JP3206648U - 履き物用前滑り防止具 - Google Patents
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Abstract
【課題】靴内で足を安定させ、歩行時につま先部分に力がかかってもずれにくい、取り付けが簡単な前滑り防止具を提供する。【解決手段】本考案に係る前滑り防止具は、弾性を有するプラスチックから構成された、土踏まずと履き物との間にできる空間に対応する幅と長さと厚さを有する矩形状のシート状部材1から成り、該シート状部材1の一方の面が粘着性を有し、該シート状部材の四辺のうちの一つが、足裏の土踏まずと踵との境界部分に対応する凹状の曲線から成ることを特徴とする。【選択図】図3
Description
本考案は、履き物用前滑り防止具に関し、特に、踵の高い女性用ハイヒールに用いられる前滑り防止具に関する。
履き物を履くときは、通常、市販品の中からその人の足の大きさや形状に合ったものを選ぶものであるが、個人個人によって足の形状は少しずつ異なるため、特別に注文して作られたものでない限り、完全に一致することはなく、靴内に隙間が生じることがある。このような場合、特に踵の高い靴は、その内底面が踵側からつま先側へ向かって下方に傾斜しているため、足がつま先側へ前滑りし易い。足が前滑りすると、つま先が靴の先端で圧迫されたり、踵側に隙間が空いたりし、靴擦れができたり靴が脱げやすくなるという問題が生じる。
そこで、特許文献1、2に記載のような、靴内での足の前滑りを防止する防止具が提案されている。特許文献1に記載の前滑り防止具は、靴の内底面の前半部に着脱自在に貼り付けられる合成樹脂シートからなり、足裏と接触する表(おもて)面には滑り止め加工が施されている。
特許文献2に記載の前滑り防止具は、靴の内底面の前半部に装着されるインソールからなり、足の親指と人差し指の間に挿入される突起を備えている。
特許文献2に記載の前滑り防止具は、靴の内底面の前半部に装着されるインソールからなり、足の親指と人差し指の間に挿入される突起を備えている。
特許文献1、2に記載の防止具は、いずれも、土踏まずよりもつま先側の足裏と接触して足全体が前滑りすることを防止するものであるため、踵の高い靴では足の後半部(踵側の部分)が不安定となりやすい。
特許文献1に記載の防止具は、着脱自在に貼り付けられるシートであることから、歩行時につま先部分に力がかかると、防止具がずれやすくなり、特許文献2に記載の前滑り防止具は、足の親指と人差し指の間に突起を挟む構成により、ずれを防止することができるものの、足の指の位置や形には個人差があるため、突起の位置が合わない場合に違和感が生じることになる。
特許文献1に記載の防止具は、着脱自在に貼り付けられるシートであることから、歩行時につま先部分に力がかかると、防止具がずれやすくなり、特許文献2に記載の前滑り防止具は、足の親指と人差し指の間に突起を挟む構成により、ずれを防止することができるものの、足の指の位置や形には個人差があるため、突起の位置が合わない場合に違和感が生じることになる。
本考案が解決しようとする課題は、靴内で足を安定させ、歩行時につま先部分に力がかかってもずれにくい、取り付けが簡単な前滑り防止具を提供することである。
上記課題を解決するために成された本考案に係る履き物用前滑り防止具は、弾性を有するプラスチックから構成された、土踏まずと履き物との間にできる空間に対応する幅と長さと厚さを有する矩形状のシート状部材から成り、該シート状部材の一方の面が粘着性を有し、該シート状部材の四辺のうちの一つが、足裏の土踏まずと踵との境界部分に対応する凹状の曲線から成ることを特徴とする。
上記履き物用前滑り防止具は、履き物を履いたときに、凹状の曲線から成る辺が足裏の踵の膨らみ部分の前端に当たるように、シート状部材の粘着性を有する面を履き物の内底面のうち土踏まずに対応する部分に貼り付けて使用する。このとき、この履き物用前滑り防止具を土踏まずと履き物の間にできる空間に対応する大きさとするためには、踵の高い履き物(ハイヒール)を履く人(成人女性)の一般的な足の大きさや形状を考慮すると、その幅を40〜60mm程度、長さを60〜80mm程度、厚さを2〜4mm程度とするのがよい。また、凹状の曲線は、半径50〜100mm程度の円弧とすることが好ましい。シート状部材は、弾性を有するプラスチックから構成されているため、その上に足を置いたとき、足裏の形状に応じて弾性変形し、足裏にフィットして足の前滑りを防止する。このような効果をより良く得るためには、プラスチックの素材として発泡アクリル樹脂などを用いることが望ましい。
本考案に係る履き物用前滑り防止具は、一方の面が粘着性を有するため、履き物の内底面への固定及び剥離を何度も繰り返すことができる。
本考案に係る履き物用前滑り防止具は、一方の面が粘着性を有するため、履き物の内底面への固定及び剥離を何度も繰り返すことができる。
また、上記前滑り防止具は、つま先の方においても足裏により良くフィットするように、前記凹状の曲線から成る辺と対向する辺を、足裏の土踏まずとつま先との境界部分に対応する凸状の曲線とすると良い。この凸状の曲線は、前記凹状の曲線と同程度か、それよりも少し大きい曲率半径の(半径70〜120mm程度の)円弧とすると良い。
本考案に係る前滑り防止具では、凹状の曲線によって足の踵が前滑りすることを防止するため、踵の高い履き物であっても、その内部で足が安定し、且つ、歩行時につま先部分に力がかかってもずれることがない。また、履き物の内底面のうち足裏の土踏まずに対応する領域に貼り付けられるため、履き物を履いたときの違和感を少なくすることができる。さらに、弾力のある柔らかい素材でできているため、歩行時の足への衝撃を吸収することができる。
、また、取り付ける部分が足の裏の中心に対応する部分であることから、踵の高い履き物内であっても足が安定し、つま先部分に歩行時に力がかかってもずれることはない。さらに、貼り付ける面が粘着性を有するため、何度でも貼り直しができるので、調整がし易い。
、また、取り付ける部分が足の裏の中心に対応する部分であることから、踵の高い履き物内であっても足が安定し、つま先部分に歩行時に力がかかってもずれることはない。さらに、貼り付ける面が粘着性を有するため、何度でも貼り直しができるので、調整がし易い。
以下、本考案に係る履き物用前滑り防止具(以下、「前滑り防止具」という。)の具体的な実施例について、添付図面を用いて説明する。
図1は、本実施例の前滑り防止具の斜視図、図2(a)は、本実施例の前滑り防止具の上面図及び側面図である。これらの図に示すように、該前滑り防止具は弾性を有するプラスチック、例えば発泡アクリル樹脂から構成された、幅が50mm、長さが70mm、厚さが3mmの、略矩形状のシート状部材1から成る。これら寸法は、踵の高い履き物(ハイヒール)を履く成人女性の一般的な足の大きさ(足長の実寸は215〜220mm、足囲は231〜249mm、履き物のサイズは23.5cm)や形状を考慮して設定されたものであり、このような寸法によりシート状部材1は、成人女性がハイヒールを履いたときに、土踏まずと履き物との間にできる空間に収まるようになっている。
シート状部材1の四辺のうち幅方向に対向する二辺は互いに平行な直線からなり、長さ方向に対向する二辺はそれぞれ凹状の円弧、凸状の円弧から構成されている。凹状の円弧から成る辺(以下、凹状円弧辺2)は、曲率半径が70mmの円弧から成り、凸状の円弧から成る辺(以下、凸状円弧辺3)は、曲率半径が95mmの円弧から成る。後述するように、これら凹状円弧辺2及び凸状円弧辺3の円弧の曲率半径は、上述した成人女性の土踏まずの後ろ側の膨らみ(踵)の前側の形状、及び土踏まずの前側の膨らみの形状に基づいて設定されている。
また、シート状部材1の両面のうち一方の面は非常に滑らかな面(平滑面)に加工されており、他方の面は微細な凹凸を有する粗面に加工されている。これにより、平滑面は粘着性を有する。以下、この面を粘着面という。
図3は、上記前滑り防止具をハイヒール10に取り付けた様子を示す概略図、図4は、前滑り防止具が取り付けられたハイヒール10の左右の内底面11の上面図である。図3及び図4に示すように、前滑り防止具のシート状部材1は、その凹状の円弧から成る凹状円弧辺2が足裏の土踏まずと踵との境界部分に当たるように踵の分だけ空けて、粘着面が内底面11側を向くように貼り付ける。
この状態でハイヒール10を履き、足裏の踵の前端部分がシート状部材1の凹状円弧辺2に当たることを確認する。もし、凹状円弧辺2と踵の前端部分の間に隙間が空く場合は、シート状部材1を少し後ろにずらし、踵の前端部分が凹状円弧辺2を乗り越える場合は、シート状部材1を少し前にずらす。シート状部材1は粘着面の粘着力によって内底面11に貼り付けられているため、内底面11から剥がした後、再び貼り付けることができる。そして、足裏の踵の前端部分がシート状部材1の凹状円弧辺2に当たった状態にあることが確認されれば、前滑り防止具は正しく取り付けられたこととなる。
図5は、上記のように前滑り防止具が正しく取り付けられたハイヒール10を履いたときの様子を示す図である。この状態で歩行すると、足裏の踵の前端部分が凹状円弧辺2に当たることで、踵がハイヒール10の内底面11内で前滑りすることが防止され、ハイヒール10内で足が安定する。また、シート状部材1は、凸状の円弧から成る凸状円弧辺3が足裏の土踏まずとつま先の間の膨らみの後端部分に当たった状態で、内底面11と土踏まずの間の空間に位置する。このため、シート状部材1の凹状円弧辺2に当たる踵によって該シート状部材1がつま先側に押されたとしても、凸状円弧辺3が土踏まずとつま先の間の膨らみの後端部分に当たることによって、該シート状部材1が剥がれることが防止される。また、歩行時に力がかかるつま先部分にはシート状部材1が存在しないため、シート状部材1がずれることがない。さらに、シート状部材1は、内底面11と土踏まずの間の空間に位置するため、該シート状部材1が内底面11に貼り付けられていることによる違和感を低減することができる。さらに、本実施例では、シート状部材1をクッション性を有する発泡アクリル樹脂から構成したため、歩行時に足にかかる衝撃を小さくすることができ、また、土踏まずの窪みが小さく、シート状部材1が足裏に当たる場合でも違和感を低減することができる。
なお、本考案は上記した実施例に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、図2(b)に示すように、凹状円弧辺2と凸状円弧辺3を、いずれも曲率半径が同じ円弧から構成しても良い。この場合の曲率半径は、シート状部材1の長さと同じ寸法が好ましく、該シート状部材1の長さが70mmのときは、凹状円弧辺2及び凸状円弧辺3の曲率半径も70mmとする。いずれにせよ、一般的な成人女性の足の大きさや形状を考慮すると、凹状円弧辺2の曲率半径は50〜70mm程度、凸状円弧辺3の曲率半径は70〜120mm程度であれば良い。さらに、シート状部材の長さ方向に対向する辺の形状は、土踏まずの前側及び後ろ側の膨らみの形状に沿う形状であれば円弧状以外の曲線でも良く、さらに、土踏まずの前側に対応する辺は直線状でも良い。
例えば、図2(b)に示すように、凹状円弧辺2と凸状円弧辺3を、いずれも曲率半径が同じ円弧から構成しても良い。この場合の曲率半径は、シート状部材1の長さと同じ寸法が好ましく、該シート状部材1の長さが70mmのときは、凹状円弧辺2及び凸状円弧辺3の曲率半径も70mmとする。いずれにせよ、一般的な成人女性の足の大きさや形状を考慮すると、凹状円弧辺2の曲率半径は50〜70mm程度、凸状円弧辺3の曲率半径は70〜120mm程度であれば良い。さらに、シート状部材の長さ方向に対向する辺の形状は、土踏まずの前側及び後ろ側の膨らみの形状に沿う形状であれば円弧状以外の曲線でも良く、さらに、土踏まずの前側に対応する辺は直線状でも良い。
シート状部材の各部の寸法は上記実施例の寸法に限らない。例えば幅は40〜60mm程度、長さは60〜80mm程度、厚さは2〜4mm程度にすることができる。また、購入者の足のサイズに合わせて、シート状部材の幅、長さ、厚さが異なる複数種類のシート状部材を提供するようにしても良い。さらに、シート状部材の幅、長さを少し大きめにしておき、該シート状部材にサイズ毎の切り取り線を印刷しておくことによって、購入者が該シート状部材を貼り付ける履き物の内底面の形状や足のサイズに応じて、適宜鋏などで切ることによって調整するようにしても良い。
また、上記実施例の前滑り防止具では、シート状部材をクッション性を有する発泡アクリル樹脂から構成されるとしたが、シート状部材はこれ以外の弾性を有するプラスチック(例えば軟質プラスチックなど)から構成されていてもよい。
1…シート状部材
2…凹状円弧辺
3…凸状円弧辺
10…ハイヒール
11…内底面
2…凹状円弧辺
3…凸状円弧辺
10…ハイヒール
11…内底面
Claims (6)
- 弾性を有するプラスチックから構成された、土踏まずと履き物との間にできる空間に対応する幅と長さと厚さを有する矩形状のシート状部材から成り、該シート状部材の一方の面が粘着性を有し、該シート状部材の四辺のうちの一つが、足裏の土踏まずと踵との境界部分に対応する凹状の曲線から成ることを特徴とする履き物用前滑り防止具。
- 前記凹状の曲線が円弧から成ることを特徴とする請求項1に記載の履き物用前滑り防止具。
- 前記シート状部材の凹状の曲線から成る辺と対向する辺が、足裏の土踏まずとつま先との境界部分に対応する凸状の曲線から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の履き物用前滑り防止具。
- 前記凸状の曲線が円弧から成ることを特徴とする請求項3に記載の履き物用前滑り防止具。
- 前記凸状の曲線が前記凹状の曲線よりも大きい曲率半径を有する円弧から成ることを特徴とする請求項3に記載の履き物用前滑り防止具。
- 前記凹状の曲線と前記凸状の曲線が、同じ曲率半径の円弧から成ることを特徴とする請求項3に記載の履き物用前滑り防止具。
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