JP3205819U - 物故者の記念品 - Google Patents

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Abstract

【課題】火葬の前後における取扱いが単純であり、また火葬時の高温焼成にあたって記念品を保護する、物故者の記念品を提供する。【解決手段】棺に遺体と一緒に納められて火葬され、火葬後に故人を供養するために用いられる物故者の記念品本体11と、これを収納する保持筒12から構成され、記念品本体11は耐火材料を用いて所望の形状に造型されて予め焼成されており、記念品本体11は、耐火材料で形成された保持筒12内に収納され、かつ保持筒12の両側開口部には耐熱性グラスファイバー製栓13を介して抜け止めされ、火葬時に記念品本体11に遺灰等が付着しないように保護されていて、火葬後には、記念品本体11を耐熱性グラスファイバー製栓13をはずして保持筒12内から取り出して記念品として使用できるようにした。【選択図】図9

Description

本考案は物故者の記念品に関し、故人の遺体と一緒に火葬して故人の魂が乗り移った遺品として祀ることができ、また遺族等が故人を日々偲ぶために携行することもできるようにした物故者の記念品に関する。
遺族によっては故人の遺骨や遺髪を分けてもらい、金製や銀製の物故者の記念品に収納スペースを形成し、このスペースに遺骨や遺髪を入れて自宅の仏壇に祀って供養することがある。しかしながら、遺族によっては故人の記念になるようなものを身に着けて生活したいと望むものも存在する。
そのため、故人が好きだった物や使用していた物を遺品として棺に納めて一緒に火葬することに代えて、セラミック製の仏像に模したセラミック成形品を火葬する提案がなされている。
1)実開平7−24328号公報(特許文献1参照)は、火葬の際に柩箱に入れて遺体と一緒に焼くための葬儀用具であり、この葬儀用具は、1500℃以上の高温に対する耐熱性を有するセラミックによって形成されたセラミック部を含み、該セラミック部の周囲には、プラスチックからなる覆い部が形成されている。
2)特開平7−124207号公報(特許文献2参照)には、耐熱セラミックス製の外郭の穴から、耐熱セラミックス繊維製の充填布に包んだ神仏具を入れ、蓋をした上で、遺体とともに火葬に付すものであって、火葬の間に外郭に衝撃が加わっても、外郭及び充填布が衝撃を和らげ、神仏具の石英ガラス製容器が割れることはなく、よって観音菩薩像が変色したり、汚れたりすることを防止することができる神仏具が示されている。
3)特開平8−80326号公報(特許文献3参照)には、火葬炉内で遺体等と共に火葬に供される副葬品であって、貴金属またはそれらの合金により作製された内部装飾品に対し、その外面形状に沿って耐熱性及び除去性に優れたセラミックスの保護層を付与することにより、火葬炉内温度および焼成雰囲気から内部装飾品を保護し、形状および美観を損なうことなく内部装飾品を容易に取り出すことができる火葬用副葬品が示されている。
4)特開平8−86418号公報(特許文献4参照)には、葬儀の際に遺体と一緒に棺の中に納め、火葬時、棺の中で陶製記念物を作成する際に使用する、耐熱性金属により補強した陶製記念物1個以上を収納できる収納空間を備えたことを特徴とするセラミックファイバー製保護ケースが示されている。
5)特開2003−125922号公報(特許文献5参照)には、内部に収容空間を有する容器本体と、この容器本体の前記収容空間に収容された断熱部材と、前記断熱部材により断熱された仏像又は入魂物と、を具備し、前記仏像又は入魂物が金絵付けされた本焼きの陶器磁から形成されていることを特徴とする容器体が示されている。なお、前記断熱部材は耐熱性砂から形成されている。
実開平7−24328号公報 特開平7−124207号公報 特開平8−80326号公報 特開平8−86418号公報 特開2003−125922号公報
しかし、特許文献1〜5記載の神仏具、火葬用副葬品、供養仏等ではその装飾に心が砕かれていて工程が複雑であり、また火葬時の高温焼成にあたって神仏具、火葬用副葬品、供養仏等を保護する素材や構造においても非常にコストのかかるものとなっていた。
本考案はかかる問題を解消しようとするものであり、火葬の前後における取扱いが単純であり、また火葬時の高温焼成にあたって記念品を保護する素材や構造を工夫してあるので、物故者の記念品を非常に低コストで提供することができるようにしたものである。
すなわち、本考案に係る物故者の記念品は、棺に遺体と一緒に納められて火葬され、火葬後に故人を供養するために用いられる物故者の記念品であって、
該記念品本体は耐火材料を用いて所望の形状に造型されて予め焼成されており、該記念品本体は耐火材料で形成された保持筒内に収納されていて、該保持筒の両側開口部には耐熱性グラスファイバー製栓を介して抜け止めされ、火葬時には前記記念品本体に遺灰等が付着しないように保護されていて、火葬後には前記耐熱性グラスファイバー製栓とともに保持筒内から取り出して記念品として使用できるようにしたことをも特徴とするものである。
本考案に係る物故者の記念品において、前記耐火材料を用いて所望の形状に造型されて焼成された記念品本体は、予めその表面に金を含有する釉薬が塗布されており、火葬時の700℃〜900℃、主に800℃前後の範囲内の温度で前記記念品本体表面に融着して金色を発色するように構成されていることをも特徴するものである。
本考案に係る物故者の記念品において、前記一対の耐熱性グラスファイバー製栓は、火葬時の700℃〜900℃、主に800℃前後の範囲内の温度でも融着して固化することがなく、火葬後に前記保持筒内から記念品本体とともに簡単に取り出すことができるように構成されていることをも特徴とするものである。
請求項1に係る物故者の記念品において、該記念品本体は耐火材料を用いて所望の形状に造型されて予め焼成されており、該記念品本体は耐火材料で形成された保持筒内に収納されていて、該保持筒の両側開口部には耐熱性グラスファイバー製栓を介して抜け止めされ、火葬時には前記記念品本体に遺灰等が付着しないように保護されていて、火葬後には前記耐熱性グラスファイバー製栓とともに保持筒内から取り出して記念品として使用できるようにしたものである。
したがって、火葬の前後における取扱いが単純であり、また火葬時の高温焼成にあたって記念品を保護する素材や構造を工夫してあるので、物故者の記念品を非常に低コストで提供することが可能となった。
請求項2に係る物故者の記念品において、前記耐火材料を用いて所望の形状に造型されて焼成された記念品本体は、予めその表面に金を含有する釉薬が塗布されており、火葬時の700℃〜900℃、主に800℃前後の範囲内の温度で前記記念品本体表面に融着して金色を発色するように構成されているため、非常に付加価値の高い物故者の記念品を提供することが可能となった。
請求項3に係る物故者の記念品においては、前記一対の耐熱性グラスファイバー製栓は、火葬時の700℃〜900℃、主に800℃前後の範囲内の温度でも融着して固化することがなく、火葬後に前記保持筒内から記念品本体とともに簡単に取り出すことができ、非常に取扱いの容易な物故者の記念品を提供することが可能となった。
本考案に係る物故者の記念品の好ましい実施形態を示す組み付け前の段階の平面図である。 その斜視図である。 物故者の記念品を保持筒内に収納した状態を示す平面図である。 その斜視図である。 保持筒内に収納した物故者の記念品の両側に耐熱性グラスファイバー製栓を詰めて抜け止めした状態を示す平面図である。 その斜視図である。 物故者の記念品を保持筒内に収納して両側を耐熱性グラスファイバー製栓を詰めて抜け止めし、化粧箱に収納した状態の平面図である。 その斜視図である。 (a)は物故者の記念品を化粧箱に収納してさらに蓋を使用する状態の平面図、(b)はその断面図である。
以下、本考案の物故者の記念品の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1ないし図9は本考案に係る物故者の記念品の好ましい実施形態を示すものであり、11は物故者の記念品、12は保持筒、13,13は耐熱性グラスファイバー製栓、14は化粧箱、15はその蓋である。
図1および図2において、物故者の記念品11は高さ約5〜20cm程度で、例えば所望の人物像や仏像のような形態に形成され、その素材としては各種のセラミック素材、酸化物系のアルミナ (Al2O3)、ジルコニア、また水酸化物系のハイドロキシアパタイト、炭化物系の炭化ケイ素 (SiC)等が好適に用いられる。
その代表的な組成(重量%)を下記に示す。
Al23 91.5%
SiO2 4.7%
Fe23 0.01%
TiO2 0.1%
CaO 0.78%
MgO 1.00%
2O 0.01%
Na2O 0.25%
Igloss 1.56%

そして前記セラミック素材を成形型を用いて所望の人物像の記念品本体11に造型され、乾燥後、室温から1000℃〜1400℃の範囲内の温度に所定の時間をかけてゆっくりと昇温され保持されることによって焼成され、白色(または薄茶色)の素地で形成されている。
前記記念品本体11は図3および図4に示すように、耐火材料で形成された保持筒12に収納される。
耐火材料で形成された保持筒12の素材としては各種のセラミック素材が用いられ、その代表的な組成(重量%)を下記に示す。
SiO2 47.12%
Al23 39.90%
Fe23 2.25%
CaO 0.39%
MgO 8.96%
2O 0.61%
Na2O 0.23%
TiO2 0.53%
耐火材料で形成された保持筒12に収納された前記記念品本体11は、図5および図6に示すように、前記保持筒12の両側に耐熱性グラスファイバー製栓13,13が詰め込まれ、抜け止めされる。
この一対の耐熱性グラスファイバー製栓13,13は、火葬時の700℃〜900℃、主に800℃前後の範囲内の温度では融着しない。したがって、火葬後に前記記念品本体11を取り出す際に、前記一対の耐熱性グラスファイバー製栓13,13を前記記念品本体11とともに押し出すことができ、取り扱いやすい構造となっている。
前記記念品本体11を保持筒12に収納した状態で、前記一対の耐熱性グラスファイバー製栓13,13は保持筒の両側に詰め込まれ、さらに図7および図8に示すように化粧箱14内に収納され保持される。図9(a)および(b)は化粧箱14に蓋15を取り付ける状態を示すものである。
そして、前記化粧箱14および蓋15は木製その他の可燃性素材で構成されており、火葬時には焼却されるようになっている。もちろん、該化粧箱14から取り出して保持筒12とともに焼却し、焼却後に化粧箱14に収納しなおしてもよい。
なお、火葬後に取り出した物故者の記念品を携行して持ち歩く際には、印鑑用の巾着袋に類似した巾着袋(図示せず)を利用することができる。
以上のようにしたので、火葬の前後における前記記念品本体11を収納した前記保持筒12や両側の耐熱性グラスファイバー製栓13,13の取扱いが容易であり、かつ物故者の記念品11を非常に低コストで提供することが可能となった。
なお、前記の例では物故者の記念品として人物像ないし仏像状に造型したが、その他の記念となる品物の形状に造型してもよく、さらにはペット像等を造型するようにしてもよい。以上のように、物故者の記念品としては種々の形状や形態に造型することが可能である。
11 記念品本体
12 保持筒
13,13 耐熱性グラスファイバー製栓
14 化粧箱
15 蓋

Claims (3)

  1. 棺に遺体と一緒に納められて火葬され、火葬後に故人を供養するために用いられる物故者の記念品本体と、これを収納する保持筒から構成され、
    記念品本体は耐火材料を用いて所望の形状に造型されて予め焼成されており、
    該記念品本体は、耐火材料で形成された保持筒内に収納され、かつ該保持筒の両側開口部には耐熱性グラスファイバー製栓を介して抜け止めされ、火葬時に前記記念品本体に遺灰等が付着しないように保護されていて、
    火葬後には、記念品本体を前記耐熱性グラスファイバー製栓をはずして保持筒内から取り出して記念品として使用できるようにしたことを特徴とする物故者の記念品。
  2. 前記耐火材料を用いて所望の形状に造型されて焼成された記念品本体は、予めその表面に金を含有する釉薬が塗布されており、火葬時の700℃〜900℃、主に800℃前後の範囲内の温度で前記記念品本体表面に融着して金色を発色するように構成されていることを特徴する請求項1記載の物故者の記念品。
  3. 前記一対の耐熱性グラスファイバー製栓は、火葬時の700℃〜900℃、主に800℃前後の範囲内の温度でも融着して固化することがなく、火葬後に前記保持筒内から記念品本体とともに簡単に取り出すことができるように構成されていることを特徴する請求項1または2記載の物故者の記念品。
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