JP3212055U - 噴出し止め具 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な構成としながらも、生コンクリートの噴出しをより効果的に抑えることが可能となる噴出し止め具を提供する。【解決手段】両端それぞれに下寄り方向へ伸びる第1棒状部と第2棒状部を有するように折り曲げられた複数の棒状部材が、左右へ並べられており、第1棒状部それぞれが左右へ並んで櫛状を形成した第1櫛状部と、第1櫛状部の後方において、第2棒状部それぞれが左右へ並んで櫛状を形成した第2櫛状部と、を有し、生コンクリートの噴出しを前側から受けるように配置され、当該噴出しを抑制する噴出し止め具とする。【選択図】図1
Description
本考案は、生コンクリートの噴出しを抑える噴出し止め具に関する。
一般的に建築物のベランダやバルコニー等は、水平な床面部とこれに垂直な手摺壁部を有するように構成され、これらの各部は、コンクリートを用いて構築されることが多い。この場合、建築物本体側から突出するようにバルコニー等のサイズに合わせた鉄筋が設けられ、この鉄筋を内包するようにコンクリート材が配される。
当該構築の施工時には、床面部を区画する床面部型枠と、手摺壁部を区画する手摺壁部型枠が設置され、これらの型枠に生コンクリート(未だ固まっていない状態のコンクリート)を流し込む打設作業が行われる。ここで手摺壁部型枠における打設の際、手摺壁部型枠の上側から下方へ生コンクリートを流し込むため、手摺壁部型枠の底部に位置する開口部(床面部型枠内に連接する開口)から生コンクリートが噴出す。
このような噴出しが大量に生じると、手摺壁部型枠内に適切に生コンクリートを留めておくことが出来ず、必要となる打設作業の回数が多くなってしまう。また、先に床面部型枠に生コンクリートを打設する場合には、上記の噴出しによって床面部型枠の生コンクリートが押され、盛り上がってしまう現象が生じてしまう。
このような問題に鑑み、特許文献1には、上述した噴出しを止めるための噴出し止め具が提案されている。この噴出し止め具は簡易な櫛状に形成されており、生コンクリートの噴出し経路に配置して使用される。
しかしながら、上述した簡易な櫛状の噴出し止め具を使用する場合は、一層の櫛状体が生コンクリートの流れを遮るだけであり、生コンクリートの噴出しを十分に抑制することは難しい。特にスランプ値の高い(軟らかい)生コンクリートを用いる場合には、この問題が顕著となる。
なお、製造コストの抑制や軽量化等の観点から、噴出し止め具は出来るだけ簡素な構成とすることが好ましい。本考案は上述した問題点に鑑み、簡素な構成としながらも、生コンクリートの噴出しをより効果的に抑えることが可能となる噴出し止め具の提供を目的とする。
本考案に係る噴出し止め具は、両端それぞれに下寄り方向へ伸びる第1棒状部と第2棒状部を有するように折り曲げられた複数の棒状部材が、左右へ並べられており、第1棒状部それぞれが左右へ並んで櫛状を形成した第1櫛状部と、第1櫛状部の後方において、第2棒状部それぞれが左右へ並んで櫛状を形成した第2櫛状部と、を有し、生コンクリートの噴出しを前側から受けるように配置され、当該噴出しを抑制する構成とする。本構成によれば、簡素な構成としながらも、生コンクリートの噴出しをより効果的に抑えることが可能となる。
上記構成としてより具体的には、前記複数の棒状部材それぞれは、左右に伸びる複数の棒状の連結部材に固定されている構成としてもよい。本構成によれば、簡易な構成でありながらも、各棒状部材を強固に連結することが容易である。
また上記構成としてより具体的には、前記複数の棒状部材それぞれは、第1棒状部と第2棒状部の間に中間棒状部を有するように2箇所で折り曲げられており、複数の前記中間棒状部および複数の前記連結部材により、メッシュ構造が形成されている構成としてもよい。本構成によれば、メッシュ構造による生コンクリートの噴出し抑制効果を得ることが可能となる。
また上記構成としてより具体的には、前記複数の棒状部材それぞれにおいて、第1棒状部および第2棒状部は、下方へ平行に伸びており、前記中間棒状部は、後下向きに傾斜して伸びている構成としてもよい。また、金属製の前記棒状部材を用いて形成された上記構成の噴出し止め具において、第1棒状部および第2棒状部のうちの少なくとも一つは、他に比べて下方へより長く伸びた特定棒状部であり、前記特定棒状部の下端部は、樹脂によりコーティングされている構成としてもよい。本構成によれば、噴出し止め具を使い切りタイプとして使用する場合であっても、その腐食を極力防ぐことが可能となる。
本考案に係る噴出し止め具によれば、簡素な構成としながらも、生コンクリートの噴出しをより効果的に抑えることが可能となる。
本考案の実施形態について第1実施形態と第2実施形態を例に挙げ、各図面を参照しながら以下に説明する。
1.第1実施形態
まず第1実施形態について説明する。なお以下の説明における上下、左右、および前後の各方向(互いに直交する方向)は、図1に示す通りである。図1は、第1実施形態に係る噴出し止め具Xの模式的な外観斜視図である。図2は、左方視点による噴出し止め具Xの概略的な外観図である。これらの図に示すように、噴出し止め具Xは、折り曲げられた複数の棒状部材1、および複数の連結部材2a〜2d(これらを連結部材2と総称することがある)を用いて形成されている。なお本実施形態では、棒状部材1は19個、連結部材2は4個が設けられているが、これらの個数は特に限定されるものではない。
まず第1実施形態について説明する。なお以下の説明における上下、左右、および前後の各方向(互いに直交する方向)は、図1に示す通りである。図1は、第1実施形態に係る噴出し止め具Xの模式的な外観斜視図である。図2は、左方視点による噴出し止め具Xの概略的な外観図である。これらの図に示すように、噴出し止め具Xは、折り曲げられた複数の棒状部材1、および複数の連結部材2a〜2d(これらを連結部材2と総称することがある)を用いて形成されている。なお本実施形態では、棒状部材1は19個、連結部材2は4個が設けられているが、これらの個数は特に限定されるものではない。
複数の棒状部材1それぞれは、棒状体(本実施形態の例では直径3mmの鋼線)を所定の2箇所で折り曲げることにより、当該折り曲げの各箇所を境にして、下方へ伸びる第1棒状部11、第1棒状部11の上端から第2棒状部12の上端へ後下向きに傾斜して伸びる中間棒状部13、および下方へ伸びる第2棒状部12が順に形成されている。このように複数の棒状部材1それぞれは、両端それぞれに下方(下寄り方向の一形態)へ伸びる第1棒状部11と第2棒状部12を有するように折り曲げられている。
また複数の棒状部材1それぞれは、AタイプとBタイプの違いを除いて同形状であり、左方視点により全てが重なり合うように、左右方向へ等間隔(本実施形態の例では3cmの間隔)で並べられている。なお図1に示すように、このように並べられた複数の棒状部材1のうち、左右両端および中央に配置された3個の棒状部材1はBタイプであり、その他の棒状部材1はAタイプである。
図3は、AタイプおよびBタイプの棒状部材1それぞれについて、左方視点による概略形状を示している。Aタイプの棒状部材1において、第1棒状部11の長さh1は約11cm、第2棒状部12の長さh2は約7cm、第1棒状部11と第2棒状部12の間隔Wは約6cmである。
また図3に示すように、Aタイプの棒状部材1においては、第1棒状部11と第2棒状部12の下端の上下方向位置は同じであるが、Bタイプの棒状部材1においては、第2棒状部12に比べて第1棒状部11は下方へより長く伸びている。この伸長部分11aの長さh3は約2cmであり、この伸長部分11aの下端を含む大部分の領域には、錆止め効果を発揮する樹脂コーティングCT(樹脂によるコーティング)が施されている。
複数の連結部材2それぞれは、左右へ長く伸びる棒状体(本実施形態の例では、棒状部材1と同じ直径3mmの鋼線)であり、左右へ並ぶ複数の棒状部材1の全てが溶接固定されている。連結部材2aは、各第1棒状部11の上側寄り(本実施形態の例では、上端から約2.5cmだけ下方の位置)の前側表面に固定されている。残りの連結部材2b〜2cは、各中間棒状部13の上側表面に、ほぼ等間隔で並ぶように固定されている。
本実施形態の例では、連結部材2bは各中間棒状部13の前端近傍に、連結部材2cは連結部材2bから約2.5cm離れた位置に、連結部材2dは連結部材2bから約5cm離れた位置に、それぞれ固定されている。また何れの連結部材2においても、左側の端部は、左端に配置された棒状部材1よりも少しだけ(本実施形態の例では約3cmだけ)左側に突出しており、右側の端部は、右端に配置された棒状部材1よりも少しだけ(本実施形態の例では約3cmだけ)右側に突出している。
なお噴出し止め具Xの具体的なサイズは、実使用の条件に適合するように適宜変更可能である。例えば、噴出し止め具Xの高さ寸法(上下方向寸法)は、床面部の厚み(スラブ厚)に応じて適宜変更すれば良い。噴出し止め具Xの作製時における不要部分の除去やサイズ調整などは、棒状体をクリッパー等で切断することにより実施可能である。
上述した構成の噴出し止め具Xは、第1棒状部11それぞれが左右へ並んで櫛状を形成した第1櫛状部C1と、第2棒状部12それぞれが左右へ並んで櫛状を形成した第2櫛状部C2と、を有していると見ることが出来る。第2櫛状部C2は第1櫛状部の後方に位置しており、前方から見て、第1櫛状部C1と第2櫛状部C2は重なり合っている。なお噴出し止め具Xは、素材として概ね棒状体(鋼線)を用いただけの簡素な構成となっており、製造コストの抑制や軽量化等が容易である。また低コストでの作製が可能であることにより、噴出し止め具Xは、使い切りタイプ(再使用しないタイプ)としての使用に好適である。使い切りタイプとすることにより、施工後に生コンクリートの状態を確認しながら噴出し止め具Xを抜き取る(回収する)作業や、使い回すために洗浄する等のメンテナンス作業は不要となり、使い回しタイプ(再使用するタイプ)に比べて作業効率を著しく向上させることが可能である。
噴出し止め具Xは、例えば、ベランダの手摺を構築する際の生コンクリートの打設時において、生コンクリートの噴出しを前側から受けるように配置され、当該噴出しを抑制するために使用される。
まず、この例の打設時における生コンクリートの噴出し(噴出し止め具Xを使用しない場合)について、図4を参照しながら説明する。図4に示すように、例えばベランダの手摺を構築する際には、手摺壁部型枠51と床面部型枠52が設置され、それぞれの中に鉄筋61が配置される。手摺壁部型枠51の下側は、床面部型枠52内へ連通するように開口51aが設けられており、手摺壁部型枠51内の鉄筋61と床面部型枠52内の鉄筋61は連結している。鉄筋61は、左右方向へ所定の間隔を設けて複数配置されている。
この状況下、上側から手摺部型枠51内へ生コンクリート71を投入すると、その自重の作用もあり、開口51aから生コンクリート71が大量に噴出す事態となる。このような噴出しが生じると、手摺壁部型枠51内に適切に生コンクリート71を留めておくことが出来ず、必要となる打設作業の回数が多くなってしまう。また、打設作業の回数が多くなると、完成後の手摺壁表面には打設毎のコンクリートの境界が多く見えてしまい、打ち放しのコンクリート壁とするような場合には外観を損ねる虞がある。
次に、上述した例において噴出し止め具Xを使用する場合の使用形態等について説明する。まず図5に示すように、手摺部型枠51内へ生コンクリート71を投入する前に、噴出し止め具Xが開口51a付近に設置される。この際、噴出し止め具Xは、生コンクリート71の噴出しを前側から受けるように(第1櫛状部C1が生コンクリート71を直接受けるように)配置される。
なお噴出し止め具Xを設置する際、各棒状部11、12は比較的細くて曲げ易くなっているため、手作業で左右へ少し曲げることにより、前後方向へ平行に伸びた複数本の鉄筋61(スラブ筋)への干渉を避けて設置することが容易である。このようにして各櫛状部C1、C2の一部へ鉄筋61を嵌め込むと、その部分において棒状部11、12が鉄筋61を挟み込む格好となり、例えば針金等により棒状部11、12を鉄筋61へ縛り付けて、噴出し止め具Xをその位置へ簡易に固定することが可能である。また本実施形態のように各棒状部11、12が下方へ平行に伸びていれば、各櫛状部C1、C2を鉄筋61へ垂直に嵌め込むことができ、上記のように固定することは特に容易である。
噴出し止め具Xを開口51a付近に設置した後、図6に示すように、上側から手摺部型枠51内へ生コンクリート71が投入される。これにより、手摺部型枠51内の生コンクリート71は開口51aから後方へ噴出そうとするが、噴出し止め具Xによってその流れが遮られ、当該噴出しが抑えられる。
ここで噴出し止め具Xは、前後方向に二重構造の櫛状部(第1櫛状部C1と第2櫛状部C2)を形成しているため、例えば特許文献1に開示された一層の櫛状体に比べて生コンクリートの流れを遮る効果が高く、より十分に噴出しを抑えることが可能である。必要な噴出し抑制効果を得るために、一層の櫛状体であれば前後に二つ重ねて設置する必要がある状況であっても、本実施形態の噴出し止め具Xであれば一つ設置するだけ良く、作業効率の向上が実現される。特にスランプ値の高い(軟らかい)生コンクリートを用いる場合には、噴出し止め具Xを用いることによる利点は非常に大きい。また噴出し止め具Xの上側領域には、複数の中間棒状部13と複数の連結部材2によるメッシュ構造が形成されており、この構造も噴出しの効果的な抑制に寄与する。
なお本発明に係る噴出し止め具は、生コンクリートの噴出しを完全に防ぐものには限定されない。例えば上述した本実施形態の噴出し止め具Xは、生コンクリート71の噴出しを十分に抑える効果を発揮するが、生コンクリート71が第2櫛状部C2や中間棒状部13より少しだけ後方へ漏れ出す。これにより、生コンクリート71の噴出しを抑えつつも、使い切りタイプの噴出し止め具Xを生コンクリート71へ適度に埋没させることが可能である。また、噴出し止め具Xは中間棒状部13の部分が後下向きに傾斜した形状であるため、噴出しの勢いに耐え易いだけでなく、生コンクリート71へ適度に埋没させることも容易である。
次に図7に示すように、床面部型枠52内にも別途生コンクリート72が投入され、これが手摺壁部型枠51内に投入されていた生コンクリート71と一体化する。この一体化されたものが完全に固まった後、図8に示すように各型枠51、52を除去して、床面と手摺壁が一体となったコンクリート構造体を得ることが出来る。
なお噴出し止め具Xは鋼(金属の一形態)により形成されているが、図8に示す状態において、噴出し止め具Xはコンクリート内に埋没しており、噴出し止め具Xの腐食(錆)は抑えられる。なお、噴出し止め具Xの下端(Bタイプの棒状部材1における伸長部分11a)が床面部型枠52の底に当たるほど、噴出し止め具Xが深い位置に設置されていた場合、伸長部分11aの下部がコンクリートから露出する可能性も考えられる。しかしこの場合であっても、伸長部分11aには樹脂コーティングCT(図3を参照)が施されているため、噴出し止め具Xの腐食は抑えられる。
2.第2実施形態
次に第2実施形態について説明する。なお以下の説明における上下、左右、および前後の各方向(互いに直交する方向)は、図9に示す通りである。図9は、第2実施形態に係る噴出し止め具Xaの外観斜視図(写真)である。本図に示すように噴出し止め具Xaにおいては、両端それぞれに第1棒状部11と第2棒状部12を有するように2箇所で折り曲げられた複数の棒状部材1(鋼線)が、左右へ並べられている。また、複数の棒状部材1それぞれは、第1棒状部11と第2棒状部12の間の中間棒状部13において、左右に伸びる3本の棒状の連結部材2(鋼線)に溶接固定されている。なお本実施形態においても、複数の中間棒状部13および複数の連結部材2により、メッシュ構造が形成されている。
次に第2実施形態について説明する。なお以下の説明における上下、左右、および前後の各方向(互いに直交する方向)は、図9に示す通りである。図9は、第2実施形態に係る噴出し止め具Xaの外観斜視図(写真)である。本図に示すように噴出し止め具Xaにおいては、両端それぞれに第1棒状部11と第2棒状部12を有するように2箇所で折り曲げられた複数の棒状部材1(鋼線)が、左右へ並べられている。また、複数の棒状部材1それぞれは、第1棒状部11と第2棒状部12の間の中間棒状部13において、左右に伸びる3本の棒状の連結部材2(鋼線)に溶接固定されている。なお本実施形態においても、複数の中間棒状部13および複数の連結部材2により、メッシュ構造が形成されている。
噴出し止め具Xaは、第1棒状部11それぞれが左右へ並んで櫛状を形成した櫛状部と、その後方において第2棒状部12それぞれが左右へ並んで櫛状を形成した櫛状部を有している。なお噴出し止め具Xaにおいて、第1棒状部11それぞれは、中間棒状部13の一端から斜め前下方向(下寄り方向の一形態)へ伸びており、第2棒状部12それぞれは、中間棒状部13の他端から下方へ伸びている。
図10は、生コンクリートの噴出す位置に、噴出し止め具Xaを予め設置した様子を示している。本図に示すように、噴出し止め具Xaの櫛状部の一部に、前後へ伸びる鉄筋61が嵌め込まれている。また図11は、噴出し止め具Xaによって生コンクリート71の噴出しが抑えられている様子を示している。このように第2実施形態の噴出し止め具Xaも、第1実施形態の噴出し止め具Xと同様に、生コンクリートの噴出しを前側から受けるように配置され、当該噴出しを抑制することが可能である。
3.総括
以上に説明したとおり、各実施形態に係る噴出し止め具X、Xaは、両端それぞれに下寄り方向へ伸びる第1棒状部11と第2棒状部12を有するように折り曲げられた複数の棒状部材1が左右へ並べられており、第1棒状部11それぞれが左右へ並んで櫛状を形成した第1櫛状部と、第1櫛状部の後方において、第2棒状部12それぞれが左右へ並んで櫛状を形成した第2櫛状部と、を有し、生コンクリートの噴出しを前側から受けるように配置され、当該噴出しを抑制する。そのため各噴出し止め具X、Xaによれば、簡素な構成としながらも、生コンクリートの噴出しをより効果的に抑えることが可能である。
以上に説明したとおり、各実施形態に係る噴出し止め具X、Xaは、両端それぞれに下寄り方向へ伸びる第1棒状部11と第2棒状部12を有するように折り曲げられた複数の棒状部材1が左右へ並べられており、第1棒状部11それぞれが左右へ並んで櫛状を形成した第1櫛状部と、第1櫛状部の後方において、第2棒状部12それぞれが左右へ並んで櫛状を形成した第2櫛状部と、を有し、生コンクリートの噴出しを前側から受けるように配置され、当該噴出しを抑制する。そのため各噴出し止め具X、Xaによれば、簡素な構成としながらも、生コンクリートの噴出しをより効果的に抑えることが可能である。
なお、各噴出し止め具X、Xaは、ベランダや廊下等の手摺の構築時に限らず、これに似た状況での生コンクリートの打設時などに広く利用可能である。例えば、下がりスラブ部の小梁(ワンルームマンション等の水回りスラブ)の構築について、間仕切り壁下の小梁上部の型枠を目隠し状態で組み立てた状況で利用して、生コンクリートの完全充填を行い、小梁の断面欠損を防ぐことが出来る。その他、建造物の最上階パラペットの構築時などにおいても利用可能である。
以上、本考案の実施形態について具体例を挙げて説明したが、本考案はその内容に限定されるものではない。本考案はその趣旨を逸脱しない範囲において、様々な具体的形態により実施され得る。
本考案は、生コンクリートの噴出しを抑制する噴出し止め具に利用可能である。
1 棒状部材
11 第1棒状部
11a 伸長部分
12 第2棒状部
13 中間棒状部
2、2a〜2d 連結部材
51 手摺壁部型枠
51a 開口
52 床面部型枠
61 鉄筋
71、72 生コンクリート
CT 樹脂コーティング
X 噴出し止め具(第1実施形態)
Xa 噴出し止め具(第2実施形態)
11 第1棒状部
11a 伸長部分
12 第2棒状部
13 中間棒状部
2、2a〜2d 連結部材
51 手摺壁部型枠
51a 開口
52 床面部型枠
61 鉄筋
71、72 生コンクリート
CT 樹脂コーティング
X 噴出し止め具(第1実施形態)
Xa 噴出し止め具(第2実施形態)
Claims (5)
- 両端それぞれに下寄り方向へ伸びる第1棒状部と第2棒状部を有するように折り曲げられた複数の棒状部材が、左右へ並べられており、
第1棒状部それぞれが左右へ並んで櫛状を形成した第1櫛状部と、
第1櫛状部の後方において、第2棒状部それぞれが左右へ並んで櫛状を形成した第2櫛状部と、を有し、
生コンクリートの噴出しを前側から受けるように配置され、当該噴出しを抑制することを特徴とする噴出し止め具。 - 前記複数の棒状部材それぞれは、
左右に伸びる複数の棒状の連結部材に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の噴出し止め具。 - 前記複数の棒状部材それぞれは、第1棒状部と第2棒状部の間に中間棒状部を有するように2箇所で折り曲げられており、
複数の前記中間棒状部および複数の前記連結部材により、メッシュ構造が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の噴出し止め具。 - 前記複数の棒状部材それぞれにおいて、
第1棒状部および第2棒状部は、下方へ平行に伸びており、
前記中間棒状部は、後下向きに傾斜して伸びていることを特徴とする請求項3に記載の噴出し止め具。 - 金属製の前記棒状部材を用いて形成された請求項1から請求項4の何れかに記載の噴出し止め具であって、
第1棒状部および第2棒状部のうちの少なくとも一つは、他に比べて下方へより長く伸びた特定棒状部であり、
前記特定棒状部の下端部は、樹脂によりコーティングされていることを特徴とする噴出し止め具。
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