JP3209871B2 - 距離測定装置 - Google Patents

距離測定装置

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JP3209871B2
JP3209871B2 JP00917495A JP917495A JP3209871B2 JP 3209871 B2 JP3209871 B2 JP 3209871B2 JP 00917495 A JP00917495 A JP 00917495A JP 917495 A JP917495 A JP 917495A JP 3209871 B2 JP3209871 B2 JP 3209871B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、検知物体にレーザパル
ス光を照射し、反射して戻ってくるまでの時間差を検出
することにより検知物体までの距離を測定する距離検出
装置に関し、例えば車間距離を測定する場合に好適な距
離検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の距離検出装置としては、
レーザ・レーダ方式とミリ波レーザ方式が知られてい
る。なお、ミリ波レーザ方式としては例えば「センサ技
術、1993年10月号(Vol.13, No.11 )」に開示されてい
る。
【0003】図12は従来のレーザ・レーダ方式の距離
検出装置を示している。この装置は例えば120m先で3.5
m幅の比較的広い領域全体に対してレーザパルス光を照
射するために照射用パルスレーザダイオード(LD)1
として20W、λ=860nmのものが用いられている。この
LD1はコントロールモジュールタイミング制御部2の
制御に基づいてパルスレーザドライバ3により10kHz、
パルス幅=20nsecでパルス駆動され、このパルス光が照
射用光学系4を介して検知物体の全体に照射される。
【0004】また、このパルス光は照射光モニタ用フォ
トダイオード(PD)5により受光され図13(a)に示
すような電気信号に変換される。この電気信号は背景光
を含んでいるためパルス光アンプ6によりこの背景光を
除去すると図13(b)に示すような信号パルス光のみ出
力される。この信号パルスは照射光用トリガ発生モジュ
ールにより図14に示すようにパルス光のレベルが閾値
を超えた時にハイレベルとなるトリガパルスに変換され
て時間/電圧変換モジュール8に印加される。
【0005】同様に、検知物体に照射されて反射された
光は、反射光用光学系9により集光された後に反射光モ
ニタ用PD(例えばアバランシェPD)10により電気
信号に変換される。この電気信号にも様々な光ノイズが
含まれているためパルス光アンプ11により図13(b)
に示すような電気信号成分のみが取り出され、さらに、
反射光用トリガ発生モジュール12により図14に示す
ようにパルス光のレベルが閾値を超えた時にハイレベル
となるトリガパルスに変換されて時間/電圧変換モジュ
ール8に印加される。
【0006】時間/電圧変換モジュール8は図15に示
すようにこの2つのパルス間の時間Tを電圧Vに変換
し、この電圧VがA/D変換器13によりディジタル値
に変換されてインタフェース14を介してコンピュータ
15に印加される。コンピュータ15はこの電圧Vを距
離に変換する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のレーザ・レーダ方式の距離測定装置では、例えば12
0m先で3.5m幅の比較的広い領域全体に対してレーザパ
ルス光を照射するので、LD1として高出力ものが必要
になり、非常に高価であるという問題点がある。
【0008】本発明の目的は、検出範囲内を正確に検出
でき、かつ対向車線や隣接車線の障害物を検出する等の
誤検出が少なくなるとともに、検知領域内での消費電流
を低く抑えることができる距離測定装置を提供すること
にある。
【0009】
【0010】
【0011】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的は、レー
ザダイオードのスポット光をパルス駆動することにより
パルス光を生成する駆動手段と、前記駆動手段により生
成されたパルス光が検知物体を主走査方向に走査するよ
うに前記パルス光を偏向する偏向手段と、前記パルス光
が前記偏向手段により偏向されて検知物体により反射さ
れたパルス光を受光する受光手段と、前記レーザダイオ
ードによりパルス光が出射された時から前記受光手段に
よりパルス光が受光された時までの時間差に基づいて検
知物体までの距離を検出する検出手段とを備え、前記偏
向手段は、回転駆動体により駆動されるポリゴンミラー
又は放射状パターンをもつホログラム素子であり、前記
偏向手段は、回転駆動体の回転角を検出する角度検出手
段を備え、前記偏向手段により偏向された前記パルス光
の偏向角度が大きくなるにしたがって前記パルス光の強
度を次第に小さくなるようにした第1の手段により達成
される。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【作用】前記第1の手段にあっては、走行車線では遠方
から近方の端まで検出範囲内を正確に検出でき、かつ対
向車線や隣接車線の障害物を検出する等の誤検出が少な
くなるとともに、検知領域内での消費電流を低く抑える
ことができる。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明に係る距離測定装置の一実施例を示
す構成図、図2は図1の光学系による走査方法を示す説
明図、図3は図1のレーザダイオードのパルス光のデュ
ーティ比を示す説明図、図4はサンプリング周期を示す
説明図、図5はパルス発光時から戻り光受光時までの時
間差を示す説明図、図6は図1のLED表示部を示す説
明図、図7は2次元で走査する実施例を示す説明図、図
8は図1のA矢視図、図9は放射状パターンのホログラ
ムを示す説明図、図10(a),(b)は発光角と検出可能領
域との関係を示す説明図、図11はパルス光の光強度を
偏向手段の回転角により変化させた例を示す説明図であ
る。
【0022】図1及び図2に示す距離測定装置20で
は、CPU21によりデューティ制御・10kHz変調回路
22を制御し周期が100μS(=1/10kHz)、デュー
ティ比が1/1000以下のパルス信号が生成される。そし
て、このパルス信号はパワーが自動パワー制御回路(A
PC)23により制御された後にLD24に印加されて
LD24がパルス駆動される。
【0023】LD24から出射されたパルス光は、発散
光のため集光レンズ25により平行光に近い光束に絞ら
れ、次いで例えば4面のポリゴンミラー26(ミラー2
6a)により反射され、開口28を介して検知物体に照
射される。ポリゴンミラー26はモータ27により所定
速度で回転しているので、LD24から出射されたパル
ス光が等角速度で偏向される。なお、LD24の出射光
の発散角が狭い場合には集光レンズ25を省略してもよ
い。
【0024】パルス光発光時にAPC23からパルスカ
ウンタ29に対してスタート信号が出力され、パルスカ
ウンタ29はスタート信号が入力すると、30MHz発振
器30の出力パルス数のカウントを開始する。また、検
知物体から反射されたパルス光がフィルタ31、集光レ
ンズ32を介してPD32により受光されて光電変換さ
れ、この電気信号の電流IがI−Vアンプ34により電
圧Vに変換される。ここでは同時にノイズを除去し、所
定の信号成分を取り出すこともしている。
【0025】この電圧Vは自動利得制御回路(AGC)
により利得が制御され、波形整形回路36によりパルス
信号に整形され、ストップ信号としてパルスカウンタ2
9に印加される。パルスカウンタ29はストップ信号が
入力するとカウントを終了し、CPU21はこのカウン
ト値から検知物体までの距離を算出してその距離をLE
D表示部37に表示する。この場合、パルス光が主走査
方向に走査されるので、距離が短い場合にはCPU21
が広い角度における検出信号を取り込み、距離が長い場
合にはCPU21が狭い角度における検出信号を取り込
むことにより距離に最適な検出信号を取り込むことがで
きる。
【0026】次に、LD24の発光パワーについて説明
する。従来例のようにLDの発光パワーが20W、120m
先で3.5m幅の比較的広い領域を検出する方式では単位
面積当たりの発光パワーは、 20W×1/3502=0.16mW/cm2 である。
【0027】実施例のLD24として最大定格5mW〜
50mW出力のものを用いている。120m先での照射面積
を100cm2と仮定すると、 0.16×100=16mW となり、充分実現可能な値となる。
【0028】用途に応じて、検出距離が異なるため、検
出感度に応じてLDを選定すれば良い。
【0029】またさらに、受光レンズを用いて受光面積
を拡大し、検出感度を上げることもできる。たとえば、
受光レンズとしてフレネルレンズを用い、距離測定装置
の前面パネルの位置に置くことで、前面パネルにあたる
光の大部分を集めることができる。この場合、受光面積
は10〜20倍程度大きくでき、その分、検出感度を上げた
り、低出力のレーザダイオードを使用することができ
る。さらに、発光パルスのデューティを1/1000程度の
狭いパルスを用いると、定格の3倍程度まで安定に発光
できることを本出願人は実証済みである。
【0030】次に、モータ27の回転数とLD24の変
調周波数について説明する。先ず、ポリゴンミラー26
の1面のみを使用すると仮定してモータ27の回転数に
ついて説明する。一般的の安価なブラシレスモータの回
転数は200〜600rpmである。
【0031】200rpm=3.33rps=1200°/s 600rpm=10.0rps=3600°/s ここで、図2に示すように20m先の道路幅4mの範囲に
ある障害物を検出するためには tan~1(±2/20)≒±6° のスキャンを必要とする。12°回転するのに要する時間
は、 200rpmの場合:12/1200=10ms 600rpmの場合:12/3600=3.3ms ここで、自動車の移動距離と検出回数について考慮する
と、例えば40km/hで走行している場合には、 40km/h=11.1m/s であり、また、モータの回転数が200〜600rpmの場合に
モータは1秒間に3.3〜10回転するので、自動車が1秒
間に11.1mを走行する間に3.33〜10回スキャンすること
になる。
【0032】200rpmの場合:11.1/3.33=3.3m/回 600rpmの場合:11.1/10 =1.1m/回 したがって、自動車が40km/hで走行している場合に
は、モータが600rpmであれば1.1m毎に水平方向に1回
スキャンしてデータをサンプリングすることができ、ま
た、これは1秒間に10回データをサンプリングすること
を意味する。
【0033】次に、LD24を10kHzで変調することに
ついて説明する。図3に示すように1周期が100μsであ
り、また、モータが600rpmの場合に12°をスキャンする
のに要する時間は3.3msであるので、図4に示すように1
2°をスキャンする間にLD24は33回点滅してサンプ
リングを行うことになる。
【0034】3.3ms/100μs=33 言い換えると、20m先の4m幅の障害物を検出するの
に、4m/33回=12cm毎にサンプリングを行う。これは
照射面の直径を10〜15cmとすると、ほぼ全域にわたって
検出することができる。
【0035】次に、距離を測定する場合について説明す
る。図5に示すように発光パルスと戻り光の時間差tに
おいてパルスカウンタ29が30MHzをカウントするの
で、 1/30×106=33ns 3×108/30×106=10m(往復距離) =5m(片道距離) により1パルス当たり5mの距離となる。
【0036】LED表示部37は図6に示すように6個
の表示器により測定距離を5m単位で表示を行う。ま
た、測定距離が5m以下の場合には警告ブザーを慣らす
ようにしてもよい。なお、測定距離を表示する場合に
は、主走査方向に1ないし複数回走査した時の単純平均
値や、最大値と最小値を除いた平均値などを用いること
ができる。
【0037】したがって、上記実施例によれば、LD2
4が出射するパルス光を水平方向に走査することにより
距離を測定するので、低出力のLD24を用いて検知物
体までの距離を測定することができ、また、測定角度が
広い場合(検知物体が近い場合)にも低出力のLD24
を用いて測定することができる。更に、LD24が小さ
いデューティ比(約1/100以下)でパルス駆動される
ので、低出力のLD24をを定格以上の電流で駆動して
大きな発光パワーを得るようにしてもLD24が損傷す
ることを防止することができる。
【0038】ここで、上記実施例では、パルス光を水平
方向にのみ走査する場合について説明したが、図7に示
すように水平方向と垂直方向の両方を走査するようにし
てもよい。この例では、ポリゴンミラー26の反射面を
4面とし、各反射面毎に所定角度単位で傾けてポリゴン
ミラー26の1回転で水平方向に4回スキャンする。こ
の場合、垂直方向に例えば0°、0.286°、0.572°、0.
858°傾けると、20m前方を4m×0.4mの面の領域を検
出することができる。このため、検出範囲が広がり確実
に検知物体までの距離を測定することができる。
【0039】また、角度検出は、図1及び図8に示すよ
うに、例えばポリゴンミラー26の上部(あるいは下
部)に磁石40を設置し、対向する位置にホール素子4
1を設ければ良い。なお、42はポリゴンミラー駆動用
モータである。
【0040】図10(a) に示すように、発光角が狭いと
検出できない領域が広く、一方、図10(b) に示すよう
に、発光角が広いと隣接の車線まで検出領域が広がって
誤検出が多くなる。しかし、前記実施例では、図11に
示すように、発光角(偏向角度に相当する)αのうち、
例えば、中心から角度α1,角度α2,角度α3,角度
α4,角度α5とすると、角度α1での発光パワー>角
度α2での発光パワー>角度α3での発光パワー>角度
α4での発光パワー>角度α5での発光パワーの関係に
なるように、角度によって発光パワーを設定する。な
お、発光パワーは角度によって階段状に設定しても、或
いは曲線,直線状に設定しても良い。このように前記実
施例では、角度によって発光パワーを設定できるため、
角度α1の範囲では発光パワーが高く遠くまで検出で
き、また、角度α2から角度α5へ次第に発光パワーが
小さくなり検出距離が次第に短くなるので、走行車線で
は遠方から近方の端まで検出でき、かつ対向車線や隣接
車線の障害物を検出する等の誤検出が少なくなる。
【0041】また、検出物体を検出した時のポリゴンミ
ラー26の位置を検出することにより、検知物体までの
距離だけでなく、検出物体の方向も検出することができ
る。
【0042】なお、水平方向の走査はポリゴンミラー2
6に限定されず、図9に示す放射状パターンの領域をも
つホログラム素子43など、他の手段を用いてもよいこ
とは勿論である。なお、図9には省略してあるが、ホロ
グラム素子43には、図示した放射状パターンが繰り返
して形成されている。
【0043】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、偏向手段
により偏向されたパルス光の偏向角度が大きくなるにし
たがって前記パルス光の強度を次第に小さくなるように
したため、走行車線では遠方から近方の端まで検出範囲
内を正確に検出でき、かつ対向車線や隣接車線の障害物
を検出する等の誤検出が少なくなるとともに、検知領域
内での消費電流を低く抑えることができる。
【0044】
【0045】
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る距離測定装置の一実施例を示す構
成図である。
【図2】図1の光学系による走査方法を示す説明図であ
る。
【図3】図1のレーザダイオードのパルス光のデューテ
ィ比を示す説明図である。
【図4】サンプリング周期を示す説明図である。
【図5】パルス発光時から戻り光受光時までの時間差を
示す説明図である。
【図6】図1のLED表示部を示す説明図である。
【図7】2次元で走査する実施例を示す説明図である。
【図8】図1のA矢視図である。
【図9】放射状パターンのホログラムを示す説明図であ
る。
【図10】(a),(b)は発光角と検出可能領域との関係を
示す説明図である。
【図11】パルス光の光強度を偏向手段の回転角により
変化させた例を示す説明図である。
【図12】従来のレーザ・レーダ方式の距離測定装置を
示す構成図である。
【図13】図12において照射光をモニタした主要波形
を示す説明図である。
【図14】図12において経時開始のトリガパルスを示
す説明図である。
【図15】図12において経時時間を電圧に変換する処
理を示す説明図である。
【符号の説明】
20 距離測定装置 21 CPU 22 デューティ制御・10kHz変調回路 24 レーザダイオード(LD) 26 ポリゴンミラー 27 モータ 29 パルスカウンタ 30 30MHz発振器 33 フォトダイオード(PD) 37 LED表示部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−102343(JP,A) 特開 平5−301550(JP,A) 特開 平5−205198(JP,A) 特開 昭59−50379(JP,A) 実開 平6−83511(JP,U) 実開 平5−4079(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/48 - 7/51 G01S 17/00 - 17/95

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザダイオードのスポット光をパルス
    駆動することによりパルス光を生成する駆動手段と、 前記駆動手段により生成されたパルス光が検知物体を主
    走査方向に走査するように前記パルス光を偏向する偏向
    手段と、 前記パルス光が前記偏向手段により偏向されて検知物体
    により反射されたパルス光を受光する受光手段と、 前記レーザダイオードによりパルス光が出射された時か
    ら前記受光手段によりパルス光が受光された時までの時
    間差に基づいて検知物体までの距離を検出する検出手段
    とを備え 前記偏向手段は、回転駆動体により駆動されるポリゴン
    ミラー又は放射状パターンをもつホログラム素子であ
    り、 前記偏向手段は、回転駆動体の回転角を検出する角度検
    出手段を備え、 前記偏向手段により偏向された前記パルス光の偏向角度
    が大きくなるにしたがって前記パルス光の強度を次第に
    小さくなるようにした ことを特徴とする距離測定装置。
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