JP3209875U - 墓石 - Google Patents

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多田 俊一
俊一 多田
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山岡石材工業株式会社
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Abstract

【課題】納骨室形成石の開口部の上側に設けられた蓋石を、労力を要することなく開閉し得る墓石を提供する。【解決手段】墓石1Aは、上側に開口部2bを有する芝台2と、開口部2bを覆う蓋石とを備える。蓋石は、開口部2bを覆い、かつ根太石開口部3bを有する根太石3と、根太石3に対して回転可能に上側に重ねて設けられ、かつ回転石開口窓部5cを有する回転石5とを含む。回転石5は、根太石開口部3bを通して芝台2の開口部2bを外部に露出させる開口部露出位置と、根太石開口部3bと回転石開口窓部5cとが重ならないようにして開口部2bを外部に対して非露出状態にする開口部非露出位置とを回転により切り替え可能となっている。【選択図】図1

Description

本考案は、上側に開口部を有する納骨室形成石と、上記開口部を覆う蓋石とを備えた墓石に関するものである。
従来、墓石のデザインも多様化し、和型、洋型、和洋型、デザイン型等の各種の墓石が設置されている。
例えば洋型の墓石は、近年、和式の墓石に代わって主流となりつつある。洋型の墓石は、例えば、特許文献1に開示された墓石のように、一般的に、全体的に横幅が広く背が低いのが特徴である。また、和型墓石よりも比較的大きさも小さく、安価であり、和型墓石と比較して自由度がある。例えば、竿石に故人が好きだった言葉を彫ったり、好きな花の彫刻を入れたりする等様々である。さらに、背が低いので掃除をするときに手が届き易くメンテナンスし易いこともあって、最近人気がある。
例えば、洋型の一例の墓石100は、図20の(a)(b)(c)(d)に示すように、骨壺111を収納する納骨室101aを形成する納骨室形成石101と、納骨室101aを覆う蓋石102と、角台104と、竿石105とを備えている。
上記墓石100では、骨壺111を収納する場合には、蓋石102を持ち上げて除いた後、納骨室101aに上側から骨壺111を収納するようになっている。
また、他の洋型の一例の墓石200は、図21の(a)(b)(c)に示すように、骨壺211を収納する納骨室201aを形成する納骨室形成石201と、納骨室201aを覆う蓋石202と、角台203と、上台204と、竿石205とを備えている。
上記墓石200では、骨壺211を収納する場合には、蓋石202を持ち上げて除いた後、納骨室201aに上側から骨壺211を収納するようになっている。
特開2008−25135号公報(2008年2月7日公開)
しかしながら、上記従来の墓石では、骨壺111・211を収納する場合には、納骨室101a・201aを開けるために、蓋石102・202を持ち上げて除かなければならない。このため、労力を要するという問題点を有している。
本考案は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、納骨室形成石の開口部の上側に設けられた蓋石を、労力を要することなく開閉し得る墓石を提供することにある。
本考案の一態様における墓石は、上記の課題を解決するために、上側に開口部を有する納骨室形成石と、上記開口部を覆う蓋石とを備えた墓石において、上記蓋石は、上記納骨室形成石の開口部を覆い、かつ第1開口を有する第1蓋石と、上記第1蓋石に対して回転可能に重ねて設けられ、かつ第2開口を有する第2蓋石とを含み、上記第2蓋石は、上記第1蓋石の第1開口を通して納骨室形成石の開口部を外部に露出させる開口部露出位置と、第1蓋石の第1開口と第2蓋石の第2開口とが重ならないようにして上記開口部を外部に対して非露出状態にする開口部非露出位置とを回転により切り替え可能となっていることを特徴としている。
上記本考案の一態様によれば、墓石は、上側に開口部を有する納骨室形成石と、上記開口部を覆う蓋石とを備えている。
この種の墓石では、納骨室形成石の開口部を納骨のために開閉するには、従来、開口部を覆う蓋石を持ち上げて移動した後、骨壺等を納骨室に収容し、その後、移動した蓋石を持ち上げて元の位置に戻して施蓋する作業が必須であり、納骨室形成石の開口部の上側に設けられた蓋石の開閉に労力を要していた。
これに対して、本考案の一態様では、上記蓋石は、納骨室形成石の開口部を覆い、かつ第1開口を有する第1蓋石と、上記第1蓋石に対して回転可能に重ねて設けられ、かつ第2開口を有する第2蓋石とを含む。
そして、第2蓋石は、第1蓋石の第1開口を通して納骨室形成石の開口部を外部に露出させる開口部露出位置と、第1蓋石の第1開口と第2蓋石の第2開口とが重ならないようにして上記開口部を外部に対して非露出状態にする開口部非露出位置とを回転により切り替え可能となっている。
この結果、本考案の一態様では、第2蓋石を回転して開口部露出位置にすれば、納骨室形成石の開口部を開状態とすることができると共に、納骨室に納骨した後には、第2蓋石を回転して開口部非露出位置にすれば、納骨室形成石の開口部を閉状態とすることができる。
このため、本考案の一態様では、蓋石を持ち上げて移動する必要がなく、第2蓋石を回転させるだけで、納骨室形成石の開口部の容易に開閉することができる。
したがって、納骨室形成石の開口部の上側に設けられた蓋石を、労力を要することなく開閉し得る墓石を提供することができる。
また、本考案の一態様における墓石は、前記墓石において、前記第2蓋石の下面又は上面における回転中心位置には回転軸となる突起又は該突起に遊嵌する遊嵌凹部のいずれか一方が設けられていると共に、上記第1蓋石の上面又は下面には、上記突起又は遊嵌凹部に対応する遊嵌凹部又は突起が設けられていることが好ましい。
これにより、第2蓋石を回転軸となる突起及び遊嵌凹部を中心として回転することができるので、第2蓋石を適切かつ容易に回転させることができる。また、第2蓋石は突起及び遊嵌凹部にて支持固定されるので、第2蓋石が平行移動することがない。このため、例えば、第2蓋石が奥側に移動して取れなくなることや第2蓋石が納骨室に落下することを防止することができる。
また、本考案の一態様における墓石は、前記墓石において、前記第2蓋石は、前記第1蓋石の上側に重ねて設けられていると共に、前記第2蓋石の下面には、前記第1蓋石の上面を走行する車輪が設けられていることが好ましい。
例えば、第2蓋石を回転する場合に、車輪がない場合には、第2蓋石と第1蓋石との石同士の摺動摩擦により必ずしも十分に容易に回転できるとは限らない。
しかし、本考案の一態様における墓石では、第2蓋石に車輪が設けられているので、第2蓋石を確実に容易に回転させることができる。
また、本考案の一態様における墓石では、前記墓石において、前記第1蓋石は、前記第2蓋石を挟んで該第2蓋石の下側に設けられた第1下側蓋石と該第2蓋石の上側に設けられた第1上側蓋石とからなっているとすることができる。
これにより、変化に富んだ形状を有する墓石を提供することができる。
また、本考案の一態様における墓石は、前記墓石において、前記第2蓋石の上面は、円錐台形状に盛り上がっているとすることができる。
これにより、第2蓋石は円形の回転石からなり、その上面は、外周側が中心側よりも低い傾斜面となっている。このため、第2蓋石の開口部非露出位置において、雨が第2蓋石の上面に降ったとしても、その雨水は外周側に流れる。この結果、雨水が第2蓋石の第2開口を通して、納骨室形成石の開口部に浸入するのを防止することができる。
また、本考案の一態様における墓石は、前記墓石において、前記第2蓋石の下面には前記第2開口の縁に沿って水切り溝が設けられていることが好ましい。
例えば、第2蓋石の上面に雨水が落下し、その雨水が第2蓋石の第2開口から下面及び壁面を伝い、延いては納骨室に至る虞がある。これに対して、本考案の一態様における墓石では、第2蓋石の下面には第2開口の縁に沿って水切り溝が設けられている。この結果、水滴が第2開口の縁の水切り溝に入り込み、水滴が奥入りし難くなる。したがって、水滴が納骨室に浸入するのを防止することができる。
また、本考案の一態様における墓石は、前記墓石において、前記第2蓋石には、該第2蓋石の回転を容易にさせる掴み部が形成されていることが好ましい。
また、本考案の一態様における墓石は、前記墓石において、前記第2蓋石の外周縁には、掴み部としての面取り部が部分的に形成されていることが好ましい。
例えば、第2蓋石を回転させる場合に、第2蓋石に掴み部がない場合には、例えば、第2蓋石の上面を指で押さえて該指に回転方向に押圧しなければならない。その際、指が滑る等により、第2蓋石に十分な回転力を与えることができず、第2蓋石を適切に回転できない虞がある。しかし、本考案の一態様における墓石では、第2蓋石には、該回転石の回転を容易にさせる掴み部が形成されている。このため、第2蓋石の掴み部に手を当てて第2蓋石を回転させることにより、指が滑ることなく、第2蓋石に十分な回転力を与えることができ、第2蓋石を容易に回転させることができる。
例えば、掴み部として、第2蓋石の外周縁には、面取り部が部分的に形成されているとすることができる。この場合には、面取り部に指を当てて第2蓋石を回転させることにより、面取り部が存在しない箇所に指が引っ掛かる。このため、指が滑ることなく、第2蓋石に回転力を与えることができるので、第2蓋石を容易に回転させることができる。
また、本考案の一態様における墓石は、前記墓石において、前記第2蓋石を、前記開口部非露出位置及び開口部露出位置にて磁力により位置決め固定する磁石が設けられていることが好ましい。
これにより、第2蓋石が開口部露出位置に保持されているときに、磁石を用いた磁力による位置決め固定ができる。このため、例えば、第2蓋石に車輪が設けてあったとしても、開口部露出位置に保持されている第2蓋石が容易に回転することはない。尚、第2蓋石を開口部非露出位置に回転させるときには、磁力に抗して第2蓋石を回転させればよいので、困難な作業ではない。
また、本考案の一態様における墓石は、前記墓石において、前記第2蓋石における開口部非露出位置を保持して施錠する施錠機構が設けられていることが好ましい。
すなわち、本考案の一態様における墓石においては、第2蓋石を回転させて容易に開口部露出位置とすることができるので、墓荒らしに遭遇する虞がある。
そこで、本考案の一態様における墓石においては、第2蓋石における開口部非露出位置の状態に対して、施錠機構にて施錠することができるようになっている。したがって、墓荒らしに遭遇することを防止することができる。
本考案の一態様によれば、納骨室形成石の開口部の上側に設けられた蓋石を、労力を要することなく開閉し得る墓石を提供するという効果を奏する。
(a)は本考案の実施形態1における墓石の回転石が閉じられた状態を示す斜視図であり、(b)は上記墓石の回転石が回転して開けられた状態を示す斜視図である。 (a)は上記墓石の全体構成を示す平面図であり、(b)は上記墓石の全体構成を示す正面図であり、(c)は上記墓石の全体構成を示す右側面図である。 (a)は上記墓石の芝台の構成を示す斜視図であり、(b)は上記墓石の芝台の構成を示す平面図であり、(c)は上記墓石の芝台の構成を示す正面図であり、(d)は上記墓石の芝台の構成を示す右側面図である。 (a)は上記墓石の根太石の構成を示す斜視図であり、(b)は上記墓石の根太石の構成を示す平面図であり、(c)は上記墓石の根太石の構成を示す正面図であり、(d)は上記根太石の根太石開口部の縁部に形成された水返し部の構成を示す正面拡大図であり、(e)は上記墓石の根太石の構成を示す右側面図である。 (a)は上記墓石の角台の構成を示す斜視図であり、(b)は上記墓石の角台の構成を示す平面図であり、(c)は上記墓石の角台の構成を示す正面図であり、(d)は上記墓石の角台の構成を示す右側面図である。 (a)は上記墓石の回転石の構成を示す斜視図であり、(b)は上記墓石の回転石の構成を示す底面図であり、(c)は上記墓石の回転石の構成を示す正面図であり、(d)は上記墓石の回転石の構成を示す右側面図であり、(e)は上記墓石の回転石における戸車の構成を示す拡大正面図である。 (a)は上記墓石の回転石に設けられた戸車の構成を示す側面図であり、(b)(c)は上記墓石の回転石に設けられた戸車の構成を示す斜視図であり、(d)は上記墓石の回転石に設けられた戸車の構成を示す正面図である。 (a)は上記墓石の竿石の構成を示す平面図であり、(b)は上記墓石の竿石の構成を示す正面図であり、(c)は上記墓石の竿石の構成を示す右側面図である。 (a)は本考案の実施形態2における墓石の回転石が閉じられた状態を示す斜視図であり、(b)は上記墓石の回転石が閉じられた状態における、上記墓石の竿石を除いた状態を示す平面図であり、(c)は上記墓石の回転石の構成を示す斜視図である。 上記墓石の回転石が一部開けられた状態を示す平面図である。 (a)は本考案の実施形態3における墓石の回転石が閉じられた状態を示す斜視図であり、(b)は上記墓石の回転石が回転して開けられた状態を示す斜視図である。 (a)は上記墓石の全体構成を示す平面図であり、(b)は上記墓石の全体構成を示す正面図であり、(c)は墓石の全体構成を示す右側面図である。 (a)は上記墓石の回転石の構成を示す斜視図であり、(b)は上記回転石の構成を下側から見た斜視図であり、(c)は上記回転石の構成を示す左側面図である。 (a)は上記墓石の回転石が開けられた状態を示す断面図であり、(b)は上記墓石の回転石が開けられた状態を示す右側面断面図である。 上記墓石の角台を下から見上げた状態を示す斜視図である。 上記墓石の根太石、回転石及び角台の構成を示す分解斜視図である。 (a)は本考案の実施形態4における墓石の構成を示す斜視図であり、(b)は上記墓石の構成を示す正面図であり、(c)は上記墓石の構成を示す平面図である。 上記墓石の根太石、回転石及び施錠箱の構成を示す分解斜視図である。 上記墓石における回転石の施錠動作の最終状態を示す要部拡大斜視図である。 (a)は従来の一例の墓石の構成を示す斜視図であり、(b)は上記墓石の構成を示す断面図であり、(c)は上記墓石の蓋石が開けられた状態を示す斜視図であり、(d)は上記墓石の蓋石の構成を示す斜視図である。 (a)は従来の他の例の墓石の構成を示す斜視図であり、(b)は上記墓石の構成を示す側面の断面図であり、(c)は上記墓石の蓋石が開けられた状態を示す斜視図である。
〔実施の形態1〕
本考案の一実施形態について図1〜図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
本実施の形態の墓石は、例えば、洋型墓石からなっていると共に、納骨室を有し、該納骨室の上側に蓋石を有しており、上側から骨壺等を納骨するようになっている。尚、本考案の一態様における墓石は、洋型墓石からなっているが、必ずしもこれに限らない。例えば、納骨室を有し、該納骨室の上側に蓋石を有しており、上側から骨壺等を納骨するようになっていれば、和型墓石であってもよく、又は和洋型墓石若しくはデザイン型墓石等の他のタイプの墓石でもよい。
本実施の形態の墓石の構成について、図1の(a)(b)及び図2の(a)(b)(c)に基づいて説明する。図1の(a)は本実施の形態における墓石1Aの回転石5が閉じられた状態を示す斜視図であり、図1の(b)は墓石1Aの回転石5が回転して開けられた状態を示す斜視図である。図2の(a)は墓石1Aの全体構成を示す平面図である。図2の(b)は墓石1Aの全体構成を示す正面図である。図2の(c)は墓石1Aの全体構成を示す右側面図である。
本実施の形態の墓石1Aは、図1の(a)及び図2の(a)(b)(c)に示すように、最下部に位置する芝台2と、芝台2の上に載置された第1蓋石としての根太石3と、根太石3の上に載置された角台4と、角台4の上に載置された上台6と、角台4の後述する角台凹部4bに収納されて該角台4と前記根太石3との間に設けられた第2蓋石としての回転石5と、上台6の上に載置された竿石7とを備えている。本実施の形態では、芝台2は、本考案の一態様における納骨室形成石に相当する。
上記墓石1Aの芝台2について、図3の(a)(b)(c)(d)に基づいて詳述する。図3の(a)は墓石1Aの芝台2の構成を示す斜視図であり、図3の(b)は墓石1Aの芝台2の構成を示す平面図であり、図3の(c)は墓石1Aの芝台2の構成を示す正面図であり、図3の(d)は墓石1Aの芝台2の構成を示す右側面図である。
墓石1Aの芝台2は、図3の(a)(b)(c)(d)に示すように、中央部に略方形の開口部2bを有し、周囲は方形の枠状部2aとなっている。開口部2bの下側は、納骨室として機能するようになっており、例えば骨壺が収納されるようになっている。開口部2bの底は地面が露出している。ただし、納骨室は必ずしも骨壺を収納するだけでなく、骨が直接収納される場合であってもよい。
納骨室の寸法は、本実施の形態では、例えば、幅45cm×奥行86cm×高さ27cmとなっている。ただし、これらの寸法は、一例であり、必ずしもこの寸法に限らない。
また、本実施の形態の芝台2の枠状部2aは、左右の両側表面2c・2dが左右の両側の外側に向けて下り勾配となる傾斜面となっている。このため、芝台2の上に根太石3を載置する際に、根太石3は、芝台2の枠状部2aにおける水平表面部2eに載置されることになる。この結果、根太石3は、芝台2の枠状部2aにおける水平表面部2eにおいて嵌合状態に載置され、その状態で両側表面2c・2dが外側に向けて下り勾配となっているので、芝台2の開口部2bには、雨水等の水が入り難い構成となっている。
尚、本実施の形態の芝台2は、高さが27cmと低いものとなっている。したがって、骨壺等の納骨に際して高さが不足する場合には、芝台2の開口部2bにおける地面を掘り下げることが可能である。これにより、骨壺等の納骨に際して高さが不足することがなくなる。
また、本実施の形態の芝台2は、必ずしも高さが27cmと低いものにせず、納骨室の高さを確保するために、和型墓石に見られるように、さらに大きい高さを有しているとすることが可能である。
次に、墓石1Aの根太石3について、図4の(a)(b)(c)(d)(e)に基づいて詳述する。図4の(a)は墓石1Aの根太石3の構成を示す斜視図である。図4の(b)は墓石1Aの根太石3の構成を示す平面図である。図4の(c)は上記墓石の根太石の構成を示す正面図である。図4の(d)は根太石3の根太石開口部3bの縁部に形成された水返し部3cの構成を示す正面拡大図である。図4の(e)は墓石1Aの根太石3の構成を示す右側面図である。
墓石1Aの根太石3は、本実施の形態では、芝台2の開口部2bの上面を覆う第1蓋石としての機能を有しており、図4の(a)(b)(c)(d)(e)に示すように、略全面が蓋形成部3aとなっている。また、前側の一部が、骨壺又は骨を挿入可能な第1開口としての根太石開口部3bとなっている。根太石開口部3bの前側の側面は例えば湾曲して形成されている。そして、根太石開口部3bは、後述する回転石5によって開閉自在となっている。根太石開口部3bの縁部には、水返し部3cが立設されており、水返し部3cは、根太石開口部3bから立設された縁部が庇のように外側に向けて張り出したものとなっている。この水返し部3cによって、根太石3の上面の水が根太石開口部3bを通して芝台2の開口部2bに侵入しないようになっている。
根太石3の大きさは、例えば、幅81cm×奥行108cm×高さ7.5cmであり、根太石開口部3bの面積は、例えば、幅30cm×奥行22cmであり、回転石5の水返し部3cの立設高さは、1.5cmとなっている。ただし、これらの寸法は、一例であり、必ずしもこの寸法に限らない。
上記根太石3の蓋形成部3aにおける上記根太石開口部3bの近傍の奥側には、突起としての回転中心突起3dが形成されている。この回転中心突起3dは、後述する回転石5の裏面に形成された遊嵌凹部としての回転中心突起遊嵌孔5eに遊嵌されることによって、回転石5が回転中心突起3dを中心として回転可能となっている。
また、回転中心突起3dを点対称とする位置には、根太石磁石3e・3eが立設されている。根太石磁石3e・3eは、例えばネオジム磁石からなっていることが好ましい。ネオジム磁石は、ネオジム、鉄、ホウ素を主成分とする希土類磁石の一つであり。永久磁石のうちでは最も強力とされているものである。尚、根太石磁石3e・3eは、必ずしもネオジム磁石に限らず、一般の磁石であってもよい。
根太石磁石3e・3eの取り付け位置は、後述する回転石5の裏面における円形凹部5bに設けられた回転石磁石5h・5hの取り付け位置に一致している。すなわち、根太石磁石3e・3eは、回転石5の円弧枠5aの内側において、回転中心突起遊嵌孔5eを点対称とする位置に設けられた回転石磁石5h・5hに対峙するようにして立設されている。
次に、墓石1Aの角台4について、図5の(a)(b)(c)(d)に基づいて詳述する。図5の(a)は墓石1Aの角台4の構成を示す斜視図であり、図5の(b)は墓石1Aの角台4の構成を示す平面図であり、図5の(c)は墓石1Aの角台4の構成を示す正面図であり、図5の(d)は墓石1Aの角台4の構成を示す右側面図である。
墓石1Aの角台4は、図5の(a)(b)(c)(d)に示すように、方形となっており、例えば、幅75cm×奥行78cm×高さ9cmとなっている。この角台4は、裏面の前面側に角台凹部4bを有しており、回転石5を収納できるようになっている。この角台凹部4bは例えば直方体形状の凹部となっており、角台凹部4bの大きさは、例えば、幅60cm×奥行35cm×高さ5.4cmとなっている。しかし、必ずしもこれに限らず、回転石5の形状に合わせて半円形状等にすることが可能である。
次に、墓石1Aの回転石5について、図6の(a)(b)(c)(d)(e)及び図7に基づいて詳述する。図6の(a)は、墓石1Aの回転石5の構成を示す斜視図である。図6の(b)は、墓石1Aの回転石5の構成を示す底面図である。図6の(c)は、墓石1Aの回転石5の構成を示す正面図である。図6の(d)は、墓石1Aの回転石5の構成を示す右側面図である。図6の(e)は、墓石1Aの回転石5における戸車5fの構成を示す拡大正面図である。図7の(a)は、墓石1Aの回転石5に設けられた戸車5fの構成を示す側面図である。図7の(b)(c)は、墓石1Aの回転石5に設けられた戸車5fの構成を示す斜視図である。図7の(d)は、墓石1Aの回転石5に設けられた戸車5fの構成を示す正面図である。
図7は、墓石1Aの回転石5に設けられた戸車5fの構成を示す斜視図である。
墓石1Aの回転石5は、図6の(a)(b)(c)(d)(e)に示すように、例えば円形となっており、裏面に円形凹部5bを有することによって、回転石5の裏面の周囲が円弧枠5aとして形成されている。尚、回転石5は円形に限らず、多角形等の形状にすることも可能である。この回転石5は、例えば、直径が60cmであり、円弧枠5aの高さが4.5cmであり、円形凹部5bの厚さが2.7cmである。この結果、回転石5は、全体として略平板状となっており、回転し易いものとなっている。
回転石5の下側の円形凹部5bの中心には、遊嵌凹部としての前述した回転中心突起遊嵌孔5eが穿設されている。この回転中心突起遊嵌孔5eに前述した根太石3の回転中心突起3dが遊嵌されていることにより、回転石5が回転中心突起遊嵌孔5eを中心にして回転するようになっている。
また、回転石5の円形凹部5bの外周側の一領域には、第2開口としての回転石開口窓部5cが設けられており、この回転石開口窓部5cは、前述した根太石3の根太石開口部3bの開口形状に略等しく形成されている。ただし、回転石開口窓部5cを、根太石3の根太石開口部3bの開口形状に略等しくする必要はない。回転石開口窓部5cの大きさは、例えば、幅30cm×最大奥行22.5cmであり、これによって、骨壺を容易に挿入できる広さとなっている。
回転石5が上記構成を有することによって、回転石5を、回転中心突起3dを中心として回転したときに、回転石5の回転石開口窓部5cと根太石3の根太石開口部3bとが重なって平面視において同一面上に一致したときに、根太石3の根太石開口部3bを通して芝台2の開口部2bを外部に露出させる開口部露出位置となる。すなわち、図1の(b)に示すように、根太石開口部3bの根太石開口部3bが回転石5の回転石開口窓部5cによって開口状態となる。
一方、回転石開口窓部5cと根太石開口部3bとが平面視において、両者が一部でも重ならないときには、開口部非露出位置となる。すなわち、このときには、図1の(a)に示すように、根太石開口部3bの根太石開口部3bが回転石5の円形凹部5bによって閉状態となり、芝台2の開口部2bが外部に対して非露出状態となる。
尚、本実施の形態の回転石5における円弧枠5aの内側には、回転中心突起遊嵌孔5eを点対称とする位置に、回転石磁石5h・5hが設けられている。回転石磁石5h・5hは、ネオジム磁石からなっていることが好ましい。
この回転石磁石5h・5hの取り付け位置は、回転石5の回転石開口窓部5cが正面側に位置するときに、円弧枠5aの内側の左右端に位置するように設けられている。そして、この回転石5の回転石開口窓部5cが正面側に位置するときにおいて、前述したように、回転石磁石5h・5hの対向位置に根太石磁石3e・3eが位置するようになっている。
この結果、回転石5が開口部露出位置となった場合、及び回転石5が開口部非露出位置となった場合には、位置合わせとして、回転石磁石5h・5h及び根太石磁石3e・3eに基づく磁力による固定が行われる。このため、開口部露出位置又は開口部非露出位置が容易には解除されないようになっている。本実施の形態では、回転石磁石5h・5h及び根太石磁石3e・3eは、回転中心突起遊嵌孔5e及び回転中心突起3dを中心として点対称の位置に設けられている。この結果、開口部露出位置又は開口部非露出位置のいずれの位置においても、回転石磁石5h・5h及び根太石磁石3e・3eの磁力が作用する。したがって、回転石磁石5h・5h及び根太石磁石3e・3eを2組設けるだけで、開口部露出位置及び開口部非露出位置の両方に磁力を作用させることができるので、回転石磁石5h・5h及び根太石磁石3e・3eの設置数の省略化が図れるようになっている。
尚、本実施の形態では、開口部露出位置又は開口部非露出位置の両方において磁力による固定が行われるが、必ずしも開口部露出位置又は開口部非露出位置の両方において磁力による固定を行う必要はない。例えば、開口部非露出位置において自然に回転石5が回転すると好ましくない。このため、少なくとも、開口部非露出位置において磁力による固定を行うことが好ましい。
ここで、本実施の形態の回転石5における円形凹部5bには、回転を滑らかに行うために、図6の(a)(b)に示すように、戸車5fが例えば3箇所に設けられている。尚、戸車5fは必ずしも3箇所に限らず、4箇所〜6箇所、その他の箇所でもよい。
具体的には、戸車5fは、回転石5の円形凹部5bにおける、外周側リング状平坦部5gにおいて、回転石開口窓部5cの前側に一箇所と、円形凹部5bに内接する正三角形の他の2つの頂点の位置にそれぞれ一箇所の合計3箇所に取り付け固定されている。戸車5fの取り付け位置は、換言すれば、回転石開口窓部5cの前側に一箇所を設けると共に、他の2箇所は、回転中心突起遊嵌孔5e及び回転中心突起3dの回りに中心角120度となるように合計3箇所に取り付け固定されている。この理由は、上記の3箇所以外で戸車5fが荷重を受けると、他の戸車5fが浮く虞があり、回転石5の回転に支障を来すためである。回転石5の上側に香焚き等の重量物を搭載する場合には、戸車5fを4箇所以上に設置することが可能であるが、戸車5fの高さ合わせに精度が要求される。
この戸車5fは、図7の(a)(b)(c)(d)に示すように、例えば、市販されている戸車であり、この戸車5fが回転石5の半径に対して直交するように、換言すれば回転石5の円の接線方向に平行となるように取り付け固定されている。尚、本考案の一態様における車輪は、必ずしも戸車5fで構成する必要はなく、他の部材で構成することも可能である。ただし、車輪は、油が出たり錆びたりするのは好ましくない。
上記戸車5fの取り付け固定に関して、回転石5の円形凹部5bには、戸車5fの車輪部Waを収納する図示しない車輪収納部と、戸車5fの取り付けボルトWbを螺合する取り付けナットWcを収納する図示しないナット収納部が穿設されている。この結果、戸車5fは回転石5の円形凹部5bに固定され、回転石5を容易に回転させるようになっている。
尚、この戸車5fの車輪部Waは、図7の(d)に示すように、回転石5の内周側が外周側よりも高さが低い、つまり傾斜していることが好ましい。これにより、回転を滑らかに行うことができる。
また、戸車5fは、油が出たり雨水によって錆びが出たりするのは好ましくない。このため、戸車5fは、例えば、オールステンレス、又は車輪部Waがジュラコン等のエンプラからなっていることが好ましい。例えば、オールステンレス枠・ジュラコン車V型戸車が好ましい。また、ベアリング入りが好ましい。これらは、耐熱及び耐腐食仕様であることが好ましい。さらに、回転石5の上に重量物を搭載する場合には、オールステンレスの戸車5fが好ましい。
また、本実施の形態の回転石5には、図5の(a)に示すように、回転石5の下面には、回転石開口窓部5cの縁に沿って水切り溝5dが設けられている。この水切り溝5dの存在により、水滴が回転石開口窓部5cの手前の水切り溝5dに入り込み、水滴が納骨室に落下し難くなる。したがって、水滴が納骨室に落下するのを防止することができる。
尚、雨水の納骨室への浸入を考慮すると、回転石5は墓石1Aの前側に下りとなる傾斜が設けられていることが好ましい。
次に、墓石1Aの上台6及び竿石7について、前記図1の(a)(b)及び図2の(a)(b)(c)、並びに図8の(a)(b)(c)に基づいて説明する。図8の(a)は、墓石1Aの竿石7の構成を示す平面図である。図8の(b)は、墓石1Aの竿石7の構成を示す正面図である。図8の(c)は、墓石1Aの竿石7の構成を示す右側面図である。
墓石1Aの上台6は、図1の(a)(b)及び図2の(a)(b)(c)に示すように、角台4と竿石7との間に設けられる石であり、本実施の形態のように、一段からなる上台6であってよく、複数段からなる上台6であってよく、又は存在しなくてもよい。
次に、墓石1Aの竿石7は、図1の(a)(b)及び図8の(a)(b)(c)に示すように、墓石1Aが洋型墓石からなっている場合には、傾斜面7aに故人が好きだった言葉を彫ったり、好きな花の彫刻を入れたりされる一方、墓石1Aが和型墓石からなっている場合には、例えば家の名前等の墓標となる文字を彫り込んだりされる。尚、本実施の形態の墓石1Aは、洋型墓石を想定しているので、竿石7には、傾斜面7aが形成されることが多いが、和型墓石では直方体である場合が多い。
上記構成の墓石1Aにおける骨壺Bの納骨室への納骨動作について、図1の(a)(b)に基づいて説明する。
まず、墓石1Aの通常の状態においては、図1の(a)に示すように、墓石1Aの回転石5は、芝台2の開口部2bを閉じた状態となっている。つまり、回転石5は、芝台2の開口部2b及び根太石3の根太石開口部3bを該回転石5にて施蓋すべく、開口部2bを外部に対して非露出状態にする開口部非露出位置となっている。
この状態から例えば骨壺Bを納骨室へ納骨するためには、回転石5の表面に手の指又は掌を当接させて横方向に押圧する。押圧方向は、時計回り又は反時計回りのいずれでもよい。
これにより、回転石5は図示しない回転中心突起3dを中心として回転し、やがて、図1の(b)に示すように、根太石3の根太石開口部3bと回転石5の回転石開口窓部5cとが重なり、芝台2の開口部2bが開口部露出位置となる。回転石5の回転に際しては、本実施の形態の回転石5に戸車5fが設けられているので、回転石5を簡単に回転させることができる。
また、本実施の形態では、回転石5の回転によって、開口部露出位置となったときには、回転石磁石5h・5h及び根太石磁石3e・3eの磁力により、開口部露出位置が固定される。このため、開口部露出位置が容易に解除されることはない。
回転石5の開口部露出位置において、回転石開口窓部5cは骨壺Bを納骨室へ納骨するのに十分の広さを有しているので、骨壺Bを回転石開口窓部5c及び根太石開口部3bを通して納骨室に開口部2bを通して容易に納骨することができる。
次いで、骨壺Bを納骨室に納骨した後、再度、回転石5の表面に手の指又は掌を当接させて横方向に押圧する。このときも、押圧方向は、時計回り又は反時計回りのいずれでもよい。尚、上述したように、開口部露出位置では回転石磁石5h・5h及び根太石磁石3e・3eの磁力により開口部露出位置が固定されているが、この磁力による開口部露出位置の固定に抗して押圧すれば、回転石5を容易に回転させることができる。この結果、図1の(a)に示す回転石5の開口部非露出位置に容易に戻すことができる。そして、回転石5が開口部非露出位置となった場合には、位置合わせとして、回転石磁石5h・5h及び根太石磁石3e・3eの磁力により磁力による固定が行われる。このため、回転石5の非露出位置が容易に解除されることはない。
このように、本実施の形態の墓石1Aは、上側に開口部2bを有する納骨室形成石としての芝台2と、開口部2bを覆う蓋石とを備えている。そして、蓋石は、芝台2の開口部2bを覆い、かつ第1開口としての根太石開口部3bを有する第1蓋石としての根太石3と、根太石3に対して回転可能に重ねて設けられ、かつ第2開口としての回転石開口窓部5cを有する第2蓋石としての回転石5とを含む。
また、回転石5は、根太石3の根太石開口部3bを通して芝台2の開口部2bを外部に露出させる開口部露出位置と、根太石3の根太石開口部3bと回転石5の回転石開口窓部5cとが重ならないようにして開口部2bを外部に対して非露出状態にする開口部非露出位置とを回転により切り替え可能となっている。
また、回転石5は、回転石開口窓部5cを通して芝台2及び根太石3の開口部2b及び根太石開口部3bを外部に露出させる開口部露出位置と、芝台2及び根太石3の開口部2b及び根太石開口部3bを該回転石5にて施蓋すべく、開口部2b及び根太石開口部3bを外部に対して非露出状態にする非露出位置とを回転により切り替え可能となっている。
この結果、本実施の形態の墓石1Aでは、回転石5を回転して開口部露出位置にすれば、芝台2の開口部2b及び根太石3の根太石開口部3bを開状態とすることができる。また、納骨室に納骨した後には、回転石5を回転して開口部非露出位置にすれば、芝台2の開口部2b及び根太石3の根太石開口部3bを閉状態とすることができる。
このため、本実施の形態の墓石1Aでは、回転石5を持ち上げて移動する必要がなく、回転石5を回転させるだけで、芝台2の開口部2b及び根太石3の根太石開口部3bを容易に開閉することができる。また、回転石5は平板状にてなっているので、重量も大きくなく、容易に回転させることができる。
したがって、芝台2の開口部2bの上側に設けられた蓋石を、労力を要することなく開閉し得る墓石1Aを提供することができる。
また、本実施の形態における墓石1Aは、回転石5の下面における回転中心位置には回転軸となる遊嵌凹部としての回転中心突起遊嵌孔5eが設けられていると共に、根太石3の上面には、上記回転中心突起遊嵌孔5eに対応する突起としての回転中心突起3dが設けられている。
これにより、回転石5を回転軸となる回転中心突起3d及び回転中心突起遊嵌孔5eを中心として回転することができるので、回転石5を適切かつ容易に回転させることができる。また、回転石5は回転中心突起3d及び回転中心突起遊嵌孔5eにて支持固定されるので、回転石5が平行移動することがない。このため、例えば、回転石5が奥側に移動して取れなくなることや回転石5が納骨室に落下することを防止することができる。
また、本実施の形態における墓石1Aでは、回転石5は、根太石3の上側に重ねて設けられていると共に、回転石15の下面には、根太石3の上面を走行する車輪としての戸車5fが設けられている。
例えば、回転石5を回転する場合に、戸車5fがない場合には、石同士の接触摩擦により必ずしも十分に容易に回転できるとは限らない。
しかし、本実施の形態における墓石1Aでは、回転石5に戸車5fが設けられているので、回転石5を確実に容易に回転させることができる。
また、本実施の形態における墓石1Aは、回転石5の下面には回転石開口窓部5cの縁に沿って水切り溝5dが設けられている。
例えば、回転石5の上面に雨水が落下し、その雨水が回転石5の回転石開口窓部5cから下面及び壁面を伝い、延いては納骨室に至る虞がある。これに対して、本実施の形態における墓石1Aでは、回転石5の下面には、回転石開口窓部5cの縁に沿って水切り溝5dが設けられている。この結果、水滴が回転石開口窓部5cの縁の水切り溝5dに入り込み、水滴が奥入りし難くなる。したがって、水滴が納骨室に浸入するのを防止することができる。
また、本実施の形態における墓石1Aは、第2蓋石としての回転石5を、開口部非露出位置及び開口部露出位置にて磁力により位置決め固定する磁石としての回転石磁石5h・5h及び根太石磁石3e・3eが設けられている。
これにより、回転石5が開口部露出位置に保持されているときに、回転石磁石5h・5h及び根太石磁石3e・3eを用いた磁力による位置決め固定ができる。このため、例えば、回転石5に車輪としての戸車5fが設けてあったとしても、開口部露出位置に保持されている回転石5が容易に回転することはない。尚、回転石5を開口部非露出位置に回転させるときには、磁力に抗して回転石5を回転させればよいので、困難な作業ではない。
〔実施の形態2〕
本考案の他の実施の形態について図9及び図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
前記実施の形態1の墓石1Aでは、蓋石として、納骨室形成石としての開口部2bを覆い、かつ第1開口としての根太石開口部3bを有する第1蓋石としての根太石3と、根太石3に対して回転可能に該根太石3の上側に重ねて設けられ、かつ第2開口としての回転石開口窓部5cを有する第2蓋石としての回転石5とから構成されていた。
これに対して、本実施の形態の墓石1Bでは、蓋石は、納骨室形成石としての根太石13の根太石開口部13bを覆い、かつ第1開口としての角台開口部14bを有する第1蓋石としての角台14と、角台14に対して回転可能に下側に重ねて設けられ、かつ第2開口としての回転石開口窓部15cを有する第2蓋石としての回転石15とから構成されている点が異なっている。
本実施の形態の墓石1Bの構成について、図9の(a)(b)(c)及び図10に基づいて説明する。図9の(a)は、本実施の形態における墓石1Bの回転石15が閉じられた状態を示す斜視図であり、図9の(b)は墓石1Bの回転石15が閉じられた状態における、墓石1Bの竿石7を除いた状態を示す平面図である。図9の(c)は、上記墓石1Bの回転石15の構成を示す斜視図である。図10は、上記墓石1Bの回転石15が一部開けられた状態を示す平面図である。
本実施の形態の墓石1Bは、実施の形態1の墓石1Aに比べて、高さが低くかつ占有面積が広いものとなっている。
具体的には、本実施の形態の墓石1Bは、図9の(a)に示すように、前記実施の形態1の墓石1Aに存在した芝台2がなく、地面に載置される根太石13が最下段に設けられている。この結果、本実施の形態の墓石1Bでは、図9の(b)に示すように、根太石13に開口部としての根太石開口部13bが設けられ、この根太石開口部13bの下側が納骨室としての機能を有している。したがって、本実施の形態の墓石1Bでは、根太石13の下側は地面が掘り下げて納骨室が形成されている。
上記構成の墓石1Bでは、納骨室形成石としての上記根太石13の根太石開口部13bを覆い、かつ第1開口としての角台開口部14bを有する第1蓋石としての角台4と、角台14に対して回転可能に下側に重ねて設けられ、かつ第2開口としての回転石開口窓部15cを有する第2蓋石としての回転石15とから構成されている。
また、図9の(b)(c)に示すように、上記回転石15の上面中央には、突起としての回転中心突起15gが設けられていると共に、図9の(b)に示すように、回転石15の上側において、角台14の裏面には上記回転中心突起15gに遊嵌される遊嵌凹部としての回転中心突起遊嵌孔14eが穿設されている。
また、本実施の形態の墓石1Bでは、回転石15の面積が大きいので、回転石15を回転させ難い。そこで、本実施の形態の墓石1Bにおける回転石15の縁部には、図9の(a)(b)(c)に示すように、非面取り部15iを挟んだ両側に掴み部としての面取り部15h・15hが例えば4箇所に形成されている。この結果、回転石15を回転させるときには、この面取り部15hに指を当接して回転方向に押圧すれば、指が非面取り部15iに引っ掛かるので、図10に示すように、回転石15を容易に回転させることができる。
尚、本実施の形態では、回転石15に掴み部としての面取り部15hを設けたが、掴み部としては必ずしもこの構成に限らない。例えば、回転石15の外周側面に孔部を複数形成することが可能である。これにより、回転石15の外周側面の孔に指を引っ掛けることにより、容易に回転石15を回転することができる。
さらに、本実施の形態の回転石15では、図9の(c)に示すように、上面における回転石開口窓部15cとは反対側には、傾斜面15jが形成されている。傾斜面15jは、外周側が低くなるように傾斜している。この結果、墓石1Bの回転石15を閉じた状態においては、回転石15の上面に雨水が落ちたときに、雨水が前面側に流れるようになっている。
これ以外の構成は、前記実施の形態1の墓石1Aと同じであるので説明を省略する。
このように、本実施の形態の墓石1Bは、上側に開口部としての根太石開口部13bを有する納骨室形成石としての根太石13と、根太石開口部13bを覆う蓋石とを備えている。
そして、蓋石は、根太石13の根太石開口部13bを覆い、かつ第1開口としての角台開口部14bを有する第1蓋石としての角台14と、角台14に対して回転可能に重ねて下側に設けられ、かつ第2開口としての回転石開口窓部15cを有する第2蓋石としての回転石15とから構成されている。
そして、回転石15は、角台14の角台開口部14bを通して根太石13の根太石開口部13bを外部に露出させる開口部露出位置と、角台14の角台開口部14bと回転石15の回転石開口窓部15cとが重ならないようにして開口部2bを外部に対して非露出状態にする開口部非露出位置とを回転により切り替え可能となっている。
この結果、本実施の形態では、回転石15を回転して開口部露出位置にすれば、根太石13の根太石開口部13bを開状態とすることができる。また、納骨室に納骨した後には、回転石15を回転して開口部非露出位置にすれば、根太石13の根太石開口部13bを閉状態とすることができる。
このため、本考案の一態様では、蓋石を持ち上げて移動する必要がなく、回転石15を回転させるだけで、根太石13の根太石開口部13bを容易に開閉することができる。
したがって、根太石13の根太石開口部13bの上側に設けられた蓋石を、労力を要することなく開閉し得る墓石を提供することができる。
また、本実施の形態における墓石1Bは、回転石15の上面における回転中心位置には回転軸となる突起としての回転中心突起15gが設けられていると共に、角台14の下面には、回転中心突起15gに対応する遊嵌凹部としての回転中心突起遊嵌孔14eが設けられている。
これにより、回転石15を回転軸となる回転中心突起15g及び回転中心突起遊嵌孔14eを中心として回転することができるので、回転石15を適切かつ容易に回転させることができる。また、回転石15は回転中心突起15g及び回転中心突起遊嵌孔14eにて支持固定されるので、回転石15が平行移動することがない。このため、例えば、回転石15が奥側に移動して取れなくなることや回転石15が納骨室に落下することを防止することができる。
また、本実施の形態の墓石1Bは、回転石15には、該回転石15の回転を容易にさせる掴み部が形成されている。具体的には、回転石15の外周縁には、非面取り部15iを挟んだ両側に掴み部としての面取り部15h・15hが部分的に形成されている。
すなわち、例えば、回転石15を回転させる場合に、回転石15に掴み部がない場合には、例えば、回転石15の上面を指で押さえて該指に回転方向に押圧しなければならない。その際、指が滑る等により、回転石15に十分な回転力を与えることができず、回転石15を適切に回転できない虞がある。しかし、本実施の形態における墓石1Bでは、回転石15には、該回転石15の回転を容易にさせる掴み部が形成されている。このため、回転石15の掴み部に手を当てて回転石15を回転させることにより、指が滑ることなく、回転石15に十分な回転力を与えることができ、回転石15を容易に回転させることができる。
具体的には、例えば、掴み部として、回転石15の外周縁に、面取り部15h・15hを部分的に形成した場合には、面取り部15hに指を当てて回転石15を回転させることにより、面取り部15hが存在しない非面取り部15iに指が引っ掛かる。この結果、指が滑ることなく、回転石15に回転力を与えることができるので、回転石15を容易に回転させることができる。
〔実施の形態3〕
本考案のさらに他の実施の形態について図11〜図19に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1及び実施の形態2と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1及び実施の形態2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
前記実施の形態1の墓石1Aの回転石5及び実施の形態2の墓石1Bの回転石15は、上面が平面に形成されていた。
これに対して、本実施の形態の墓石1Cでは、図13の(a)(b)(c)に示すように、回転石5の上面が円錐形状に盛り上がっている点が異なっている。また、図11の(a)(b)に示すように、実施の形態2の墓石1Bにおける根太石13の下に芝台22(実施の形態1の墓石1Aにおける芝台2に相当)が存在する点が異なっている。すなわち、本実施の形態の墓石1Cでは、第1蓋石は、第1下側蓋石としての根太石23と第1上側蓋石としての角台24とからなっており、第2蓋石としての回転石25を挟んで、該回転石25の上側及び下側の両方に設けられている点が異なっている。
さらに、図11の(a)(b)に示すように、実施の形態2の墓石1Bにおける角台14に相当する角台24の直ぐ上に竿石7が存在し、実施の形態2の墓石1Bにおける角台14と竿石7との間に存在した上台6が存在していない点で異なっている。
本実施の形態の墓石1Cの構成について、図11の(a)(b)及び図12の(a)(b)(c)、図13の(a)(b)(c)、図14の(a)(b)、図15、及び図16に基づいて説明する。図11の(a)は、本実施の形態における墓石1Cの回転石25が閉じられた状態を示す斜視図であり、図11の(b)は、墓石1Cの回転石25が回転して開けられた状態を示す斜視図である。図12の(a)は、墓石1Cの全体構成を示す平面図である。図12の(b)は墓石1Cの全体構成を示す正面図である。図12の(c)は、墓石1Aの全体構成を示す右側面図である。図13の(a)は、上記墓石1Cの回転石25の構成を示す斜視図である。図13の(b)は上記回転石25の構成を下側から見た斜視図である。図13の(c)は上記回転石25の構成を示す左側面図である。図14の(a)は、本実施の形態における墓石1Cの回転石25が開けられた状態を示す断面図である。図14の(b)は墓石1Cの回転石25が開けられた状態を示す右側面断面図である。図15は、墓石1Cの角台24を下から見上げた状態を示す斜視図である。図16は、上記墓石1Cの根太石23、回転石25及び角台24の構成を示す分解斜視図である。
本実施の形態の墓石1Cは、実施の形態2の墓石1Bに比べて、実施の形態1の墓石1Aと同様に、芝台22が設けられている。この結果、本実施の形態では、芝台22が納骨室形成石となっている。また、本実施の形態では、第2蓋石としての回転石25の下側と上側との両方に第1蓋石としての根太石23と角台24とが存在している。
本実施の形態の芝台22の開口部22bは、実施の形態1の墓石1Aの芝台2に比べて、図14の(a)(b)に示すように、横幅が広いものとなっている。尚、奥行きは、両者略同じである。この結果、本実施の形態の墓石1Cの納骨室は、実施の形態1の墓石1Aの納骨室よりも大きいものとなっている。
上記構成の墓石1Cは、納骨室形成石としての芝台22を、図14の(a)(b)及び図16に示すように、根太石開口部23bを有する第1下側蓋石としての根太石23が覆い、この根太石23の根太石開口部23bを、回転石開口窓部25cを有する回転石25が覆い、さらに根太石23及び回転石25を第1上側蓋石としての角台24が覆うようになっている。
ここで、本実施の形態の回転石25は、図12の(a)(b)(c)、図13の(a)(b)(c)及び図14の(a)(b)に示すように、上面が円錐形状の円錐形成面25aとなっている。この結果、図11の(a)に示すように、回転石25が閉じた状態において、上面に傾斜が形成されているので、回転石25の上面に降った雨水が墓石1Cの前側に流れる。この結果、回転石25の上面に降った雨水を回転石25の回転石開口窓部25cに落下しないようにすることができる。
また、本実施の形態の墓石1Cでは、図13の(b)に示すように、回転石25の裏面に突起としての回転中心突起25eが設けられていると共に、図16に示すように、根太石23には遊嵌凹部としての回転中心突起遊嵌孔23dが形成されている。本実施の形態では、回転中心突起遊嵌孔23dは、立設された筒部材の内径孔部にて形成されている。
さらに、本実施の形態の墓石1Cでは、図13の(b)に示すように、回転石25の裏面には、ネオジム磁石からなる2個の回転石磁石25h・25hが設けられている。これに対して、図16に示すように、根太石23にはネオジム磁石からなる根太石磁石23eが1個しか設けられていない。しかし、この構成によっても、回転石25の2個の回転石磁石25h・25hは、回転中心突起25eの点対称に設けられているので、回転石25の開口部非露出位置及び開口部露出位置のいずれにおいても磁力による固定を行うことができるようになっている。
このように、本実施の形態の回転石25は、上面が円錐形状となっている。このため、この回転石25を覆う角台24の底面は、図15及び図16(a)に示すように、回転石25の円錐形状に沿う角台円錐形状凹部24bとなっている。
尚、その他の構成として、例えば、根太石23に水返し23cが設けられている点、回転石25における回転石開口窓部25cの縁には水切り溝25dが形成されている点は、実施の形態1の墓石1A及び実施の形態2の墓石1Bと同じである。
上記構成の墓石1Cにおける骨壺Bの納骨室への納骨動作について、図11の(a)(b)に基づいて説明する。
まず、墓石1Cの通常の状態においては、図11の(a)に示すように、墓石1Cの回転石25は、芝台22の開口部22b(図14の(a)(b)参照)を閉じた状態となっている。つまり、回転石25は、芝台22の開口部22b及び根太石23の根太石開口部23bを該回転石25にて施蓋すべく、開口部22bを外部に対して非露出状態にする開口部非露出位置となっている。
この状態において、本実施の形態の墓石1Cでは、回転石25の上面が円錐形成面25aとなっている。このため、回転石25の上面に雨水が負っても、円錐形成面25aにて雨水が前側に流れる。したがって、雨水が回転石開口窓部25c及び根太石開口部23bを通して開口部22bに浸入することはない。
この状態から例えば骨壺Bを納骨室へ納骨するためには、回転石25の表面又は外周面に手の指又は掌を当接させて横方向に押圧する。押圧方向は、時計回り又は反時計回りのいずれでもよい。
これにより、回転石25は前記回転中心突起25eを中心として回転し、やがて、図11の(b)に示すように、根太石3の根太石開口部23bと回転石25の回転石開口窓部25cとが重なり、芝台22の開口部22bが開口部露出位置となる。回転石25の回転に際しては、本実施の形態の回転石25に戸車25fが設けられているので、回転石25を簡単に回転させることができる。
また、本実施の形態では、回転石25の回転によって、開口部露出位置となったときには、回転石磁石25h・25h及び根太石磁石23eの磁力により、開口部露出位置が固定される。このため、開口部露出位置が容易に解除されることはない。
回転石25の開口部露出位置において、回転石開口窓部25cは骨壺Bを納骨室へ納骨するのに十分の広さを有しているので、骨壺Bを回転石開口窓部25c及び根太石開口部23bを通して納骨室に開口部22bを通して容易に納骨することができる。
次いで、骨壺Bを納骨室に納骨した後、再度、回転石25の表面に手の指又は掌を当接させて横方向に押圧する。このときも、押圧方向は、時計回り又は反時計回りのいずれでもよい。この結果、図11の(a)に示す回転石25の開口部非露出位置に容易に戻すことができる。そして、回転石25が開口部非露出位置となった場合には、位置合わせとして、回転石磁石25h・25h及び根太石磁石23eの磁力により磁力による固定が行われる。このため、回転石5の非露出位置が容易に解除されることはない。尚、このように、根太石磁石23eは、回転中心突起遊嵌孔23dに対して点対称の位置となることによって、1個でもよい。
このように、本実施の形態の墓石1Cでは、第1蓋石は、第2蓋石としての回転石25を挟んで該回転石25の下側に設けられた第1下側蓋石としての根太石23と該回転石25の上側に設けられた第1上側蓋石としての角台24とからからなっている。これにより、変化に富んだ形状を有する墓石1Cを提供することができる。
また、本実施の形態における墓石1Cは、第2蓋石としての回転石25の上面は、円錐台形状に盛り上がっている円錐形成面25aを有している。
これにより、第2蓋石は円形の回転石25からなり、その上面は、外周側が中心側よりも低い傾斜面となっている。このため、回転石25の開口部非露出位置において、雨が回転石25の上面に降ったとしても、その雨水は外周側に流れる。この結果、雨水が回転石25の第2開口としての回転石開口窓部25cを通して、納骨室形成石としての芝台22の開口部22bに浸入するのを防止することができる。
〔実施の形態4〕
本考案のさらに他の実施の形態について図17〜図19に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態3と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態3の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の墓石1Dは、図17の(a)(b)(c)に示すように、前記実施の形態3の墓石1Cに比べて回転石25が回転しないように施錠する施錠機構30が設けられている点が異なっている。
本実施の形態の墓石1Dの構成について、図17の(a)(b)(c)及び図18に基づいて説明する。図17の(a)は、本実施の形態の墓石1Dの構成を示す斜視図である。図17の(b)は、上記墓石1Dの構成を示す正面図である。図17の(c)は、上記墓石1Dの構成を示す平面図である。図18は、上記墓石1Dの根太石23、回転石25及び施錠箱31の構成を示す分解斜視図である。
本実施の形態の墓石1Dは、図17の(a)(b)(c)及び図18に示すように、開口部非露出位置の回転石25が回転しないように施錠する施錠機構30が、根太石23における回転石25の前側に設けられている。
上記施錠機構30は、施錠箱31と、施錠箱31の回転石25側に設けられた回転止め突起32と、回転石25の非開口側の外周に設けられた回転止め突起係合凹部33と、施錠箱31を位置決めすべく、根太石23に固定して設けられた立設ピン34と、施錠箱31が立設ピン34から抜けないように施錠する南京錠35とからなっている。
すなわち、本実施の形態では、根太石23における根太石開口部23bの前側に立設ピン34が立設されている。この立設ピン34は、例えば、根太石23に貫通して設けられ、例えば、根太石23の裏面側にて図示しないナットで固定されている。また、立設ピン34の上側部分には、途中に軸細部34aが形成されており、この軸細部34aに南京錠35のU字状の掛け金35aを引っ掛けるようになっている。
上記立設ピン34には、上側から施錠箱31の底面に穿設された貫通孔31aに通されることによって、施錠箱31が回転石25の前側で位置決めされる。そして、施錠箱31の回転石25側には上部に回転止め突起32が形成されているので、この位置決めされた位置で、施錠箱31を下方移動させると、回転止め突起32が回転石25の周囲に形成された回転止め突起係合凹部33に嵌り込む。これにより、回転石25の回転が防止される。
本実施の形態では、この回転石25の回転が防止された状態をロックすべく、南京錠35にて施錠することができる。すなわち、この状態において、施錠箱31の貫通孔31aに通された立設ピン34の軸細部34aに、施錠箱31の前側の開口部分から、南京錠35のU字状の掛け金35aを引っ掛ける。これにより、回転石25が、施錠状態において回転防止される。詳細には、南京錠35のU字状の掛け金35aは、立設ピン34の軸細部34aに嵌められた状態となっているので、施錠箱31の上下移動が抑制される。つまり、施錠箱31が立設ピン34から抜けない。
このように、本実施の形態の墓石1Dでは、回転石25を開口部非露出位置に固定して施錠することができるようになっている。
尚、本実施の形態の施錠箱31は、例えば石からなっており、南京錠35を立設ピン34の回りに回転できるスペースを有している。このため、図19に示すように、南京錠35を施錠箱31において、長手方向に沿って置くことができるようになっている。
上記構成の墓石1Dにおける回転石25の施錠動作について、図17の(a)(b)(c)、図18及び図19に基づいて説明する。図19は、回転石25における施錠動作の最終状態を示す要部拡大斜視図である。
まず、図17の(a)(b)(c)に示すように、回転石25を開口部非露出位置の状態にする。これにより、回転石25の回転止め突起係合凹部33が立設ピン34に対向する位置となる。この状態で、図18に示すように、施錠箱31の貫通孔31aを立設ピン34に通す。この結果、施錠箱31の回転石25側に設けられた回転止め突起32が回転石25の回転止め突起係合凹部33に嵌り込む。この状態で、南京錠35のU字状の掛け金35aを施錠箱31の前側の開口部分から挿入し、掛け金35aを立設ピン34の軸細部34aに引っ掛ける。最後に、南京錠35を立設ピン34の軸細部34aの回りに回転させて、図19に示すように、南京錠35を施錠箱31の長手方向に一致させる。
これにより、南京錠35を施錠箱31に収容することができる。また、施錠箱31を持ち上げようとしても、南京錠35の存在により施錠箱31の上方移動が禁止される。つまり、施錠箱31が立設ピン34から抜けない。この結果、回転石25の回転が施錠箱31の回転止め突起32の回転石25の回転止め突起係合凹部33への係合によって禁止されるので、回転石25は回転できない。
尚、解錠するときには、南京錠35を施錠箱31内で回転させ、上記の施錠動作とは逆の動作をすることによって、回転石25を回転させることができる。
このように、本実施の形態における墓石1Dは、第2蓋石としての回転石25における開口部非露出位置を保持して施錠する施錠機構30が設けられている。
すなわち、本実施の形態の墓石1Dにおいては、回転石25を回転させて容易に開口部露出位置とすることができるので、墓荒らしに遭遇する虞がある。
そこで、本実施の形態の墓石1Dにおいては、回転石25における開口部非露出位置の状態に対して、施錠機構30にて施錠することができるようになっている。したがって、墓荒らしに遭遇することを防止することができる。
尚、本考案は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本考案の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1A〜1D 墓石
2 芝台(納骨室形成石)
2a 枠状部
2b 開口部(開口部)
2c・2d 両側表面
2e 水平表面部
3 根太石(第1蓋石)
3a 蓋形成部
3b 根太石開口部(第1開口)
3d 回転中心突起(突起)
3e 根太石磁石(磁石)
4 角台(蓋石)
4b 角台凹部
5 回転石(第2蓋石)
5a 円弧枠
5b 円形凹部
5c 回転石開口窓部(第2開口)
5d 水切り溝
5e 回転中心突起遊嵌孔(遊嵌凹部)
5f 戸車(車輪)
5g 外周側リング状平坦部
5h 回転石磁石(磁石)
6 上台
7 竿石
13 根太石(納骨室形成石)
13b 根太石開口部(開口部)
14 角台(第1蓋石)
14b 角台開口部(第1開口)
14e 回転中心突起遊嵌孔(遊嵌凹部)
15 回転石(第2蓋石)
15c 回転石開口窓部(第2開口)
15g 回転中心突起(突起)
15h 面取り部(掴み部)
15i 非面取り部
22 芝台(納骨室形成石)
22b 開口部
23 根太石(第1蓋石、第1下側蓋石)
23b 根太石開口部
23c 水返し
23d 回転中心突起遊嵌孔(遊嵌凹部)
23e 根太石磁石(磁石)
24 角台(第1蓋石、第1上側蓋石)
25 回転石(第2蓋石)
25a 円錐形成面
25c 回転石開口窓部(第2開口)
25d 水切り溝
25e 回転中心突起(突起)
25h 回転石磁石(磁石)
30 施錠機構
31 施錠箱
32 回転止め突起
33 回転止め突起係合凹部
34 立設ピン
35 南京錠
35a 掛け金
Wa 車輪部
Wb ボルト
Wc ナット

Claims (9)

  1. 上側に開口部を有する納骨室形成石と、上記開口部を覆う蓋石とを備えた墓石において、
    上記蓋石は、上記納骨室形成石の開口部を覆い、かつ第1開口を有する第1蓋石と、上記第1蓋石に対して回転可能に重ねて設けられ、かつ第2開口を有する第2蓋石とを含み、
    上記第2蓋石は、上記第1蓋石の第1開口を通して納骨室形成石の開口部を外部に露出させる開口部露出位置と、第1蓋石の第1開口と第2蓋石の第2開口とが重ならないようにして上記開口部を外部に対して非露出状態にする開口部非露出位置とを回転により切り替え可能となっていることを特徴とする墓石。
  2. 前記第2蓋石の下面又は上面における回転中心位置には回転軸となる突起又は該突起に遊嵌する遊嵌凹部のいずれか一方が設けられていると共に、上記第1蓋石の上面又は下面には、上記突起又は遊嵌凹部に対応する遊嵌凹部又は突起が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の墓石。
  3. 前記第2蓋石は、前記第1蓋石の上側に重ねて設けられていると共に、
    前記第2蓋石の下面には、前記第1蓋石の上面を走行する車輪が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の墓石。
  4. 前記第1蓋石は、前記第2蓋石を挟んで該第2蓋石の下側に設けられた第1下側蓋石と該第2蓋石の上側に設けられた第1上側蓋石とからなっていることを特徴とする請求項1又は2記載の墓石。
  5. 前記第2蓋石の上面は、円錐台形状に盛り上がっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の墓石。
  6. 前記第2蓋石の下面には前記第2開口の縁に沿って水切り溝が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の墓石。
  7. 前記第2蓋石には、該第2蓋石の回転を容易にさせる掴み部が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の墓石。
  8. 前記第2蓋石を、前記開口部非露出位置及び開口部露出位置にて磁力により位置決め固定する磁石が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の墓石。
  9. 前記第2蓋石における開口部非露出位置を保持して施錠する施錠機構が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の墓石。
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