JP3208105U - 粉粒体供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】粉粒体原料の加熱温度むらを低減できる粉粒体供給装置を提供する。【解決手段】粉粒体供給装置が、筒状のケーシング21の中央側より下方側に向かって放射状に広がる傾斜面を有する第1制限部材23と、ケーシング中央側21より放射状に広がる傾斜面を有する第2制限部材30と、制限部材23、30を上下方向に移動させる上下動装置28と、粉粒体原料を加熱する加熱手段と、を備え、第1制限部材23の外周端縁とケーシング21の内周壁面との間の隙間が供給流路の絞り部25として形成され、第2制限部材30は、第1制限部材23とケーシング21との間の隙間よりもケーシング21中央側に配置された開口部23を有し、第1制限部材23は、上下方向の移動状態にて粉粒体原料を攪拌しながら絞り部25を通過させ、第2制限部材30は、上下方向の移動状態にて粉粒体原料を攪拌しながら開口部32を通過させる。【選択図】図6
Description
本開示は、粉粒体原料を加熱しながら供給する粉粒体供給装置に関する。
従来、この種の粉粒体供給装置として様々な構成のものが知られている。例えば、従来の粉粒体供給装置では、概ね円筒状のケーシング内部に粉粒体原料として例えばペレット(樹脂ペレット)を下方に向かって通過させる供給通路を備える構成を有する(例えば、特許文献1参照)。そして、ケーシングの外周面に備えられたヒータ等の加熱手段を用いて、供給通路内を通過するペレットに対して加熱処理、あるいは加熱・乾燥処理が行われる。
この従来の粉粒体供給装置では、ケーシング内に複数の笠状部材を設けてペレットの流れを制限し、複数の笠状部材を上下動させることで、笠状部材の外周端縁とケーシングの内壁面との間の隙間を通じて、ペレットを下方向に移動させている。このような構成を採用することにより、ペレット間の相対位置やペレットと周囲の部材との間の相対位置を変化させるようにペレットを攪拌することができる。
このような構成の従来の粉粒体供給装置は、例えば射出成形装置に接続されて、射出成形装置にて求められるペレットの加熱状態、あるいは加熱・乾燥状態に応じて、粉粒体供給装置内にて通過するペレットに対する加熱処理、あるいは加熱・乾燥処理が行われる。
特許文献1の粉粒体供給装置では、複数の笠状部材の外周端縁とケーシングの内壁面との間の隙間を通じて、ペレットを下方向に移動させる構成が採用されている。そのため、一部のペレットが、ケーシングの中央付近へ移動することなく内壁面近傍を下方向へ移動し続けるおそれがある。このような場合にあっては、ケーシングの内壁面近傍を下方向へ移動し続けるペレットと、笠状部材の傾斜面上の空間を経由して下方向へ移動するペレットとの間に加熱温度むらが生じやすく、例えば、高い加熱温度での装置運転を行うことが難しくなる。
従って、本開示の目的は、上記従来の課題を解決することにあって、粉粒体原料の加熱温度むらを低減できる粉粒体供給装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本開示の粉粒体供給装置は以下のように構成する。
本開示の一の態様によれば、粉粒体原料を加熱しながら供給する粉粒体供給装置であって、上下方向に沿った粉粒体原料の供給通路を内部に有する筒状のケーシングと、ケーシング内部に配置され、ケーシング中央側より下方側に向かって放射状に広がる傾斜面を有し、傾斜面にて供給通路に沿った粉粒体原料の流れを制限する第1制限部材と、ケーシング内部に配置され、ケーシング中央側より放射状に広がる傾斜面を有し、傾斜面にて供給通路に沿った粉粒体原料の流れを制限する第2制限部材と、第1制限部材および第2制限部材を上下方向に移動させる上下動装置と、供給通路を通過する粉粒体原料を加熱する加熱手段と、を備え、第1制限部材の傾斜面の外周端縁とケーシングの内周壁面との間の隙間が供給流路の絞り部として形成され、第2制限部材は、第1制限部材とケーシングとの間の隙間よりもケーシング中央側に配置された開口部を有し、第1制限部材は、上下方向の移動の停止状態にて絞り部を通過する粉粒体原料の流れを制限し、上下方向の移動状態にて傾斜面とケーシングの内壁面との間に保持された粉粒体原料を攪拌しながら絞り部を通過させ、第2制限部材は、上下方向の移動状態にて傾斜面に保持された粉粒体原料を攪拌しながら開口部を通過させる、ものである。
本開示によれば、粉粒体原料の加熱温度むらを低減できる粉粒体供給装置を提供することができる。
本開示の第1態様の粉粒体供給装置は、粉粒体原料を加熱しながら供給する粉粒体供給装置であって、上下方向に沿った粉粒体原料の供給通路を内部に有する筒状のケーシングと、ケーシング内部に配置され、ケーシング中央側より下方側に向かって放射状に広がる傾斜面を有し、傾斜面にて供給通路に沿った粉粒体原料の流れを制限する第1制限部材と、ケーシング内部に配置され、ケーシング中央側より放射状に広がる傾斜面を有し、傾斜面にて供給通路に沿った粉粒体原料の流れを制限する第2制限部材と、第1制限部材および第2制限部材を上下方向に移動させる上下動装置と、供給通路を通過する粉粒体原料を加熱する加熱手段と、を備え、第1制限部材の傾斜面の外周端縁とケーシングの内周壁面との間の隙間が供給流路の絞り部として形成され、第2制限部材は、第1制限部材とケーシングとの間の隙間よりもケーシング中央側に配置された開口部を有し、第1制限部材は、上下方向の移動の停止状態にて絞り部を通過する粉粒体原料の流れを制限し、上下方向の移動状態にて傾斜面とケーシングの内壁面との間に保持された粉粒体原料を攪拌しながら絞り部を通過させ、第2制限部材は、上下方向の移動状態にて傾斜面に保持された粉粒体原料を攪拌しながら開口部を通過させる、ものである。
本開示の第2態様は、第1態様の粉粒体供給装置において、第2制限部材の傾斜面は、ケーシング中央側より下方側に向かって放射状に広がり、開口部は、傾斜面上に開口された貫通孔としたものである。
本開示の第3態様は、第1態様の粉粒体供給装置において、第2制限部材の傾斜面は、ケーシング中央側より上方側に向かって広がり、開口部は、傾斜面の内周側端縁により画定された貫通孔としたものである。
本開示の第4態様は、第1態様から第3態様のいずれかの粉粒体供給装置において、複数の第1制限部材と複数の第2制限部材とが、上下方向に離間して交互に配置され、ケーシング内部にて上下方向に延在するとともに複数の第1制限部材および複数の第2制限部材を支持する支持部材を備え、上下動装置は、支持部材を上下方向に移動させることにより、複数の第1制限部材および複数の第2制限部材を一体的に上下方向に移動させる、ようにしたものである。
本開示の第5態様は、第1態様から第4態様のいずれかの粉粒体供給装置において、第2制限部材の傾斜面の外周端縁とケーシングの内周壁面との間の隙間は、粉粒体原料を通過させないように設定されている、ものである。
本開示の第6態様は、第1態様から第5態様のいずれかの粉粒体供給装置において、第2制限部材の開口部は、少なくとも複数個の粉粒体原料が同時に通過できる大きさとしたものである。
本開示の第7態様は、第1態様から第6態様のいずれかの粉粒体供給装置において、第1制限部材および第2制限部材をそれぞれの中心周りに回転させる回転装置をさらに備える、ようにしたものである。
本開示の第8態様は、第7態様の粉粒体供給装置において、第1制限部材または第2制限部材は、上下方向に突出した複数の羽根部材を備える、ようにしたものである。
以下に、本開示にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
(粉粒体供給装置が射出成形装置に接続された構成)
本開示の実施の形態1にかかる粉粒体供給装置は、粉粒体原料として、例えば樹脂ペレットに対して加熱・乾燥処理(加熱処理若しくは乾燥処理、または加熱および乾燥処理)を行って供給する装置である。本実施の形態1にかかる粉粒体供給装置1は、例えば、図1に示すように、射出成形装置に接続されて使用される。以降の実施の形態の説明では、粉粒体原料がペレットである場合を例として説明する。
(粉粒体供給装置が射出成形装置に接続された構成)
本開示の実施の形態1にかかる粉粒体供給装置は、粉粒体原料として、例えば樹脂ペレットに対して加熱・乾燥処理(加熱処理若しくは乾燥処理、または加熱および乾燥処理)を行って供給する装置である。本実施の形態1にかかる粉粒体供給装置1は、例えば、図1に示すように、射出成形装置に接続されて使用される。以降の実施の形態の説明では、粉粒体原料がペレットである場合を例として説明する。
図1に示すように、粉粒体供給装置1は、導入部10と、処理部20と、排出部40とを備える。導入部10にはペレットが導入され、処理部20は導入部10の下部に接続されて、導入部10より供給されるペレットに対する加熱・乾燥処理が行われる。排出部40は、処理部20の下部に接続されるとともに射出成形装置80に接続され、処理部20より供給されたペレットを射出成形装置80へ向けて排出して供給する。導入部10、処理部20、および排出部40は、概ね上下方向に配列されるように連結されている。これにより、導入部10から排出部40にまで上下方向に連通するペレットの供給通路Pが形成されている。
射出成形装置80は、ペレットの導入口81と射出口82とを有するバレル83と、バレル83内に配置されて回転駆動されることによりペレットを溶融・混練させるスクリュー84とを備える。射出成形装置80の導入口81に、粉粒体供給装置1の排出部40が接続されている。
このように、粉粒体供給装置1と射出成形装置80とが接続されることにより、粉粒体供給装置1にて加熱・乾燥処理が行われたペレットが、排出部40を通して射出成形装置80へ供給される。射出成形装置80では、バレル83内にてスクリュー84が回転駆動されることにより、スクリュー84の軸方向にペレットが搬送され、バレル83の圧縮ゾーンにて、ペレットが圧縮されて溶融し、混練された状態となる。そして、混練された状態の樹脂原料がバレル83内にて所定量に計量され、バレル83の射出口82より射出供給される。
(粉粒体供給装置の全体構成)
次に、粉粒体供給装置1の構成について具体的に説明する。
次に、粉粒体供給装置1の構成について具体的に説明する。
図1に示すように、導入部10は、ペレット投入用のホッパ11と、処理部20の上部入口に接続され、ホッパ11より供給されるペレットを処理部20へと導く導入ケーシング12とを備える。導入ケーシング12は、上下方向に延在する円筒形状を有し、その上部にてホッパ11と接続されている。
ホッパ11と導入ケーシング12との間には、第1スライドゲート13が設けられ、第1スライドゲート13が開放状態にてホッパ11から導入ケーシング12へペレットが供給され、閉止状態にてペレットの供給が停止される。導入ケーシング12内に収容されたペレットの量を検出する第1レベル計14が設けられており、第1レベル計14により検出されたペレットの量に基づいて、第1スライドゲート13の開閉動作が制御される。導入ケーシング12には真空ポンプ(真空排気装置)15に接続されており、真空ポンプ15を用いて、供給通路P内を真空引きすることが可能となっている。
排出部40は、処理部20の下部出口に接続されとともに射出成形装置80の導入口81に接続され、処理部20より搬送されるペレットを射出成形装置80に供給する排出ケーシング41を備える。排出ケーシング41は、上下方向に延在する円筒形状を有し、その上部にて処理部20と接続されている。
処理部20と排出ケーシング41との間には第2スライドゲート42が設けられ、第2スライドゲート42が開放状態にて処理部20と排出ケーシング41とが連通してペレットが供給可能な状態となり、閉止状態にてペレットの供給が停止状態となる。排出ケーシング41内に収容されたペレットの量を検出する第2レベル計43が設けられており、第2レベル計43により検出されたペレットの量に基づいて、第2スライドゲート42の開閉動作または処理部20におけるペレットの供給動作が制御される。排出ケーシング41にはドライエア導入ライン44が接続されており、ドライエア導入ライン44を通じて供給通路P内にドライエアを供給して、ペレットの乾燥処理を促進させることが可能となっている。なお、ドライエアに代えて、窒素ガスが供給されるような場合であってもよい。また、ペレットの乾燥処理促進が必要でなければ、ドライエアや窒素ガスを供給する構成が設けられない場合であってもよい。
(処理部の構成)
ここで、粉粒体供給装置1の処理部20の縦断面図(一部側面図を含む)を図2に示す。また、図2の処理部20におけるA−A線断面矢視図(横断面図)を図3に示し、B−B線断面矢視図を図4に示し、C−C線断面矢視図を図5に示す。
ここで、粉粒体供給装置1の処理部20の縦断面図(一部側面図を含む)を図2に示す。また、図2の処理部20におけるA−A線断面矢視図(横断面図)を図3に示し、B−B線断面矢視図を図4に示し、C−C線断面矢視図を図5に示す。
図1および図2に示すように、処理部20は、導入ケーシング12の下部に接続される第1ケーシング21と、第1ケーシング21の下部と排出ケーシング41の上部に接続される第2ケーシング22とを備える。第1ケーシング21は、上下方向に延在する円筒形状を有する。第2ケーシング22は、下方に向かってその内部通路の面積が減少するように上下方向に対して傾斜した内壁面22aを有するような逆向き円錐台形の筒形状を有する。第1ケーシング21および第2ケーシング22の内部には、上下方向に沿ったペレットの供給通路Pが形成される。なお、図1では、処理部20の構成を簡略化して示している。
第1ケーシング21の内部には、供給通路Pに沿ったペレットの流れを制限する第1制限部材23および第2制限部材30が配置されている。本実施の形態1では、複数の第1制限部材23として3個の第1制限部材23と、複数の第2制限部材30として2個の第2制限部材30とが、上下方向に互いに離間した状態で配置されている。また、第1制限部材23と第2制限部材30とは、例えば、交互に配置されており、図2に示す例では、上方から順に、2個の第1制限部材23、第2制限部材30、第1制限部材23、第2制限部材30が配置されている。それぞれの第1制限部材23および第2制限部材30は、上下方向に延在するロッド24(支持部材)により中央部分にて支持されている。
第1制限部材23は、第1ケーシング21の中央側より下方側に向かって放射状に広がる傾斜面23aを有し、下方側に向かって広がる笠形状を有する部材(笠状部材)である。図2および図3に示すように、第1制限部材23の傾斜面23aの外周端縁23bと第1ケーシング21の内壁面21aとの間には環状の隙間が形成されるように、第1制限部材23の外径および第1ケーシング21の内径が設定されている。この環状の隙間が、供給通路Pの通路断面積を部分的に絞る絞り部25となっている。絞り部25の幅寸法(径方向の幅寸法)は、円周方向全体において一定の大きさに設定されている。なお、本実施の形態1では、3個の第1制限部材23は同一形状を有し、それぞれの絞り部25の大きさも同じとされている。
第2制限部材30は、第1ケーシング21の中央側より下方側に向かって放射状に広がる傾斜面30aを有し、下方側に向かって広がる笠形状を有する部材(笠状部材)である。図2および図4に示すように、第2制限部材30の傾斜面30aの外周端縁30bと第1ケーシング21の内壁面21aとの間には環状の隙間が形成されるように、第2制限部材30の外径および第1ケーシング21の内径が設定されている。この環状の隙間が、供給通路Pの通路断面積を部分的に絞る絞り部31となっている。絞り部31の幅寸法(径方向の幅寸法)は、円周方向全体において一定の大きさに設定されている。なお、本実施の形態1では、2個の第2制限部材30は同一形状を有し、それぞれの絞り部31の大きさも同じとされている。
図2および図4に示すように、第2制限部材30の傾斜面30aには、開口部として複数の貫通孔32が形成されている。本実施の形態1では、例えば円形状を有する8個の貫通孔32が、第2制限部材30の中心を中心とする同心円上に等間隔で配置されている。貫通孔32は、第1制限部材23と第1ケーシング21との間の隙間(絞り部25)よりも第1ケーシング21の中央側に配置されていればよい。本実施の形態1では、例えば、第2制限部材30の傾斜面30aにおける径方向中央付近に形成されている。
第2制限部材30の貫通孔32は、例えば、複数個のペレットが同時に通過できる大きさを有している。また、貫通孔32は、絞り部25および絞り部31の径方向の幅寸法以上の大きさを有していることが好ましい。貫通孔32は、例えばペレットの径の2倍以上の大きさに設定されることが好ましい。
第2ケーシング22の内部には、供給通路Pに沿ったペレットの流れを制限する第3制限部材26が配置されている。第3制限部材26は、水平方向に対して傾斜した傾斜面として、その中央から下方側に向かって放射状に広がる傾斜面26aを有し、下方側に向かって広がる笠形状を有する部材(笠状部材)である。第3制限部材26は、第1ケーシング21内の最下方に配置されている第2制限部材30より下方向に離間した状態で配置されている。第3制限部材26は、それぞれの第1制限部材23および第2制限部材30を支持するロッド24により中央部分にて支持されている。
図2および図5に示すように、第3制限部材26の外周端縁26bと第2ケーシング22の傾斜した内壁面22aとの間には互いに接触しない程度の僅かな環状の隙間が形成されている。この環状の隙間が、ペレットを下方側へと排出するための排出用隙間27となっている。排出用隙間27の幅寸法(径方向の幅寸法)は、円周方向全体において一定の大きさに設定されており、図2に示す状態において絞り部25および絞り部31の幅寸法よりも小さく設定されている。
第1制限部材23、第2制限部材30、および第3制限部材26を支持するロッド24は、その上部において上下動装置28(図1参照)に接続されている。上下動装置28は、ロッド24を所定のストローク(移動高さ範囲)で上下方向に進退移動させることで、それぞれの第1制限部材23、第2制限部材30、および第3制限部材26を上下方向に一体的に進退移動させる機能を有する。上下動装置28としては、例えば、エアシリンダ機構を用いることができ、また他にボールねじ機構を用いる場合であってもよい。なお、図2に示す状態では、それぞれの第1制限部材23、第2制限部材30、および第3制限部材26は、その移動範囲における下限位置に位置された状態にある。
第1ケーシング21の外壁面には、ペレットを加熱する加熱手段として、ヒータ29が設けられている。ヒータ29は、第1ケーシング21を通じて、第1ケーシング21内の供給通路Pを通過するペレットに対して伝熱加熱を行う機能を有する。
第1制限部材23の傾斜面23a、第2制限部材30の傾斜面30a、および第3制限部材26の傾斜面26aには、複数の通気孔23c、30c、26cが形成されている。それぞれの通気孔23c、30c、26cは、ペレットを通過させずに、供給通路P内へ供給されるドライエアを通過させる大きさに形成されている。すなわち、第2制限部材30において、貫通孔32の大きさ(径)は、通気孔30cの大きさ(径)よりも大きく形成されている。
本実施の形態1の粉粒体供給装置1では、第1制限部材23、第2制限部材30、および第3制限部材26は、供給通路Pに沿ったペレットの流れを制限する制限部材として機能する。すなわち、それぞれの傾斜面23a、30a、26aにより、第1ケーシング21および第2ケーシング22内を下方に向かって移動するペレットの流れが制限される。
第1制限部材23の傾斜面23a(すなわち、笠状部材の稜線)が水平方向(水平面)となす第1傾斜角θ1は、例えば、10〜80度の範囲に設定される。傾斜面23a上をペレットが滑って下方に移動するためには、第1傾斜角θ1は、取り扱われるペレットの安息角(例えば、乾燥状態のペレットにおける安息角)以上の角度に設定されることが好ましい。
同様の理由により、第2制限部材30の傾斜面30aが水平方向となす第2傾斜角θ2は、例えば、10〜80度の範囲に設定され、取り扱われるペレットの安息角以上の角度に設定される。また同様に、第3制限部材26の傾斜面26aが水平方向となす第3傾斜角θ3は、例えば、10〜80度の範囲に設定され、取り扱われるペレットの安息角以上の角度に設定される。なお、第1傾斜角θ1と第2傾斜角θ2と第3傾斜角θ3は、同じ角度に設定されてもよく、また互いに異なる角度に設定されてもよい。
第1制限部材23の絞り部25の幅寸法Q1(径方向の幅寸法)は、例えば、第1制限部材23が上下方向の下限位置に停止している状態(図2の状態)において、絞り部25をペレットが通過せず、上下方向に移動している際に絞り部25を通過してペレットが下方へ移動するような大きさに設定される。このような絞り部25の幅寸法Q1としては、例えば、ペレットの径の1.5〜3.0倍以内程度の大きさに設定されることが好ましい。なお、本実施の形態1では、第1制限部材23が上下方向の移動位置に拘わらず、絞り部25の幅寸法Q1は一定の大きさが保たれている(すなわち、移動により変化しない)。
また、第2制限部材30の絞り部31の幅寸法Q2(径方向の幅寸法)についても、第1制限部材23の絞り部25の幅寸法Q1と同様の考え方に基づいて設定されている。
第3制限部材26の排出用隙間27は、例えば、第1制限部材26および第2制限部材30が上下方向の下限位置に停止している状態(図2の状態)において、排出用隙間27をペレットが通過しないような大きさに設定される。このようにペレットが通過しない大きさとしては、例えば、ペレットの径以下の大きさに設定されることが好ましく、また、第3制限部材26の外周端縁26bと第2ケーシング22の内壁面22aとが接触しないように設定されることが好ましい。また、第3制限部材26が上方向に移動されるに従って、排出用隙間27の幅寸法は拡大され、第3制限部材26が上限位置に位置した状態にて最大寸法となる。この最大寸法は、ペレットが通過するような大きさに設定される。
(ペレットの処理方法)
このような構成を有する本実施の形態1の粉粒体供給装置1の処理部20にて、ペレットを搬送しながら加熱・乾燥処理を行う方法について、図6に示す処理部20内のペレットの流れの模式説明図を用いて説明する。なお、図6において、処理部20の左半分ではペレットの流れを矢印で示し、右半分ではペレットが充填されている(存在している)領域をハッチング模様で示している。また、図6では、ヒータ29の図示を省略している。
このような構成を有する本実施の形態1の粉粒体供給装置1の処理部20にて、ペレットを搬送しながら加熱・乾燥処理を行う方法について、図6に示す処理部20内のペレットの流れの模式説明図を用いて説明する。なお、図6において、処理部20の左半分ではペレットの流れを矢印で示し、右半分ではペレットが充填されている(存在している)領域をハッチング模様で示している。また、図6では、ヒータ29の図示を省略している。
導入部10の導入ケーシング12から処理部20の第1ケーシング21内にペレットが供給され、処理における定常状態を例として説明する。なお、図6に示す状態では、上下動装置28により上下方向に移動されるそれぞれの第1制限部材23、第2制限部材30、および第3制限部材26は、その移動範囲における下限位置に位置された状態となっている。
図6に示すように、第1ケーシング21内において、それぞれの第1制限部材23の傾斜面23aと第1ケーシング21の内壁面21aの間には、ペレットが積まれた状態にて保持されている。同様に、それぞれの第2制限部材30の傾斜面30aと第1ケーシング21の内壁面21aの間には、ペレットが積まれた状態にて保持されている。すなわち、第1ケーシング21内では、重力の作用により下方に落下しようとするペレットの流れが、それぞれの第1制限部材23の傾斜面23aおよび第2制限部材30の傾斜面30aによって制限された状態(流れが停止した状態)となっている。
第1制限部材23の外周端縁23bと第1ケーシング21の内壁面21aとの間には、ペレットが通過できる程度の隙間を有する絞り部25が設けられているが、ペレットが絞り部25を通過しない状態となっている。これは、それぞれの第1制限部材23の傾斜面23aと第1ケーシング21の内壁面21aの間に保持されたペレットのブリッジ効果によるものである。また、下段側に位置される第1制限部材23または第2制限部材30により保持されたペレットの山の頂部(上部)が上段側の第1制限部材23の絞り部25の近傍にまで達していることによっても、絞り部25を通過しようとするペレットの流れが制限される。
同様の理由により、第2制限部材30の外周端縁30bと第1ケーシング21の内壁面21aとの間には、ペレットが通過できる程度の隙間を有する絞り部31が設けられているが、ペレットが絞り部31を通過しない状態となっている。
次に、図6に示す状態から、上下動装置28によりロッド24を介してそれぞれの第1制限部材23を上方向に向けて移動させる。この移動により、それぞれの第1制限部材23の傾斜面23aにて保持されているペレットが、上方向に持ち上げられる。これにより、第1制限部材23の傾斜面23aと第1ケーシング21の内壁面21aの間に保持されたペレットは、隣接するペレット同士の位置関係が変化するように攪拌(移動)される。これにより、ペレットのブリッジ状態が破壊される。それとともに、ペレットと第1ケーシング21の内壁面21aと間の相対位置関係、およびペレットと第1制限部材23の傾斜面23aとの間の相対位置関係が変化する。その結果、第1制限部材23の傾斜面23aにて保持されているペレットは、それぞれの相対位置関係が変化されて流動しやすい状態となる。同様に、第2制限部材30の傾斜面30aに保持されているペレットについても、それぞれの相対位置関係が変化されて流動しやすい状態となる。
さらに、第1制限部材23の絞り部25の位置および第2制限部材30の絞り部31の位置が上方向に移動されるため、上段側の絞り部25または31と下段側に位置される第1制限部材23または第2制限部材30により保持されたペレットの山との間に一時的に空隙(ペレットが存在しない内空間)が生じる。その結果、上段側の第1制限部材23または第2制限部材30により保持されているペレットの一部が、絞り部25または31を通過して、下段側の第1制限部材23の傾斜面23a上の空間または第2制限部材30の傾斜面30a上の空間へと移動する。絞り部25または31を通過して下段側へと移動したペレットは、ペレットの山が安息角に達するまで第1制限部材23の傾斜面23a上または第2制限部材30の傾斜面30a上に広がりながら積もっていく。
上下動装置28によりそれぞれの第1制限部材23および第2制限部材30が上限位置にまで移動されると、下方側へと移動方向が反転され、それぞれの第1制限部材23および第2制限部材30が下限位置へ向けて移動される。この下方向へ向けての第1制限部材23および第2制限部材30の移動過程においても、ペレット同士やペレットと傾斜面23a、30aおよび内壁面21aとの間の相対位置関係が変化しながらペレットが攪拌される。
また、本実施の形態の処理部20においては、第2制限部材30の傾斜面30aにペレットを通過させる複数の貫通孔32が設けられている。第2制限部材30が上方向に移動されると、貫通孔32の下方側に一時的に空隙が生じるため、傾斜面30a上に保持されていたペレットの一部が貫通孔32を通して下方へと移動する。また、第1制限部材23と第2制限部材30とが共に上方向に移動されるため、上述したように、第1制限部材23の傾斜面23a上に保持されていたペレットが傾斜面23aに沿って下方へと移動する。これにより、下段側の第1制限部材23の傾斜面23a上に保持されていたペレットと、上段側の第2制限部材30の貫通孔32との間に一時的に空隙が生じる。そのため、第2制限部材30の傾斜面30a上に保持されていたペレットの一部が貫通孔32を通して下方へと移動し、第1制限部材23の傾斜面23aの上方の空間へと移動する。このような貫通孔32を通過するようなペレットの移動過程において、ペレット同士やペレットと傾斜面23a、30aおよび内壁面21aとの間の相対位置関係が変化しながらペレットが攪拌される。
また、第1制限部材23の傾斜面23aの第1傾斜角θ1、および第2制限部材30の傾斜面30aの第2傾斜角θ2、が、ペレットの安息角よりも大きく設定されている場合には、ブリッジ状態が破壊されたペレットに対して傾斜面23a、30a上を滑らせて下方に移動させやすくなる。
その後、それぞれの第1制限部材23および第2制限部材30が下限位置にまで到達すると下方側への移動が停止され、傾斜面23aまたは傾斜面30a上に保持されているペレットの山が安息角に達するとともに、ペレットの山の頂部が上段側の第1制限部材23の絞り部25または第2制限部材30の絞り部31の近傍にまで達する。これにより、絞り部25、31を通過しようとするペレットの流れが制限されるとともに、ペレットのブリッジ効果によりペレットの流れが停止状態となる。
また、第1制限部材23の傾斜面23a上に保持されているペレットの山の頂部が上段側の第2制限部材30の貫通孔32の近傍まで達する。これにより、貫通孔32を通過しようとするペレットの流れが制限されるとともに、ペレットのブリッジ効果によりペレットの流れが停止状態となる。
次に、第3制限部材26におけるペレットの移動について説明する。
まず、上下動装置28により第3制限部材26がその移動範囲における下限位置に位置されている状態では、第3制限部材26の外周端縁26bと第2ケーシング22の傾斜した内壁面22aとの間の排出用隙間27はペレットが通過できない大きさとなっている。 その後、上下動装置28により第3制限部材26が上方向に向けて移動されると、排出用隙間27が拡大してペレットが通過可能な大きさとなり、さらに移動方向の上限位置に達するとペレットが十分に通過可能な大きさとなる。その結果、ペレットは、排出用隙間27を通過して下方に向けて移動され、また、この移動の過程においてペレットのブリッジ状態が破壊され、ペレットが攪拌される。
上下動装置28により、第3制限部材26が下方向に反転移動されて下限位置にて停止すると、排出用隙間27はペレットが通過できない大きさとなり、ペレットの流れが制限された状態となる。
また、第3制限部材26の傾斜面26aの第3傾斜角θ3が、ペレットの安息角よりも大きく設定されている場合には、ブリッジ状態が破壊されたペレットに対して傾斜面26a上を滑らせて下方に移動させやすくなる。
このように上下動装置28により、それぞれの第1制限部材23、第2制限部材30、および第3制限部材26が上下方向に進退移動されることにより、その移動の過程にて絞り部25、31、貫通孔32、および排出用隙間27を通してペレットを下方向に向けて移動させることができる。それとともに、ペレット間の相対位置関係、ペレットと内壁面21a、22aとの間の相対位置関係、およびペレットと傾斜面23a、30a、26aとの間の相対位置関係を変化させて、ブリッジ状態を破壊しながらペレットを攪拌することができる。
特に、第2制限部材30の傾斜面30aにおいて、絞り部31よりも第1ケーシング21の中央側に配置された複数の貫通孔32を通してペレットが下方へと移動される構成が採用されている。これにより、第1ケーシング21の内壁面21a近傍に配置された絞り部25、31だけでなく、内壁面21aから離れて第1ケーシング21の中央側に配置された貫通孔32を通してもペレットを下方側へと移動させることができる。よって、第1ケーシング21内において、絞り部25、31のみを通して下方側へと移動させるような場合に比して、ペレットの攪拌性を高めることができる。
また、このように攪拌されながら下方向に向けて移動されるペレットは、第1ケーシング21の外壁面に設けられているヒータ29からの伝熱により加熱される。ペレットが攪拌され、ペレット間の相対位置などが変化されるため、ペレット同士が溶着すること、およびペレットが他の部材に固着することが抑制できる。また、上述のようにペレットの攪拌性を高めることができるため、ペレットの加熱温度むらを低減することができるとともに、ペレット加熱における伝熱性が向上する。よって、より高い加熱温度に設定することが可能となるとともに、加熱効率が向上する。
また、ペレットの搬送過程において、ドライエア導入ライン44からドライエアを供給して、第1制限部材23、第2制限部材30、および第3制限部材26の通気孔23c、30c、26cドライエアを通過させている。これにより、ペレットの乾燥処理を効果的に行うことができる。
(粉粒体供給装置全体の流れ)
次に、本実施の形態1の粉粒体供給装置1の全体的なペレットの処理方法について説明する。
次に、本実施の形態1の粉粒体供給装置1の全体的なペレットの処理方法について説明する。
まず、図1において、導入部10の導入ケーシング12内に収容されているペレットの量が、第1レベル計14により検出される。第1レベル計14により検出されたペレットの量が設定値よりも少ない場合には、第1スライドゲート13が開放され、ホッパ11より導入ケーシング12内へペレットが供給される。導入ケーシング12内のペレットの量が所定量に達したことが第1レベル計14により検知されると、第1スライドゲート13が閉止されて、ホッパ11からのペレットの供給が停止する。
導入ケーシング12内に供給されたペレットは、処理部20の第1ケーシング21内へと供給される。第1ケーシング21内では、供給されたペレットの流れが、第1制限部材23および第2制限部材30により制限されて保持される。その後、上下動装置28によりそれぞれの第1制限部材23および第2制限部材30が上下方向に移動されることにより、ペレットが攪拌されながら絞り部25、31を通過して、下段側の第1制限部材23または第2制限部材30上へと移動する。それとともに、ペレットが貫通孔32を通過して下方側へと移動する。上下動装置28によるそれぞれの第1制限部材23および第2制限部材30の上下方向の移動および停止を順次繰り返すことで、ペレットが攪拌されながら順次下段側へと移動し、第3制限部材26上へと移動する。
このようにペレットが攪拌されながら下方向へ順次移動される過程において、第1ケーシング21の外壁面に設けられたヒータ29によりペレットの加熱処理が行われる。
その後、上下動装置28により、第3制限部材26が上方向に移動されると、第3制限部材26により保持されているペレットが攪拌されながら、排出用隙間27を通過して下方向へペレットが移動される。
第1スライドゲート13および第2スライドゲート42が閉止状態において、予め真空ポンプ15による供給通路P内に対する真空引きが行われる。供給通路P内が所定の真空度に達すると、真空ポンプ15が停止する。その後、第2スライドゲート42を開放させて、ドライエア導入ライン44に設けられたバルブ45を開くとともに、真空ポンプ15の手前側に設けられたバルブ16を開き、供給通路P内にドライエアを供給するとともにバルブ16を通して供給通路P内の雰囲気を排出する。このとき、それぞれの制限部材23、30、26の通気孔23c、30c、26cをドライエアが通過することで、ペレットの乾燥処理が促進される。
開放状態の第2スライドゲート42を通じて排出ケーシング41内に供給されたペレットは、射出成形装置80内へと供給されて、加熱・乾燥処理が行われたペレットに対する射出成形が行われる。
排出ケーシング41では、第2レベル計43によりペレットの量が検出され、ペレットの量が設定値より少ない場合には、処理部20の上下動装置28によりそれぞれの制限部材23、26が上下方向に進退移動されて、ペレットが排出ケーシング41内に供給される。排出ケーシング41内のペレットの量が所定量に達すると、上下動装置28の駆動が停止されて、ペレットの供給が停止する。
このようにして、粉粒体供給装置1にて、ペレットを搬送しながら加熱・乾燥処理を行って、所定状態に処理されたペレットを供給することができる。
本実施の形態1の粉粒体供給装置1によれば、処理部20の第1ケーシング21内に複数の第1制限部材23および第2制限部材30を設けてペレットの流れを制限し、第1制限部材23および第2制限部材30を上下方向に移動させることで、絞り部25、31を通じてペレットを下方向に移動させることができる。
また、第2制限部材30の傾斜面30a上に配置された複数の貫通孔32を通してペレットが下方へと移動される構成が採用されている。これにより、第1ケーシング21の内壁面21a近傍に配置された絞り部25、31だけでなく、内壁面21aから離れて第1ケーシング21の中央側に配置された貫通孔32を通してもペレットを下方側へと移動させることができる。よって、第1ケーシング21内において、絞り部25、31のみを通して下方側へと移動させるような場合に比して、ペレットの攪拌性を高めることができる。これにより、ペレットの加熱温度むらを低減することができるとともに、ペレット加熱における伝熱性が向上し、より高い加熱温度に設定することが可能となるとともに、加熱効率を向上させることができる。
よって、粉粒体原料の固着やブリッジの発生を抑制するとともに、加熱温度むらを低減できる粉粒体供給装置を提供できる。
(実施の形態2)
次に、本開示の実施の形態2にかかる粉粒体供給装置について説明する。実施の形態2の粉粒体供給装置は、処理部の構成が実施の形態1とは異なっているため、処理部の構成の相違点についてのみ説明する。なお、実施の形態2において、実施の形態1と同じ構成については、同じ参照番号を付してその説明を省略する。
次に、本開示の実施の形態2にかかる粉粒体供給装置について説明する。実施の形態2の粉粒体供給装置は、処理部の構成が実施の形態1とは異なっているため、処理部の構成の相違点についてのみ説明する。なお、実施の形態2において、実施の形態1と同じ構成については、同じ参照番号を付してその説明を省略する。
本実施の形態2の粉粒体供給装置が備える処理部50の縦断面図(模式説明図)を図7(実施の形態1の図6に相当する図)に示し、図7におけるD−D線断面図を図8に示す。図7において、処理部の左半分ではペレットの流れを矢印で示し、右半分ではペレットが充填されている(存在している)領域をハッチング模様で示している。
本実施の形態2の処理部50は、実施の形態1の処理部20とは、第2制限部材の形態が異なる点で相違する。処理部50において、第1ケーシング21の内部には、複数の第1制限部材23と、複数の第2制限部材51と、第3制限部材26とが配置されている。
第2制限部材51は、第1ケーシング21の中央側より上方側に向かって放射状に広がる傾斜面51aを有し、上方側に向かって広がる笠形状を有する部材(逆向きの笠状部材)である。第2制限部材51は、ペレットを通過させるための開口部として、傾斜面51aの内周端縁により画定された貫通孔52を有する。すなわち、第2制限部材51の傾斜面51aの内周端縁とロッド24の外周面との間に形成された隙間が、貫通孔52となっている。第2制限部材51の貫通孔52は、実施の形態1の貫通孔32と同様に、例えば、複数個のペレットが同時に通過できる大きさを有している。
第2制限部材51の傾斜面51aの外周端縁51bと第1ケーシング21の内壁面21aとの間には、例えば、ペレットを通過させず、かつ、互いに接触しない程度の隙間が設けられている。すなわち、本実施の形態2の第2制限部材51には、ペレットを通過させるための絞り部が設けられていない。なお、第2制限部材51においても、実施の形態1と同様に絞り部が設けられるようにしてもよい。
図7に示すように、第1制限部材23と第2制限部材51とは、交互に上下方向に配置されている。下段側の第2制限部材51は、上段側の第1制限部材23に取り付け部材53を介して取り付け(吊り下げ)られている。すなわち、それぞれの第2制限部材51は、第1制限部材23を介してロッド24により支持されている。
第2制限部材51の傾斜面51aが水平方向となす第2傾斜角θ2は、例えば、10〜80度の範囲に設定され、取り扱われるペレットの安息角以上の角度に設定される。また、第2制限部材51の傾斜面51aには、通気孔51cが形成されている。
このような構成を有する処理部50では、第1制限部材23の絞り部25を通過したペレットは、第2制限部材51の傾斜面51a上にて保持される。第1制限部材23および第2制限部材51が上方側に移動されると、第2制限部材51の貫通孔52を通して下方へペレットが移動する。すなわち、処理部50において、第1ケーシング21の内壁面21a近傍に配置された絞り部25と、中央付近に配置された貫通孔52とを、交互に通過しながらペレットが下方へと移動される。したがって、絞り部のみを通過してペレットを移動させるような場合に比して、ペレットの攪拌性を高めることができる。よって、ペレットの加熱温度むらを低減することができるとともに、ペレット加熱における伝熱性を向上させることができる。
(実施の形態3)
次に、本開示の実施の形態3にかかる粉粒体供給装置について説明する。実施の形態3の粉粒体供給装置は、処理部の構成が実施の形態1とは異なっているため、処理部の構成の相違点についてのみ説明する。なお、実施の形態3において、実施の形態1と同じ構成については、同じ参照番号を付してその説明を省略する。
次に、本開示の実施の形態3にかかる粉粒体供給装置について説明する。実施の形態3の粉粒体供給装置は、処理部の構成が実施の形態1とは異なっているため、処理部の構成の相違点についてのみ説明する。なお、実施の形態3において、実施の形態1と同じ構成については、同じ参照番号を付してその説明を省略する。
本実施の形態3の粉粒体供給装置が備える処理部60の縦断面図(模式説明図)を図9に示す。図9において、処理部60内におけるペレットの流れを矢印で示している。
本実施の形態3の処理部60は、ロッド24を回転させることで、ロッド24に支持されているそれぞれの制限部材を回転させる回転装置61を備える点において、実施の形態1の処理部20と相違する。なお、処理部60において、ロッド24が支持する第1制限部材23、第2制限部材30、および第3制限部材26は、傾斜面の傾斜角度、大きさ、および設置個数が実施の形態1とは相違するものの、その構造および機能は実施の形態1と同様である。
回転装置61は、ロッド24の下端に固定されたガイド部材62と、第2ケーシング22に固定された突起部材(図示省略)とを備える。ガイド部材62には、回転方向に傾きながら上下方向に延在する形状を有する溝62aが形成されており、突起部材はこの溝62aに沿って相対移動可能に係合されている。また、ロッド24は、回転可能に設けられている。なお、突起部材は、例えば、第2ケーシング22内において、対向する内壁面22a間を渡すように設けられた部材に固定されていてもよい。
このような構成の処理部60において、上下動装置28により、ロッド24が上方向に移動されると、ガイド部材62の溝62aと突起部材とが係合しながら、溝62aに沿って相対移動する。これにより、ガイド部材62が回動され、それに伴ってロッド24を回動させる。その結果、それぞれの第1制限部材23、第2制限部材30、および第3制限部材26が、上方向に移動しながら回動される。上下動装置28により、ロッド24が下方向に移動されると、ロッド24が逆向きに回動され、それぞれの第1制限部材23、第2制限部材30、および第3制限部材26が、下方向に移動しながら逆向きに回動される。
第2制限部材30が回動されることにより、それぞれの貫通孔32も回転する。これにより、貫通孔32を通過するペレットを、第1ケーシング21の周方向にも攪拌させることが可能となる。よって、ペレットの攪拌性をさらに高めることができる。
なお、それぞれの制限部材を回転させる回転装置は、ガイド部材と突起部材とを備えるような構成に限られない。例えば、ロッド24を回転駆動させるモータを回転装置が備えるようにしてもよい。また、それぞれの制限部材を一方向に回転させる場合であってもよく、往復回転させる場合であってもよい。
また、このような上下動と回転動作とを組み合わせる処理部60において、回転動作による攪拌効果を高めるため、例えば、図10(A)の上面図、(B)の側面図に示すように、第1制限部材71の傾斜面71aに複数の羽根部材72を設けるようにしてもよい。羽根部材72は、第1制限部材71の回動によって、傾斜面71a上に保持されているペレットに対して回転方向の力を与える形態であればよく、様々な形態を採り得る。また、羽根部材が、第2制限部材に設けられる場合であってもよい。また、複数の羽根部材に代えて、複数の突起部材を第1制限部材の傾斜面に設けるようにしても、攪拌性を高めることができる。
上述の実施の形態の説明では、第2制限部材において複数の貫通孔が共通の同心円上に等間隔で配置される場合を一例として説明したが、本開示はそのような場合にのみ限られない。例えば、図11に示すように、第2制限部材73において、径の異なる2つの同心円上に複数の貫通孔74、75が配置されるような場合であってもよい。また、複数の貫通孔がランダムに配置されるような場合であってもよく、それぞれの貫通孔の形状、大きさが異なるような場合であってもよい。
また、第1制限部材と第2制限部材とが上下方向に交互に配置される場合を例として説明したが、交互配置にのみ限定されない。例えば、第2制限部材を上下方向に複数個連続して配置される場合であってもよい。
また、処理部20などにおいて、第1ケーシング21の形状は、円筒形状に限られず、多角形筒形状などが採用されてもよい。第1ケーシングの内壁面が垂直方向に沿って配置されているような場合に代えて、垂直方向に対して傾斜して設けられているような場合であってもよい。例えば、第1ケーシングを下方に向かって狭くなるような円錐台形の筒形状として、それぞれの高さ位置において、所定の大きさの絞り部が形成されるように複数の制限部材の大きさを変えて設けてもよい。また、同様に、それぞれの制限部材の平面形状は、円形に限られず、多角形状などが採用されてもよい。
また、上下動装置によるそれぞれの制限部材の上下方向の移動範囲(ストローク)は、複数の制限部材の配置間隔以内の長さでありかつペレットの1粒子分の長さ以上の範囲に設定することが好ましい。これにより、装置の高さが過大に大きくなることを抑制しながら、絞り部および貫通孔を通してそれぞれの制限部材上に保持されるペレットを下方に移動させることができる。下方に移動させるペレットの量は、ストロークの長さ、上下方向の移動時間・速度、絞り部の幅寸法などにより調整することができる。
また、複数の第1制限部材および複数の第2制限部材が上下方向に離間して配置される場合を例としたが、第1制限部材および第2制限部材がそれぞれ1個のみ設けられる場合であってもよい。また、第3制限部材が設けられない場合であってもよい。
上述の実施の形態では、ペレットを加熱する加熱手段として、第1ケーシングの外壁面に配置されたヒータが用いられる場合を例としたが、加熱手段は、供給通路を通過するペレットに対して熱を与えることができるものであればよく、その他様々な構成を採用できる。例えば、ロッドにヒータを設けるようにしてもよく、供給通路内に供給されるドライエアなどの加熱ガスを加熱ガス供給手段より供給し、加熱ガスによりペレットを加熱するようにしてもよい。また、第1ケーシングを赤外線透過部材(例えば、石英ガラス)にて構成し、外部から赤外線ヒータによりペレットを加熱してもよい。なお、第1ケーシングの外壁面に加えて、第2ケーシングの外壁面にもヒータを設けてもよい。
上述の実施の形態では、粉粒体原料として、例えば、樹脂ペレットを用いる場合を例として説明したが、粉粒体原料はペレットに限られず、粉体原料を用いる場合であってもよい。また、粉粒体原料は、樹脂材料に限られず、例えば、食品原料などであってもよい。そのため、粉粒体供給装置は射出成形装置に接続されている場合に限られない。
なお、上記様々な実施の形態のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
1:粉粒体供給装置
10:導入部
11:ホッパ
12:導入ケーシング
13:第1スライドゲート
14:第1レベル計
15:真空ポンプ
20:処理部
21:第1ケーシング、21a:内壁面
22:第2ケーシング、22a:内壁面
23:第1制限部材、23a:傾斜面、23b:外周端縁、23c:通気孔
24:ロッド
25:絞り部
26:第3制限部材、26a:傾斜面、26b:外周端縁、26c:通気孔
27:排出用隙間
28:上下動装置
29:ヒータ
30:第2制限部材、30a:傾斜面、30b:外周端縁、30c:通気孔
31:絞り部
32:貫通孔
40:排出部
41:排出ケーシング
42:第2スライドゲート
43:第2レベル計
44:ドライエア導入ライン
80:射出成形装置
P:供給通路
Q1、Q2:幅寸法
θ1:第1傾斜角、θ2:第2傾斜角、θ3:第3傾斜角
10:導入部
11:ホッパ
12:導入ケーシング
13:第1スライドゲート
14:第1レベル計
15:真空ポンプ
20:処理部
21:第1ケーシング、21a:内壁面
22:第2ケーシング、22a:内壁面
23:第1制限部材、23a:傾斜面、23b:外周端縁、23c:通気孔
24:ロッド
25:絞り部
26:第3制限部材、26a:傾斜面、26b:外周端縁、26c:通気孔
27:排出用隙間
28:上下動装置
29:ヒータ
30:第2制限部材、30a:傾斜面、30b:外周端縁、30c:通気孔
31:絞り部
32:貫通孔
40:排出部
41:排出ケーシング
42:第2スライドゲート
43:第2レベル計
44:ドライエア導入ライン
80:射出成形装置
P:供給通路
Q1、Q2:幅寸法
θ1:第1傾斜角、θ2:第2傾斜角、θ3:第3傾斜角
Claims (8)
- 粉粒体原料を加熱しながら供給する粉粒体供給装置であって、
上下方向に沿った粉粒体原料の供給通路を内部に有する筒状のケーシングと、
ケーシング内部に配置され、ケーシング中央側より下方側に向かって放射状に広がる傾斜面を有し、傾斜面にて供給通路に沿った粉粒体原料の流れを制限する第1制限部材と、
ケーシング内部に配置され、ケーシング中央側より放射状に広がる傾斜面を有し、傾斜面にて供給通路に沿った粉粒体原料の流れを制限する第2制限部材と、
第1制限部材および第2制限部材を上下方向に移動させる上下動装置と、
供給通路を通過する粉粒体原料を加熱する加熱手段と、を備え、
第1制限部材の傾斜面の外周端縁とケーシングの内壁面との間の隙間が供給流路の絞り部として形成され、
第2制限部材は、第1制限部材とケーシングとの間の隙間よりもケーシング中央側に配置された開口部を有し、
第1制限部材は、上下方向の移動の停止状態にて絞り部を通過する粉粒体原料の流れを制限し、上下方向の移動状態にて傾斜面とケーシングの内壁面との間に保持された粉粒体原料を攪拌しながら絞り部を通過させ、
第2制限部材は、上下方向の移動状態にて傾斜面に保持された粉粒体原料を攪拌しながら開口部を通過させる、粉粒体供給装置。 - 第2制限部材の傾斜面は、ケーシング中央側より下方側に向かって放射状に広がり、開口部は、傾斜面上に開口された貫通孔である、請求項1に記載の粉粒体供給装置。
- 第2制限部材の傾斜面は、ケーシング中央側より上方側に向かって広がり、開口部は、傾斜面の内周側端縁により画定された貫通孔である、請求項1に記載の粉粒体供給装置。
- 複数の第1制限部材と複数の第2制限部材とが、上下方向に離間して交互に配置され、
ケーシング内部にて上下方向に延在するとともに複数の第1制限部材および複数の第2制限部材を支持する支持部材を備え、
上下動装置は、支持部材を上下方向に移動させることにより、複数の第1制限部材および複数の第2制限部材を一体的に上下方向に移動させる、請求項1から3のいずれか1つに記載の粉粒体供給装置。 - 第2制限部材の傾斜面の外周端縁とケーシングの内周壁面との間の隙間は、粉粒体原料を通過させないように設定されている、請求項1から4のいずれか1つに記載の粉粒体供給装置。
- 第2制限部材の開口部は、少なくとも複数個の粉粒体原料が同時に通過できる大きさである、請求項1から5のいずれか1つに記載の粉粒体供給装置。
- 第1制限部材および第2制限部材をそれぞれの中心周りに回転させる回転装置をさらに備える、請求項1から6のいずれか1つに記載の粉粒体供給装置。
- 第1制限部材または第2制限部材は、上下方向に突出した複数の羽根部材を備える、請求項7に記載の粉粒体供給装置。
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