JP3216454B2 - スクロール型流体装置 - Google Patents

スクロール型流体装置

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JP3216454B2
JP3216454B2 JP31301094A JP31301094A JP3216454B2 JP 3216454 B2 JP3216454 B2 JP 3216454B2 JP 31301094 A JP31301094 A JP 31301094A JP 31301094 A JP31301094 A JP 31301094A JP 3216454 B2 JP3216454 B2 JP 3216454B2
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和宏 古庄
広道 上野
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • F04C18/0207Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form
    • F04C18/0246Details concerning the involute wraps or their base, e.g. geometry
    • F04C18/0269Details concerning the involute wraps

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スクロール型流体装置
に係り、特に、互いに噛合う渦巻状のラップの内周側端
部同士が摺接することにより、ラップ間に形成された作
用室の吐出側空間への開放を遅延させて圧縮比を向上さ
せるものに対し、作用室の開放遅延動作を確実に得るた
めの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鏡板の前面に渦巻状のラップ
が形成された一対のスクロールが、その前面同士が対向
するように配置され、ラップ同士が互いに噛合して、こ
のラップ間に作用室を形成したスクロール型流体装置が
知られている。また、このスクロール型流体装置の1タ
イプとして、各スクロールの中心部に貫通孔が夫々形成
され、この貫通孔にクランク軸が挿通された所謂軸貫通
タイプのものも知られている。このタイプのスクロール
型流体装置では、クランク軸の一部に形成された偏心カ
ム部が一方のスクロールの貫通孔内に位置されており、
該クランク軸の回転による偏心カム部の偏心回転運動に
伴って各スクロールが相対的な旋回運動を行い、これに
より作用室が中央側に移動しながら収縮して流体を圧縮
する。
【0003】ところが、このタイプのスクロール型流体
装置では、上記クランク軸の存在のために、スクロール
中心部まで作用室を形成することができず、圧縮比を十
分に得るためには装置を大型化せねばならないといった
欠点があった。
【0004】この点に鑑みられたものとして、特開平3
−275901号公報や特開平4−140492号公報
に開示されているスクロール型流体装置がある。これら
公報に示されている装置は、図9の如く、互いに噛合す
るラップ(a),(b) の一方(a)の内周側端部に、他方(b)
の先端の旋回移動軌跡に沿った円弧状の摺接面(c) を形
成し、この他方のラップ(b) の先端が摺接面(c) に摺接
している間は、作用室(d) を吐出側空間(e) に開放させ
ないようにして、作用室(d) の開放を遅延させて該作用
室(d) の収縮時間を延長させ、最終圧縮容積をできるだ
け小さくして、装置の大型化を招くことなしに高い圧縮
比が得られるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
スクロール型流体装置において効率の良い圧縮動作を行
わせるためには装置を構成する各部材に高い加工精度が
要求される。つまり、ラップ(b) 先端の摺接面(c) に対
する摺接状態が良好に得られなければ、この両者(b),
(c) 間に隙間が発生し、吐出側空間(e) から作用室(d)
に流体が漏れて(図9の矢印参照)、効率の低下を来し
てしまう。このため、このラップ(b) 先端及び摺接面
(c) の形状には高い加工精度が要求される。また、それ
ばかりでなく、スクロールの旋回運動に伴うラップ(b)
先端の移動軌跡が摺接面(c) の形状に完全に一致した円
弧状である必要があることから、このスクロールを旋回
運動させるための駆動機構にも高い加工精度が要求され
る。例えば、スクロールの自転防止機構を構成するオル
ダムリングや該オルダムリングの爪が嵌まり込む溝等の
形状に対しても高い加工精度が要求される。従って、こ
の種のスクロール型流体装置を実用的なものとするため
には、高い加工精度が要求されることから、装置全体と
しての加工作業が煩雑になり、製造コストの増大を招い
てしまう。
【0006】つまり、この種の装置は、作用室(d) と吐
出側空間(e) とを区画する際には、ラップ(b) 先端と摺
接面(c) との間に隙間が発生しないことが要求される一
方、作用室(d) を吐出側空間(e) に開放する際には、ラ
ップ(b) 先端が摺接面(c) から確実に離れて、十分な連
通空間を形成することが要求されるものであるが、これ
まで、加工精度を向上させる以外の手段で、この両要求
を確実に満たす構成については提案されていない。
【0007】本発明は、この点に鑑みてなされたもので
あって、各ラップの内周側端部同士の摺接により作用室
の開放を遅延させるようにしたスクロール型流体装置に
対し、構成部品に高い加工精度を要求することなしに、
作用室と吐出側空間とを区画する際には、隙間の発生を
確実に防止して効率の良い圧縮動作を得ることを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、一方のラップの内周側先端部が、他方
のラップの内周側端部に形成された摺接面に摺接される
ことで作用室の開放を遅延させるスクロール型流体装置
に対し、摺接面に摺接するラップの内周側先端部に離脱
不能にシール部材を設けて、シール性を確保するように
した。
【0009】具体的に請求項1記載の発明は、互いに対
向されると共に相対的な旋回運動が可能に配置された少
なくとも一対のスクロール(10,11),(12)を備え、各スク
ロール(10,11),(12)の鏡板(10a,11a),(12a) には渦巻状
のラップ(10b,11b),(12b,12c) が夫々立設され、各ラッ
プ(10b,11b),(12b,12c) 同士が噛合して作用室(13),(1
4) が形成されており、一方のスクロール(10,11) のラ
ップ(10b,11b) の内周側端部には、他方のスクロール(1
2)のラップ(12b,12c) の内周側先端部が摺接自在な摺接
面(18)が形成されており、上記旋回運動に伴って、流体
を、各ラップ(10b,11b),(12b,12c) の外周側から作用室
(13),(14) に導入した後、各ラップ(10b,11b),(12b,12
c) の中心側に向って移動させながら作用室(13),(14)
の内部容積を収縮すると共に、他方のスクロール(12)の
ラップ(12b,12c) の内周側先端部が摺接面(18)に対して
摺接した状態において、作用室(13),(14) から吐出空間
(19)への流体の吐出を阻止して該流体を圧縮し、その
後、他方のスクロール(12)のラップ(12b,12c) の内周側
先端部の摺接面(18)に対する摺接状態が解除されて作用
室(13),(14) を吐出空間(19)へ開放して流体を吐出する
ようにしたスクロール型流体装置を前提としている。そ
して、他方のスクロール(12)のラップ(12b,12c) の内周
側先端部に、摺接面(18)に向う方向への付勢力が与えら
れた状態で該摺接面(18)に摺接可能なシール部材(20)を
離脱不能に設けた構成としている。
【0010】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
のスクロール型流体装置において、一方のスクロールを
固定スクロール(10,11) とし、他方のスクロールを旋回
スクロール(12)とする。また、各スクロール(10,11),(1
2)の中心部に中心孔(10c,11c),(12d) を形成し、この中
心孔(10c,11c),(12d) に、旋回スクロール(12)の中心孔
(12d) 内に位置する偏心部(8b)を備えたクランク軸(8)
を挿通させ、固定スクロール(10,11) のラップ(10b,11
b) の内周側端部に、クランク軸(8) を回転自在に支持
する軸受部(10e) を設ける。また、摺接面(18)を、旋回
スクロール(12)の旋回運動に伴う該旋回スクロール(12)
のラップ(12b,12c) の内周側先端部の移動軌跡に合致す
る形状をもって該軸受部(10e) を部分的に凹陥させて形
成した構成としている。
【0011】請求項3記載の発明は、上記請求項1また
は2記載のスクロール型流体装置において、他方のスク
ロール(12)のラップ(12b,12c) の内周側先端部に、シー
ル部材(20)を装着するための装着溝(21)を形成し、シー
ル部材(20)を、摺接面(18)に向って進退自在となるよう
に装着溝(21)内部に装着させた構成としている。
【0012】請求項4記載の発明は、上記請求項3記載
のスクロール型流体装置において、装着溝(21)を、ラッ
プ(12b,12c) の先端に開放する第1溝(21a) と、該第1
溝(21a) に連続してラップ(12b,12c) の基端側に位置す
る第2溝(21c) とを備えさせて成し、第1溝(21a) の幅
寸法を第2溝(21c) の幅寸法よりも小さく設定する。一
方、シール部材(20)に、上記第1溝(21a) に挿通されて
ラップ(12b,12c) の先端から突出されるシール部(20a)
と、該シール部(20a) に一体形成され、第1溝(21a) の
幅寸法よりも大きく設定され且つ第2溝(21c) 内に位置
された係止部(20b) とを備えさせ、該係止部(20b) を第
1溝(21a) によりラップ(12b,12c) から抜脱不能の保持
させた構成としている。
【0013】請求項5記載の発明は、上記請求項4記載
のスクロール型流体装置において、摺接面(18)を円弧状
に凹陥して形成し、シール部(20a) の先端部分に、幅寸
法が拡大されて成る摺接部(24)を備えさせ、該摺接部(2
4)における摺接面(18)に当接する外側面を円弧状に形成
した構成としている。
【0014】請求項6記載の発明は、上記請求項3、4
または5記載のスクロール型流体装置において、シール
部材(20)と装着溝(21)との間に、該シール部材(20)に対
して摺接面(18)に向う方向への付勢力を与える弾性部材
(23)を介設した構成としている。
【0015】請求項7記載の発明は、上記請求項1また
は2記載のスクロール型流体装置において、他方のスク
ロール(12)のラップ(12b,12c) の内周側先端部に、シー
ル部材(20)を装着するための装着部(25)を突設させ、シ
ール部材(20)を、摺接面(18)に向って進退自在となるよ
うに装着部(25)に外嵌させた構成としている。
【0016】請求項8記載の発明は、上記請求項7記載
のスクロール型流体装置において、シール部材(20)と装
着部(25)との間に、該シール部材(20)に対して摺接面(1
8)に向う方向への付勢力を与える弾性部材(23)を介設さ
せた構成としている。
【0017】
【作用】上記の構成により、本発明では以下に述べるよ
うな作用が得られる。請求項1記載の発明では、流体の
圧縮動作としては、一対のスクロール(10,11),(12)の相
対的な旋回運動に伴って、各ラップ(10b,11b),(12b,12
c) の外周側から作用室(13),(14) に流体を導入した
後、該流体を各ラップ(10b,11b),(12b,12c) の中心側に
向って移動させながら作用室(13),(14) の内部容積を収
縮する。この際、他方のスクロール(12)のラップ(12b,1
2c) の内周側先端部は摺接面(18)に対して摺接してお
り、作用室(13),(14) から吐出空間(19)への流体の吐出
は阻止されて該流体が圧縮される。その後、他方のスク
ロール(12)のラップ(12b,12c) の内周側先端部の摺接面
(18)に対する摺接状態が解除されると、作用室(13),(1
4) が吐出空間(19)へ開放されて流体が吐出される。そ
して、上述したラップ(12b,12c) の内周側先端部が摺接
面(18)に摺接している状態では、シール部材(20)が摺接
面(18)に向う方向に付勢された状態で該摺接面(18)に摺
接している。このため、この摺接部分での流体の漏れは
生じず、効率の良い圧縮動作が行われる。また、このシ
ール部材(20)はラップ(12b,12c) の内周側先端部に対し
て離脱不能であるので、ラップ(12b,12c) の内周側先端
部の摺接面(18)に対する摺接状態が解除された状態であ
ってもラップ(12b,12c) から外れることはない。
【0018】請求項2記載の発明では、各スクロール(1
0,11),(12)の中心部にクランク軸(8) が貫通された所謂
軸貫通タイプのスクロール型流体装置に対して本発明を
適用したものであり、特に、従来、このタイプの装置で
は、クランク軸(8) の存在のために、スクロール(10,1
1),(12)中心部まで作用室(13),(14) を形成することが
できず、圧縮比を十分に得るためには装置を大型化せね
ばならないといった欠点があったが、本発明によれば、
高い圧縮比を得ながら、摺接部分での流体の漏れを防止
することにより、効率の良い圧縮動作が得られる。
【0019】請求項3、4記載の発明では、シール部材
(20)をラップ(12b,12c) の内周側先端部に対して離脱不
能に設けるための構成を具体的に得ることができ、本発
明の実用性が向上できる。
【0020】請求項5及び7記載の発明では、摺接面(1
8)の全領域に亘ってシール部材(20)を摺接させることが
可能となり、圧縮効率が更に向上できる。
【0021】請求項6及び8記載の発明では、弾性部材
(23)の付勢力によってシール部材(20)の摺接面(18)に対
する押圧力が確保されている。このため、シール部材(2
0)の摺接面(18)に対する押圧力が装置の運転状態に拘り
なく常に安定して得られる。
【0022】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。本例に係るスクロール型流体装置は冷凍機用の圧縮
機として用いられ、冷媒ガスを圧縮して吐出するもので
ある。
【0023】図1に示すように、このスクロール型流体
装置(1) は、密閉ケーシング(2) を有し、その内部にお
ける上部には、冷媒ガスを吸入圧縮して吐出するための
圧縮機構としてのスクロール機構(3) が、また下部に
は、スクロール機構(3) を駆動するための駆動機構(4)
が夫々収容されている。また、ケーシング(2) の側壁で
スクロール機構(3) に対応した位置には、冷媒ガスを吸
入するための吸入部としての吸入管(5) が側方に向けて
突設されており、ケーシング(2) の上端部の中央位置及
び側壁におけるスクロール機構(3) の下側位置には、圧
縮された冷媒ガスを外部に吐出するための吐出管(6a),
(6b) が夫々突設されている。
【0024】駆動機構(4) は、電動モータ(7) にクラン
ク軸(8) が連結されて成る。電動モータ(7) は、ケーシ
ング(2) の内壁面に固定されたステータ(7a)と、該ステ
ータ(7a)に挿入されたロータ(7b)とから構成されてい
る。ロータ(7b)には、クランク軸(8) の下部が挿入され
ており、該クランク軸(8) の下端部には給油ポンプ(8a)
が設けられ、該給油ポンプ(8a)は、ケーシング(2) の下
部の油溜め(2a)に貯留された潤滑油に浸漬されている。
また、クランク軸(8) の上部は、スクロール機構(3) を
貫通してケーシング(2) の上端部近傍まで延びている。
また、クランク軸(8) には給油ポンプ(8a)によって汲み
上げられた潤滑油をスクロール機構(3) に供給するため
の図示しない給油路が貫通形成されている。
【0025】スクロール機構(3) は、上下一対の固定ス
クロール(10),(11) を備えている。各固定スクロール(1
0),(11) は、ケーシング(2) に一体的に形成されてい
る。上側の固定スクロール(10)は、円板状の鏡板(10a)
の下面に、渦巻状(インボリュート状)に形成したラッ
プ(10b) が立設されて成っている。また、この上側の固
定スクロール(10)の鏡板(10a) の中央部にはクランク軸
(8) を挿通するための中心孔(10c) が形成されている。
【0026】下側の固定スクロール(11)は、上述した上
側の固定スクロール(10)と略対称形状で成っている。つ
まり、円板状の鏡板(11a) の上面に、渦巻状(インボリ
ュート状)に形成したラップ(11b) が立設されて成って
いる。また、この下側の固定スクロール(11)の鏡板(11
a) の中央部は、クランク軸(8) を挿通するための中心
孔(11c) が形成されている。
【0027】このようにして形成された各固定スクロー
ル(10),(11) が、各ラップ(10b),(11b) が互いに向き合
って配置されている。
【0028】そして、この上下各固定スクロール(10),
(11) の間には旋回スクロール(12)が配設されている。
この旋回スクロール(12)は、円板状の鏡板(12a) の上下
両面に、渦巻状(インボリュート状)に形成したラップ
(12b),(12c) が夫々立設されて成っており、相対する固
定スクロール(10),(11) のラップ(10b),(11b) と夫々互
いに噛合して配置されている。そして、旋回スクロール
(12)の鏡板(12a) の上面側では、図2に示すように、旋
回スクロール(12)の上面側ラップ(12b) の内周側及び外
周側の壁面が、上側固定スクロール(10)のラップ(10b)
の外周面及び内周面の壁面に渦巻方向の複数箇所で夫々
接触しており、これら接触部間に冷媒ガスを圧縮するた
めの作用室(13)が形成されている。一方、旋回スクロー
ル(12)の鏡板(12a) の下面側では、旋回スクロール(12)
の下面側ラップ(12c) と下側固定スクロール(11)のラッ
プ(11b) との間で同様にして冷媒ガスを圧縮するための
作用室(14)が形成されている。また、この旋回スクロー
ル(12)の中心部にはクランク軸(8) の偏心部(8b)を挿通
するための中心孔(12d) が形成されている。
【0029】そして、クランク軸(8) の偏心部(8b)は、
その軸心(P) がクランク軸(8) の軸心(Q) に対して僅か
に偏心されている。このため、駆動機構(4) の駆動によ
りクランク軸(8) が回転すると旋回スクロール(12)がク
ランク軸(8) の軸心(Q) 回りに公転駆動して作用室(1
3),(14) を収縮するようになっている。
【0030】また、この作用室(13),(14) と密閉ケーシ
ング(2) の内部空間(A),(B) とを連通させる吐出孔(10
d),(11d) が前記各固定スクロール(10),(11) に夫々形
成されている。詳しくは、上側固定スクロール(10)に形
成されている吐出孔(10d) は、一端が上側の作用室(13)
の中心部に、また、他端が上側固定スクロール(10)上側
のケーシング内部空間(A) に夫々開口しており、上側の
作用室(13)において圧縮された冷媒ガスを上側のケーシ
ング内部空間(A) に吐出するようになっている。また、
下側固定スクロール(11)に形成されている吐出孔(11d)
は、一端が下側の作用室(14)の中心部に、また、他端が
下側固定スクロール(11)下側のケーシング内部空間(B)
に夫々開口しており、下側の作用室(14)において圧縮さ
れた冷媒ガスを下側のケーシング内部空間(B) に吐出す
るようになっている。
【0031】また、クランク軸(8) と各スクロール(1
0),(11),(12)との間には前記給油路から潤滑油が供給さ
れるようになっている。
【0032】また、図1の如くクランク軸(8) における
下側固定スクロール(11)の下側位置には、駆動機構(4)
の回転時にクランク軸(8) の偏心部(8b)によって生じる
遠心力を相殺してバランスをとるためのバランスウエイ
ト(16)が設けられ、該クランク軸(8) の下端部には、ス
クロール機構(3) 部分を中心としてクランク軸(8) に生
じるモーメントを相殺するためのカウンタウエイト(17)
が設けられている。
【0033】また、各スクロール(10),(11),(12)の外周
縁近傍位置の複数箇所には、旋回スクロール(12)の自転
を阻止して所定の公転運動を行わせるための自転防止部
材(15)が架設されている。この自転防止部材(15)は、同
軸上に形成されて各固定スクロール(10),(11) に回転自
在に挿通された自転部(15a),(15a) と、各自転部(15a),
(15a) 間に形成され、該自転部(15a),(15a) の軸心から
偏心されて旋回スクロール(12)の鏡板(12a) を貫通する
旋回部(15b) とが一体形成されて成っている。このた
め、旋回部(15b) が旋回スクロール(12)と共に旋回運動
することによって該旋回スクロール(12)の自転を阻止し
ている。
【0034】次に、各ラップ(10b),(12b) の巻き始め端
部分(スクロールの中央部分)の形状について図2に基
いて説明する。ここでは、上側固定スクロール(10)のラ
ップ(10b) と旋回スクロール(12)の上面側のラップ(12
b) とについて説明するが、下側固定スクロール(11)の
ラップ(11b) と旋回スクロール(12)の下面側のラップ(1
2c) も同様の形状となっている。
【0035】先ず、上側固定スクロール(10)の中央部分
には、クランク軸(8) の外周囲に沿った円筒状のボス部
(10e) が形成されており、クランク軸(8) は、このボス
部(10e) に支持されながら回転するようになっている。
そして、上側固定スクロール(10)のラップ(10b) の内周
端部分は、このボス部(10e) に対し一体的に連続されて
いると共に、この連結部分は、略半円弧状に凹陥されて
成る摺接面(18)が形成されている。更に、ボス部(10e)
には、一端が上記摺接面(18)に開口し、他端が上側の吐
出孔(10d) に開口する吐出通路(19)が形成されており、
この吐出通路(19)によって作用室(13)と上側のケーシン
グ内部空間(A) とが連通可能とされている。尚、吐出通
路(19)の摺接面(18)に対する開口位置は、摺接面(18)に
おけるスクロール中心側に位置する端部に設定されてい
る。つまり、吐出通路(19)は摺接面(18)の円弧端末部分
に開口されている。
【0036】そして、旋回スクロール(12)のラップ(12
b) は、その内周側端部が上記摺接面(18)に略接触する
位置まで延長されており、旋回スクロール(12)の公転運
動に伴って、ラップ(12b) の先端部が摺接面(18)に略接
触した状態では、作用室(13)が吐出通路(19)と連通する
ことが阻止され、スクロールの旋回に伴ってラップ(12
b) の先端部が吐出通路(19)にまで達すると作用室(13)
と吐出通路(19)とが連通されて作用室(13)内の冷媒ガス
が吐出通路(19)、吐出孔(10d) を経て上側のケーシング
内部空間(A) に吐出されるようになっている。つまり、
ラップ(12b) の先端部が旋回運動することにより、作用
室(13)が吐出通路(19)に対して区画された状態と、開放
された状態とが繰り返される構成となっている。
【0037】そして、本例の特徴とする構成は、旋回ス
クロール(12)のラップ(12b) の先端部に設けられたシー
ル部材(20)にある。以下、このシール部材(20)の配設構
造について説明する。図3に示すように、旋回スクロー
ル(12)のラップ(12b) の先端部には、該ラップ(12b) の
上面から下面に亘って高さ方向に貫通し、且つラップ(1
2b) の先端面に開放するシール部材装着溝(21)が形成さ
れている。このシール部材装着溝(21)は、ラップ(12b)
先端側に位置する第1溝(21a) と、該第1溝(21a) に対
して傾斜面(21b) を介して連続してラップ(12b) 基端側
に位置する第2溝(21c) とから成っている。そして、第
1溝(21a) の幅寸法t1は第2溝(21c) の幅寸法t2よりも
僅かに小さく設定されている。
【0038】一方、シール部材(20)は、例えばPTFE( ポ
リテトラフルオロエチレン)等の樹脂材料または金属材
料で成り、その高さ寸法が、ラップ(12b) の高さ寸法と
同一若しくは僅かに大きく設定されており、シール部(2
0a) と係止部(20b) とから成っている。シール部(20a)
は、幅寸法が上記第1溝(21a) の幅寸法t1に略一致され
ていると共に、先端部分は半円弧状の摺接円弧面(20c)
に形成されている。また、このシール部(20a) の長さ寸
法は第1溝(21a) の長さ寸法よりも僅かに長く設定され
ている。係止部(20b) は、シール部(20a) に対して傾斜
面(20d) を介して一体的に形成されており、その幅寸法
は第2溝(21c) の幅寸法に略一致されている。また、こ
の係止部(20b) の長さ寸法は第2溝(21c) の長さ寸法よ
りも僅かに短く設定されている。
【0039】そして、このシール部材(20)は、シール部
(20a) が第1溝(21a) に位置し、係止部(20b) が第2溝
(21c) に嵌り込むようにラップ(12b) の先端部に装着さ
れている。この状態では、シール部材(20)の係止部(20
b) が第2溝(21c) 内を移動可能なストローク範囲をも
って該シール部材(20)がラップ(12b) に対して進退移動
自在となっている。また、このシール部材(20)が最後端
位置に引き込まれた状態であってもシール部(20a) 先端
部の摺接円弧面(20c) はラップ(12b) の先端から突出し
た位置に設定されるように各部の寸法が設定されてい
る。
【0040】次に、上述の如く構成されたスクロール型
流体装置(1) の圧縮動作について説明する。電動モータ
(7) が駆動されると、クランク軸(8) が軸心(Q) を中心
として回動する。この際、偏心部(8b)は、クランク軸
(8) の軸心(Q) に対して公転運動する。これに伴い、偏
心部(8b)が挿通されている旋回スクロール(12)は固定ス
クロール(10),(11) に対して公転運動する。また、自転
防止部材(15)により旋回スクロール(12)は自転すること
がない。これにより、旋回スクロール(12)の鏡板(12a)
の上下両面側では相対するラップ(10b),(12b) 、(11b),
(12c) の夫々の接触箇所が、中心部に向って移動する。
この移動に伴い、各作用室(13),(14) は中心部に向って
渦巻状に移動しながら収縮される。これら一連の動作に
よって低圧の冷媒ガスは吸入管(5) から作用室(13),(1
4) に流入され、圧縮されて高圧となって、作用室(13),
(14) の中心部に達する。
【0041】そして、この作用室(13),(14) の中心部で
は、図2に矢印で示すように、ラップ(12b) の先端部分
が円弧軌道を描くように旋回しており、この旋回動作に
よって、ラップ(12b) の先端部分は、図4に示すように
シール部材(20)を介して固定スクロール(10)の摺接面(1
8)に沿って摺動する動作と、図5に示すようにこの摺接
面(18)から離れる動作とを繰り返す。また、図4の如く
シール部材(20)が固定スクロール(10)の摺接面(18)に沿
って摺動している状態では、該シール部材(20)よりもス
クロール内周側に位置する空間(C) が、スクロール外周
側に位置する作用室(13)を構成する空間(D) よりも高圧
になっているので、シール部材(20)は、この圧力差によ
って外周側に押し付けられることになる。つまり、シー
ル部材(20)の各側面のうち外側の側面がシール部材装着
溝(21)の第1溝(21a) 内面に押圧されて、この両者間に
は殆ど隙間が形成されず、一方、シール部材(20)の内側
の側面と第1溝(21a) 内面との間には僅かな隙間が形成
される。このため、スクロール内周側に位置する空間
(C) から高圧が第2溝(21c) 内に導入され、この圧力は
シール部材(20)の背面に作用している(図3の矢印参
照)。そして、シール部材(20)が摺接面(18)に沿って摺
動している間は作用室(13)が吐出通路(19)に開放される
ことがなく、この作用室(13)の開放動作が遅延されるこ
とになって作用室(13)の容積が小さくできる。また、図
5の如くシール部材(20)が摺接面(18)から離れると、作
用室(13)が吐出通路(19)に開放され、該作用室(13)内で
圧縮された冷媒ガスが吐出通路(19)を経て吐出孔(10d)
に吐出され(図5に一点鎖線で示す矢印参照)、その
後、ケーシング内部空間(A) に導入され吐出管(6a)から
吐出される。このように、作用室(13)の開放動作を遅延
させることにより、装置の大型化を招くことなしに高い
圧縮比を得ることができる。
【0042】そして、特に、本例にあっては、上述した
ように、シール部材(20)の背面に作用している圧力によ
り、該シール部材(20)は、シール部(20a) の先端の摺接
円弧面(20c) が摺接面(18)に押圧されており、このシー
ル部材(20)と摺接面(18)との間には隙間が発生せず、冷
媒ガスの漏れが防止されている。このため、このラップ
(12b) の先端部や摺接面(18)、或いは旋回スクロール(1
2)を旋回運動させるための駆動機構等に加工誤差が生じ
ている場合であっても、冷媒ガスの漏れが確実に防止さ
れ、高い圧縮効率を得ることができる。つまり、従来の
構成では、スクロールの旋回運動に伴うラップ先端部の
移動軌跡が摺接面の形状に完全に一致し、且つこのスク
ロールを旋回運動させるための駆動機構に高い加工精度
が得られていなければ、冷媒ガスの漏れを防止すること
ができなかったが、本例の構成によれば、このような高
い加工精度が得られていなくても冷媒ガスの漏れを確実
に防止できる。このため装置全体としての加工作業が容
易になり、製造コストの低減を図ることができる。
【0043】(変形例)次に、本発明に係る3タイプの
変形例について説明する。図6は第1タイプの変形例に
おけるラップ(12b) の先端部を示している。この図のよ
うに、本例では、シール部材装着溝(21)とシール部材(2
0)との間にコイルスプリング(23)を縮装し、該コイルス
プリング(23)の付勢力によってシール部材(20)の摺接面
(18)に対する押圧力を確保している。この構成によれ
ば、例えば装置の運転起動時などのように、第2溝(21
c) 内に高圧が導入されていない状況においてもシール
部材(20)を摺接面(18)に対して押圧でき、この両者間か
らの冷媒ガスの漏れを防止することができる。
【0044】図7は第2タイプの変形例におけるラップ
(12b) の先端部を示している。この図のように、本例で
は、シール部材(20)の先端部分に、ラップ(12b) の幅寸
法に略一致する直径をもった半円形状に形成された摺接
部(24)が備えられている。この構成によれば、摺接面(1
8)の全領域に亘ってシール部材(20)を摺接させることが
可能となり、より高い圧縮効率を得ることができる。
【0045】図8は第3タイプの変形例におけるラップ
(12b) の先端部を示している。この図のように、本例で
は、ラップ(12b) の先端部分に、装着部材(25)を一体的
に突設している。この装着部材(25)は、その幅寸法がラ
ップ(12b) の幅寸法よりも僅かに小さく設定されている
と共に、その先端部には、僅かに幅寸法が大きくされた
係止部(25a) を備えている。
【0046】一方、シール部材(20)の背面には、この装
着部材(25)に対して外嵌されるための溝(26)が形成され
ている。この溝(26)は、上記係止部(25a) の幅寸法に略
一致した幅寸法を有する第1溝部(26a) と、係止部(25
a) の幅寸法よりも小さい幅寸法を有する第2溝部(26b)
とが連続して形成されており、第1溝部(26a) が係止
部(25a) に外嵌されることによって、シール部材(20)が
ラップ(12b) に対して抜脱不能に保持されている。
【0047】このような構成によれば、ラップ(12b) の
先端部分をシール部材(20)のみで構成することができる
ので、上述した第2タイプの変形例と同様に、摺接面(1
8)の全領域に亘ってシール部材(20)を摺接面(18)に摺接
させることが可能となり、より高い圧縮効率が得られ
る。
【0048】また、この第3タイプの変形例にあって
も、図8に仮想線で示すように、コイルスプリング(23)
を縮装して、その付勢力によってシール部材(20)の摺接
面(18)に対する押圧力を確保するようにしてもよい。
【0049】尚、本例では、冷凍機用の圧縮機について
説明したが、本発明のスクロール型流体装置(1) は真空
ポンプや膨張機などに用いてもよい。
【0050】また、本例の各スクロールは、各ラップの
外周端が略一致した位置に設定された非対称形状のもの
であったが、この各外周端位置が周方向に180°ずれ
た位置にある対称形状のスクロールにも適用可能であ
る。
【0051】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば以下に述べるような効果が発揮される。請求項1記載
の発明によれば、各ラップの内周側端部同士の摺接によ
り作用室の開放を遅延させるようにしたスクロール型流
体装置に対し、ラップの内周側先端部が摺接面に摺接す
るスクロールのラップに、摺接面に向う方向への付勢力
が与えられたシール部材を離脱不能に設けたために、ラ
ップ先端部や摺接面、或いはスクロールを旋回運動させ
るための駆動機構等に加工誤差が生じている場合であっ
ても、ラップ先端部と摺接面との間からの流体の漏れが
確実に防止され、高い圧縮効率を確保することができ
る。つまり、従来の構成では、スクロールの旋回運動に
伴うラップ先端部の移動軌跡が摺接面の形状に完全に一
致し、且つこのスクロールを旋回運動させるための駆動
機構に高い加工精度が得られていなければ、流体の漏れ
を防止することができなかったが、本発明の構成によれ
ば、このような高い加工精度が得られていなくても流体
の漏れを確実に防止できる。このため装置全体としての
加工作業が容易になり、製造コストの低減を図ることが
できる。また、シール部材はラップに対して離脱不能で
あるので、ラップの内周側先端部の摺接面に対する摺接
状態が解除された状態であってもラップから外れること
はなく、圧縮動作の信頼性が十分に確保されている。
【0052】請求項2記載の発明によれば、所謂軸貫通
タイプのスクロール型流体装置に対して本発明を適用す
ることにより、高い圧縮比を得ながら、摺接部分での流
体の漏れを防止でき、圧縮動作の高効率化を図ることが
できる。
【0053】請求項3、4記載の発明によれば、シール
部材をラップの内周側先端部に対して離脱不能に設ける
ための構成を具体的に得ることができ、本発明の実用性
の向上が図れる。
【0054】請求項5及び7記載の発明によれば、摺接
面の全領域に亘ってシール部材を摺接させることが可能
となるので、更なる圧縮動作の高効率化を図ることがで
きる。
【0055】請求項6及び8記載の発明によれば、シー
ル部材に対して摺接面に向う方向への付勢力を与える弾
性部材を設けたために、シール部材の摺接面に対する押
圧力を装置の運転状態に拘りなく常に安定して得ること
ができ、シール性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る軸貫通タイプの両歯スクロール型
流体装置の断面図である。
【図2】図1におけるII-II 線に対応した位置における
断面図である。
【図3】旋回スクロールのラップ先端部分の斜視図であ
る。
【図4】シール部材が摺接面に摺接している状態を示す
図である。
【図5】シール部材が摺接面から離れた状態を示す図で
ある。
【図6】第1タイプの変形例におけるラップ先端部分を
示す図である。
【図7】第2タイプの変形例におけるラップ先端部分を
示す図である。
【図8】第3タイプの変形例におけるラップ先端部分を
示す図である。
【図9】従来例における冷媒ガスの漏れを説明するため
の図である。
【符号の説明】
(1) スクロール型流体装置 (10),(11) 固定スクロール (12) 旋回スクロール (10a),(11a),(12a) 鏡板 (10b),(11b),(12b),(12C) ラップ (10c),(11c),(12d) 中心孔 (10e) ボス部(軸受け部) (13),(14) 作用室 (18) 摺接面 (19) 吐出通路(吐出空間) (20) シール部材 (20a) シール部 (20b) 係止部 (21) シール部材装着溝 (21a) 第1溝 (21c) 第2溝 (23) コイルスプリング(弾性部材) (24) 摺接部 (25) 装着部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−275901(JP,A) 特開 平7−127583(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/02 311 F04C 18/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向されると共に相対的な旋回運
    動が可能に配置された少なくとも一対のスクロール(10,
    11),(12)を備え、 各スクロール(10,11),(12)の鏡板(10a,11a),(12a) には
    渦巻状のラップ(10b,11b),(12b,12c) が夫々立設され、
    各ラップ(10b,11b),(12b,12c) 同士が噛合して作用室(1
    3),(14) が形成されており、 一方のスクロール(10,11) のラップ(10b,11b) の内周側
    端部には、他方のスクロール(12)のラップ(12b,12c) の
    内周側先端部が摺接自在な摺接面(18)が形成されてお
    り、 上記旋回運動に伴って、流体を、各ラップ(10b,11b),(1
    2b,12c) の外周側から作用室(13),(14) に導入した後、
    各ラップ(10b,11b),(12b,12c) の中心側に向って移動さ
    せながら作用室(13),(14) の内部容積を収縮すると共
    に、他方のスクロール(12)のラップ(12b,12c) の内周側
    先端部が摺接面(18)に対して摺接した状態において、作
    用室(13),(14) から吐出空間(19)への流体の吐出を阻止
    して該流体を圧縮し、その後、他方のスクロール(12)の
    ラップ(12b,12c) の内周側先端部の摺接面(18)に対する
    摺接状態が解除されて作用室(13),(14) を吐出空間(19)
    へ開放して流体を吐出するようにしたスクロール型流体
    装置において、 他方のスクロール(12)のラップ(12b,12c) の内周側先端
    部には、摺接面(18)に向う方向への付勢力が与えられた
    状態で該摺接面(18)に摺接可能なシール部材(20)が離脱
    不能に設けられていることを特徴とするスクロール型流
    体装置。
  2. 【請求項2】 一方のスクロールは固定スクロール(10,
    11) 、他方のスクロールは旋回スクロール(12)であっ
    て、各スクロール(10,11),(12)の中心部には中心孔(10
    c,11c),(12d) が形成され、この中心孔(10c,11c),(12d)
    には、旋回スクロール(12)の中心孔(12d) 内に位置す
    る偏心部(8b)を備えたクランク軸(8) が挿通されてお
    り、 固定スクロール(10,11) のラップ(10b,11b) の内周側端
    部には、クランク軸(8) を回転自在に支持する軸受部(1
    0e) が設けられており、 摺接面(18)は、旋回スクロール(12)の旋回運動に伴う該
    旋回スクロール(12)のラップ(12b,12c) の内周側先端部
    の移動軌跡に合致する形状をもって該軸受部(10e) が部
    分的に凹陥されて形成されていることを特徴とする請求
    項1記載のスクロール型流体装置。
  3. 【請求項3】 他方のスクロール(12)のラップ(12b,12
    c) の内周側先端部には、シール部材(20)を装着するた
    めの装着溝(21)が形成されており、シール部材(20)は、
    摺接面(18)に向って進退自在となるように装着溝(21)内
    部に装着されていることを特徴とする請求項1または2
    記載のスクロール型流体装置。
  4. 【請求項4】 装着溝(21)は、ラップ(12b,12c) の先端
    に開放する第1溝(21a) と、該第1溝(21a) に連続して
    ラップ(12b,12c) の基端側に位置する第2溝(21c) とを
    備えており、第1溝(21a) の幅寸法は第2溝(21c) の幅
    寸法よりも小さく設定されている一方、 シール部材(20)は、上記第1溝(21a) に挿通されてラッ
    プ(12b,12c) の先端から突出されるシール部(20a) と、
    該シール部(20a) に一体形成され、第1溝(21a) の幅寸
    法よりも大きく設定され且つ第2溝(21c) 内に位置され
    た係止部(20b)とを備えており、該係止部(20b) が第1
    溝(21a) によりラップ(12b,12c) から抜脱不能の保持さ
    れていることを特徴とする請求項3記載のスクロール型
    流体装置。
  5. 【請求項5】 摺接面(18)は円弧状に凹陥して形成され
    ており、 シール部(20a) の先端部分は、その幅寸法が拡大されて
    成る摺接部(24)を備えており、該摺接部(24)における摺
    接面(18)に当接する外側面は円弧状に形成されているこ
    とを特徴とする請求項4記載のスクロール型流体装置。
  6. 【請求項6】 シール部材(20)と装着溝(21)との間に
    は、該シール部材(20)に対して摺接面(18)に向う方向へ
    の付勢力を与える弾性部材(23)が介設されていることを
    特徴とする請求項3、4または5記載のスクロール型流
    体装置。
  7. 【請求項7】 他方のスクロール(12)のラップ(12b,12
    c) の内周側先端部には、シール部材(20)を装着するた
    めの装着部(25)が突設されており、シール部材(20)は、
    摺接面(18)に向って進退自在となるように装着部(25)に
    外嵌されていることを特徴とする請求項1または2記載
    のスクロール型流体装置。
  8. 【請求項8】 シール部材(20)と装着部(25)との間に
    は、該シール部材(20)に対して摺接面(18)に向う方向へ
    の付勢力を与える弾性部材(23)が介設されていることを
    特徴とする請求項7記載のスクロール型流体装置。
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