JP3205939U - 造形時に造形材料を吐出するノズルを複数備えた３ｄプリンタにおける造形材料の連続供給 - Google Patents

Abstract

【課題】造形中にフィラメント残量が足りなくなってしまった場合でも中断することなく連続して造形ができる３Ｄプリンタを提供する。【解決手段】３Ｄプリンタは、複数のノズルと、ノズルのフィラメント流入部付近に配置されたフィラメントの有無を検出するセンサと、ＰＣ等から３Ｄデータ入力する機能及びその３Ｄデータをもとに３Ｄプリンタ駆動部制御を行う制御部と、制御部からの信号によって動作する可動部とを備え、造形中のノズルのフィラメントが造形途中にて無くなったことをセンサにて検知し、フィラメントがなくなり次第、制御部により駆動部を停止した後、あらかじめ同種のフィラメントをセットしていた別ノズルに切り替えてから駆動部を有効とする。【選択図】図１

Description

本考案は、「リールに巻かれた造形材料」（以下、フィラメントリールと称する）を使用するノズルを複数有する「熱溶解積層法を利用している３Ｄプリンタ」（以下３Ｄプリンタと称する）において、特に造形中にフィラメントが不足することを事前に感知し、使用していたノズルをあらかじめ同種のフィラメントを充填させておいた他のノズルに切り替えることでフィラメントの充填切れによる造形を失敗することなく、また、残量の少ないフィラメントであっても無駄なくフィラメントを使用できる機能を持たせたものに関する。

従来の３Ｄプリンタでは造形中にノズルにセットされたフィラメントが不足した場合、造形が失敗してしまう。これを防ぐためには、フィラメントが無くなる前に一度造形を停止させて新しいフィラメントを補充する必要がある。この際に、ノズルを停止した位置から動かしてしまうと造形が失敗する可能性も高く、非常に複雑な作業をしなければならない。また、残量が足りなくなったフィラメントリールが使用できない不都合が生じる。

上記の不都合を防ぐために従来の技術では事前に造形に必要なフィラメントの残量を満たしたフィラメントリールを使用するか、一度造形を停止させて手作業で補充する必要があるが、残量が足りなくなったフィラメントリールが使用できないことや、フィラメントリール一つ分以上のフィラメントを使用する造形物を造形することができないこと、造形を一時停止させることによって造形物の精度に影響がでるといった課題がある。

本考案は、前述の残量が足りなくなったフィラメントリールが使用できないことや、フィラメントリール一つ分以上のフィラメントを使用する造形物を造形することができない、と言った課題を、複数のノズルを有する３Ｄプリンタにより解決する手段を提供することにある。

複数ノズルを有する３Ｄプリンタは、本来ノズルそれぞれに別種のフィラメントを充填し、同時造形を実行することを目的として開発されているが、複数ノズルを有する３Ｄプリンタであっても、一種類のフィラメントで一つのノズルのみを使用した造形を行う場面も存在する。

前述の課題を解決するために、本考案の複数ノズルを有する３Ｄプリンタは、ノズルのフィラメント流入部付近にセンサを配置し、このセンサを利用することで造形中のノズルに充填されているフィラメントの有無を検知、フィラメントが無の場合はあらかじめ同種のフィラメントを充填させておいた他ノズルに切り替えて造形を続行させることを可能にしたことを特徴とするものである。

上記のノズル切り替えに関して、現在のノズルと切替先のノズルの温度や位置の状態を同期させるための機能も合わせて提供する。

本考案に関するブロック図 １．上位機器（ＰＣなど） ２．制御部：３Ｄプリンタの制御を行うマイクロプロセッサ部 ３．ノズル１：フィラメントの吐出部１ ４．ノズル１ エンプティセンサ：材料の有無の判定部１ ５．ノズル２：フィラメントの吐出部２ ６．ノズル２ エンプティセンサ：材料の有無の判定部２ ７．３Ｄプリンタ駆動部：モーター類

本考案に関する３Ｄプリンタでの制御フローチャート ８．スタート ９．命令待ち １０．ノズル１有効 １１．駆動部有効 １２．ノズル１ エンプティセンサ判定 １３．停止命令 １４．ノズル１．２同期 ノズル２有効：ノズルの温度や位置情報の同期。 １５．駆動部有効 １６．ノズル２ エンプティセンサ判定 １７．停止命令

本考案の実施例を図１と図２を用いて説明する。
一例として、二つのノズルを有する３Ｄプリンタにおいてノズル１（図１．３）を使用して一種類のフィラメントを用いて造形をしようとした場合、まずＰＣなどの上位機器（図１．１）を用いて処理図２．８により制御部（図１．２）に命令が送られる、すると処理図２．９により命令待ちをしていたノズルが処理図２．１０により有効となり駆動部（図１．７）が処理図２．１１により起動して造形が開始される。
起動後には、取り付けられたエンプティセンサ（図１．４）が常にフィラメントの有無を処理図２．１２により検知し、不足していた場合には駆動部を停止させる（図２．１３）。
その後、造形に使用するノズルを同素材のフィラメントをあらかじめセットしておいたノズル２（図１．４）を処理図２．１４にてノズル２の状態をノズル１と同期させて有効にし、処理図２．１５から駆動部が有効となり、造形が再開される。

この際に、本実用例では二つのノズルを有する３Ｄプリンタとしたが、三つ以上のノズルを有する３Ｄプリンタにおいても、各ノズルに対し図１．４や図１．６と同様のセンサを設け、かつ図２．１４から図２．１７の処理を追加していくことで対処が可能となる。

考案の効果

本考案により、前述の課題を解決する方法を提供することで、一つのフィラメントリールの残量に影響されることがなく複数ノズル数分の材料を用いた大型の造形や、造形に対し少ない残量のフィラメントの使用が可能となり、残量が不足した際のフィラメントの手作業交換の手間も省くことができる連続造形が実現できる。

Claims (2)

1. 複数ノズルを有する３Ｄプリンタにおいて、造形中のノズルに充填されたフィラメントの残量をセンサにて検知し、フィラメントがなくなり次第あらかじめ同種のフィラメントをセットしていた別ノズルに切り替えることで、フィラメント不足による造形失敗が起こることなく、残量の少ないフィラメントも無駄なく使用し、造形を続行できる機能を有した３Ｄプリンタ。
2. 複数ノズルを有する３Ｄプリンタにおいて、ノズル切り替えるために現在のノズルと切り替え先のノズルの状態を同期させることができる機能。

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