JP3210483U - スライドファスナーのスライダー - Google Patents
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Abstract
【課題】スライドファスナーのスライダーを提供する。【解決手段】スライダーは、前方への移動により一対のエレメント列を噛合させると共に後方への移動により一対のエレメント列を左右に分離させる。スライダー胴体1は、胴体本体部2と引手取付部3を備える。引手4は、引手取付部に対して前後に回動可能に連結される第1の引手部材5と、第1の引手部材に対して前後に回動可能に連結される第2の引手部材6を備える。第2の引手部材と引手取付部は、第2の引手部材を第1の引手部材に対して折り畳んだ状態で引手取付部に仮止めする仮止め部7を備える。第2の引手部材は前記折り畳んだ状態で引手取付部の少なくとも一部を収容すると共に貫通穴としての収容孔部61hを備える。折り畳んだ状態は、胴体本体部の上側において第1の引手部材が後方に倒伏すると共に、第2の引手部材が前方に倒伏する状態である。仮止め部は、互いに係り合って第2の引手部材を引手取付部に仮止めする突起71と溝72を備える。【選択図】図1
Description
本考案は、スライドファスナーのスライダーに関するもので、スライダー胴体と引手を備えるスライダーに関する。
スライダーはスライダー胴体に対して引手を回動可能に連結したものである。そしてスライダーには、回動可能に連結した2つの部材を引手として備え、そのうえでスライダーを操作しないときに、2つの部材が自由に回動しないように引手をスライダー胴体に対して仮止めする仮止め部を備えるものが存在する(特許文献1,2)。
たとえば特許文献1の図4に開示されたスライダーは、仮止め部として、一対のエレメント列の案内方向へ向かってスライダー胴体の前面から突出する突起と、突起が嵌合可能な貫通穴であって引手の先端部側に形成された貫通穴を備えるものである。より詳しくは以下の通りである。
引手の2つの部材は特許文献1において連接部材、引き摺りピースと称されるものである。連接部材はスライダー胴体に、引き摺りピースは連接部材にそれぞれ回動可能に連結されるものである。またスライダー胴体、仮止め部は特許文献1において本体、係合手段と称され、突起と貫通穴は特許文献1において係合体、係合ホールと称されるものである。そして係合体は一対のエレメント列を噛合させる方向へ本体の前面から突出するものであり、係合ホールは引き摺りピースの回動する端部側の貫通穴であって当該回動する端部から屈曲して突出する突出板を貫通する貫通穴である。
引手の2つの部材は特許文献1において連接部材、引き摺りピースと称されるものである。連接部材はスライダー胴体に、引き摺りピースは連接部材にそれぞれ回動可能に連結されるものである。またスライダー胴体、仮止め部は特許文献1において本体、係合手段と称され、突起と貫通穴は特許文献1において係合体、係合ホールと称されるものである。そして係合体は一対のエレメント列を噛合させる方向へ本体の前面から突出するものであり、係合ホールは引き摺りピースの回動する端部側の貫通穴であって当該回動する端部から屈曲して突出する突出板を貫通する貫通穴である。
また特許文献2の図6に開示されたスライダーは、仮止め部として、引手の2つの部材のうち一方の部材から突出する突起と、回動によって仮止めするときと仮止めを解除するときに突起が弾性変形により乗り越え可能な乗越え片であって引手の他方の部材に形成された乗越え片とを備えると共に、引手の前記一方の部材の片面側に形成された凹みであって引手取付部を収容する凹みを備えるものである。より詳しくは以下の通りである。
引手の2つの部材は特許文献2において、引手片、カバー部材と称されるものである。引手片はスライダー胴体に、カバー部材は引手片にそれぞれ回動可能に連結されるものである。またスライダー胴体、仮止め部は特許文献2においてスライダー胴体、係脱手段と称され、突起と乗越え片は特許文献2において弾性舌片、連結杆と称されるものである。そして弾性舌片は、カバー部材のうち引手片に連結する中空の回動部から突出するものである。また弾性舌片が乗り越え可能な連結杆は、引手片のうち対向する一対のアーム部に架け渡すものである。また凹み、引手取付部は特許文献2において収容凹部、引手取付柱と称されるものである。
引手の2つの部材は特許文献2において、引手片、カバー部材と称されるものである。引手片はスライダー胴体に、カバー部材は引手片にそれぞれ回動可能に連結されるものである。またスライダー胴体、仮止め部は特許文献2においてスライダー胴体、係脱手段と称され、突起と乗越え片は特許文献2において弾性舌片、連結杆と称されるものである。そして弾性舌片は、カバー部材のうち引手片に連結する中空の回動部から突出するものである。また弾性舌片が乗り越え可能な連結杆は、引手片のうち対向する一対のアーム部に架け渡すものである。また凹み、引手取付部は特許文献2において収容凹部、引手取付柱と称されるものである。
本考案のスライダーの目的は、上記した2つのスライダーとは異なる構造により、引手をスライダー胴体に対して仮止めすることである。
本考案のスライドファスナーのスライダーは、前方への移動により一対のエレメント列を噛合させると共に後方への移動により一対のエレメント列を左右に分離させるスライダー胴体と、スライダー胴体に連結される引手を備える。スライダー胴体は、一対のエレメント列を通す胴体本体部と、引手を取り付けると共に胴体本体部から突出する引手取付部を備える。引手は、引手取付部に対して前後に回動可能に連結される第1の引手部材と、第1の引手部材に対して前後に回動可能に連結される第2の引手部材を備える。第2の引手部材と引手取付部は、第2の引手部材を第1の引手部材に対して折り畳んだ状態で引手取付部に仮止めする仮止め部を備える。第2の引手部材は折り畳んだ状態で引手取付部の少なくとも一部を収容すると共に貫通穴としての収容孔部を備える。折り畳んだ状態は、胴体本体部の上側において第1の引手部材が後方に倒伏すると共に、第2の引手部材が前方に倒伏する状態である。仮止め部は、互いに係り合って第2の引手部材を引手取付部に仮止めする突起と溝を備える。突起は、第2の引手部材の一部であって、収容孔部から突出するものである。溝は、引手取付部の一部であって、折り畳んだ状態のときに引手取付部のうち収容孔部に対向する面に凹んで形成されるものである。
第2の引手部材は弾性変形可能か否かを問わないが、耐久性を向上するには次のものが望ましい。
すなわち第2の引手部材は弾性変形可能なものである。
すなわち第2の引手部材は弾性変形可能なものである。
突起は収容孔部であればどこから突出しても良く、また溝は、折り畳んだ状態のときに引手取付部のうち収容孔部に対向する面であればどこに凹んで形成してあっても良い。たとえば突起は収容孔部の左右の側面のうち一方からのみ突出し、溝も突起に対応させて引手取付部の左右の側面の前記一方のみに形成しても良いが、この場合、折り畳んだ状態の第2の引手部材は左右の前記一方のみが仮止めされたことになり、仮止め状態を安定させるには次のようにすることが望ましい。
すなわち引手取付部は左右の側面に溝をそれぞれ備え、第2の引手部材は収容孔部の内面のうち左右の側面に突起をそれぞれ備えることである。
すなわち引手取付部は左右の側面に溝をそれぞれ備え、第2の引手部材は収容孔部の内面のうち左右の側面に突起をそれぞれ備えることである。
スライダーのより具体的な構成の一例としては以下のものがある。
第1の引手部材は、前後に回動可能に且つ左右に揺動可能に引手取付部に対して連結されるものである。そして突起と溝の係り合いは、接触による摩擦抵抗である。
第1の引手部材は、前後に回動可能に且つ左右に揺動可能に引手取付部に対して連結されるものである。そして突起と溝の係り合いは、接触による摩擦抵抗である。
また上記した一例の場合のより具体的な構成としては以下のものがある。
すなわち溝は上方に開口するものである。
すなわち溝は上方に開口するものである。
スライダーのより具体的な構成の他の例としては以下のものがある。
折り畳んだ状態は、胴体本体部の上側において第1の引手部材が後方に倒伏すると共に、第2の引手部材が前方に倒伏する第1の状態と、胴体本体部の下側において第1の引手部材が後方に倒伏すると共に、第2の引手部材が前方に倒伏する第2の状態を備えるものである。引手取付部は、側面視して胴体本体部を上下と前の三方からU字状に囲むと共に第1の引手部材を上側と前側と下側の範囲を移動可能に連結するレールと、U字状の延長方向の両端において第1の引手部材の移動範囲を規制するストッパを備える。レールは、胴体本体部から離れるように延長する部分をレール本体部とし、レール本体部の先端部から左右方向の両側に突出する部分を一対のガイド部とする。第1の引手部材は、レールに対してU字状の延長方向に沿って移動可能に連結されるものである。第2の引手部材は、収容孔部に第1の引手部材の少なくとも一部を収容するものである。溝は、レールの左右の側面においてレール本体部とガイド部によってそれぞれ形成される。突起と溝の係り合いは、仮止めするとき及び仮止めを解除するときに突起が弾性変形によりガイド部を乗り越えるものである。
折り畳んだ状態は、胴体本体部の上側において第1の引手部材が後方に倒伏すると共に、第2の引手部材が前方に倒伏する第1の状態と、胴体本体部の下側において第1の引手部材が後方に倒伏すると共に、第2の引手部材が前方に倒伏する第2の状態を備えるものである。引手取付部は、側面視して胴体本体部を上下と前の三方からU字状に囲むと共に第1の引手部材を上側と前側と下側の範囲を移動可能に連結するレールと、U字状の延長方向の両端において第1の引手部材の移動範囲を規制するストッパを備える。レールは、胴体本体部から離れるように延長する部分をレール本体部とし、レール本体部の先端部から左右方向の両側に突出する部分を一対のガイド部とする。第1の引手部材は、レールに対してU字状の延長方向に沿って移動可能に連結されるものである。第2の引手部材は、収容孔部に第1の引手部材の少なくとも一部を収容するものである。溝は、レールの左右の側面においてレール本体部とガイド部によってそれぞれ形成される。突起と溝の係り合いは、仮止めするとき及び仮止めを解除するときに突起が弾性変形によりガイド部を乗り越えるものである。
また仮止め部は突起の個数を問わないが、上記した他の例の場合のときに折り畳んだ状態を維持し易くするには次のようにすることが望ましい。
すなわち仮止め部は突起を複数備え、複数の突起は前後の位置を異ならせることである。
すなわち仮止め部は突起を複数備え、複数の突起は前後の位置を異ならせることである。
本考案のスライダーによれば、第2の引手部材の収容孔部から突出する突起と、引手取付部のうち収容孔部に対向する面に凹んで形成される溝によって、第2の引手取付部材を第1の引手部材に対して折り畳んだ状態で引手取付部に仮止めすることができる。
また第2の引手部材が弾性変形可能なスライダーによれば、たとえば第2の引手部材が弾性変形不能なものに比べれば、耐久性を向上させることができる。
また引手取付部の左右の側面に溝をそれぞれ備え、第2の引手部材における収容孔部の内面のうち左右の側面に突起をそれぞれ備えるスライダーによれば、折り畳んだ状態の第2の引手部材は左右の両方が仮止めされたことになり、仮止め状態を安定させることができる。
また胴体本体部の上面に一対のファスナーテープを通すテープ溝を備えるスライダーによれば、突起と溝が接触することによって、第2の引手取付部材を第1の引手部材に対して折り畳んだ状態で引手取付部に仮止めすることができる。
また折り畳んだ状態が2通りあるスライダーのうち、複数の突起が前後の位置を異ならせてあるものであれば、第1の引手部材が回動することを一つの突起が阻止し、第2の引手部材が回動することを別の突起が阻止するようになり、突起が一つしかないスライダーに比べれば、折り畳んだ状態を維持し易くなる。しかも前後の位置を異ならせた突起が収容孔部の左右側面にあれば、折り畳んだ状態をより維持し易くなる。
スライドファスナーFは図8に示すように、一対のファスナーストリンガーF1,F1と、一対のファスナーストリンガーF1,F1を開閉するスライダーSを備えるものである。
一対のファスナーストリンガーF1,F1は、帯状であって且つ帯幅方向に対向する一対のファスナーテープF2,F2と、一対のファスナーテープF2,F2の対向する側縁部に別々に固定された一対のエレメント列F3,F3とを備えるものである。ちなみにエレメント列F3は、図示しないが、多数のエレメントがファスナーテープに対してその延長方向に間隔をあけて固定されたものや、図示の例のようにモノフィラメントをコイル状に曲げ、そのコイルの一巻分のエレメントが多数連続するもの等がある。
ちなみに図8に示すスライドファスナーFは、俗に隠しスライドファスナーと称されるスライドファスナーであり、一対のファスナーテープF2,F2の対向する側縁部を折り返して、その折返し部分に一対のエレメント列F3,F3を固定したものである。
ちなみに図8に示すスライドファスナーFは、俗に隠しスライドファスナーと称されるスライドファスナーであり、一対のファスナーテープF2,F2の対向する側縁部を折り返して、その折返し部分に一対のエレメント列F3,F3を固定したものである。
以下では、互いに直交する三本の直線方向を用いて、方向を定める。
第1の直線方向は、一対のファスナーストリンガーF1を対向させる方向、言い換えれば一対のエレメント列F3,F3が対向する方向であり、左右方向と言う。ちなみにファスナーストリンガーF1(ファスナーテープF2)は帯状であり、その帯幅方向が左右方向である。左右方向とは、図8の左右方向である。
第2の直線方向は、一対のファスナーストリンガーF1の長手方向、言い換えれば帯状であるファスナーストリンガーF1の延長する方向であり、長手方向または、前後方向と言う。前方向とは、一対のファスナーストリンガーF1を閉じるときに(一対のエレメント列F3,F3を噛合させるときに)スライダーSを移動させる方向である。後方向とは一対のファスナーストリンガーF1を開くときに(一対のエレメント列F3,F3を分離させるときに)スライダーSを移動させる方向である。前方向とは、図8の上方向であり、後方向とは図8の下方向である。
第3の直線方向は、ファスナーストリンガーF1の厚み方向、言い換えればファスナーテープF2や、エレメント列F3の厚み方向であり、上下方向と言う。上方向とは、図8の紙面に対して直交する方向のうち手前を向く方向である。下方向とは、図8の紙面に対して直交する方向のうち奥を向く方向である。
第1の直線方向は、一対のファスナーストリンガーF1を対向させる方向、言い換えれば一対のエレメント列F3,F3が対向する方向であり、左右方向と言う。ちなみにファスナーストリンガーF1(ファスナーテープF2)は帯状であり、その帯幅方向が左右方向である。左右方向とは、図8の左右方向である。
第2の直線方向は、一対のファスナーストリンガーF1の長手方向、言い換えれば帯状であるファスナーストリンガーF1の延長する方向であり、長手方向または、前後方向と言う。前方向とは、一対のファスナーストリンガーF1を閉じるときに(一対のエレメント列F3,F3を噛合させるときに)スライダーSを移動させる方向である。後方向とは一対のファスナーストリンガーF1を開くときに(一対のエレメント列F3,F3を分離させるときに)スライダーSを移動させる方向である。前方向とは、図8の上方向であり、後方向とは図8の下方向である。
第3の直線方向は、ファスナーストリンガーF1の厚み方向、言い換えればファスナーテープF2や、エレメント列F3の厚み方向であり、上下方向と言う。上方向とは、図8の紙面に対して直交する方向のうち手前を向く方向である。下方向とは、図8の紙面に対して直交する方向のうち奥を向く方向である。
本考案の第1実施形態のスライダーSは前述した隠しスライドファスナーと称されるスライドファスナーに用いるスライダーである。第1実施形態のスライダーSは図8に示すように、一対のファスナーストリンガーF1を開閉可能なスライダー胴体1と、スライダー胴体1に対して前後に回動可能に且つ左右に揺動可能に連結された引手4を備えるものである。
ちなみに引手4に関して、回動とは、スライダーSを開閉するときに引手4を操作して前後に回すときの動きであり、揺動とは、引手4を操作しないときに単に揺れるときの動きである。
ちなみに引手4に関して、回動とは、スライダーSを開閉するときに引手4を操作して前後に回すときの動きであり、揺動とは、引手4を操作しないときに単に揺れるときの動きである。
スライダー胴体1は、一対のエレメント列F3,F3および一対のファスナーテープF2,F2を通す胴体本体部2、引手4を取り付けると共に胴体本体部2から突出する引手取付部3を備える。
胴体本体部2は空間部として図1〜4,7に示すように、その前後面には前後方向に貫通すると共に一対のエレメント列F3,F3を通すエレメント路21を備え、その上面には前後方向に貫通し且つ上方に開口すると共に一対のファスナーテープF2,F2を通すテープ溝22を備えるものである。より詳しく言えばエレメント路21とテープ溝22を形成するために胴体本体部2は、左右に間隔をあけて対向する一対の小板部23a,23aを備える上翼板23と、上翼板23に対して下方に間隔をあけて対向する下翼板24と、上翼板23と下翼板24を左右方向の両端部で接合する一対の側板25,25と、下翼板24の前部で且つ左右方向の中間部から上方に突出する柱26であって一対のエレメント列F3,F3の間に挟まれる柱26を備える。
下翼板24は上下方向を厚み方向とする板である。また下翼板24は図示の例では左右対称形状であり、平面視して左右の側辺と後辺と前辺とから構成される。前辺は、円弧状であり、左右方向の中間が最も前方に突出する形状となっている。左右側辺は前方に向かうにつれて互いの左右の間隔を広げるように左右方向に張り出している。
上翼板23を構成する一対の小板部23a,23aも上下方向を厚み方向とする板である。また一対の小板部23a,23aは、下翼板24の左右側辺に沿って前後に延長する細長い板である。
側板25は左右方向を厚み方向とする板である。
柱26は、下翼板24から上翼板23の下面まで突出している。
柱26は、下翼板24から上翼板23の下面まで突出している。
エレメント路21は、上翼板23と下翼板24と一対の側板25,25と柱26によって形成される空間部である。より詳しく言えばエレメント路21は、上翼板23と下翼板24と一対の側板25,25によって包囲される空間部であって、その前部が柱26によって左右に仕切られた空間部である。言い換えればエレメント路21は、その前部が柱26によって分岐された二本の分岐路となっており、その後部(柱26よりも後側)には二本の分岐路が合流して後方へ向かう一本の通路となっている。
テープ溝22は、上翼板23の内側、つまり一対の小板部23a,23aの間に形成され、エレメント路21に繋がっている。そしてテープ溝22を柱26の上方で左右に分岐させるように、柱26の上面から引手取付部3が突出している。
引手取付部3は、引手4を取り付けるために左右方向に貫通する取付穴3aを備えるものである。より詳しくは、引手取付部3は、柱26よりも左右に張り出すと共に後方に延長するベース31であってその後部には上下方向に貫通する爪穴31aが形成されたベース31と、ベース31の前部の上面から左右に間隔をあけて上方に突出する一対の壁部32,32と、ベース31および一対の壁部32,32と協働して取付穴3aを形成するフック33であってその前部が一対の壁部32,32の間に配置されるフック33と、フック33を上下方向に揺動可能に支持する筒状の支軸部34であってフック33の前部を左右に貫通する状態で一対の壁部32,32に固定される支軸部34と、取付穴3aの大きさを一定に保つバネ35であってフック33の前部を上方に押し上げるバネ35を備える。
フック33は、下向きに開口する略コ字状である。より詳しくはフック33は、一対の壁部32,32の間に収容されると共に支軸部34に支持されるフック基部33aと、フック基部33aの上部から後方に延長するフック腕部33bであってベース31の上方に間隔をあけて配置されるフック腕部33bと、フック腕部33bの後部から下方に延長するフック爪部33cとを備えるものである。
バネ35は圧縮コイルバネ35である。圧縮コイルバネ35を収容する穴31bが、ベース31の上面から柱26の内部にかけて形成されている。また圧縮コイルバネ35の上端は、フック基部33aの下面の前部によって押さえられている。ちなみにフック基部33aの下面は、前部が後部に比べて段差状に高くなっている。
取付穴3aは図3に示すように、その内面上側をフック腕部33bによって形成し、その内面前側を一対の壁部32,32によって形成し、その内面下側をベース31によって形成し、その内面後側をフック爪部33cによって形成するものである。
壁部32は、その前後および上下の中間部に左右方向に貫通する貫通穴32aが形成されている。一対の壁部32,32の貫通穴32a,32aの位置は、左右方向に一致している。またフック基部33aも同様に左右方向に貫通する貫通穴33hが形成されている。これら貫通穴32a,32a,32hに支軸部34を挿入することにより、フック33が揺動可能に支持される。
支軸部34は、壁部32やフック基部33aの貫通穴32a,33hに挿入する円筒状の支軸本体部34aと、支軸本体部34aの両端部から半径方向外側に広がる円環状の鍔部34bとを備える。
引手4は、引手取付部3に対して前後に回動可能に且つ左右に揺動可能に連結される第1の引手部材5、第1の引手部材5に対して前後に回動可能に連結される第2の引手部材6を備える。また引手4は図2〜4に示すように、第1および第2の引手部材5,6を一直線に延長したまま、引手取付部3に対して後方に倒伏させた状態でスライダー胴体1の上に載せると、第1の引手部材5がスライダー胴体1の上方に配置され、第2の引手部材6の大部分がスライダー胴体1よりも後方に延長する状態になる。引手4の図2〜4の状態を、便宜上、以後、標準状態と称する。そして標準状態を基準として、第1の引手部材5と第2の引手部材6の基本的な構成を説明する。
第1の引手部材5は、環状の外枠部51と、外枠部51を前後に仕切る仕切部52と、仕切部52の前後に2つの貫通穴5a,5bを備えるものである。言い換えれば第1の引手部材5は、平板に対して2つの貫通穴5a,5bが形成されたものである。
前側の貫通穴5aは、引手取付部3(より詳しくはフック爪部33c)を通すものである。また前側の貫通穴5aの大きさは、第1の引手部材5を前後に回動可能に且つ左右に揺動可能なように、フック爪部33cよりも充分に大きいもので、図示の例では三角形状となっている。
後側の貫通穴5bは、第2の引手部材6の前端部を通すものである。また後側の貫通穴5bは左右方向を長軸方向とする楕円形状になっている。
前側の貫通穴5aは、引手取付部3(より詳しくはフック爪部33c)を通すものである。また前側の貫通穴5aの大きさは、第1の引手部材5を前後に回動可能に且つ左右に揺動可能なように、フック爪部33cよりも充分に大きいもので、図示の例では三角形状となっている。
後側の貫通穴5bは、第2の引手部材6の前端部を通すものである。また後側の貫通穴5bは左右方向を長軸方向とする楕円形状になっている。
第2の引手部材6は、スライダーSを操作するときに摘まむ摘まみ部61と、摘まみ部61から第1の引手部材5側に突出すると共に第1の引手部材5の外枠部51の後部に連結する筒状の連結筒部65を備える。また第2の引手部材6は、例えばゴム、より詳しく言えば熱可塑性ポリウレタンなどの弾性変形可能な合成樹脂製である。ちなみに第1の引手部材5は例えばアルミニウム合金、亜鉛合金、ステンレスなどの金属製である。したがって第2の引手部材6は、第1の引手部材5よりも軟らかい。また引手4は、インサート成形によって成形する。
摘まみ部61は環状であり、その内側には上下方向に貫通する貫通穴61hが形成されている。より詳しくは摘まみ部61は、前後に延長すると共に左右に間隔をあけて対向する一対の側片62,62と、一対の側片62,62の後端部を接合する後片63と、一対の側片62,62の前端部を接合する前片64とを備える。前片64から連結筒部65が前方に突出している。
連結筒部65は、左右方向に貫通する貫通穴65hが形成された筒である。
連結筒部65は、左右方向に貫通する貫通穴65hが形成された筒である。
第2の引手部材6は側面視すると、前部に対して後部を上方に配置させると共に非直線形状である。より詳しくは以下の通りである。
第2の引手部材6は、前片64を水平にすると共に一対の側片62,62を湾曲させた形状である。より詳しくは側面視すると、一対の側片62,62は、上方に向かって膨らむ形の円弧状で、且つ前端よりも後端が上方に位置するものである。
また連結筒部65の下面は、前片64の下面に対して水平に一直線に連続している。連結筒部65の上面は、前片64の上面よりも上方に突出している。
第2の引手部材6は、前片64を水平にすると共に一対の側片62,62を湾曲させた形状である。より詳しくは側面視すると、一対の側片62,62は、上方に向かって膨らむ形の円弧状で、且つ前端よりも後端が上方に位置するものである。
また連結筒部65の下面は、前片64の下面に対して水平に一直線に連続している。連結筒部65の上面は、前片64の上面よりも上方に突出している。
また引手4は、標準状態だけでなく、図5〜7に示すように第2の引手部材6を第1の引手部材5に対して折り畳んだ状態とすることができるものである。
折り畳んだ状態とは、第1の引手部材5が後方に倒伏すると共に、第2の引手部材6が前方に倒伏する状態である。また第1実施形態での折り畳んだ状態は、第2の引手部材6における一対の側片62,62の前部が第1の引手部材5の上方に僅かな隙間を介して配置される状態である。
また第2の引手部材6の摘まみ部61は前述したように貫通穴61hが形成されている。そしてその貫通穴61hは、折り畳んだ状態で引手取付部3の一部を収容する収容孔部61hである。また折り畳んだ状態で、引手取付部3の上端部は、摘まみ部61よりも上方に突出した状態となっている。したがって折り畳んだ状態では、スライダーSの上下寸法は、スライダー胴体1の上下寸法に一致する。
折り畳んだ状態とは、第1の引手部材5が後方に倒伏すると共に、第2の引手部材6が前方に倒伏する状態である。また第1実施形態での折り畳んだ状態は、第2の引手部材6における一対の側片62,62の前部が第1の引手部材5の上方に僅かな隙間を介して配置される状態である。
また第2の引手部材6の摘まみ部61は前述したように貫通穴61hが形成されている。そしてその貫通穴61hは、折り畳んだ状態で引手取付部3の一部を収容する収容孔部61hである。また折り畳んだ状態で、引手取付部3の上端部は、摘まみ部61よりも上方に突出した状態となっている。したがって折り畳んだ状態では、スライダーSの上下寸法は、スライダー胴体1の上下寸法に一致する。
そして第2の引手部材6と引手取付部3は、折り畳んだ状態で第2の引手部材6を引手取付部3に仮止めする仮止め部7を備える。仮止め部7は、互いに係り合って第2の引手部材6を引手取付部3に仮止めする左右の突起71,71と左右の溝72,72を備えるものである。左右の突起71,71と左右の溝72,72の係り合いは、接触による摩擦抵抗である。より詳しくは図示の例では折り畳んだ状態において図7に示すように左右の突起71,71は鍔部34bに接触して左右から挟むようにして摩擦抵抗を発生させるものである。
突起71は、第2の引手部材6の一部であって、収容孔部61hから突出するものである。より詳しくは第2の引手部材6は、収容孔部61hの内面のうち左右の側面に突起71をそれぞれ備える。言い換えれば第2の引手部材6は、一対の側片62,62の対向する面(収容孔部61h側の面)から互いの左右方向の間隔を狭めるように突起71をそれぞれ突出している。また突起71の位置は、図2に示すように前後方向に関しては一対の側片62,62の中間部であり、上下方向に関しては図7に示すように一対の側片62,62の中間部である。
溝72は、引手取付部3の一部であって、折り畳んだ状態のときに引手取付部3のうち収容孔部61hに対向する面であって突起71に対応する位置に凹んで形成されるものである。より詳しくは、引手取付部3は、柱26から上方に突出するものであり、左右の側面に溝72をそれぞれ備える。
左右の溝72,72は左右対称であり、左右の壁部32,32における左右方向の外側の側面で且つ前後方向の中間部において、その前後の部分よりも凹む左右の溝本体部73,73と、左右の溝本体部73,73に対して左右外側に重なり合う支軸部34の左右の鍔部34b,34bとを備える。
溝本体部73は、溝72の主たる部分を形成しており、上方に開口するものである。
鍔部34bは、溝72のわずかな一部を形成しており、図示の例では溝本体部73の側面に対して鍔部34bは側方に突出しており、つまり溝本体部73と鍔部34bとは非同一面に位置するものとなっている。ただし鍔部34bは図示の例とは相違するものであっても良く、たとえば溝本体部73と鍔部34bとは同一平面に位置するものであっても良い。
左右の溝72,72の間隔は、左右の突起71,71の間隔と同じか、僅かに広くなっており、それにより突起71を溝72に接触させて摩擦抵抗を発生させる。
左右の溝72,72は左右対称であり、左右の壁部32,32における左右方向の外側の側面で且つ前後方向の中間部において、その前後の部分よりも凹む左右の溝本体部73,73と、左右の溝本体部73,73に対して左右外側に重なり合う支軸部34の左右の鍔部34b,34bとを備える。
溝本体部73は、溝72の主たる部分を形成しており、上方に開口するものである。
鍔部34bは、溝72のわずかな一部を形成しており、図示の例では溝本体部73の側面に対して鍔部34bは側方に突出しており、つまり溝本体部73と鍔部34bとは非同一面に位置するものとなっている。ただし鍔部34bは図示の例とは相違するものであっても良く、たとえば溝本体部73と鍔部34bとは同一平面に位置するものであっても良い。
左右の溝72,72の間隔は、左右の突起71,71の間隔と同じか、僅かに広くなっており、それにより突起71を溝72に接触させて摩擦抵抗を発生させる。
上記した第1実施形態のスライダーSは、標準状態から第1の状態の折り畳み状態にするときには以下のようにする。1)第1の引手部材5をスライダー胴体1の上側で後方に倒伏する。2)第2の引手部材6を前方に倒伏させよ
うとして、後軸59を中心として前方に回動すると、左右の突起71,71が左右の溝72,72に接触して摩擦抵抗が発生し、その摩擦抵抗によって仮止めされる。つまりこの仮止め状態では、折り畳んだ状態の第2の引手部材6は左右の両方が仮止めされたことになり、左右の一方のみが仮止めされるものに比べれば、仮止め状態を安定させることができる。そして仮止め状態においては引手取付部3(左右の壁部32,32)の上端部が第2の引手部材6に対して上側に露出し、左右の壁部32,32の上端部よりも下側が第2の引手部材6の収容孔部61hに収容される。
なお第2の引手部材6が弾性変形可能なので、仮止めするときや仮止めを解除するときに、突起71が弾性変形することになり、たとえば第2の引手部材が弾性変形不能なものに比べれば、第2の引手部材6の耐久性を向上させることができる。
ちなみに仮止めを解除するときは、仮止めのときとは反対方向に第2の引手部材6を回動すればよい。
うとして、後軸59を中心として前方に回動すると、左右の突起71,71が左右の溝72,72に接触して摩擦抵抗が発生し、その摩擦抵抗によって仮止めされる。つまりこの仮止め状態では、折り畳んだ状態の第2の引手部材6は左右の両方が仮止めされたことになり、左右の一方のみが仮止めされるものに比べれば、仮止め状態を安定させることができる。そして仮止め状態においては引手取付部3(左右の壁部32,32)の上端部が第2の引手部材6に対して上側に露出し、左右の壁部32,32の上端部よりも下側が第2の引手部材6の収容孔部61hに収容される。
なお第2の引手部材6が弾性変形可能なので、仮止めするときや仮止めを解除するときに、突起71が弾性変形することになり、たとえば第2の引手部材が弾性変形不能なものに比べれば、第2の引手部材6の耐久性を向上させることができる。
ちなみに仮止めを解除するときは、仮止めのときとは反対方向に第2の引手部材6を回動すればよい。
本考案の第2実施形態のスライダーSは俗にリバーシブルと称されるタイプのスライドファスナーのスライダーである。第2実施形態のスライダーSは図9〜11に示すように、スライダー胴体1と引手4を備えるものではあるが、スライダー胴体1と引手4が第1実施形態と相違し、特に引手4がスライダー胴体1に対して前後に回動可能に且つスライダー胴体1の上側と前側と下側の範囲を移動可能に連結されたものである。
スライダー胴体1は、第1実施形態と同様に胴体本体部2、引手取付部3を備える。
胴体本体部2は空間部として、その前後面にエレメント路21を備え、その左右側面にはテープ溝22をそれぞれ備える。より詳しくはエレメント路21と左右のテープ溝22を形成するために胴体本体部2は、上下に間隔をあけて対向する上翼板23および下翼板24と、上翼板23および下翼板24の少なくとも一方(図示の例では両方)における左右方向の両端部から互いの間隔を狭めるように突出するフランジ27と、上翼板23および下翼板24を左右方向の中間部で且つ前部において接合する柱26とを備える。
上翼板23と下翼板24とは同一形状で且つ左右対称の板である。また上翼板23と下翼板24は柱26で接合される部分を第1実施形態よりも前方に延長した形状である。
なお柱26は第1実施形態よりも前方の位置で上翼板23と下翼板24を接合するものである。
なお柱26は第1実施形態よりも前方の位置で上翼板23と下翼板24を接合するものである。
エレメント路21は、上翼板23と下翼板24と左右上下のフランジ27と柱26によって形成される空間部である。
テープ溝22は、上下のフランジ27の間に形成される。このようなテープ溝22とエレメント路21を備える胴体本体部2に対して引手取付部3が突出している。
テープ溝22は、上下のフランジ27の間に形成される。このようなテープ溝22とエレメント路21を備える胴体本体部2に対して引手取付部3が突出している。
引手取付部3は、側面視して胴体本体部2を上下と前の三方からU字状に囲むと共に胴体本体部2の左右方向の中間部において第1の引手部材5を移動可能に連結するレール36と、U字状の延長方向の両端において第1の引手部材5の移動範囲を規制するストッパ37と、レール36と上翼板23の間に介在する補強部38とを備える。
補強部38は上翼板23の上面であって左右方向の中間部から突出すると共に上翼板23の前後方向の全長に亘って延長する。
レール36は、U字状の延長方向に直交する断面形状をT字状にするものであり、T字状のうち胴体本体部2から離れるように延長する部分をレール本体部36aとし、T字状のうちレール本体部36aの先端部から左右方向の両側に突出する部分を一対のガイド部36b,36bとする。
ストッパ37は、レール本体部36aよりも左右に突出するものである。
上記した引手取付部3に連結されるのが引手4である。
レール36は、U字状の延長方向に直交する断面形状をT字状にするものであり、T字状のうち胴体本体部2から離れるように延長する部分をレール本体部36aとし、T字状のうちレール本体部36aの先端部から左右方向の両側に突出する部分を一対のガイド部36b,36bとする。
ストッパ37は、レール本体部36aよりも左右に突出するものである。
上記した引手取付部3に連結されるのが引手4である。
引手4は、引手取付部3(レール36)に対して前後に回動可能に且つ上側と前側と下側の範囲に移動可能に連結される第1の引手部材5、第1の引手部材5に対して前後に回動可能に連結される第2の引手部材6を備える。また引手4は図11に示すように、第1および第2の引手部材6を一直線に延長したまま、引手取付部3に対して後方に倒伏させた状態でスライダー胴体1の上に載せると、第1の引手部材5の前部がスライダー胴体1の上方に配置され、第1の引手部材5の後部と第2の引手部材6がスライダー胴体1よりも後方に延長する状態になる。引手4の図10,11の状態を、以後、第2実施形態での標準状態と称する。そして標準状態を基準として、第1の引手部材5と第2の引手部材6の基本的な構成を説明する。
第1の引手部材5は、左右に対向する一対の縦片55,55と、一対の縦片55,55の前端部から互いの間隔を狭めるように突出する一対の前軸56,56と、一対の縦片55,55の後端部を接合する横片57と、横片57の左右方向の中間部から後方に突出する延長片58と、延長片58の先部(前部)から左右に突出する一対の後軸59,59とを備える。ちなみに第1の引手部材5は一対の縦片55,55と前軸56と横片57とで矩形状となっている。また一対の縦片55,55の左右の間隔は、一対のガイド部36b,36bの左右方向の寸法よりも広くなっており、レール本体部36aに対して一対の縦片55,55が左右に張り出した形状になっている。
上記した第1の引手部材5は、一対の前軸56,56が引手取付部3のレール本体部36aのU字状の延長方向に沿って移動する。また第1の引手部材5は、一対の前軸56,56が一対のガイド部36b,36bによって上側、前側、下側に外れないように連結され、ストッパ37により後側に外れないように連結されている。また第1の引手部材5は、レール本体部36aに対して一対の前軸56,56を中心にして回動可能に連結される。
第2の引手部材6は、摘まみ部61と、摘まみ部61の左右から第1の引手部材5側(前側)にそれぞれ突出すると共に第1の引手部材5の後軸59に連結する筒状の連結筒部65を備える。また第1実施形態と同様に第2の引手部材6は弾性変形可能な合成樹脂製で、第1の引手部材5は金属製である。なお第2の引手部材6は側面視すると、前後方向に平行な一直線の形状である。
摘まみ部61は前側に開口すると共に上下方向に貫通するコ字状である。より詳しくは摘まみ部61は、前後に延長すると共に左右に間隔をあけて対向する一対の側片62,62と、一対の側片62,62の後端部を接合する後片63とを備える。一対の側片62,62と後片63との間には上下方向に貫通する貫通穴61hが形成され、この貫通穴61hは、第2の引手部材6の収容孔部61hである。収容孔部61hは、折り畳み状態において第1の引手部材5を収容する部分61iと、折り畳み状態において引手取付部3の一部(レール本体部36a)を収容する部分61jを備える。なお前述したようにレール本体部36aに対して一対の縦片55,55が左右に張り出した形状になっているので、第1の引手部材5を収容する部分61iは、引手取付部3の一部(レール本体部36a)を収容する部分61jよりも左右方向の寸法が狭くなっている。
一対の連結筒部65は、左右方向の対向面側に左右の後軸59,59を収容する穴(図示せず)が形成されたもので、図示の例では穴は左右方向には貫通していない。
そして第2の引手部材6と引手取付部3は図12〜16に示すように、折り畳んだ状態で第2の引手部材6を引手取付部3に仮止めする仮止め部7を備える。第2実施形態での折り畳んだ状態は2通りある。2通りのいずれの状態も第2の引手部材6が前方に倒伏する。ただし第1の状態は、胴体本体部2の上側において第1の引手部材5が後方に倒伏する。また第2の状態は、胴体本体部2の下側において第1の引手部材5が後方に倒伏する。
仮止め部7は、互いに係り合って第2の引手部材6を引手取付部3に仮止めする突起71と溝72を備えるもので、第2実施形態では仮止めするとき及び仮止めを解除するときに突起71が弾性変形によりガイド部36bを乗り越えるものである。
突起71は、第1実施形態と同様に、第2の引手部材6の収容孔部61hの内面のうち左右の側面から突出するものである。また左右の突起71,71は、前後の位置を異ならせてある。
溝72は、レール36の左右の側面においてレール本体部36aとガイド部36bによってそれぞれ形成され、胴体本体部2の上面、前面、下面に沿ってU字状に延長する。
上記した第2実施形態のスライダーSは、標準状態から第1の状態の折り畳み状態にするときには以下のようにする。1)第1の引手部材5をスライダー胴体1の上側で後方に倒伏する。2)第2の引手部材6を前方に倒伏させようとして、後軸59を中心として前方に回動すると、左右の突起71,71が左右のガイド部36b,36bに衝突する。3)力を加えて第2の引手部材6を前方に回動すると、左右の突起71,71が弾性変形して左右のガイド部36b,36bを乗り越える。4)左右の突起71,71が復元力によって元の形状に戻り、図15,16に示すように突起71が溝72に嵌って、左右のガイド部36b,36bにより突起71が反対方向に自由に回動できなくなり、仮止め状態となる。そして仮止め状態においては引手取付部3(左右のガイド部36b,36b)の上端部が第2の引手部材6に対して上側に露出し、左右のガイド部36b、36bの上端部よりも下側が第2の引手部材6の収容孔部61hに収容される。なお仮止めを解除するときは、仮止めのときとは反対方向に第2の引手部材6を回動すればよい。
この仮止め状態では、たとえば左右の突起71,71が前後の位置を同じにしてあるスライダーに比べれば、折り畳んだ状態を維持し易くなる。より詳しく言えば、たとえば仮止め状態が第1の状態のときを想定する。後方に倒伏している第1の引手部材5を、前軸56を中心にして前方に回動しようとすると、左右の突起71,71が溝72の中でその延長方向に沿って移動しようとする。そうすると、左右の突起71,71のうち第1の引手部材5に近い方の突起71が溝72の上面側のガイド部36bに衝突し、第1の引手部材5の回動を阻止しようとする。一方、前方に倒伏している第2の引手部材6を後軸59を中心にして後方に回動しようとすると、後軸59から遠い方の突起71が近い方の突起71よりも先に溝72の上面側のガイド部36bに衝突し、第2の引手部材の回動を阻止しようとする。
本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、仮止め状態においては引手取付部3の上端部が第2の引手部材6に対して上側に露出していたが、本発明ではこれに限らず、仮止め状態においては引手取付部3の上端部が第2の引手部材6に完全に収容されていても良い。
F スライドファスナー
F1 ファスナーストリンガー
F2 ファスナーテープ
F3 エレメント列
S スライダー
1 スライダー胴体
2 胴体本体部
21 エレメント路
22 テープ溝
23 上翼板
23a 小板部
24 下翼板
25 側板
26 柱
27 フランジ
3 引手取付部
3a 取付穴
31 ベース
31a 爪穴
31b 穴
32 壁部
32a 貫通穴
33 フック
33a フック基部
33h 貫通穴
33b フック腕部
33c フック爪部
34 支軸部
34a 支軸本体部
34b 鍔部
35 バネ(圧縮コイルバネ)
36 レール
36a レール本体部
36b ガイド部
37 ストッパ
38 補強部
4 引手
5 第1の引手部材
5a、5b 貫通穴
51 外枠部
52 仕切部
55 縦片
56 前軸
57 横片
58 延長片
59 後軸
6 第2の引手部材
61 摘まみ部
61h 収容孔部(貫通穴)
61i 第1の引手部材を収容する部分
61j レール本体部を収容する部分
62 側片
63 後片
64 前片
65 連結筒部
65h 貫通穴
7 仮止め部
71 突起
72 溝
73 溝本体部
F1 ファスナーストリンガー
F2 ファスナーテープ
F3 エレメント列
S スライダー
1 スライダー胴体
2 胴体本体部
21 エレメント路
22 テープ溝
23 上翼板
23a 小板部
24 下翼板
25 側板
26 柱
27 フランジ
3 引手取付部
3a 取付穴
31 ベース
31a 爪穴
31b 穴
32 壁部
32a 貫通穴
33 フック
33a フック基部
33h 貫通穴
33b フック腕部
33c フック爪部
34 支軸部
34a 支軸本体部
34b 鍔部
35 バネ(圧縮コイルバネ)
36 レール
36a レール本体部
36b ガイド部
37 ストッパ
38 補強部
4 引手
5 第1の引手部材
5a、5b 貫通穴
51 外枠部
52 仕切部
55 縦片
56 前軸
57 横片
58 延長片
59 後軸
6 第2の引手部材
61 摘まみ部
61h 収容孔部(貫通穴)
61i 第1の引手部材を収容する部分
61j レール本体部を収容する部分
62 側片
63 後片
64 前片
65 連結筒部
65h 貫通穴
7 仮止め部
71 突起
72 溝
73 溝本体部
Claims (7)
- 前方への移動により一対のエレメント列(F3,F3)を噛合させると共に後方への移動により一対のエレメント列(F3,F3)を左右に分離させるスライダー胴体(1)と、前記スライダー胴体(1)に連結される引手(4)を備え、
前記スライダー胴体(1)は、一対の前記エレメント列(F3,F3)を通す胴体本体部(2)と、前記引手(4)を取り付けると共に前記胴体本体部(2)から突出する引手取付部(3)を備え、
前記引手(4)は、前記引手取付部(3)に対して前後に回動可能に連結される第1の引手部材(5)と、前記第1の引手部材(5)に対して前後に回動可能に連結される第2の引手部材(6)を備え、
前記第2の引手部材(6)と前記引手取付部(3)は、前記第2の引手部材(6)を前記第1の引手部材(5)に対して折り畳んだ状態で前記引手取付部(3)に仮止めする仮止め部(7)を備え、
前記第2の引手部材(6)は前記折り畳んだ状態で前記引手取付部(3)の少なくとも一部を収容すると共に貫通穴としての収容孔部(61h)を備え、
前記折り畳んだ状態は、前記胴体本体部(2)の上側において前記第1の引手部材(5)が後方に倒伏すると共に、前記第2の引手部材(6)が前方に倒伏する状態であり、
前記仮止め部(7)は、互いに係り合って前記第2の引手部材(6)を前記引手取付部(3)に仮止めする突起(71)と溝(72)を備え、
前記突起(71)は、前記第2の引手部材(6)の一部であって、前記収容孔部(61h)から突出するものであり、
前記溝(72)は、前記引手取付部(3)の一部であって、前記折り畳んだ状態のときに前記引手取付部(3)のうち前記収容孔部(61h)に対向する面に凹んで形成されるものであることを特徴とするスライドファスナーのスライダー。 - 前記第2の引手部材(6)は弾性変形可能なものであることを特徴とする請求項1記載のスライドファスナーのスライダー。
- 前記引手取付部(3)は左右の側面に前記溝(72)をそれぞれ備え、
前記第2の引手部材(6)は前記収容孔部(61h)の内面のうち左右の側面に前記突起(71)をそれぞれ備えることを特徴とする請求項1または2に記載のスライドファスナーのスライダー。 - 前記第1の引手部材(5)は、前後に回動可能に且つ左右に揺動可能に前記引手取付部(3)に対して連結されるものであり、
前記突起(71)と前記溝(72)の係り合いは、接触による摩擦抵抗であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のスライドファスナーのスライダー。 - 前記溝(72)は上方に開口するものであることを特徴とする請求項4記載のスライドファスナーのスライダー。
- 前記折り畳んだ状態は、前記胴体本体部(2)の上側において前記第1の引手部材(5)が後方に倒伏すると共に、前記第2の引手部材(6)が前方に倒伏する第1の状態と、前記胴体本体部(2)の下側において前記第1の引手部材(5)が後方に倒伏すると共に、前記第2の引手部材(6)が前方に倒伏する第2の状態を備えるものであり、
前記引手取付部(3)は、側面視して前記胴体本体部(2)を上下と前の三方からU字状に囲むと共に前記第1の引手部材(5)を上側と前側と下側の範囲を移動可能に連結するレール(36)と、U字状の延長方向の両端において前記第1の引手部材(5)の移動範囲を規制するストッパ(37)を備え、
前記レール(36)は、前記胴体本体部(2)から離れるように延長する部分をレール本体部(36a)とし、前記レール本体部(36a)の先端部から左右方向の両側に突出する部分を一対のガイド部(36b,36b)とし、
前記第1の引手部材(5)は、前記レール(36)に対してU字状の延長方向に沿って移動可能に連結されるものであり、
前記第2の引手部材(6)は、前記収容孔部(61h)に前記第1の引手部材(5)の少なくとも一部を収容するものであり、
前記溝(72)は、前記レール(36)の左右の側面において前記レール本体部(36a)と前記ガイド部(36b)によってそれぞれ形成され、
前記突起(71)と前記溝(72)の係り合いは、仮止めするとき及び仮止めを解除するときに前記突起(71)が弾性変形により前記ガイド部(36b)を乗り越えることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のスライドファスナーのスライダー。 - 前記仮止め部(7)は前記突起(71)を複数備え、
複数の前記突起(71,71)は前後の位置を異ならせてあることを特徴とする請求項6に記載のスライドファスナーのスライダー。
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