JP3207055U - 衣服 - Google Patents

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Abstract

【課題】装着者の個人ごとに存在する多様な体型パターンに対して柔軟に対応でき、装着者の身体に対して、より全体的にフィットし易い衣服を提供する。【解決手段】装着者が着用する衣服本体12と、衣服本体のサイズを装着者の体型に合わせるサイズ調整部4を有する衣服において、サイズ調整部は互いに前後方向に離間した態様で衣服本体に設けられる一対の紐通しを有し、紐通しは、縦方向に列設されてなる一対の紐通し列と、紐通しに通されつつ一対の紐通し列どうしを引き寄せ可能な引き紐9とを含む。サイズ調整部は、着用者の胴側部を覆う衣服本体の胴側領域14に配置される。【選択図】図1

Description

本考案は、サイズを装着者の体型に合わせるためのサイズ調整機能を有する衣服に関する。
従来、このような衣服として、下記の特許文献1に記された発明が知られている。この特許文献1に記された衣服は、前身頃の後端と後身頃の前端とが上下向きファスナーによって着脱自在に連結できるように構成し、さらに、この上下向きファスナーと連結可能な第2のファスナーを前端と後端に備えた脇まちが別に用意されている。したがって、前身頃と後身頃の間にファスナーで脇まちを介装させれば大きめのサイズが得られ、他方、脇まちを用いずに前身頃と後身頃を直接ファスナーで連結すれば小さめのサイズが得られるため、簡単にサイズ調整が可能とされている。
実開平7−38112号公報(0004段落、図1)
装着者の体型、例えば胴囲を例に、より現実に即して考えると、単に個人ごとに胴囲の大小という違いがあるだけではなく、例えば、ウェスト付近での胴囲は平均より小さいが、アンダーウェスト付近での胴囲は平均より大きいという例や、その逆の例など、個人ごとに多様なパターンが存在する。ところが、特許文献1に記されたサイズ調整部では、一定の形状の脇まちを適用するかしないかの選択しかないため、上記の個人ごとに存在する多様な体型パターンには対応できず、装着者の体型に部分的にしかフィットしないという不都合が生じ易かった。
そこで、本考案は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、装着者の個人ごとの多様な体型パターンに対して柔軟に対応できて、その結果、装着者の身体に対して、より全体的にフィットし易い衣服を提供することにある。
請求項1の考案は、装着者が着用する衣服本体と、前記衣服本体のサイズを前記装着者の体型に合わせるサイズ調整機能を有する衣服において、互いに前後方向に離間した態様で前記衣服本体に設けられる一対の紐通しが、縦方向に列設されてなる一対の紐通し列と、前記紐通しに通されつつ前記一対の紐通し列どうしを引き寄せ可能な引き紐とを含むサイズ調整部を備え、前記サイズ調整部が、前記装着者の胴側部を覆う前記衣服本体の胴側領域に配置される、衣服である。
請求項2の考案は、請求項1に記載の衣服において、前記サイズ調整部が、前記装着者の袖側部を覆う前記衣服本体の袖側領域にも配置されることを特徴とする。
請求項3の考案は、請求項1又は2に記載の衣服において、前記サイズ調整部は、前後方向に蛇行しつつ縦方向に延びる1本の紐であって、前記紐で形成される前後一対の折り返し部のうち一方の折り返し部が前記衣服本体の表地から露出した態様で前記衣服本体に縫い付けられる蛇行紐を含み、前記紐通しの各々は、前記露出した前記一方の折り返し部と前記衣服本体の表地との隙間よりなることを特徴とする。
請求項4の考案は、請求項1又は2に記載の衣服において、前記紐通しの各々は、前記衣服本体に固定される紐で形成されるループよりなることを特徴とする。
請求項5の考案は、請求項1から4のいずれか一項に記載の衣服において、前記衣服本体と前記装着者との間に配置されて前記装着者の下半身を囲繞する布材であり、その下端近傍が前記衣服本体の下端近傍に固定され、その上端近傍が前記衣服本体内の所定位置に着脱自在に係止されるペチコート布材を含み、前記ペチコート布材を介して、前記衣服本体の裾上げを可能とすることを特徴とする。
請求項6の考案は、請求項5記載の衣服において、前記ペチコート布材の上端近傍を、前記衣服本体内の所定位置に着脱自在に係止させる係止部材を含むことを特徴とする。
本考案による衣服によれば、装着者が着用する衣服本体と、前記衣服本体のサイズを前記装着者の体型に合わせるサイズ調整機能を有する衣服において、互いに前後方向に離間した態様で前記衣服本体に設けられる一対の紐通しが、縦方向に列設されてなる一対の紐通し列と、前記紐通しに通されつつ前記一対の紐通し列どうしを引き寄せ可能な引き紐とを含むサイズ調整部を備え、前記サイズ調整部が、前記装着者の胴側部を覆う前記衣服本体の胴側領域に配置される。したがって、例えば着用時にアシスタント等が、引き紐の両端を左右の手で持って引き絞るという簡単な操作によって胴周りのサイズを調整でき、しかも、縦方向に並んだ多数の紐通し対ごとに引き寄せ量を自由に設定できるので、装着者の胴囲の千差万別のパターンに対して柔軟に適応でき、その結果、個々の装着者ごとに異なる様々な体型に全体的にフィットし易くなる。
また、本考案によるサイズ調整機能付き衣服では、サイズ調整部が、装着者の胴側部を覆う前記衣服本体の胴側領域に配置されるので、サイズ調整部が背面に設けられた衣服と比べて、装着した時にサイズ調整部が目立ち難い。
さらに、例えばサイズ調整部を背面に設けた衣服では、衣服着脱用のファスナーを背面に設けることができないため、衣服の着脱が煩雑となるが、本考案による衣服では、サイズ調整部が、衣服本体の胴側領域に設けてあるので、胴部の背面にファスナーを設けることができ、衣服の着脱が容易になる。
また、前記サイズ調整部が、前記装着者の袖側部を覆う前記衣服本体の袖側領域にも配置される構成としておけば、衣服本体の袖囲の調整も可能となるため、個々の装着者の身体に対してより全体的にフィットし易くなる。
また、前記サイズ調整部は、前後方向に蛇行しつつ縦方向に延びる1本の紐であって、前記紐で形成される前後一対の折り返し部のうち一方の折り返し部が前記衣服本体の表地から露出した態様で前記衣服本体に縫い付けられる蛇行紐を含み、前記紐通しの各々は、前記露出した前記一方の折り返し部と前記衣服本体の表地との隙間よりなる構成とすれば、例えば蛇行紐の色を衣服の生地に近い色にすること等により紐通し並びに紐通し列が目立たず自然な風合の衣服に仕立てることが可能となる。また、紐通しの各々及び紐通し列を、一本の紐を利用して形成することができるので、一部の紐通しが衣服本体から取れ難くなり、丈夫な、紐通し及び紐通し列を形成できる。
前記紐通しの各々は、前記衣服本体に固定される紐で形成されるループよりなる構成であるから、固定するのに手間は係るものの、例えば紐を固定する衣服本体の箇所に応じてループの形状や大きさ或いはループ間の間隔を選択することができる等、縫製時の利便性が高まる。
また、前記衣服本体と前記装着者との間に配置されて前記装着者の下半身を囲繞する布材であり、その下端近傍が前記衣服本体の下端近傍に固定され、その上端近傍が前記衣服本体内の所定位置に着脱自在に係止されるペチコート布材を含み、前記ペチコート布材を介して、前記衣服本体の裾上げを可能とする構成とすれば、衣服本体の裾上げを行う際に、ペチコート布材の上端近傍を前記所定位置から外し、ペチコート布材を衣服本体の下端側から引き出し、ペチコート布材を衣服本体の略下端に沿って反転させ、衣服本体の表面をペチコート布材で被覆した状態で、前記下端と略平行で、前記下端から所定寸法分上がった裾上げ線に沿ってペチコート布材と衣服本体とを縫い付け、再びペチコート布材の上端近傍を衣服本体の前記所定位置に係止させることで、ペチコート布材を利用して容易に衣服本体の裾上げを行うことが可能な衣服を提供できる。
また、前記ペチコート布材の上端近傍を、前記衣服本体内の所定位置に着脱自在に係止させる係止部材を含む構成とすれば、衣服本体の裾上げ作業を更に容易に行うことが可能な衣服を提供できる。
本考案の第1実施例に係る衣服を示す斜視説明図である。 本考案の第1実施例に係る衣服を示す側面説明図である。 本考案の第1実施例に係るサイズ調整部を示す側面説明図である。 本考案の第1実施例に係る紐通し列の製作手順を示す部分拡大略図である。 本考案の第2実施例に係る衣服を示す一部破断斜視説明図である。 図5の一部拡大説明図である。 本考案の第2実施例に係る衣服の裾上げ方法を示す一部破断斜視説明図である。 本考案の第2実施例に係る衣服の裾上げ方法を示す部分拡大説明図である。 本考案の第2実施例に係る衣服の裾上げ方法を示す部分拡大説明図である。
以下、本考案の好適な実施形態について、衣服としてドレスを例にとり、図1〜図9を用いて説明する。
まず、本実施形態に係るサイズ調整機能を有する衣服の第1実施例について、図1〜図4を用いて説明する。
本実施例の衣服10は、図1と図2に示すように、装着者が着用する衣服本体12と、衣服本体12のサイズを装着者の体型に合わせるためのサイズ調整部4,5とを備える。
ここで、図2(a)は、装着前の様子を示し、図2(b)は、装着後の様子を例示する。
本実施例の衣服本体12は、図1及び図2に示す様に、前身頃1と後身頃2とを有し、前身頃1と後身頃2の間であって、装着者の脇より下方に対応する部分には左右一対の細長い帯状の脇マチ3Aが、介装されている。また、衣服本体12は、前身頃1と後身頃2の間であって、左右の袖50の側面においても、前身頃1と後身頃2の間に左右一対の略正方形状の袖マチ3Bが介装されている。
図1及び図2に示す様に、左右の脇マチ3Aの約上半分に該当する領域、すなわち装着者の胴側部を覆う衣服本体12の胴側領域14に、胴囲用のサイズ調整部4が設けられている。
また、図1及び図2に示す様に、左右の袖マチ3Bの大半に相当する領域、すなわち装着者の袖側部を覆う衣服本体12の袖側領域15に、袖囲用のサイズ調整部5が設けられている。
図3は、左側の胴囲用のサイズ調整部4を拡大して示すが、袖囲用のサイズ調整部5も本質的には同じ構成となっている。
胴囲用のサイズ調整部4は、図3に示す様に、一対の紐通し6A,6Bと、一対の紐通し6A,6Bが縦方向に列設されてなる前後一対の紐通し列7A,7Bと、紐通し6A,6Bに通される引き紐9とを有する。
図3(a)は、紐通し列7A,7Bどうしを引き紐9で引き寄せる前の状態を示し、図3(b)は、紐通し列7A,7Bどうしを装着者の身体に合わせて引き紐9で引き寄せた後の状態の一例を示している。
紐通し6A,6Bの各々は、衣服本体12に取り付けられる蛇行紐6を利用して形成されている。
図4を用いて、蛇行紐6を衣服本体12に縫い付けることによって、紐通し6A,6Bを作製する手順を説明する。
より詳しくは、前身頃1と脇マチ3Aを縫い合わせる工程を利用して、両者の間に紐通し6Aを形成する例について解説する。
ここで、紐通し6A,6Bを作製する手順は、図4(a)、図4(b)そして図4(c)の順番で進み、図4(d)は、図4(c)の右手前上方からの斜視説明図である。
先ず、図4(a)に示すように、前身頃1の後端の表地1S上に、1本の紐(6)を前後方向に蛇行しつつ上下に延びるように仮置きする。このように仮置きされた蛇行紐6には、前後一対の折り返し部6X,6Yが複数形成される。
次に、仮置きした蛇行紐6を、図4(b)に示すように、脇マチ3Aの表地3ASで押さえ込み、待ち針(図示しない)で3者(前身頃1、脇マチ3A及び蛇行紐6)を互いに固定する。
そして、図4(b)に示す様に、後方の折り返し部6Xを避けるように、互いに前後に離間した少なくとも2列の縦向きの縫製予定線M1,M2に沿って3者を例えばミシンで縫い合わせる。
その後、図4(c)及び図4(d)に示すように、待ち針を抜きとり、ミシンで縫い付けた箇所を中心に、脇マチ3Aを前身頃1から離すように開けば、前身頃1の表地1Sと脇マチ3Aの表地3ASとの境界27に沿って、多数の略半円状の折り返し部6Xが衣服本体12の表地(1S,3AS)から露出される。そして、本実施例の紐通し6Aは、図3、図4(c)及び図4(d)に示す様に、露出した一方の折り返し部6Xと、衣服本体12の表地(1S,3AS)との隙間13よりなっている。
なお、隙間の形状は、本実施例の様な略半円状に限るものではなく、折り返し部6Xの表地からの露出の態様により、例えば、略直線状、小円弧状であっても良い。
ここまで、前身頃1と脇マチ3Aを縫い合わせる工程を利用して紐通し6Aを形成する例について解説したが、後身頃2と脇マチ3Aを縫い合わせる工程、前身頃1と袖マチ3Bを縫い合わせる工程、後身頃2と袖マチ3Bを縫い合わせる工程を利用して紐通し6A,6Bを形成する場合も同じ要領で実施可能である。
このように、サイズ調整部4,5は、前後方向に蛇行しつつ縦方向に延びる1本の紐(6)であって、その紐(6)で形成される前後一対の折り返し部のうち一方の折り返し部が衣服本体12の表地から露出した態様で衣服本体12に縫い付けられる蛇行紐6を含み、紐通し6A,6Bの各々は、露出した一方の折り返し部(例えば折り返し部6X)と衣服本体12の表地との隙間13よりなる構成となっているのである。
図4に例示するように、1本の長い蛇行紐6を用い、この1本の蛇行紐6が、紐通し6A,6Bを形成する部分を除く箇所で、衣服本体12に縫い付けられていることで、丈夫な紐通し6A,6B及び紐通し列7A,7Bが得られる。
一般に個々の紐通し6A,6Bの上下長さは1.5cm前後、上下方向で隣接する紐通し6A,6Bどうしの間隔は1.0cm前後が適切であるが、これらの数値に限定する必要はない。
なお、ここまでは、衣服本体12を構成する部材どうし、例えば前身頃1と脇マチ3Aとを縫い合わせる工程を利用して紐通し6A,6Bを形成する例について解説したが、これらの部材どうしが既に縫製された衣服の場合には、紐通し6A,6Bの取り付け箇所で縫い糸を解いて、紐通し6A,6Bを差し込んだ上で、あらためてミシン等で縫い付けると良い。
このように、本考案に係る衣服10では、胴囲用のサイズ調整部4が背中ではなく、胴側領域14に設けられているので、衣服10の背中の上端付近にファスナー20(図1参照)を配置することが可能となっている。
図3(a)に例示するように、一対の紐通し列7A,7Bどうしを前後に引き寄せるための引き紐9は、1本の紐で構成することができる。図3(a)に例示するように、1本の引き紐9の中間付近を一番上の紐通し6A,6Bに通し、引き紐9の両端を前後の紐通し6A,6Bに交互に通しながら、順に下方に進める方法(靴紐などでオーバーラップ式と呼ばれる編み上げ方法に該当する)を採り、一番下の紐通し6A,6Bまで通しておけば、胴囲用のサイズ調整部4が完成する。袖囲用のサイズ調整部5についても同様である。
実際に衣服10を装着して、胴囲用のサイズ調整部4を機能させる際には、先ず背中のファスナー20を緩めて装着後、ファスナー20を閉じ、引き紐9の左右箇所を適宜引っ張りながら、紐通し6A,6Bどうしを引き寄せる操作を、一番上の紐通し6A,6Bから一番下の紐通し6A,6Bまで順に実施することで、図3(b)に例示するように、一対の紐通し列7A,7Bどうしが、装着者の体型に柔軟に対応して前後に引き寄せられた状態が得られる。一番下の紐通し6A,6Bに通して余った引き紐9の両端付近は、引き紐9が緩まないように結ぶなど、固定しておく必要がある。
また、紐通し6A,6Bに対する引き紐9の通し方については、図3の例に限らず、一対の紐通し列7A,7Bどうしを前後に引き寄せることが可能な様々な通し方を適用できることは言うまでもない。
引き紐9は必ずしも1本にする必要はなく、例えば、胴囲用のサイズ調整部4を便宜的に上部領域と下部領域の2箇所に分け、各領域にそれぞれ引き紐9を通してもよい。
なお、蛇行紐6、及び引き紐9の材質は限定されないが、サイズ調整後の安定性などの点から、撚り紐ではなく、江戸打ちなどの組紐が適している。引き紐9は蛇行紐6より1段階細いものを用いると扱い易い。
以上説明した様に、本実施例のサイズ調整部4,5は、互いに前後方向に離間した態様で衣服本体12に取り付けられる一対の紐通し6A,6Bが、縦方向に列設されてなる一対の紐通し列7A,7Bと、紐通し6A,6Bに通されつつ一対の紐通し列7A,7Bどうしを引き寄せ可能な引き紐9と、を含む構成となっているのである。
なお、紐通し列は、本実施例の様に一本の紐を利用するものに限らず、例えば短い紐をループ状にし、これらを衣服本体12に縦方向に複数縫い付けることで紐通し列を形成しても良い。言い換えると、紐通しの各々は、衣服本体12に固定される紐で形成されるループよりなる構成であっても良い。
また、本実施例では紐を用いて紐通しを形成しているため目立ち難いという効果が得られるが、必ずしもこれに限る必要はなく、例えば鳩目で補強したホールを紐通しとすることも可能である。
次に、本実施形態の第2実施例について図5〜図9を用いて説明する。
第2実施例と第1実施例との主な相違点は、衣服本体の裾上げ用のペチコート布材70を含む点であり、第1実施例と同様な部材は同じ符号を付し、その説明を省略する。
本実施例の衣服40を構成する衣服本体42は、図5に示すように、装着者の上半身を覆うトップ部42Aと、主に装着者の下半身を覆うボトム部42Bとを有する。図5は、本施例に係る衣服40を示す一部破断斜視説明図であり、符号A及び符号Bは、破断箇所を示す。図6は、図5の一点鎖線の円で囲まれた部分の拡大説明図である。
本実施例のボトム部42Bは、図5に示す様に、特に後方において裾が大きく広がった、引きずりタイプのスカート状を呈している。より詳しくは、本実施例の、ボトム部42Bは、図6に示す様に、表地42Baと裏地42Bbとを含み、表地42Baと裏地42Bbとは、図6に示す様に、その下端が内側にそれぞれ折り曲げられて、縫い合わされる。その際、図6に示す様に、その折り曲げられた表地42Baと裏地42Bbの間に、後述するペチコート布材70の下端近傍を挟んだ状態でこれらの布地が縫い付けられる。
次に、本実施例におけるペチコート布材70を、図5及び図6を用いて説明する。
ペチコート布材70は、表地42Ba及び裏地42Bbとは別の生地の布材で形成され、図5及び図6に示す様に、ボトム部42Bの形状と同様に、概して下端に近付くほど拡径した筒状に形成される。そして、ペチコート布材70は、図5及び図6に示す様に、ボトム部の内側に収容され、ペチコート布材70の下端70B近傍は、上述した様にボトム部42Bの下端30近傍に全周にわたって縫い付けられて、固定される。
その結果、装着者が移動する際等にボトム部42Bを床で引きずる際には、主にペチコート布材70が床と接することになるので、ボトム部42Bの表地や裏地が汚れ難い。ペチコート布材70は、カーペットなどに対する摩擦係数の低い、ポリエステルなどの布地一重で作るとよい。
図5の破断個所Bに示す様に、ペチコート布材70の上端70A近傍は、その上端70A近傍並びに衣服本体42の内面の所定の高さ位置に設けられた複数の係止部材80に係止される。係止部材80は、スナップ、フック、ボタンなどの様に、簡単に着脱可能な複数の留め具で形成される。前記所定位置は、図5に示す様に、例えばトップ部42Aとボトム部42Bとの境界近傍としても良い。そして、着用時に装着者は、ペチコート布材70の上端70A近傍が、前記所定位置に係止された状態で、ペチコート布材70の内側に下半身を挿入させる。従って、装着者の下半身は、ペチコート布材70で囲繞される。
この様に、本実施例のペチコート布材70は、図5に示す様に、衣服本体42と装着者との間に配置され前記装着者の下半身を囲繞する布材であり、その下端70Bが衣服本体42の下端30に固定され、その上端70A近傍が衣服本体42内の所定位置に着脱自在に係止される構成となっているのである。
次に、ボトム部42Bの裾上げ方法の例について、図7〜図9を用いて説明する。
図7は、本施例に係る衣服の裾上げ方法を示す一部破断斜視説明図であり、符号Aは破断箇所を示す。
図8及び図9は、図7における一点鎖線の円で囲まれる箇所の一部拡大説明図であって、ボトム部42Bの裾上げを行う際に採用可能な裾上げ方法の一例が示されている。図8は裾上げ前の状態を示し、図9は、裾上げ後の状態を示す。
本実施例の衣服本体42を裾上げする際には、先ず、係止部材80を外してペチコート布材70をボトム部42Bの下端30側から引き出す。次に、図7に示すように、ペチコート布材70をボトム部42Bの略下端30に沿って反転させ、ボトム部42Bの表面をペチコート布材70で被覆した状態にする。
次に、図7及び図8に示す様に、ボトム部42Bの下端30と略平行で、下端30から所定寸法L分上がった裾上げ線90に沿ってペチコート布材70とボトム部とを縫い付ける。次に、図9に示す様に、ペチコート布材70をボトム部42Bの内側に戻し、上端70A近傍を、係止部材80を介して衣服本体12の所定位置に係止させる。この様な簡単な手順により、図9に示す様に、ペチコート布材70を介して衣服本体42(ボトム部42B)が所定寸法L分裾上げされる。
上述した裾上げ線90に沿って縫い付ける際、ミシン等で縫い付けることも可能だが、手縫の波縫いによる方法の方が、ミシン等が無い場所でも裾上げを行うことが可能となり、また後に縫い糸を解く場合などの際に解き易く、例えばレンタル衣裳として好適である。
また、本実施例によれば、図9に示す様に、裾上げ後は、ペチコート布材70がボトム部42Bの裾上げ後の新たな裾19の内側に配置されるので、例えば装着した状態で移動する際にボトム部42Bの新たな裾19の内側が床面に触れることがあっても、ペチコート布材70が床面に触れるので、ボトム部の裾の内側が床等で汚れることを防止できる。
これまで説明した様に、本実施形態の衣服10,40によれば、装着者の個人ごとの多様な体型パターンに対して柔軟に対応できて、その結果、装着者の身体に対して、より全体的にフィットし易い衣服を提供できる。
以上、本考案の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本考案を実施することが可能である。例えば、本実施形態において、衣服としてのドレスを例にとり説明したが、衣服はドレス以外の他の種類であっても良く、そのためボトム部は本実施形態の様なスカート状に限らずパンタロン状などでもよい。
本考案は、サイズを装着者の体型に合わせるためのサイズ調整機能を有する衣服に従来見られた課題を解決するための技術として利用可能な考案である。
4,5 サイズ調整部
6 蛇行紐
6A,6B 紐通し
7A,7B 紐通し列
6X,6Y 前後一対の折り返し部
6X 一方の折り返し部
9 引き紐
10,40 衣服
12,42 衣服本体
14 胴側領域
15 袖側領域
19 衣服本体の新たな下端
30 衣服本体の下端
70 ペチコート布材(サイズ調整部)
70A ペチコート布材の上端
70B ペチコート布材の下端
80 係止部材
90 裾上げ線


Claims (6)

  1. 装着者が着用する衣服本体と、前記衣服本体のサイズを前記装着者の体型に合わせるサイズ調整機能を有する衣服において、
    互いに前後方向に離間した態様で前記衣服本体に設けられる一対の紐通しが、縦方向に列設されてなる一対の紐通し列と、
    前記紐通しに通されつつ前記一対の紐通し列どうしを引き寄せ可能な引き紐とを含むサイズ調整部を備え、
    前記サイズ調整部が、前記装着者の胴側部を覆う前記衣服本体の胴側領域に配置されることを特徴とする衣服。
  2. 前記サイズ調整部が、前記装着者の袖側部を覆う前記衣服本体の袖側領域にも配置されることを特徴とする請求項1に記載の衣服。
  3. 前記サイズ調整部は、前後方向に蛇行しつつ縦方向に延びる1本の紐であって、前記紐で形成される前後一対の折り返し部のうち一方の折り返し部が前記衣服本体の表地から露出した態様で前記衣服本体に縫い付けられる蛇行紐を含み、前記紐通しの各々は、前記露出した前記一方の折り返し部と前記衣服本体の表地との隙間よりなることを特徴とする請求項1又は2に記載の衣服。
  4. 前記紐通しの各々は、前記衣服本体に固定される紐で形成されるループよりなることを特徴とする請求項1又は2記載の衣服。
  5. 前記衣服本体と前記装着者との間に配置されて前記装着者の下半身を囲繞する布材であり、その下端近傍が前記衣服本体の下端近傍に固定され、その上端近傍が前記衣服本体内の所定位置に着脱自在に係止されるペチコート布材を含み、前記ペチコート布材を介して、前記衣服本体の裾上げを可能とすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の衣服。
  6. 前記ペチコート布材の上端近傍を、前記衣服本体内の所定位置に着脱自在に係止させる係止部材を含むことを特徴とする請求項5記載の衣服。
















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