JP3216106B2 - 高分子固体電解質 - Google Patents

高分子固体電解質

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高分子固体電解質に
関する。さらに詳しくは、この発明は、アルミニウム系
の導電性キャリアを含有することにより高いイオン導電
性を発揮し、かつ成膜性、機械強度、柔軟性にも優れた
高分子固体電解質に関する。
【0002】
【従来の技術】固体電解質を用いて全固体系の電池を構
成することにより、電池内の内容物の漏液がなくなり電
池の信頼性が向上すること、また電池の薄型化、積層化
が可能となることなどから、固体電解質は電池その他の
電気化学デバイス材料として注目されている。
【0003】ところで、固体電解質として要求される特
性としては、一般に、(a)イオン導電性が高く、電子
導電性がないこと、(b)薄く成形できるように成膜性
が優れていること、(c)可撓性が優れていること、等
があげられる。
【0004】また、固体電解質の種類としては、無機材
料からなるものと有機材料からなるものがある。このう
ち、無機材料からなる固体電解質は、比較的イオン導電
性は高いが、結晶体であるために機械的強度が乏しく、
可撓性のある膜に加工することが困難であり、そのため
にデバイスに応用する場合に著しく不利となっている。
【0005】これに対して、有機材料からなる高分子固
体電解質は、可撓性のある薄膜に成形することが可能で
あり、また成形した薄膜には高分子特有の柔軟性により
優れた機械的性質を付与することが可能となる。そのた
め、高分子固体電解質からなる薄膜には、電極−高分子
固体電解質間のイオン電子交換反応過程で生じる体積変
化にも柔軟に適応させることも可能となる。このような
理由から、高分子固体電解質は高エネルギー密度電池、
特に薄型電池の固体電解質材料として有望視されてい
る。
【0006】高分子固体電解質としては、ポリエチレン
オキサイド((−CHCHO−):以下PEOと
略する)とLi塩やNa塩等のアルカリ金属塩との複合
体が、高いアルカリ金属イオン導電性を示すことが知ら
れており、この複合体をはじめとして種々の高分子固体
電解質のイオン導電性機構や分子構造等の理論的研究あ
るいは電池等の電気化学デバイスへの応用研究が活発に
進められている。そして、高分子固体電解質におけるイ
オン導電は、高分子マトリックス中のアルカリ金属塩
が、高分子マトリックス中の無定形部分を選択的にイオ
ン化し、マトリックス内を電界に沿って拡散移動するこ
とにより達成されると考えられるようになっている。例
えば、PEOとアルカリ金属塩からなる複合体において
は、アルカリ金属イオンと主鎖中の誘電率の高いエーテ
ル結合部の酸素とが錯形成し、無定形部の熱による分子
鎖のセグメント運動によりイオン導電性が示されると考
えられるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高分子
固体電解質は、一般に無機材料からなる固体電解質に比
べて室温付近でのイオン導電率が小さいという問題点を
有している。さらに、イオン導電率を向上させようとす
ると成膜性や可撓性が低下するという問題点も有してい
る。
【0008】例えば、PEOとアルカリ金属塩との複合
体膜の場合、その複合体が分子量10000程度の高分
子量の場合には、成膜性に優れ、イオン導電率も100
0℃以上の高温では10−3〜10−4Scm−1程度
の比較的高い値を示す。しかし、この複合体は結晶性で
あるため、そのイオン導電率は60℃以下では急激に低
下し、室温では10−7Scm−1程度以下という非常
に小さい値となる。このため、室温を使用温度領域とす
る通常の電池の材料としては組み入れることが不可能と
なっている。ここでイオン導電率を向上させるために、
TDI等の架橋剤を導入して結晶性を抑制する試みが行
われているが、十分な成果は得られていない。複合体膜
を分子量10000程度よりも小さい複合体から形成す
ることによっても室温付近でのイオン導電率を向上させ
ることができるが、この場合には成膜性が著しく低下
し、フィルム化が困難となる。また、イオン導電率を向
上させるために、アルカリ金属塩の濃度を上げると高分
子のガラス転移点Tgも上がり、そのためにイオン導電
性が低下してしまう。このように、キャリア密度の増加
と導電率の増加とを同時に達成することはできない。
【0009】また、高分子固体電解質としては、上述の
PEOとアルカリ金属塩からなる複合体の類似化合物と
して、PEO構造を側鎖に有するものも知られている。
この高分子固体電解質のイオン導電率は、10−5〜1
−4Scm−1であり、PEOとアルカリ金属塩から
なる複合体に比べてやや改善されているが、実用上はま
だ不十分である。また、成膜性や可撓性も十分とはいえ
ない。
【0010】一方、現在、高容量電池としてリチウムイ
オン電池やニッケル水素電池が注目されいるが、さらに
小型軽量かつ高容量の二次電池材料の開発が切望されて
おり、新たな電池の1つとして、アルミニウム系電池の
可能性が研究されている。アルミニウム系電池によれ
ば、理論的には、従来のリチウムイオン電池と比べて体
積あたり4倍の容量の高密度容量の電池を実現できるこ
ととなる。
【0011】しかしながら、これまでに試みられたアル
ミニウム系電池は、非水系電解液を用いたものやイオン
性液体(常温溶融塩)を用いたもの等の液体系の電池の
みであり、固体電解質を使用したアルミニウム系電池と
して実用上使用できるものは未だ得られていない。
【0012】例えば、ある種のピリジン系あるいはイミ
ダゾリウム系の四級アンモニウム塩と塩化アルミニウム
が室温で溶融塩を形成し、この状態で極めて高いイオン
導電性を示すことがわかり、電池材料として注目されて
いる。即ち、この溶融塩を高分子固体系に展開させるこ
とによって、高分子固体状態でありながら、溶融塩とし
てのイオン性液体状態の性質をも有するようにした、半
固体性の高いイオン導電性を有する高分子固体電解質を
実現することが期待されている。
【0013】しかしながら、このピリジン系あるいはイ
ミダゾリウム系の四級アンモニウム塩を使用した高分子
固体電解質は、π電子による電子電導の可能性があるの
で問題となる。さらに、この高分子固体電解質を電気化
学デバイスに応用するにあたっては、機械的強度や柔軟
性も改善する必要がある。
【0014】この発明は、このような従来技術の課題を
解決しようとするものであり、電子導電性のおそれがな
く、室温付近でも高いイオン導電性を発揮し、かつ成膜
性、機械強度、柔軟性にも優れた高分子固体電解質を得
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明者らは、上述の
目的を達成するために、高分子固体電解質を構成する有
機高分子として、高密度のキャリアイオンを含有するこ
とができ、そのキャリアイオンと適度な相互作用をする
基を含み、低温状態でも無定形状態を保持することによ
る十分なセグメント運動を確保することができ、かつ電
子導電の生じるおそれのない高分子について研究した結
果、π電子による電子導電が生じることのないアルキル
系の四級アンモニウム塩を末端に有する高分子が有効で
あることを見出し、この発明を完成させるに至った。
【0016】即ち、この発明は、アルキル四級アンモニ
ウム基を側鎖の末端部に有する有機高分子と金属塩から
なることを特徴とする高分子固体電解質を提供する。
【0017】このような高分子固体電解質を構成する高
分子としては、次式(1)
【0018】
【化3】 (式中、mは1〜3の整数、nは1〜4の整数、X
対アニオンを表す)又は次式(2)
【0019】
【化4】 (式中、mは1〜3の整数、nは1〜4の整数、X
対アニオンを表す)で表されるアルキル四級アンモニウ
ム基をその高分子側鎖の末端部にペンダント型に有して
いるものが好ましい。この場合、高分子の主鎖の構造に
は、特に制限はない。また、アルキル四級アンモニウム
基の対アニオンXとしては、Cl、Br又はI
が好ましい。
【0020】このような高分子としては、より具体的に
は、上記の式(1)において、m=2、n=1、x=C
lで示されるアルキル四級アンモニウム基と、上記の式
(2)において、m=3、n=1、x=Clで示される
アルキル四級アンモニウム基とを合わせて有するものと
して、次式(3)のジメチルアミノエチルメタクリレー
ト塩化メチル四級塩(以下、DMAEMA−Clと略す
る)
【0021】
【化5】 と、次式(4)のジメチルアミノプロピルメタクリルア
ミド塩化メチル四級塩(以下、DMAPMAA−Clと
略する)
【0022】
【化6】 と、その他のモノマーとを共重合させた高分子を例示す
ることができる。
【0023】この場合、共重合させるモノマーとして
は、例えばアクリル系モノマー(CH=CHCOO
H、CH=CHCOOR(式中、Rはアルキル基)、
CH=CHCOO(CHCHO)CH(式
中、n=1〜23)等)、メタクリル系モノマー(CH
=CCHCOOH、CH=CCHCOOR(式
中、Rはアルキル基)、CH=CCHCOO(CH
CHO)CH(式中、n=1〜23)等)、そ
の他CH=[COO(CHCHO)CH
(式中、n=1〜23)、CH=CH(C)、
CH=CHCN、CH=CHCONH、ビニルピ
ロリドン等をあげることができる。
【0024】これらのモノマーを共重合させて有機高分
子を得るにあたっては、モノマーの構成比を変えること
により有機高分子の物理的化学的性質を制御することが
可能である。例えば、アクリル酸メチル又はメタクリル
酸メチルの含有率を増加させることにより、DMAEM
A−ClやDMAPMAA−Clのそれぞれのホモポリ
マーに比べて吸湿性を低下させることができる。また、
ポリエチレンオキシド構造を有するメタクリル系モノマ
ーの含有率を増加させると有機高分子の結晶性が減少
し、柔軟性に富んだ可撓性の良いフィルムを得ることが
可能となる。
【0025】また、これらのモノマーを共重合させて有
機高分子を得るにあたり、式(3)または式(4)等の
アルキル四級アンモニウム基を有するモノマーとその他
のモノマーとの構成比としては、アルキル四級アンモニ
ウム基を有するモノマーが有機高分子を構成するモノマ
ー全体の90mol%以上となるようにすることが好ま
しい。アルキル四級アンモニウム基を有するモノマーの
構成比がこの範囲よりも小さくなるとイオン導電性や成
膜性が低下する。
【0026】共重合させる方法は、常法によることがで
き、ラジカル重合法、光重合法等を適用することができ
る。いずれの方法によっても、有機高分子のモノマー構
成比は、反応開始時における仕込みモノマーの構成比に
準じた値となる。
【0027】また、有機高分子としては、上述のように
して共重合により得られた高分子に対し、さらにその高
分子に相溶性のある他の高分子をポリマーブレンドした
ものを使用することもできる。
【0028】この発明の高分子固体電解質を構成する金
属塩としては、従来のリチウム塩よりも高密度容量の電
池を実現することができるアルミニウム塩、例えばAl
Cl、AlBr、AlI等のアルミニウムハロゲ
ン化物を好ましく使用することができる。なおこの場
合、アルミニウム塩のハロゲンアニオンの種類と上述の
アルキル四級アンモニウム基の対アニオンの種類とは必
ずしも同じにする必要はない。
【0029】高分子固体電解質を構成する金属塩と有機
高分子の側鎖のアルキル四級アンモニウム基との比率
は、アルキル四級アンモニウム基1つあたりの金属塩の
分子比が0.01〜2.0の範囲とすることが好まし
い。
【0030】この発明の高分子固体電解質は、以上のよ
うな有機高分子と金属塩とを混合して均一に溶解させる
ことにより得られる。また、高分子固体電解質を成膜す
る方法は常法によることができ、例えばキャスティング
法等を使用することができる。
【0031】
【作用】この発明の高分子固体電解質においては、金属
塩が有機高分子の側鎖のアルキル四級アンモニウム塩の
対アニオンと錯形成し、擬正四面体構造を有する金属錯
体が形成されており、これによりイオン導電が可能にな
ると考えられる。特に、金属塩としてアルミニウムハロ
ゲン化物等のアルミニウム塩を使用した場合には、従来
のリチウム塩よりも著しく高いイオン導電が可能とな
り、高密度容量の電池を実現することが可能となる。こ
の場合、有機高分子にはπ電子が存在しないので、π電
子による電子電導のおそれはない。
【0032】また、この発明の高分子固体電解質におい
ては、キャリアイオンとなるアルカリ金属塩を高濃度に
含有させても、成膜性の低下や、ガラス転移点Tgが上
昇することによる導電率の急激な低下が生じない。した
がって、キャリアイオンを高濃度に含有させることによ
る高いイオン導電性と良好な成膜性及び可撓性とを同時
に実現することが可能となる。
【0033】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。
【0034】実施例1〜6 (有機高分子の合成) ガラスの重合反応器に、DMAEMA−Cl、DMA
PMAA−Cl、メタクリル酸メチル(MA)、メタク
リル系モノマー(CH2=CCH3COO(CH2CH
2O)9CH3:M−90G、新中村化学工業(株)製)
を表1に示したモノマー構成比(mol%)にしたがっ
て加え、重合溶媒としてメタノール200mlを加え、
さらにラジカル重合開始剤であるAIBNを仕込みモノ
マーの総モル数に対して0.2〜1.0mol%加え、
撹拌して均一溶液にした。この重合反応溶液を真空ライ
ンに設置し、従来法によりこの溶液中の溶存空気を除い
た。その後、容器を封管し、振盪式恒温槽を用いて65
℃で24時間重合反応させ、粘性の高い反応溶液を得
た。得られた反応溶液を20倍のアセトンに注ぎ入れ、
白色の沈殿物を得た。この沈殿物を、さらにメタノール
−アセトンにより2〜3回再沈精製し、白色高分子結晶
を得た。この白色高分子結晶を真空加熱下で十分乾燥さ
せた。その結果、収率50〜70%で所期の有機高分子
を得た。この有機高分子のモノマー組成比をCD3OD
1H−NMRで同定したところ、合成時の各モノマー
の仕込み量に準じていることが確認できた。
【0035】
【表1】 実施例 構成モノマー比(mol%) 導電率(Scm -1 ) DMAEMA-Cl DMAPMAA-Cl MA M-90G 1 100 0 0 0 2.2 ×10-4 2 0 100 0 0 1.7 ×10-4 3 95 0 0 5 2.8 ×10-4 4 0 95 0 5 1.5 ×10-4 5 90 0 5 5 1.1 ×10-4 6 0 90 5 5 0.8 ×10-4 (高分子固体電解質フィルムの作成) 上記で得られた有機高分子とメタノールとを混合し、十
分に撹拌して均一溶液にし、これを冷却しながら、Al
Cl3を、有機高分子のアルキル四級アンモニウム基
[−NR3 +]に対するモル比が[Al3+]/[−N
3 +]=0.1となる量を少しずつ撹拌して加え、さら
に完全に溶解するまでしばらく撹拌を続けた。その後、
孔径0.45μmのフィルターを通し、不溶物を除去
し、キャスト法により成膜した。すなわち、溶液を底面
が平滑なテフロン製シャーレに移し入れ、窒素雰囲気
下、60℃恒温器中で溶媒を蒸発させ、さらに真空加熱
下で溶媒を完全に除去し、乾燥させ、高分子固体電解質
フィルムを得た。
【0036】こうして得られた高分子固体電解質フィル
ムは可撓性に富んだ無色透明のフィルムであり、その膜
厚は20〜150μmであった。 (イオン導電率の評価) 上記で得られた高分子固体電解質フィルムのイオン導電
率を室温(22〜25℃)で次のように測定した。即
ち、高分子固体電解質フィルムを白金電極で挟み、電極
−フィルムの接触が十分に保たれるようにして圧着し、
複素インピーダンス法により得られた半円弧部から解析
的に算出した。この場合、交流振幅電圧は30〜100
mVに設定し、交流周波数帯域は10-2〜10 7 Hzで
行った。この結果を表1に合わせて示した。これによ
り、この発明の高分子固体電解質フィルムは従来のPE
Oとアルカリ金属塩との複合体膜に比べて導電率が著し
く高いことが確認できた。
【0037】実施例7〜14 AlClの添加量を表2にように変える以外は実施例
1と同様にして高分子固体電解質フィルムを作成し、そ
の導電率を求めた。この結果を表2に示した。なお、A
lClの添加量が、[Al3+]/[−NR ]=
2.0よりも多くなるとAlClが完全に溶けず、キ
ャスト溶液が懸濁し、AlClを所期の濃度で溶解さ
せたフィルムを作成することができなかった。
【0038】
【表2】 実施例 [Al3+]/[-NR ] 導電率(Scm-1) 7 0.01 8.9×10-5 8 0.05 1.8×10-4 9 0.10 2.2×10-4 10 0.20 3.3×10-4 11 0.50 4.5×10-4 12 1.0 4.0×10-4 13 1.5 2.5×10-4 14 2.0 2.6×10-4 表2から、AlClの濃度が増加しても導電率が極度
に低下することはないことが確認できた。この場合、成
膜性の悪化は生じなかったが、フィルムの可撓性に若干
の低下傾向が見られた。したがって、この系ではAlC
の添加量として、[Al3+]/[−NR ]=
0.02〜0.5の範囲が好ましいことがわかった。
【0039】実施例15〜19 AlClの添加量を表3にように変える以外は実施例
2と同様にして高分子固体電解質フィルムを作成し、そ
の導電率を求めた。この結果を表3に示した。
【0040】
【表3】 実施例 [Al3+]/[-NR ] 導電率(Scm-1) 15 0.02 6.5×10-5 16 0.05 1.1×10-4 17 0.20 2.0×10-4 18 0.50 3.3×10-4 19 1.0 1.8×10-4 表3から、この系ではAlClの添加量として、[A
3+]/[−NR ]=0.5付近の範囲が好まし
いことがわかった。
【0041】実施例20〜21 AlClの代わりにAlBrまたはAlIを使用
する以外は実施例1と同様にして高分子固体電解質フィ
ルムを作成し、その導電率を求めた。この結果を表4に
示した。なお、参考のため、表4には実施例1の結果も
合わせて示した。
【0042】
【表4】 実施例 アルミニウム塩 導電率(Scm-1) 1 AlCl 2.2×10-4 20 AlBr 2.4×10-4 21 AlI 1.8×10-4 表4から、いずれのアルミニウム塩も導電性キャリアと
して良好に作用していることがわかった。
【0043】
【発明の効果】この発明によれば、電子導電性のおそれ
がなく、室温付近でも高いイオン導電性を発揮し、かつ
成膜性、機械強度、柔軟性にも優れた高分子固体電解質
を得ることが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/40 C08F 20/36 C08F 26/02 H01B 1/06 H01M 6/18

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル四級アンモニウム基を側鎖の末
    端部に有する有機高分子と金属塩からなり、 前記金属塩が、前記アルキル四級アンモニウム基を有す
    る塩の対アニオンと錯形成し、擬正四面体構造を有する
    金属錯体が形成されている ことを特徴とする高分子固体
    電解質。
  2. 【請求項2】 アルキル四級アンモニウム基を側鎖の末
    端部に有する有機高分子と金属塩からなり、 前記 アルキル四級アンモニウム基が、次式(1) 【化1】 (式中、mは1〜3の整数、nは1〜4の整数、X
    対アニオンを表す)又は次式(2) 【化2】 (式中、mは1〜3の整数、nは1〜4の整数、X
    対アニオンを表す)で表されることを特徴とする高分子
    固体電解質。
  3. 【請求項3】 アルキル四級アンモニウム基の対アニオ
    ンXが、Cl、Br又はIである請求項2記載
    の高分子固体電解質。
  4. 【請求項4】 金属塩が、AlCl、AlBr又は
    AlIである請求項記載の高分子固体電解質。
  5. 【請求項5】 金属塩が、AlCl、AlBr又は
    AlIである請求項記載の高分子固体電解質。
  6. 【請求項6】 金属塩が、AlCl、AlBr又は
    AlIである請求項記載の高分子固体電解質。
  7. 【請求項7】 有機高分子が、請求項記載のアルキル
    四級アンモニウム基を有するビニル系モノマーと他のビ
    ニル系モノマーとの共重合体であり、該アルキル四級ア
    ンモニウム基を有するビニル系モノマーが有機高分子を
    構成するモノマー全体の90mol%以上である請求項
    1記載の高分子固体電解質。
  8. 【請求項8】 有機高分子が、請求項記載のアルキル
    四級アンモニウム基を有するビニル系モノマーと他のビ
    ニル系モノマーとの共重合体であり、該アルキル四級ア
    ンモニウム基を有するビニル系モノマーが有機高分子を
    構成するモノマー全体の90mol%以上である請求項
    1記載の高分子固体電解質。
  9. 【請求項9】 アルキル四級アンモニウム基1つあたり
    の金属塩の分子比が0.01〜2.0の範囲である請求
    記載の高分子固体電解質。
  10. 【請求項10】 アルキル四級アンモニウム基1つあた
    りの金属塩の分子比が0.01〜2.0の範囲である請
    求項記載の高分子固体電解質。
  11. 【請求項11】 アルキル四級アンモニウム基1つあた
    りの金属塩の分子比が0.01〜2.0の範囲である請
    求項記載の高分子固体電解質。
  12. 【請求項12】 アルキル四級アンモニウム基1つあた
    りの金属塩の分子比が0.01〜2.0の範囲である請
    求項記載の高分子固体電解質。
  13. 【請求項13】 アルキル四級アンモニウム基1つあた
    りの金属塩の分子比が0.01〜2.0の範囲である請
    求項記載の高分子固体電解質。
  14. 【請求項14】 アルキル四級アンモニウム基1つあた
    りの金属塩の分子比が0.01〜2.0の範囲である請
    求項記載の高分子固体電解質。
  15. 【請求項15】 アルキル四級アンモニウム基1つあた
    りの金属塩の分子比が0.01〜2.0の範囲である請
    求項記載の高分子固体電解質。
  16. 【請求項16】 アルキル四級アンモニウム基1つあた
    りの金属塩の分子比が0.01〜2.0の範囲である請
    求項記載の高分子固体電解質。
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