JP3207786B2 - 機械式時計 - Google Patents

機械式時計

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JP3207786B2
JP3207786B2 JP15249297A JP15249297A JP3207786B2 JP 3207786 B2 JP3207786 B2 JP 3207786B2 JP 15249297 A JP15249297 A JP 15249297A JP 15249297 A JP15249297 A JP 15249297A JP 3207786 B2 JP3207786 B2 JP 3207786B2
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紀夫 渋谷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、巻真の回転により
きち車を介してぜんまい巻き上げ機構を作動させる機械
式時計に関し、特に、きち車押さえばねによりばね力を
きち車に加えるように構成された機械式時計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の時計においては、時計のムーブメ
ント(機械体)に組み込んだ弾性部材により巻真の軸線
方向の位置決めを行っていた。例えば、特開昭50−6
0260号公報に従来の構成が開示されている。また、
他の従来の時計においては、つづみ車の外周に形成され
た溝又は突起につづみ車保持部材を嵌めて、ムーブメン
トにつづみ車を保持していた。このような構造では、巻
真をつづみ車から抜いても、つづみ車の位置が安定して
おり、巻真のつづみ車への挿入は容易であった。例え
ば、特開昭58−96270号公報に従来の構成が開示
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の時計で
は、下記の課題があった。 (1)つづみ車保持部材を用いることにより、つづみ車
の位置が安定するが、きち車を保持する部品が無いた
め、巻真をムーブメントに組み込むとき、すなわち、巻
真をきち車の穴の中に挿入するときに、きち車の位置が
安定しておらず、巻真を挿入するのが困難であった。 (2)ムーブメントの地板のきち車案内穴にきち車を組
み込んだ時計では、巻真を1段目に引き出した後で、巻
真を0段目に押し込むとき、巻真ときち車の嵌合部が突
っ張ることがあった。このような場合には、巻真を回し
ながら押し込まなければならないので、巻真の組立作業
が難しかった。もし、巻真ときち車の嵌合部が突っ張っ
た状態で、巻真を無理やり押し込むと、巻真ときち車の
嵌合部が破損する恐れがあった。
【0004】そこで、本発明の目的は、従来のこのよう
な課題を解決するため、巻真をムーブメントに挿入する
のが容易な機械式時計を提供することにある。また、本
発明の他の目的は、ムーブメントにおけるきち車の位置
が安定している機械式時計を提供することにある。さら
に、本発明の他の目的は、巻真をムーブメントに押し込
むとき、巻真ときち車の嵌合部が突っ張る恐れがほとん
ど無い機械式時計を提供することにある。また、本発明
の他の目的は、きち車押さえばねのムーブメントへの組
み込みがたやすい機械式時計を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、巻真の回転により回転可能なきち車を有
する機械式時計において、非円形穴を有するきち車と、
きち車の非円形穴に嵌め合うことができる非円形部を有
する巻真と、巻真の軸線方向に沿いかつ時計の外側に向
かって、きち車にばね力を加えるきち車押さえばねと、
きち車にかかるばね力を受けるきち車度決め部材と、き
ち車の回転により回転可能なぜんまい巻き上げ機構と、
ぜんまい巻き上げ機構の作動により巻き上げられるぜん
まいとを備えるように構成される。更に、本発明の機械
式時計では、きち車は、きち車押さえばねを受け入れる
ためのきち車押さえばね受け入れ部を有している。ま
た、本発明の機械式時計では、きち車押さえばねは、長
穴と、2つのばね度当たり部と、前記2つのばね度当た
り部を連結するように構成された2つのばね連結部と、
前記2つのばね連結部の一部であるように構成された2
つの円弧部分とを有しており、前記2つのばね度当たり
部と前記2つのばね連結部は六角形を構成しており、き
ち車押さえばねの前記2つの円弧部分が前記長穴の短径
部分に位置し、きち車のきち車押さえばね受け入れ部に
嵌め合うような寸法形状を有するように構成され、きち
車のきち車押さえばね受け入れ部は、きち車押さえばね
の前記2つの円弧部分に嵌め合うように構成されてい
る。そして、本発明の機械式時計においては、きち車押
さえばねの前記ばね度当たり部の先端に、きち車押さえ
ばねの前記ばね連結部を含む面に近づけるような方向の
力を加えると、きち車押さえばねは、この力に反発する
弾性力を生じさせるように構成され、きち車押さえばね
を機械式時計に組込むと、きち車の位置が安定するよう
に、きち車押さえばねはきち車を機械式時計の外側に向
かって付勢するように構成されている。このように構成
することにより、巻真をムーブメントに挿入するのがた
やすくなり、ムーブメントにおけるきち車の位置を安定
させることができる。また、このように構成することに
より、きち車及びきち車押さえばねのムーブメントへの
組み込みをたやすく行うことができる。
【0006】また、本発明の機械式時計においては、き
ち車度決め部材は、きち車の一部を受けるきち車度決め
部と、きち車押さえばねの一部を受けるきち車押さえば
ね度決め部とを有するのが好ましい。また、本発明の機
械式時計においては、巻真はつづみ車の角穴と嵌め合っ
ている第1の角部と、第2の角部とを有し、きち車は巻
真の第2の角部と嵌め合うことができる角穴を有し、巻
真が0段目の状態にあるときに、きち車の角穴は巻真の
第2の角部と嵌め合い、巻真が1段目の状態にあるとき
に、きち車の角穴は巻真の第2の角部と嵌め合わないよ
うに構成するのが好ましい。このように構成することに
より、巻真をムーブメントに押し込むとき、巻真ときち
車の嵌合部が突っ張る恐れを無くすことができる。
【0007】また、本発明の機械式時計においては、き
ち車はきち車押さえばねを受け入れるためのきち車押さ
えばね受け入れ部を有し、きち車押さえばねは、きち車
押さえばね受け入れ部に嵌め合うための長穴を有し、き
ち車押さえばねを位置決めするために、きち車押さえば
ねの外形部分に設けられたきち車押さえばね位置決め部
を有し、きち車押さえばねを位置決めするためのきち車
押さえばね案内部を有するきち車押さえばね案内部材を
更に備え、きち車のきち車押さえばね受け入れ部をきち
車押さえばねの長穴に嵌め込み、きち車押さえばね位置
決め部がきち車押さえばね案内部材のきち車押さえばね
案内部に組み込まれているように構成するのが好まし
い。
【0008】このように構成することにより、きち車及
びきち車押さえばねのムーブメントへの組み込みをなお
一層たやすく行うことができ、組み込み後のきち車及び
きち車押さえばねの位置を安定させることができる。ま
た、本発明の機械式時計においては、巻真が0段目にあ
る状態で、きち車は、巻真の軸線方向に、きち車押さえ
ばねのばね力に抗して、巻真の先端に向かって移動可能
に構成され、きち車の角穴と巻真の第2角部は嵌め合っ
ており、きち車が巻真の軸線方向に移動できる移動可能
量は、きち車の角穴と巻真の第2角部の嵌合部の巻真の
軸線方向嵌合長さより大きくなるように構成するのが好
ましい。 このように構成することにより、巻真をムー
ブメントに押し込むとき、巻真ときち車の嵌合部が突っ
張る恐れをほとんど無くすことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。 (1)第1の実施の形態 図1及び図2において、本発明の第1の実施の形態にお
いて、機械式時計100は、地板102及び第二地板1
04を有する。文字板108が、第二地板104のそれ
が地板102に接している側と反対側に配置される。こ
こで、時計のムーブメントにおいて、「表側部分」と
は、地板102に対して、文字板108のある側と反対
側の部分をいう。また、「裏側部分」とは、地板102
に対して、文字板108のある側の部分をいう。本発明
の第1の実施の形態においては、切換機構を構成する部
品は表側部分に組み込まれているが、切換機構を構成す
る部品を裏側部分に組み込む構成としてもよい。カレン
ダ機構(図示せず)は、裏側部分に組み込まれる。
【0010】巻真106は巻真先端部106aと、第1
角部106bと、第1円柱部106cと、第2角部10
6dと、第2円柱部106eと、第3円柱部106fと
を有する。巻真先端部106aは、地板102の巻真先
端案内穴102aに回転可能に組み込まれる。第3円柱
部106fは、地板102に案内されている。つづみ車
110が巻真106の第1角部106bに組み込まれ、
巻真106の回転により回転する。かんぬき112のつ
づみ車係合部112aがつづみ車110の環状溝部11
0aに係合し、つづみ車110を位置決めする。おしど
り114の巻真係合部114aが巻真106の第2円柱
部106eに係合する。かんぬき112の回転方向の位
置は、おしどり114の回転により決まる。かんぬき押
さえ116がおしどり114及びかんぬき112を押さ
える。かんぬき押さえ116の山形部116aがおしど
り114の位置決めピン114bに係合することによ
り、おしどり114の回転方向の位置を決める。
【0011】日の裏車118が地板102に回転可能に
組み込まれ、巻真106を2段目に引き出した状態で、
つづみ車110の甲歯110bと噛み合う。つづみ車1
10の乙歯110cは、巻真106を1段目に引き出し
た状態で、カレンダ修正車(図示せず)と噛み合う。カ
レンダ修正車が回転することにより、日車(図示せず)
及び又は曜車(図示せず)の修正を行うことができる。
なお、日車及び曜車のどちらも持たない時計において
は、巻真106を1段目に引き出した状態で、日の裏車
118がつづみ車110の甲歯110bと噛み合うよう
に、おしどり114、かんぬき112及びかんぬき押さ
え116を構成する。丸穴車120が輪列受122に回
転可能に組み込まれる。丸穴車120の回転により、角
穴車(図示せず)等を含む巻き上げ輪列(図示せず)を
介して、香箱内のぜんまい(図示せず)を巻き上げる。
【0012】図5及び図6を参照すると、きち車124
が角穴124aと、筒状部124bとを有する。筒状部
124bの基部には、歯車124dのある部分に向かっ
て外径が小さくなるようなテーパ状切り込み部124c
が設けられ、この切り込み部124cはきち車押さえば
ね受け入れ部を構成する。きち車124は丸穴車120
と噛み合い、きち車124の回転により、丸穴車120
は回転する。きち車124の角穴124aは、巻真10
6が0段目にある状態で、巻真106の第2角部106
dと係合する。従って、この状態では、巻真106が回
転すると、きち車124も同時に回転することができ
る。きち車124の角穴124aは、巻真106が1段
目及び2段目にある状態で、巻真106の第2角部10
6dから離れるように構成されている。従って、この状
態では、巻真106が回転しても、きち車124は回転
しないように構成されている。この構成は、きち車12
4、巻真106、地板102及び第二地板104をそれ
ぞれ適当な寸法形状に構成することにより、達成するこ
とができる。
【0013】ここで、本発明の第1の実施の形態におい
ては、巻真106の第2角部106dの横断面形状はほ
ぼ正方形であり、きち車124の角穴124aの形状も
ほぼ正方形であるとしたが、両者は互いに回転を伝達す
ることができる他の嵌め合うことができる非円形の形状
であるのがよい。例えば、第2角部106d及び角穴1
24aは、四角形又は六角形等の多角形であってもよい
し、円に1つ以上の面取りを付けた形状であってもよ
い。図7及び図8を参照すると、きち車押さえばね12
6が、長穴126aと、2つのばね度当たり部126b
及び126cとを有する。2つのばね度当たり部126
b及び126cは、2つのばね連結部126f及び12
6gにより連結されている。きち車押さえばね126の
2つの円弧部分126d及び126eが長穴126aの
短径部分に位置し、きち車124のきち車押さえばね受
け入れ部124cに嵌め合うような寸法形状を有するよ
うに構成されている。従って、きち車押さえばね126
は、ほぼ六角形の外形を有するリングを構成する。
【0014】きち車押さえばね126は、ステンレス
鋼、りん青銅等の弾性を有する薄板材料で形成される。
従って、図8に示すように、きち車押さえばね126の
2つのばね度当たり部126b及び126cの先端に、
2つのばね連結部126f及び126gを含む面に近づ
けるような方向の力FKBを加えると、きち車押さえば
ね126は、この力に反発する弾性力を生じさせる。図
1、図3及び図4に示すように、きち車押さえばね12
6の2つの円弧部分126d及び126eが、きち車1
24のきち車押さえばね受け入れ部124cに組み込ま
れている。図8に示すように、きち車押さえばね126
の初期の曲げ高さTKBは、図1に示す組み込んだ状態
の組み込み高さTKCより大きくなるように構成されて
いる。従って、きち車押さえばね126のばね力によ
り、きち車124を、確実にムーブメントの外方に向か
って付勢することができる。
【0015】すなわち、図1に示すように、きち車押さ
えばね126が、巻真106の軸線方向に沿いかつ時計
の外側に向かって、きち車124にばね力を加えてい
る。きち車124の外側面は、きち車押さえばね126
のばね力により、地板102のきち車度決め部102a
に押し付けられる。そして、図1に示す状態で、きち車
124を巻真106の先端106aに向かって移動させ
ると、きち車押さえばね126のばね力により、きち車
124は巻真106の先端106aと反対の方向に向か
って押し戻される。ここで、図1に示すように、巻真1
06が0段目にある状態で、きち車124は、巻真10
6の軸線方向に、きち車押さえばね126のばね力に抗
して、巻真106の先端に向かって移動可能に構成さ
れ、きち車124の角穴124aと巻真106の第2角
部106dは嵌め合っている。
【0016】きち車124が巻真106の軸線方向に移
動できる移動可能量SKJは、きち車124の角穴12
4aと巻真106の第2角部106dの嵌合部の巻真1
06の軸線方向の嵌合長さKMKより大きくなるように
構成されている。本発明の機械式時計では、あらかじ
め、きち車押さえばね126をきち車124に組み込ん
で、図3及び図4に示すような状態にしておき、このき
ち車押さえばね126付ききち車124を地板102に
組み込むことができる。従って、ムーブメントにおける
きち車の位置が安定しており、かつ、きち車及びきち車
押さえばねのムーブメントへの組み込みは大変たやす
い。以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に
おいては、きち車度決め部材は地板102で構成されて
いるが、きち車度決め部材を、第二地板104、受、裏
板等の他の部品に設けてもよい。
【0017】きち車押さえばね126のばね度当たり部
126bは、地板102のきち車押さえばね度決め部1
02bに接している。また、本発明の第1の実施の形態
100においては、きち車押さえばね度決め部102b
は地板102で構成されているが、きち車押さえばね度
決め部を、第二地板104、受、裏板等の他の部品に設
けてもよい。次に、本発明の機械式時計の第1の実施の
形態100の作用について説明する。図1及び図2に示
すように、巻真106が0段目にある状態では、きち車
124の角穴124aは巻真106の第2角部106d
と係合しており、巻真106を回転させると、きち車1
24は同時に回転する。きち車124が回転することに
より、丸穴車120は回転する。丸穴車120の回転に
より、角穴車(図示せず)等を含む巻き上げ輪列(図示
せず)を介して、香箱内のぜんまい(図示せず)を巻き
上げる。なお、ぜんまいの巻き上げは、巻真106の一
方向への回転によってのみ行うことができ、巻真106
の他方向への回転によっては行うことができないように
構成されている。
【0018】図9及び図10に示すように、巻真106
が1段目にある状態では、きち車124の角穴124a
は巻真106の第2角部106dから離れており、この
状態では、巻真106が回転しても、きち車124は回
転しない。従って、巻真106が1段目にある状態で
は、ぜんまい(図示せず)を巻き上げることはできな
い。巻真106が1段目にある状態では、巻真106の
軸線方向のすきまSKJが、きち車124の筒状部12
4bの先端と、地板102のきち車押さえばね度決め部
102bとの間に設けられている。また、巻真106の
軸線方向のすきまSKKが、きち車124の角穴124
aの外側端部と、巻真106の第2角部106dの内側
端部との間に設けられている。
【0019】図9に示す巻真106が1段目にある状態
から、巻真106を押して、図1に示す巻真106が0
段目にある状態にするとき、巻真106の第2角部10
6dの内側端部がきち車124の角穴124aの外側端
部と接触する。そして、巻真106の第2角部106d
がきち車124の角穴124aにぴったり嵌まり込まな
い場合には、巻真106の第2角部106dの内側端部
は、きち車124をムーブメントの内方に向かって押し
込む。すると、きち車押さえばね126が撓むので、き
ち車124は、ムーブメントの内方に向かって移動する
ことができる。この状態では、きち車124が巻真10
6の軸線方向に移動できる移動可能量SKJが、きち車
124の角穴124aと巻真106の第2角部106d
の嵌合部の巻真106の軸線方向の嵌合長さKMKより
大きくなるように構成されているので、きち車124の
筒状部124bの先端と、地板102のきち車押さえば
ね度決め部102bとが当たることはない。
【0020】また、きち車124が巻真106の軸線方
向に移動した状態においても、きち車124と丸穴車1
20の噛み合いは外れない。更に、この状態において、
巻真106を回転させることにより、巻真106の第2
角部106dがきち車124の角穴124aにぴったり
嵌まり込む。すると、きち車押さえばね126のばね力
により、きち車124はムーブメントの外方に向かって
押され、きち車124の外側面が地板102のきち車度
決め部102aに押し付けられる。その結果、きち車1
24は図1に示す位置になる。上記の作用は、巻真10
6をムーブメントから抜き出した後で、再び巻真106
をムーブメントに押し込むときも同様である。なぜな
ら、この場合にも、巻真106は、巻真106が1段目
にある状態から、巻真106が0段目にある状態になる
ように作動をするからである。
【0021】従って、機械式時計をこのように構成する
ことにより、巻真をムーブメントに押し込むとき、巻真
ときち車の嵌合部が突っ張る恐れはほとんど無い。ま
た、本発明の機械式時計では、巻真をムーブメントに挿
入するのが非常に容易である。そして、巻真106が1
段目にある状態では、カレンダ機構(図示せず)の修正
を行うことができる。また、巻真106が2段目にある
状態では、つづみ車110が日の裏車118と噛み合
い、針合わせを行うことができる。 (2)第2の実施の形態 次に、本発明の機械式時計の第2の実施の形態につい
て、主として、本発明の第1の実施の形態と異なる部分
について説明する。
【0022】図11及び図12において、本発明の第2
の実施の形態において、機械式時計200は、地板10
2と、第二地板104と、文字板108とを有する。図
13及び図14を参照すると、きち車押さえばね226
が長穴226aと、ばね度当たり部226bと、ばね位
置決め部226cとを有する。図11及び図12に示す
ように、きち車押さえばね226の長穴226aが、き
ち車124のきち車押さえばね受け入れ部124cに組
み込まれている。きち車押さえばね226が、巻真10
6の軸線方向に沿いかつ時計の外側に向かって、きち車
124にばね力を加えている。きち車124の外側面
は、きち車押さえばね226のばね力により、地板10
2のきち車度決め部102aに押し付けられる。
【0023】きち車押さえばね226のばね位置決め部
226cは、第二地板104のきち車押さえばね案内部
104gに組み込まれる。きち車押さえばね案内部10
4gは、例えば、第二地板104に設けられた長穴であ
る。このような構成により、きち車押さえばねのムーブ
メントへの組み込みは非常にたやすくなり、きち車押さ
えばねをムーブメントへ組み込んだ後では、きち車押さ
えばねの位置が安定する。従って、きち車押さえばねに
組み込まれているきち車の位置も安定する。本発明の機
械式時計の第2の実施の形態の上記以外の構成及び作用
は、本発明の機械式時計の第1の実施の形態とほぼ同様
である。
【0024】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、機械式
時計において、きち車にばね力を加えるきち車押さえば
ねを有する構成としたので、以下に記載する効果を有す
る。 (1)巻真をムーブメントに挿入するのがたやすくな
る。 (2)ムーブメントにおけるきち車の位置を安定させる
ことができる。 (3)巻真をムーブメントに押し込むとき、巻真ときち
車の嵌合部が突っ張る恐れを無くすことができる。 (4)きち車及びきち車押さえばねのムーブメントへの
組み込みをたやすく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】巻真が0段目にある状態における、本発明の機
械式時計の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】巻真が0段目にある状態における、本発明の機
械式時計の第1の実施の形態を示す、ムーブメントの表
側から見た平面図である。
【図3】本発明の機械式時計の第1の実施の形態のきち
車ときち車押さえばねを予備組立した状態を示す、巻真
の先端側から見た平面図である。
【図4】本発明の機械式時計の第1の実施の形態のきち
車ときち車押さえばねを予備組立した状態を示す断面図
である。
【図5】本発明の機械式時計の第1の実施の形態のきち
車を示す平面図である。
【図6】本発明の機械式時計の第1の実施の形態のきち
車を示す断面図である。
【図7】本発明の機械式時計の第1の実施の形態のきち
車押さえばねを示す平面図である。
【図8】図7のA−Aにおける、本発明の機械式時計の
第1の実施の形態のきち車押さえばねを示す断面図であ
る。
【図9】巻真が1段目にある状態における、本発明の機
械式時計の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図10】巻真が1段目にある状態における、本発明の
機械式時計の第1の実施の形態を示す、ムーブメントの
表側から見た平面図である。
【図11】巻真が0段目にある状態における、本発明の
機械式時計の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図12】図11のB−Bにおける、巻真が0段目にあ
る状態における、本発明の機械式時計の第2の実施の形
態を示す断面図である。
【図13】本発明の機械式時計の第2の実施の形態のき
ち車押さえばねを示す平面図である。
【図14】図13のC−Cにおける、本発明の機械式時
計の第2の実施の形態のきち車押さえばねを示す断面図
である。
【符号の説明】
100 機械式時計 102 地板 102a きち車度決め部 102b きち車押さえばね度決め部 104 第二地板 106 巻真 106a 巻真先端部 106b 第1角部 106c 第1円柱部 106d 第2角部 106e 第2円柱部 106f 第3円柱部 108 文字板 110 つづみ車 112 かんぬき 114 おしどり 116 かんぬき押さえ 118 日の裏車 120 丸穴車 122 輪列受 124 きち車 124a 角穴 124b 筒状部 124c 切り込み部 126 きち車押さえばね 126a 長穴 126b ばね度当たり部 200 機械式時計 226 きち車押さえばね 226a 長穴 226b ばね度当たり部 226c ばね位置決め部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋谷 紀夫 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セイコー電子工業株式会社内 (72)発明者 田中 毅 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セイコー電子工業株式会社内 (72)発明者 佐久間 勝久 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セイコー電子工業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭50−58760(JP,U) 特公 昭52−25751(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G04B 3/00 G04B 3/04 G04B 13/02 G04B 27/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻真の回転により回転可能なきち車を有
    する機械式時計において、 非円形穴を有するきち車(124)と、 前記きち車(124)の非円形穴に嵌め合うことができ
    る非円形部を有する巻真(106)と、 前記巻真(106)の軸線方向に沿いかつ時計の外側に
    向かって、前記きち車(124)にばね力を加えるきち
    車押さえばね(126)と、 前記きち車(124)にかかるばね力を受けるきち車度
    決め部材と、 前記きち車(124)の回転により回転可能なぜんまい
    巻き上げ機構と、 前記ぜんまい巻き上げ機構の作動により巻き上げられる
    ぜんまいとを備え、 前記きち車(124)は、前記きち車押さえばね(12
    6)を受け入れるためのきち車押さえばね受け入れ部
    (124c)を有し、 前記きち車押さえばね(126)は、長穴(126a)
    と、2つのばね度当たり部(126b、126c)と、
    前記2つのばね度当たり部(126b、126c)を連
    結するように構成された2つのばね連結部(126f、
    126g)と、前記2つのばね連結部(126f、12
    6g)の一部であるように構成された2つの円弧部分
    (126d、126e)とを有しており、前記2つのば
    ね度当たり部(126b、126c)と前記2つのばね
    連結部(126f、126g)は六角形を構成してお
    り、 前記きち車押さえばね(126)の前記2つの円弧部分
    (126d、126e)が前記長穴(126a)の短径
    部分に位置し、前記きち車(124)のきち車押さえば
    ね受け入れ部(124c)に嵌め合うような寸法形状を
    有するように構成され、 前記きち車(124)のきち車押さえばね受け入れ部
    (124c)は、前記きち車押さえばね(126)の前
    記2つの円弧部分(126d、126e)に嵌め合うよ
    うに構成されており、 前記きち車押さえばね(126)の前記ばね度当たり部
    (126b、126c)の先端に、前記きち車押さえば
    ね(126)の前記ばね連結部(126f、126g)
    を含む面に近づけるような方向の力を加えると、前記き
    ち車押さえばね(126)は、この力に反発する弾性力
    を生じさせるように構成され、前記きち車押さえばね
    (126)を機械式時計に組込むと、前記きち車(12
    4)の位置が安定するように、前記きち車押さえばね
    (126)は前記きち車(124)を機械式時計の外側
    に向かって付勢するように構成される、ことを特徴とす
    る機械式時計。
  2. 【請求項2】 前記きち車度決め部材は、前記きち車
    (124)の一部を受けるきち車度決め部と、前記きち
    車押さえばね(126)の一部を受けるきち車押さえば
    ね度決め部とを有することを特徴とする、請求項1に記
    載の機械式時計。
  3. 【請求項3】 前記巻真(106)はつづみ車(11
    0)の角穴と嵌め合っている第1の角部と、第2の角部
    とを有し、 前記きち車(124)は前記巻真(106)の第2の角
    部と嵌め合うことができる角穴を有し、 前記巻真(106)が0段目の状態にあるときに、前記
    きち車(124)の前記角穴は前記巻真(106)の第
    2の角部と嵌め合い、前記巻真(106)が1段目の状
    態にあるときに、前記きち車(124)の前記角穴は前
    記巻真(106)の第2の角部と嵌め合わないように構
    成されている、 ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の機械
    式時計。
  4. 【請求項4】 前記きち車(124)は前記きち車押さ
    えばね(226)を受け入れるためのきち車押さえばね
    受け入れ部を有し、 前記きち車押さえばね(226)は、前記きち車押さえ
    ばね受け入れ部に嵌め合うための長穴を有し、前記きち
    車押さえばね(226)を位置決めするために、前記き
    ち車押さえばね(226)の外形部分に設けられたきち
    車押さえばね位置決め部(226c)を有し、 前記きち車押さえばね(226)を位置決めするための
    きち車押さえばね案内部を有するきち車押さえばね案内
    部材を更に備え、 前記きち車(124)のきち車押さえばね受け入れ部を
    前記きち車押さえばね(226)の前記長穴に嵌め込
    み、 前記きち車押さえばね位置決め部がきち車押さえばね案
    内部材のきち車押さえばね案内部に組み込まれている、 ことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1
    項に記載の機械式時計。
  5. 【請求項5】 前記巻真(106)が0段目にある状態
    で、 前記きち車(124)は、前記巻真(106)の軸線方
    向に、前記きち車押さえばね(126)のばね力に抗し
    て、前記巻真(106)の先端に向かって移動可能に構
    成され、 前記きち車(124)の角穴と前記巻真(106)の第
    2角部は嵌め合っており、 前記きち車(124)が前記巻真(106)の軸線方向
    に移動できる移動可能量(SKJ)は、前記きち車(1
    24)の角穴と前記巻真(106)の第2角部の嵌合部
    の前記巻真(106)の軸線方向嵌合長さ(KMK)よ
    り大きくなるように構成されている、 ことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1
    項に記載の機械式時計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US6808829B2 (en) 2001-01-30 2004-10-26 Hitachi, Ltd. Image-display device
KR101855624B1 (ko) * 2017-09-10 2018-05-04 원철호 착용품 지지용구
KR101861967B1 (ko) 2017-07-27 2018-06-29 한인석 다기능 등판패드

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