊
維にするなどして繊維の種類の組み合わせを変える或いは高機能なものに置き換えるなど
して、繊維ロープそのものの強度や張力性能、破断性能等の改善に意を払ってきた(特許
文献1〜3参照)。
ンの長繊維糸)を採用するほか、内層ロープをナイロンに、外層ロープをポリエステル繊
維にするなどして繊維の種類の組み合わせを変える或いは高機能なものに置き換えるなど
して、繊維ロープそのものの強度や張力性能、破断性能等の改善に意を払ってきた(特許
文献1〜3参照)。
ところで、見方を変えて考察すると、この種二重構造の繊維ロープは夫々の打ち方、即
ち内層ロープでは8打ち、12打ち、外層ロープでは32打ち、48打ち、64打ち等(
多くは48打ち)によって繊維ロープの形が違っているが、内層ロープと外層ロープに用
いられる糸の量、つまり糸本数は基本的には同量としている。
ち内層ロープでは8打ち、12打ち、外層ロープでは32打ち、48打ち、64打ち等(
多くは48打ち)によって繊維ロープの形が違っているが、内層ロープと外層ロープに用
いられる糸の量、つまり糸本数は基本的には同量としている。
また、ロープ強度は内層ロープと外層ロープの和で設計されていて、実際のロープ強度
試験でもほぼ設計に近い強度が出ることが分かっている。併せて、この種の繊維ロープは
内層ロープを緩く、即ち柔らかく、外層ロープをきつく、即ちややかためで打つ。その結
果、ロープ全体としては柔らかく、断面は円に近く、強度も出し易い。
試験でもほぼ設計に近い強度が出ることが分かっている。併せて、この種の繊維ロープは
内層ロープを緩く、即ち柔らかく、外層ロープをきつく、即ちややかためで打つ。その結
果、ロープ全体としては柔らかく、断面は円に近く、強度も出し易い。
しかしながら、この種の二重構造の繊維ロープは、使用中にロープが切れる時、内層ロ
ープのみが切断するという奇妙な現象が見られた。
ープのみが切断するという奇妙な現象が見られた。
このような現象を詳細に検討した結果、例えばロープ1メートル長を糸レベルで分解す
ると、内層ロープの糸と外層ロープの糸はその長さに差があることが分かった。つまり外
層ロープの糸の長さは内層ロープのそれに対して5%ほど長いという知見を得た。それは
、内層ロープを緩く=柔らかく、外層ロープをきつく=ややかためで打つため必然の結果
でもあったが、内層ロープも外層ロープも同じ種類の糸では伸び方が同じであるから、繊
維ロープに張力が掛かり、切断までに至ると外層ロープに比べて寸法の短い内層ロープの
糸が先に切れることが判明した。
ると、内層ロープの糸と外層ロープの糸はその長さに差があることが分かった。つまり外
層ロープの糸の長さは内層ロープのそれに対して5%ほど長いという知見を得た。それは
、内層ロープを緩く=柔らかく、外層ロープをきつく=ややかためで打つため必然の結果
でもあったが、内層ロープも外層ロープも同じ種類の糸では伸び方が同じであるから、繊
維ロープに張力が掛かり、切断までに至ると外層ロープに比べて寸法の短い内層ロープの
糸が先に切れることが判明した。
この観点から、従来の構造を考察すると、特許文献1〜3に開示された構造は、何れも
が、本考案者らが意図する構造とは異なる構造で、必ずしも望むものではなかった。
が、本考案者らが意図する構造とは異なる構造で、必ずしも望むものではなかった。
そこで本考案者らは、上記の新知見に基づいて、従前の考え方とは全く異なって、内外
二層のロープ糸量の比率割合を1:1から変えてみることに思い至り、強度的には弱い内
層ロープの糸量を増やす方途を模索した。そして、この観点から種々試行錯誤の結果、幾
つかの試作品を作製した。得られた結果はほぼ満足でき、新規な二重構造の繊維ロープを
得ることが出来たので、ここに提案する。
二層のロープ糸量の比率割合を1:1から変えてみることに思い至り、強度的には弱い内
層ロープの糸量を増やす方途を模索した。そして、この観点から種々試行錯誤の結果、幾
つかの試作品を作製した。得られた結果はほぼ満足でき、新規な二重構造の繊維ロープを
得ることが出来たので、ここに提案する。
従って、本考案の目的は、ロープ全体としては柔らかく、断面は円に近く、強度も出し
易いことは言うまでもなく、内層ロープのみが切断される現象を上手く回避できる繊維ロ
ープを提供することにある。
易いことは言うまでもなく、内層ロープのみが切断される現象を上手く回避できる繊維ロ
ープを提供することにある。
上記の目的を達成するために、この考案の請求項1に記載の繊維ロープは、内層ロープ
とその外側を被覆する外層ロープの二重構造とし、内層ロープを緩く、また外層ロープを
きつく打ってなる繊維ロープで、内層ロープと外層ロープが共に同じ素材で、且つ内層ロ
ープと外層ロープの糸量比が60:40の範囲内に設定された構成になっている。
とその外側を被覆する外層ロープの二重構造とし、内層ロープを緩く、また外層ロープを
きつく打ってなる繊維ロープで、内層ロープと外層ロープが共に同じ素材で、且つ内層ロ
ープと外層ロープの糸量比が60:40の範囲内に設定された構成になっている。
以上の構成において、内層ロープの糸量比が60を超えるとロープの硬さが増して、使
い勝手が悪くなる。逆に55を下回ると可及的に外層ロープとの糸量比の1:1に近づき
、内層ロープの切断を招来する。従って、内層ロープの糸量比は60〜55の範囲内に定
めた。
い勝手が悪くなる。逆に55を下回ると可及的に外層ロープとの糸量比の1:1に近づき
、内層ロープの切断を招来する。従って、内層ロープの糸量比は60〜55の範囲内に定
めた。
また、外層ロープの糸量比が40を下回ると、必然的に内層ロープの比率ガ増大し、ロ
ープの硬さが増して、使い勝手が悪くなる。逆に45を超えると可及的に外層ロープとの
糸量比の1:1に近づき、内層ロープの切断を招来する。従って、外層ロープの糸量比は
45〜40の範囲内に定めた。
ープの硬さが増して、使い勝手が悪くなる。逆に45を超えると可及的に外層ロープとの
糸量比の1:1に近づき、内層ロープの切断を招来する。従って、外層ロープの糸量比は
45〜40の範囲内に定めた。
この考案は上記の構成を備えることによって、繊維ロープに張力が掛かっても、外層ロ
ープよりも糸量が充分に多い内層ロープは、この引張力にしっかりと対抗し、外層ロープ
よりも先に切断してしまうおそれは無くなった。
また、内層ロープの糸量比を上限60に、また下限を40に抑えることで、ロープが硬
くなり、取り扱いに不便を来す問題点も生じなくなった。
ープよりも糸量が充分に多い内層ロープは、この引張力にしっかりと対抗し、外層ロープ
よりも先に切断してしまうおそれは無くなった。
また、内層ロープの糸量比を上限60に、また下限を40に抑えることで、ロープが硬
くなり、取り扱いに不便を来す問題点も生じなくなった。
以上の構成において、内層ロープと外層ロープの糸量比は57:43であるのがより好
ましい。
繊維ロープ全体としてより柔らかく、断面がより円形に近く、強度もより出し易くて、
使い勝手が一層良くなる。併せて張力作用時に内層ロープが切断されるおそれを可及的に
少なく出来るからである。
ましい。
繊維ロープ全体としてより柔らかく、断面がより円形に近く、強度もより出し易くて、
使い勝手が一層良くなる。併せて張力作用時に内層ロープが切断されるおそれを可及的に
少なく出来るからである。
このように、本考案の請求項1に係る考案では、内層ロープが外層ロープに比べてその
糸量が十分に多いために、繊維ロープへの繰り返し荷重の負荷によっても、内層ロープの
みが切断してしまうという問題点を上手く解決できる。
また、この繊維ロープの本来的な特徴であるロープ全体としては柔らかく、断面は円に
近く、強度も出し易く、取り扱い易い利点も上手く踏襲できるに至った。
糸量が十分に多いために、繊維ロープへの繰り返し荷重の負荷によっても、内層ロープの
みが切断してしまうという問題点を上手く解決できる。
また、この繊維ロープの本来的な特徴であるロープ全体としては柔らかく、断面は円に
近く、強度も出し易く、取り扱い易い利点も上手く踏襲できるに至った。
以上の構成において、本考案の請求項2に係る考案では、内層ロープと外層ロープの糸
量比を57:43に設定することによって、繊維ロープ全体としてより柔らかく、断面が
より円形に近く、強度もより出し易くて、使い勝手が一層良くなった。併せて張力作用時
に内層ロープが切断されるおそれを可及的に少なく出来るに至った。
量比を57:43に設定することによって、繊維ロープ全体としてより柔らかく、断面が
より円形に近く、強度もより出し易くて、使い勝手が一層良くなった。併せて張力作用時
に内層ロープが切断されるおそれを可及的に少なく出来るに至った。
また、請求項3に係る考案では、内層ロープ並びに外層ロープがナイロンで構成される
ことによって、ロープの製造コストを廉価にして提供できる。
ことによって、ロープの製造コストを廉価にして提供できる。
図1は本考案の実施の形態を示している。
図中、1は繊維ロープ、2はこの繊維ロープ1の芯材となる内層ロープであり、3はこ
の内層ロープの外側を囲繞する外層ロープである。
図中、1は繊維ロープ、2はこの繊維ロープ1の芯材となる内層ロープであり、3はこ
の内層ロープの外側を囲繞する外層ロープである。
この実施例において、前記内層ロープ2には一般繊維、具体的にはナイロン長繊維を撚
り合わせて得られたストランドを複数本撚り合わせることによって構成されている。ロー
プの打ち方としては、目的に応じて、3つ打ち、8打ち、12打ちであっても、所期の目
的を達成できる。図例は12打ちを示す。具体的には、ナイロン長繊維を用いたヤーンか
らストランドを得て、これを12本撚り合わせて得たロープを採用した。この内層ロープ
2はゆるく=柔らかく打たれている。
尚、この内層ロープ2は2本のストランドを1組にして撚り合わせて12打ちとするこ
ともできる。
り合わせて得られたストランドを複数本撚り合わせることによって構成されている。ロー
プの打ち方としては、目的に応じて、3つ打ち、8打ち、12打ちであっても、所期の目
的を達成できる。図例は12打ちを示す。具体的には、ナイロン長繊維を用いたヤーンか
らストランドを得て、これを12本撚り合わせて得たロープを採用した。この内層ロープ
2はゆるく=柔らかく打たれている。
尚、この内層ロープ2は2本のストランドを1組にして撚り合わせて12打ちとするこ
ともできる。
前記内層ロープ2の外周に前記外層ロープ3が設けられている。
この外層ロープ3は前記内層ロープ2と同様のナイロン長繊維を撚り合わせて得られた
ストランドで構成される。得られたストランドを前記内層ロープ2の周囲に複数本配して
構成されている。ロープの打ち方はとしては目的に応じて、32打ち、48打ち、64打
ちが適宜に採用されるが、何れの場合にも所期の目的を達成できる。図例は48打ちを示
す。具体的には、ナイロン長繊維を用いたヤーンからストランドを得て、これを2本引き
揃えて24本撚りわせて得た。この外層ロープ2はきつく=やや硬めに打たれている。
この外層ロープ3は前記内層ロープ2と同様のナイロン長繊維を撚り合わせて得られた
ストランドで構成される。得られたストランドを前記内層ロープ2の周囲に複数本配して
構成されている。ロープの打ち方はとしては目的に応じて、32打ち、48打ち、64打
ちが適宜に採用されるが、何れの場合にも所期の目的を達成できる。図例は48打ちを示
す。具体的には、ナイロン長繊維を用いたヤーンからストランドを得て、これを2本引き
揃えて24本撚りわせて得た。この外層ロープ2はきつく=やや硬めに打たれている。
以上の内層ロープ2と外層ロープ3とは、その糸量の比率を、内層ロープ2を60〜5
5の範囲内に、また外層ロープ3を40〜45の範囲内に設定して構成されている。
5の範囲内に、また外層ロープ3を40〜45の範囲内に設定して構成されている。
以上のように構成された本考案による繊維ロープ1は、ロープ全体として柔らかく、断
面が円形に近く、強度も出し易く、使い勝手が良くなる。
併せて、張力作用時に内層ロープが切断されるおそれを可及的に少なく出来る。
面が円形に近く、強度も出し易く、使い勝手が良くなる。
併せて、張力作用時に内層ロープが切断されるおそれを可及的に少なく出来る。
一般に繊維ロープのストランドにおける個々の内層ロープ2のヤーン及び外層ロープ 3
のヤーンは、それぞれスパイラル状に伸びているが、内層ロープ2のヤーンのスパイラル
の方が外層ロープ3のヤーンのスパイラルよりも径が小さいため、ストランド内における
内層ロープ2を構成するヤーンの長さは、外層ロープ3を構成するヤーンよりも全体とし
て短くなっている。併せて、この種繊維ロープは内層ロープ2を緩く、即ち柔らかく、外
層ロープ3をきつく、即ちややかためで打つ結果、外層ロープ3のヤーンの長さは内層ロ
ープ2のそれに対して5%ほど長くなる。而して、長さの異なる内層ロープ2と外層ロー
プ3には同等の引っ張り力が作用するので、外層ロープ3に比べて寸法の短い内層ロープ
2により大きな荷重が負荷され、内層ロープ2のヤーンが先に切断されるものと考えられ
る。
のヤーンは、それぞれスパイラル状に伸びているが、内層ロープ2のヤーンのスパイラル
の方が外層ロープ3のヤーンのスパイラルよりも径が小さいため、ストランド内における
内層ロープ2を構成するヤーンの長さは、外層ロープ3を構成するヤーンよりも全体とし
て短くなっている。併せて、この種繊維ロープは内層ロープ2を緩く、即ち柔らかく、外
層ロープ3をきつく、即ちややかためで打つ結果、外層ロープ3のヤーンの長さは内層ロ
ープ2のそれに対して5%ほど長くなる。而して、長さの異なる内層ロープ2と外層ロー
プ3には同等の引っ張り力が作用するので、外層ロープ3に比べて寸法の短い内層ロープ
2により大きな荷重が負荷され、内層ロープ2のヤーンが先に切断されるものと考えられ
る。
これに対して本考案においては、前述の通り、内層ロープ2と外層ロープ3とは、その
糸量の比率を、内層ロープ2を60〜55の範囲内に、また外層ロープ3を40〜45の
範囲内に設定して構成されているので、繊維ロープ1に引っ張り力が作用しても、ボリュ
ームのある内層ロープ2はより強力にこの引張荷重に対抗し、従来の繊維ロープとは違っ
て、容易には切断されない。
糸量の比率を、内層ロープ2を60〜55の範囲内に、また外層ロープ3を40〜45の
範囲内に設定して構成されているので、繊維ロープ1に引っ張り力が作用しても、ボリュ
ームのある内層ロープ2はより強力にこの引張荷重に対抗し、従来の繊維ロープとは違っ
て、容易には切断されない。
使用する糸は内層ロープ2も外層ロープ3も共にナイロンとし、また糸の総数は従来品
と同じく、総糸数225790000dTexとして、内層ロープ2対外層ロープ3の糸
量比を、夫々
試料ロープ1.70:30、
試料ロープ2.60:40、
試料ロープ3.65:30、
試料ロープ4. 57:43
に設定して、内層ロープは12打ちとし、外層ロープはストランド2本引き揃えて24本
撚りわせ、夫々呼び径65mmの4本の試料ロープを作成し、得られた各繊維ロープの夫
々を現行品と同様の引張強度:1050kNで引張試験に掛けた。
尚、比較対象の現行品は、使用する糸は内層ロープも外層ロープも共にナイロンで、糸
の総数は225790000dTexとし、内層ロープ2対外層ロープ3の糸量比を50
:対50として、呼び径65mmで構成されている。
と同じく、総糸数225790000dTexとして、内層ロープ2対外層ロープ3の糸
量比を、夫々
試料ロープ1.70:30、
試料ロープ2.60:40、
試料ロープ3.65:30、
試料ロープ4. 57:43
に設定して、内層ロープは12打ちとし、外層ロープはストランド2本引き揃えて24本
撚りわせ、夫々呼び径65mmの4本の試料ロープを作成し、得られた各繊維ロープの夫
々を現行品と同様の引張強度:1050kNで引張試験に掛けた。
尚、比較対象の現行品は、使用する糸は内層ロープも外層ロープも共にナイロンで、糸
の総数は225790000dTexとし、内層ロープ2対外層ロープ3の糸量比を50
:対50として、呼び径65mmで構成されている。
結果は、以下の通りである。
試料ロープ1は強度測定不可で、ロープとして硬過ぎ、実用に供し得ない。
試料ロープ2は現行品と同等の強度が得られた。
試料ロープ3は試料ロープ1と同様の結果で、強度測定不可で、ロープとして硬過ぎ、実
用に供し得ない。
試料ロープ4は現行品の約105%の強度が得られた。
試料ロープ1は強度測定不可で、ロープとして硬過ぎ、実用に供し得ない。
試料ロープ2は現行品と同等の強度が得られた。
試料ロープ3は試料ロープ1と同様の結果で、強度測定不可で、ロープとして硬過ぎ、実
用に供し得ない。
試料ロープ4は現行品の約105%の強度が得られた。
この試験結果から、内層ロープ2と外層ロープ3の糸量比が60:40から55:45
の範囲内であれば強度的に問題がなく、実用に供し得る強度が得られた。
しかし、使用面から見て、理想的には57:43の糸量比を持った前記試料ロープ4が
所期の目的を上手く達成できる点で、最も好ましい。
の範囲内であれば強度的に問題がなく、実用に供し得る強度が得られた。
しかし、使用面から見て、理想的には57:43の糸量比を持った前記試料ロープ4が
所期の目的を上手く達成できる点で、最も好ましい。
尚、内層ロープ2対外層ロープ3の糸量比を60未満:40以上については、実質的に
60:40の範囲内にあり、上記の試験結果から、試料ロープ2、同4と同等の結果が得
られるものと推測され、実務的には前記試料ロープ2、同4と同様に、十分に実用に供し
得られるものと判断した。
60:40の範囲内にあり、上記の試験結果から、試料ロープ2、同4と同等の結果が得
られるものと推測され、実務的には前記試料ロープ2、同4と同様に、十分に実用に供し
得られるものと判断した。
また、本実施例ではロープ素材としてナイロンのマルチフィラメントを採用したが、必
要に応じて他の合成繊維、例えばポリエステルやポリプロピレンのマルチフィラメント或
いはナイロン/ポリエステル、更にはナイロン/ポリプロピレンの複合ヤーン等を採用す
ることも出来る。
要に応じて他の合成繊維、例えばポリエステルやポリプロピレンのマルチフィラメント或
いはナイロン/ポリエステル、更にはナイロン/ポリプロピレンの複合ヤーン等を採用す
ることも出来る。
本考案に係る繊維ロープは、海洋資源の探査等に用いられる浮遊海上構造物を海底に係
留するため係留ロープの他、船舶用ロープに、また、必要に応じて養殖, 定置, 底曳等の
水産漁業用ロープ、又は陸上用一般ロープなどとしても好適に適用される。
留するため係留ロープの他、船舶用ロープに、また、必要に応じて養殖, 定置, 底曳等の
水産漁業用ロープ、又は陸上用一般ロープなどとしても好適に適用される。
1…繊維ロープ
2…内層ロープ
3…外層ロープ
2…内層ロープ
3…外層ロープ
本考案は、主として船舶、殊に大型貨物船の係留、タグボートの曳航、更には海洋土木
工事用などに用いられる内、外層二重構造の繊維ロープに関する。
工事用などに用いられる内、外層二重構造の繊維ロープに関する。
従来のこの種の二重構造の繊維ロープは、内・外層ロープ共に一般繊維(多くはナイロ
ンの長繊維糸)を採用するほか、内層ロープをナイロンに、外層ロープをポリエステル繊
維にするなどして繊維の種類の組み合わせを変える或いは高機能なものに置き換えるなど
して、繊維ロープそのものの強度や張力性能、破断性能等の改善に意を払ってきた(特許
文献1〜3参照)。
ンの長繊維糸)を採用するほか、内層ロープをナイロンに、外層ロープをポリエステル繊
維にするなどして繊維の種類の組み合わせを変える或いは高機能なものに置き換えるなど
して、繊維ロープそのものの強度や張力性能、破断性能等の改善に意を払ってきた(特許
文献1〜3参照)。
ところで、見方を変えて考察すると、この種二重構造の繊維ロープは夫々の打ち方、即
ち内層ロープでは8打ち、12打ち、外層ロープでは32打ち、48打ち、64打ち等(
多くは48打ち)によって繊維ロープの形が違っているが、内層ロープと外層ロープに用
いられる糸の量、つまり糸本数は基本的には同量としている。
ち内層ロープでは8打ち、12打ち、外層ロープでは32打ち、48打ち、64打ち等(
多くは48打ち)によって繊維ロープの形が違っているが、内層ロープと外層ロープに用
いられる糸の量、つまり糸本数は基本的には同量としている。
また、ロープ強度は内層ロープと外層ロープの和で設計されていて、実際のロープ強度
試験でもほぼ設計に近い強度が出ることが分かっている。併せて、この種の繊維ロープは
内層ロープを緩く、即ち柔らかく、外層ロープをきつく、即ちややかためで打つ。その結
果、ロープ全体としては柔らかく、断面は円に近く、強度も出し易い。
試験でもほぼ設計に近い強度が出ることが分かっている。併せて、この種の繊維ロープは
内層ロープを緩く、即ち柔らかく、外層ロープをきつく、即ちややかためで打つ。その結
果、ロープ全体としては柔らかく、断面は円に近く、強度も出し易い。
しかしながら、この種の二重構造の繊維ロープは、使用中にロープが切れる時、内層ロ
ープのみが切断するという奇妙な現象が見られた。
ープのみが切断するという奇妙な現象が見られた。
このような現象を詳細に検討した結果、例えばロープ1メートル長を糸レベルで分解す
ると、内層ロープの糸と外層ロープの糸はその長さに差があることが分かった。つまり外
層ロープの糸の長さは内層ロープのそれに対して5%ほど長いという知見を得た。それは
、内層ロープを緩く=柔らかく、外層ロープをきつく=ややかためで打つため必然の結果
でもあったが、内層ロープも外層ロープも同じ種類の糸では伸び方が同じであるから、繊
維ロープに張力が掛かり、切断までに至ると外層ロープに比べて寸法の短い内層ロープの
糸が先に切れることが判明した。
ると、内層ロープの糸と外層ロープの糸はその長さに差があることが分かった。つまり外
層ロープの糸の長さは内層ロープのそれに対して5%ほど長いという知見を得た。それは
、内層ロープを緩く=柔らかく、外層ロープをきつく=ややかためで打つため必然の結果
でもあったが、内層ロープも外層ロープも同じ種類の糸では伸び方が同じであるから、繊
維ロープに張力が掛かり、切断までに至ると外層ロープに比べて寸法の短い内層ロープの
糸が先に切れることが判明した。
この観点から、従来の構造を考察すると、特許文献1〜3に開示された構造は、何れも
が、本考案者らが意図する構造とは異なる構造で、必ずしも望むものではなかった。
が、本考案者らが意図する構造とは異なる構造で、必ずしも望むものではなかった。
そこで本考案者らは、上記の新知見に基づいて、従前の考え方とは全く異なって、内外
二層のロープ糸量の比率割合を1:1から変えてみることに思い至り、強度的には弱い内
層ロープの糸量を増やす方途を模索した。そして、この観点から種々試行錯誤の結果、幾
つかの試作品を作製した。得られた結果はほぼ満足でき、新規な二重構造の繊維ロープを
得ることが出来たので、ここに提案する。
二層のロープ糸量の比率割合を1:1から変えてみることに思い至り、強度的には弱い内
層ロープの糸量を増やす方途を模索した。そして、この観点から種々試行錯誤の結果、幾
つかの試作品を作製した。得られた結果はほぼ満足でき、新規な二重構造の繊維ロープを
得ることが出来たので、ここに提案する。
従って、本考案の目的は、ロープ全体としては柔らかく、断面は円に近く、強度も出し
易いことは言うまでもなく、内層ロープのみが切断される現象を上手く回避できる繊維ロ
ープを提供することにある。
易いことは言うまでもなく、内層ロープのみが切断される現象を上手く回避できる繊維ロ
ープを提供することにある。
上記の目的を達成するために、この考案の請求項1に記載の繊維ロープは、内層ロープ
とその外側を被覆する外層ロープの二重構造とし、内層ロープを緩く、また外層ロープを
きつく打ってなる繊維ロープで、内層ロープと外層ロープが共に同じ素材で、且つ内層ロ
ープと外層ロープの糸量比が60:40から55:45の範囲内に設定された構成になっ
ている。
とその外側を被覆する外層ロープの二重構造とし、内層ロープを緩く、また外層ロープを
きつく打ってなる繊維ロープで、内層ロープと外層ロープが共に同じ素材で、且つ内層ロ
ープと外層ロープの糸量比が60:40から55:45の範囲内に設定された構成になっ
ている。
以上の構成において、内層ロープの糸量比が60を超えるとロープの硬さが増して、使
い勝手が悪くなる。逆に55を下回ると可及的に外層ロープとの糸量比の1:1に近づき
、内層ロープの切断を招来する。従って、内層ロープの糸量比は60〜55の範囲内に定
めた。
い勝手が悪くなる。逆に55を下回ると可及的に外層ロープとの糸量比の1:1に近づき
、内層ロープの切断を招来する。従って、内層ロープの糸量比は60〜55の範囲内に定
めた。
また、外層ロープの糸量比が40を下回ると、必然的に内層ロープの比率ガ増大し、ロ
ープの硬さが増して、使い勝手が悪くなる。逆に45を超えると可及的に外層ロープとの
糸量比の1:1に近づき、内層ロープの切断を招来する。従って、外層ロープの糸量比は
45〜40の範囲内に定めた。
ープの硬さが増して、使い勝手が悪くなる。逆に45を超えると可及的に外層ロープとの
糸量比の1:1に近づき、内層ロープの切断を招来する。従って、外層ロープの糸量比は
45〜40の範囲内に定めた。
この考案は上記の構成を備えることによって、繊維ロープに張力が掛かっても、外層ロ
ープよりも糸量が充分に多い内層ロープは、この引張力にしっかりと対抗し、外層ロープ
よりも先に切断してしまうおそれは無くなった。
また、内層ロープの糸量比を上限60に、また下限を40に抑えることで、ロープが硬
くなり、取り扱いに不便を来す問題点も生じなくなった。
ープよりも糸量が充分に多い内層ロープは、この引張力にしっかりと対抗し、外層ロープ
よりも先に切断してしまうおそれは無くなった。
また、内層ロープの糸量比を上限60に、また下限を40に抑えることで、ロープが硬
くなり、取り扱いに不便を来す問題点も生じなくなった。
以上の構成において、内層ロープと外層ロープの糸量比は57:43であるのがより好
ましい。
繊維ロープ全体としてより柔らかく、断面がより円形に近く、強度もより出し易くて、
使い勝手が一層良くなる。併せて張力作用時に内層ロープが切断されるおそれを可及的に
少なく出来るからである。
ましい。
繊維ロープ全体としてより柔らかく、断面がより円形に近く、強度もより出し易くて、
使い勝手が一層良くなる。併せて張力作用時に内層ロープが切断されるおそれを可及的に
少なく出来るからである。
このように、本考案の請求項1に係る考案では、内層ロープが外層ロープに比べてその
糸量が十分に多いために、繊維ロープへの繰り返し荷重の負荷によっても、内層ロープの
みが切断してしまうという問題点を上手く解決できる。
また、この繊維ロープの本来的な特徴であるロープ全体としては柔らかく、断面は円に
近く、強度も出し易く、取り扱い易い利点も上手く踏襲できるに至った。
糸量が十分に多いために、繊維ロープへの繰り返し荷重の負荷によっても、内層ロープの
みが切断してしまうという問題点を上手く解決できる。
また、この繊維ロープの本来的な特徴であるロープ全体としては柔らかく、断面は円に
近く、強度も出し易く、取り扱い易い利点も上手く踏襲できるに至った。
以上の構成において、本考案の請求項2に係る考案では、内層ロープと外層ロープの糸
量比を57:43に設定することによって、繊維ロープ全体としてより柔らかく、断面が
より円形に近く、強度もより出し易くて、使い勝手が一層良くなった。併せて張力作用時
に内層ロープが切断されるおそれを可及的に少なく出来るに至った。
量比を57:43に設定することによって、繊維ロープ全体としてより柔らかく、断面が
より円形に近く、強度もより出し易くて、使い勝手が一層良くなった。併せて張力作用時
に内層ロープが切断されるおそれを可及的に少なく出来るに至った。
また、請求項3に係る考案では、内層ロープ並びに外層ロープがナイロンで構成される
ことによって、ロープの製造コストを廉価にして提供できる。
ことによって、ロープの製造コストを廉価にして提供できる。
図1は本考案の実施の形態を示している。
図中、1は繊維ロープ、2はこの繊維ロープ1の芯材となる内層ロープであり、3はこ
の内層ロープの外側を囲繞する外層ロープである。
図中、1は繊維ロープ、2はこの繊維ロープ1の芯材となる内層ロープであり、3はこ
の内層ロープの外側を囲繞する外層ロープである。
この実施例において、前記内層ロープ2には一般繊維、具体的にはナイロン長繊維を撚
り合わせて得られたストランドを複数本撚り合わせることによって構成されている。ロー
プの打ち方としては、目的に応じて、3つ打ち、8打ち、12打ちであっても、所期の目
的を達成できる。図例は12打ちを示す。具体的には、ナイロン長繊維を用いたヤーンか
らストランドを得て、これを12本撚り合わせて得たロープを採用した。この内層ロープ
2はゆるく=柔らかく打たれている。
尚、この内層ロープ2は2本のストランドを1組にして撚り合わせて12打ちとするこ
ともできる。
り合わせて得られたストランドを複数本撚り合わせることによって構成されている。ロー
プの打ち方としては、目的に応じて、3つ打ち、8打ち、12打ちであっても、所期の目
的を達成できる。図例は12打ちを示す。具体的には、ナイロン長繊維を用いたヤーンか
らストランドを得て、これを12本撚り合わせて得たロープを採用した。この内層ロープ
2はゆるく=柔らかく打たれている。
尚、この内層ロープ2は2本のストランドを1組にして撚り合わせて12打ちとするこ
ともできる。
前記内層ロープ2の外周に前記外層ロープ3が設けられている。
この外層ロープ3は前記内層ロープ2と同様のナイロン長繊維を撚り合わせて得られた
ストランドで構成される。得られたストランドを前記内層ロープ2の周囲に複数本配して
構成されている。ロープの打ち方はとしては目的に応じて、32打ち、48打ち、64打
ちが適宜に採用されるが、何れの場合にも所期の目的を達成できる。図例は48打ちを示
す。具体的には、ナイロン長繊維を用いたヤーンからストランドを得て、これを2本引き
揃えて24本撚りわせて得た。この外層ロープ2はきつく=やや硬めに打たれている。
この外層ロープ3は前記内層ロープ2と同様のナイロン長繊維を撚り合わせて得られた
ストランドで構成される。得られたストランドを前記内層ロープ2の周囲に複数本配して
構成されている。ロープの打ち方はとしては目的に応じて、32打ち、48打ち、64打
ちが適宜に採用されるが、何れの場合にも所期の目的を達成できる。図例は48打ちを示
す。具体的には、ナイロン長繊維を用いたヤーンからストランドを得て、これを2本引き
揃えて24本撚りわせて得た。この外層ロープ2はきつく=やや硬めに打たれている。
以上の内層ロープ2と外層ロープ3とは、その糸量の比率を、内層ロープ2を60〜5
5の範囲内に、また外層ロープ3を40〜45の範囲内に設定して構成されている。
5の範囲内に、また外層ロープ3を40〜45の範囲内に設定して構成されている。
以上のように構成された本考案による繊維ロープ1は、ロープ全体として柔らかく、断
面が円形に近く、強度も出し易く、使い勝手が良くなる。
併せて、張力作用時に内層ロープが切断されるおそれを可及的に少なく出来る。
面が円形に近く、強度も出し易く、使い勝手が良くなる。
併せて、張力作用時に内層ロープが切断されるおそれを可及的に少なく出来る。
一般に繊維ロープのストランドにおける個々の内層ロープ2のヤーン及び外層ロープ 3
のヤーンは、それぞれスパイラル状に伸びているが、内層ロープ2のヤーンのスパイラル
の方が外層ロープ3のヤーンのスパイラルよりも径が小さいため、ストランド内における
内層ロープ2を構成するヤーンの長さは、外層ロープ3を構成するヤーンよりも全体とし
て短くなっている。併せて、この種繊維ロープは内層ロープ2を緩く、即ち柔らかく、外
層ロープ3をきつく、即ちややかためで打つ結果、外層ロープ3のヤーンの長さは内層ロ
ープ2のそれに対して5%ほど長くなる。而して、長さの異なる内層ロープ2と外層ロー
プ3には同等の引っ張り力が作用するので、外層ロープ3に比べて寸法の短い内層ロープ
2により大きな荷重が負荷され、内層ロープ2のヤーンが先に切断されるものと考えられ
る。
のヤーンは、それぞれスパイラル状に伸びているが、内層ロープ2のヤーンのスパイラル
の方が外層ロープ3のヤーンのスパイラルよりも径が小さいため、ストランド内における
内層ロープ2を構成するヤーンの長さは、外層ロープ3を構成するヤーンよりも全体とし
て短くなっている。併せて、この種繊維ロープは内層ロープ2を緩く、即ち柔らかく、外
層ロープ3をきつく、即ちややかためで打つ結果、外層ロープ3のヤーンの長さは内層ロ
ープ2のそれに対して5%ほど長くなる。而して、長さの異なる内層ロープ2と外層ロー
プ3には同等の引っ張り力が作用するので、外層ロープ3に比べて寸法の短い内層ロープ
2により大きな荷重が負荷され、内層ロープ2のヤーンが先に切断されるものと考えられ
る。
これに対して本考案においては、前述の通り、内層ロープ2と外層ロープ3とは、その
糸量の比率を、内層ロープ2を60〜55の範囲内に、また外層ロープ3を40〜45の
範囲内に設定して構成されているので、繊維ロープ1に引っ張り力が作用しても、ボリュ
ームのある内層ロープ2はより強力にこの引張荷重に対抗し、従来の繊維ロープとは違っ
て、容易には切断されない。
糸量の比率を、内層ロープ2を60〜55の範囲内に、また外層ロープ3を40〜45の
範囲内に設定して構成されているので、繊維ロープ1に引っ張り力が作用しても、ボリュ
ームのある内層ロープ2はより強力にこの引張荷重に対抗し、従来の繊維ロープとは違っ
て、容易には切断されない。
使用する糸は内層ロープ2も外層ロープ3も共にナイロンとし、また糸の総数は従来品
と同じく、総糸数225790000dTexとして、内層ロープ2対外層ロープ3の糸
量比を、夫々
試料ロープ1.70:30、
試料ロープ2.60:40、
試料ロープ3.65:30、
試料ロープ4. 57:43
に設定して、内層ロープは12打ちとし、外層ロープはストランド2本引き揃えて24本
撚りわせ、夫々呼び径65mmの4本の試料ロープを作成し、得られた各繊維ロープの夫
々を現行品と同様の引張強度:1050kNで引張試験に掛けた。
尚、比較対象の現行品は、使用する糸は内層ロープも外層ロープも共にナイロンで、糸
の総数は225790000dTexとし、内層ロープ2対外層ロープ3の糸量比を50
:対50として、呼び径65mmで構成されている。
と同じく、総糸数225790000dTexとして、内層ロープ2対外層ロープ3の糸
量比を、夫々
試料ロープ1.70:30、
試料ロープ2.60:40、
試料ロープ3.65:30、
試料ロープ4. 57:43
に設定して、内層ロープは12打ちとし、外層ロープはストランド2本引き揃えて24本
撚りわせ、夫々呼び径65mmの4本の試料ロープを作成し、得られた各繊維ロープの夫
々を現行品と同様の引張強度:1050kNで引張試験に掛けた。
尚、比較対象の現行品は、使用する糸は内層ロープも外層ロープも共にナイロンで、糸
の総数は225790000dTexとし、内層ロープ2対外層ロープ3の糸量比を50
:対50として、呼び径65mmで構成されている。
結果は、以下の通りである。
試料ロープ1は強度測定不可で、ロープとして硬過ぎ、実用に供し得ない。
試料ロープ2は現行品と同等の強度が得られた。
試料ロープ3は試料ロープ1と同様の結果で、強度測定不可で、ロープとして硬過ぎ、実
用に供し得ない。
試料ロープ4は現行品の約105%の強度が得られた。
試料ロープ1は強度測定不可で、ロープとして硬過ぎ、実用に供し得ない。
試料ロープ2は現行品と同等の強度が得られた。
試料ロープ3は試料ロープ1と同様の結果で、強度測定不可で、ロープとして硬過ぎ、実
用に供し得ない。
試料ロープ4は現行品の約105%の強度が得られた。
この試験結果から、内層ロープ2と外層ロープ3の糸量比が60:40から55:45
の範囲内であれば強度的に問題がなく、実用に供し得る強度が得られた。
しかし、使用面から見て、理想的には57:43の糸量比を持った前記試料ロープ4が
所期の目的を上手く達成できる点で、最も好ましい。
の範囲内であれば強度的に問題がなく、実用に供し得る強度が得られた。
しかし、使用面から見て、理想的には57:43の糸量比を持った前記試料ロープ4が
所期の目的を上手く達成できる点で、最も好ましい。
尚、内層ロープ2対外層ロープ3の糸量比を60未満:40以上については、実質的に
60:40の範囲内にあり、上記の試験結果から、試料ロープ2、同4と同等の結果が得
られるものと推測され、実務的には前記試料ロープ2、同4と同様に、十分に実用に供し
得られるものと判断した。
60:40の範囲内にあり、上記の試験結果から、試料ロープ2、同4と同等の結果が得
られるものと推測され、実務的には前記試料ロープ2、同4と同様に、十分に実用に供し
得られるものと判断した。
また、本実施例ではロープ素材としてナイロンのマルチフィラメントを採用したが、必
要に応じて他の合成繊維、例えばポリエステルやポリプロピレンのマルチフィラメント或
いはナイロン/ポリエステル、更にはナイロン/ポリプロピレンの複合ヤーン等を採用す
ることも出来る。
要に応じて他の合成繊維、例えばポリエステルやポリプロピレンのマルチフィラメント或
いはナイロン/ポリエステル、更にはナイロン/ポリプロピレンの複合ヤーン等を採用す
ることも出来る。
本考案に係る繊維ロープは、海洋資源の探査等に用いられる浮遊海上構造物を海底に係
留するため係留ロープの他、船舶用ロープに、また、必要に応じて養殖, 定置, 底曳等の
水産漁業用ロープ、又は陸上用一般ロープなどとしても好適に適用される。
留するため係留ロープの他、船舶用ロープに、また、必要に応じて養殖, 定置, 底曳等の
水産漁業用ロープ、又は陸上用一般ロープなどとしても好適に適用される。
1…繊維ロープ
2…内層ロープ
3…外層ロープ
2…内層ロープ
3…外層ロープ
Claims (3)
- 内層ロープとその外側を被覆する外層ロープの二重構造とし、内層ロープを緩く、また
外層ロープをきつく打ってなる繊維ロープで、内層ロープと外層ロープが共に同じ素材で
、且つ内層ロープと外層ロープの糸量比が60:40の範囲内に設定さたことを特徴とす
る繊維ロープ。 - 内層ロープと外層ロープの糸量比が57:43に設定されている請求項1記載の繊維ロ
ープ。 - 内層ロープ並びに外層ロープがナイロンで構成されている請求項1又は2のいずれかに
記載の繊維ロープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018000487U JP3216535U (ja) | 2018-02-09 | 2018-02-09 | 繊維ロープ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018000487U JP3216535U (ja) | 2018-02-09 | 2018-02-09 | 繊維ロープ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3216535U true JP3216535U (ja) | 2018-06-07 |
Family
ID=62487431
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018000487U Active JP3216535U (ja) | 2018-02-09 | 2018-02-09 | 繊維ロープ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3216535U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115867702A (zh) * | 2020-12-25 | 2023-03-28 | 可乐丽股份有限公司 | 双重绳索结构体 |
-
2018
- 2018-02-09 JP JP2018000487U patent/JP3216535U/ja active Active
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115867702A (zh) * | 2020-12-25 | 2023-03-28 | 可乐丽股份有限公司 | 双重绳索结构体 |
CN115867702B (zh) * | 2020-12-25 | 2024-04-02 | 可乐丽股份有限公司 | 双重绳索结构体 |
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