JP3211957B2 - 機器の診断方法および診断装置 - Google Patents

機器の診断方法および診断装置

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JP3211957B2
JP3211957B2 JP34769499A JP34769499A JP3211957B2 JP 3211957 B2 JP3211957 B2 JP 3211957B2 JP 34769499 A JP34769499 A JP 34769499A JP 34769499 A JP34769499 A JP 34769499A JP 3211957 B2 JP3211957 B2 JP 3211957B2
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勝史 永井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は機器の診断方法およ
び診断装置に関する。さらに詳しくは、信頼性および汎
用性が向上されてなる機器の診断方法および診断装置に
関する。ここに、機器とは、各種プラントや各種装置な
どを含む概念である。
【0002】
【従来の技術】各種プラントや各種機械装置、つまり機
器が安全に運用されるためには、機器の各部の温度、圧
力などの状態量が、それぞれ定められた運用範囲内に保
たれるように、運転あるいは制御される必要がある。そ
して、何らかの異常の発生によりその運用範囲を超えた
場合には、通常、機器を保護するために警報(アラー
ム)を発して運転員に対処を促すことがなされている。
また、その異常の程度がはなはだしい場合には、機器全
体あるいはその一部を緊急停止(トリップ)させるとい
うことがなされている。
【0003】ところで、この異常の種類には即座に運用
範囲を超えるようなものもあるが、事前に異常の兆候が
表れ徐々に運用範囲を超えるようなものも多く、また異
常の種類によっては、運用範囲を超えた時点では機器に
相当のダメージが生じてしまっているものもある。そこ
で、従来より、機器の異常の兆候を検知して機器を異常
に至る前に停止させる試みが種々なされている。
【0004】例えば、特開昭55−29051号公報に
は、回転機械の振動・振幅およびそ変化率を用いて異常
あるいは注意を要する状態に至るまでの時間を予測する
ことが提案されている。しかしながら、前記提案におい
ては変化率により異常を予測しているため、その予測精
度は変化率の精度に依存しているという問題がある。特
開昭58−5808号公報には、プラントの異常を検知
した時点での状態変化率を求め、以後その変化率のまま
の状態で変化して行くと仮定してその後に発生する状態
を近似的に予測することが提案されている。しかしなが
ら、前記提案においても、変化率により異常を予測して
いるため、その予測精度は変化率の精度に依存している
という問題がある。
【0005】特開昭58−60233号公報には、圧力
容器の圧力あるいは密度のその変化率により、危険な状
態に達するまでの時間を予測して、それにより対処する
方法を選択することが提案されている。しかしながら、
前記提案においても、変化率により異常を予測している
ため、その予測精度は変化率の精度に依存しているとい
う問題がある。
【0006】特開昭59−63529号公報には、回転
機械の部品劣化を振動の変化から診断することを目的と
して、回転数区間ごとに求めた振動の平均値を時系列特
性で表示し、その値に急峻な変化が認められた場合に、
劣化が始まったと診断する方法が提案されている。しか
しながら、前記提案においては、急峻な変化の後に劣化
を判定しているため、その変化後においては機器に相当
の損傷が発生するようなものについては適用できないと
いう問題がある。
【0007】特開昭60−140163号公報には、バ
ッテリ端子電圧とスタータモータの回転数の関係から、
バッテリの内部抵抗を推定演算し、その変化率からバッ
テリの異常を診断することがなされている。しかしなが
ら、前記提案においても、変化率により異常を予測して
いるため、その予測精度は変化率の精度に依存している
という問題がある。
【0008】特開昭62−156048号公報には、温
度検出器からの信号を用いて、所定時間内の温度変化幅
および変化率を逐次求め、それらを所定値と比較し、判
定結果の組合わせにより異常の発生を予測することが提
案されている。しかしながら、前記提案においても、変
化率により異常を予測しているため、その予測精度は変
化率の精度に依存しているという問題がある。
【0009】特開昭63−199408号公報には、温
度検出器からの信号を用いて、温度が危険温度以上であ
るか、あるいは温度変化率が危険変化率であるかを判定
し、その組み合わせにより異常の発生やその程度を判別
することが提案されている。しかしながら、前記提案に
おいても、変化率により異常を予測しているため、その
予測精度は変化率の精度に依存しているという問題があ
る。
【0010】特開平3−52542号公報には、回転機
械の振動変化率のパターンから故障時期の予測を行うも
のであって、振動変化率のトレンドデータが増加してい
る場合に、過去のトレンドデータの増加パターンと比較
して故障の時期を推定するものが提案されている。しか
しながら、前記提案においても、変化率により異常を予
測しているため、その予測精度は変化率の精度に依存し
ているという問題がある。
【0011】特開平3−138057号公報には、温度
検出器からの信号の時系列変化に、異常な温度変化が認
められた場合に、温度分布の位置パターンに対する識別
結果と合わせて異常を判定または予測することが提案さ
れている。しかしながら、前記提案においては、予測精
度が閾値の設定に大きく依存しているという問題があ
る。
【0012】特開平10−31511号公報には、測定
値の時系列データにおける周波数成分の変化量が許容変
化量の範囲内か否かを判定し、それにより測定値が大き
く変化する兆候を検知することが提案されている。しか
しながら、前記提案においては、膨大な時系列データを
保持していなければならないという問題がある。
【0013】特開平10−60510号公報には、圧力
の時系列データを周波数解析し、特定の周波数成分の時
間的な変化を監視することにより、炉内の異常傾向を事
前に予測することが提案されている。しかしながら、前
記提案においても、膨大な時系列データを保持していな
ければならないという問題がある。
【0014】また、前記各提案においては、予測対象が
限定されていて汎用性に欠けるという問題もある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の課題に鑑みなされたものであって、予測精度が向上
されるとともに、汎用性を有する機器の診断方法および
診断装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の機器の診断方法
は、状態量の時間的変化が特定のパターンとなる機器に
適用される診断方法であって、前記機器の運用限界を予
め運用限界軌跡として設定するとともに、前記運用限界
軌跡を超えた位置にアラーム判定ラインを設定し、検出
された状態量の時間微分値が前記アラーム判定ラインを
超えた場合、要アラームの判定をなすとともに、前記ア
ラーム判定ラインを超えた位置にトリップ判定ラインを
設定し、検出された状態量の時間微分値が前記トリップ
判定ラインを超えた場合、要トリップの判定をなすこと
を特徴とする。
【0017】本発明の機器の診断方法は、例えば前記機
器が連続的運転形態または離散的運転形態とされるもの
に適用される。
【0018】
【0019】 一方、本発明の機器の診断装置の第1形
態は、状態量の時間的変化が特定のパターンとなる機器
に適用される診断装置であって、入力された状態量の時
間微分値を生成する状態量微分値算出手段と、前記時間
微分値に基づいて機器の要アラームの判定をなすアラー
ム判定手段および要トリップの判定をなすトリップ判定
手段とを備え、要ラームの判定をなすためのアラーム判
定ラインを、前記機器の運用限界軌跡を超えた位置に予
め設定しておき、検出された状態量の時間微分値が前記
アラーム判定ラインを超えた場合にアラーム信号を出力
し、要トリップの判定をなすためのトリップ判定ライン
を、前記機器の運用限界軌跡およびアラーム判定ライン
を超えた位置に予め設定しておき、検出された状態量の
時間微分値が前記トリップ判定ラインを超えた場合にト
リップ信号を出力することを特徴とする。
【0020】 本発明の機器の診断装置の第2形態は、
状態量の時間的変化が特定のパターンとなる機器に適用
される診断装置であって、入力された状態量の時間微分
値を生成する状態量微分値算出手段と、前記時間微分値
に基づいて機器の要トリップの判定をなすトリップ判定
手段とを備え、要トリップの判定をなすためのトリップ
判定ラインを、前記機器の運用限界軌跡およびアラーム
判定ラインを超えた位置に予め設定しておき、検出され
た状態量の時間微分値が前記トリップ判定ラインを超え
た場合にトリップ信号を出力することを特徴とする
【0021】ここで、前記パターンは、例えば漸近型パ
ターンやオーバーシュート型パターンなどの特定の時間
変化パターンに近似できるものとされる。
【0022】
【作用】本発明は前記の如く構成されているので、状態
量が小さい段階、つまり運転開始後の早い段階において
も機器の異常を予測できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる
実施形態のみに限定されるものではない。
【0024】実施形態1 プラントの中には各部の時系列特性、つまり正常トレン
ドが、図1に示すように、漸近して整定するものが知ら
れている。このものは、下記式(1)によりモデル化す
ることができる。つまり、一次遅れ系としてモデル化で
きる。
【0025】
【数1】
【0026】また、この式(1)を時間微分すると下記
式(2)が得られる。
【0027】
【数2】
【0028】そして、この式(2)を式(1)に代入し
て整理すると下記式(3)が得られる。
【0029】 dy/dt=(yB−y)/TC (y≦yB) (3) 前記(3)式は、状態量:yの時間変化率(時間一次微
分値):dy/dtが、状態量:yの一次式となること
を示している。なお、ここでは状態量は規格化された状
態量とされている。
【0030】図2はこの関係を示したグラフである。つ
まり、正常運転時の軌跡、つまり正常トレンド軌跡を示
している。なお、図2において、横軸は状態量を示し、
縦軸は状態量の時間変化率、つまり状態量微分値を示
す。
【0031】また、プラントの種類によっては過去の運
転実績から、運用としての限界、つまりこの状態を超え
て長時間運用すると損傷が発生する可能性がある限界が
知られているものもある。この運用としての限界(運用
限界)を図1に併せて示す。さらに、プラントの種類に
よっては過去の運転実績から、トリップに至る限界、つ
まりこの状態を超えて運用するとかなりのダメージが発
生する可能性がある限界も知られているものもある。こ
のトリップに至る限界(トリップ限界)も図1に併せて
示す。
【0032】そして、これら運用限界およびトリップ限
界における状態量と状態量の時間微分値との関係も、正
常トレンドと同様に一次式にて表すことができるので、
この運用限界およびトリップ限界に対応するもの、つま
り運用限界軌跡およびトリップ限界軌跡も併せて図2に
示す。
【0033】しかして、前述した運用限界およびトリッ
プ限界の意義より、実際の運転データ(実データ)が運
用限界軌跡から上にある場合には、運用限界を超える可
能性が高く、また実データがトリップ限界軌跡から上に
ある場合には、トリップに至る可能性が高いと推定でき
る。したがって、推定の誤差、計測ノイズによる影響、
および危険ゾーンから離れている場合の余裕マージンを
適宜選定して、運用限界軌跡およびトリップ限界軌跡の
それぞれ上方に運用限界判定ライン、つまりアラーム判
定ラインおよびトリップ判定ラインをそれぞれ設定する
ことができる。
【0034】ここで、危険ゾーンから離れている場合の
余裕マージンとは、図1より明らかなように、状態量が
小さい場合には、状態量の時間微分値が大きくても問題
を生ずるおそれが少ないため、マージンが大きくとれる
ということを意味している。
【0035】図2にこのようにして設定されたアラーム
判定ラインおよびトリップ判定ラインを追記したものを
図3として示す。
【0036】図3に示す例においては、アラーム判定ラ
インは、点(0,1.2)および点(0.8,0.2)
を通る直線と、点(0.8,0.2)および点(0.
9,0.0)を通る直線とを組合わせた折れ線とされて
いる。ここで、点(0.9,0.0)は運用限界軌跡の
横軸との交点を示す。つまり、状態量が0.8までの区
間は基準を甘くし、状態量が0.8から1の区間は基準
を厳しくしている。これは、ノイズは時間変化率が大き
いため、状態量が小さくて機器に実際にトラブルを生ず
るおそれが小さい区間において、ノイズにより誤って要
アラームの判定がなされるのを避けるとともに、状態量
が大きくて機器に実際にトラブルを生ずるおそれが大き
い区間において、確実に要アラームの判定がなされるよ
うにするためである。
【0037】また、トリップ判定ラインは、状態量が
0.8まではアラーム判定ラインとほぼ平行とされる一
方、状態量が0.8を超える部分については点(0.
8,0.4)および点(1,0)を結ぶ直線とされてい
る。つまり、状態量が0.8までの区間は基準を甘く
し、状態量が0.8から1の区間は基準を厳しくしてい
る。これもアラーム判定ラインと同様に、状態量が小さ
くて機器に実際にダメージを与えるおそれが小さい区間
において、ノイズにより誤ってトリップの判定がなされ
るのを避けるとともに、状態量が大きくて機器に実際に
ダメージを与えるおそれが大きい区間において、確実に
トリップの判定がなされるようにするためである。
【0038】しかして、この図3における要アラームの
判定は、実データが何からの原因により正常トレンド軌
跡から外れて、アラーム判定ラインに到達した時点でな
される。図3より明らかなように、この要アラームの判
定は状態量が小さい場合においてもなし得る。そのた
め、状態量の閾値により要アラームの判定をなす従来の
診断方法に比して早い段階でも要アラームの判定がなし
得る。
【0039】また、トリップの判定も同様に実データが
トリップ判定ラインに到達した時点でなされる。この場
合も前記と同様に状態量の閾値によりトリップの判定を
なす従来の診断方法に比して早い段階でもトリップの判
定がなし得る。
【0040】次に、かかる診断方法に適用される診断装
置の一例について説明する。
【0041】図4に示すように、この診断装置10は、
状態量検出手段11からの検出値に基づいて状態量の時
間微分値、つまり状態量の時間変化率を算出する状態量
微分値算出手段12と、前記状態量微分値算出手段によ
り算出された状態量の時間変化率に基づいてアラームの
必要性の有無を判定するアラーム判定手段13と、前記
状態量微分値算出手段12により算出された状態量微分
値に基づいてトリップを判定するトリップ判定手段14
とを主要構成要素として備えてなる。
【0042】かかる各手段12,13,14を備える診
断装置10は、例えば図5に示すようにCPUを中心と
して、メモリ、プログラム記憶装置、入出力インターフ
ェース、A/D変換器、デジタル出力装置、クロックを
備えたコンピュータにおいて、そのプログラム記憶装置
に状態量微分値算出手段12に対応するプログラム(状
態量微分値算出プログラム)、アラーム判定手段13に
対応するプログラム(アラーム判定プログラム)、およ
びトリップ判定手段14に対応するプログラム(トリッ
プ判定プログラム)を格納することにより実現される。
また、前記のコンピュータはパソコンでも良く、そして
アラーム信号およびトリップ信号は、パソコン上のCR
Tに表示してもよい。さらに、状態量の検出値は他の装
置からの通信によって入力してもよい。
【0043】より具体的には、状態量微分値算出プログ
ラムは、状態量検出手段11からの検出値を時間微分す
るようにプログラムされたものとされる。
【0044】アラーム判定プログラムは、前記状態量微
分値算出手段により算出された状態量の時間変化率、つ
まり状態量微分値が、例えば予め格納されているアラー
ム判定関数により規定されるアラーム判定値を超えてい
るか否か判定し、そして前記微分値がアラーム判定値を
超えていれば、アラーム信号の出力を指示するようにさ
れてなるものとされる。この場合、アラーム信号は、状
態量微分値がアラーム判定値を超えている間中出力され
るようにされていてもよく、オペレータがアラーム状態
を確認した後に解除されるようにされていてもよい。な
お、前記においては、アラーム判定値は関数の形態とさ
れているが、アラーム判定値はマップの形態で格納され
ていてもよい。つまり、アラーム判定マップとされても
よい。
【0045】トリップ判定プログラムは、アラーム判定
手段13によりアラームが出された後の状態量微分値
が、例えば予め格納されているトリップ判定関数により
規定されるトリップ判定値を超えているか否か判定し、
そして前記状態量微分値がトリップ判定値を超えていれ
ば、トリップ信号の出力を指示するようにされてなるも
のとされる。なお、前記においては、トリップ判定値は
関数の形態とされているが、トリップ判定値はマップの
形態で格納されていてもよい。つまり、トリップ判定マ
ップとされてもよい。
【0046】このように、この実施形態1においては、
状態量の小さい段階、つまり運転開始の早い段階におい
てもプラント各部の異常が予測できるので、プラントの
異常によるプラント各部の損傷を最小限に抑えることが
できる。
【0047】また、この実施形態1では状態量の時間変
化率により異常発生の時間予測を行っていないので、時
間予測が状態量の時間変化率の精度により影響を受ける
ことはない。
【0048】さらに、この実施形態1は漸近型モデルに
よりモデル化される全ての機器に対して適用可能である
ので汎用性が高い。
【0049】さらにまた、過去の実データを判定のため
に保持させておく必要がないので、診断装置10の構成
を簡素化できる。
【0050】さらにまた、異常の判定を状態量とその時
間変化率との関係に基づいて行っているので、異常の判
定に時間スケールが関係しない。そのため、短時間の連
続時間トレンドの運転形態ばかりでなく、長時間の離散
時間トレンドの運転形態についての異常の判定がなし得
る。例えば、日、週、月などのオーダーで表したような
時間トレンドの運転形態に対しても適用できる。
【0051】実施形態2 プラントの中には各部の時系列特性、つまり正常トレン
ドが、図6に示すように、オーバーシュートして整定す
るものが知られている。このものは、例えば下記式
(4)によりモデル化することができる。つまり、二次
遅れ系としてモデル化できる。
【0052】
【数3】
【0053】図7に図6に示す正常トレンド、運用限界
およびトリップ限界に対応した、正常トレンド軌跡、運
用限界軌跡およびトリップ限界軌跡を数値解析にて求め
たものを示す。
【0054】ところで、この二次遅れ系においては実施
形態1における一次遅れ系と異なり、状態量とその時間
変化率の関係を解析的に求めることは困難であるが、s
inの微分はcosとなるという三角関数の性質を利用
すれば、下記式(5)に示したように、適当な楕円式と
直線との組合わせにより、実施形態1と同様にアラーム
判定ラインおよびトリップ判定ラインを設定することが
できる。また、簡便化のために、楕円に替えて真円を用
いてもよい。
【0055】
【数4】
【0056】図7にこのようにして設定されたアラーム
判定ラインおよびトリップ判定ラインを追記したものを
図8として示す。図8に示す例においては、アラーム判
定ラインは、状態量が小さい区間、すなわち横軸の状態
量がy<yB/2の区間においては、図6から明らかな
ように、状態量の時間微分値が大きくても問題を生ずる
おそれが少ないため、運用限界軌跡の最大値を包含する
直線:dy/dt=0.45をアラーム判定ラインと
し、状態量が大きい区間、すなわち横軸の状態量がyB
/2y≦y≦yBの区間においては、運用限界軌跡を包
含するように、点(0.45,0.45)および点
(0.9,0.0)を通る円(ここでは、点(0.4
5,0.0)を中心とする半径0.45の円)の右上四
半円の円弧をアラーム判定ラインとし、これらの直線お
よび円弧を組み合わせたものとしている。ここで、点
(0.45,0.0)は運用限界軌跡の横軸最大値との
交点を表している。
【0057】また、トリップ判定ラインは、状態量が小
さい区間、すなわち横軸の状態量がy<yB/2の区間
においては、トリップ限界軌跡の最大値を包含する直
線:dy/dt=0.5をトリップ判定ラインとし、状
態量が大きい区間、すなわち横軸の状態量がyB/2y
≦y≦yBの区間においては、トリップ限界軌跡を包含
するように、点(0.5,0.5)および点(1.0,
0.0)を通る円弧(ここでは、点(0.5,0.0)
を中心とする半径1.0の円)右上四半円の円弧をトリ
ップ判定ラインとし、これらの直線および円弧を組み合
わせたものとしている。ここで、点(0.5,0.0)
はトリップ限界軌跡の横軸最大値との交点を表してい
る。
【0058】なお、前記の例において、簡便化のために
横軸の状態量がyB/2y≦y≦yBの区間における、ア
ラーム判定ラインおよびトリップ判定ラインには真円を
用いているが、運用限界軌跡あるいはトリップ限界軌跡
とのマージンをより詳細に考慮し、これらは式(5)に
示されるような楕円を用いてもよい。
【0059】しかして、図8における要アラームの判定
は、実データが何らかの原因により正常トレンド軌跡か
ら外れてアラーム判定ラインに到達した時点でなされ
る。図8より明らかなように、この要アラームの判定は
状態量が小さい場合においてもなし得る。そのため、状
態量の閾値により要アラームの判定をなす従来の診断方
法に比して早い段階でも要アラームの判定がなし得る。
【0060】また、トリップの判定も同様に実データが
トリップ判定ラインに到達した時点でなされる。この場
合も前記と同様に状態量の閾値によりトリップの判定を
なす従来の診断方法に比して早い段階でもトリップの判
定がなし得る。
【0061】この実施形態2の診断方法に適用される診
断装置も実施形態1におけるものと同様とされている
が、アラーム判定手段におけるアラーム判定関数が前述
のものとされ、またトリップ判定手段におけるトリップ
判定判定関数が前述のものとされている点が異なる。な
お、アラーム判定関数に代えてアラーム判定マップが用
いられてもよく、またトリップ判定関数に代えてトリッ
プ判定マップが用いられてもよい。
【0062】しかして、この実施形態2の診断方法にお
いても実施形態1と同様の効果が得られる。
【0063】
【実施例】以下、本発明をより具体的な実施例に基づい
て説明する。
【0064】実施例1および比較例1 実施例1は実施形態1の具体例の一例であって、プラン
トの故障の程度が比較的軽い場合のものである。
【0065】この実施例1は、図9に示すように、実デ
ータが運転途中において正常トレンドから外れて、従来
のアラーム判定値(状態量:0.8)近傍に収束するよ
うな状況のものである。そして、図9に示すものを実施
形態1の手法により処理したものが図10に示されてい
る。図10から明らかなように、この実施例1は最終状
態においてもアラーム判定ラインに到達していないの
で、要アラームの判定がなされないのが分かる。
【0066】これに対し、同じカーブについて状態量:
0.8にてアラームを発生するようにされている比較例
1においては、最終状態において状態量:0.8近傍に
収束するにもかかわらず、図11に示すように、状態量
が0.8に到達した時点でアラームが発せられる。その
ため、この比較例1においては、アラームに対する処置
を講ずることが要請されることになるので、生産性が低
下する。
【0067】このように、この実施例1においては、最
終状態(収束状態)における状況の見極めがなし得るの
で、故障の程度が比較的軽いものについては、アラーム
が発せられることなく運転が継続される。そのため、生
産性が向上する。
【0068】実施例2および比較例2 実施例2は実施形態1の具体例の他の一例であって、プ
ラントの故障の程度が比較的重い場合のものである。
【0069】この実施例2は、図12に示すように、実
データが運転途中において正常トレンドから外れて、従
来のトリップ判定値(状態量:1.0)の下方近傍で収
束するような状況のものである。そして、図12に示す
のものを実施形態1の手法により処理したものが図13
に示されている。図13から明らかなように、この実施
例2軌跡は最終状態の手前においてアラーム判定ライン
に到達しているので、要アラームの判定がなされるのが
分かる。
【0070】これに対し、同じカーブについて状態量:
0.8にてアラームを発生するようにされている比較例
2においては、図14に示すように、状態量が0.8に
到達した時点でアラームが発せられる。
【0071】このように、この実施例2においては、最
終状態(収束状態)近傍における状況の見極めがなし得
るので、故障の程度が比較的重いものについは比較例2
とほぼ同時期にアラームが発せられる(図14参照)の
で、従来と同様に故障に対する処置が適切になし得る。
【0072】実施例3および比較例3 実施例3は実施形態1の具体例のさらに他の一例であっ
て、プラントの故障の程度が非常に重い場合のものであ
る。
【0073】この実施例3は、図15に示すように、実
データが運転途中において正常トレンドから外れて、従
来のトリップ判定値(状態量:1.0)を超えて収束す
るような状況のものである。そして、図15に示すのも
のを実施形態1の手法により処理したものが図16に示
されている。図16から明らかなように、この実施例3
軌跡は運転開始後の比較的早い時期にアラーム判定ライ
ンを超えるとともに、最終状態の手前においてトリップ
判定ラインにも到達しているので、要アラームの判定が
なされるととに、そのすぐ後にトリップの判定がなされ
るのが分かる。
【0074】これに対し、同じカーブについて状態量:
0.8にてアラームを発生するようにされるとともに、
状態量:1にてトリップがなされるようにされている比
較例3においては、図17に示すように、状態量が0.
8に到達した時点でアラームが発せられるとともに、状
態量が1に到達した時点でトリップがなされる。このア
ラームおよびトリップがなされる時期について実施例3
と対比してみると、アラームが発せられる時期およびト
リップがなされる時期の双方とも、実施例3においてア
ラームが発せられる時期およびトリップがなされる時期
よりも遅いのが分かる(図17参照)。
【0075】このように、実施例3においては、重大な
故障の場合には従来のものよりもアラームが早く発せら
れるとともにトリップも早くなされるので、プラントの
損傷を最小限に抑えることができる。
【0076】実施例4および比較例4 実施例4は実施形態1の診断方法の妥当性を検証するた
めに、実施形態1の診断方法を実機(回転機械)に適用
したものである。なお、この実施例4および比較例4に
おいては状態量は規格化されておらず、スラスト軸受温
度そのものが状態量とされている。
【0077】図18および図19にスラスト軸受の正常
時の温度変化を示す。図18および図19から、このス
ラスト軸受の温度データは漸近型モデルで近似できるの
がわかる。また、図20にメインスラストに異物が混入
した場合の温度変化を示す。
【0078】そして、図18、19、20に示すものを
実施形態1の手法により処理したものを図21、22、
23に示す。なお、図21、22、23には、過去の運
転実績に基づいて作成された正常運用範囲およびトリッ
プ判定ラインも併せて記入されている。
【0079】図23に示すように、実施例4において
は、状態量(スラスト軸受温度)が30℃において状態
量の時間変化(状態量微分値)がトリップ判定ラインを
超えているので、この時点でトリップの判定がなされ
る。これに対し比較例4では、図24に示すように、ス
ラスト軸受温度が限界値の90℃に到達した時点でトリ
ップの判定をなしている。
【0080】これらのことを時間に換算すると、実施例
4では運転開始から約30秒後にトリップの判定がなさ
れるのに対し、比較例4では運転開始から約690秒後
にトリップの判定がなされる(図24(b)参照)。し
たがって、実施例4ではスラスト軸受温度が限界値を超
える前に運転停止動作がなされるので、機器に損傷を与
えるおそれはほとんどない。これに対し、比較例4では
スラスト軸受温度が限界値を超えてから運転停止動作が
なされるので、機器に損傷を与えるおそれが大きい。
【0081】実施例5および比較例5 実施例5は実施形態2の具体例の一例であって、プラン
トの故障の程度が比較的軽い場合のものである。
【0082】この実施例5は、図25に示すように、実
データが運転途中において正常トレンドから外れて、従
来のアラーム判定値(状態量:0.8)近傍に収束する
ような状況のものである。そして、図25に示すものを
実施形態2の手法により処理したものが図26に示され
ている。図26から明らかなように、この実施例5軌跡
は最終状態においてもアラーム判定ラインに到達してい
ないので、要アラームの判定がなされないのが分かる。
【0083】これに対し、同じカーブについて状態量:
0.8にてアラームを発生するようにされている比較例
5においては、最終状態において状態量:0.8近傍に
収束するにもかかわらず、図27に示すように、状態量
が0.8に到達した時点でアラームが発せられる。その
ため、この比較例1においては、アラームに対する処置
を講ずることが要請されることになるので、生産性が低
下する。
【0084】このように、この実施例5においては、最
終状態(収束状態)における状況の見極めがなし得るの
で、故障の程度が比較的軽いものについては、アラーム
が発せられることなく運転が継続される。そのため、生
産性が向上する。
【0085】実施例6および比較例6 実施例6は実施形態1の具体例の他の一例であって、プ
ラントの故障の程度が比較的重い場合のものである。
【0086】この実施例6は、図28に示すように、実
データが運転途中において正常トレンドから外れて、従
来のトリップ判定値(状態量:1.0)の下方近傍で収
束するような状況のものである。そして、図28に示す
のものを実施形態1の手法により整理したものが図29
に示されている。図29から明らかなように、この実施
例6軌跡は最終状態の手前においてアラーム判定ライン
に到達しているので、要アラームの判定がなされるのが
分かる。
【0087】これに対し、同じカーブについて状態量:
0.8にてアラームを発生するようにされている比較例
6においては、図30に示すように、状態量が0.8に
到達した時点でアラームが発せられる。
【0088】このように、この実施例6においては、最
終状態(収束状態)近傍における状況の見極めがなし得
るので、故障の程度が比較的重いものについは比較例6
とほぼ同時期にアラームが発せられる(図30参照)の
で、従来と同様に故障に対する対策が適切になし得る。
【0089】実施例7および比較例7 実施例7は実施形態2の具体例のさらに他の一例であっ
て、プラントの故障の程度が非常重い場合のものであ
る。
【0090】この実施例7は、図31に示すように、実
データが運転途中において正常トレンドから外れて、従
来のトリップ判定値(状態量:1.0)を超えて収束す
るような状況のものである。そして、図31に示すのも
のを実施形態1の手法により処理したものが図32に示
されている。図32から明らかなように、この実施例7
軌跡は運転開始後の比較的早い時期にアラーム判定ライ
ンを超えるとともに、最終状態の手前においてトリップ
判定ラインにも到達しているので、要アラームの判定が
なされるととに、そのすぐ後にトリップの判定がなされ
るのが分かる。
【0091】これに対し、同じカーブについて状態量:
0.8にてアラームを発生するようにされるとともに、
状態量:1にてトリップがなされるようにされている比
較例7においては、図33に示すように、状態量が0.
8に到達した時点でアラームが発せられるとともに、状
態量が1に到達した時点でトリップがなされる。このア
ラームおよびトリップがなされる時期について実施例7
と対比してみると、アラームが発せられる時期およびト
リップがなされる時期の双方とも、実施例7においてア
ラームが発せられる時期およびトリップがなされる時期
よりも遅いのが分かる(図33参照)。
【0092】このように、実施例7においては、重大な
故障の場合には従来のものよりもアラームが早く発せら
れるとともにトリップも早くなされるので、プラントの
損傷を最小限に抑えることができる。
【0093】以上、本発明を実施形態および実施例に基
づいて説明してきたが、本発明はかかる実施形態および
実施例に限定されるものではなく、種々改変が可能であ
る。
【0094】例えば、図5に示す診断装置のロジック構
成の一例を図34に示すが、同等の機能を有する他のロ
ジックによって構成されてもよい。また、図34に示す
ようなワイヤードロジック回路を主要部に用いたものと
されてもよい。
【0095】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば次
のような優れた効果が得られる。
【0096】(1)状態量の小さい段階、つまり運転開
始後の早い段階において機器の異常が予測できるので、
機器の動作異常による機器の損傷を最小限に抑えること
ができる。
【0097】(2)状態量とその時間変化率の関係より
異常を予測しているので、機器の種類に関係なく適用が
可能であり汎用性が高い。
【0098】(3)過去の実データを診断のために保持
する必要がないので、診断装置の構成が簡素化される。
【0099】(4)状態量とその時間変化率の関係より
異常を予測しているので、異常の判定に時間スケールが
関係することはない。そのため、短時間の連続時間トレ
ンドの運転形態ばかりでなく、長時間の離散時間トレン
ドの運転形態についての診断もなし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の診断方法が適用されるプ
ラントのトレンドパターンを示すグラフである。
【図2】同実施形態1の診断方法が適用されているプラ
ントの状態量と状態量微分値との関係を示すグラフであ
る。
【図3】図2に示すグラフにアラーム判定ラインおよび
トリップ判定ラインを追記したグラフである。
【図4】同実施形態1の診断方法に利用される診断装置
の概略図である。
【図5】図4に示す診断装置の電気的構成の概略図であ
る。
【図6】本発明の実施形態2の診断方法が適用されるプ
ラントのトレンドパターンを示すグラフである。
【図7】同実施形態2の診断方法が適用されているプラ
ントの状態量と状態量微分値との関係を示すグラフであ
る。
【図8】図7に示すグラフにアラーム判定ラインおよび
トリップ判定ラインを追記したグラフである。
【図9】実施例1および比較例1のトレンドパターンを
示すグラフである。
【図10】実施例1における状態量と状態量微分値の関
係を示すグラブである。
【図11】実施例1および比較例1における判定結果を
示すグラフである。
【図12】実施例2および比較例2のトレンドパターン
を示すグラフである。
【図13】実施例2における状態量と状態量微分値の関
係を示すグラブである。
【図14】実施例2および比較例2における判定結果を
示すグラフである。
【図15】実施例3および比較例3のトレンドパターン
を示すグラフである。
【図16】実施例3における状態量と状態量微分値の関
係を示すグラブである。
【図17】実施例3および比較例3における判定結果を
示すグラフである。
【図18】実施例4の正常状態におけるスラスト軸受温
度の時間変化の一例を示すグラフである。
【図19】実施例4の正常状態におけるスラスト軸受温
度の時間変化の他の例を示すグラフである。
【図20】実施例4の異常状態におけるスラスト軸受温
度の時間変化の一例を示すグラフである。
【図21】図18のグラフに対する状態量と状態量微分
値の関係を示すグラフである。
【図22】図19のグラフに対する状態量と状態量微分
値の関係を示すグラフである。
【図23】図20のグラフに対する状態量と状態量微分
値の関係を示すグラフである。
【図24】実施例4および比較例4の関するグラフであ
って、同(a)は異常状態におけるスラスト軸受温度の
時間変化を示すグラフであり、同(b)は実施例4およ
び比較例4の判定結果を示すグラフである。
【図25】実施例5および比較例5のトレンドパターン
を示すグラフである。
【図26】実施例5における状態量と状態量微分値の関
係を示すグラブである。
【図27】実施例5および比較例5における判定結果を
示すグラフである。
【図28】実施例6および比較例6のトレンドパターン
を示すグラフである。
【図29】実施例6における状態量と状態量微分値の関
係を示すグラブである。
【図30】実施例6および比較例6における判定結果を
示すグラフである。
【図31】実施例7および比較例7のトレンドパターン
を示すグラフである。
【図32】実施例7における状態量と状態量微分値の関
係を示すグラブである。
【図33】実施例7および比較例7における判定結果を
示すグラフである。
【図34】本発明の他の実施形態における診断装置ブロ
ック図である。
【符号の説明】
10 診断装置 11 状態量検出手段 12 状態量微分値算出手段 13 アラーム判定手段 14 トリップ判定手段
フロントページの続き (72)発明者 杉本 隆雄 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式 会社 明石工場内 (72)発明者 永井 勝史 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式 会社 明石工場内 (72)発明者 笠 正憲 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式 会社 明石工場内 (56)参考文献 特開 平1−100608(JP,A) 特開 平11−150993(JP,A) 特開 平10−47078(JP,A) 特開 平11−149301(JP,A) 特開 昭62−219009(JP,A) 特開 平3−81697(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 23/02 302 G05B 13/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 状態量の時間的変化が特定のパターンと
    なる機器に適用される診断方法であって、 前記機器の運用限界を予め運用限界軌跡として設定する
    とともに、前記運用限界軌跡を超えた位置にアラーム判
    定ラインを設定し、検出された状態量の時間微分値が前
    記アラーム判定ラインを超えた場合、要アラームの判定
    をなすとともに、前記アラーム判定ラインを超えた位置
    にトリップ判定ラインを設定し、検出された状態量の時
    間微分値が前記トリップ判定ラインを超えた場合、要ト
    リップの判定をなすことを特徴とする機器の診断方法。
  2. 【請求項2】 前記パターンが、漸近型パターンまたは
    オーバーシュート型パターンなどの特定の時間的変化パ
    ターンに近似できるものであることを特徴とする請求項
    1記載の機器の診断方法。
  3. 【請求項3】 前記機器が連続的運転形態または離散的
    運転形態とされてなることを特徴とする請求項1記載の
    機器の診断方法。
  4. 【請求項4】 状態量の時間的変化が特定のパターンと
    なる機器に適用される診断装置であって、 入力された状態量の時間微分値を生成する状態量微分値
    算出手段と、前記時間微分値に基づいて機器の要アラー
    ムの判定をなすアラーム判定手段および要トリップの判
    定をなすトリップ判定手段とを備え、 要ラームの判定をなすためのアラーム判定ラインを、前
    記機器の運用限界軌跡を超えた位置に予め設定してお
    き、検出された状態量の時間微分値が前記アラーム判定
    ラインを超えた場合にアラーム信号を出力し、 要トリップの判定をなすためのトリップ判定ラインを、
    前記機器の運用限界軌跡およびアラーム判定ラインを超
    えた位置に予め設定しておき、検出された状態量の時間
    微分値が前記トリップ判定ラインを超えた場合にトリッ
    プ信号を出力する ことを特徴とする機器の診断装置。
  5. 【請求項5】 状態量の時間的変化が特定のパターンと
    なる機器に適用される診断装置であって、 入力された状態量の時間微分値を生成する状態量微分値
    算出手段と、前記時間微分値に基づいて機器の要トリッ
    プの判定をなすトリップ判定手段とを備え、 要トリップの判定をなすためのトリップ判定ラインを、
    前記機器の運用限界軌跡およびアラーム判定ラインを超
    えた位置に予め設定しておき、検出された状態量の時間
    微分値が前記トリップ判定ラインを超えた場合にトリッ
    プ信号を出力することを特徴とする機器の診断装置。
  6. 【請求項6】 前記パターンが、漸近型パターンまたは
    オーバーシュート型パターンなどの特定の時間的変化パ
    ターンに近似できるものであることを特徴とする請求項
    または記載の機器の診断装置。
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