JP3214287B2 - 除塵除砂方法 - Google Patents

除塵除砂方法

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JP3214287B2 JP06846495A JP6846495A JP3214287B2 JP 3214287 B2 JP3214287 B2 JP 3214287B2 JP 06846495 A JP06846495 A JP 06846495A JP 6846495 A JP6846495 A JP 6846495A JP 3214287 B2 JP3214287 B2 JP 3214287B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は下水道等の水路に浮遊す
る塵芥、及びし渣、沈砂等を除去する除塵除砂方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の水路内の塵芥、し渣、沈砂等を除
去する除塵除砂方法としては、特開昭62−20481
0号公報に記載されている様な従来技術があった。
【0003】図5はこのような従来技術の例を示した図
である。図5において、4は吐出管、6は貯留ホッパ
ー、7は分離水配管、10はスクリーン、12は駆動水水
槽、16は揚砂用ジェットポンプ、18は駆動水、21は駆動
水用ポンプ、23は沈砂、24は吸込管、41は沈砂池、42は
サイクロン、43は固形物の排出口、44はスクリューコン
ベア、45は戻し管、46はストレーナ、47は越流トラフ、
48は施設外部からの供給水である。施設外からの供給水
48を駆動水水槽12に供給し、揚砂用ジェットポンプ16の
駆動に必要な必要量溜まったところで水の供給を停止し
た後、駆動水ポンプ21を駆動させ、揚砂用ジェットポン
プ16により吸込管24内に駆動水を噴射させることによ
り、この吸込管まわりの沈砂23および水を吐出管4より
サイクロン42へ送る。サイクロン42で砂やし渣などの固
形物と水を分離し、水分を含んだ固形物は排出口43より
スクリューコンベア44に送られ、固形物が貯溜ホッパー
6に送られ、分離された水が戻し管45より沈砂池41に送
られる。一方、分離水は分離水配管7より、ストレーナ
46に送られる。ストレーナ46はサイクロン42で分離しき
れなかった固形物と水を除去するため、越流トラフ47と
スクリーン10を有している。ここで固形物が除去された
水は駆動水水槽12に溜められた後、循環再利用される。
この循環される水の一部は、スクリューコンベア44やス
トレーナ46において固形物とともに排出されるため、こ
の排出減少分に対応した量の水を、施設外の供給水48よ
り水タンク内に補給する。
【0004】また、特開平4−254609号公報に記
載されている様な技術として、掻揚機を用いて、水路中
のし渣等を、流水トラフ、破砕機、ジェットポンプを介
して移送する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来技術には以下の様な問題点があった。
【0006】特開昭62−204810号公報に記載さ
れている様な従来技術においては、分離水を循環利用し
ているが、施設外部からの供給水を必要としており、そ
のための配管等の設備が必要であった。また、固液分離
装置が大型化する欠点があった。
【0007】また、特開平4−254609号公報に記
載されている様な技術においては、流水トラフ供給水お
よびジェットポンプ駆動水を多量に必要としていた。
【0008】本発明は、施設外からのジェットポンプ駆
動水および流水トラフ供給水の供給を全く必要としない
完全自給システムにより、水路内の塵芥、し渣、沈砂等
を除去する除塵除砂方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は以下の手段に
より解決される。 水路内に設けた吸込管内に、ジェットポンプにより
水を噴射し、塵芥、し渣、及び沈砂等を吸込管から吸い
上げて除去する除塵除砂方法において、水路内に設けた
給水ポンプからの揚水を固液分離機に通した後、駆動水
水槽に溜めて揚砂用ジェットポンプの駆動水とし、駆動
水ポンプによって、揚砂用ジェットポンプを駆動させ、
揚砂用ジェットポンプ駆動後は吸込管より砂等の混入し
た水を前記固液分離機に通して、砂等と水を分離し、分
離された分離水を前記駆動水水槽に溜め、前記分離水を
揚砂用ジェットポンプにより循環再利用する一方、水路
内に設けた給水ポンプからの揚水を前記固液分離機に通
した後、前記駆動水水槽に溜めてし渣汲み上げ用ジェッ
トポンプの駆動水とし、駆動水ポンプによって、し渣汲
み上げ用ジェットポンプを駆動させるとともに掻揚機を
作動させ、し渣汲み上げ用ジェットポンプ駆動後は吸込
管よりし渣等の混入した水を前記固液分離機に通して、
し渣等と水を分離し、分離された分離水を、掻揚機によ
り掻き揚げられたし渣等の搬送水として使用して水槽に
溜めた後、固液分離した分離水を駆動水水槽に溜め、前
記分離水をし渣汲み上げ用ジェットポンプにより循環再
利用することを特徴とする除塵除砂方法。
【0010】 に記載された除塵除砂方法におい
て、固液分離機としてスクリーン目幅 0.5mm以下の内樋
式回転スクリーンを用いることを特徴とする除塵除砂方
法。
【0011】 またはに記載された除塵除砂方法
において、前記駆動水水槽、分離水の受け槽、掻揚機の
流水トラフの一部または全部を床下に設けて使用するこ
とを特徴とする除塵除砂方法。
【0012】
【作用】上記構成によれば、水路内に設置した給水ポン
プにて固液分離装置まで揚水し、揚水中の固形物を除去
し、固形物は貯溜ホッパーへ排出し、分離水は受け槽を
介して駆動水水槽へ導入するため、ジェットポンプの駆
動水を外部からの供給水を必要とせずに確保でき、ジェ
ットポンプの運転中にも分離水が常に駆動水水槽に補給
されるので、これまで外部から多量に用いていた駆動水
を自給することができる。さらに、揚砂用ジェットポン
プ運転終了後に溜まった駆動水をそのまま、し渣汲み上
げ用ジェットポンプに使用できるので、切換時の駆動水
の無駄がない。
【0013】また、掻揚機を運転させた場合に、分離水
を掻揚機により掻き揚げられた、し渣等の搬送水として
使用することができるので、これまで外部から多量に用
いていた搬送水を自給することができ、この為の供給水
を不要とすることが可能になる。
【0014】以上のことから、従来多量に必要としてい
たジェットポンプの駆動水およびし渣等の搬送水を外部
からの供給にたよることなく、完全自給システムの構築
が達成される。
【0015】さらに給水ポンプは、駆動水水槽への初回
充満迄の運転で済み、その揚水量も小容量とすることが
できるため、運転費、設備費の低減が図れる。また水槽
容量は、循環利用しない方式での不具合等による余裕容
量を考慮しないで済み、かつ確実に返流されるため、水
槽容量を小さくでき、配置スペースを最小限とすること
ができる。
【0016】従来の固液分離装置は、し渣の分離能力が
高い平板式スクリーンまたは縦型回転ドラムスクリーン
か、砂の分離能力の高いサイクロンまたはその類似品で
あり、し渣も砂も両方分離するには、平板式スクリーン
または縦型回転ドラムスクリーンとサイクロンまたはそ
の類似品の両方を用いねばならなかったが、本発明によ
る目幅 0.5mm以下の内樋式回転スクリーンを用いること
により、1台の固液分離機により、し渣も砂も両方分離
することが可能になる。このため、設備費、設置スペー
スが1台分ですみ、経済的効果が大きい。ここで、目幅
が 0.5mmを超えると、分離能力が悪くなる。
【0017】さらに床下部に受け槽、駆動水水槽、流水
トラフ等を配置することにより、床上部空間を広く利用
することができ、破砕機、ピット、機器、点検等の配置
スペースが確保され、作業環境の改善に効果がある。
【0018】
【実施例】本発明の実施例を図面にもとづいて説明す
る。
【0019】図1は本発明の実施例を示した図である。
以下の図において図5と同一部分については同一符号を
付し、説明を省略する。図1において、1は水路、2は
給水ポンプ、3は揚水管、5は固液分離機、8は流水ト
ラフ、9は受け槽、11は連通管、13、14、15、19、20は
切換弁、17はし渣汲み上げ用ジェットポンプ、22は沈砂
ピット、36は破砕機、37は掻揚機である。ここで、掻揚
機37を流れる水は図の手前から奥へ流れ、ジェットポン
プ16を流れる水は図の左から右へ流れている。
【0020】図1において、揚砂用ジェットポンプ16を
用いる場合には以下の様になる。まず切換弁13を開、切
換弁14、15、19、20を閉とし、水路1の中に設置した給
水ポンプ2により、水路内の水を揚水し、揚水管3、吐
出管4を経て、固液分離機5へ送る。ここで揚水中に含
まれる固形物を分離除去し、固形物は貯溜ホッパー6へ
排出し、分離水は分離水配管7、流水トラフ8、受け槽
9、連通管11を介して駆動水水槽12へ送られる。駆動水
水槽12に揚砂用ジェットポンプ16の運転に必要な駆動水
18が確保されれば、給水ポンプ2の運転を停止し、切換
弁13を閉、切換弁14、19を開とする。駆動水ポンプ21を
運転し、駆動水18を揚砂用ジェットポンプ16に投入する
際に発生する負圧吸引作用により、沈砂ピット22に堆積
した沈砂23を水路1の中の水と共に吸込管24より吸い上
げ、吐出管4を通して固液分離機5へ送る。固液分離機
5において揚水中の砂等を分離除去し、分離水のみ回収
し駆動水水槽12へ循環させ再利用する。
【0021】また掻揚機を作動させ、し渣汲み上げ用ジ
ェットポンプ17を使用する場合には以下の様になる。ま
ず切換弁13を開、切換弁14、15、19、20を閉とし、水路
1の中に設置した給水ポンプ2により、水路内の水を揚
水し、揚水管3、吐出管4を経て、固液分離機5へ送
る。ここで揚水中に含まれる固形物を分離除去し、固形
物は貯溜ホッパー6へ排出し、分離水は分離水配管7、
流水トラフ8、受け槽9、連通管11を介して駆動水水槽
12へ送られる。駆動水水槽12にし渣汲み上げ用ジェット
ポンプ17の運転に必要な駆動水18が確保されれば、給水
ポンプ2の運転を停止し、切換弁13を閉、切換弁15、20
を開とする。駆動水ポンプ21を運転し、駆動水18をし渣
汲み上げ用ジェットポンプ17に投入する際に発生する負
圧吸引作用により、掻揚機37により掻き揚げられたし渣
等が堆積した受け槽9の水を吸込管24より吸い上げ、吐
出管4を通して固液分離機5へ送る。固液分離機5にお
いて、揚水中のし渣等を分離除去し、分離水のみ回収
し、分離水配管7、流水トラフ8、受け槽9、スクリー
ン10、連通管11を介し、駆動水水槽12へ循環させ、分離
水を再利用する。ここでは、固液分離後の分離水は掻揚
機37にて掻揚げられた、し渣等の搬送水として利用され
ている。また、し渣汲み上げ用ジェットポンプ17にて搬
送可能な、し渣等の場合には、破砕機36は一連のシステ
ムから除外、又は一時回避可能な取付構造とすることが
できる。
【0022】これにより施設外からの供給水を全く必要
としない完全自給式システムが構築される。
【0023】図1において、揚水管3と吐出管4を合流
させ兼用しているが、各々単独に配管し、切換弁13を不
要とすることも可能である。この場合には、給水ポンプ
2の運転と揚砂用ジェットポンプ16またはし渣汲み上げ
用ジェットポンプ17の運転を各々単独に運転することが
できる。
【0024】図2は図1の実施例において、流水トラフ
を床下部に配置した実施例を示した図であり、図3はそ
の側面図を示した図である。ここでは流水トラフ8は耐
蝕性の高い材料等で製作してあり、維持管理がほとんど
必要とされないため、床下部に配置でき、図1における
実施例よりも、更に全体の維持管理性、床上部空間の有
効活用が図れる。
【0025】図4は本発明において、受け槽と駆動水水
槽を一体化した実施例を示した図である。図4におい
て、29は仕切板、30は供給ポンプ、31は流水トラフ供給
管、32は流水トラフ専用供給水、34は蓋、35は水槽支持
架台である。受け槽9と駆動水水槽12を中間部にスクリ
ーン10を付属する仕切板29を介して一体化している。ま
た、駆動水水槽12の中に別途流水トラフ専用の供給ポン
プ30を設置し、流水トラフ供給管31を経て流水トラフ専
用供給水32を図1の分離水配管7を通して、流水トラフ
8に投入することもできる。
【0026】表1は各種スクリーンを用いた場合におけ
る、固液分離機の入口と出口の排水における、砂とし渣
の含有率を比較した結果を示す表であり、出口排水の砂
とし渣の含有率が小さい程分離能力が高い。
【0027】
【表1】
【0028】従来用いられていた平板式スクリーンで
は、し渣の分離能力は高いが、砂の分離能力が劣ってい
る。また同じく従来用いられていたサイクロンでは、逆
に砂の分離能力は高いが、し渣の分離能力が劣ってい
る。これに対して本発明による目幅 0.5mmの以下の内樋
式回転スクリーンを用いた場合には、砂とし渣の両方の
分離能力が高く、砂はサイクロン並、し渣は平板式スク
リーン並の分離能力が得られている。このことから、本
発明の目幅 0.5mmの以下の内樋式回転スクリーンを用い
る事により、砂とし渣を効率よく処理できることが判明
した。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば水路内の
滞留水を給水ポンプにより揚水し、固液分離機を経由し
た分離水のみを回収し、これをジェットポンプの駆動水
として、また一部は掻揚機における沈砂等の搬送水とし
て、循環再利用するため、施設外部からの多量の供給水
が全く不要となる。また目幅 0.5mm以下の内樋式回転ス
クリーンを用いることにより、し渣と砂を同時に処理可
能にすることができ、設備がコンパクト化、低コスト化
し、駆動水水槽充満後は駆動水を循環利用するため、給
水ポンプの運転が不要となり電気代コストが削減され
る。さらに床下部に受け槽、駆動水水槽、流水トラフ等
を配置することにより、床上部空間を広く利用すること
ができ、作業環境の改善に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示した図。
【図2】本発明の図1とは異なる実施例を示した図。
【図3】図2における側面図を示した図。
【図4】本発明の図1〜図3とは異なる実施例を示した
図。
【図5】従来技術の例を示した図。
【符号の説明】
1 水路 2 給水ポンプ 3 揚水管 4 吐出管 5 固液分離機 8 流水トラフ 12 駆動水水槽 13、14、19、20 切換弁 16 揚砂用ジェットポンプ 17 し渣汲み上げ用ジェットポンプ 18 駆動水 21 駆動水ポンプ 23 沈砂 37 掻揚機

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水路内に設けた吸込管内に、ジェットポ
    ンプにより水を噴射し、塵芥、し渣、及び沈砂等を吸込
    管から吸い上げて除去する除塵除砂方法において、水路
    内に設けた給水ポンプからの揚水を固液分離機に通した
    後、駆動水水槽に溜めて揚砂用ジェットポンプの駆動水
    とし、駆動水ポンプによって、揚砂用ジェットポンプを
    駆動させ、揚砂用ジェットポンプ駆動後は吸込管より砂
    等の混入した水を前記固液分離機に通して、砂等と水を
    分離し、分離された分離水を前記駆動水水槽に溜め、前
    記分離水を揚砂用ジェットポンプにより循環再利用する
    一方、水路内に設けた給水ポンプからの揚水を前記固液
    分離機に通した後、前記駆動水水槽に溜めてし渣汲み上
    げ用ジェットポンプの駆動水とし、駆動水ポンプによっ
    て、し渣汲み上げ用ジェットポンプを駆動させるととも
    に掻揚機を作動させ、し渣汲み上げ用ジェットポンプ駆
    動後は吸込管よりし渣等の混入した水を前記固液分離機
    に通して、し渣等と水を分離し、分離された分離水を、
    掻揚機により掻き揚げられたし渣等の搬送水として使用
    して水槽に溜めた後、固液分離した分離水を駆動水水槽
    に溜め、前記分離水をし渣汲み上げ用ジェットポンプに
    より循環再利用することを特徴とする除塵除砂方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された除塵除砂方法にお
    いて、固液分離機としてスクリーン目幅 0.5mm以下の内
    樋式回転スクリーンを用いることを特徴とする除塵除砂
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載された除
    塵除砂方法において、前記駆動水水槽、分離水の受け
    槽、掻揚機の流水トラフの一部または全部を床下に設け
    て使用することを特徴とする除塵除砂方法。
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