JP3208717B2 - 2サイクルエンジンの排気時期制御装置 - Google Patents

2サイクルエンジンの排気時期制御装置

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JP3208717B2
JP3208717B2 JP08993492A JP8993492A JP3208717B2 JP 3208717 B2 JP3208717 B2 JP 3208717B2 JP 08993492 A JP08993492 A JP 08993492A JP 8993492 A JP8993492 A JP 8993492A JP 3208717 B2 JP3208717 B2 JP 3208717B2
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valve
low
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speed valve
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正一 塩原
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two

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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2サイクルエンジンの
排気時期制御装置に関し、詳細には排気バルブを中速時
の排気開始時期を決定する中速用バルブと低速時の排気
開始時期を決定する低速用バルブとで構成した場合の、
該両バルブの駆動機構の簡素化に関する。
【0002】
【従来の技術】2サイクルエンジンでは、ピストンの下
降により排気口が開き始める時点で排気作用が開始され
るわけであるが、この排気開始時期(以下、排気タイミ
ングと記す)はエンジン回転速度が高くなるほど進角さ
せることが望ましい。そこで従来、排気口近傍に排気バ
ルブを設け、該バルブで排気口の上縁位置を実質的に変
化させることによって排気タイミングを制御するように
した排気時期制御装置が提案されている。
【0003】この種の排気時期制御装置においては、排
気タイミングをできるだけ多数段階に制御できるように
構成すればそれだけエンジン回転数に応じた最適排気タ
イミングを実現できることとなる。そこで本件出願人
は、上記排気バルブを低速用バルブと中速用バルブとで
構成し、低速時には上記両バルブを前進させて排気タイ
ミングを最も遅角側に設定し、中速時には上記低速用バ
ルブを後退させて中速用バルブにより排気タイミングを
設定し、さらに高速時には上記中速用バルブも後退させ
て中速用バルブで排気タイミングを設定し、これにより
低速,中速,高速の3段階において最適の排気タイミン
グを設定できるように構成した排気時期制御装置を提案
している(特願平3-324105号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記提案に係
る排気時期制御装置では、低速用,中速用バルブをそれ
ぞれ独立の駆動アームで進退駆動するように構成してい
ることから、進退駆動機構が複雑であり、量産に対応す
るにはより簡素な構造が必要である。
【0005】本発明は上記提案に係る排気時期制御装置
における実情に鑑みてなされたもので、より簡素な構造
により3段階に排気タイミングを設定できる2サイクル
エンジンの排気時期制御装置を提供することを目的とし
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、シリンダボア
に開口する排気口の上縁位置を、シリンダボア半径方向
に進退可能に配置された排気バルブにより実質的に変化
させるようにした2サイクルエンジンの排気時期制御装
置において、上記排気バルブを、平板状の弁板部と円筒
状のボス部とを有し、シリンダボディ固定部により進退
可能に支持された中速用バルブと、平板状の弁板部と丸
棒状の軸部とを有し、該軸部が上記中速用バルブのボス
部により進退可能に支持された低速用バルブとで構成
し、該中速用,低速用バルブをそれぞれの前端部がシリ
ンダボア内面と面一となる中速時,低速時前進端位置と
排気通路壁面と面一となる後退端位置との間で進退可能
とし、上記低速用バルブを進退駆動する駆動機構を設
け、上記中速用バルブのボス部に保持穴を半径方向に貫
通形成し、該保持穴内に球体を配設し、上記低速用バル
ブの軸部の外周面及び上記シリンダボディ固定部の内周
面に上記球体の一部が係止可能の係止溝を形成してなる
係脱機構を設け、該係脱機構は、上記球体を、上記中速
用バルブが上記中速時前進端位置に前進するまで上記低
速用バルブの係止溝に係止させ、上記中速用バルブが中
速時前進端位置に位置した後さらに低速用バルブが低速
用前進端位置に前進するまでシリンダボディ固定部の係
止溝に係止させることを特徴としいてる。
【0007】
【作用】本発明に係る排気時期制御装置によれば、低速
用,中速用バルブが後退端に位置した時点(高速運転
域)では、係脱機構の球体が低速用バルブの係止溝に係
止しており、これにより中速用バルブと低速用バルブと
がロックされている。この状態で進退駆動機構が低速用
バルブを前進させるとこれに伴って中速用バルブも前進
し、該中速用バルブが中速時前進端に到達すると該中速
バルブによって排気タイミングが中速時のタイミングに
設定される。また低速用バルブをさらの前進させようと
すると上記球体と低速用バルブの係止溝との係止が解除
され、該球体はシリンダボディ固定部の係止溝に係止す
る。従ってこれ以降は低速用バルブのみが低速時前進端
まで単独で前進し、該低速用バルブが低速時前進端に位
置すると該バルブによって排気タイミングが低速時のタ
イミングに設定される。
【0008】このように本発明では、中速用バルブが中
速時前進端に到達するまでは該中速用バルブを低速用バ
ルブにロックすることにより低速用バルブで前進させ、
それ以降は上記ロックを解除することにより低速用バル
ブのみを前進させるようにしたので、進退駆動機構は低
速用バルブのみを駆動する構造で済み、該駆動機構の構
造が簡素である。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図1ないし図10は本発明の一実施例による
2サイクルV型4気筒エンジンの排気時期制御装置を説
明するための図であり、図1〜図4は断面側面図、図5
は図1のV−V線断面図、図6は分解斜視図、図7は断
面平面図、図8,図9は本実施例エンジンの正面図,右
側面図、図10は本実施例エンジンを搭載した自動二輪
車の左側面図である。
【0010】図10において、1は本実施例エンジンを
搭載した自動二輪車、2は該自動二輪車1の車体フレー
ムである。この車体フレーム2は、ヘッドパイプ3から
後方に延びる左,右一対のメインフレーム2a,2aの
後端同士をリヤアーム支持ブロック6で連結した構造の
ものであり、その前部には走行風をエンジン回りに導入
するための導風部2bが形成されている。
【0011】上記ヘッドパイプ3により前フォーク4の
操向軸が左右に操向自在に軸支されており、該前フォー
ク4の下端で前輪5が軸支されている。また上記リヤア
ーム支持ブロック6によってリヤアーム7が上下に揺動
自在に枢支されており、該アーム7の後端で後輪8が軸
支されている。また上記車体フレーム2のメインフレー
ム下方部分にエンジン9が懸架支持されており、該エン
ジン9の上方には燃料タンク10が搭載され、これの後
方にはシート11が配設されている。上記シート11の
周囲はサイドカバー12で囲まれており、上記車体フレ
ーム2,エンジン9,及び前フォーク4上部はカウリン
グ13で囲まれている。
【0012】上記エンジン9は、水冷式2サイクルV型
4気筒エンジンであり、前,後ケース20,21からな
る2分割式クランクケース14の前壁上側,下側に上側
シリンダボディ15,下側シリンダボディ16を左右一
対ずつ所定のバンク角をなすように締結し、該各シリン
ダボディ15,16にシリンダヘッド17を装着した構
造のものである。なお22,23は上側,下側用クラン
ク軸である。
【0013】上記各上側シリンダボディ15の背面,各
下側シリンダボディ16の底面にはそれぞれ上側,下側
排気管18,19が接続されている。上記左,右の上側
排気管18,18は上記メインフレーム2a,2a間か
ら上記サイドカバー12内を通って斜め上方に延びてお
り、また上記左,右の下側排気管19,19は上記クラ
ンクケース14の下方を通って上記リヤアーム7の左右
側方を斜め上方に延びている。
【0014】上記エンジン9の正面図(図8),側面図
(図9)において、前側ケース20の上記上側,下側シ
リンダボディ15,16間部分、つまりVバンク内には
吸気口が開口しており、該各吸気口にはスロットルボデ
ィ29,29,30,30が接続されている。この左,
右のスロットルボディ29、30にはそれぞれ上側,下
側気筒用の吸気通路31a〜31dが形成されており、
該各通路にはスロットルバルブ32a〜32d、及び燃
料噴射弁33a〜33dが配設されている。
【0015】そして右下側スロットルバルブ32dのバ
ルブ軸の外方突出端部にはスロットルプーリ34が固着
されており、該プーリ34はスロットルケーブル35で
回転駆動される。また下側のスロットルバルブ32dと
32bは下側同調機構36aを介して、上側のスロット
ルバルブ32cと32aは上側同調機構36bを介して
それぞれ連結されており、左下側スロットルバルブ32
bと右上側スロットルバルブ32cとはリンク36cで
連結されている。また右上側スロットルバルブ32cの
バルブ軸の外方突出端にはバルブ開度を検出するスロッ
トルセンサ37が接続されている。これによりスロット
ルプーリ34による回転力は、右下側スロットルバルブ
32dから下側同調機構36aを介して左下側スロット
ルバルブ32bに伝達されるとともに、該下側同調機構
36a,リンク36cを介して右上側スロットルバルブ
32cに伝達され、さらに上側同調機構36bを介して
左上側スロットルバルブ32aに伝達され、また右上側
スロットルバルブ32cのバルブ開度が検出される。
【0016】また上記クランクケース14の各気筒用ク
ランク室には、該クランク室内の正圧を検出する圧力セ
ンサ57が圧力ホース59aを介して接続されている。
またこの圧力ホース59aの途中には、上記圧力センサ
57にクランク室内の負圧が作用するのを防止するため
のワンウェイバルブ58が介設されている。なお、62
はクランクケースカバーであり、内蔵する乾式クラッチ
部分に走行風を導入可能なように前側部分が開口してい
る。また60は各気筒ごとに設けられたイグニッション
コイル、61は排気ポート上流側に配設された水温セン
サである。
【0017】上記クランクケース14の左側壁には、フ
ィルタユニット40,燃料ポンプ41,パルセーション
ダンパ42,サージタンク43,及び上側圧力調整弁4
4が配設されており、右側壁には下側圧力調整弁45が
配設されている。上記フィルタユニット40の入側には
燃料導入ホース46で燃料タンク39が接続されてい
る。またフィルタユニット40の出口は燃料供給ホース
47で上記燃料ポンプ41に、該燃料ポンプ41の吐出
口は上記パルセーションダンパ42に、該パルセーショ
ンダンパ42の一方の出口管42aは上記サージタンク
43にそれぞれ接続されている。またこのサージタンク
43は上側燃料供給ホース48で上記右上側の燃料噴射
弁33cの入口に、該燃料噴射弁33cの戻口は中継ホ
ース49を介して左上側燃料噴射弁33aの入口に、該
噴射弁33aの戻口は上側圧力調整弁44にそれぞれ接
続されており、該圧力調整弁44は上側戻りホース50
を介して上記フィルタユニット40の上側戻口に接続さ
れている。
【0018】上記パルセーションダンパ42の他方の出
口管42bは下側燃料供給ホース51で上記左下側の燃
料噴射弁33bの入口に接続され、該噴射弁33bの戻
口は中継ホース52により右下側の燃料噴射弁33dの
入口に、該右下側の燃料噴射弁33dの戻口は下側圧力
調整弁45,下側戻りホース51を介して上記フィルタ
ユニット40の下側戻口にそれぞれ接続されている。
【0019】上記上側,下側シリンダボディ15,16
の排気ポート部分には排気タイミングを制御する上側,
下側排気バルブ24a,24bが内蔵されており、左,
右気筒の排気バルブ同士はクランク軸方向に配設された
上側,下側駆動軸25a,25bで連結されている。ま
た上側の駆動軸25aの左端には駆動ケーブル28で駆
動される排気プーリ26が固着されている。該プーリ2
6は中継リンク27a,中継アーム27b,中継リンク
27cを介して下側駆動軸25bに連結されており、こ
れらの中継リンク等は上側,下側シリンダボディ15,
16の左側面に沿うように配置されている。
【0020】上記上側,下側排気バルブ24a,24b
は同一構造を有しているので、上側排気バルブ24aの
構造を図1〜図7に基づいて説明する。上記上側排気バ
ルブ24aは、排気ポート15aの開口15bの上縁a
高さを実質的に変化させるためのものであり、排気ポー
ト15aの上側壁に形成されたスライド穴15c内に進
退自在に挿入配設されている。そしてこの排気バルブ2
4aは、エンジン回転速度が中速時の排気タイミングを
決定する中速用バルブ63と、低速時の排気タイミング
を決定する低速用バルブ64と、シリンダボディ側固定
部を構成するガイドパイプ65と、駆動機構を構成する
駆動軸25aと、係止片としての球体73を上記低速用
バルブ64又はガイドパイプ65の何れかに選択的に係
止させる係止機構72とで構成されている。
【0021】上記中速用バルブ63は、平板状の弁板部
66と円筒状のボス部67とで構成されている。上記弁
板部66の先端縁66aはシリンダボアの内面形状に一
致する円弧状に形成されており、該先端縁66aがシリ
ンダボア内面と面一をなす中速時前進端位置まで前進可
能となっている。また上記ボス部67は軸芯にガイド穴
67aが形成された円筒状のもので、上記軸芯は上記弁
板66から下側に偏心している。またこのボス部67の
後端部にはストッパリング68が嵌着されている。
【0022】上記ガイドパイプ65は円筒状のもので、
上記スライド穴15cと同軸でかつ大径の支持穴15d
内に嵌入され、そのフランジ部65aがボルト69でシ
リンダボディ15に固定されている。そしてこのガイド
パイプ65内に上記中速用バルブ63のボス部67が摺
動可能に挿入されており、上記ストッパリング68が上
記フランジ部65aの後面に当接したとき、上記先端縁
66aが上記シリンダボアと同一面をなすように各寸法
が設定されている。
【0023】上記低速用バルブ64は、平板状の弁板部
70と丸棒状の軸部71とで構成されている。上記弁板
部70は上記スライド穴15c内に摺動可能に、かつ上
記中速用バルブ63の弁板部66の下面に摺接するよう
に挿入されている。また上記弁板部70の先端縁70a
はシリンダボアの内面形状に一致する円弧状に形成され
ており、またその下面にはストッパ片70bが突設され
ている。このストッパ片70bが上記スライド穴15c
と支持穴15dとの間に形成されたストッパ穴15eの
前底面に当接したとき、上記先端縁70aがシリンダボ
ア内面と面一をなすよう各寸法が設定されている。
【0024】上記軸部71は上記中速用バルブ63のボ
ス部67のガイド穴67a内に摺動可能に挿入されてお
り、その後端部に植設された係止ピン71aが上記駆動
軸25aに固着されたアーム25cの係止溝25dに挿
入連結されている。
【0025】上記係脱機構72は、以下の構造になって
いる。上記中速用バルブ63のボス部67に一対の保持
穴67bを半径方向に貫通するよう形成し、該保持穴6
7b内に球体73を半径方向に移動可能に配設する。こ
の球体73を、上記中速用バルブ64のボス部67の肉
厚より若干大径に設定する。そして、上記低速用バルブ
64の軸部71の外周面及び上記ガイドパイプ65の内
周面に、上記球体73の一部が係止可能の係止溝71
b,係止溝65bを形成する。
【0026】また、上記排気ポート15aの左,右には
シリダボアに開口15dで連通する副排気ポート15
c,15cが形成されており、該副排気ポート15cの
下流側開口は上記排気ポート15aの途中に連通してい
る。またこの各副排気ポート15c内には副排気バルブ
75が回転可能に挿入されている。この副排気バルブ7
5の外方突出部75aはリンク76を介して上記駆動軸
25aの駆動アーム25eに連結されている。次に本実
施例装置の作用効果について説明する。エンジン回転速
度が低速域の場合は、図4に示すように、駆動軸25a
が図示C1に回動して中速用,低速用バルブ63,64
を両方とも前進端に位置させており、そのため排気口1
5bの上縁aは低速用バルブ64の先端縁70aの下縁
まで実質的に低下している。その結果排気タイミングは
ピストンの上縁が上死点位置からH3だけ下降した時点
となっている。またこのとき、副排気バルブ75は副排
気ポート15cを全閉している。
【0027】このとき、低速用バルブ64はそのストッ
パ片70bがストッパ穴15eの前底面に当接してお
り、また中速用バルブ63はそのストッパリング68が
ガイドパイプ65のフランジ部65aに当接しており、
これによりそれぞれの位置が規制されている。また球体
73はガイドパイプ65の係止溝65bに係止し、かつ
低速用バルブ64の軸部71の表面を転動可能になって
いる。これにより中速用バルブ63は後退方向にも固定
されており、一方、低速用バルブ64は後退方向には移
動可能となっている。
【0028】エンジン回転速度が高くなるに伴って駆動
軸25aは図示反時計方向に回動し、中速度域になる
と、図3に示すように、C2に回動する。このとき上述
のように中速用バルブ63は球体73によりガイドパイ
プ65側にロックされていることから低速用バルブ64
のみが後退する。これにより排気口15bの上縁aの高
さは実質的に中速用バルブ63の先端縁66aの高さと
なり、排気タイミングはピストンがH2だけ下降した時
点となる(図3参照)。また副排気バルブ75は反時計
方向に回転して副排気ポート15cを1/2程度開いて
いる。なお、このとき低速用バルブ64のストッパ片7
0bは中速用バルブ63のボス部67の先端面に当接し
ている。また球体73は低速用バルブ64の係止溝71
bがガイドパイプ65の係止溝65bに軸方向で一致す
るまでガイドパイプ65側に係止している。
【0029】エンジン回転速度がさらに高くなると駆動
軸25aはさらに図示反時計方向に回動する。このとき
中速用バルブ63は低速用バルブ64のストッパ片70
bで押されて低速用バルブ64と共に後退する。また球
体73はガイドパイプ65の係止溝65bの図示左縁に
乗り上げることから低速用バルブ64側の係止溝71b
に係止する(図2参照)。そしてエンジン回転速度が高
速域になると、駆動軸25aは図1に示すC1まで回動
し、これにより中速用,低速用バルブ63,64の両方
が後退端に移動する。そのため中速用,低速用バルブ6
3,64の前部は排気ポート15aの天壁面と面一にな
り、また排気口15bの上縁aは実際の高さとなり、排
気タイミングはピストンがH1だけ下降した時点となる
(図1参照)。また副排気バルブ75は副排気ポート1
5cを全開している。
【0030】一方、エンジン回転が上記高速状態から低
下する場合、上記各バルブは上記と逆に前進する。まず
高速域から中速域にかけては、図1に示すように、中速
用バルブ63は球体73によって低速用バルブ64に確
実にロックされており、低速用バルブ64の前進に伴っ
て中速用バルブ63も前進する。また副排気バルブ75
は副排気ポート15cを閉じはじめる。
【0031】また中速域から低速域にかけては、図4に
示すように、球体73はガイドパイプ65側の係止溝6
5bに係止しており、低速用バルブ64に対してはこれ
の軸部71の表面を転動する。そのため駆動軸25aの
時計方向の回動に伴って低速用バルブ64のみが前進す
る。また副排気バルブ75は副排気ポート15cをさら
に閉じ、低速用バルブ64が前進端に位置したとき副排
気ポート15cを全閉する。
【0032】このように本実施例では、中速用バルブ6
3と低速用バルブ64を設け、低速域では両バルブを共
に前進させて排気タイミングを決定し、中速域では低速
用バルブ64のみを後退させて中速用バルブ63で排気
タイミングを決定し、さらに高速域では両バルブを後退
させて排気口15bの実際の上縁a高さによって排気タ
イミングを決定するようにしたので、排気タイミングを
低速,中速,高速の3段階に切換ることができる。
【0033】また低速用バルブ64を進退駆動するとと
もに、該低速用バルブ64と中速用バルブブ63とを係
脱させる係脱機構72を設けたので、低速用バルブ64
を進退駆動するだけで上記3段階切換を実現でき、進退
駆動機構の構造が簡素である。
【0034】なお、上記実施例では、係止片が球体であ
る場合を説明したが、この係止片は低速用バルブの移動
によって低速用バルブとシリンダボディ固定部との何れ
か一方に選択的に係止可能であれは良く、例えば棒体の
両端にカム面を形成したものでもよい。また、副排バル
ブ75と主排気バルブとの連動態様については、各種の
態様が考えられ、例えば副排気ポートを低速域のみで全
閉し、中,高速域では全開するようにしても良い。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明に係る2サイクルエ
ンジンの排気時期制御装置によれば、排気バルブを中速
用バルブと低速用バルブとで構成し、両バルブを係脱さ
せる係脱機構を設けたので、低速用バルブを進退駆動す
るだけで中速用バルブをも共に進退させ、あるいは低速
用バルブのみを進退させることができ、進退駆動機構の
構造を簡素化できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による2サイクルエンジンの
排気時期制御装置の高速時の排気タイミングを示す断面
側面図である。
【図2】上記実施例装置の中速時の排気タイミングを示
す断面側面図である。
【図3】上記実施例装置の中速時の排気タイミングを示
す断面側面図である。
【図4】上記実施例装置の低速時の排気タイミングを示
す断面側面図である。
【図5】図1のV−V線断面図である。
【図6】上記実施例装置の分解斜視図である。
【図7】上記実施例装置の断面平面図である。
【図8】上記実施例エンジンの正面図である。
【図9】上記実施例エンジンの側面図である。
【図10】上記実施例エンジンを搭載した自動二輪車の
左側面図である。
【符号の説明】
9 2サイクルエンジン 15b 排気口 24a,24b 排気時期制御装置 25a 駆動軸(駆動機構) 63 中速用バルブ 64 低速用バルブ 65 ガイドパイプ(シリンダボディ固定部) 72 係脱機構 73 球体(係止片) a 上縁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダボアに開口する排気口の上縁位
    置を、シリンダボア半径方向に進退可能に配置された排
    気バルブにより実質的に変化させるようにした2サイク
    ルエンジンの排気時期制御装置において、上記排気バル
    ブを、平板状の弁板部と円筒状のボス部とを有し、シリ
    ンダボディ固定部により進退可能に支持された中速用バ
    ルブと、平板状の弁板部と丸棒状の軸部とを有し、該軸
    部が上記中速用バルブのボス部により進退可能に支持さ
    れた低速用バルブとで構成し、該中速用,低速用バルブ
    をそれぞれの前端部がシリンダボア内面と面一となる中
    速時,低速時前進端位置と排気通路壁面と面一となる後
    退端位置との間で進退可能とし、上記低速用バルブを進
    退駆動する駆動機構を設け、上記中速用バルブのボス部
    に保持穴を半径方向に貫通形成し、該保持穴内に球体を
    配設し、上記低速用バルブの軸部の外周面及び上記シリ
    ンダボディ固定部の内周面に上記球体の一部が係止可能
    の係止溝を形成してなる係脱機構を設け、該係脱機構
    は、上記球体を、上記中速用バルブが上記中速時前進端
    位置に前進するまで上記低速用バルブの係止溝に係止さ
    せ、上記中速用バルブが中速時前進端位置に位置した後
    さらに低速用バルブが低速用前進端位置に前進するまで
    シリンダボディ固定部の係止溝に係止させることを特徴
    とする2サイクルエンジンの排気時期制御装置。
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