JP3209593B2 - 竪型軸流羽根車式水道メータ - Google Patents

竪型軸流羽根車式水道メータ

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JP3209593B2
JP3209593B2 JP32700192A JP32700192A JP3209593B2 JP 3209593 B2 JP3209593 B2 JP 3209593B2 JP 32700192 A JP32700192 A JP 32700192A JP 32700192 A JP32700192 A JP 32700192A JP 3209593 B2 JP3209593 B2 JP 3209593B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、水道管の途中に据え
付けられ、流体の流体圧を受けて回転する羽根車を有す
る竪型軸流羽根車式水道メータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の竪型軸流羽根車式水道メータは、
図4に示すように構成されている。すなわち、ケース1
の一端に流入口2、他端に流出口3が設けられている。
そして、ケース1の内部に流通路4が形成され、この流
通路4には流体の流体圧を受けて回転する羽根車5が竪
方向に設けられている。
【0003】前記羽根車5は、羽根車軸6を有するボス
7と、このボス7に対して等間隔に放射状に配設された
複数枚の羽根8とからなり、この羽根8はその面で流体
圧を受けるように流体の流通方向(竪方向)に対して傾
斜している。
【0004】前記羽根車5は、その羽根8の外周が円筒
状のケーシング9によって囲繞され、このケーシング9
の下端部にはフランジ9aが設けられている。ケーシン
グ9の下部には整流器10が設けられ、この整流器10
の上端部にはフランジ10aが設けられ、下端部には掛
合段部10bが設けられている。
【0005】そして、ケーシング9と整流器10とはフ
ランジ9a,10aで接合されているとともに、フラン
ジ9a,10aを貫通するボルト11,ナット12によ
って結合されている。整流器10の掛合段部10bはケ
ース1の仕切り壁13に設けられた貫通孔14の開口縁
にシール部材15を介して掛合されている。
【0006】整流器10の整流器ボス16にはピボット
軸17がナット18によって固定され、このピボット軸
17に前記羽根車5が回転自在に支持されている。羽根
車5の羽根車軸6の上端部にはギャ部19が形成され、
このギャ部19はケース1の上部に設けられた減速機構
20を介して指示機構21に連動している。
【0007】また、前記整流器10の周壁の一部には流
体の流通方向に対して直角方向に枢支軸22が設けら
れ、この枢支軸22の内側端部には矩形状の調整翼23
が固定され、外側端部には調整操作部24が設けられて
いる。そして、調整操作部24を操作して枢支軸22を
回すことにより、調整翼23を回動でき、羽根車5に向
かう流体の流通方向を可変することにより、器差調整を
可能としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、水道メータ
においては、微小流量域から大流量域まで器差が±0に
近い、つまり器差性能の平坦性と感度の良いことが要求
されている。そこで、前記要求を満足するために、器差
性能を監視しながら羽根車5の羽根8を囲繞するケーシ
ング9の内径を設定するとともに、整流器10に組込ま
れた調整翼23の角度を調整し、器差性能の平坦性と感
度を両立させている。
【0009】図5は器差性能曲線図であり、前述した従
来の竪型軸流羽根車式水道メータは、曲線Aで示すよう
に、微小流量域から大流量域まで器差が±0に近い、つ
まり器差性能の平坦性と感度が両立し、理想的な器差曲
線になっている。
【0010】しかし、前記指示機構21に指示された積
算値を遠隔地の受信部に伝送するために、従来の竪型軸
流羽根車式水道メータの指示機構21に発信部を搭載し
て発電式の隔測メータとする場合、発信部には減速歯車
群、間欠早送り機構および発電機が内蔵されているた
め、抵抗が大きく、曲線Bに示すように、感度が極度に
落ちて微小流量域の計測能力が低下する。
【0011】そこで、指示機構21に発信部を搭載して
発電式の隔測メータとする場合、羽根車5のトルクを大
きくする必要があるが、ケーシング9は同一径で固定的
であり、従来は羽根車5を交換して対応するため複数種
類の羽根車5を用意する必要があり、その対応が面倒で
あるとともに、コストアップの原因となっていた。
【0012】また、整流器10に組込まれた従来の調整
翼23は、調整操作部24を工具等で操作して枢支軸2
2を回すことにより調整しているが、調整が困難であ
り、また構造的に複雑で、部品点数が多く、組立てが面
倒であり、ここでもコストアップの原因となっていた。
【0013】この発明は、前記事情に着目してなされた
もので、その目的とするところは、指示機構に発信部を
搭載して発電式の隔測メータとする場合においても、高
価な羽根車を交換することなく、羽根車に大きなトルク
を発生させることができ、器差特性の変化を容易に行う
ことができ、また、整流器に組込まれた調整翼の調整が
容易で、また構造的に簡単で組立て作業の容易化を図る
ことができる竪型軸流羽根車式水道メータを提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は、前述した目
的を達成するために、請求項1は、ケースの内部の流通
路に流体の流体圧を受けて回転する羽根車を竪方向に設
けた竪型軸流羽根車式水道メータにおいて、羽根車の外
周に計量リングを設けるとともに、羽根車の上流側に整
流器を設け、前記計量リングの内周面の上流側を大径、
下流側を小径に形成し、その境界部に段差からなる流体
方向変換部を設けるとともに、この計量リングをケース
に対して着脱可能に設けたことにある。請求項2は、計
量リングを、その軸心を中心として回転自在とし、整流
器に前記計量リングの回転に連動して回動する調整翼を
設けたことにある。
【0015】
【作用】請求項1は、整流器から計量リングに向って流
通する流体は、計量リングの内周面に形成された流体方
向変換部に当って羽根車に方向変換し、流体圧によって
羽根車に回転力を作用させるため、流体方向変換部が上
流側に位置すると、羽根車に大きいトルクが発生して感
度が良好となり、逆に段差部が下流側に位置すると、羽
根車に小さいトルクが発生して感度が低下する。したが
って、流体方向変換部の位置が異なる複数種類の計量リ
ングを用意して交換することにより、羽根車を交換する
ことなく器差特性を変化させることができる。
【0016】請求項2は、計量リングを回転すると、整
流器に組込まれた調整翼が計量リングと連動して回動
し、羽根車に向かう流体の流通方向を可変することによ
り、器差調整が可能なる。
【0017】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
説明するが、従来と同一構成部分は同一番号を付して説
明を省略する。
【0018】図1および図2は竪型軸流羽根車式水道メ
ータを示す。羽根車5の羽根8の外周には円筒状のケー
シング25が設けられている。ケーシング25の内周面
は、流通路4を流通する流体の上流側(下部)が大径部
25aに、下流側(上部)が小径部25bに形成されて
おり、その境界部には段差部26が設けられている。さ
らに、ケーシング25の大径部25aの端部には嵌合段
部27が設けられている。
【0019】ケーシング25の下部には整流器28が設
けられている。整流器28の上流側(下部)には掛合段
部28aが設けられ、ケース1の仕切り壁13に設けら
れた貫通孔14の開口縁にシール部材15を介して掛合
されている。
【0020】整流器28の下流側(上部)には前記ケー
シング25の嵌合段部27に嵌合する嵌合突部29が形
成され、この嵌合突部29に対応する内側には嵌合凹部
30が設けられている。そして、この嵌合凹部30の内
径は、前記ケーシング25の大径部25aの内径と同一
径に形成されている。
【0021】ケーシング25の内側には円筒状の計量リ
ング31がその軸心を中心として回転自在に、かつ着脱
自在に嵌合されている。計量リング31は、流通路4を
流通する流体の上流側(下部)が大径部31aに、下流
側(上部)が小径部31bに形成されており、その境界
部における計量リング31の内周面には流体方向変換部
としての段差部32が設けられている。
【0022】さらに、図3に示すように、計量リング3
1の大径部31aにはその側壁を貫通する複数のねじ孔
33が穿設され、このねじ孔33に対応するケーシング
25の大径部25aにはその側壁を貫通する長孔34が
横方向に穿設されている。
【0023】長孔34にはケーシング25の外部から締
付けねじ35が挿入され、計量リング31のねじ孔33
に螺合されている。そして、締付けねじ35を緩めるこ
とにより、計量リング31がケーシング25の内部で回
転自在となり、締付けねじ35を長孔34の範囲で横方
向に移動することにより、計量リング31を回転するこ
とができるようになっている。
【0024】また、計量リング31の大径部31aの側
壁にはスリット36が設けられており、このスリット3
6には前記整流器28に設けられた調整翼41が係合し
ている。すなわち、整流器28のリブ38には矩形状の
切欠部39が設けられ、この切欠部39に対向する整流
器28の周壁の一部には流体の流通方向に対して直角方
向に枢支軸40が設けられている。
【0025】この枢支軸40には切欠部39の内部で回
動自在な矩形状の調整翼41の下端部が枢支され、この
上端側の一側に設けられた突片42は前記計量リング3
1のスリット36に係合している。したがって、計量リ
ング31の回転に伴ってスリット36と枢支軸40との
相対位置がずれ、調整翼41が枢支軸40を中心として
回動するようになっている。
【0026】このように構成された縦型軸流羽根車式水
道メータによれば、流入口2から流入した流体が流通路
4に入り、整流器28によって整流された後、その流体
は計量リング31の内部を流通する。そして、羽根車5
の羽根8が流体の流体圧を受けると、羽根車5は羽根車
軸6を軸心として回転する。羽根車軸6の回転は減速機
構20を介して指示機構21に伝達され、流通路4を流
通する流体の流量が積算指示される。
【0027】この場合、前記羽根車5の羽根8を囲繞す
る計量リング31の内周面には段差部32が設けられて
いるため、整流器28から計量リング31に向って流通
する流体は、段差部32に当って羽根車5の羽根8のほ
ぼ中間部(a点)に向って方向変換する。したがって、
羽根車5に適当なトルクが発生し、図5の器差性能曲線
図の曲線Aで示すように、微小流量域で感度が良好とな
る。
【0028】図2の実線の場合、段差部32によって羽
根車5の羽根8のほぼ中間部(a点)に向って方向変換
するようにしているが、図2に破線で示すように、段差
部32bが上流側に偏って形成された計量リング31と
交換すると、整流器28から計量リング31に向って流
通する流体は、段差部32bに当って羽根車5の羽根8
の上流側(b点)に向って方向変換する。したがって、
羽根車5にさらに大きなトルクが発生し、微小流量域で
感度が良好となり、図5の器差性能曲線図の曲線Cで示
すようにピークを大きくすることができる。
【0029】このように、段差部32の異なる複数種類
の計量リング31を用意することにより、羽根車5に大
きなトルクを発生させたり、比較的小さなトルクを発生
させることができ、計量リング31の交換のみでメータ
特性を変化できる。
【0030】このため、指示機構21に発信部を搭載し
て発電式の隔測メータとする場合、羽根車5のトルクを
大きくする必要があるが、羽根車5を交換することな
く、用意された段差部32の異なる複数種類の計量リン
グ31から選択して計量リング31をケーシング25の
内部に嵌合することにより、羽根車5に大きなトルクを
発生させることができ、結果的に指示機構21に発信部
を搭載して発電式の隔測メータとしても、図5の器差性
能曲線図の曲線Dに示すように、曲線Aに近い器差特性
の発電式の隔測メータを得ることができる。
【0031】また、計量リング31を組み込んだ後、計
量リング31をその軸心を中心として左右方向に回転す
ること、計量リング31の回転に伴ってスリット36と
枢支軸40との相対位置がずれ、調整翼41が枢支軸4
0を中心として回動するため整流器28から羽根車5の
向う流体の流通方向を可変して器差調整ができる。
【0032】また、器差調整後は締付けねじ35を締付
けることにより、計量リング31はケーシング25に固
定的となり、流体圧を受けても計量リング31が移動す
ることはない。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、請求項1は、羽根車の外周に設けた計量リングの内
周面の上流側を大径、下流側を小径に形成し、その境界
部に段差からなる流体方向変換部を設けるとともに、こ
の計量リングをケースに対して着脱可能に設けたことを
特徴とする。したがって、計量リングを交換するだけ
で、羽根車に大きなトルクを発生させたり、ピーク値の
少ない器差特性にすることができ、指示機構に発信部を
搭載して発電式の隔測メータとする場合においても、羽
根車を交換することなく、容易に理想的な器差特性に変
化できるという効果がある。
【0034】請求項2は、計量リングを、その軸心を中
心として回転自在とし、整流器に計量リングの回転に連
動して回動する調整翼を設けたことを特徴とする。した
がって、整流器に組込まれた調整翼の調整が容易であ
り、また構造的に簡単で組立て作業の容易化を図ること
ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の竪型軸流羽根車式水道メ
ータの縦断側面図。
【図2】同実施例の要部を示す縦断側面図。
【図3】同実施例の計量リングの側面図。
【図4】従来の竪型軸流羽根車式水道メータの縦断側面
図。
【図5】器差性能曲線図。
【符号の説明】
1…ケース、2…流入口、3…流出口、4…流通路、5
…羽根車、8…羽根、28…整流器、31…計量リン
グ、32…段差部(流体方向変換部)、41…調整翼。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に流入口、他端に流出口を有したケ
    ースの内部に流通路を形成し、この流通路に流体の流体
    圧を受けて回転する羽根車を竪方向に設けた竪型軸流羽
    根車式水道メータにおいて、 前記羽根車の外周に計量リングを設けるとともに、羽根
    車の上流側に整流器を設け、前記計量リングの内周面の
    上流側を大径、下流側を小径に形成し、その境界部に段
    差によって流体方向変換部を設けるとともに、この計量
    リングをケースに対して着脱可能に設けたことを特徴と
    する竪型軸流羽根車式水道メータ。
  2. 【請求項2】 計量リングを、その軸心を中心として回
    転自在とし、整流器に前記計量リングの回転に連動して
    回動する調整翼を設けたことを特徴とする請求項1記載
    の竪型軸流羽根車式水道メータ。
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