JP3213160U - ヒートシンク - Google Patents

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【課題】ヒートシンクの取付ピンを適切な姿勢で正確に取付けることができるヒートシンクを提供する。【解決手段】この考案は、ヒートシンクの本体1に、下部突出端を基板に差込んで本体1を基板に取付ける取付ピン13を上下方向にかしめ固定して設けたヒートシンクであって、上記取付ピン13を少なくとも上下2点でかしめ固定する支持部12a,12bの下端側の支持部12bを、上側の支持部12aに比してかしめ度合を緩く形成することにより本体1の壁面に対する押圧力を弱目に固定するように形成している。ヒートシンクの本体1に対しバーリング加工によって形成されたボス部8に発熱体を取付けるためのねじ切り加工を行い、上記ボス部8のねじ切り加工用の下孔の入口周縁を下孔とともに連続したアール面に面取り形成する。【選択図】図2

Description

この考案はヒートシンクに関し、特にヒートシンクの基板への取付部の構造に関する。
従来ヒートシンクには、特許文献1,同2に示すようにヒートシンクをプリント基板に差込み固定するための取付ピン(保持金具20又は嵌込ピン2)が下端側に突設されている。
実開平5−18087号公報 特開2000−311975号公報
上記特許文献1のものは保持金具20をヒートシンクに対して個々にビス止めするもので取付作業が非効率であり、取付後の金具の位置又は金具間のピッチが不正確且つ固定が不安定である。
また特許文献2の嵌込ピン2はヒートシンクの板厚内の下端にスリットを形成し又は板面に凹状の溝を突出形成し、スリット内や凹状溝内に嵌込ピンを挿入してかしめ加工して固定するものである。
上記スリットを形成するタイプのものはヒートシンクの板厚がピン径に対して薄いものではかしめ代がなく利用不可能である。後者はヒートシンクの板の表面に押出し成形等により凹溝形成用の凸部を形成する必要があり、板金成形物には不向きであるほか、板金製のものでも同文献の図4,図5に示すように板の両端にカールしたかしめ固定用の筒状部を設ける必要がある等の加工作業の非効率性やコスト面でも問題がある。
その他本願添付図の図1,図2に示すように、ヒートシンク本体の下端壁面に上下2段の軸受状の支持部を設け、この上下の支持部に上下方向に取付ピンを挿入してかしめ固定するものも提案されているが、この機構のものでは上下の支持部をかしめ固定すると、長く突出した取付ピンの自由端(差込端)が外側に向かって撥ね上り変形するため、ピンの先端位置や姿勢が狂う他、複数のピンを設ける場合はピン間のピッチが不安定で、これを矯正する必要がある。
上記課題を解決するための本考案のヒートシンクは、第1にヒートシンクの本体1に、下部突出端を基板3に差込んで本体1を基板3に取付ける取付ピン13を上下方向にかしめ固定して設けたヒートシンクであって、上記取付ピン13を少なくとも上下2点でかしめ固定する支持部12a,12bの下端側の支持部12bを、上側の支持部12aに比してかしめ度合を緩く形成することにより本体1の壁面に対する押圧力を弱目に固定するように形成したことを特徴としている。
第2に、ヒートシンクの本体1に対しバーリング加工によって形成されたボス部8に発熱体2を取付けるためのねじ切り加工を行ったものにおいて、上記ボス部8のねじ切り加工用の下孔9bの入口周縁を下孔9bとともに連続したアール面に面取り9c形成してなることを特徴としている。
第3に、ヒートシンクの本体1が発熱体2を取付ける本体壁6と、該本体壁6の端部に交差状に形成された側壁4とからなり、上記側壁4の壁面に支持部12を突設形成してなることを特徴としている。
第4に、本体1を平面視チャンネル状断面に形成し、該チャンネル状断面の両側壁4,4間に一体成形された本体壁6の内面両側コーナーにストライキング加工による僅かな凹状の段差部17を設け、内面コーナー面の交差角をアールのない直角面に形成してなることを特徴としている。
本考案のヒートシンクによれば、取付ピンが少なくとも本体下部の壁面に突設した上下の支持部2点でかしめ固定されているので、かしめ作業も簡単で固定の安定性が良く、ピンの姿勢やピン間のピッチが正確で、ヒートシンクへのピンの取付固定後の矯正の必要もない。バーリング加工時に雌ねじ下孔の入口が下孔形成とともに連続したアール面に面取り形成できるので、加工工程も簡単で低コストで加工できるほか、この面取り加工により、ねじ切りタップや止めねじのねじ込み案内も確実にできる。
またチャンネル状に折り曲げ形成する場合は、内面コーナーにストライキング加工を施すことにより、内面コーナー部の直角化が確実に実現でき、本体壁中央部に安定した平面が広く確保できるので、幅広の発熱体でも広く密着させて取付けることが可能で、放熱効果も高い。
本考案のヒートシンクの使用状態を示す全体斜視図である。 同じくヒートシンクの全体背面図である。 ヒートシンクの平面図である。 図1のIV−IV断面図である。 ヒートシンク本体壁の雌ねじ形成用ボス部のバーリング加工状態を示す拡大断面図である。 (A),(B)は取付ピンの支持部のかしめ加工の前後を示す拡大断面図である。 ヒートシンクチャンネル状に折り曲げ加工する際の拡大断面図である。 (A),(B)は板材をプレス加工する際の加工工程を表す平面図及び中央縦断面図である。 ヒートシンクを製造する工程図である。
図面は本考案を実施するための1実施例を示し、図1〜図3は本考案のヒートシンクの使用状態を示す全体斜視図,背面図,平面図を示している。図示するヒートシンクは、例えば板厚1.5mmのアルミ合金板を横幅15mm,前後幅10mm,高さ25mmの寸法で平面視チャンネル状断面にプレス成形された本体1を形成し、この例では本体1の背面内部に半導体素子等(本例では3端子レギュレーター)の発熱体2をビス等(図示しない)により取付け、プリント基板3に直立固定して使用する機構になっている。
本体1はチャンネル状に形成された左右の側壁4と両側壁4,4間を連結する本体壁6とからなり、発熱体2はその上端に設けた取付孔7を介し、本体壁6の上方中央にバーリング加工によって形成されたボス部8のねじ孔9にビス止めされ、発熱体2はその下端に突設した複数の端子11をプリント配線部(図示しない)に差込み接続される。
また両側壁4の外側面には後述するプレスによる半抜き加工によって上下2箇所に軸受状の支持部12(12a,12b)が上下同一軸線上に一定間隔を介して横長に突設形成されており、この支持部内にアルミ合金製の上下方向の取付ピン13が、その下端(差込端)が基板3に差込まれるように突出して差込み固定されている。
また上記取付ピン13は上端が後向きにL字形に折り曲げ形成され、上下の支持部12a,12bに挿通された後にL字形の上端(ストッパー辺)13aが両側壁4の外面に沿って後向きに回動セットされ、セット状態のストッパー辺13aの後端側上方の側壁4の表面には、差込んだ取付ピン13が上向きに抜け出るのを防止するための円柱状の突起からなるストッパー14が、押出成形により突設されている。また本体1の本体壁6と側壁4の下端には、基板3へのヒートシンク取付後の通風空間となる切欠部16が切欠形成されている。
図4は図1のIV−IV断面図を示し、各支持部12は、図6(A)に示すように本体部1の内面側より外向きに半抜き押出成形により、両側壁4の表面より所定幅で前後方向に山形に湾曲させて突設され、その湾曲内面には取付ピン13を上下に挿通できる挿通孔が形成されている。また上記支持部12に近接した上方後寄り位置の表面側に突設された前述のストッパー14は、プレス加工により押出し成形され、その裏面には押出し孔14´が凹部として形成されている。
図5はボス部8のバーリング加工状態の拡大断面図で、バーリング加工は本体1の本体壁6に予め打抜き成形された下孔9aの内側面から、バーリング用ポンチ18のポンチ本体18a先端の円錐状に尖った円柱状のポンチ部18bで押し抜くことにより、雌ねじ用下孔9bとともに雌ねじ用の筒状のボス部8を押し拡げられながら形成する。この押し抜き加工により、雌ねじ用下孔9bの本体1内面側入口には、アール状の面取り部9cが同時に形成され、その後のねじ孔9を加工する際のねじ切りタップ(図示しない)の挿入及びねじ切り後の締付ビス(図示しない)のねじ込みの案内面となる。
図6(A)はプレス加工により形成されたかしめ前の支持部12´の拡大断面図で、該支持部12´は側壁4の一部がドーム状に半抜き状態で押し抜かれ、その内部には上下方向に取付ピン13が上方からフリーに挿通される。12″は上記押し抜き時に側壁4の内面に形成される長方形の押し抜き孔(凹部)である。上記かしめ前の支持部12´に挿通された取付ピン13は上端のストッパー辺13aを側壁4の表面に沿うように回動させることにより、上方に突設されているストッパー14で上方への抜け出しが規制された状態で次のかしめ加工が行われる。
図6(B)は、上記図6(A)の状態からかしめ前の支持部12´をその上部周面を下向きにポンチにより押圧し、又は打撃によりかしめ加工して取付ピン13を図1,図2の状態に固定し、かしめ後の支持部12として完成させた状態の断面図である。この時上下の支持部12a,12bのかしめ加工を同一堅さで支持部12の高さHが同一になるまで十分に固めるようにかしめ過ぎると、取付ピン13の下端(差込み固定端)が、図2の右側の固定端(仮想線)に示すように外側に屈曲して広がり、左右両側の取付ピン13のピッチに狂いが生じる。その結果、後に正常なピッチに矯正する必要があり、この矯正に労力を必要とするほか製品の仕上り品質が低下する欠点がある。上記のようなピン下端の撥ね上りは、下側の支持部12bのかしめにより、その内部の取付ピン13が、側壁4に余分に押し込まれるためであると考えられる。
このため、本考案のヒートシンクでは、上側の支持部12aは取付ピン13を十分に固定するように堅く(又は強く)かしめるが、下側の支持部12bはガタ等が生じない程度に位置決め固定するように緩いかしめ度合でかしめ加工する。この加工はプレスやハンマー等により同時加工しても各別に行っても良い。
その結果、かしめ完了後は側壁4の表面からの支持部12の高さHは、上側支持部12aに比して下側支持部12bの方が高くなり、本実施例では上側の支持部12aの高さHの3.6mmに対し、下側の支持部12bの高さHは3.7mmであった。但し、かしめ加工の条件等によっては両支持部12a,12bのかしめ度合は必ずしも高さHの違いとして表れない場合もあり得る。このようにして左右の取付ピン13の間隔は正確に保たれ、曲りやピッチの矯正を行う必要もなく、プリント基板3側の差込みが確実に行われる。
図7は、後述する(図8,図9参照)ように平板状のまま打抜かれたプレス加工済の本体1に取付ピン13を装着固定した後の本体1を、チャンネル状に折り曲げ加工する状態を示す断面図である。この例では、長方形断面の雄型19により、逃し溝22付の雌型21上の定位置に載置された平板上状の本体1を押圧成形するものである。この時雄型19の下端面(押圧面)の左右両側断面は、前後方向の帯状の例えば0.1mm程度の高さの凸部(ストライキング)19aが所定幅で形成されている。
上記凸部19aにより、雄型19,雌型21で本体1がチャンネル状断面に押圧成形されると、その内面コーナーはスプリングバックが防止され、直角でアールのないコーナー部として形成され、各コーナー部の本体壁両端には、上記凸部19aに対応した帯状の凹状の段差部17が形成される。その結果本体1の内面中央には、十分な広さの平坦面が突出状態で形成され、発熱体2が幅広であっても、取付面全体が密着して装着され、放熱効果もより高められる利点がある。
図8(A),(B)は帯状の板材Mから押抜き、半抜き及び打抜き加工により平板状の本体1を製造する工程を示す平面図及び中央縦断面図であり、この例では単一型による三回送り(3ストローク)により、板材Mをプレス加工しながら平板加工済の本体1を打抜くもので、Pは各段階の送りピッチを示しており、以下図9の加工工程図を参照しながら加工工程の1例を説明する。図8(A)の矢印は板材Mの送り方向を示す。
板材Mはプレステーブル上にセットされると、送り開始後の最初の段階でバーニング下孔9aの打抜きとストッパー14の押出しが行われ、次いで支持部12´の半抜き及びバーニング下孔9aでのバーニング加工と雌ねじ下孔9bの端部面取り(9c)加工、最後に本体1の打抜き及び切欠部16の形成加工が、各送りピッチ毎のストロークにより行われる。図8(B)で板材Mの裏面に突出部が形成された後の雌型上面にはこれらと型が干渉しないための凹溝が設けられている。
上記プレス加工後取付ピン13の差込みとピンの抜止め(回動)セットを手作業により行った後、既述のような上下の支持部12´のかしめ加工、続いて再度図7に示すプレス加工によりチャンネル状断面への折り曲げ、内面コーナー直角化の加工が行われる。最後に手作業又は機械加工によりバーニング部(ボス部8)へのねじ切りタップ加工が施され、ヒートシンクが完成する。このねじ切り加工は最初のプレス加工後どの段階で行っても良い。
なお、ヒートシンク本体1は図示するようにチャンネル状に折り曲げられる場合の他、平板状のもの、L字形断面のもの、H形断面のものであっても良い。また取付ピン13も必ずしも丸棒である必要はなく円筒状断面、短冊状の板状部材であっても良く、その断面形状は問わない。
1 本体
2 発熱体
3 基板
4 側壁
6 本体壁
8 ボス部
9 ねじ孔
9a バーリング下孔
9b 雌ねじ下孔
9c 面取り部
12,12´ 支持部
12a 上側支持部
12b 下側支持部
13 取付ピン
17 段差部

Claims (4)

  1. ヒートシンクの本体(1)に、下部突出端を基板(3)に差込んで本体(1)を基板(3)に取付ける取付ピン(13)を上下方向にかしめ固定して設けたヒートシンクであって、上記取付ピン(13)を少なくとも上下2点でかしめ固定する支持部(12a,12b)の下端側の支持部(12b)を、上側の支持部(12a)に比してかしめ度合を緩く形成することにより本体(1)の壁面に対する押圧力を弱目に固定するように形成したヒートシンク。
  2. ヒートシンクの本体(1)に対しバーリング加工によって形成されたボス部(8)に発熱体(2)を取付けるためのねじ切り加工を行ったものにおいて、上記ボス部(8)のねじ切り加工用の下孔(9b)の入口周縁を下孔(9b)とともに連続したアール面に面取り(9c)形成してなる請求項1に記載のヒートシンク。
  3. ヒートシンクの本体(1)が発熱体(2)を取付ける本体壁(6)と、該本体壁(6)の端部に交差状に形成された側壁(4)とからなり、上記側壁(4)の壁面に支持部(12)を突設形成してなる請求項1又は2に記載のヒートシンク。
  4. 本体(1)を平面視チャンネル状断面に形成し、該チャンネル状断面の両側壁(4),(4)間に一体成形された本体壁(6)の内面両側コーナーにストライキング加工による僅かな凹状の段差部(17)を設け、内面コーナー面の交差角をアールのない直角面に形成してなる請求項1〜3のいずれかに記載のヒートシンク。
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