JP3214550B2 - 放射評価装置 - Google Patents

放射評価装置

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JP3214550B2 JP11813897A JP11813897A JP3214550B2 JP 3214550 B2 JP3214550 B2 JP 3214550B2 JP 11813897 A JP11813897 A JP 11813897A JP 11813897 A JP11813897 A JP 11813897A JP 3214550 B2 JP3214550 B2 JP 3214550B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器の通電ケ
ーブルから放射される電磁波を評価する放射評価装置
関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器は必然的に電磁波を放射する
が、製品として出荷される電子機器が放射する電磁波に
は、諸規制による規制値や許容値と呼称される制限が設
けられている。それゆえ、規制で指定された測定方法に
より評価を行うことが、規制の対象となる電子機器を製
造あるいは販売する事業者に課せられている。規制で定
められている測定方法の一従来例を図17を参照して以
下に説明する。
【0003】測定対象となる被測定物1は、コンピュー
タ等の電子機器であり、例えば、装置本体2に通電ケー
ブル3が接続された構造からなる。このような被測定物
1を回転台11上に配置し、被測定物1から3mないし
10mの水平距離に設け、支持台12にて高さ1mから
4mの間で受信アンテナ13を昇降させる。このとき、
被測定物1は稼働状態のまま、被測定物1が全方位へ放
射する電磁波を受信アンテナ13が受信できるよう回転
台11を回転させる。例えば、被測定物1が小型である
場合、高さが80cm程度の非導電性のテーブル14に
載置する。このとき受信される最大の電磁波が、この測
定方法による電界強度となる。
【0004】上述のような従来の測定方法は、被測定物
1から放射する電磁波を受信アンテナ13で直接的に受
信するため、その精度は周囲の電磁環境に影響される。
すなわち、被測定物1以外に起因する電磁波を受信する
ような環境下で測定を行えば、測定精度が著しく低下し
てしまう。従って、測定を行う周囲環境の条件が定めら
れており、図18および図19に示すように、オープン
サイト15や電波半無響室16を測定場として使用する
ことが規定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】オープンサイト15や
電波半無響室16を測定場として使用すれば、被測定物
1が放射する電磁波を良好な精度で測定することができ
る。
【0006】しかし、オープンサイト15は、近辺に人
家など人工的な設備が無く、放送波などの無線電波が届
かない場所に設置しなければならない。電波半無響室1
6は、電波遮蔽室であるので外来電波に干渉されること
なく測定可能であり、設置場所の周囲環境に制限はない
が、その設置費用はオープンサイト15のおよそ十倍で
ある。
【0007】これらの測定場は、広い敷地や高価な設備
を必要とし、過大な初期投資と維持管理費が発生する。
従って、自前で準備できる事業者は限られるので、自前
で準備できない事業者は、測定場を借りて被測定物1を
評価しているのが現状であり、被測定物1や技術者の移
動、測定場の使用料が大きな負担となっている。
【0008】電子機器を出荷するためには、最終的には
規制で定める測定方法で評価しなければならないが、放
射電磁波の評価を電子機器の開発過程でも数回は実行し
ている。このように開発過程で実行する電磁波放射の評
価は完全である必要はなく、目安となる程度に簡便で安
価に測定できれば良いが、これを実現する装置や方法は
実現されていない。
【0009】例えば、測定場を使用することなくコンピ
ュータのシミュレーションにより電磁波の推定値を算出
することは実行されているが、このシミュレーションは
データ処理の負担が大きく時間を要する。
【0010】本発明は上述のような課題に鑑みてなされ
たものであり、被測定物が放射する電磁波の推定値を簡
便に算出できる放射評価装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の放射評価装置
は、評価対象となる通電ケーブルに流れる同相電流を測
定する電流プローブと、該電流プローブの出力電圧を検
波するレシーバと、該レシーバの検波結果と事前に設定
されている特性近似線とに基づいた演算処理により前記
通電ケーブルが放射する電磁波の電界強度の推定値を算
出するデータ処理装置と、を具備しており、 前記特性近
似線は、常用対数目盛で表示された電磁波の周波数と電
界強度の変換係数との関係として設定されており、低い
周波数領域では周波数によって変換係数が単純増加する
直線状の第一部分と、高い周波数領域では周波数によら
ず変換係数が一定値となる直線状の第二部分と、を具備
しており、 前記データ処理装置は、前記レシーバの検波
結果から前記通電ケーブルに流れる同相電流値を算出
し、この同相電流値に特性近似線から周波数毎に獲得さ
れる変換係数を加算して電磁波の電界強度に換算し、
記データ処理装置は、各種の補正項が事前に登録された
データベースサーバと、補正項を利用して電磁波の電界
強度の推定値を算出するクライアントと、を具備してお
り、推定する電磁波の電界強度を補正項により補正す
【0012】従って、評価対象となる通電ケーブルに流
れる同相電流が電流プローブにより測定され、この電流
プローブの出力電圧がレシーバにより検波される。この
レシーバの検波結果と事前に設定されている特性近似線
とに基づいてデータ処理装置が所定の演算処理を実行す
ることにより、通電ケーブルが放射する電磁波の電界強
度の推定値が算出される。つまり、処理の負担が過大で
時間を要する模擬実験を実行しなくとも、簡単な演算処
理で電磁波の電界強度の推定値が算出される。特に、特
性近似線が簡単な数式で表現されてデータ処理装置に設
定され、このデータ処理装置は簡単な演算処理で電磁波
の電界強度の推定値を算出する。しかも、特性近似線を
利用して算出される電磁波の電界強度の推定値が、事前
に設定された補正項により補正される。また、データベ
ースサーバに各種の補正項がデータベースの形態で保存
され、これがクライアントにより推定値の補正に利用さ
れる。 なお、特性近似線に基づいたデータ処理装置の演
算処理とは、特性近似線を表現する数式がデータ処理装
置に事前に設定されており、この数式を利用して演算処
理を実行することを許容する。
【0013】なお、本発明で云うデータ処理装置とは、
その機能を実現するよう形成されていれば良く、例え
ば、専用のハードウェア、適正なプログラムがソフトウ
ェアにより実装されたコンピュータ、これらの組み合わ
せ、等を許容する。特性近似線とは、例えば、常用対数
目盛で表示された電磁波の周波数と電界強度の変換係数
との関係を示すグラフであり、データ処理装置に特性近
似線を設定することとは、特性近似線を表現する数式を
データ処理装置に格納しておくことを許容する。特性近
似線に基づいたデータ処理装置の演算処理とは、データ
処理装置が特性近似線の数式を利用して演算処理を実行
することを許容する。また、レシーバとは、電流プロー
ブの出力電圧を検波してデータ処理装置に提供できるデ
バイスで有れば良く、例えば、スペクトラムアナライザ
などを許容する。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】上述のような放射評価装置における他の発
明としては、特性近似線は、通電ケーブルの区間長と電
界強度の観測距離とがパラメータとして設定されてい
る。従って、評価対象の通電ケーブルの各種の区間長
や、正式なテストサイトでの各種の観測距離に対応し
て、電磁波の電界強度の推定値が算出される。
【0018】なお、本発明で云う通電ケーブルの区間長
とは、通電ケーブルの電磁波の放射を評価する部分の長
さを意味している。例えば、電磁波の電界強度を垂直偏
波と水平偏波とに分割して評価する場合、通電ケーブル
に垂直な部分と水平な部分とが存在すれば、垂直な部分
の長さが垂直偏波の区間長、水平な部分の長さが水平偏
波の区間長となる。また、電界強度の観測距離とは、正
式なテストサイトで通電ケーブルの電磁波の電界強度を
測定する場合の通電ケーブルと観測点との距離であり、
これは規則により製品毎に3mや10mなどに規定され
ている。
【0019】上述のような放射評価装置における他の発
明としては、特性近似線は、事前に模擬実験により算出
された複数種類の電界強度の特性曲線に対応して設定さ
れている。従って、模擬実験を実行しなくとも、模擬実
験の算出値を下回らない推定値が算出される。なお、模
擬実験とは、いわゆるコンピュータによるシミュレーシ
ョンを意味しており、通電ケーブルが放射する電磁波の
電界強度の推定値を略正確に算出することができるが、
その処理の負担は過大で時間を要する。
【0020】
【0021】なお、本発明で云う補正項とは、特性近似
線を利用して算出される推定値の精度を向上させるよう
に補正できるものであれば良く、例えば、演算処理の数
式に付加する係数などとして設定される。このような補
正項は、通電ケーブルが放射する電磁波に関連する各種
の要因に基づいて設定することができ、例えば、製品群
毎の放射特性を反映させた補正項、通電ケーブルの配置
等による放射特性の相違を反映させた補正項、正式な評
価に使用するEMCテストサイトの測定の特性を反映さ
せた補正項、等を許容する。
【0022】
【0023】上述のような放射評価装置における他の発
明としては、データ処理装置は、通電ケーブルが放射す
る電磁波の正式な測定値の入力を受け付け、電磁波の推
定値を測定値と比較して補正項を更新する。従って、電
磁波の正式な測定値に対応して補正項が更新されるので
推定値の精度が向上する。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の第一の形態を図1
ないし図7を参照して以下に説明する。なお、本実施の
形態に関して前述した従来例と同一の部分は、同一の名
称を使用して詳細な説明は省略する。
【0029】図1は本実施の形態の放射評価装置の全体
構造を示す模式図、図2は中央処理装置の物理的構造を
示すブロック図、図3は通電ケーブルの区間長毎の特性
近似線を示す特性図、図4は水平偏波での特性近似線と
模擬実験の算出結果との関係を示す特性図、図5は垂直
偏波での特性近似線と模擬実験の算出結果との関係を示
す特性図、図6は通電ケーブルの各種の電流分布を示す
特性図、図7は各種の電流分布から算出した模擬実験の
結果と特性近似線との関係を示す特性図である。
【0030】本実施の形態の放射評価装置21は、電子
機器等の被測定物1の通電ケーブル3を評価対象とし、
通電ケーブル3が放射する電磁波の電界強度を推定す
る。このため、本実施の形態の放射評価装置21は、図
1に示すように、通電ケーブル3に着脱自在な円環状の
電流プローブ22を具備しており、この電流プローブ2
2に、スペクトラムアナライザがレシーバ23として接
続されている。
【0031】前記電流プローブ22は、通電ケーブル3
に流れる同相電流を測定し、これを電圧として出力す
る。前記レシーバ23は、前記電流プローブ22の出力
電圧を検波し、これをスペクトラム、すなわち周波数毎
に振幅値として出力する。このレシーバ23には、デー
タ処理装置であるコンピュータシステム24の中央処理
装置25が接続されており、この中央処理装置25に
は、外部記憶装置26が接続されている。
【0032】前記中央処理装置25は、図2に示すよう
に、コンピュータの主体としてCPU(Central Proc
essing Unit)101を具備しており、このCPU10
1には、バスライン102により、ROM(Read Onl
y Memory)103、RAM(Random Access Memor
y)104、HDD(Hard Disc Drive)105、FD
(Floppy Disc)106が装填されるFDD(FD Dr
ive)107、CD(Compact Disc)−ROM108が
装填されるCDドライブ109、キーボード110、マ
ウス111、ディスプレイ112、通信I/F(Interf
ace)113、等が接続されている。この通信I/F11
3には、接続コネクタ114が接続されており、この接
続コネクタ114に前記外部記憶装置26が接続されて
いる。この外部記憶装置26は、例えば、光ディスクド
ライブ等からなり、大容量の各種データを保存する。
【0033】前記中央処理装置25では、前記ROM1
03、前記RAM104、前記HDD105、前記FD
106、前記CD−ROM108等が情報記憶媒体に相
当し、これらに各種動作に必要なプログラムやデータが
ソフトウェアとして記憶されている。例えば、前記CP
U101に各種の処理動作を実行させる制御プログラム
は、前記FD106や前記CD−ROM108に事前に
書き込まれている。このようなソフトウェアは前記HD
D105に事前にインストールされており、前記コンピ
ュータシステム2の起動時に前記RAM104に複写さ
れて前記CPU101に読み取られる。
【0034】このように前記CPU101が適正なプロ
グラムを読み取って各種の処理動作を実行することによ
り、前記中央処理装置25には、各種の機能が各種の手
段として実現されている。このような各種の手段とし
て、前記中央処理装置25は、近似線記憶手段、パラメ
ータ入力手段、近似線選択手段、係数算出手段、電流算
出手段、推定算出手段、結果出力手段、等を論理的に具
備している。
【0035】前記近似線記憶手段は、前記RAM104
や前記HDD105等のデータ記憶媒体の記憶エリアに
相当し、電流最大値−放射最大値の特性近似線を事前に
記憶している。この特性近似線は、図3に示すように、
常用対数目盛で表示された電磁波の周波数と電界強度の
変換係数との関係として設定されており、低い周波数領
域では周波数によって変換係数が単純増加する直線状の
第一部分と、高い周波数領域では周波数によらず変換係
数が一定値となる直線状の第二部分とを具備している。
【0036】上述のような特性近似線は、通電ケーブル
3の区間長と電界強度の観測距離とがパラメータとして
設定されており、これらのパラメータに対応して複数に
設定されている。なお、図面は電界強度の観測距離が1
0mの場合を例示しており、通電ケーブル3の区間長が
0.6m〜2.4mの複数の特性近似線を表示してい
る。また、特性近似線は、図4および図5に示すよう
に、事前に模擬実験により算出された複数種類の電界強
度の特性曲線に対し、この複数の算出結果を下回らない
ように設定されている。
【0037】前記パラメータ入力手段は、前記ROM1
03等に設定された制御プログラムに対応して前記CP
U101が前記キーボード110等の入力データを認識
することにより、通電ケーブル3の区間長と電界強度の
観測距離とのデータ入力を受け付ける。前記近似線選択
手段は、前記ROM103等に設定された制御プログラ
ムに対応して前記CPU101が前記RAM104等の
記憶データを読み出すことにより、データ入力された区
間長や観測距離に対応して複数の特性近似線から一つを
選択する。
【0038】以下同様に、前記ROM103等に設定さ
れた制御プログラムに対応して前記CPU101が所定
の処理動作を実行することにより、前記係数算出手段
は、選択された特性近似線から周波数毎に変換係数を算
出し、前記電流算出手段は、前記レシーバ23の検波結
果から通電ケーブル3に流れる同相電流値を算出し、前
記推定算出手段は、算出された同相電流値に変換係数を
加算して電磁波の電界強度に換算する。
【0039】つまり、電流最大値−放射最大値の特性近
似線から獲得される変換係数F(freq)の単位が“dBμV
/m,μA”であり、前記レシーバ23により検波された同
相電流Iの単位は“dBμA”であるので、同相電流Iと
F(freq)とを加算すれば電界強度の推定値E(単位は“d
BμV/m”)が算出される。
【0040】前記結果出力手段は、前記ROM103等
に設定された制御プログラムに対応して前記CPU10
1が前記ディスプレイ112や前記通信I/F113に
データ出力を実行することにより、電磁波の周波数毎に
算出された電界強度を周波数特性として前記ディスプレ
イ112や前記通信I/F113等によりデータ出力す
る。この通信I/F113からデータ出力される周波数
特性は前記外部記憶装置26にデータ入力され、この外
部記憶装置26により被測定物1の各種データとともに
データファイル等として保存される。
【0041】上述のような各種手段は、必要により前記
キーボード110や前記ディスプレイ112等のハード
ウェアを利用して実現されるが、その主体は前記RAM
104等に書き込まれたソフトウェアに対応して前記C
PU101が動作することにより実現されている。
【0042】このようなソフトウェアは、例えば、前記
キーボード110等による通電ケーブル3の区間長と電
界強度の観測距離とのデータ入力を受け付けること、こ
のようにデータ入力された区間長や観測距離に対応して
前記RAM104等に記憶されている複数の特性近似線
から一つを選択して読み出すこと、このように選択され
た特性近似線から周波数毎に変換係数を算出すること、
前記レシーバ23の検波結果から通電ケーブル3に流れ
る同相電流値を算出すること、このように算出された同
相電流値に変換係数を加算して電磁波の電界強度に換算
すること、等の処理動作を前記CPU101等に実行さ
せるための制御プログラムとして前記RAM104等の
情報記憶媒体に格納されている。
【0043】また、このような制御プログラムと組み合
わされて前記CPU101に利用されるソフトウェアと
して、特性近似線の構造データも前記RAM104等に
格納されている。前述のように特性近似線は二つの直線
部分からなる単純な構造なので、これは数式として表現
されている。
【0044】つまり、通電ケーブル3の鉛直区間から放
射される電磁波の電界(垂直偏波)に対応した特性近似
線は、“freq<(10∧7.5)/L”の低い周波数領域では、 F(freq)=20log(freq)+20log(L)-138-20log(D/10) 式(1) “freq≧(10∧7.5)/L”の高い周波数領域では、 F(freq)=22-20log(D/10) 式(2) として設定されている。
【0045】また、通電ケーブル3の水平区間から放射
される電磁波の電界(水平偏波)に対応した特性近似線
は、“freq<10∧[{246.5+(10L)∧(3/7)-20log(L))}/3
0]”の低い周波数領域では、 F(freq)=30log(freq)+20log(L)-209.5-20log(D/3)-20log(D/10) 式(3) “freq≧10∧[{248.5+(10L)∧(3/7)-20log(L))}/30]”
の高い周波数領域では、 F(freq)=37-20log(D/3) 式(4) として設定されている。
【0046】なお、上記の数式において、freqは周波数
(Hz)、Lは通電ケーブル3の区間長(m)、Dは測定距離(m)
であり、これにより得られる電流−電界強度変換係数9
05、F(freq)の単位は、(dBμV/m,μA)である。ま
た、以下では説明を簡略化するため、通電ケーブル3の
鉛直区間の放射電界の推定値を算出することを例示する
が、実際には水平区間の放射電界の推定値も算出して最
大の放射電界を評価することは云うまでもない。
【0047】上述のような構成において、本実施の形態
の放射評価装置21による放射評価方法を以下に説明す
る。まず、本実施の形態の放射評価装置21では、前述
のように被測定物1の通電ケーブル3のみを評価対象と
する。つまり、通電ケーブル3が無い携帯型機器などの
一部を除いて、電磁波の放射源は主に通電ケーブル3に
流れる同相電流である。
【0048】まず、ユーザは被測定物1の通電ケーブル
3に電流プローブ22を装着し、その区間長や観測距離
をパラメータとして中央処理装置25にキーボード11
0で入力操作する。すると、中央処理装置25は入力さ
れたパラメータに対応して複数の特性近似線から一つを
選択するので、電磁波の電界強度を評価できる状態とな
る。
【0049】そこで、被測定物1を稼働させて通電ケー
ブル3に電流を流すと、この通電ケーブル3の同相電流
が電流プローブ22により測定され、この電流プローブ
22の出力電圧がレシーバ23により検波される。この
レシーバ23の検波結果は中央処理装置25にデータ入
力され、中央処理装置25により同相電流値が算出され
る。
【0050】そして、この中央処理装置25は、選択さ
れた特性近似線から周波数毎に変換係数を算出し、この
変換係数を算出された同相電流値に加算することで、通
電ケーブル3から放射される電磁波の電界強度の推定値
を算出する。この電界強度の推定値は周波数毎に算出さ
れるので、これが周波数特性の推定値として外部記憶装
置26にデータ伝送され、この外部記憶装置26により
被測定物1の各種データとともにデータファイル等とし
て保存される。
【0051】本実施の形態の放射評価装置21は、上述
のように被測定物1の通電ケーブル3から放射される電
磁波の電界強度の推定値を、特性近似線を利用した簡単
な演算処理で算出でき、処理の負担が過大で時間を要す
る模擬実験を実行する必要がないので、処理の負担を軽
減して時間を短縮することができる。
【0052】本実施の形態の放射評価装置21は、被測
定物1の通電ケーブル3のみを評価対象とするので、特
別に通電ケーブル3からの放射が支配的な場合では、大
部分の周波数領域Rbに対して規制により定められた測定
方法の結果と数デシベルで一致することを確認できた。
本実施の形態の放射評価装置21による放射評価方法で
は、通常のEMCテストサイトでの測定誤差±4デシベ
ルと比較して評価結果が数デシベルの範囲となることが
確認されたので、これは簡易的な評価方法として容認す
ることができる。
【0053】なお、本実施の形態の放射評価装置21で
は、上述のように通電ケーブル3から放射される電磁波
の電界強度の推定値を特性近似線を利用して算出するの
で、推定値の精度は特性近似線に依存することになる。
ここで、放射評価装置21に特性近似線を適正に設定す
る手順を以下に説明する。
【0054】まず、最大の電磁波を放射する電流分布を
通電ケーブル3上に仮定し、通電ケーブル3が床面に対
して垂直な鉛直区間と平行な水平区間に分け、これらの
区間から放射される電磁波の電界強度の周波数特性を模
擬実験により各々計算すると、それぞれ図4および図5
のようになる。水平偏波でのスペクトル波形は複雑では
ないが、垂直偏波でのスペクトル波形は複雑であり、こ
れを算出する模擬実験は処理の負担が過大で多大な時間
が必要である。
【0055】そこで、本実施の形態の放射評価装置21
では、図示するように、模擬実験での算出結果に対応し
て、これを単純な二本の直線で上回るように特性近似線
が設定されている。なお、模擬実験での算出結果は通電
ケーブル3の電流分布にも依存して変化するので、本実
施の形態の放射評価装置21では、複数の電流分布も考
慮して特性近似線が設定されている。
【0056】ここで、通電ケーブル3上に仮定した各種
の電流分布を説明するため、300MHzと1GHzの
2つの周波数での電流分布を図6に例示する。これらの
電流分布は、最大値を同一としており、電流値としては
1μAを想定している。
【0057】同図(a)の電流分布では、通電ケーブル3
の中央に電流定在波の最大値が存在しており、同図(b)
の電流分布では、通電ケーブル3の中央に電流定在波の
最小値が存在している。同図(c),(d)の電流分布は、
進行波電流を示しており、同図(e)の電流分布では、通
電ケーブル3の一方の端に電流定在波の最大値が存在
し、同図(f)の電流分布では、通電ケーブル3の一方の
端に電流定在波の最小値が存在している。
【0058】これらの電流分布に対して放射される電磁
波を模擬実験により計算すると、図7に示すような放射
特性が得られる。ここで、同図の放射特性(a)〜(f)は
図6(a)〜(f)の電流分布に個々に対応している。そし
て、図7に示すように、本実施の形態の放射評価装置1
では、上述のような各種の電流分布での模擬実験の算出
結果の全部を上回るように、電流最大値−放射最大値の
特性近似線が二本の直線部分で設定されている。
【0059】このため、本実施の形態の放射評価装置1
は、特性近似線を利用した簡単な演算処理により、模擬
実験での算出結果を上回るように電磁波の電界強度の推
定値を算出することができる。特に、特性近似線は二本
の直線部分で設定されているので、その構造が単純で演
算処理が簡単である。
【0060】なお、本発明は上記形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許
容する。例えば、上記形態では通電ケーブル3の適当な
位置に電流プローブ22を装着して電磁波の電界強度の
推定値を算出することを想定したが、前述のように通電
ケーブル3は位置により電流部分に偏差が存在する。
【0061】そこで、放射評価装置1を使用した放射評
価方法として、図8に示すように、レシーバ22である
スペクトラムアナライザの動作モードをマックスホール
ドモードに設定してから、電流プローブ22を対象の通
電ケーブル3に沿って走査させ、電流プローブ22の出
力電圧の最大値をレシーバ23にホールドさせることが
好ましい。
【0062】この場合、通電ケーブル3が長くとも放射
する電磁波が最大の部分の検波結果がレシーバ23にホ
ールドされるので、通電ケーブル3が放射する最大の電
磁波の推定値を算出することができる。このとき、ホー
ルドされる同相電流の最大値Imaxの単位が“dBμA”
で、電流最大値−放射最大値の特性近似線より得られる
値F(freq)の単位が“dBμV/m,μA”なので、Imaxと
F(freq)とを加算すれば最大の電界強度の推定値Emax
(単位は“dBμV/m”)が算出される。
【0063】また、上記形態ではRAM104等にソフ
トウェアとして格納されている制御プログラムに従って
CPU101が動作することにより、放射評価装置21
の各種手段が実現されることを例示した。しかし、この
ような各種手段の各々を固有のハードウェアとして形成
することも可能であり、一部をソフトウェアとしてRA
M104等に格納するとともに一部をハードウェアとし
て形成することも可能である。
【0064】また、上記形態ではコンピュータシステム
2の起動時にHDD105に事前に格納されているソフ
トウェアがRAM104に複写され、このようにRAM
104に格納されたソフトウェアをCPU101が読み
取ることを想定したが、このようなソフトウェアをHD
D105に格納したままCPU101に利用させること
や、ROM103に事前に固定的に格納しておくことも
可能である。
【0065】さらに、単体で取り扱える情報記憶媒体で
あるFD106やCD−ROM108等にソフトウェア
を格納しておき、このFD106等からRAM104等
にソフトウェアをインストールすることも可能である
が、このようなインストールを実行することなくFD1
06等からCPU101がソフトウェアを直接に読み取
って処理動作を実行することも可能である。
【0066】つまり、本発明の放射評価装置21の各種
手段をソフトウェアにより実現する場合、そのソフトウ
ェアはCPU101が読み取って対応する動作を実行で
きる状態に有れば良い。また、上述のような各種手段を
実現する制御プログラムを、複数のソフトウェアの組み
合わせで形成することも可能であり、その場合、単体の
製品となる情報記憶媒体には、本発明の放射評価装置2
1を実現するための必要最小限のソフトウェアのみを格
納しておけば良い。
【0067】例えば、既存のオペレーティングシステム
が実装されているコンピュータシステム2に、CD−R
OM108等の情報記憶媒体によりアプリケーションソ
フトを提供するような場合、本発明の放射評価装置21
の各種手段を実現するソフトウェアは、アプリケーショ
ンソフトとオペレーティングシステムとの組み合わせで
実現されるので、オペレーティングシステムに依存する
部分のソフトウェアは情報記憶媒体のアプリケーション
ソフトから省略することができる。
【0068】また、このように情報記憶媒体に記述した
ソフトウェアをCPU101に供給する手法は、その情
報記憶媒体をコンピュータシステム2に直接に装填する
ことに限定されない。例えば、上述のようなソフトウェ
アをホストコンピュータの情報記憶媒体に格納してお
き、このホストコンピュータを通信ネットワークで端末
コンピュータに接続し、ホストコンピュータから端末コ
ンピュータにデータ通信でソフトウェアを供給すること
も可能である。
【0069】上述のような場合、端末コンピュータが
の情報記憶媒体にソフトウェアをダウンロードした状
態でスタンドアロンの処理動作を実行することも可能で
あるが、ソフトウェアをダウンロードすることなくホス
トコンピュータとのリアルタイムのデータ通信により処
理動作を実行することも可能である。この場合、ホスト
コンピュータと端末コンピュータとを通信ネットワーク
で接続したシステム全体が、本発明の放射評価装置21
に相当することになる。
【0070】また、上記形態では通電ケーブル3から放
射される電磁波の電界強度の推定値を、特性近似線を利
用した演算処理により算出することを例示したが、実際
製品では構造が複雑で装置本体2からの放射分を無視す
ることはできず、図9に示すように、特定の周波数領域
Rcで前述の特性近似線による評価結果が、規制に定める
測定値を大幅に下回ることもある。
【0071】このような場合、前述した特性近似線の数
式(1)〜(4)に、さらに補正項を付加して算出される推定
値を補正することが好ましい。このように補正項を設定
した放射評価装置を、本発明の実施の第二の形態として
図10ないし図12に基づいて以下に説明する。
【0072】なお、この実施の第二の形態に関して上述
した実施の第一の形態と同一の部分は、同一の名称およ
び符号を使用して詳細な説明は省略する。図10は放射
評価装置を示す模式図、図11は補正項の有無による特
性近似線の相違を示す特性図、図12は放射評価方法を
示す模式的なフローチャートである。
【0073】本実施の形態の放射評価装置31は、ハー
ドウェアの構成は前述した放射評価装置21と同一であ
り、この放射評価装置21とはデータ処理装置24に設
定されているソフトウェアの内容が相違している。
【0074】つまり、外部記憶装置26には、算出した
電磁波の電界強度の推定値が格納されているデータベー
ス32の他、規制のテストサイトによる電界強度の正式
な測定値のデータベース33と、各種の補正項のデータ
ベース34〜36とが、データファイル等のソフトウェ
アで格納されている。
【0075】前記データベース34〜36に格納された
補正項は、特性近似線を利用した演算処理の数式に付加
する係数などとして設定されており、被測定物1が放射
する電磁波に関連する各種の要因に基づいて設定されて
いる。このため、前記データベース34〜36には、製
品群毎の放射特性を反映させた補正項、通電ケーブル3
の配置等による放射特性の相違を反映させた補正項、正
式な評価に使用するEMCテストサイトの測定の特性を
反映させた補正項、等が各々のパラメータを検索キーと
して設定されている。
【0076】中央処理装置25には、算出する電磁波の
電界強度の補正値を補正項により補正するための制御プ
ログラムと、算出した補正値と正式な測定値とを比較し
て補正項を更新するための制御プログラムとが、RAM
104等にソフトウェアとして格納されている。
【0077】より詳細には、中央処理装置25は、通電
ケーブル3が放射する電磁波の電界強度の推定値を算出
するときに補正項により補正するため、検索入力手段、
補正項検索手段、結果補正手段、等を論理的に具備して
いる。前記検索入力手段は、キーボード110等による
補正項の検索キーの入力を受け付け、前記補正項検索手
段は、入力された検索キーにより適正な補正項を前記デ
ータベース34〜36から検索し、前記結果補正手段
は、算出される電界強度の推定値を補正項により補正す
る。
【0078】また、中央処理装置25は、上述のように
算出した補正値と正式な測定値とを比較して補正項を更
新するため、結果入力手段、結果登録手段、補正算出手
段、補正更新手段、等も論理的に具備している。前記結
果入力手段は、通電ケーブル3が放射する電磁波の規制
のテストサイトによる正式な測定値のキーボード110
等による入力を受け付け、前記結果登録手段は、入力さ
れた正式な測定値を通電ケーブル3の識別データ等の検
索キーとともに前記データベース33に格納する。
【0079】前記補正算出手段は、前記データベース3
3に登録された正式な測定値と、補正項を利用して特性
近似線により算出されて前記データベース32に登録さ
れた推定値とを比較し、その差分が減少するように補正
項を修正する。前記補正更新手段は、修正された補正項
により前記データベース34〜36に登録されている補
正項を更新する。
【0080】上述のような構成において、本実施の形態
の放射評価装置31の放射評価方法を、図12の模式的
なフローチャートを利用して以下に順次説明する。ま
ず、放射電力測定と補正項更新とを選択するためのガイ
ダンスメッセージが中央処理装置25のディスプレイ1
12に表示出力されるので、ユーザはキーボード110
等の入力操作により所望の処理を選択する(ステップS
1)。
【0081】例えば、放射電力測定が選択されると、通
電ケーブル3の放射電磁波の測定モードが開始され(ス
テップS2)、想定規制/規格確認と通電ケーブル3の
状態要求とのガイダンスメッセージがディスプレイ11
2に表示出力されるので(ステップS3,S4)、ユーザ
はキーボード110等により適正なパラメータを入力操
作する。
【0082】このような状態で、通電ケーブル3が放射
する電磁波を測定する処理動作が実行され、その電界強
度の推定値を算出できる状態となる(ステップS5)。こ
こで、前述の想定規制、規格、通電ケーブル3の状態、
等のパラメータを検索キーとしてデータベース34〜3
6から補正項が検索され(ステップS6)、この補正項を
利用して特性近似線により電界強度の推定値が算出され
る(ステップS7)。
【0083】この補正項を利用した特性近似線での演算
処理は、図11に示すように、ここでは補正項を加算し
た特性近似線で電界強度の推定値を算出することとして
実行される。上述のような推定値の算出が通電ケーブル
3の全部の区間で実行され(ステップS8)、最大の推定
値が選択されてデータベース32に格納されるとともに
(ステップS9)、ディスプレイ112に表示出力され
る。
【0084】一方、最初に放射電力測定でなく補正項更
新が選択されると(ステップS1)、この補正項更新の処
理モードが開始され、通電ケーブル3から放射される電
磁波の電界強度の推定値のID(Identity)番号の入力
要求のガイダンスメッセージがディスプレイ112に表
示出力されるので(ステップS12)、ユーザはキーボー
ド110等により適正なID番号を入力操作する。
【0085】このID番号の正否が照合され(ステップ
S13)、正規のID番号であることが確認されると、
推定値に対応する正式な測定値の入力要求のガイダンス
メッセージがディスプレイ112に表示出力されるので
(ステップS13)、ユーザはキーボード110等により
正式な測定値を入力操作する。このように入力操作され
た正式な測定値はデータベース33に登録され(ステッ
プS14)、ID番号によりデータベース32から検索
された推定値と比較されてデータベース34〜36の補
正項が修正される(ステップS15)。
【0086】本実施の形態の放射評価装置31では、上
述のように通電ケーブル3から放射される電磁波の電界
強度の推定値を特性近似線により算出するとき、これを
補正項により補正して良好な精度で算出することができ
る。しかも、最新の正式な測定値に基づいて補正項を修
正することができるので、電磁波の電界強度の推定値の
精度を向上させることができる。
【0087】なお、本発明も上記形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許
容する。例えば、上記形態では一個のデータ処理装置2
4が一個の中央処理装置25および一個の外部記憶装置
26からなることを例示したが、このようなデータ処理
装置をクライアントサーバシステムとすることも可能で
ある。
【0088】このような放射評価装置41を図13およ
び図14を参照して以下に簡単に説明する。なお、図1
3は放射評価装置を示す模式図、図14は放射評価方法
を示す模式的なフローチャートである。この放射評価装
置41では、図13に示すように、一個の外部記憶装置
26がサーバユニット42に接続されてデータベースサ
ーバ43が形成されており、このデータベースサーバ4
3に通信ネットワーク44により複数の中央処理装置2
5がクライアントとして接続されている。
【0089】上述のような放射評価装置41では、複数
の中央処理装置25が一個の外部記憶装置26のデータ
ベース32〜36を共用するので、システム全体での各
種データの利用効率が高い。特に、図14に示すよう
に、一個の中央処理装置25が補正項を修正すれば、こ
の修正された最新の補正項を他の中央処理装置25が推
定値の算出に利用するので、システム全体で効率良く作
業を実行することができる。
【0090】なお、上述のように一個のデータベースサ
ーバ43を複数の中央処理装置25で共用すると、一個
の中央処理装置25によりデータベースサーバ43の登
録データが適正でない状態に更新されると、他の中央処
理装置25でのデータ処理に悪影響が発生する。これが
問題となる場合には、図15に示すように、中央処理装
置25の使用者の各々に使用者IDを重複なく配付し、
測定日時と使用者IDで生成される完全にユニークなI
D番号を推定値に割り振ることが好ましい。
【0091】この場合、データベースサーバ43におけ
る、データ更新の衝突事故を回避することができ、複数
の使用者による同時使用は、通信ネットワーク44とデ
ータベースサーバ43との容量のみに依存して可能とな
る。
【0092】また、上述のように一個のデータベースサ
ーバ43を複数の中央処理装置25で共用すると、情報
漏洩の防止対策も重要となるので、図16に示すよう
に、中央処理装置25のユーザにID番号とパスワード
との入力を実行させ、不正な利用者を排除することが好
ましい。
【0093】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような効果を奏する。
【0094】請求項1記載の発明の放射評価装置は、評
価対象となる通電ケーブルに流れる同相電流を測定する
電流プローブと、該電流プローブの出力電圧を検波する
レシーバと、該レシーバの検波結果と事前に設定されて
いる特性近似線とに基づいた演算処理により前記通電ケ
ーブルが放射する電磁波の電界強度の推定値を算出する
データ処理装置と、を具備しており、 前記特性近似線
は、常用対数目盛で表示された電磁波の周波数と電界強
度の変換係数との関係として設定されており、低い周波
数領域では周波数によって変換係数が単純増加する直線
状の第一部分と、高い周波数領域では周波数によらず変
換係数が一定値となる直線状の第二部分と、を具備して
おり、 前記データ処理装置は、前記レシーバの検波結果
から前記通電ケーブルに流れる同相電流値を算出し、こ
の同相電流値に特性近似線から周波数毎に獲得される変
換係数を加算して電磁波の電界強度に換算し、 前記デー
タ処理装置は、各種の補正項が事前に登録されたデータ
ベースサーバと、補正項を利用して電磁波の電界強度の
推定値を算出するクライアントと、を具備しており、推
定する電磁波の電界強度を補正項により補正することに
より、通電ケーブルから放射される電磁波の電界強度の
推定値を簡単な演算処理で算出することができ、処理の
負担が過大で多大な時間が必要な模擬実験を実行する必
要がないので、処理の負担を軽減して速度を向上させる
ことができ、特性近似線を簡単な数式で設定しておくこ
とができ、これを利用した演算処理の負担を軽減するこ
とができ、補正項により推定値を補正して精度を向上さ
せることができ、クライアントサーバシステムとしてデ
ータベースサーバに登録された補正項を複数のクライア
ントで共用することができ、システム全体で各種データ
の利用効率を向上させることができる。
【0095】
【0096】
【0097】請求項2記載の発明は、請求項1記載の放
射評価装置であって、特性近似線は、通電ケーブルの区
間長と電界強度の観測距離とがパラメータとして設定さ
れていることにより、多様な通電ケーブルの区間長や電
界強度の観測距離に対応して電磁波の電界強度の推定値
を算出することができる。
【0098】請求項3記載の発明は、請求項1記載の放
射評価装置であって、特性近似線は、事前に模擬実験に
より算出された複数種類の電界強度の特性曲線に対応し
て設定されていることにより、模擬実験を実行しなくと
も模擬実験の算出結果を下回ることがない推定値を算出
することができる。
【0099】
【0100】
【0101】請求項4記載の発明は、請求項1記載の放
射評価装置であって、データ処理装置は、通電ケーブル
が放射する電磁波の正式な測定値の入力を受け付け、電
磁波の推定値を測定値と比較して補正項を更新すること
により、正式な測定値に基づいて補正項を更新すること
ができるので、補正項を利用した推定値の精度を向上さ
せることができる。
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第一の形態の放射評価装置の全
体構造を示す模式図である。
【図2】中央処理装置の物理的構造を示すブロック図で
ある。
【図3】通電ケーブルの区間長をパラメータとする複数
の特性近似線を示す特性図である。
【図4】水平偏波での模擬実験の計算値と特性近似線と
の関係を示す特性図である。
【図5】垂直偏波での模擬実験の計算値と特性近似線と
の関係を示す特性図である。
【図6】通電ケーブルの各種の電流分布を示す特性図で
ある。
【図7】電界強度に換算した電流分布と特性近似線との
関係を示す特性図である。
【図8】放射評価方法を示す模式的なフローチャートで
ある。
【図9】本発明と従来例との計算結果の関係を示す特性
図である。
【図10】本発明の実施の第二の形態の放射評価装置を
示す模式図である。
【図11】補正項の有無による特性近似線の相違を示す
特性図である。
【図12】放射評価方法を示す模式的なフローチャート
である。
【図13】本発明の実施の第三の形態の放射評価装置を
示す模式図である。
【図14】放射評価方法を示す模式的なフローチャート
である。
【図15】一変形例の放射評価装置を示す模式図であ
る。
【図16】放射評価方法を示す模式的なフローチャート
である。
【図17】一従来例の放射測定装置を示す斜視図であ
る。
【図18】従来のオープンサイトを示す模式図である。
【図19】従来の電波半無響室を示す模式図である。
【符号の説明】
1 被測定物 2 装置本体 3 通電ケーブル 11 回転台 12 支持台 13 受信アンテナ 14 テーブル 15 オープンサイト 16 電波半無響室 21 放射評価装置 22 電流プローブ 23 レシーバ 24 データ処理装置 25 クライアントでもある中央処理装置 26 外部記憶装置 31 放射評価装置 32〜36 データベース 41 放射評価装置 42 サーバユニット 43 データベースサーバ 44 通信ネットワーク 101 コンピュータであるCPU 102 バスライン 103 情報記憶媒体であるROM 104 情報記憶媒体であるRAM 105 情報記憶媒体であるHDD 106 情報記憶媒体であるFD 107 FDD 108 情報記憶媒体であるCD−ROM 109 CDドライブ 110 キーボード 111 マウス 112 ディスプレイ 113 通信I/F 114 接続コネクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 29/08 JICSTファイル(JOIS)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 評価対象となる通電ケーブルに流れる同
    相電流を測定する電流プローブと、 該電流プローブの出力電圧を検波するレシーバと、 該レシーバの検波結果と事前に設定されている特性近似
    線とに基づいた演算処理により前記通電ケーブルが放射
    する電磁波の電界強度の推定値を算出するデータ処理装
    置と、 を具備しており、 前記特性近似線は、常用対数目盛で表示された電磁波の
    周波数と電界強度の変換係数との関係として設定されて
    おり、低い周波数領域では周波数によって変換係数が単
    純増加する直線状の第一部分と、高い周波数領域では周
    波数によらず変換係数が一定値となる直線状の第二部分
    と、を具備しており、 前記データ処理装置は、前記レシーバの検波結果から前
    記通電ケーブルに流れる同相電流値を算出し、この同相
    電流値に特性近似線から周波数毎に獲得される変換係数
    を加算して電磁波の電界強度に換算し、 前記データ処理装置は、各種の補正項が事前に登録され
    たデータベースサーバと、補正項を利用して電磁波の電
    界強度の推定値を算出するクライアントと、 を具備しており、推定する電磁波の電界強度を補正項に
    より補正する、 ことを特徴とする放射評価装置。
  2. 【請求項2】 特性近似線は、通電ケーブルの区間長と
    電界強度の観測距離とがパラメータとして設定されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の放射評価装置。
  3. 【請求項3】 特性近似線は、事前に模擬実験により算
    出された複数種類の電界強度の特性曲線に対応して設定
    されていることを特徴とする請求項1記載の放射評価装
    置。
  4. 【請求項4】 データ処理装置は、通電ケーブルが放射
    する電磁波の正式な測定値の入力を受け付け、電磁波の
    推定値を測定値と比較して補正項を更新することを特徴
    とする請求項1記載の放射評価装置。
  5. 【請求項5】 補正項は、特性近似線を利用した演算処
    理の数式に付加する 係数として設定されていることを特
    徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の放射評
    価装置。
  6. 【請求項6】 通電ケーブルの製品群毎の放射特性を反
    映した補正項が設定されていることを特徴とする請求項
    5記載の放射評価装置。
  7. 【請求項7】 通電ケーブルの配置等による放射特性の
    相違を反映した補正項が設定されていることを特徴とす
    る請求項5または6記載の放射評価装置。
  8. 【請求項8】 正式な評価に使用するEMCテストサイ
    トの測定の特性を反映した補正項が設定されていること
    を特徴とする請求項5ないし7の何れか一項に記載の放
    射評価装置。
  9. 【請求項9】 各種の補正項に各々のパラメータが検索
    キーとして設定されていることを特徴とする請求項1な
    いし8の何れか一項に記載の放射評価装置。
  10. 【請求項10】 補正項の検索キーの入力を受け付ける
    検索入力手段と、 入力された検索キーにより適正な補正項を検索する補正
    項検索手段と、 も具備していることを特徴とする請求項9記載の放射評
    価装置。
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