JP3209305B2 - 記録再生装置 - Google Patents

記録再生装置

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JP3209305B2
JP3209305B2 JP31960493A JP31960493A JP3209305B2 JP 3209305 B2 JP3209305 B2 JP 3209305B2 JP 31960493 A JP31960493 A JP 31960493A JP 31960493 A JP31960493 A JP 31960493A JP 3209305 B2 JP3209305 B2 JP 3209305B2
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和夫 横山
修 楠本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査トンネル顕微鏡、
原子間力顕微鏡などの走査プローブ顕微鏡の技術を応用
した記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光学式の記録再生装置は、比較的高密度
の記録再生を行うことができ、かつ、非接触で記録又は
再生を行うことができるために耐久性及び信頼性にも優
れており、最近広く普及するようになってきた。
【0003】しかし、このような従来の光学式の記録再
生には、光を集光するスポットサイズを、光の波長の数
分の一以下にはできないという物理的限界があり、高密
度化には限界があった。
【0004】他方、試料に対して探針を原子オーダーあ
るいはナノメートル単位の距離でなぞる走査プローブ顕
微鏡技術は、上記の光スポットサイズをはるかに超えた
微細領域の観察技術であり、これは観察技術にとどまら
ず、原子、分子オーダーの分解能で試料表面を加工ある
いは操作する技術、さらには試料表面に情報を記録再生
する技術としての可能性が注目されている。
【0005】以下、本発明に関わりの深い走査プローブ
顕微鏡(SPM)の一つである原子間力顕微鏡(AF
M)の原理について簡単に述べる。一般に、物質表面間
には、ファンデルワールス力、クーロン力等の力が働
く。AFMは、微小なカンチレバーに設けた探針を試料
表面に接近させたときに働く局所的な力を、カンチレバ
ーの撓みとして検出し、この力を一定に保つように探針
と試料との間の距離を制御しながら試料表面に沿って走
査させ、この制御量を試料表面像として画像化するもの
である。
【0006】これらのSPMにおいては、試料表面の特
定の微小領域を高分解能で観察する技術としては完成さ
れているものの、これを記録再生技術に適用するために
は広い試料表面にわたって探針を高速かつ高精度で位置
決め制御する技術が必要である。
【0007】針を使った記録再生方式における針の位置
決め方法としては、純機械式の円盤式蓄音機のように円
盤の表面に針の案内溝を設け、円盤の回転に伴って針を
この案内溝に沿って機械的に辿らせるものがある。この
トレース方式は、V溝に記録された凹凸の記録信号を、
記録媒体と再生針に貼り合わせた電極との間の静電容量
の違いとして検出するビデオディスクの記録方式として
も採用されている。また、針を使った静電式のビデオデ
ィスクのトレース方式の1つに、ディスクに案内溝がな
く、信号用の記録信号とは別にパイロット信号を記録
し、これによってトラッキング制御をかけるものがあ
る。
【0008】AFMを使い、その探針で高密度の記録再
生を行う例として、バレット(R.C.Barret
t)等はウルトラマイクロスコピィー(Ultrami
croscopy)42−44(1992)262−2
67に、導体又は半導体の基板上の誘電体膜(具体的に
は、シリコン(silicon)基板上の窒化膜(ni
tride)及び酸化膜(oxide)からなるNOS
構造)を記録媒体としてAFMカンチレバーの導体探針
に電圧を印加することにより、その界面に電荷ドットを
記録する方法について述べている。さらに、この論文で
は、誘電体膜(窒化膜)の表面にグレーティングを設
け、探針によって電荷ドットの静電容量を検出すること
により情報の読み出しを行うと共に、AFMによって得
られる表面の凹凸情報をトラッキングに利用するアイデ
アについても述べられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】SPMを記録再生装置
に適用するに当たり、広い試料表面にわたって探針を高
速かつ高精度で位置決め制御するためには、上記従来例
で述べた方法では不十分である。
【0010】まず、従来例として述べた、記録媒体の表
面に設けた案内溝に沿って探針を単に機械的に辿らせる
方法は、SPMに適用することができない。なぜなら、
SPMの場合には探針と試料との間の距離を約10オン
グストロームの距離に保って制御するため、試料表面か
らは探針には力がほとんど作用せず、AFMの場合にも
探針にかかる力(斥力又は引力)を10-4〜10-8Nと
極めて微弱な範囲でその力(原子間力)を制御するた
め、探針を案内溝に沿って機械的に辿らせる求心力は実
質的には働かないからである。
【0011】また、従来例として述べたように、記録媒
体の表面にグレーティングを設け、AFMによって得ら
れるこの凹凸情報をトラッキングに利用するアイデアは
あるが、制御すべき方向を含めた誤差信号の具体的な獲
得方法については開示されていない。AFMの動作原理
から考えて、探針の1回の走査でこのような誤差信号を
得ることはできないと考えられ、実用的なトラッキング
法を提案しているものとは言えない。
【0012】このような制御すべき方向を含めた誤差信
号を得る1つの方法として、前述したように信号用の記
録信号とは別にパイロット信号を記録し、これによって
トラッキング制御をかけるようにしたものがあるが、こ
の方法は余分なパイロット信号を記録するために、この
分だけ記録密度及び記録再生速度が低下してしまうとい
う問題点がある。
【0013】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、走査プローブ顕微鏡技術のもつ高分解能を活かし
た情報の高密度記録が可能な記録再生装置を提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る記録再生装置の構成は、保持体に保持
された探針を位置決めし、探針を記録媒体の記録面に相
対的に近接又は接触させて、この記録媒体に情報を記録
又は再生する記録再生装置であって、前記保持体が、少
なくとも記録情報列の方向に略平行な軸の回りに捩じれ
可能な可撓弾性体によって構成され、前記探針の前記軸
の回りの捩じれを検出する検出手段と、前記探針を記録
情報列の方向と直交する方向に移動させる移動手段と、
捩じれ検出信号に基づき前記探針を記録情報列の方向と
直交する方向に移動させることにより探針のトラッキン
グ制御をかける制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】また、前記構成においては、保持体の一部
が、探針が記録面から受ける力によって撓む可撓弾性体
であり、前記保持体の撓み又は歪みを検出することによ
り前記探針と記録面との間に働く引力又は斥力を検出す
る検出手段と、前記探針を前記記録面に対して垂直方向
に移動させる移動手段と、力検出信号に基づき前記探針
を前記記録面に対して垂直方向に移動させることにより
探針の力制御をかける制御手段とを設けるのが好まし
い。この場合にはさらに、探針の捩じれを検出する検出
手段と、前記探針が記録面から受ける力を検出する検出
手段とを、前記探針の保持体に設けた光反射面に光線を
照射し、その反射光の強度を4分割光検出器で検出する
構成とし、これらの信号によって探針の捩じれと記録面
から受ける力とを演算するのが好ましい。
【0016】また、前記構成においては、探針の捩じれ
を検出する検出手段又は前記探針が記録面から受ける力
を検出する検出手段が、保持体に設けた半導体歪み抵抗
素子の抵抗変化を検出することによるものであるのが好
ましい。
【0017】また、前記構成においては、探針の捩じれ
を検出する検出手段又は前記探針が記録面から受ける力
を検出する検出手段が、保持体に設けた電極と、これに
対向して設けた電極との間の容量を検出することによる
ものであるのが好ましい。
【0018】また、前記構成においては、記録媒体の記
録面にトラッキング用の案内溝を設けるのが好ましい。
この場合には、トラッキング用の案内溝が、記録媒体の
記録面に設けた感光性有機薄膜の表面に可干渉光の2光
束干渉光を照射することによってグレーティング状の凹
凸を設けたものであるのが好ましく、さらには、グレー
ティング状の凹凸が同心円状に形成されているのが好ま
しい。
【0019】また、前記構成においては、探針が、酸化
亜鉛、炭化珪素又はセレン化亜鉛の針状結晶からなるの
が好ましい。また、前記構成においては、記録媒体が有
機薄膜であり、前記記録媒体に探針を通じて光照射等の
手段によって加熱することにより、前記記録媒体に凹凸
を生ぜしめるのが好ましい。また、前記構成において
は、記録媒体が導体又は半導体の薄膜であり、前記記録
媒体に探針を通じて光照射等の手段によって加熱又は電
圧印加することにより前記記録媒体に物理的性質の変化
を生ぜしめるのが好ましい。
【0020】
【作用】前記本発明の構成によれば、記録媒体の表面の
凹凸に応じて、探針が記録情報列の方向に略平行な軸の
回りに捩じれを発生する。この捩じれの方向は、記録媒
体の表面の凹凸の傾斜方向によって異なるから、例えば
記録媒体の表面に設けたV型案内溝の両側面の傾斜方向
に応じて互いに逆に捩じれることとなる。従って、この
捩じれを検出し、この検出信号に基づいて探針を記録情
報列と直交する方向に移動させることにより、探針のト
ラッキング制御をかけることができる。
【0021】また、前記構成において、保持体の一部
が、探針が記録面から受ける力によって撓む可撓弾性体
であり、前記保持体の撓み又は歪みを検出することによ
り前記探針と記録面との間に働く引力又は斥力を検出す
る検出手段と、前記探針を前記記録面に対して垂直方向
に移動させる移動手段と、力検出信号に基づき前記探針
を前記記録面に対して垂直方向に移動させることにより
探針の力制御をかける制御手段とを設けるという好まし
い構成によれば、光記録におけるフォーカシング制御に
相当するものとなり、例えば回転する記録ディスクの面
振れに探針を追随させることができる。そして、この場
合の探針の力制御は、通常、斥力領域で行われるため、
探針と記録媒体の表面とは接触することになるが、原子
間力顕微鏡で表面を傷付けることなく原子配列を観察す
ることができる事実からも分かるように、この接触によ
る探針及び記録媒体表面の損傷あるいは摩耗はたとえ発
生しても極軽微である。さらに、探針はバネ定数の小さ
い保持体に保持されるから、探針が万一表面の微小突起
に衝突したとしても、探針と記録媒体の表面の相互に過
大な力がかかることはない。また、この場合さらに、探
針の捩じれを検出する検出手段と、前記探針が記録面か
ら受ける力を検出する検出手段とを、前記探針の保持体
に設けた光反射面に光線を照射し、その反射光の強度を
4分割光検出器で検出する構成とし、これらの信号によ
って探針の捩じれと記録面から受ける力とを演算すると
いう好ましい構成によれば、探針のトラッキング制御と
力制御のための誤差信号を簡単な構成で同時に得ること
ができる。
【0022】また、前記構成において、探針の捩じれを
検出する検出手段又は前記探針が記録面から受ける力を
検出する検出手段が、保持体に設けた半導体歪み抵抗素
子の抵抗変化を検出することによるものであるという好
ましい構成によれば、探針のトラッキング制御と力制御
のための誤差信号をコンパクトな構成で得ることができ
る。
【0023】また、前記構成において、探針の捩じれを
検出する検出手段又は前記探針が記録面から受ける力を
検出する検出手段が、保持体に設けた電極と、これに対
向して設けた電極との間の容量を検出することによるも
のであるという好ましい構成によれば、探針のトラッキ
ング制御と力制御のための誤差信号をコンパクトな構成
で得ることができる。
【0024】また、前記構成において、記録媒体の記録
面にトラッキング用の案内溝を設けるという好ましい構
成によれば、安定なトラッキング誤差信号を得ることが
できる。また、この場合、トラッキング用の案内溝が、
記録媒体の記録面に設けた感光性有機薄膜の表面に可干
渉光の2光束干渉光を照射することによってグレーティ
ング状の凹凸を設けたものであるという好ましい構成に
よれば、走査プローブ顕微鏡による超高密度記録に見合
った狭ピッチの案内溝を簡単なプロセスで形成すること
ができる。さらに、グレーティング状の凹凸が同心円状
に形成されているという好ましい構成によれば、この記
録媒体を回転ディスク式の記録再生装置に適用すること
ができる。
【0025】また、前記構成において、探針が、酸化亜
鉛、炭化珪素又はセレン化亜鉛の針状結晶からなるとい
う好ましい構成によれば、これらの針状結晶は先端が鋭
利でかつ結晶軸方向に高いアスペクト比を持っているた
め、狭ピッチの案内溝を安定にトレースすることのでき
るトラッキング制御をかけることができる。
【0026】また、前記構成において、記録媒体が有機
薄膜であり、前記記録媒体に探針を通じて光照射等の手
段によって加熱することにより前記記録媒体に凹凸を生
ぜしめるという好ましい構成によれば、高密度の追記型
記録再生を行うことができる。また、前記構成におい
て、記録媒体が導体又は半導体の薄膜であり、前記記録
媒体に探針を通じて光照射等の手段によって加熱又は電
圧印加することにより前記記録媒体に物理的性質の変化
を生ぜしめるという好ましい構成によれば、高密度の消
去可能な記録再生を行うことができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。図1は本発明に係る記録再生装置の一実施
例を示す斜視図である。以下、図1を参照しながらその
構成を動作と共に説明する。
【0028】図1に示すように、まず、記録媒体ディス
ク(以下「ディスク」という)1を矢印2の方向に回転
させながら、探針の保持体3をディスク1の放線方向4
にリニアスライド5によって位置決めする。次いで、保
持体3の先端に設けた探針6をディスク1の記録面1a
に近接又は接触させて記録又は再生を行う。
【0029】探針の保持体3は、後述するように記録情
報列の方向7に略平行な軸8の回りに捩じれ可能な構造
となっており、保持体3の光反射面9にレーザダイオー
ド10からレーザ光線を照射し、その反射光を4分割光
検出器11で受光する構成となっている。また、ディス
ク1の表面には、後述するように案内溝が形成されてお
り、探針はこの案内溝の側面の傾斜に応じて前記軸8の
回りに捩じれることとなる。そして、この捩じれは、受
光した光の強度のアンバランス量として検出することが
できる。また、この捩じれ検出信号に基づき、リニアス
ライド5又は3軸圧電アクチュエータ12によって、探
針6が案内溝をトレースするように帰還制御をかけるこ
とができる。
【0030】さらに、探針の保持体3は、後述するよう
に探針6と記録面1aとの間に働く力によって撓むよう
に構成されており、この撓み量、すなわち探針6に働く
力も受光した光の強度のアンバランス量として検出する
ことができる。そして、この検出力に基づき、この力が
一定となるように3軸圧電アクチュエータ12によって
探針6を記録面1aの法線方向13に沿って移動させる
ことにより、探針6の力制御をかけることができる。こ
の力制御は、光記録におけるフォーカシング制御に相当
するもので、必ずしも記録面1aの微小な凹凸に追随さ
せる必要はなく、ディスク1の回転に伴う面振れに追随
するように応答周波数を制限することもできる。
【0031】尚、装置全体は電気的制御部を除いてボッ
クス14で覆い、乾燥気体中もしくは減圧気体中に封じ
込めるのが望ましい。
【0032】次に、探針の保持体の構成をさらに詳細に
説明する。図2は探針の保持体の一実施例を示す平面
図、図3は図2の側面図、図4は図3のA矢視図であ
る。図2、図3、図4に示すように、探針の保持体3
は、基板21から突出したカンチレバー22の一部にく
びれ23を設けた構造となっており、記録情報列の方向
7と略平行な軸8の回りに捩じれ可能な状態にされてい
る。カンチレバー22は、ホトリソグラフィーで作製さ
れた厚み1〜2μm、幅30〜50μm、長さ100〜
200μmの酸化珪素薄膜からなり、その先端には探針
6が取り付けられ、その裏面には金を蒸着して光反射面
9が形成されている。ディスク1の表面には案内溝24
が形成されており、探針6はこの案内溝24の側面の傾
斜に応じて前記軸8の回りに捩じれる。この探針6の捩
じれ及び探針6にかかる力は、前記したように、カンチ
レバー22の光反射面9にレーザーダイオード10から
レーザ光線を照射し、その反射光を4分割光検出器11
で受光することによって検出することができる。
【0033】図5は4分割光検出器の配置図であり、図
6はトラッキング誤差信号と力の誤差信号の演算回路の
ブロック図である。図5に示すように、記録情報列の方
向7に略平行な軸8に対し、4分割光検出器11の4つ
の受光面31、32、33、34が配置されている。こ
れらの受光面31、32、33、34によって得られた
光の強度信号から、図6の加算及び減算回路によって2
つの誤差信号35、36を得ることができる。ここで、
誤差信号35は、図3の紙面内における反射光の偏りに
よるから、保持体3の撓み、すなわち探針6にかかる力
の誤差信号である。また、誤差信号36は、図4の紙面
内における反射光の偏りによるから、探針6の捩じれ、
すなわちトラッキングの誤差信号である。
【0034】図7は探針の保持体の他の実施例を示す平
面図、図8は図7のI−I断面図、図9は図7のII−
II側面図である。図7、図8、図9に示すように、探
針の保持体3は、基板41のくり抜かれた一面に構成さ
れた薄膜弾性体からなり、その一部にはその先端に探針
6を有するカンチレバー42が形成されている。また、
記録情報列の方向7に平行な軸8の回りに探針6が捩じ
れ可能となるように、このカンチレバー42の固定端部
を構成する枠部43の両端には捩じれ変形部44が形成
されている。
【0035】尚、上記実施例においては、探針6の捩じ
れ及び探針6が記録面1aから受ける力を検出する手段
として光反射を利用しているが、必ずしもこれに限定さ
れるものではなく、例えば、保持体に設けた半導体歪み
抵抗素子の抵抗変化を検出したり、保持体に設けた電極
と、これに対向して設けた電極との間の容量を検出する
ことによっても行うことができる。これらは、上記した
探針の保持体にこれらのセンサーを集積形成することに
なるため製作プロセスが複雑になるが、誤差信号をコン
パクトな構成で得ることができるという利点がある。
【0036】また、上記実施例においては、記録媒体の
表面に案内溝を設ける場合について説明したが、記録情
報列がピット状又はマウンド状の表面凹凸の場合には、
これらの記録情報列から得られる探針の捩じれを検出し
てトラッキング誤差信号を得ることも原理的には可能で
ある。但し、記録情報ビットの微小化に伴って捩じれ検
出信号は微弱となるため、安定なトラッキング誤差信号
を得るためには上記実施例のように案内溝を設けるのが
好ましい。
【0037】探針としては、酸化亜鉛、炭化珪素又はセ
レン化亜鉛の針状結晶を用いるのが好ましい。これらの
針状結晶は先端が鋭利でかつ結晶軸方向に高いアスペク
ト比を持っているため、狭ピッチの案内溝を安定にトレ
ースすることのできるトラッキング制御をかけることが
できるからである。
【0038】次に、記録媒体の構成をさらに詳細に説明
する。図10は記録媒体の一実施例を示す断面図であ
る。図10に示すように、基板51の上には、感光性有
機薄膜52が形成されている。そして、感光性有機薄膜
52の表面に可干渉光の2光束干渉光を照射することに
より、トラッキング用の案内溝としてグレーティング状
の凹凸53が形成されている。尚、SPMによる超高密
度記録に見合った狭ピッチの案内溝を得るため、露光用
の可干渉光としては短波長の紫外光又はX線を用いるの
が好ましい。また、この干渉光学系に円錐レンズを用い
れば、グレーティング状の凹凸53を同心円状に形成す
ることができる。これをディスク状の記録媒体に形成す
ることにより、高密度記録に見合った狭ピッチの案内溝
を有する記録ディスクを簡単なプロセスで作製すること
ができる。
【0039】図10においては、グレーティング状の凹
凸53を形成した有機薄膜52そのものが記録層となっ
ており、この記録層に探針を通じて光照射等の手段によ
って加熱し記録層の表面に凹凸を生ぜしめることによ
り、高密度の追記型記録再生を行うことができる。尚、
加熱のための光照射は、探針を酸化亜鉛の針状結晶など
の透明体とし、この透明探針を通じて行うことができ
る。また、記録ドットへの加熱は、単に探針の外部から
先端付近に向けて光を照射し、探針に吸熱及び放熱させ
ることによって行うこともできる。
【0040】尚、図10には、有機薄膜52そのものが
記録層となっている場合を示したが、必ずしもこの構造
に限定されるものではなく、例えば図11に示すよう
に、グレーティング状の凹凸53を形成した有機薄膜5
2の上にさらに記録層54を形成したものでもよく、図
12に示すように、基板51の上に記録層54を形成
し、この記録層54の上にさらに感光性有機薄膜52を
形成し、その一部を完全に除去し、記録層54の一部が
表面に露出するようにグレーティング状の凹凸53を形
成したものでもよい。
【0041】また、記録層として導体又は半導体薄膜か
らなる材料を用いれば、記録媒体に探針を通じて光照射
等の手段によって加熱又は電圧印加し、記録媒体に相変
化等の物理的性質の変化を生ぜしめることにより、高密
度の消去可能な記録再生を行うことができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る記録
再生装置によれば、記録媒体の表面の凹凸に応じて、探
針が記録情報列の方向に略平行な軸の回りに捩じれを発
生する。この捩じれの方向は、記録媒体の表面の凹凸の
傾斜方向によって異なるから、例えば記録媒体の表面に
設けたV型案内溝の両側面の傾斜方向に応じて互いに逆
に捩じれることとなる。従って、この捩じれを検出し、
この検出信号に基づいて探針を記録情報列と直交する方
向に移動させることにより、探針のトラッキング制御を
かけることができる。
【0043】また、前記構成において、保持体の一部
が、探針が記録面から受ける力によって撓む可撓弾性体
であり、前記保持体の撓み又は歪みを検出することによ
り前記探針と記録面との間に働く引力又は斥力を検出す
る検出手段と、前記探針を前記記録面に対して垂直方向
に移動させる移動手段と、力検出信号に基づき前記探針
を前記記録面に対して垂直方向に移動させることにより
探針の力制御をかける制御手段とを設けるという好まし
い構成によれば、光記録におけるフォーカシング制御に
相当するものとなり、例えば回転する記録ディスクの面
振れに探針を追随させることができる。そして、この場
合の探針の力制御は、通常、斥力領域で行われるため、
探針と記録媒体の表面とは接触することになるが、原子
間力顕微鏡で表面を傷付けることなく原子配列を観察す
ることができる事実からも分かるように、この接触によ
る探針及び記録媒体表面の損傷あるいは摩耗はたとえ発
生しても極軽微である。さらに、探針はバネ定数の小さ
い保持体に保持されるから、探針が万一表面の微小突起
に衝突したとしても、探針と記録媒体の表面の相互に過
大な力がかかることはない。また、この場合さらに、探
針の捩じれを検出する検出手段と、前記探針が記録面か
ら受ける力を検出する検出手段とを、前記探針の保持体
に設けた光反射面に光線を照射し、その反射光の強度を
4分割光検出器で検出する構成とし、これらの信号によ
って探針の捩じれと記録面から受ける力とを演算すると
いう好ましい構成によれば、探針のトラッキング制御と
力制御のための誤差信号を簡単な構成で同時に得ること
ができる。
【0044】また、前記構成において、探針の捩じれを
検出する検出手段又は前記探針が記録面から受ける力を
検出する検出手段が、保持体に設けた半導体歪み抵抗素
子の抵抗変化を検出することによるものであるという好
ましい構成によれば、探針のトラッキング制御と力制御
のための誤差信号をコンパクトな構成で得ることができ
る。
【0045】また、前記構成において、探針の捩じれを
検出する検出手段又は前記探針が記録面から受ける力を
検出する検出手段が、保持体に設けた電極と、これに対
向して設けた電極との間の容量を検出することによるも
のであるという好ましい構成によれば、探針のトラッキ
ング制御と力制御のための誤差信号をコンパクトな構成
で得ることができる。
【0046】また、前記構成において、記録媒体の記録
面にトラッキング用の案内溝を設けるという好ましい構
成によれば、安定なトラッキング誤差信号を得ることが
できる。また、この場合、トラッキング用の案内溝が、
記録媒体の記録面に設けた感光性有機薄膜の表面に可干
渉光の2光束干渉光を照射することによってグレーティ
ング状の凹凸を設けたものであるという好ましい構成に
よれば、走査プローブ顕微鏡による超高密度記録に見合
った狭ピッチの案内溝を簡単なプロセスで形成すること
ができる。さらに、グレーティング状の凹凸が同心円状
に形成されているという好ましい構成によれば、この記
録媒体を回転ディスク式の記録再生装置に適用すること
ができる。
【0047】また、前記構成において、探針が、酸化亜
鉛、炭化珪素又はセレン化亜鉛の針状結晶からなるとい
う好ましい構成によれば、これらの針状結晶は先端が鋭
利でかつ結晶軸方向に高いアスペクト比を持っているた
め、狭ピッチの案内溝を安定にトレースすることのでき
るトラッキング制御をかけることができる。
【0048】また、前記構成において、記録媒体が有機
薄膜であり、前記記録媒体に探針を通じて光照射等の手
段によって加熱することにより前記記録媒体に凹凸を生
ぜしめるという好ましい構成によれば、高密度の追記型
記録再生を行うことができる。また、前記構成におい
て、記録媒体が導体又は半導体の薄膜であり、前記記録
媒体に探針を通じて光照射等の手段によって加熱又は電
圧印加することにより前記記録媒体に物理的性質の変化
を生ぜしめるという好ましい構成によれば、高密度の消
去可能な記録再生を行うことができる。
【0049】このように、本発明に係る記録再生装置に
よれば、従来の光学方式の記録密度の限界を破り、超高
密度の大量情報記録を可能とする記録再生装置を提供す
ることができ、工業的価値の大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録再生装置の一実施例を示す斜
視図である。
【図2】探針の保持体の一実施例を示す平面図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】図3のA矢視図である。
【図5】本発明の一実施例の4分割光検出器の配置図で
ある。
【図6】トラッキング誤差信号と力の誤差信号の演算回
路のブロック図である。
【図7】探針の保持体の他の実施例を示す平面図であ
る。
【図8】図7のI−I断面図である。
【図9】図7のII−II断面図である。
【図10】記録媒体の一実施例を示す断面図である。
【図11】記録媒体の他の実施例を示す断面図である。
【図12】記録媒体のさらに他の実施例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 記録媒体ディスク 1a 記録面 2 記録媒体ディスクの回転方向 3 探針の保持体 4 記録媒体ディスクの放線方向 5 リニアスライド 6 探針 7 記録情報列の方向 8 記録情報列の方向7に略平行な軸 9 光反射面 10 レーザダイオード 11 4分割光検出器 12 3軸圧電アクチュエータ 13 記録面の法線方向 14 ボックス 21、41、51 基板 22、42 カンチレバー 23 くびれ 24 案内溝 31、32、33、34 受光面 35、36 誤差信号 43 枠部 44 じれ変形部 52 感光性有機薄膜 53 グレーティング状の凹凸 54 記録層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 任田 隆夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−309705(JP,A) 特開 平7−29227(JP,A) 特開 平7−98894(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 9/14 G11B 21/10

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保持体に保持された探針を位置決めし、
    探針を記録媒体の記録面に相対的に近接又は接触させ
    て、この記録媒体に情報を記録又は再生する記録再生装
    置であって、前記保持体が、少なくとも記録情報列の方
    向に略平行な軸の回りに捩じれ可能な可撓弾性体によっ
    て構成され、前記探針の前記軸の回りの捩じれを検出す
    る検出手段と、前記探針を記録情報列の方向と直交する
    方向に移動させる移動手段と、捩じれ検出信号に基づき
    前記探針を記録情報列の方向と直交する方向に移動させ
    ることにより探針のトラッキング制御をかける制御手段
    とを備えたことを特徴とする記録再生装置。
  2. 【請求項2】 保持体の一部が、探針が記録面から受け
    る力によって撓む可撓弾性体であり、前記保持体の撓み
    又は歪みを検出することにより前記探針と記録面との間
    に働く引力又は斥力を検出する検出手段と、前記探針を
    前記記録面に対して垂直方向に移動させる移動手段と、
    力検出信号に基づき前記探針を前記記録面に対して垂直
    方向に移動させることにより探針の力制御をかける制御
    手段とを設けた請求項1に記載の記録再生装置。
  3. 【請求項3】 探針の捩じれを検出する検出手段と、前
    記探針が記録面から受ける力を検出する検出手段とを、
    前記探針の保持体に設けた光反射面に光線を照射し、そ
    の反射光の強度を4分割光検出器で検出する構成とし、
    これらの信号によって探針の捩じれと記録面から受ける
    力とを演算する請求項2に記載の記録再生装置。
  4. 【請求項4】 探針の捩じれを検出する検出手段が、保
    持体に設けた半導体歪み抵抗素子の抵抗変化を検出する
    ことによるものである請求項1に記載の記録再生装置。
  5. 【請求項5】 探針の捩じれを検出する検出手段又は前
    記探針が記録面から受ける力を検出する検出手段が、保
    持体に設けた半導体歪み抵抗素子の抵抗変化を検出する
    ことによるものである請求項2に記載の記録再生装置。
  6. 【請求項6】 探針の捩じれを検出する検出手段が、保
    持体に設けた電極と、これに対向して設けた電極との間
    の容量を検出することによるものである請求項1に記載
    の記録再生装置。
  7. 【請求項7】 探針の捩じれを検出する検出手段又は前
    記探針が記録面から受ける力を検出する検出手段が、保
    持体に設けた電極と、これに対向して設けた電極との間
    の容量を検出することによるものである請求項2に記載
    の記録再生装置。
  8. 【請求項8】 記録媒体の記録面にトラッキング用の案
    内溝を設けた請求項1に記載の記録再生装置。
  9. 【請求項9】 トラッキング用の案内溝が、記録媒体の
    記録面に設けた感光性有機薄膜の表面に可干渉光の2光
    束干渉光を照射することによってグレーティング状の凹
    凸を設けたものである請求項8に記載の記録再生装置。
  10. 【請求項10】 グレーティング状の凹凸が同心円状に
    形成された請求項9に記載の記録再生装置。
  11. 【請求項11】 探針が、酸化亜鉛、炭化珪素又はセレ
    ン化亜鉛の針状結晶からなる請求項1に記載の記録再生
    装置。
  12. 【請求項12】 記録媒体が有機薄膜であり、前記記録
    媒体に探針を通じて光照射等の手段によって加熱するこ
    とにより前記記録媒体に凹凸を生ぜしめる請求項9に記
    載の記録再生装置。
  13. 【請求項13】 記録媒体が導体又は半導体の薄膜であ
    り、前記記録媒体に探針を通じて光照射等の手段によっ
    て加熱又は電圧印加することにより前記記録媒体に物理
    的性質の変化を生ぜしめる請求項1に記載の記録再生装
    置。
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