JP3214988B2 - シリコン単結晶の製造装置 - Google Patents
シリコン単結晶の製造装置Info
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Description
結晶基板の材料となる単結晶体の製造装置の改良に関
し、特に、チョクラルスキー法でシリコン単結晶棒を成
形する場合の熱を除去するようにした製造装置に関す
る。
ら、シリコン単結晶の製造方法としてチョクラルスキー
法(CZ法)が一般的に使用されている。
せる方法として、転位や各種の結晶欠陥等を極力少なく
し、かつ、より低いコストでシリコン単結晶を製造しう
る方法が求められている。その中で特に結晶欠陥の抑制
については、引上げ中の単結晶体を急速に冷却すること
が、結晶欠陥の核の成長を抑制する点で有効であること
が知られている。
は、図5に示している円筒状の熱遮蔽体を用いる装置が
開示されている。この装置1は、主にシリコン溶融のた
めの構造体が収容される加熱チャンバ2aと引き上げら
れるシリコン結晶体Sを収納する引上げチャンバ2bと
からなるチャンバ2を有し、加熱チャンバ2a内には坩
堝3と、この坩堝3の主に側面部を取り囲むように配置
された加熱ヒータ4とが設けられている。坩堝3には、
加熱ヒータ4によって溶融されるシリコンが収容され
る。この坩堝3は、図示しない駆動装置に回転軸5を介
して接続され、結晶引上げ中はこの駆動装置によって所
定の速度で回転される。通常、坩堝3は、石英坩堝3a
とこれを保護する黒鉛製坩堝3bとから構成されてい
る。
バ2aの開口部を塞ぐ天井部と、この天井部の中央部に
位置し、主に育成中のシリコン単結晶体Sを収容する収
容部とから構成されている。この収容部の天井部との接
合部には、坩堝3方向に向かって伸延する円筒7が取り
付けられている。後述するようにこの円筒7が熱遮蔽体
として機能している。
挿通して垂下された引上げワイヤ8が設けられ、この引
上げワイヤ8の下端には種結晶9を保持するチャック1
0が設けられている。この引上げワイヤ8の上端側は、
ワイヤ巻上機11に巻回されており、育成中のシリコン
結晶体Sを所定の速度で引上げるようになっている。な
お、加熱ヒータ4の周りには断熱材12が設けられてい
るが、これは、加熱ヒータ4からの熱が加熱チャンバ2
aの外部に逃げるのを防止するためである。
形成されたガス導入口13からアルゴンガスが導入され
るようになっているが、このアルゴンガスは、図示され
ているように、ガス導入口13から収容部の内部を通
り、さらに円筒7の内部を通過して加熱チャンバ2a内
に流入し、ガス排出口14から排出される。このように
チャンバ2内にアルゴンガスを流通させるのは、円筒7
内を引き上げられる育成中のシリコン単結晶体Sを冷却
するためと、加熱ヒータ4の加熱によるシリコンの溶融
に伴ってチャンバ2内に発生するSiOガスやCOガス
をシリコン融液中に混入させないようにするためであ
る。この円筒7の作用によって、引き上げられつつある
シリコン単結晶体Sを冷却するようにしている。
構成された従来の単結晶体の製造装置にあっては、シリ
コン単結晶体Sを急冷することを主目的として融液の上
方に円筒7を設けているので、結晶欠陥の発生は抑制さ
れるものの不十分であった。
出した坩堝の壁面からの熱の放射を反射することによっ
て棒を保護するカバー装置を有する溶融物から高純度半
導体棒を引き上げる装置が開示されている。しかし、強
制冷却機構を設けておらず、溶融物の引き上げ速度の向
上は難しい。
には、内部をジャケット構造にしたスクリーンに冷却用
ガスを流すことにより、シリコン単結晶を強制的に冷却
する引き上げ装置と、スクリーンの外周に巻いたパイプ
に水または冷却ガスを流すことにより、シリコン単結晶
を強制的に冷却する引き上げ装置とが開示されている。
しかし、冷却用ガスは、比熱が小さいため伝熱量に限界
があり、シリコン単結晶の引き上げ速度の向上は難し
い。水は、比熱の面でガスより優れているが、ピイプを
介しスクリーンの外周に巻かれるため、伝熱面積や伝熱
距離の点で不利であり、シリコン単結晶の引き上げ速度
の向上は難しい。
平1−215785号公報には、引き上げ中の単結晶を
冷却するための水冷筒と、坩堝あるいは坩堝内の融液と
の間を遮断するモリブデン製のシールド部材とを有する
単結晶引上装置が開示されている。しかし、水冷筒の下
部には、高温になっているシリコン融液が面しており、
安全性に問題を有している。
鑑みてなされたものであり、融液の不純物汚染を回避し
ながら引上げ中の単結晶体を急冷し得る安全性に優れた
単結晶体の製造装置を提供することを目的とする。
するための本発明に係るシリコン単結晶の製造装置は、
坩堝内に収容した原料を加熱ヒータにより加熱し融解す
る加熱チャンバと、前記坩堝から引き上げられた単結晶
体を内部に収納する引上げチャンバと、前記加熱チャン
バの上部と連結された側壁部、この側壁部から伸延し前
記加熱チャンバの開口部を塞ぐ天井部、この天井部の中
央部に位置し単結晶体を収容する収容部から構成された
中間チャンバを有する単結晶体の製造装置において、前
記中間チャンバの側壁部と前記加熱チャンバとの間に、
前記坩堝の外径より大きな内径を有するドーナツ型の水
冷チャンバを設け、この水冷チャンバに、スクリーンを
付設し、このスクリーンは、前記水冷チャンバに取り付
けられた環状リム部材と、前記融解された原料面の外部
からの目視を邪魔しないようにこの環状リム部材から傾
斜して設けられかつ先端が前記融解された原料面と所定
距離離間するように構成されたレッグ部材とを有するこ
とを特徴とする。
0mm乃至300mmであることを特徴とする。
からの熱損失を抑えるための熱遮断部材を、前記スクリ
ーンに付設あるいは隣接し設けることを特徴とする。
面に取り付けた第1スクリーンと、上面に取り付けた第
2スクリーンとからなることを特徴とする。
の輻射熱は、スクリーンのレッグ部材に取り込まれる。
このとき、スクリーンは、水冷チャンバに取り付けられ
た環状リム部材を有することで、低温に保たれているた
め、単結晶体との熱交換が良く、単結晶体の冷却速度を
向上させる。したがって、引上げ中の単結晶体を急冷で
き、単結晶体の結晶欠陥の発生がきわめて少なくなる。
スクリーンとの反応生成物が落下して融液を汚染するこ
とがなく、チャンバと蒸発ガスとの反応もほとんどない
ため、反応生成物の落下による融液の汚染という不具合
はなくなる。
大きな内径を有しているため、水冷チャンバから冷却水
が漏れても、高温の単結晶体あるいは融液表面に落下す
る可能性が低く安全性が高く、この結果、融液の不純物
汚染を回避しながら、結晶欠陥のきわめて少ない高品質
の単結晶体を効率よく安全に製造できる。
明する。
造装置の概略構成図、図2は他の実施例のチャンバ内壁
の部分拡大断面図、図3は、本発明の一実施例における
COP粒径と個数との関係を従来例との対比において示
した図、図4は、本発明の一実施例における結晶中心温
度と冷却速度との関係を従来例との対比において示した
図である。なお、図5の部材と共通の部材には同一の符
号を付してある。
置20は、シリコンを溶融するための部材や結晶化した
シリコンを引き上げる機構などを有しており、シリコン
溶融のための部材は加熱チャンバ2a内に収容され、シ
リコン単結晶を引き上げる機構は、この加熱チャンバ2
aから分離結合機構15によって分離可能とされた上部
構造体の一部を構成する引上げチャンバ2bの内部およ
び外部に設けられている。この上部構造体は、シリコン
を冷却するための水冷チャンバ2dおよび中間チャンバ
2cも有している。
リコンLを収容する坩堝3が設けられ、この坩堝3は図
示しない駆動装置に回転軸5によって回転・昇降自在に
支持されている。
に伴う液面低下を補償すべく坩堝3を液面低下分だけ上
昇させ、また、シリコン融液Lの攪拌を行うために坩堝
3を常時所定の回転数で回転させる。
が、チャンバ2内外の気密を保持し、またきわめて悪い
温度条件の下での使用となるために、図示しない特殊な
ベアリングで保持されている。
れを保護する黒鉛製坩堝3bとから構成されている。
せる加熱ヒータ4がその周囲を取り囲むように配置され
ている。
ータ4からの熱が加熱チャンバ2aに直接輻射されるの
を防止する断熱材12がその周囲を取り囲むように設け
られている。
16に取り付けられている。この支持台16は熱抵抗率
の非常に大きな材料を用いて作られている。
上機11に取り付けられ、中間チャンバ2cの天井部6
aの頂壁を挿通して垂れ下げられた引上げワイヤ8が設
けられ、この引上げワイヤ8の下端には、種結晶9を保
持するチャック10が取り付けられている。
に成長するシリコン単結晶体Sをその成長速度等に従っ
て引き上げ、同時に、坩堝3の回転方向とは反対に常時
回転させる。
れたガス導入口13からはアルゴンガスが導入され、こ
のアルゴンガスは加熱チャンバ2a内を流通した後にガ
ス排出口14から排出されるようになっている。
流通させるのは、前述したように、加熱ヒータ4の加熱
によるシリコンの溶融に伴ってチャンバ2内に発生する
SiOガスやCOガスをシリコン融液内に混入させない
ようにするためである。
熱チャンバ2aとの間には、坩堝3の外径より大きな内
径を有するドーナツ型の水冷チャンバ2dが配置されて
おり、分離結合機構15によって分離可能とされてい
る。この水冷チャンバは、熱伝導率および熱輻射率の大
きい物質、例えば、カーボンや銅などから構成された第
1スクリーン22が、例えば、ボルトなどを使用して下
面に付設されている。
2dとの接触面積を大きくする環状リム部材22aと、
前記融解された原料面の外部からの目視を邪魔しないよ
うに前記環状リム部材22aから傾斜して設けられかつ
先端が前記融解された原料面と所定距離sだけ離間する
ように構成されたレッグ部材22bとを有している。
し除熱能力を高める観点から、垂直方向のサイズHは、
50mmないし300mmであることが望ましい。
らの熱損失を抑えるための熱遮断部材、例えば、カーボ
ンフェルトを、第1スクリーン22に付設あるいは隣接
し設けることが望ましい。
る。
って、分離結合機構15により引上げチャンバ2bと中
間チャンバ2cとスクリーンを付設した水冷チャンバ2
dとを有する上部構造体を加熱チャンバ2aから分離
し、坩堝3に原料となるシリコン多結晶体と非常に微量
の不純物とを投入して、その後、分離結合機構15によ
り上部構造体を加熱チャンバ2aに再び取り付ける。
内のシリコンが溶融されるのを待つ。このシリコンが溶
融状態となったら、ワイヤ巻上機11を作動させて引上
げワイヤ8を下ろし、チャック10に取り付けられた種
結晶9がシリコン融液表面に接するようにする。この状
態で、種結晶9にシリコンの結晶が成長し始めると、今
度はワイヤ巻上機11を所定の速度で引き上げて図1に
示すようにシリコン結晶体Sを成長させていく。
らの輻射光は、熱伝導率および熱輻射率の大きい物質、
例えば、カーボンや銅などから構成された第1スクリー
ン22のレッグ部材22bに入射する。
ャンバ2dとの接触面積を大きくする環状リム部材22
aを有し、低温に保たれているため、シリコン単結晶体
Sとの輻射熱交換が良くなり、シリコン単結晶体Sの冷
却速度を向上させることが可能になる。
くても引上げ中のシリコン単結晶体Sを急冷することが
できるので、シリコン単結晶体Sの結晶欠陥の発生がき
わめて少なくなる。
径より大きな内径を有しているため、水冷チャンバから
冷却水が漏れた場合であっても、高温のシリコン単結晶
体Sあるいはシリコン融液表面に落下する可能性が低く
安全性が高い。
る。
れていない上面に、第2スクリーン23を付設し、冷却
能力を向上させた装置を示している。この第2スクリー
ン23も、熱伝導率および熱輻射率の大きい物質、例え
ば、カーボンや銅などから構成され、水冷チャンバ2d
との接触面積を大きくする環状リム部材23aと、前記
融解された原料面の外部からの目視を邪魔しないように
前記環状リム部材22aから傾斜して設けられかつ先端
が前記融解された原料面と所定距離sだけ離間するよう
に構成されたレッグ部材23bとを有することが望まし
い。
説明する。
関係(分布)を示した図である。
に示されている単結晶体製造装置を使用し、1.0mm/m
inの引き上げ速度の条件で得られた結果である。本発明
として表されているグラフは、図1に示している実施例
に係る単結晶体製造装置を使用し、2.5mm/minの引き
上げ速度の条件で得られた結果である。
と比較し結晶中の欠陥の数が減少すると共に欠陥のサイ
ズが微細化している。
icle )は、洗浄液(NH2 OH/H2 O2 /H2 O)
を使用し結晶にSCl洗浄を施し、結晶中の欠陥をピッ
トとして形成させ、パーティクルカウンターで当該ピッ
トをパーティクルとして検出したものである。したがっ
て、従来のウェーハ上の異物粒子とは別のものである。
温度勾配)との関係をシミュレートした結果を示した図
であり、従来例および本発明として表されているグラフ
の操作条件は図3と同一にしている。
と比較し軸方向温度勾配が約2倍程度大きく、良好な冷
却速度を得ることできることを示している。
不純物汚染を回避しながら、結晶欠陥のきわめて少ない
高品質のシリコン単結晶体を、効率よく安全に製造する
ことができる。
概略構成図である。
である。
との関係を従来例との対比において示した図である。
却速度との関係を従来例との対比において示した図であ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 坩堝内に収容した原料を加熱ヒータによ
り加熱し融解する加熱チャンバと、 前記坩堝から引き上げられた単結晶体を内部に収納する
引上げチャンバと、 前記加熱チャンバの上部と連結された側壁部、この側壁
部から伸延し前記加熱チャンバの開口部を塞ぐ天井部、
この天井部の中央部に位置し単結晶体を収容する収容部
から構成された中間チャンバを有する単結晶体の製造装
置において、 前記中間チャンバの側壁部と前記加熱チャンバとの間
に、前記坩堝の外径より大きな内径を有するドーナツ型
の水冷チャンバを設け、 この水冷チャンバに、スクリーンを付設し、 このスクリーンは、前記水冷チャンバに取り付けられた
環状リム部材と、前記融解された原料面の外部からの目
視を邪魔しないようにこの環状リム部材から傾斜して設
けられかつ先端が前記融解された原料面と所定距離離間
するように構成されたレッグ部材とを有することを特徴
とするシリコン単結晶の製造装置。 - 【請求項2】 前記レッグ部材の垂直方向のサイズは、
50mm乃至300mmであることを特徴とする請求項
1に記載のシリコン単結晶の製造装置。 - 【請求項3】 前記加熱ヒータおよび融解された前記原
料からの熱損失を抑えるための熱遮断部材を、前記スク
リーンに付設あるいは隣接し設けることを特徴とする請
求項1乃至2に記載のシリコン単結晶の製造装置。 - 【請求項4】 前記スクリーンは、前記水冷チャンバの
下面に取り付けた第1スクリーンと、上面に取り付けた
第2スクリーンとからなる請求項1乃至3に記載のシリ
コン単結晶の製造装置。
Priority Applications (1)
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JP21631994A JP3214988B2 (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | シリコン単結晶の製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP21631994A JP3214988B2 (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | シリコン単結晶の製造装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0881294A JPH0881294A (ja) | 1996-03-26 |
JP3214988B2 true JP3214988B2 (ja) | 2001-10-02 |
Family
ID=16686671
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
Country | Link |
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---|---|---|---|---|
JP6350323B2 (ja) * | 2015-02-10 | 2018-07-04 | トヨタ自動車株式会社 | 単結晶製造装置 |
JP6825728B1 (ja) | 2020-01-10 | 2021-02-03 | 信越半導体株式会社 | 単結晶製造装置 |
-
1994
- 1994-09-09 JP JP21631994A patent/JP3214988B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0881294A (ja) | 1996-03-26 |
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