JP3210060B2 - Gps受信機におけるサーチ中心周波数の設定方法 - Google Patents
Gps受信機におけるサーチ中心周波数の設定方法Info
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Description
サーチ中心周波数の設定方法に関する。GPS(Global
Positioning System:グローバル・ポジショニング・シ
ステム)は、人工衛星を利用した測位システムであっ
て、高度約2万200Kmの上空に地球を周回する6つ
の軌道を設定し、各軌道に複数個の衛星を打ち上げ、各
衛星から測位用の航法データを含むGPS信号をスペク
トル拡散方式で地球へ向けて送信するようにしたもの
で、地上(または海上や航空)のGPS受信機で測位に
必要な3個または4個の衛星の電波を受信することによ
り、各衛星からのGPS信号に含まれる航法データを用
いて受信地点の緯度,経度,高度などの必要な位置情報
をリアルタイムに計算できるようにしたものである。
Aコードと呼ばれる信号であり、1575.42MHzで
送信されている。したがって、衛星を捕捉するには、原
理的にはこの1575.42MHzで受信待機すればよ
い。しかしながら、GPS衛星は静止衛星ではないた
め、ドップラー効果によりその受信周波数が変動し、さ
らに、GPS受信機の発振器もオフセットによりその発
振周波数が変動している。
前記ドップラー効果による受信周波数の偏位分(以下、
「ドップラー周波数偏位」という)と発振器のオフセッ
ト分だけずらして衛星電波のサーチ中心周波数を設定
し、このサーチ中心周波数を始点としてサーチ帯域幅を
徐々に広げながら衛星を探し、発振器が衛星電波にロッ
クした時点で当該衛星の捕捉を完了するようにしてい
る。このような捕捉動作を繰り返すことにより、測位に
必要な数の衛星の捕捉を行なう。
が衛星電波の実際の受信周波数に近ければ近いほど衛星
を捕捉する時間は早くなる。このサーチ中心周波数を設
定するための主たるファクターは、前記したドップラー
周波数偏位と発振器のオフセット値である。ドップラー
周波数偏位は衛星の地球周回運動により不可避的に生ず
る現象であり、その値(最大±6KHz程度)は衛星の軌
道データと概略の現在地データから事前に計算で求める
ことができる。したがって、サーチ中心周波数を実際の
受信周波数にできるだけ近い値に設定するには、GPS
受信機の発振器のオフセット値の誤差をできるだけ小さ
くすることが望ましい。
として極めて精度の高い温度補償付き水晶発振器(以
下、「TCXO」という)を使用していた。このTCX
Oは、水晶振動子の温度特性を電気回路的に補償するこ
とにより、−40°C〜+85°Cの広い温度範囲にわ
たって±2〜±5[ppm]程度(周波数換算で±3
[KHz]〜±8[KHz]程度)の極めて高い精度を与え
たものである。なお、通常の通信機器において使用され
る発振器の精度は±50〜±100[ppm]程度が普
通であり、良くてもせいぜい±20[ppm]程度であ
る。
は、測位によって受信機の正確な位置が分かった後は計
算により正確に求めることができるが、それ以前におい
ては現在の正確なオフセット値は不明である。このた
め、従来のGPS受信機では前記した高精度のTCXO
を用い、前回の測位時の最後に得られたオフセット値を
メモリに格納してバックアップしておき、次回の測位開
始時に受信機の電源がONされた時、このパックアップ
されているオフセット値を読み出すことにより発振器の
初期オフセット値として用いるようにしている。
合、オフセット値の変化が大きく、メモリにバックアッ
プされているオフセット値を次回の測位開始時の初期オ
フセット値として用いることができない。このため、低
精度の発振器を用いた場合には、発振器のオフセット変
化の全範囲にわたって衛星電波を広帯域にサーチする必
要があり、衛星の捕捉にそれだけ時間を要するという問
題があった。
で、その目的とするところは、低精度の発振器を用いた
場合などのように、メモリにバックアップされた発振器
のオフセット値を次回の測位開始時の初期オフセット値
として使用できないような場合でも、サーチ中心周波数
を実際の受信周波数により近い値に設定することのでき
るGPS受信機におけるサーチ中心周波数の設定方法を
提供するものである。
め、本発明方法は、発振器のオフセット値と、衛星のド
ップラー周波数偏位とを用いて衛星捕捉のためのサーチ
中心周波数を設定するようにしたGPS受信機におい
て、受信機の電源をONした直後の所定時間内に得られ
た複数個のオフセット値の平均値を算出して記憶してお
き、次回の電源ON時に、前記記憶しておいたオフセッ
ト値の平均値を次回の測位開始時の初期オフセット値と
して用いるようにしたものである。
どがないので受信機内部の温度状態は毎回それほど変わ
らないものと考えられる。そこで、GPS受信機の電源
をONした直後の所定時間(例えば5分程度)内に算出
された複数個のオフセット値の平均値を算出して記憶し
ておき、次回の電源ON時に、この平均値を用いてサー
チ中心周波数を設定すれば、発振器のオフセット値が不
明のためにオフセット値を0に設定する場合に比べて、
実際の受信周波数により近い値に設定することできる。
は種々の方法を採用することができる。最も簡単な方法
としては、例えば、電源ON直後の所定時間内に算出さ
れた複数個のオフセット値の算術平均をとる方法があ
る。この算術平均法による場合、データ個数が多ければ
多いほど信頼性が向上するので、受信機のメモリに余裕
があるときに有効である。また、他の例としては、新し
く得られたオフセット値にある重み付け(例:重み0.2
)をし、これを重み付け(例:重み0.8 )した過去の
値に加えていくというスムージング法がある。このスム
ージング法による場合、記憶しておくデータ量を少なく
することができる。
としてどの値を使用するかについても、例えば、電源O
N後の所定時間内に算出されたオフセット値はすべて使
用して平均値をとる、電源ON後の所定時間内に算出さ
れたオフセット値のうちのいくつかのみを使用して平均
値をとる、電源ON後の所定時間内の最初に算出された
オフセット値を平均値とみなして用いるなど、種々の方
法をとることができる。
につき説明する。図1は本発明方法の1実施例の動作の
フローチャート、図2は前記実施例における周波数の切
り替え説明図をそれぞれ示すものである。
電源がONされると、GPS受信機は、メモリにバック
アップされている前回の測位の最後に得られた発振器の
オフセット値ΔfOSC を、今回の測位のための初期オフ
セット値として用いるか否かを判定する(図1のステッ
プS1)。バックアップ値を今回の測位の初期オフセッ
ト値として用いる場合には処理はステップS2へ移行
し、用いない場合にはステップS4へ移行する。
OSC を今回の測位の初期オフセット値として用いる場合
には、ステップS2においてサーチ開始時の初期サーチ
帯域幅W0 を設定した後、ステップS3においてサーチ
中心周波数fS を設定する。この場合におけるサーチ中
心周波数fS は、計算により得られた目的とする衛星の
ドップラー周波数偏位Δfd と、メモリにバックアップ
されている前回の測位の最後に得られた発振器のオフセ
ット値ΔfOSC を用いることにより、fS =Δfd +Δ
fOSC として設定される。
値ΔfOSC を今回の測位の初期オフセット値として用い
ない場合には、ステップS4において初期サーチ帯域幅
W0を設定した後、ステップS5においてサーチ中心周
波数fS を設定する。この場合におけるサーチ中心周波
数fS は、前回の測位の最後に得られたオフセット値Δ
fOSC を用いることができないから、計算により得られ
た目的とする衛星のドップラー周波数偏位Δfd と、前
回の電源ON時に後述ステップS11と同様の演算処理
によって算出された複数個のオフセット値の平均値Δf
mea を用いることにより、fS =Δfd +Δfmeanとし
て設定される。
サーチ中心周波数fS を設定した後、図2に示すよう
に、サーチ中心周波数fS を始点として、初期サーチ帯
域幅W 0 内で発振周波数を上下に振りながら目的とする
衛星のサーチを開始する(ステップS6)。なお、初期
サーチ帯域幅W0 を所要回(図2の例では2回)サーチ
しても目的の衛星が捕まらないときは、以後サーチ帯域
幅をW1 ,W2 ,W3 というように徐々に広げながらサ
ーチを繰り返す。
の衛星の捕捉を完了すると、ステップS8において各衛
星の航法データを用いてGPS受信機の正確な現在地を
算出する。そして、ステップS9においてその時点にお
ける発振器の実際のオフセット値を算出した後、ステッ
プS10において受信機の電源ONから所定の時間(例
えば5分)が経過したか否かを判定する。
していないと判定された場合には、処理はステップS1
1に移行し、ステップS9で得られた発振器のオフセッ
ト値を用いて、新たな平均値Δfmeanを計算し直してメ
モリに格納する。この動作を所定の時間が経過するまで
繰り返す。なお、平均値Δfmeanの算出手法としては、
前述した算術平均法やスムージング法などを用いて行な
われる。
したと判定された場合には、処理はステップS12へ移
行し、受信機の電源がOFFされるまで、前記したステ
ップS8,S9による現在地の測位と発振器のオフセッ
ト値の計算を繰り返す。
ると(ステップS12)、受信機内のメモリには、電源
OFF直前にステップS9で算出された最後のオフセッ
ト値がバックアップ値として保持されるとともに、ステ
ップS11で最後に算出された複数個のオフセット値の
平均値Δfmeanが次回の測位のための初期オフセット値
としてそれぞれ保持される。
を条件によって使用するようになっているが、常に平均
値のみを使用するようにしてもよい。
本発明方法によるときは、受信機の電源をONした直後
の所定時間内に得られた複数個のオフセット値の平均値
を算出して記憶しておき、次回の電源ON時に、前記記
憶しておいたオフセット値の平均値を次回の測位開始時
の初期オフセット値として用いるようにしたので、低精
度の発振器を用いた場合でも、サーチ中心周波数を実際
の受信周波数により近い値に設定することができ、衛星
の捕捉時間をそれだけ短縮することができる。
である。
替え説明図である。
偏位 ΔfOSC バックアップされたオフセット値 Δfmean オフセット値の平均値
Claims (1)
- 【請求項1】 発振器のオフセット値と、衛星のドップ
ラー周波数偏位とを用いて衛星捕捉のためのサーチ中心
周波数を設定するようにしたGPS受信機において、 受信機の電源をONした直後の所定時間内に得られた複
数個のオフセット値の平均値を算出して記憶しておき、 次回の電源ON時に、前記記憶しておいたオフセット値
の平均値を次回の測位開始時の初期オフセット値として
用いることを特徴とするGPS受信機におけるサーチ中
心周波数の設定方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06199592A JP3210060B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | Gps受信機におけるサーチ中心周波数の設定方法 |
US08/026,050 US5323164A (en) | 1992-03-16 | 1993-03-05 | Satellite radio wave capturing method for a global positioning system (GPS) receiver |
DE69318607T DE69318607T2 (de) | 1992-03-16 | 1993-03-08 | Erfassungsverfahren für GPS-Empfänger von Satellitenfunkwellen |
EP93301745A EP0561540B1 (en) | 1992-03-16 | 1993-03-08 | Satellite radio wave capturing method of GPS receiver |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06199592A JP3210060B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | Gps受信機におけるサーチ中心周波数の設定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05264714A JPH05264714A (ja) | 1993-10-12 |
JP3210060B2 true JP3210060B2 (ja) | 2001-09-17 |
Family
ID=13187299
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06199592A Expired - Lifetime JP3210060B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-18 | Gps受信機におけるサーチ中心周波数の設定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6882309B2 (en) | 2001-07-18 | 2005-04-19 | Fast Location. Net, Llc | Method and system for processing positioning signals based on predetermined message data segment |
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JP5110141B2 (ja) * | 2010-09-29 | 2012-12-26 | カシオ計算機株式会社 | 衛星電波受信装置及び衛星電波受信方法 |
-
1992
- 1992-03-18 JP JP06199592A patent/JP3210060B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
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