JP3209832B2 - 金属まくらぎへのレール締結方法 - Google Patents

金属まくらぎへのレール締結方法

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JP3209832B2
JP3209832B2 JP16760393A JP16760393A JP3209832B2 JP 3209832 B2 JP3209832 B2 JP 3209832B2 JP 16760393 A JP16760393 A JP 16760393A JP 16760393 A JP16760393 A JP 16760393A JP 3209832 B2 JP3209832 B2 JP 3209832B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属まくらぎへのレール
締結方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道線路は、路盤上に砂利、採石
などによって道床を形成し、道床上にまくらぎを並べ、
その上に一対のレールを敷設している。そして近年は、
木製まくらぎが腐朽、割裂などの問題があるために、こ
の木製まくらぎに代えて、金属まくらぎが提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、金属まくらぎ
においては、レールとまくらぎとを絶縁する必要があ
り、雨水などが絶縁部に浸入した場合などであっても確
実な絶縁性を維持しなければならないという問題点があ
る。
【0004】そこで本発明はこのような問題点を解決
し、レールとまくらぎとの間の確実な絶縁構造を良好な
施工性のもとで確保できるようにすることを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、金属まくらぎ上に絶縁材製の軌道パッドを敷
設してその上にレールを敷設し、軌道パッドにおけるレ
ールからのはみ出し部分の上面に軟質樹脂状材料を塗布
し、絶縁材製の当て部材を介して締結部材によりレール
をまくらぎに固定するとともに、この当て部材の一部分
と軌道パッドとの間で前記軟質樹脂状材料を圧着するも
のである。
【0006】
【作用】このようにすると、軌道パッドによってレール
とまくらぎの底面との間の絶縁が確保され、また当て部
材によって締結部材とレールとの間の絶縁が確保され
る。さらに、軌道パッドと当て部材との間が軟質樹脂状
材料にてシールされるため、この部分に雨水などが浸入
してレールとまくらぎとが導通するような事態の発生が
防止されるが、軌道パッドの表面に軟質樹脂状材料を塗
布したうえで、当て部材を介してレールをまくらぎに固
定するだけで、同時に軟質樹脂状材料が圧着されて所期
のシール性能が発揮される。
【0007】
【実施例】図1および図2において、1はまくらぎで、
バラスや砕石などで形成された道床上に配置される。こ
のまくらぎ1は中空の金属鋳物製で、レール収容部4
と、このレール収容部4の両側において上向きに突出し
て設けられたショルダ部5とを有している。ショルダ部
5には、敷設すべきレール2の長さ方向の孔部6が形成
されている。
【0008】レール2の敷設に際しては、まず、まくら
ぎ1のレール収容部4に、ゴムやEVA材などで形成さ
れた絶縁性の軌道パッド3を敷き、その上にレール2を
のせる。軌道パッド3はレール2のフランジ9よりも幅
広く形成されており、その両端にはみ出し部分7が生じ
る。そこで、このはみ出し部分7に、軟質樹脂状材料8
を盛り付けるように塗布する。この軟質樹脂状材料8
は、シリコーン樹脂などの、耐久性と電気絶縁性とにす
ぐれ、また軟質でしかも弾力性を有した一液性の材料か
らなる。軟質樹脂状材料8がたとえばチューブ入りの状
態であるなら、このチューブから絞り出すことで、直接
にはみ出し部分7に塗布することができる。
【0009】次に図3に示すようにレール2のフランジ
9に当て部材10を当てがう。この当て部材10は、硬質の
ナイロン樹脂などの断面L字状に形成された絶縁材にて
構成されている。最後に孔部6にパンドロールクリップ
11を装着し、このパンドロールクリップ11により当て部
材10を介してレール2のフランジ9をまくらぎ1に押圧
することで、レール2がまくらぎ1に締結される。
【0010】このとき、図示のように同時に当て部材10
の底部と軌道パッド3のはみ出し部分7との間で軟質樹
脂状材料8が圧着され、この軟質樹脂状材料8がシール
材として機能することになる。
【0011】このようにすれば、レール2とまくらぎ1
との間に絶縁性の軌道パッド3が介装されているため、
この部分での両者間の絶縁状態が確保される。また当て
部材10が絶縁材で構成されていることから、この当て部
材10によってパンドロールクリップ11とレール2との間
が絶縁され、この部分においてもレール2とまくらぎ1
との間の絶縁状態が確保される。当て部材10と軌道パッ
ド3との間は、圧着状態の軟質樹脂状材料8によってシ
ールされるため、この部分への水の浸入が防止されて、
両者間の絶縁性が確保される。
【0012】したがって、レール2とまくらぎ1との間
は完全に絶縁され、所要の絶縁性能が発揮される。その
際に、軟質樹脂状材料8を塗布したうえで当て部材10を
介してパンドロールクリップ11によりレール2をまくら
ぎ1に固定するだけで、同時にシール効果により絶縁性
が確保されるため、容易な施工が可能となる。
【0013】具体例を説明する。まず、まくらぎ1とし
てダクタイル鋳鉄材を用い、軌道パッド3としてEVA
材を使用し、当て部材10としてナイロン材を用いた。こ
のとき、軌道パッド3のはみ出し部分7に、チューブ入
りのシリコーンシーラントを軟質樹脂状材料8として直
接盛り付けた。そして、当て部材10とパンドロールクリ
ップ11とによってレール2の締結を行った。
【0014】その後、締結部に時間当たり50mmの大量の
シャワーをかけ、レール2と金属製まくらぎ1との間の
電気抵抗を測定した。その結果は以下の通りで、軟質樹
脂状材料8有りのものと無しのものとでは大差が生じ
た。 レール/まくらぎ間の電気抵抗 樹脂状材料有り 無し 初期値(シャワー前・乾燥状態) 103 〜104 MΩ 103 〜104 MΩ 50mm/時で6分間撒水中 0.12MΩ 0.02MΩ 撒水後5分経過時 0.45MΩ 0.02MΩ その後エアーで表面水を飛散後 103 MΩ 30MΩ
【0015】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、軌道
パッドにおけるレールからのはみ出し部分の上面に軟質
樹脂状材料を塗布し、絶縁材製の当て部材を介して締結
部材によりレールをまくらぎに固定するとともに、この
当て部材の一部分と軌道パッドとの間で前記軟質樹脂状
材料を圧着するため、軌道パッドと当て部材との間が軟
質樹脂状材料にてシールされ、この部分への雨水などの
浸入にもとづく絶縁性の低下を防止でき、しかも軌道パ
ッドの表面に軟質樹脂状材料を塗布したうえで、当て部
材を介してレールをまくらぎに固定するだけで、同時に
軟質樹脂状材料の圧着を行うことができるため、容易に
施工作業することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の一実施例を説明するための断面
図である。
【図2】図1に示された部分の平面図である。
【図3】本発明にもとづくまくらぎの締結完了状態を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 まくらぎ 2 レール 3 軌道パッド 7 はみ出し部分 8 軟質樹脂状材料 10 当て部材 11 パンドロールクリップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01B 9/22 - 9/24 E01B 9/32 - 9/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属まくらぎ上に絶縁材製の軌道パッド
    を敷設してその上にレールを敷設し、軌道パッドにおけ
    るレールからのはみ出し部分の上面に軟質樹脂状材料を
    塗布し、絶縁材製の当て部材を介して締結部材によりレ
    ールをまくらぎに固定するとともに、この当て部材の一
    部分と軌道パッドとの間で前記軟質樹脂状材料を圧着す
    ることを特徴とする金属まくらぎへのレール締結方法。
JP16760393A 1993-07-07 1993-07-07 金属まくらぎへのレール締結方法 Expired - Fee Related JP3209832B2 (ja)

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