JP3208245B2 - バイアス回路 - Google Patents

バイアス回路

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JP3208245B2
JP3208245B2 JP32514693A JP32514693A JP3208245B2 JP 3208245 B2 JP3208245 B2 JP 3208245B2 JP 32514693 A JP32514693 A JP 32514693A JP 32514693 A JP32514693 A JP 32514693A JP 3208245 B2 JP3208245 B2 JP 3208245B2
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博 幸 加屋野
林 秀 一 尾
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木 康 夫 鈴
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バイアス集積回路、即
ち高周波MMICなどに用いられると共に、集積回路
(IC)化されたバイアス回路に関する。
【0002】
【従来の技術】高周波MMICなどに用いられるバイア
ス回路は、高周波信号の電力がバイアス回路に分岐しな
いように高周波信号からみたバイアス回路のインピーダ
ンスを信号路のそれよりも高くしておくことが要求され
る。
【0003】このため、従来のバイアス回路では、波長
の4分の1の伝送線路を用いて回路内をインピーダンス
的に開放された状態にすることが考えられる。図11
は、従来のバイアス集積回路の一例を示している。図に
おいて、符号1は集積回路(IC)であり、このIC1
内には能動素子としてのトランジスタ2が形成されてい
る。IC1は誘電体等により形成された基板3上に実装
されており、IC1と基板3とは接続素子5により接続
されている。基板3内部には、4分の1波長伝送路6が
設けられており、直流電源7からの直流電圧をIC1側
へ供給している。尚、符号8は、バイパス用のキャパシ
タである。
【0004】しかし、波長の4分の1の伝送線路は非常
に大きな面積が必要となり、それ自身の電圧降下が大き
いと言う問題点があった。
【0005】これを解決するために、大きなインダクタ
ンスにより高いインピーダンスを作ることが考えられ
る。図12は、従来のバイアス集積回路の他の一例を示
している。図12において図11と同一符号を付した構
成要素は、図11のものと同一の構成要素である。図に
おいて、IC1内部の直流電力供給用の経路には大きな
インダクタンス4が設けられており、このインダクタン
ス4によりバイアス回路内のインピーダンスを高くして
いる。
【0006】しかし、大きなインダクタンスを有するイ
ンダクタをIC内に形成した場合には電圧降下が非常に
大きく、問題である。また、インダクタが一度形成され
てしまった場合に素子値を調整することができない。一
方、ICの外部に低損失のインダクタンスを設けた場合
には、ICと基板との接続による不整合やそれ自身が持
つ寄生分がICの動作に大きく影響し、安定した動作を
行うことが困難となると言う重大な欠点を持っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来のバイアス回路は低電圧駆動と小型化が要求される場
合に、バイアス回路を構成する際に大きな面積が必要で
あり、このため電圧降下が大きく、素子値の調整ができ
ないため、接続の不整合や寄生分の影響が大きくなって
しまうなどの問題点があった。
【0008】本発明は、上記のような従来技術の欠点を
除去するために為されたものであり、高いインピーダン
スを有するバイアス回路を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目標を達成するた
めに、本発明に係るバイアス回路においては、基板に実
装されたICに直流電源を供給する場合のバイアス回路
をIC内のインダクタンスと基板側の調整要素を有する
インダクタンスとそれらをつなぐ素子のインダクタンス
とから構成される3つのインダクタを備えることを特徴
としている。
【0010】即ち、この発明に係るバイアス回路は、基
本的には、少なくとも直流電源回路を有しかつ誘電体に
より形成された基板と、この基板上に実装され、かつ所
定の動作を行なう能動素子を備える集積回路と、前記能
動素子を動作させる直流バイアス電力を前記直流電源回
路から前記集積回路へ供給するため前記基板及び集積回
路を接続する接続素子と、を備えるバイアス回路におい
て、前記集積回路側に設けられて前記接続素子の不整合
や寄生分の影響を吸収する程度に前記基板側よりも大き
な量のインダクタンスを有する第1のインダクタと、前
記接続素子の構成に基づく固有の量のインダクタンスを
有する第2にインダクタと、前記基板側に設けられて前
記第1のインダクタのインダクタンスよりも損失の小さ
いインダクタンスを有する第3のインダクタと、を備え
ることを特徴としている。
【0011】また、望ましくは、上記構成において前記
第3のインダクタは、前記基板側におけるインダクタン
スを所望の値に設定する伝送線路により構成されている
ことを特徴としている。
【0012】さらに望ましくは、上記構成において前記
第3のインダクタは、前記基板側のインダクタンスを所
望の値に設定すると共に、前記直流バイアス電力の基本
波成分及び高調波成分の何れに対しても整合することの
できる整合回路により構成されていることを特徴とす
る。
【0013】さらにまた、望ましくは、所望の値に調整
する機能を有するバイアス回路において、キャパシタの
付ける位置を変えることによって所望の値に調整し、こ
のキャパシタに共振する複数のキャパシタを設けること
によって、所望の基本波及び高調波に対して一つの素子
で別々の素子値を設定できることも特徴としている。
【0014】
【作用】上記のような構成を有するバイアス回路におい
ては、IC内に設ける第1のインダクタによって、接続
素子の不整合や寄生分のICに与える影響を小さくする
ことができる。
【0015】また、低損失でかつ所望の長さに調整する
ことのできるインダクタンスを基板側に設けることよ
り、供給電圧の電圧降下を抑えることができ、所望の基
本波及び高調波に対して整合する整合回路として動作さ
せることができる。
【0016】
【実施例】図1は本発明に係るバイアス回路の第1の実
施例を示すものである。IC11は、シリコン(Si)
やヒ化ガリウム(GaAs)等により形成されており、
その内部には例えばトランジスタ12などの能動素子が
形成されている。このIC11は誘電体等により形成さ
れる基板13の上に実装されている。IC11に直流電
圧を供給するためにIC11と基板13側を接続する接
続素子15が必要となる。この接続素子15はIC11
を実装する際の不確定要素となる。
【0017】図2に示す例のように、ボンディングワイ
ヤー31によりIC11と基板13を接続する場合、ワ
イヤーを接続する位置やループの長さや張りの度合いな
どによって両者間に不整合が生じてしまう。この不整合
の影響がトランジスタ12に及ばないように、IC11
内にインダクタンス14を設けてその影響が小さくなる
ようにする。この場合、影響を小さくする程度の素子値
としてはトランジスタの入力インピーダンスや出力イン
ピーダンスの2倍以上にする。
【0018】一方、一般にIC11内に大きなインダク
タンスを作る場合、それ自身の電圧降下が無視できなく
なる。そのためバイアス回路として必要なインダクタン
スを得るために基板13に低損失のインダクタンス16
を設ける。また一般に、IC11内部の素子値を変更す
ることは困難であるため、及び、素子値を変更すること
によって発生する不整合の影響を避けるために、基板1
3側にはIC11内のものよりも低損失のインダクタン
ス16を用い、さらにそれ自身の素子値を変更するため
の機能を設ける。また、このバイアス回路は高周波信号
に対して完全に開放の状態を形成せず、所望の周波数の
基本波及び高調波に対して整合な整合回路としての機能
を有している。
【0019】図3は本発明の第2の実施例に係るバイア
ス回路を示している。IC11内のインダクタンス14
を充分に必要な程度に形成することができない場合に
は、インダクタンス14と直列に抵抗21を介挿するこ
とによりインダクタンスが充分でないという影響を軽減
することができる。さらに、この抵抗21はトランジス
タ12の動作を安定にするための機能をも有する。
【0020】図4は本発明の第3の実施例に係るバイア
ス回路を示すものである。IC11内にスパイラルイン
ダクタ22を設け、基板13との接続にはボンディング
ワイヤー31を用いる。基板13では伝送線路41を用
いて必要なインダクタンスを形成し、チップキャパシタ
42によりその素子値を決定している。チップキャパシ
タ42の接続する位置を変えることによって素子値の調
整を行うことができる。この場合の伝送線路41は従来
例のような4分の1波長である必要はない。
【0021】図5は本発明の第4の実施例に係るバイア
ス回路を示すものである。IC11内のインダクタンス
14として伝送線路23を用い、接続素子としてスルー
ホール32、低損失のインダクタンス16としてチップ
インダクタンス43を用いた場合の実施例である。接続
素子としてはパンプを用いた場合も同じである。また、
伝送線路23をトランジスタ12の安定化に寄与させる
場合には線路幅を細くするなどの対策を施すことにより
線路の抵抗値をあげて用いることができる。
【0022】図6は本発明の第5の実施例に係るバイア
ス回路を示すものである。IC11をパッケージ51に
実装し、このパッケージ51を基板13に実装した場合
である。パッケージ51と基板13の接続にリード34
を用いる。接続箇所が複数になった場合でも本発明によ
るインダクタンスを3分化するという思想を用いること
ができる。接続素子として側面電極を用いた場合であっ
ても同様である。
【0023】図7は本発明の第6の実施例に係るバイア
ス回路を示すものである。図4における伝送線路41に
素子値を決定するために共振特性を有する2つのキャパ
シタ44及び45を接続した場合である。一般に、キャ
パシタは周波数が高くなるほどインピーダンスが低くな
るが、共振特性を有するキャパシタは図8に示すように
所定の周波数までは容量性を有するが、共振周波数以上
の周波数では誘導性を有している。このような共振特性
を有するキャパシタを用いると、IC11側のキャパシ
タ44は所望の基本周波数では容量性を示し、高調波に
対しては誘導性を示し、インピーダンスが高くなってい
るキャパシタを用いる。電源18側のキャパシタ45は
高調波に対してインピーダンスが低くなるものを用い
る。これによって一つの回路で基本波及び高調波の両方
に対して整合する整合回路を同時に作ることができる。
【0024】図9は本発明の第7の実施例に係るバイア
ス回路を示すものである。図3の抵抗21をバイアス回
路の一部として用いた場合、この抵抗21をトランジス
タ12の安定化のために用いた場合、抵抗の後にインダ
クタンス14があることによってそちらのインピーダン
スが大きくなり抵抗特性が弱くなって回路特性が不安定
となる。このインピーダンスを補なうために、インダク
タンス14に並列に共振用のキャパシタ24を接続す
る。
【0025】キャパシタ24が設けられていない状態で
は、図10に示すように不安定となる周波数範囲が所望
の周波数と異なる場合には、抵抗分を補うためにすべて
の周波数でゲインを犠牲にして素子値を変更しなければ
ならなかった。そこで、不安定となる周波数範囲におい
てインピーダンスが低く、所望の周波数ではインピーダ
ンスが高くなる共振を持つキャパシタ24を用いること
によって、目的の周波数範囲のみを安定化できる。これ
によってゲインを犠牲にすることなく安定性を得ること
が出来る。
【0026】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によれ
ば、素子感度を落とし、電圧降下を小さくし、所望の基
本波及び高調波に対しては整合回路としても動作させる
ことができるバイアス回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るバイアス回路を示す
構成図である。
【図2】図1に示した接合素子の不整合が起きる原因を
説明する図である。
【図3】図1に示した第1実施例の具体例としての第2
実施例を示す回路図である。
【図4】図1に示した第1実施例の具体例としての第3
実施例を示す回路図である。
【図5】図1に示した第1実施例の具体例としての第4
実施例を示す回路図である。
【図6】図1に示した第1実施例の具体例としての第5
実施例を示す回路図である。
【図7】図1に示した第1実施例の具体例としての第6
実施例を示す回路図である。
【図8】図7に示した共振特性を有するキャパシタの周
波数特性を示す図である。
【図9】図1に示した第1実施例の具体例としての第7
実施例を示す回路図である。
【図10】図9に示した共振特性を有するキャパシタの
周波数特性を示す図である。
【図11】従来のバイアス回路の一例を示す回路図であ
る。
【図12】従来のバイアス回路の他の例を示す回路図で
ある。
【符号の説明】
11 IC 12 トランジスタ 13 基板 14 IC内のインダクタンス 15 接続素子のインダクタンス 16 低損失のインダクタンス 17 バイパスコンデンサ 18 直流電源 21 抵抗 22 スパイラルインダクタ 23 IC内の伝送線路 31 ボンディングワイヤー 32 スルーホール 33 パンプ 34 リード 41 基板の低損失伝送線路 42 チップインダクタ 43 キャパシタ 44 低い周波数で共振を発生するキャパシタ 45 高い周波数で共振を発生するキャパシタ 51 パッケージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴 木 康 夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平4−212512(JP,A) 特開 平4−77009(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 11/28 H01L 21/822 H01L 27/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも直流電源回路を有しかつ誘電体
    により形成された基板と、この基板上に実装されかつ所
    定の動作を行なう能動素子を備える集積回路と、前記能
    動素子を動作させる直流バイアス電力を前記直流電源回
    路から前記集積回路へ供給するため前記基板及び集積回
    路を接続する接続素子と、を備えるバイアス回路におい
    て、 前記集積回路側に設けられて、前記接続素子との不整合
    やこの素子の寄生分のインダクタンス影響を吸収する程
    度に前記基板側よりも大きな量のインダクタンスを有す
    る第1のインダクタと、 前記接続素子の構成に基づく固有の量のインダクタンス
    を有する第2のインダクタと、 前記基板側に設けられて、前記第1のインダクタのイン
    ダクタンスよりも損失の小さいインダクタンスを有する
    第3のインダクタと、 を備えることを特徴とするバイアス回路。
  2. 【請求項2】前記第3のインダクタは、前記基板側にお
    けるインダクタンスを所望の値に設定する伝送線路によ
    り構成されていることを特徴とする請求項1に記載され
    たバイアス回路。
  3. 【請求項3】前記第3のインダクタは、前記基板側のイ
    ンダクタンスを所望の値に設定すると共に、前記直流バ
    イアス電力の基本波成分及び高調波成分の何れに対して
    も整合することのできる整合回路により構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載されたバイアス回路。
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