JP3208898U - 車高調整構造 - Google Patents

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【課題】設定した車高調整を変化させずにキャンバー角度を調整できると共に、装着作業を高めた車高調整構造を提供する。【解決手段】調整体4が対向板面部41を備え、対向面の上下位置に連結部43,44を設けてなり、下方連結部44をロアアームのナックル連結孔と対応するボルト取付孔441とし、既存連結ボルトを以て調整体4をロアアームに固定し、上方連結部43がナックルのロアアーム連結孔と対応し且つボルト取付孔441を中心とした円弧状の長孔431と、ボルト取付孔441を中心とした半径方向のみに座金移動を可能とした座金嵌合部432で構成し、偏心座金部52を座金嵌合部432に嵌合して、長孔431内の所望位置で取付ボルト5を装着して調整体4をナックルに固定する。【選択図】図1

Description

本考案はサスペンション装置におけるロワアームとナックルの間に介在させて車両の高さ調整を行う車高調整構造に関するものである。
自動車の車高を下げると走行安定性を得る事ができるが一般車両においては、一定の車高に設定されており、そのままでは車高を低くすることはできない。そこで独立懸架装置(サスペンション装置)においてダブルウイッシュボーン方式またはマルチリンク方式を採用している既存車両において、既存のサスペンション構成をそのまま使用し、ロアアームとナックルの間に所定の部品を介在させて、車高を数センチ低下させる部品が提案されている(特許文献1:登録実用新案3182081号公報)。
即ち特許文献1には、L状の対向する一対の調整板の底辺に第一及び第二のロアアーム固定孔と、鉛直辺の上端にナックル固定孔を設けて、ロアアームとナックルとの間に介在させて車高を低くさせ、且つロアアーム固定孔を横長形状にして、キャンバー角の調製を行っている。
登録実用新案第3182081号公報。
既存車両のロアアームとナックルとの間に所定の部品を介在させることで容易に車高調整が可能であるが、特許文献1に示された部品のように対向調整板とこの調整板を連結固定するボルト及びナットで構成した場合には、装着作業に際して分離状態の調整板を所定位置(固定穴を一致させる)に配し、ボルト装着するものであり、作業性が良好であるとは言えない。
更にボルトの固定位置を横長孔内での移動によってキャンバー角を調整する構成であるが、キャンバー角度を変更すると同時に設定車高も変化する結果になる。
そこで本考案は、設定した車高調整を変化させずにキャンバー角度を調整できると共に、装着作業を高めた車高調整構造を提案したものである。
本考案の請求項1記載に係る車高調整構造は、車両のサスペンション装置におけるロアアームとナックル連結個所に調整体を介在装着する車高調整構造であって、前記調整体が対向板面部を備えると共に、前記対向面の上下位置に上方連結部及び下方連結部を設けてなり、前記下方連結部は、ロアアームのナックル連結孔と対応するボルト取付孔を設け、既存連結ボルトを以て調整体をロアアーム固定するものであり、上方連結部は、ナックルのロアアーム連結孔と対応すると共に前記ボルト取付孔を中心とした円弧状の長孔と、少なくとも対向板面部の一方の長孔を含む範囲に、偏心位置に取付ボルトを貫通装着する偏心座金が、ボルト取付孔を中心とした半径方向のみに移動を可能とした座金嵌合部を設けてなり、偏心座金を前記座金嵌合部に嵌合して、長孔内の所望位置で取付ボルトを装着して調整体をナックルに固定してなることを特徴としたものである。
前記構造は、既存車両のサスペンション装置におけるロアアームとナックルを連結する既存の連結ボルトを取り外し、取り外した連結ボルトを使用してロアアームのナックル連結孔と調整体の下方連結部を連結して固定し、ナックルのロアアーム連結部に調整体の上方連結部を連結固定するもので、調整体の下方連結部と上方連結部の距離分が車高を低くするものであり、特にナックルの下方連結部と調整体の上方連結部と連結固定に際して、取付ボルトの長孔における固定位置でキャンバー角が決定するもので、一定の車高調整において、キャンバー角の調整がなされるものである。
更に取付ボルトの固定に際して偏心座金がボルト取付孔を中心とした半径方向(上下方向)のみに移動可能とした座金嵌合部に装着されているので、当該偏心座金によって取付ボルトの長孔内の移動が阻止され、車両走行の振動を受けても取付ボルト位置が変化せずキャンバー角が変化することが無く安全に走行ができる。
また本考案の請求項2記載に係る車高調整構造は、特にナックル取付ボルトに偏心座金を一体に付設してなるもので、座金とボルトが一体であり装着作業の更なる簡素化を実現する。
また本考案の請求項3記載に係る車高調整構造は、特に対向面部の双方に座金嵌合部を形成すると共に、各座金嵌合部に偏心座金を装着してなるもので、長孔内の取付ボルトの移動を完全に阻止できる。
また本考案の請求項4記載に係る車高調整構造は、特に調整体の対向面板部を、ボルト取付孔を形成する筒状部で連結固定してなるもので、対向板面部の一体化を実現する。
また本考案の請求項5記載に係る車高調整構造は、特に調整体を、対向面板部がロアアーム対向面に嵌合可能な形状に形成すると共に、対向板面の下方を底面板部で連結すると共に、底面板部にロアアームとの係止部を設けてなるもので、調整体とロアアームの連結固定が堅牢になされる。
本考案の構成は上記のとおりで、対向板面部を備えた非分離部品の調整体を、サスペンション装置におけるロアアームとナックル連結個所に介在装着するもので装着作業の能率化を実現すると共に、調整車高を変化させずに所望のキャンバー角に調整を可能としたものである。
本考案の実施形態の調整体及び取付ボルトの全体斜視図。 同調整体の下方斜視図。 同調整体のキャンバー角度の調整説明図。 同調整体を装着したロアアームの斜視図。 同調整体の装着経過の説明図で(イ)は装着前、(ロ)は装着後を示す。
次に本考案の実施形態について説明する。実施形態に示した車高調整構造は、既存車両のサスペンション装置におけるロアアーム1とナックル2を分離し、部品として別製した調整体4を介在させて、ロアアーム1とナックル2を連結したものである。
既存車両のロアアーム1とナックル2の連結は図5(イ)に示しているようにロアアーム1の端部に設けたナックル連結孔11と、ナックル2のロアアーム連結部21を連結ボルト3で連結してなるものである。
調整体4は、対向板面部41と、対向板面部41の下辺を連結する底板面部42を備え、底板面部42には、ロアアーム1の所定箇所に係止される係止部421を設けてなり、対向板面部41はロアアーム1の先端(ナックル連結孔11の形成箇所)に嵌合する形状としたものである。
また対向板面部41には、上方連結部43と下方連結部44を設けたものである。下方連結部44は、ロアアーム1のナックル連結孔11と対応するボルト取付孔441を設けたものであり、特に前記ボルト取付孔441は、対向板面部41間に架設固定した筒状部442を以て形成してなる。
上方連結部43は、ナックル2のロアアーム連結部21と対応し、且つ前記ボルト取付孔441を中心とした円弧状の長孔431と、対向板面部41の外側面に前記長孔431を含む範囲に、下記する偏心座金(偏心座金部52及び偏心座金6)が、ボルト取付孔441を中心とした半径方向のみに移動を可能とした座金嵌合部432を設けて構成される。
更に上方連結部43をナックル2のロアアーム連結部21に連結するために、取付部材として取付ボルト5と偏心座金6と取付ナット7を備える。
取付ボルト5は、ボルト本体51に偏心座金部52を設けたもので、偏心座金部52は、外縁を座金嵌合部432の幅と一致する円形とし、非中心位置にボルト軸53を貫通固定しているものであり、ナット螺合箇所に切欠面54を形成しているものである。
また偏心座金6は、偏心座金部52と一致する外形状で、同様の偏心位置に前記切欠面54の箇所と対応する軸孔61を備えているものである。
而して前記の調整体4を組み込んで車高調整を行うには、ロアアーム1とナックル2を連結している連結ボルト3を取り外し、ロアアーム1とナックル2を分離し、この連結ボルト3を使用して調製体4をロアアーム1に装着固定する。
調整体4をロアアーム1に装着固定するには、調整体4をロアアーム1の先端に嵌合装着し、係止部421をロアアーム1の所定位置に係止して、下方連結部44のボルト取付孔441とナックル連結孔11を貫通するようにして連結ボルト3を装着してロアアーム1と調整体を連結固定する。
次に調整体4とナックル2を連結するもので、ナックル2のロアアーム連結部21の両側に対向板面部41における上方連結部43を配置し、取付ボルト5を貫通装着し、取付ナット7を螺合して固定するものである。特に前記の固定に際して取付ボルト5は、長孔431の所望の位置に設定でき、当該設定位置に対応して偏心座金部52及び偏心座金6が座金嵌合部432に嵌合することで上下方向の位置が決定し、且つ前記の座金嵌合によってボルト軸53の長孔431内の移動が阻止されるので、当該設定位置で調整体4とナックル2が連結固定される。
従って調整体4をロアアーム1とナックル2の間に介在装着することで、上方連結部43の長孔431と下方連結部44のボルト取付孔441の距離分だけ、車高が低くなり、且つ長孔431におけるボルト軸53の固定位置によってキャンバー角が定まる。
即ち一定の車高調整と共に、最適と認められるキャンバー角を設定できるものであり、且つ偏心座金部52と座金嵌合部432を採用することで、取付ボルト5の長孔431内の移動が阻止され、車両走行の振動を受けても取付ボルト5の位置(キャンバー角)が変化することが無く安全に走行ができることになる。
1 ロアアーム
11 ナックル連結孔
2 ナックル
21 ロアアーム連結部
3 連結ボルト
4 調整体
41 対向板面部
42 底板面部
421 係止部
43 上方連結部
431 長孔
432 座金嵌合部
44 下方連結部
441 ボルト取付孔
442 筒状部
5 取付ボルト
51 ボルト本体
52 偏心座金部
53 ボルト軸
54 切欠面
6 偏心座金
61 軸孔
7 取付ナット

Claims (5)

  1. 車両のサスペンション装置におけるロアアームとナックル連結個所に調整体を介在装着する車高調整構造であって、前記調整体が対向板面部を備えると共に、前記対向面の上下位置に上方連結部及び下方連結部を設けてなり、前記下方連結部は、ロアアームのナックル連結孔と対応するボルト取付孔を設け、既存連結ボルトを以て調整体をロアアーム固定するものであり、上方連結部は、ナックルのロアアーム連結部と対応すると共に前記ボルト取付孔を中心とした円弧状の長孔と、少なくとも対向板面部の一方の長孔を含む範囲に、偏心位置にナックル取付ボルトを貫通装着する偏心座金が、ボルト取付孔を中心とした半径方向のみに移動を可能とした座金嵌合部を設けてなり、偏心座金を前記座金嵌合部に嵌合して、長孔内の所望位置で取付ボルトを装着して調整体をナックルに固定してなることを特徴とした車高調整構造。
  2. 取付ボルトに偏心座金を一体に付設してなる請求項1記載の車高調整構造。
  3. 対向面部の双方に座金嵌合部を形成すると共に、各座金嵌合部に偏心座金を装着してなる請求項1又は2記載の車高調整構造。
  4. 調整体の対向面板部を、ボルト取付孔を形成する筒状部で連結固定してなる請求項1乃至3記載の何れかの車高調整構造。
  5. 調整体を、対向面板部がロアアーム対向面に嵌合可能な形状に形成すると共に、対向板面の下方を底面板部で連結すると共に、底面板部にロアアームとの係止部を設けてなる請求項1乃至4記載の何れかの車高調整構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016107927A (ja) * 2014-12-10 2016-06-20 行春 駒形 サスペンション装置及びその部品

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