JP3210828B2 - 動きベクトル検出方法 - Google Patents
動きベクトル検出方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電話回線などの比較的
低レートの回線に接続して使用される動画像通信装置に
おける動画像符号化方式に関し、特に動き補償予測を用
いた符号化を行う際の動きベクトル検出方法に関する。
低レートの回線に接続して使用される動画像通信装置に
おける動画像符号化方式に関し、特に動き補償予測を用
いた符号化を行う際の動きベクトル検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に用いられている動画像の符号化
について図面を用いて説明する。なお、本文中で記述さ
れるフレームというのは画像の1処理単位であって、い
わゆるフィールド画像を含むものである。図5におい
て、画像入力信号200はブロック分割器201によっ
て定められた画素数のブロックサイズにブロック化され
る。切り替えスイッチ202ではフレーム内(INTR
A)符号化あるいはフレーム間(INTER)符号化の
切り替えを符号化制御部205の判定に基づいて行う
が、ここでは動画像符号化の特徴である動き補償予測を
使ったINTER符号化についてのみ説明し、動き補償
予測を使わないINTRA符号化については省略する。
ブロック化された入力信号とフレームメモリ208に記
憶されている前フレームの復号画像を動き補償した予測
画像との差分を減算器211にて求め、予測誤差画像と
する。この予測誤差画像を直交変換器203および量子
化器204によって変換係数の量子化出力217として
出力する。予測画像は、逆量子化器206、逆直交変換
器207、加算器210、フレームメモリ208および
動き補償器209によって構成されるローカルデコーダ
219によって生成される。フレームメモリ208は前
フレームの復号画像を記憶しており、この記憶された画
像とブロック化された画像入力信号が動きベクトル検出
器(212、213)に入力され、前フレームの復号画
像を参照画像として動きベクトルが検出される。この検
出された動きベクトルに基づいて動き補償部209で動
き補償が行われ、現フレームの予測画像が生成される。
以下、ブロックマッチングを使った従来の動きベクトル
検出方法について説明する。ここでは図6に示すように
マッチングに用いるブロックを水平方向16画素、垂直
方向16画素の矩形ブロック32とし、動きベクトルの
検出範囲30を水平、垂直両方向とも±15画素の領域
とする。代表的な動きベクトル検出方法としては、フル
サーチ、ステップサーチ、2段階サーチなどがあり、順
に図面を用いて説明する。
について図面を用いて説明する。なお、本文中で記述さ
れるフレームというのは画像の1処理単位であって、い
わゆるフィールド画像を含むものである。図5におい
て、画像入力信号200はブロック分割器201によっ
て定められた画素数のブロックサイズにブロック化され
る。切り替えスイッチ202ではフレーム内(INTR
A)符号化あるいはフレーム間(INTER)符号化の
切り替えを符号化制御部205の判定に基づいて行う
が、ここでは動画像符号化の特徴である動き補償予測を
使ったINTER符号化についてのみ説明し、動き補償
予測を使わないINTRA符号化については省略する。
ブロック化された入力信号とフレームメモリ208に記
憶されている前フレームの復号画像を動き補償した予測
画像との差分を減算器211にて求め、予測誤差画像と
する。この予測誤差画像を直交変換器203および量子
化器204によって変換係数の量子化出力217として
出力する。予測画像は、逆量子化器206、逆直交変換
器207、加算器210、フレームメモリ208および
動き補償器209によって構成されるローカルデコーダ
219によって生成される。フレームメモリ208は前
フレームの復号画像を記憶しており、この記憶された画
像とブロック化された画像入力信号が動きベクトル検出
器(212、213)に入力され、前フレームの復号画
像を参照画像として動きベクトルが検出される。この検
出された動きベクトルに基づいて動き補償部209で動
き補償が行われ、現フレームの予測画像が生成される。
以下、ブロックマッチングを使った従来の動きベクトル
検出方法について説明する。ここでは図6に示すように
マッチングに用いるブロックを水平方向16画素、垂直
方向16画素の矩形ブロック32とし、動きベクトルの
検出範囲30を水平、垂直両方向とも±15画素の領域
とする。代表的な動きベクトル検出方法としては、フル
サーチ、ステップサーチ、2段階サーチなどがあり、順
に図面を用いて説明する。
【0003】1.フルサーチ この方法は前フレーム復号画像(参照画像)上に設定す
る候補ブロックを、検出範囲30を1画素づつ順に変位
させて符号化対象ブロックとの間でブロックマッチング
を行う。全候補ブロックとのマッチングを終了し、誤差
が最小であった候補ブロックとの位置関係を求める。こ
の位置関係を求める誤差評価には、例えば両ブロックの
対応する画素間の差分の絶対値和が多く使われている。
この誤差が最小となる候補ベクトル位置までの変位量を
最適な動きベクトルとする。対象ブロック当たりのブロ
ックマッチングの回数は961回となり、通常TV電話
で用いられる画像フォーマットQCIF( Quarter Com
mon Intermediate Format、176×144画素)では
1フレーム当たりのマッチング回数は95,139回と
なる。
る候補ブロックを、検出範囲30を1画素づつ順に変位
させて符号化対象ブロックとの間でブロックマッチング
を行う。全候補ブロックとのマッチングを終了し、誤差
が最小であった候補ブロックとの位置関係を求める。こ
の位置関係を求める誤差評価には、例えば両ブロックの
対応する画素間の差分の絶対値和が多く使われている。
この誤差が最小となる候補ベクトル位置までの変位量を
最適な動きベクトルとする。対象ブロック当たりのブロ
ックマッチングの回数は961回となり、通常TV電話
で用いられる画像フォーマットQCIF( Quarter Com
mon Intermediate Format、176×144画素)では
1フレーム当たりのマッチング回数は95,139回と
なる。
【0004】2.ステップサーチ 階層的な動きベクトル検出方法の一つであり、図7に示
すように符号化対象ブロック40と、参照画像上に水
平、垂直両方向に±8画素ずらした動きベクトルに対応
した位置に設定した8個の候補ブロック42との間でマ
ッチングを行い、誤差が最小となる候補ブロック43と
の位置関係を求める。次に求められた位置43から±4
画素ずらした8個の候補ブロック45とマッチングを行
い、さらに±2画素ずらした8個の候補ブロック47と
マッチングを行う。最終的に±1画素ずらした参照画像
の周囲8個の候補ブロックとマッチングを行い、得られ
た結果をもって求める動きベクトルとする。対象ブロッ
ク当たりのブロックマッチング回数は33回となり、1
フレーム当たりのマッチング回数は3,267回とな
る。これはフルサーチによる処理と比較すると約1/3
0で済むことになる。
すように符号化対象ブロック40と、参照画像上に水
平、垂直両方向に±8画素ずらした動きベクトルに対応
した位置に設定した8個の候補ブロック42との間でマ
ッチングを行い、誤差が最小となる候補ブロック43と
の位置関係を求める。次に求められた位置43から±4
画素ずらした8個の候補ブロック45とマッチングを行
い、さらに±2画素ずらした8個の候補ブロック47と
マッチングを行う。最終的に±1画素ずらした参照画像
の周囲8個の候補ブロックとマッチングを行い、得られ
た結果をもって求める動きベクトルとする。対象ブロッ
ク当たりのブロックマッチング回数は33回となり、1
フレーム当たりのマッチング回数は3,267回とな
る。これはフルサーチによる処理と比較すると約1/3
0で済むことになる。
【0005】3.2段階サーチ この方法の説明図を図8に示す。符号化対象ブロック5
0と参照画像のマッチングを行う候補ブロック52の設
定を検出範囲30の全域にわたって3画素おきに配置し
て、誤差がもっとも小さくなる候補ブロック54との位
置関係を求める。さらにその周囲±1画素ずらした動き
ベクトルに対応する8個の候補ブロック54(図8中の
黒丸)とマッチングを行い、その誤差が最小となる候補
ブロックとの位置関係を最終的な動きベクトルとする。
この方法による対象ブロック当たりブロックマッチング
回数は129回で、1フレーム当たりのブロックマッチ
ング回数は12,771回となる。これはフルサーチの
処理量と比較すると約1/7である。
0と参照画像のマッチングを行う候補ブロック52の設
定を検出範囲30の全域にわたって3画素おきに配置し
て、誤差がもっとも小さくなる候補ブロック54との位
置関係を求める。さらにその周囲±1画素ずらした動き
ベクトルに対応する8個の候補ブロック54(図8中の
黒丸)とマッチングを行い、その誤差が最小となる候補
ブロックとの位置関係を最終的な動きベクトルとする。
この方法による対象ブロック当たりブロックマッチング
回数は129回で、1フレーム当たりのブロックマッチ
ング回数は12,771回となる。これはフルサーチの
処理量と比較すると約1/7である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した従来の動
きベクトル検出方法には、それぞれ次のような問題点が
ある。フルサーチによる動きベクトル検出では検出精度
が高く、予測誤差を小さくできる。その結果、発生符号
量を抑えることができるため、受信側での復号画像の画
質を向上させることができる。しかし一方でブロックマ
ッチングの回数が多く処理量が膨大となるため、電話回
線のような低い伝送レートでの動画像通信装置では、動
きベクトル検出処理の負荷の増大が符号化遅延の要因と
なる。一方、ステップサーチによる動きベクトル検出で
はマッチング回数が少なくなり処理量は削減されるが、
一部の候補ブロックとの間でマッチングを行うだけであ
るため、最初の段階で誤検出を生ずると、本来求めるべ
き方向と全く異なる動きベクトルを検出してしまうとい
う問題がある。また2段階サーチでは処理量および検出
精度は前述の2つの方法の中間的なものである。しかし
ながら、対象ブロック内にエッジや独立した領域が存在
する場合などには、必ずしも1段目のサーチが最適な動
きベクトルそのもの、あるいは最適な動きベクトルに隣
接した動きベクトルを検出しているとは限らないため、
2段目のサーチの際に周囲8個の候補ブロックしか検出
を行わない方法では、誤検出が発生してしまうという問
題がある。
きベクトル検出方法には、それぞれ次のような問題点が
ある。フルサーチによる動きベクトル検出では検出精度
が高く、予測誤差を小さくできる。その結果、発生符号
量を抑えることができるため、受信側での復号画像の画
質を向上させることができる。しかし一方でブロックマ
ッチングの回数が多く処理量が膨大となるため、電話回
線のような低い伝送レートでの動画像通信装置では、動
きベクトル検出処理の負荷の増大が符号化遅延の要因と
なる。一方、ステップサーチによる動きベクトル検出で
はマッチング回数が少なくなり処理量は削減されるが、
一部の候補ブロックとの間でマッチングを行うだけであ
るため、最初の段階で誤検出を生ずると、本来求めるべ
き方向と全く異なる動きベクトルを検出してしまうとい
う問題がある。また2段階サーチでは処理量および検出
精度は前述の2つの方法の中間的なものである。しかし
ながら、対象ブロック内にエッジや独立した領域が存在
する場合などには、必ずしも1段目のサーチが最適な動
きベクトルそのもの、あるいは最適な動きベクトルに隣
接した動きベクトルを検出しているとは限らないため、
2段目のサーチの際に周囲8個の候補ブロックしか検出
を行わない方法では、誤検出が発生してしまうという問
題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの課題を
解決するためのものであり、ディジタル化された画像入
力信号の近接した規定数の画素をまとめて符号化単位ブ
ロックとし、この符号化単位ブロック毎に順次選択し前
フレーム復号画像を参照画像として対応するブロックと
の差分情報から現フレームとの位置関係を検出するため
の動きベクトル検出方法において、前記参照画像上の動
きベクトル検出範囲内に予め定められた画素間隔で均等
に配置された第1の候補ブロックと符号化対象ブロック
との間でブロックマッチングによる評価値が最小となる
候補ブロックとの位置関係を検出する第1の動きベクト
ル検出器と、前記第1の動きベクトル検出器によって検
出された評価値からの誤差分布を基に最小検出精度単位
の第2の候補ブロックを設定する候補ブロック位置設定
器と、前記候補ブロック位置設定器で設定された第2の
候補ブロックと符号化対象ブロックとの位置関係を検出
する第2の動きベクトル検出器とから構成され、前記候
補ブロック位置設定器は符号化対象ブロックと前記第1
の候補ブロックとの誤差評価値の分布に応じた複数の候
補ブロック配置パターンを有し前記第1の動きベクトル
検出器によって検出される第1の動きベクトルに対応す
る候補ブロック周辺の誤差評価値の分布状態から最適な
配置パターンを選択し最小検出精度単位の第2の候補ブ
ロックを配置する動きベクトル検出方法を提供する。
解決するためのものであり、ディジタル化された画像入
力信号の近接した規定数の画素をまとめて符号化単位ブ
ロックとし、この符号化単位ブロック毎に順次選択し前
フレーム復号画像を参照画像として対応するブロックと
の差分情報から現フレームとの位置関係を検出するため
の動きベクトル検出方法において、前記参照画像上の動
きベクトル検出範囲内に予め定められた画素間隔で均等
に配置された第1の候補ブロックと符号化対象ブロック
との間でブロックマッチングによる評価値が最小となる
候補ブロックとの位置関係を検出する第1の動きベクト
ル検出器と、前記第1の動きベクトル検出器によって検
出された評価値からの誤差分布を基に最小検出精度単位
の第2の候補ブロックを設定する候補ブロック位置設定
器と、前記候補ブロック位置設定器で設定された第2の
候補ブロックと符号化対象ブロックとの位置関係を検出
する第2の動きベクトル検出器とから構成され、前記候
補ブロック位置設定器は符号化対象ブロックと前記第1
の候補ブロックとの誤差評価値の分布に応じた複数の候
補ブロック配置パターンを有し前記第1の動きベクトル
検出器によって検出される第1の動きベクトルに対応す
る候補ブロック周辺の誤差評価値の分布状態から最適な
配置パターンを選択し最小検出精度単位の第2の候補ブ
ロックを配置する動きベクトル検出方法を提供する。
【0008】
【作用】上述のように構成された動きベクトル検出方法
によれば、動画像のフレーム間符号化を行う際に、動き
ベクトル検出の処理量を削減でき、多様な動きを検出す
る場合においても検出精度が高く、効率的な動きベクト
ル検出が可能となる。
によれば、動画像のフレーム間符号化を行う際に、動き
ベクトル検出の処理量を削減でき、多様な動きを検出す
る場合においても検出精度が高く、効率的な動きベクト
ル検出が可能となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。図1は本発明の第1の実施例を示すフローチ
ャート、図2は本発明の第1の実施例による動きベクト
ル検出を示す説明図である。図1および図2にもとづい
て動きベクトル検出の動作を説明をする。画像信号が入
力され(ステップ1、以下S1のように記す)、ある規
定数の画素からなるn個の符号化対象ブロックに分割し
(S2)、分割したブロックに対して動きベクトル検出
(S4〜S8)を行う。動きベクトルの検出にはブロッ
クマッチングが用いられる。ブロックマッチングは前フ
レームの復号画像を参照画像として対象ブロックとの誤
差が最小となる候補ブロックとの位置関係を求めるもの
である。この誤差の評価には、両ブロックの対応する画
素間の差分の絶対値和が多く使われているが、差分の自
乗和による評価など他の評価方法を用いても差し支えな
い。本実施例では1フレームの画像サイズをQCIF
(176×144画素)、また、図3に示すように1符
号化単位ブロックを水平方向16画素、垂直方向16画
素からなる矩形ブロック32、動きベクトルの検出範囲
を水平方向、垂直方向それぞれ±15画素の領域30と
して説明する。まず、図2において参照画像上の検出範
囲60内に候補ブロック61を水平、垂直両方向にそれ
ぞれα画素間隔で設定(S4)する。図2に示す例では
αを3としており、候補ブロック61の設定は以下のよ
うな動きベクトルに対応した、全121ブロックの設定
となる。 (−15、−15)、(−12、−15)、・・・・(+15、−15) (−15、−12)、(−12、−12)、・・・・(+15、−12) ・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・ (−15、+15)、(−12、+15)、・・・・(+15、+15) ただし、(水平方向変位量、垂直方向変位量)の表示で
ある。符号化単位ブロック62と前記設定した候補ブロ
ック61全てとの間でブロックマッチングを行う(S
5)。マッチングを行った結果から、誤差の評価値が最
小となる候補ブロックと符号化対象ブロックの位置関係
を第1の動きベクトル63とする(S6)。次に、候補
ブロック設定器で、第1の動きベクトル63位置の候補
ブロック(第1の候補ブロック64)の周りの8個の候
補ブロックでの誤差の評価値分布を基に最小検出精度の
第2の候補ブロックを設定する。第1の候補ブロック6
4の周りの8個の候補ブロックのうち誤差評価値が最小
となる候補ブロック65を選択する。第1の候補ブロッ
ク64と候補ブロック65の位置関係によって、あらか
じめ用意されている8種類の候補ブロック配置パターン
から1種類を選択し、選択されたパターンで第1の候補
ブロック64の周りに最小検出精度の第2の候補ブロッ
ク66(図2中の黒丸)を設定する。図3は、図2と異
なるパターンで第2の候補ブロックを設定した場合を示
している。このように第2の候補ブロックの位置によっ
て8種類の配置パターンを用意しておくのである。候補
ブロック設定器で設定された第2の候補ブロック66に
対して最小検出単位で全探索を行う(S7)。ただし、
第1の動きベクトル63の検出時にマッチングを行った
候補ブロックについては、すでに判定が終了しているこ
とから、再度マッチングを行う必要はない。ここで動き
ベクトル検出の最小単位を1画素とすると、符号化対象
ブロックとブロックマッチングを行う候補ブロックの数
は、図2のパターンでは21個、図7のパターンでは2
3個となる。図2や図3に示された黒点が第2の候補ブ
ロックに対応する動きベクトルの位置である。これらの
候補ブロックとの間でマッチングを行った結果から、誤
差の評価値が最小となる候補ブロックとの位置関係を第
2の動きベクトルとする(S8)。前記第2の動きベク
トルを用いてINTRA/INTERの判定を行う(S
9)。これは符号化対象ブロック64をフレーム内符号
化で符号化するか、フレーム間符号化で符号化するかの
符号化モード判定である。INTERモードで符号化す
ると判定された場合には、前記第2の動きベクトルの値
を最適な動きベクトルとして採用し(S10)、動き補
償予測に使われる。以上のような一連の処理を1画面内
の全てのブロックについて行い、全て終了したならば次
画面の処理へと移る。次に、本実施例における符号化対
象ブロック当たりのブロックマッチング回数を求めると
142回、あるいは144回であり、1フレーム当たり
では14058回から14256回となる。これはフル
サーチによるマッチングと比較すると1/6から1/7
程度の計算量となる。また、ステップサーチと比較する
と約4倍の処理量となるが、本実施例の候補ブロックの
設定では検出漏れを生じないことから、得られる動きベ
クトルの検出精度はフルサーチによる検出とほぼ同等で
あり、予測誤差の発生は著しく抑えられるものとなる。
この結果、電話回線のような通信速度が低く、限られて
いる場合の動画像通信の符号化においても、発生符号量
が抑えられるために受信側では画質のよい復号画像を得
ることができる。図4は、本発明の第2の実施例を説明
する図である。第2の実施例では第2の候補ブロックの
配置パターンを第1の実施例と変えており、第1の実施
例に比べて配置範囲を拡大している。これにより動きベ
クトルの検出精度が更に向上する。以上の実施例におい
ては、動きベクトル検出の最小画素単位を1画素として
説明を行ってきたが、最近の動画像符号化では1/2画
素単位として画質向上を図っている。1/2画素単位の
動きベクトル検出では予測画素の位置が2画素間なら2
画素の丸め付き平均値、4画素間なら囲む4画素間の丸
め付き平均値をとる。対象ブロックの大きさが水平・垂
直両方向とも16画素であると、この丸め付き平均値を
算出する処理量は膨大なものとなり符号化遅延の原因と
なる。本発明をこのような1/2画素単位の動きベクト
ル検出への適用した場合、最小検出単位でのブロックマ
ッチングの回数を減らせることから丸め付き平均値の算
出処理を削減することができる。
説明する。図1は本発明の第1の実施例を示すフローチ
ャート、図2は本発明の第1の実施例による動きベクト
ル検出を示す説明図である。図1および図2にもとづい
て動きベクトル検出の動作を説明をする。画像信号が入
力され(ステップ1、以下S1のように記す)、ある規
定数の画素からなるn個の符号化対象ブロックに分割し
(S2)、分割したブロックに対して動きベクトル検出
(S4〜S8)を行う。動きベクトルの検出にはブロッ
クマッチングが用いられる。ブロックマッチングは前フ
レームの復号画像を参照画像として対象ブロックとの誤
差が最小となる候補ブロックとの位置関係を求めるもの
である。この誤差の評価には、両ブロックの対応する画
素間の差分の絶対値和が多く使われているが、差分の自
乗和による評価など他の評価方法を用いても差し支えな
い。本実施例では1フレームの画像サイズをQCIF
(176×144画素)、また、図3に示すように1符
号化単位ブロックを水平方向16画素、垂直方向16画
素からなる矩形ブロック32、動きベクトルの検出範囲
を水平方向、垂直方向それぞれ±15画素の領域30と
して説明する。まず、図2において参照画像上の検出範
囲60内に候補ブロック61を水平、垂直両方向にそれ
ぞれα画素間隔で設定(S4)する。図2に示す例では
αを3としており、候補ブロック61の設定は以下のよ
うな動きベクトルに対応した、全121ブロックの設定
となる。 (−15、−15)、(−12、−15)、・・・・(+15、−15) (−15、−12)、(−12、−12)、・・・・(+15、−12) ・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・ (−15、+15)、(−12、+15)、・・・・(+15、+15) ただし、(水平方向変位量、垂直方向変位量)の表示で
ある。符号化単位ブロック62と前記設定した候補ブロ
ック61全てとの間でブロックマッチングを行う(S
5)。マッチングを行った結果から、誤差の評価値が最
小となる候補ブロックと符号化対象ブロックの位置関係
を第1の動きベクトル63とする(S6)。次に、候補
ブロック設定器で、第1の動きベクトル63位置の候補
ブロック(第1の候補ブロック64)の周りの8個の候
補ブロックでの誤差の評価値分布を基に最小検出精度の
第2の候補ブロックを設定する。第1の候補ブロック6
4の周りの8個の候補ブロックのうち誤差評価値が最小
となる候補ブロック65を選択する。第1の候補ブロッ
ク64と候補ブロック65の位置関係によって、あらか
じめ用意されている8種類の候補ブロック配置パターン
から1種類を選択し、選択されたパターンで第1の候補
ブロック64の周りに最小検出精度の第2の候補ブロッ
ク66(図2中の黒丸)を設定する。図3は、図2と異
なるパターンで第2の候補ブロックを設定した場合を示
している。このように第2の候補ブロックの位置によっ
て8種類の配置パターンを用意しておくのである。候補
ブロック設定器で設定された第2の候補ブロック66に
対して最小検出単位で全探索を行う(S7)。ただし、
第1の動きベクトル63の検出時にマッチングを行った
候補ブロックについては、すでに判定が終了しているこ
とから、再度マッチングを行う必要はない。ここで動き
ベクトル検出の最小単位を1画素とすると、符号化対象
ブロックとブロックマッチングを行う候補ブロックの数
は、図2のパターンでは21個、図7のパターンでは2
3個となる。図2や図3に示された黒点が第2の候補ブ
ロックに対応する動きベクトルの位置である。これらの
候補ブロックとの間でマッチングを行った結果から、誤
差の評価値が最小となる候補ブロックとの位置関係を第
2の動きベクトルとする(S8)。前記第2の動きベク
トルを用いてINTRA/INTERの判定を行う(S
9)。これは符号化対象ブロック64をフレーム内符号
化で符号化するか、フレーム間符号化で符号化するかの
符号化モード判定である。INTERモードで符号化す
ると判定された場合には、前記第2の動きベクトルの値
を最適な動きベクトルとして採用し(S10)、動き補
償予測に使われる。以上のような一連の処理を1画面内
の全てのブロックについて行い、全て終了したならば次
画面の処理へと移る。次に、本実施例における符号化対
象ブロック当たりのブロックマッチング回数を求めると
142回、あるいは144回であり、1フレーム当たり
では14058回から14256回となる。これはフル
サーチによるマッチングと比較すると1/6から1/7
程度の計算量となる。また、ステップサーチと比較する
と約4倍の処理量となるが、本実施例の候補ブロックの
設定では検出漏れを生じないことから、得られる動きベ
クトルの検出精度はフルサーチによる検出とほぼ同等で
あり、予測誤差の発生は著しく抑えられるものとなる。
この結果、電話回線のような通信速度が低く、限られて
いる場合の動画像通信の符号化においても、発生符号量
が抑えられるために受信側では画質のよい復号画像を得
ることができる。図4は、本発明の第2の実施例を説明
する図である。第2の実施例では第2の候補ブロックの
配置パターンを第1の実施例と変えており、第1の実施
例に比べて配置範囲を拡大している。これにより動きベ
クトルの検出精度が更に向上する。以上の実施例におい
ては、動きベクトル検出の最小画素単位を1画素として
説明を行ってきたが、最近の動画像符号化では1/2画
素単位として画質向上を図っている。1/2画素単位の
動きベクトル検出では予測画素の位置が2画素間なら2
画素の丸め付き平均値、4画素間なら囲む4画素間の丸
め付き平均値をとる。対象ブロックの大きさが水平・垂
直両方向とも16画素であると、この丸め付き平均値を
算出する処理量は膨大なものとなり符号化遅延の原因と
なる。本発明をこのような1/2画素単位の動きベクト
ル検出への適用した場合、最小検出単位でのブロックマ
ッチングの回数を減らせることから丸め付き平均値の算
出処理を削減することができる。
【0010】
【発明の効果】以上説明したように本発明の方法によれ
ば、誤差評価量の分布に応じて候補ブロックを配置する
ため少ない検出回数で精度良く、かつ効率良く動きベク
トルの検出を行うことができる。この結果、予測誤差の
発生が低く抑えられるため、電話回線のように通信速度
が低く、限られている場合の画像通信の符号化において
も、発生符号量が抑えられることから受信側では画質の
良い復号画像を得ることができる。
ば、誤差評価量の分布に応じて候補ブロックを配置する
ため少ない検出回数で精度良く、かつ効率良く動きベク
トルの検出を行うことができる。この結果、予測誤差の
発生が低く抑えられるため、電話回線のように通信速度
が低く、限られている場合の画像通信の符号化において
も、発生符号量が抑えられることから受信側では画質の
良い復号画像を得ることができる。
【図1】 本発明の実施例を示すフローチャート。
【図2】 本発明の実施例を示す説明図。
【図3】 本発明の実施例を示す説明図。
【図4】 本発明の実施例を示す説明図。
【図5】 動画像符号化器のブロック図。
【図6】 動きベクトル検出範囲を示す説明図。
【図7】 ステップサーチを示す説明図。
【図8】 2段階サーチを示す説明図。
200 画像入力信号 201 ブロック分割器 202 INTRA/INTER切り替えスイッチ 203 直交変換器 204 量子化器 205 符号化制御器 206 逆量子化器 207 逆直交変換器 208 フレームメモリ 209 動き補償器 210 加算器 211 減算器 212 第1の動きベクトル検出器 213 第2の動きベクトル検出器 219 ローカルデコーダ 30、60 動きベクトル検出範囲 32、40、50、62 符号化対象ブロック
Claims (1)
- 【請求項1】 ディジタル化された画像入力信号の近接
した規定数の画素をまとめて符号化単位ブロックとし、
この符号化単位ブロック毎に順次選択し前フレーム復号
画像を参照画像として対応するブロックとの差分情報か
ら現フレームとの位置関係を検出するための動きベクト
ル検出方法において、前記参照画像上の動きベクトル検
出範囲内に予め定められた画素間隔で均等に配置された
第1の候補ブロックと符号化対象ブロックとの間でブロ
ックマッチングによる評価値が最小となる候補ブロック
との位置関係を検出する第1の動きベクトル検出器と、
前記第1の動きベクトル検出器によって検出された評価
値からの誤差分布を基に最小検出精度単位の第2の候補
ブロックを設定する候補ブロック位置設定器と、前記候
補ブロック位置設定器で設定された第2の候補ブロック
と符号化対象ブロックとの位置関係を検出する第2の動
きベクトル検出器とから構成され、前記候補ブロック位
置設定器は符号化対象ブロックと前記第1の候補ブロッ
クとの誤差評価値の分布に応じた複数の候補ブロック配
置パターンを有し前記第1の動きベクトル検出器によっ
て検出される第1の動きベクトルに対応する候補ブロッ
ク周辺の誤差評価値の分布状態から最適な配置パターン
を選択し最小検出精度単位の第2の候補ブロックを配置
することを特徴とする動きベクトル検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3812495A JP3210828B2 (ja) | 1995-02-27 | 1995-02-27 | 動きベクトル検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3812495A JP3210828B2 (ja) | 1995-02-27 | 1995-02-27 | 動きベクトル検出方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08237667A JPH08237667A (ja) | 1996-09-13 |
JP3210828B2 true JP3210828B2 (ja) | 2001-09-25 |
Family
ID=12516711
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3812495A Expired - Fee Related JP3210828B2 (ja) | 1995-02-27 | 1995-02-27 | 動きベクトル検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3210828B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008113106A (ja) * | 2006-10-30 | 2008-05-15 | Victor Co Of Japan Ltd | 動きベクトル検出装置及び動きベクトル検出プログラム |
-
1995
- 1995-02-27 JP JP3812495A patent/JP3210828B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08237667A (ja) | 1996-09-13 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |