JP3216312B2 - 金属の連続鋳造装置 - Google Patents

金属の連続鋳造装置

Info

Publication number
JP3216312B2
JP3216312B2 JP07037293A JP7037293A JP3216312B2 JP 3216312 B2 JP3216312 B2 JP 3216312B2 JP 07037293 A JP07037293 A JP 07037293A JP 7037293 A JP7037293 A JP 7037293A JP 3216312 B2 JP3216312 B2 JP 3216312B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
casting
molten metal
lubricant
slab
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07037293A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06277803A (ja
Inventor
勝 吉田
努 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP07037293A priority Critical patent/JP3216312B2/ja
Publication of JPH06277803A publication Critical patent/JPH06277803A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3216312B2 publication Critical patent/JP3216312B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属の連続鋳造に際
し、操業の簡素化、鋳造の高速化、および鋳片の表面性
状の改善を実現するための連続鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造においてパウダーと呼ばれる粉
末あるいは顆粒状の潤滑剤を鋳型内のメニスカスを含む
溶融金属上に投入して操業を行っている。パウダーの一
部は溶融して鋳型と鋳片との間に流入し、焼き付きの防
止、両者間の潤滑作用、および熱緩和等の役割を果して
いる。しかし、鋳造条件に見合った流入量を得るには各
々の鋳造条件に適した物性の潤滑剤を用いることが必要
となり、鋳込み初期と定常期で潤滑剤を変える等の使い
分けを行ったり、高速鋳造時には特殊な潤滑剤を用いる
等の工夫が行われている。
【0003】そこで、この流入量の制御方法に関して電
磁力を利用したいくつかの装置が提案されている。これ
らは鋳片表面と鋳型内面との間に潤滑剤を供給するた
め、メニスカス部を湾曲させる電磁力を鋳型に付与する
ものである。この湾曲の原理を図4にしめす。通電コイ
ルに交流電流Iが流れると鋳型の周囲には交流磁界Hが
発生する。又この交流磁界Hにより鋳型内の溶融金属に
は誘導電流i が生じる。この磁界Hと誘導電流i との相
互作用により溶融金属には鋳型の中心方向に向かうピン
チ力Fが働く。このピンチ力Fにより溶融金属は鋳型の
中心方向に絞られメニスカス部は凸状に湾曲するのであ
る。
【0004】特開昭52−32824 号公報では通電コイルが
鋳型の内部に鋳型内壁を包囲するように耐火物で絶縁さ
れて埋め込まれており、この通電コイルに交流電流を供
給することによりメニスカス部を湾曲させ潤滑剤の流入
を促進するものである。しかしこの装置では低周波の交
流電流が鋳型内を通過するため、潤滑剤が溶湯に巻き込
まれるという問題が発生すると共に薄スラブの長片側で
は減衰するために電磁効果が期待できないという問題も
生じる。
【0005】特開平2−147150号公報には、図5に示す
ように、通電コイル3によって溶融金属5のメニスカス
部に効率よく電磁力を作用させるために、特に鋳型上端
部まで達する複数のスリット1を設けた上部テーパー付
き鋳型2を用いる装置が示されている。通電コイル3に
交流電流Iが流れると鋳型の内面側周囲には交流磁界H
が発生し、鋳型内の溶融金属には誘導電流i が生じる。
この磁界Hと誘導電流i との相互作用により、溶融金属
には鋳型の中心方向に向かうピンチ力Fが働く。このピ
ンチ力Fにより溶融金属は鋳型の中心方向に絞られ、浸
漬ノズル4から流入した溶融金属5の表面8が凸状に湾
曲したメニスカス部から溶融潤滑剤9が鋳片表面の凝固
シェル7と鋳型内面との間隙に流れ込みやすくなるので
ある。この溶融潤滑剤9は、投入された潤滑剤が、浸漬
ノズル4から流入される溶融金属5の熱により溶融した
ものである。この装置は潤滑剤の流入促進には有利であ
るが、テーパー部で生成した凝固シェルが引き抜きの際
にストレート部で拘束される場合があり、ブレークアウ
ト発生などの問題を招くことになる。
【0006】上記のようなメニスカス近傍に電磁力を印
加するこれらの連続鋳造装置においては、メニスカスの
形状制御による潤滑剤の流入制御機構だけでなく、同時
に高周波誘導加熱作用による初期凝固付近の緩冷却作用
をも有することになる。この緩冷却鋳造の実現によっ
て、凝固収縮にともなう鋳片の表面割れ防止等、表面性
状改善効果が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これら電磁
力を利用した鋳造法を大断面の鋳造に適用するには、当
然大きな電力が必要となる。しかしながら交流電流は周
波数が高くなるにつれてエネルギー効率が悪くなるた
め、大断面鋳片鋳造に必要な高出力を得るには、現在の
技術では周波数を低くして数KHz オーダーにせざるを得
ない。ところが周波数が低い場合には、表皮深さが大き
くなり電磁作用の効果が大きくなる反面、湯面の振動や
図3に矢印Vで示すような鋳型内の溶融金属の流動 (以
下、溶鋼流動という) を誘起しやすくなる。この湯面の
変動によって鋳片表面に未溶融潤滑剤が巻き込まれ (ノ
ロかみ) 、表面欠陥の発生を引き起こすことになる。
【0008】本発明は大断面鋳片鋳造の際に、鋳型内の
溶融金属に電磁力を印加して、容易に鋳造条件に応じた
潤滑剤入量を得て高速鋳造を実現すると共に誘導加熱に
より緩冷却を促進し、かつ湯面振動および溶鋼流動を抑
え、良好な表面性状を有する鋳片の製造を可能にする事
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決する手段について種々検討を重ねた結果、鋳型内の
溶融金属湯面近傍に鋳片全幅にわたって鋳造方向と直交
する静磁場を付与すると、上記湯面振動および溶鋼流動
を抑えることができ、上記ノロかみによる表面欠陥を引
き起こすことはないという知見が得られ、この知見に基
づいて本発明はなされたのである。
【0010】したがって、本発明は、鋳型壁に鋳造方向
に平行な複数のスリットを有する鋳型、鋳型の周囲にこ
れを周回する高周波電流を導く通電コイル、および鋳型
内の溶融金属湯面近傍に鋳片全幅にわたって鋳造方向と
直交する静磁場を付与するための磁石を備えた金属の連
続鋳造装置に特徴を有するものである。
【0011】
【作用】以下、本発明の金属の連続鋳造装置を図1およ
び図2に基づいてに説明する。図1は本発明の装置を示
す一部破断斜視図である。これは長方形のスラブ鋳型の
例である。図示の様に鋳造方向に複数本のスリット1を
有する内部水冷構造の鋳型2の周囲に溶融金属のメニス
カス近傍に対応した部位に高周波通電コイル3が数ター
ン巻かれており、鋳型2内には浸漬ノズル4より溶融金
属5が供給される。さらにこの通電コイル3の外側よ
り、鋳造方向に垂直な静磁場を印加するための磁石 (も
しくは電磁石)14 が設置されている。ここでスリット1
に湯差しの恐れがある場合にはスリット部に耐火物を充
填する事で解決できる。溶融金属5上には粉末または顆
粒状の潤滑剤 (パウダー) 6が投入され、この一部が溶
融金属5の熱によって溶融し、溶融パウダー浴9を形成
する。溶融した潤滑剤の一部は鋳型2と凝固シェル7と
の間に流れ込む。従来の操業では鋳型にオシレーション
と呼ばれる微少振動を与えることにより潤滑剤の流入を
促進している。
【0012】本発明の提供する装置では、通電コイル3
に高周波電流を供給することによって磁場を発生させ先
述の様にメニスカスを湾曲させる。その際、溶湯表面と
鋳型との隙間が大きく、かつ深くなるので潤滑剤の流入
を促進することができるのである。また同時に高周波誘
導加熱効果によって、緩冷却鋳造による割れ等の表面性
状改善効果がえられるとともに、凝固開始点の変化によ
り、オシレーションマークの低減効果も有している。
【0013】本装置のような大断面の鋳造装置において
は、上記のような効果を得るために1000KW程度の電力が
必要と考えられるが、現在の技術ではこの水準の電力を
得るには数KHz の比較的低い周波数帯の電源を用いざる
を得ない。ところが周波数が低い場合には上述のように
溶融金属に流動が誘起され易く、湯面の変動、潤滑剤の
巻き込み等を招くことになる。一方、一般には電導性を
有する流体が静磁場中を運動するときに流速が減退する
現象が知られている。
【0014】そこで、磁石14を備え、図2または図4に
示されるように、鋳片全幅にわたって鋳造方向に垂直な
静磁場Bを印加することで、溶融金属に発生する流動を
抑制し、性状悪化を防止することができるのである。つ
まり、鋳造に際して交流電流による電磁力を印加するこ
とで、高速鋳造と、考えられる緩冷却促進による表面性
状の改善が可能になると同時に、静磁場Bの印加によっ
て、電磁作用により引き起こされる溶融金属の流動Vを
抑制し、湯面の変動、潤滑剤の巻き込み等を防止するこ
とができるのである。
【0015】なお前述のこれら効果は鋼種を問わず得ら
れる事は言うまでもない。また図1および図2には鋳型
断面が長方形のものを示したが、これは円形、正方形等
であっても問題はない。
【0016】
【実施例】
(実施例1)図1に示した本発明の装置を用いてスラブ鋳
片の製造を行った。装置諸元、条件は下記の通りであ
る。 鋳 型 : 幅2300mm、厚さ240 mm、長さ 800 mm スリット : 幅0.21mm、長さ150 mm、48本 通電コイル: 角型20×20mm、肉厚 2mm、巻き数 4 電流実効値 12000AT( アンペア・ターン) 、周波数 3.2
KHz 鋼 種 : S45C 鋳造速度 : 2.5m/min 静磁場強度: 0.6 T。
【0017】鋳造には溶鋼を浸漬ノズルで鋳型内に供給
しつつ、上部には連続鋳造用パウダーを投入し、2.5 m/
min の速度で150 秒間引き抜きを行った。このとき鋳型
には4.5Hz 程度の鋳型振動 (オシレーション) を与え、
静磁場は鋳造方向の幅がおよそ10cmにわたって均一な
ものを与えた。鋳造後の鋳片には割れ潤滑剤の巻き込み
等の表面欠陥はほとんど認められず、極めて良好な鋳片
が得られた。このときの鋳片を調査したところ凝固係数
は約14 mm/min0.5、表面から10mmにおける平均冷却速度
は65℃/ min であった。
【0018】(比較例1)静磁場は印加せずその他条件は
実施例1と同様の条件で鋳造を行った。その結果、表面
割れはほとんど認められなかったが、平均8.2 ヶ/100cm
2 の潤滑剤の巻き込み (ノロかみ) が認められた。鋳造
後に回収した鋳片表面に付着していた潤滑剤の厚さは平
均で1.25mm程度で凝固係数はおよそ15 mm/min0.5、鋳片
表面から10 mmにおける平均冷却速度は88℃/ min であ
った。
【0019】(比較例2)比較のため電磁力を印加せず
に、その他条件は実施例1と同じとして鋳造を行った。
その結果、鋳造後の鋳片には3カ所でシェル破断の形跡
が認められた。このときの凝固係数は約23 mm/min0.5
鋳片表面からの10mmの位置における平均冷却速度は82℃
/ min であり、表面には合計1.9 mの縦割れが発生して
いた。またノロかみ5.5 ヶ/100cm2 程度であった。上
記、実施例1、比較例1および比較例2で得られた結果
を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1に示される結果から、実施例1におけ
るノロかみ個数は比較例1および2におけるノロかみ個
数に比べて格段に少ないことがわかる。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の装置によ
り、数KHz の比較的低い周波数の電磁力を利用した大断
面鋳片鋳造においても、鋳造条件に応じて容易に冷却速
度をコントロールし、潤滑剤流入量を制御して高速鋳造
時にも焼き付きを防ぐとともに、潤滑剤の巻き込みを防
止して、良好な表面性状を有する鋳片の製造が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋳造装置の一例を示す一部破断斜視図
である。
【図2】図1に示す装置の断面図である。
【図3】従来の鋳造装置の問題点を説明するための断面
説明図である。
【図4】鋳造装置において電磁作用によりメニスカス部
を湾曲させる原理を示す模式図である。
【図5】電磁作用を利用した従来の鋳造装置を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
1 : スリット 2 : 鋳型 3 : 通電コイル 4 : 浸漬ノズル 5 : 溶融金属 6 : 潤滑剤 (パ
ウダー) 7 : 凝固シェル 8 : 溶融金属界面 9 : 溶融潤滑
剤浴 10: 焼結パウダー層 11 :スラグリム 14:磁石 I:交流電流 H:交流磁界 i :誘導電
流 F:ピンチ力 B:静磁場 V:溶鋼流
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−50187(JP,A) 特開 平5−318064(JP,A) 特開 平6−190520(JP,A) 特開 平5−15949(JP,A) 特開 平4−178247(JP,A) 特開 平4−274845(JP,A) 特開 昭52−32824(JP,A) 特開 平2−147150(JP,A) 特開 平3−90255(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/055 B22D 11/04 311 B22D 11/11

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型壁に鋳造方向に平行な複数のスリッ
    トを有する鋳型、鋳型の周囲にこれを周回する高周波電
    流を導く通電コイル、および鋳型内の溶融金属湯面近傍
    に鋳片全幅にわたって鋳造方向と直交する静磁場を付与
    するための磁石を備えることを特徴とする金属の連続鋳
    造装置。
JP07037293A 1993-03-29 1993-03-29 金属の連続鋳造装置 Expired - Fee Related JP3216312B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07037293A JP3216312B2 (ja) 1993-03-29 1993-03-29 金属の連続鋳造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07037293A JP3216312B2 (ja) 1993-03-29 1993-03-29 金属の連続鋳造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06277803A JPH06277803A (ja) 1994-10-04
JP3216312B2 true JP3216312B2 (ja) 2001-10-09

Family

ID=13429552

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07037293A Expired - Fee Related JP3216312B2 (ja) 1993-03-29 1993-03-29 金属の連続鋳造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3216312B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3420966B2 (ja) * 1999-03-03 2003-06-30 新日本製鐵株式会社 溶融金属の連続鋳造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06277803A (ja) 1994-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007000936A (ja) 電磁場を用いる金属垂直連続鋳造方法とその実施のための鋳造設備
JP4591156B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP3216312B2 (ja) 金属の連続鋳造装置
JP2555768B2 (ja) 金属の連続鋳造装置および鋳造方法
JPH0515949A (ja) 金属の連続鋳造装置および鋳造方法
JP3595529B2 (ja) 溶融金属の連続鋳造装置
JP4210050B2 (ja) 溶融金属の連続鋳造方法
JP3966054B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP3056656B2 (ja) 溶融金属の連続鋳造方法
JP2757736B2 (ja) 金属の連続鋳造装置
JPH11188464A (ja) 溶融金属の連続鋳造方法およびその装置
JP4256800B2 (ja) 溶融金属の連続鋳造方法及び装置
JP4910357B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JPH06182497A (ja) 金属の連続鋳造方法
JP3525717B2 (ja) 電磁力を応用した溶融金属の連続鋳造方法
JP3033318B2 (ja) 連続鋳造装置における潤滑剤の供給方法
JPH0890165A (ja) 連続鋳造用鋳型
JP2885824B2 (ja) 金属の連続鋳造方法
JP3055413B2 (ja) 溶融金属の連続鋳造方法及びその装置
JP2005305536A (ja) 溶融金属の連続鋳造方法
JP2558187B2 (ja) 連続鋳造用加熱鋳型
JP2003275849A (ja) 連続鋳造鋳片の製造方法
JPH1099949A (ja) 鋼の電磁界鋳造方法
JPH08155605A (ja) 溶融金属の連続鋳造方法
JPH04157053A (ja) 鋼の連続鋳造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010703

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees