JP3207379B2 - 送風装置とそのハウジングの成型方法 - Google Patents

送風装置とそのハウジングの成型方法

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JP3207379B2
JP3207379B2 JP26073897A JP26073897A JP3207379B2 JP 3207379 B2 JP3207379 B2 JP 3207379B2 JP 26073897 A JP26073897 A JP 26073897A JP 26073897 A JP26073897 A JP 26073897A JP 3207379 B2 JP3207379 B2 JP 3207379B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は送風装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、機器の小形化、電子化により、電
気回路の高密度実装が盛んに使用されるようになってき
た。これに伴い電子機器の発熱密度も増加するため、機
器冷却用に軸流形送風装置もしくは斜流形送風装置が使
用されている。
【0003】従来の送風装置は図19に示すように、軸
流ファン1の翼先端から間隔をあけて環状壁(エアーガ
イド)2が形成されており、モータ部3に通電した送風
状態では、軸流ファン1が軸4を中心に回転し、吸引側
から吐出側に向かう空気流5が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
送風状態においては、翼先端の背圧側において空気流の
速度が速くなり、これが圧力エネルギーに変換される翼
後縁側に翼間二次流れの影響による低エネルギー領域が
発生する。この部分は損失も大きく流れの剥離が生じ易
く、空気流がプレード面より離脱してしまい、その離脱
領域には渦発生が起き、これにより乱流騒音を増加さ
せ、騒音レベルならびに静圧−風量特性(以下、P−Q
特性と称す)が悪化する。
【0005】この現象は、特に吐出流側に流動抵抗(シ
ステムインピーダンス)がかかった場合、翼先端の漏れ
渦の発生が大きくなり、ファンとして失速状態を呈する
状態に陥る場合に頻繁に見られる。
【0006】このようなファンの特性の改善を目的とし
て、ファンの外周に設けられた環状壁の形状を工夫した
ものとしては、本発明と同一出願人の先願の特願平8−
174042号、特願平9−151450号に記載の送
風装置を提案している。
【0007】図20の(a)(b)(c)は特願平9−
151450号に記載の送風装置を示している。軸流フ
ァン1の周囲を取り巻く環状壁2として、ケーシング本
体15に環状板71 〜74 が設けられている。環状板7
1 〜74 はスペーサ13を介して積層されており、環状
板71 〜74 のうちの隣接する環状板の間にそれぞれス
リット6が形成されている。送風状態においてスリット
6から環状壁2の内部へ空気流5を吸い込み、これによ
り翼先端漏れ渦および旋回失速が生じることを抑制する
ことによってP−Q特性の向上と、静音化を図る構造が
記載されている。
【0008】また、特表平6−508319号公報や米
国特許5292088に記載の送風装置のように、軸流
ファンの外周に複数のリング体を間隔を開けて配置する
ことにより、リング体の隙間から流入した空気の渦が流
体流量を増加させるものが記載されている。
【0009】あるいは、米国特許5407324に記載
の送風装置のように、軸流ファンの外周を取り巻く環状
板(プレート)の内周部を風の方向に沿って傾斜させ、
この環状板を複数積み重ねて形成し、ハウジング内周と
外周との空気の流動を可能にする構造が記載されてい
る。
【0010】上記の何れもが、ファン外周から空気を吸
い込むことによりファンの特性を改善するものである
が、これらはファン外周部に設けられたリング体(環状
板)の構成について記載されているだけで、ファンの形
状については特に述べられておらず、特性を最大限に引
き出すためには、ファン形状についても工夫をする必要
があった。
【0011】ファンの形状については、従来からファン
の羽根をファン回転軸の同心円筒面で切断し、この円筒
面を展開し、平面状の無限直線翼列に置き換えることに
より、この翼列に航空機用などのために検討された直線
翼型系列の理論を当てはめ、性能を予測あるいは使用条
件に適した3次元形状を決定するといった手法が一般的
に用いられてきた。
【0012】しかしながら、送風装置にある程度以上の
流動抵抗が加わった状態になると、特に翼先端漏れ渦の
影響により実際の特性が計算より大きく低下するという
問題があった。
【0013】この問題に対して、ファンの翼先端部分の
形状を工夫することにより、特性改善を図ったものとし
ては、特開平6−307396号公報に記載の羽根車の
ように、羽根の外周翼先端における断面形状を前縁側に
位置して圧力面側にのみ凸状のアールを有する片面アー
ル形状と該片面アール形状部に連続する円弧形状部とを
備えて構成することにより、空力性能の向上と騒音の低
減を図るものが記載されている。
【0014】また、特開平8−121391号公報に記
載の送風機のように、羽根外周部を曲線状に折り曲げて
形成することにより、空力騒音を低くしたものが記載さ
れている。
【0015】あるいは、特開平8−284884号公報
に記載の流体機械のように、動翼の先端背側をそのチッ
プ端から一定の高さ削除して一定厚さの薄肉部を腹側に
形成することにより、チップクリアランスからの液体の
漏洩を低減して軸流送風機などの効率を向上するものな
どが見られる。
【0016】しかしながら上記のファンの形状について
の従来の技術は、外周から空気の流入がない環状壁を有
すること前提としたものであり、これらの羽根形状を、
上記のように環状壁外周から空気を吸い込む構成に適用
しても、十分な特性は発揮できないのが現状であった。
【0017】また、上記リング体の構成方法について
は、先の米国特許5407324に記載されているもの
の、量産性、強度、精度などの面で十分に満足する性能
が得られるものではなかった。
【0018】本発明は、上記特願平8−174042
号、特願平9−151450号などのように環状壁に設
けたスリットから環状壁の内部へ空気を吸い込む送風装
置について、羽根形状と、スリットを設けた環状壁の形
状とについて最適化を図り、空力性能の向上、強度の向
上、あるいは量産性の向上によるコストダウン等を実現
することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の送風装置は、上
記のような環状壁に設けたスリットからも環状壁の内部
へ空気を吸い込む送風装置であって、ファンの羽根形状
を改善するか、ハウジングの形状をより一層に改善する
か、ファンの羽根形状を改善するとともにハウジングの
形状をより一層に改善したものである。
【0020】この本発明によると、空力性能の向上、強
度の向上、あるいは量産性の向上によるコストダウン等
を実現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の送風装置は、フ
ァンの翼先端から間隔をあけて環状壁を形成し、前記環
状壁のファンの翼先端に対応する部分の環状壁には前記
の翼先端と対向する部分に環状壁の内周部と外周部を連
通するスリットを形成し、ファンの回転に伴って前記ス
リットから空気を環状壁の内周部に吸い込むように構成
するとともに、前記ファンの形状を、羽根をファン回転
軸の同心円筒面で切断した形状が翼型形状で、かつ前記
スリットから流れ込む空気流の流れに対して翼先端付近
の形状を翼型形状に形成したことを特徴とする。
【0022】請求項2に記載の送風装置は、請求項1に
おいて、ファンの翼先端付近の翼厚を翼先端にかけて徐
々に小さくしたもので、送風装置のP−Q特性の向上と
騒音の低減を実現できる。
【0023】請求項3に記載の送風装置は、請求項2に
おいて、ファンを回転軸の同心円筒面で切断した場合の
翼型について、最大厚みの位置が翼先端にいくに従っ
て、徐々に翼後縁側に後退する形にしたもので、P−Q
特性と騒音性能のより一層の向上を実現できる。
【0024】請求項4に記載の送風装置は、請求項2ま
たは請求項3において、ファンは翼先端付近の翼前進角
を、他の部分より大きくしたもので、P−Q特性と騒音
性能のより一層の向上を実現できる。
【0025】請求項5に記載の送風装置は、請求項4に
おいて、ファンの翼先端付近の翼前進角θは、環状壁外
周方向から流れ込む空気の平均流速をv、翼先端の周速
をuとした場合に、θ = tan-1( v / u
)となるように設定したもので、P−Q特性と騒音性
能のより一層の向上を実現できる。
【0026】請求項6に記載の送風装置は、請求項2〜
請求項5において、ファンの翼先端付近の翼前傾角は、
環状壁に設けられたスリットの角度と等しく設定したも
ので、P−Q特性と騒音性能のより一層の向上を実現で
きる。
【0027】請求項7に記載の送風装置は、ファンの翼
先端から間隔をあけて環状壁を形成し、前記環状壁のフ
ァンの翼先端に対応する部分の環状壁には前記の翼先端
と対向する部分に環状壁の内周部と外周部を連通するス
リットを形成し、ファンの回転に伴って前記スリットか
ら空気を環状壁の内周部に吸い込むよう構成するととも
に、前記の環状壁は、複数枚の環状板をスペーサを介し
てファン回転軸の方向に間隔をあけて積層してスリット
付きの環状壁を形成すると共に、前記複数の環状板のう
ち、ファンの運転によって発生する主空気流の最も上手
側の環状板の厚みを他の環状板より厚くしたもので、送
風装置のP−Q特性の向上と、強度とを高いレベルで両
立させることができる。
【0028】請求項8に記載の送風装置は、請求項7に
おいて、ファンの運転によって発生する主空気流の最も
上手側の環状板は、内周部の上流側の端面を前記の内周
部の厚みが薄くなるようにカットしたもので、送風装置
の特性が更に向上する。
【0029】
【0030】請求項に記載の送風装置は、ファンの翼
先端から間隔をあけて環状壁を形成し、前記環状壁のフ
ァンの翼先端に対応する部分の環状壁には前記の翼先端
と対向する部分に環状壁の内周部と外周部を連通するス
リットを形成し、ファンの回転に伴って前記スリットか
ら空気を環状壁の内周部に吸い込むよう構成するととも
に、複数枚の環状板をスペーサを介してファン回転軸の
方向に間隔をあけて積層してスリット付きの環状壁を形
成し、前記スリットの隙間の幅を、前記スペーサ付近の
部分だけ周辺より広くしたもので、スペーサの影響を打
ち消し、送風装置のP−Q特性を向上させることができ
る。
【0031】請求項10に記載の送風装置は、請求項
において、スリットの隙間の幅が周辺より広くなってい
る部分の幅は、周辺のスリットの隙間の幅と等しいかあ
るいは小さくしたもので、P−Q特性、騒音低減の効果
を最大限に発揮させることができる。
【0032】請求項11に記載の送風装置は、ファンの
翼先端から間隔をあけて環状壁を形成し、前記環状壁の
ファンの翼先端に対応する部分の環状壁には前記の翼先
端と対向する部分に環状壁の内周部と外周部を連通する
スリットを形成し、ファンの回転に伴って前記スリット
から空気を環状壁の内周部に吸い込むよう構成するとと
もに、複数枚の環状板をスペーサを介してファン回転軸
の方向に間隔をあけて積層してスリット付きの環状壁を
形成し、前記環状板のスペーサ付近外周部に、半径方向
の寸法が短くなるように切り欠き部を設けたもので、ス
ペーサの影響を打ち消し、送風装置のP−Q特性を向上
させることができる。
【0033】請求項12に記載の送風装置は、ファンの
翼先端から間隔をあけて環状壁を形成し、前記環状壁の
ファンの翼先端に対応する部分の環状壁には前記の翼先
端と対向する部分に環状壁の内周部と外周部を連通する
スリットを形成し、ファンの回転に伴って前記スリット
から空気を環状壁の内周部に吸い込むよう構成するとと
もに、複数枚の環状板をスペーサを介してファン回転軸
の方向に間隔をあけて積層してスリット付きの環状壁を
形成し、前記スペーサの本数をn(nは5以上の整数)
本として、前記n本のスペーサのうち少なくとも(n−
2)本を平行に配置したもので、ハウジングの量産性を
高め、コストを低く抑えることができる。
【0034】請求項13に記載の送風装置は、請求項
において、スリットを形成支持するスペーサのうち、
ケーシング本体の4辺中央付近のスペーサを半径方向か
ら傾けて配置したもので、送風装置の特性の低下を最小
限にしながら、量産性を高め、コストを低く抑えること
ができる。
【0035】請求項14に記載の送風装置は、請求項
において、スリットを形成支持するスペーサのうち、
ケーシング本体の4角部分のスペーサを半径方向から傾
けて配置したもので、送風装置の特性の低下を最小限に
しながら、量産性を高め、コストを低く抑えることがで
きる。
【0036】請求項15に記載の送風装置は、請求項
〜請求項14において、半径方向から傾けて配置され
ているスペーサの外径方向先端部を面取りあるいは斜め
にカットしたもので、特性を向上することができる。
【0037】請求項16に記載の送風装置は、請求項1
〜請求項6に記載の何れかのファンと、請求項6〜請求
項15に記載の何れかのハウジングとを、組み合わせて
構成したもので、特性の向上を実現できる。
【0038】請求項17に記載の送風装置は、請求項
〜請求項15の何れかに記載の送風装置のハウジング
の成形に際し、環状壁内径部とボス部を成形する上下金
型と、前記上下金型と垂直方向に正対してスライドする
1組のスライドコアによって、前記1組のスライドコア
により全周のスリットを一度に成形して、スリットを有
する環状壁と、送風装置の取付基準となるベース部と、
モータ部が固定されるボス部を単一の部品で一体に成形
するので、ハウジングの量産性を高め、コストを低く抑
えることができる。
【0039】以下、本発明の各実施の形態を図1〜図1
8に基づいて説明する。 (実施の形態1)図1の(a)(b)(c)は(実施の
形態1)の送風装置を示す。
【0040】図1の(c)に示すように、積層された環
状板71 〜75 の幅Wは軸流ファン1の軸方向の幅と同
一または略同一に設定されている。また、各スリット6
の隙間の幅wを各部の流入抵抗がほぼ等しくなるように
連続的に変化させている。
【0041】軸流ファン1が回転駆動されることによっ
て、翼先端背圧側には負の圧力が発生し、スリット外と
の気圧差により各スリットから内側に向って空気流5の
流れ込みが発生する。スリット6の隙間の幅wを適切な
値に設定することにより、各スリット6から流れ込む空
気流は層流となり、翼先端において正圧側から背圧側に
流れる漏れ渦が抑制され、背圧面での空気流の離脱が無
くなり、P−Q特性の向上、ならびに騒音低減の効果が
ある。
【0042】従来から用いられている羽根形状として
は、図2(a)に示すように回転軸の同心円筒状で切断
した断面形状が翼型を有する羽根を半径方向につなげた
形状をしている。これは従来のファンでは、空気の半径
方向の流れを無視した形での設計が行われているためで
あるが、外周から空気の流入がない環状壁を有し、か
つ、空気の流動抵抗が比較的小さい状態で使用される場
合は、計算と実際の値が大きく外れることはなかった。
また、前記より空気の流動抵抗が若干大きい状態の特性
改善を目的として、羽根の翼弦方向中心位置が回転方向
に傾いた前進翼とする手法も一般的に用いられている。
【0043】図2(a)において細線hは羽根の厚みを
示す等厚線、1点鎖線iは羽根を同心円筒面で切断した
場合の翼弦中心線、破線kは羽根を同心円筒面で切断し
た場合の最大厚みの位置を示す線である。
【0044】この従来のファンを上記環状壁にスリット
を設けたハウジング9と組み合わせて使用すると、ファ
ンの羽根上の空気流は、図2(a)の矢印rのような方
向で流れる形となる。羽根をこの空気の流れに沿った2
点鎖線a−a′で示す断面で切断したものが図2(b)
である。
【0045】図2(b)において、翼先端sの付近はあ
る程度の厚みを持たせた状態になっているために、ここ
に流れ込む空気流は翼先端面に衝突する形となり、先端
の両エッジ付近t1で空気層の剥離が発生しやすい状態
となっている。
【0046】また、羽根の性能を大きく左右する羽根の
厚みの分布は、理想的な翼型系列から大きく離れて、翼
型効果による揚力発生は期待できず、翼後縁側u2では
空気層の剥離t2が発生し易い状態となっている。
【0047】本発明の軸流ファン1の構造と比較するた
めに従来のファンをさらに詳しく説明すると、従来のフ
ァンは図3の(a)と図4に示すように構成されてい
る。従来のファンは図3の(a)に示すように羽根の各
部を同心円筒面で切断した形状が同系列の翼をつないだ
形状で、翼回転中心oを通る直線p1と翼弦中心線iの
成す角度である翼前進角θ1〜θ3はどの部分でも一定
である。
【0048】また、従来のファンの翼の各部の厚みは図
4に示すように図4の(a)に示すl−l′線、m−
m′線、n−n′線に沿う各断面が、それぞれ図4の
(b)(c)(d)に示すようになっている。
【0049】このような問題点に対して対策を行った本
発明の軸流ファン1を図3の(b)と図5〜図7に示
す。図5(a)において細線rは羽根の厚みを示す等厚
線、1点鎖線iは羽根を同心円筒面で切断した場合の翼
弦中心線、破線kは羽根を同心円筒面で切断した場合の
最大厚みの位置を示す線である。羽根を空気の流れに沿
った2点鎖線a−a′で示す断面で切断したものが図5
(b)に示すように翼型形状に成形されている。
【0050】翼前進角θ1〜θ3は図3の(b)に示す
ように、翼先端部分の前進角θ3が大きく形成されてお
り、言い換えれば、翼先端部sの部分を回転方向に折り
曲げた形状に形成されている。
【0051】翼型状は、翼先端部以外は従来とほぼ同じ
であるが翼先端sの側の厚みが徐々に薄くなるととも
に、翼の最大厚みの位置が後縁側u2に寄った状態にな
っている。u1は翼前縁側を表している。
【0052】詳しくは、図6の(a)に示すl1−l1
線、l2−l2′線、l3−l3′線、m−m′線、n−
n′線に沿う各断面が、それぞれ図6の(b)〜(f)
に示すようになっている。Fは肉厚の最大位置を表して
いる。
【0053】本発明の軸流ファン1は従来のファンと比
較して、以下のような点を改良している。まず第1に、
軸流ファン1の羽根8は翼先端部sにかけて徐々に羽根
の厚みを小さくしている。
【0054】第2に、軸流ファン1の羽根8を回転軸の
同心円筒面で切断した場合の翼型について、最大厚みの
位置Fが翼先端部sにいくに従って、徐々に翼後縁側u
2に後退する形にしている。
【0055】第3に、翼先端部sの付近の翼前進角θ3
を、他の部分より大きくしている。第4に、翼先端部s
の翼前傾角をスリットの角度に合わせて、回転軸に対し
て垂直にしている。
【0056】この形状により、図5(b)に示すよう
に、環状壁外周方向から流入した空気の流れについて
も、翼型の効果を最大限に発揮し、翼先端部ではスリッ
トから流入する空気の円滑な流れ込み、さらには翼先端
から流入した空気流についても、翼型の効果による揚力
発生、あるいは翼後縁側では空気層の剥離抑制などの効
果が得られ、スリットから流入する空気を有効に風量に
変換できるために、送風装置のP−Q特性が更に向上す
る。
【0057】なお、本実施の形態の翼先端付近の翼前進
角θ3は、下の式の条件を満たすように設定すると良
い。 θ3 = tan-1( v / u ) ここでvは環状壁外周方向から流れ込む空気の平均流
速、uは翼先端の周速である。
【0058】このように設定することで、外周から流れ
込む空気の流れは、翼先端にほぼ平行に流入する形にな
るため空気のスムーズな流入を促すことができ、P−Q
特性、騒音とも最も有利な条件となる。
【0059】また、本実施の形態の場合、環状壁2に設
けられたスリット6はファン回転軸と垂直な平面上に形
成しているが、図7のようにスリット外周部の向きを前
縁側u1では上向き(空気流5に対して上流側)、後縁
側では下向き(空気流5に対して下流側)に傾けたよう
な場合は、翼先端部分の前傾角が各部のスリット角度に
等しくなるように、翼先端各部で前傾角を連続的に変化
させることにより、空気のスムーズな流入を促すことが
でき、同様にP−Q特性を向上できる。
【0060】(実施の形態2)図8はハウジング9の別
の実施の形態を示す。軸流ファン1は(実施の形態1)
と同じである。
【0061】この(実施の形態2)のハウジング9は、
(実施の形態1)とほぼ同じであるが、最上段の環状板
5 の厚みt5が他の環状板71 〜74 より厚くなって
おり、この最上段の環状板75 の内径の上部(空気流5
に対して上流側)yを図8の(c)に示すように円弧状
にカットし、さらに環状壁内周が上側にいくほど大きく
なるテーパ状に成形していることだけが異なる。zは内
周面の上側と下側の間をテーパー面にしたことによる上
側と下側との段差を表している。
【0062】図8においてハウジング9は、モータ部が
固定される軸受支持部としてのボス部11と、送風装置
の取り付け基準となるベース部12を有し、前記ベース
部12の上部に、薄肉のリング体の4辺の直線状にカッ
トした形状の環状板71 〜7 5 を、スペーサ13を介し
て縦に連結した形状となっており、これら全てが樹脂射
出成形で一体に成形されている。
【0063】ハウジング9は、送風装置を組み立てる際
の治具、作業者の手などによる加重、また、輸送時の落
下、衝撃などの異常時の加重、さらには、機器に組み込
んだ際に常に加わる送風装置を保持するための加重など
さまざまな加重下にさらされる。この場合、最上段の環
状板75 は、外部にさらされているため、最も加重が加
わりやすい状態となっている。
【0064】一方、空力特性の面では、環状板71 〜7
5 を薄肉に成形した方が環状壁2の開口率を大きく設定
できるため、空気の流入抵抗を低くすることが可能とな
り、P−Q特性の面では有利であるが、加重に対する強
度が弱くなってしまう。そこで本実施の形態では、環状
板71 〜75 のうち最も加重が加わりやすい最上段の環
状板75 の厚みを他の環状板71 〜74 より厚くするこ
とで、加重に対する強度とP−Q特性の両立を図ってい
る。
【0065】さらに本実施の形態では、最上段の環状板
5 の内径の上部yを円弧状にカットすることで空気を
円弧面に沿って導くことにより最上段の環状板75 の厚
みを他の環状板71 〜74 より厚くした影響を少なくし
ている。
【0066】また、ハウジング9は樹脂成形品であるた
め、経時変化による寸法変化、あるいは初期からの寸法
バラツキ等を有している。ファン翼先端と環状壁内周と
の隙間は、P−Q特性を考えた場合ある程度小さい寸法
で管理する必要があるが、隙間が小さくなると、ファン
翼先端と環状壁内周が当たり、故障、初期不良などの発
生原因となる。
【0067】そこで本実施の形態では、環状壁内周がボ
ス部11から遠い環状壁上側にいくほど軸流ファン1の
翼先端との隙間が大きくなるように段差zを設けてテー
パ状に成形することによって、特にファン回転軸が傾い
た場合のファン翼先端と環状壁内周の当たりを減らしな
がら、ファン翼先端と環状壁内周の隙間を小さく保って
いる。
【0068】上記の実施の形態では、最上段の環状板7
5 の内径の上部yを円弧状にカットしているが、図9
(a)のようにC面状にカットする、あるいは図9
(b)のように多段状に成形しても同様の効果がある。
【0069】(実施の形態3)図10はハウジング9の
別の実施の形態を示す。軸流ファン1は(実施の形態
1)と同じである。
【0070】この(実施の形態3)のハウジングは、
(実施の形態2)とほぼ同じであるが、スリット6の隙
間の幅wが、環状板71 〜75 を支えるスペーサ13の
付近で一段と広くした拡張部30が形成されていること
だけが異なる。
【0071】ハウジング9の実施状態における強度を確
保するためには、スペーサ13の部分の強度が重要とな
るが、この部分の強度を確保するために、スペーサ13
を太くすると、スペーサ13がハウジング14の外周か
ら流入する空気の流れを阻害し、P−Q特性の悪化、な
らびに騒音増加などの原因となってしまう。
【0072】図11(a)は、スリット6の隙間の幅w
を、先行技術(特願平9−151450号)の条件をも
とに最適化を行ったものである。先行技術(特願平9−
151450号)では、スリット6の隙間の幅wを、ス
リット6の半径方向長さLをパラメータとして w3 / L = 一定 の条件をもとに最適化が行われているが、スペーサ13
の部分の影響は全く考慮されていない。スペーサ13か
ら離れた部分の空気の流入量は、前記条件によりほぼ一
定に保たれているが、スペーサ13の付近ではスペーサ
13の影響を受け、空気の流入量が低下する状態となっ
ている。
【0073】図11(b)は、スリット6の隙間の幅w
を、前記の拡張部30を設けてスペーサ13の付近だけ
先行技術(特願平9−151450号)の条件より広く
設定した場合を示している。
【0074】本実施の形態では、空気の流入量分布を図
11(b)に示すように、スペーサ13の部分で落ち込
む分の流量を、スペーサ13の付近の流量が大きくなっ
ている部分31,32で補う形になるように設定してい
る。
【0075】この構成により、スペーサ13による流入
抵抗の影響を打ち消し、送風装置のP−Q特性を最大限
に引き出し、騒音も低減することができる。しかしなが
ら、上記のようにスペーサ13の付近に流量が大きい部
分を設けた場合は、特に軸流ファン1の翼先端付近で、
急激なエネルギー変化を生じるため、羽根が共振し高周
波の騒音を発生する場合がある。また、環状板71 〜7
5 の厚みが部分的に薄くなるために強度が低下するなど
の欠点もある。したがって、実際には、P−Q特性と騒
音と強度などのバランスを考え、両者の中間で設定する
ことにより、これらを高いレベルで両立した送風装置を
提供することができる。なお、スリット6の隙間の幅w
を広く設定した拡張部30のスペーサ厚み方向の幅a
は、周辺のスリット6の隙間の幅wと等しいか、あるい
は小さくなくてはならない。この寸法aを大きくし過ぎ
ると、この部分の空気の流れが乱流となってしまい、P
−Q特性の向上、騒音の低減などの効果がかえって低下
してしまう。
【0076】また、本発明では環状板の厚みが薄くなる
部分ができるために強度が低下することは既に述べた
が、図10および図11(b)に示したように、拡張部
30の内周面を円弧状にしたため、スペーサと環状板の
繋ぎ目部分に加重が加わった場合の応力集中を緩和する
ことができ、強度(特に破壊強度)を向上できる。
【0077】(実施の形態4)本実施の形態は(実施の
形態3)とは別の構造でスペーサ13の部分の影響を打
ち消すものである。軸流ファン1は(実施の形態1)と
同じである。
【0078】図12は(実施の形態4)のハウジング9
を示す。この実施の形態のハウジング9は、スペーサ1
3の付近において環状板71 〜75 の半径方向の寸法が
短くなるように切り欠き部33を設けていることだけが
(実施の形態2)とは異なっている。
【0079】この構成により、切り欠き部33の寸法を
適正に設定することで、(実施の形態3)と同様に、ス
ペーサ13による流入抵抗の影響を打ち消し、送風装置
のP−Q特性を最大限に引き出すことができる。
【0080】また、本実施の形態のハウジング9の形状
は、スリット6の隙間の幅については、(実施の形態
3)のような急激な変化をもたず、環状板71 〜75
外周形状のみで対応できるため、成形が比較的容易で量
産に適した構成である。
【0081】なお、図12のハウジングでは、環状板7
1 〜75 の外周部のみに切り欠き部33が設けられてい
るが、図13に示すハウジング9のようにスペーサ13
の外周側を含めて切り欠き部34とした場合、強度の面
で若干は不利になるものの、全く同様の効果がある。
【0082】(実施の形態5)上記の(実施の形態1)
〜(実施の形態4)は、送風装置の特性を高めることを
目的とするものであるが、この(実施の形態5)は特性
としては、若干低下するものの、特性の低下を最小限に
抑えつつ、量産性を高め、部品コストを引き下げること
により、コストパフォーマンスの優れた送風装置を提供
することを目的としている。
【0083】図14(a)(b)(c)は(実施の形態
5)の送風装置のハウジング9を示している。軸流ファ
ン1は(実施の形態1)と同じである。この(実施の形
態5)のハウジング9は、スペーサの形状だけが(実施
の形態2)とは若干異なっており、(実施の形態2)で
スペーサ13と表示されたものが図14ではスペーサ1
8a,18bとして表示されている。
【0084】図14においてスペーサは合計8ヶ所に形
成されており、そのうちベース4角方向4ヶ所のスペー
サ18aはボスに対し半径方向に取り付けられており、
4辺部分のスペーサ18bは半径方向に対して45°傾
いて取り付けられ、前記8ヶ所のうち6ヶ所のスペーサ
が互いに平行に配置されている。
【0085】このようにスペーサ18a,18bを配置
することにより、このハウジング9の成形は、図15に
示すような上下金型19,20と2個のスライドコア2
1,21という比較的単純な構成で成形が可能である。
このような金型構成は、送風装置のハウジングを成形す
る方法としては、非常に一般的な構成であり、量産性に
優れた形状である。
【0086】一方、スペーサを全て半径方向に配置した
(実施の形態2)の場合の成形の金型構造としては、図
16に示すように最低でも上下金型19,20と4個の
スライドコア21,21,21,21という構成が必要
となる。このような複雑な構成の金型は、金型のコスト
そのものが非常に高くつくと同時に、金型の基本サイズ
が大きくなってしまうために設備が大きくなる、あるい
は、同一設備を使用した場合の取り数が少なくなるなど
の原因となり、量産性が悪いと同時に、ハウジングの製
造コストも高くなってしまう。
【0087】なお、送風状態では環状壁外周部から流入
する空気の流れはほぼ半径方向の流れとなるため、スペ
ーサが半径方向に対して傾いて配置されると、空気の流
れを塞ぐ形になり、特性悪化の要因となる。しかしなが
らこの(実施の形態5)では、傾いて配置されるスペー
サを半径方向の長さが短い4辺部に配置することにより
スペーサが短くて済み、スペーサが傾いていることの影
響を小さく抑えることができる。
【0088】さらに、図14(c)に示しているよう
に、ハウジングの4辺部分のスペーサ18aの外周側に
35で示すように面取り状にカットした場合には、空気
の流入抵抗の増加は最小限に留まり、P−Q特性の低
下、騒音の増加を最小限に抑えることができる。
【0089】(実施の形態6)図17(a)(b)
(c)は(実施の形態6)の送風装置のハウジング9を
示している。軸流ファン1は(実施の形態1)と同じで
ある。
【0090】この(実施の形態6)のハウジング9は、
スペーサの形状だけが(実施の形態5)とは若干異なっ
ており、(実施の形態5)でスペーサ18a,18bと
表示されたものが図17ではスペーサ23a,23bと
して表示されている。
【0091】図17においてスペーサは合計8ヶ所に形
成されており、4角部の4本のスペーサ23aを半径方
向に対して傾けて設けられている。この場合も実施の形
態5)の同様に、図18に示すような上下金型19,2
0と2ヶのスライドコア21,21という比較的単純な
構成の金型で成形が可能である。
【0092】この場合、半径方向に対して傾いているス
ペーサ23aが半径方向の長さが長い4角に配置される
形になってしまい空気の流れを塞ぐ形になるものの、4
辺部分のスリット6の隙間の幅を絞り込むのが比較的容
易で、全周にわたる流入抵抗の変化を比較的小さく抑え
ることができ、トータルの性能としては(実施の形態
5)のハウジング9と遜色ない性能と、コストを実現で
きる。
【0093】さらに、図17(c)に示しているように
ハウジング9の4角部分のスペーサ23aの外周側を3
6で示すように斜めにカットした場合、空気の流入抵抗
の増加は最小限に留まり、P−Q特性の低下、騒音の増
加を最小限に抑えることができる。
【0094】(実施の形態5)と(実施の形態6)で
は、2つのハウジング形状を例に挙げて説明したが、n
(nは5以上の整数)本のスペーサの内、少なくとも
(n−2)本が平行になるように配置することで、上下
金型19,20と2個のスライドコア21,21という
比較的単純な構成の金型で成形が可能となり、量産性に
優れ、製造コストを低く抑えたハウジングを提供でき、
その結果コストパファーマンスに優れた送風装置を提供
することができる。
【0095】上記の各実施の形態では、樹脂射出成形の
場合を例に挙げているが、金属ダイカスト成形などの場
合も同様の金型構造で成形が可能である。上記の各実施
の形態では、羽根をファン回転軸の同心円筒面で切断し
た形状が翼型形状で、かつ前記スリットから流れ込む空
気流の流れに対して翼先端付近の形状を翼型形状に形成
したファンと、それぞれのハウジングとの組み合わせで
送風装置を構成したが、各実施の形態のハウジングと従
来の形状のファンとの組み合わせによっても、好適な実
施の形態には比べて劣るものの改善を期待できる。
【0096】
【発明の効果】以上のように本発明によると、各請求項
に記載のように、環状壁に設けたスリットから環状壁の
内部へ空気を吸い込む送風装置であって、ファンの羽根
形状を改善するか、ハウジングの形状をより一層に改善
するか、ファンの羽根形状とハウジングの形状を改善し
たものであって、空力性能の向上、強度の向上、あるい
は量産性の向上によるコストダウン等を実現できるもの
である。また、本発明のハウジングの成型方法による
と、環状壁内径部とボス部を成形する上下金型と、前記
上下金型と垂直方向に正対してスライドする1組のスラ
イドコアによって、前記1組のスライドコアにより全周
のスリットを一度に成形して、スリットを有する環状壁
と、送風装置の取付基準となるベース部と、モータ部が
固定されるボス部を単一の部品で一体に成形することに
よって、ハウジングの量産性を高めコストダウンが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(実施の形態1)の送風装置の側面図と正面図
および断面図
【図2】従来から用いられているファンの等厚線図と断
面図
【図3】従来の羽根形状と本発明の羽根形状の説明図
【図4】従来のファンの正面図と翼の各部の厚みを示す
断面図
【図5】(実施の形態1)の送風装置の等厚線図と断面
【図6】(実施の形態1)のファンの正面図と翼の各部
の厚みを示す断面図
【図7】(実施の形態1)のスリットと羽根の関係を示
した断面図
【図8】(実施の形態2)におけるハウジングの側面図
と正面図および断面図
【図9】(実施の形態2)の別の例を示すハウジングの
断面図
【図10】(実施の形態3)のハウジングの側面図と正
面図
【図11】同実施の形態のスリット内の空気流れを先行
技術と比較した図
【図12】(実施の形態4)のハウジングの側面図と正
面図
【図13】同実施の形態の別の例を示すハウジングの側
面図と正面図
【図14】(実施の形態5)のハウジングの側面図と正
面図およびスペーサ部の詳細断面図
【図15】(実施の形態5)の金型構成を示した半断面
斜視図および立面図
【図16】(実施の形態2)のハウジングを成形する際
の金型の構造図
【図17】(実施の形態6)のハウジングの側面図と正
面図およびスペーサ部詳細図
【図18】同実施の形態の金型構成を示した半断面斜視
図および立面図
【図19】従来の送風装置を示す断面図
【図20】先行技術のスリット付送風装置の正面図と側
面図および断面図
【符号の説明】
1 軸流ファン 2 環状壁 5 空気流 6 スリット 71 〜75 環状板 9 ハウジング 11 ボス部〔軸受支持部〕 12 ベース部 13 スペーサ 19 上金型 20 下金型 21 スライドコア 30 拡張部 33 切り欠き部 34 切り欠き部 s 翼先端 u2 翼後縁側 o 翼回転中心 i 翼弦中心線 θ1〜θ3 翼前進角

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ファンの翼先端から間隔をあけて環状壁を
    形成し、前記環状壁のファンの翼先端に対応する部分の
    環状壁には前記の翼先端と対向する部分に環状壁の内周
    部と外周部を連通するスリットを形成し、ファンの回転
    に伴って前記スリットから空気を環状壁の内周部に吸い
    込むように構成するとともに、前記ファンの形状を、羽
    根をファン回転軸の同心円筒面で切断した形状が翼型形
    状で、かつ前記スリットから流れ込む空気流の流れに対
    して翼先端付近の形状を翼型形状に形成した送風装置。
  2. 【請求項2】ファンの翼先端の付近の翼厚を翼先端にか
    けて徐々に小さくした請求項1記載の送風装置。
  3. 【請求項3】ファンを回転軸の同心円筒面で切断した場
    合の翼型について、最大厚みの位置が翼先端にいくに従
    って徐々に翼後縁側に後退する形に形成した請求項2記
    載の送風装置。
  4. 【請求項4】ファンは翼先端付近の翼前進角を、他の部
    分より大きくした請求項2または請求項3記載の送風装
    置。
  5. 【請求項5】ファンの翼先端付近の翼前進角θは、環状
    壁外周方向から流れ込む空気の平均流速をv、翼先端の
    周速をuとした場合 θ = tan-1( v / u ) となるように設定した請求項4記載の送風装置。
  6. 【請求項6】ファンの翼先端付近の翼前傾角は、環状壁
    に設けられたスリットの角度と等しく設定した請求項2
    〜請求項5の何れかに記載の送風装置。
  7. 【請求項7】ファンの翼先端から間隔をあけて環状壁を
    形成し、前記環状壁のファンの翼先端に対応する部分の
    環状壁には前記の翼先端と対向する部分に環状壁の内周
    部と外周部を連通するスリットを形成し、ファンの回転
    に伴って前記スリットから空気を環状壁の内周部に吸い
    込むよう構成するとともに、前記の環状壁は、複数枚の
    環状板をスペーサを介してファン回転軸の方向に間隔を
    あけて積層してスリット付きの環状壁を形成すると共
    に、前記複数の環状板のうち、ファンの運転によって発
    生する主空気流の最も上手側の環状板の厚みを他の環状
    板より厚くした送風装置。
  8. 【請求項8】ファンの運転によって発生する主空気流の
    最も上手側の環状板は、内周部の上流側の端面を前記の
    内周部の厚みが薄くなるようにカットした請求項7記載
    の送風装置。
  9. 【請求項9】ファンの翼先端から間隔をあけて環状壁を
    形成し、前記環状壁のファンの翼先端に対応する部分の
    環状壁には前記の翼先端と対向する部分に環状壁の内周
    部と外周部を連通するスリットを形成し、ファンの回転
    に伴って前記スリットから空気を環状壁の内周部に吸い
    込むよう構成するとともに、複数枚の環状板をスペーサ
    を介してファン回転軸の方向に間隔をあけて積層してス
    リット付きの環状壁を形成し、前記スリットの隙間の幅
    を、前記スペーサ付近の部分だけ周辺より広くした送風
    装置。
  10. 【請求項10】スリットの隙間の幅が周辺より広くなっ
    ている部分の幅は、周辺のスリットの隙間の幅と等しい
    かあるいは小さくした請求項9記載の送風装置。
  11. 【請求項11】ファンの翼先端から間隔をあけて環状壁
    を形成し、前記環状壁のファンの翼先端に対応する部分
    の環状壁には前記の翼先端と対向する部分に環状壁の内
    周部と外周部を連通するスリットを形成し、ファンの回
    転に伴って前記スリットから空気を環状壁の内周部に吸
    い込むよう構成するとともに、複数枚の環状板をスペー
    サを介してファン回転軸の方向に間隔をあけて積層して
    スリット付きの環状壁を形成し、前記環状板のスペーサ
    付近外周部に、半径方向の寸法が短くなるように 切り欠
    き部を設けた送風装置。
  12. 【請求項12】ファンの翼先端から間隔をあけて環状壁
    を形成し、前記環状壁のファンの翼先端に対応する部分
    の環状壁には前記の翼先端と対向する部分に環状壁の内
    周部と外周部を連通するスリットを形成し、ファンの回
    転に伴って前記スリットから空気を環状壁の内周部に吸
    い込むよう構成するとともに、複数枚の環状板をスペー
    サを介してファン回転軸の方向に間隔をあけて積層して
    スリット付きの環状壁を形成し、前記スペーサの本数を
    n(nは5以上の整数)本として、前記n本のスペーサ
    のうち少なくとも(n−2)本を平行に配置した送風装
    置。
  13. 【請求項13】スリットを形成支持するスペーサのう
    ち、ケーシング本体の4辺中央付近のスペーサを半径方
    向から傾けて配置した請求項12記載の送風装置。
  14. 【請求項14】スリットを形成支持するスペーサのう
    ち、ケーシング本体の4角部分のスペーサを半径方向か
    ら傾けて配置した請求項12記載の送風装置。
  15. 【請求項15】半径方向から傾けて配置されているスペ
    ーサの外径方向先端部を面取りあるいは斜めにカットし
    た請求項12〜請求項14の何れかに記載の送風装置。
  16. 【請求項16】請求項1〜請求項6に記載の何れかのフ
    ァンと、請求項7〜請求項15に記載の何れかのハウジ
    ングとを、組み合わせて構成した送風装置。
  17. 【請求項17】請求項12〜請求項15の何れかに記載
    の送風装置のハウジングの成形に際し、環状壁内径部と
    ボス部を成形する上下金型と、前記上下金型と垂直方向
    に正対してスライドする1組のスライドコアによって、
    前記1組のスライドコアにより全周のスリットを一度に
    成形して、スリットを有する環状壁と、送風装置の取付
    基準となるベース部と、モータ部が固定されるボス部を
    単一の部品で一体に成形する送風装置のハウジングの成
    型方法。
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