JP3205586B2 - カラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ

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JP3205586B2
JP3205586B2 JP9311992A JP9311992A JP3205586B2 JP 3205586 B2 JP3205586 B2 JP 3205586B2 JP 9311992 A JP9311992 A JP 9311992A JP 9311992 A JP9311992 A JP 9311992A JP 3205586 B2 JP3205586 B2 JP 3205586B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラーフィルタに係り、
特に、例えば液晶ディスプレイ等のフラットディスプレ
イ、CCD等のイメージャー、あるいはカラーセンサ等
に用いられるカラーフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、カラービデオカメラの撮像管に
は、複数色の微細なストライプが透明基板上に形成され
たカラーフィルタが装着されている。
【0003】また、液晶ディスプレイ(LCD)におい
ても、近年のカラー化の要請に対応するために、アクテ
ィブマトリックス方式および単純マトリックス方式のい
ずれの方式においてもカラーフィルタが用いられてい
る。例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアク
ティブマトリックス方式の液晶ディスプレイでは、カラ
ーフィルタは透明基板上に形成された赤(R)、緑
(G)、青(B)の3原色からなる着色層を備え、R,
G,Bのそれぞれの画素に対応する電極をオン、オフさ
せることで液晶がシャッタとして作動しR,G,Bのそ
れぞれの画素を光が透過してカラー表示が行われる。そ
して、色混合は2色以上の画素に対応する液晶シャッタ
を開き混色して別の色に見せる加色混合の原理により網
膜上で視覚的に行われる。
【0004】上述のように用いられるカラーフィルタの
着色層は、従来、染色法、分散法等の手段を用いて形成
されていた。ここで、染色法によるカラーフィルタの着
色層の形成は、例えば次のようにして行われていた。
【0005】すなわち、ゼラチン、カゼイン、ポリビニ
ルアルコール等の親水性樹脂に重クロム酸塩等の感光剤
を添加した塗布液を、スピンコート塗布法等により透明
ガラス基板上に塗布し、次いで、所定パターンのマスク
を用いて露光・現像を行い、その後、染料により染色し
て第一着色層を形成する。その後、この第一着色層上に
二度染め防止のために防染層を設けてから第二着色層お
よび第三着色層をそれぞれ第一着色層の形成と同様にし
て形成する。これにより、透明ガラス基板上にR,G,
Bの各着色層を備えたカラーフィルタを得ることができ
る。
【0006】また、分散法を用いたカラーフィルタの着
色層の形成は、例えば次のようにして行われていた。す
なわち、透明感光性樹脂に有機顔料、無機顔料等の着色
剤を分散した感光液を透明ガラス基板上に塗布して感光
性樹脂層を形成する。次に、この感光性樹脂層上に所定
形状の開口パターンを有するマスクを載置し、露光・現
像を行い第一着色層を形成する。同様にして第二着色
層、第三着色層を形成してR,G,Bの各着色層を備え
たカラーフィルタを得ることができる。
【0007】また、カラーフィルタの着色層上には保護
層が設けられ、この保護層は着色層の耐水性、耐薬品性
の向上、表面平滑性の向上、信頼性の向上、液晶層への
汚染防止等を目的とするものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、染色法
により形成されるカラーフィルタは、色調が豊富で解像
性に優れるが、染色の際に既に着色された部分が二度染
めされないように防染対策を施す必要がある等の点から
工程が煩雑であり製造コストが高いという問題があっ
た。また、着色剤に染料を用いているため耐熱性、耐薬
品性、耐光性等が劣るという問題もあった。
【0009】また、分散法により形成されるカラーフィ
ルタは、耐熱性、耐光性の高い微細なパターン形成が可
能である反面、色変えの度にフォトリソグラフィー工程
の処理を行う必要があるため工程が煩雑で製造コスト低
減が困難であるという問題があった。
【0010】このような背景から、低コスト化と量産化
を同時に可能にするとともに、大画面化も可能な印刷法
により製造さるカラーフィルタが提案されている。しか
しながら、印刷法においては、画素の太りや細り、ピン
ホールの発生等により印刷形状が悪化したり、細線の厚
みが充分にとれないため、得られるカラーフィルタは微
細パターンの再現性に問題があり、また、高品位のブラ
ックマトリックスを備えるカラーフィルタでは、クロム
蒸着法等によりブラックマトリックスを形成する必要が
あり製造コストが増大するという問題があった。
【0011】また、カラーフィルタの着色層上に形成さ
れる保護層は、着色層との密着性、耐性、レベリング
性、透明性等の種々の特性が要求され、着色層がどのよ
うに形成されたかを考慮して保護層材料を決定する必要
があった。
【0012】本発明は上述のような事情に鑑みてなされ
たものであり、液晶ディスプレイ等のフラットディスプ
レイ、CCD等のイメージャー、あるいはカラーセンサ
等に用いられる高精度のカラーフィルタを提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は透明基板と、露光により粘着性を発
現する感光性物質を前記透明基板上に塗布して形成され
た感光性層を所定のパターンを有するフォトマスクを介
して露光し露光部分にバインダーを含有する平均粒径1
0μm以下の着色粉末物質を付着させて形成した複数色
の着色パターンからなる着色層と、該着色層上に積層さ
れたアクリル・エポキシ系樹脂からなる紫外線を硬化手
段として透明有機材料により形成されている厚さ0.5
〜10μmの保護層とを有するような構成とした。
【0014】
【作用】カラーフィルタは、透明基板上の感光性層が所
定のパターンを有するフォトマスクを介して露光されて
粘着性が発現された露光部分に着色粉末物質が付着され
て形成された複数色の着色パターンからなる着色層が設
けられ、この着色層上にはアクリル系樹脂、エポキシ系
樹脂およびウレタン系樹脂の少くも1種からなる透明有
機材料により形成された保護層が積層される。これによ
り、カラーフィルタに形成された微細パターンは極めて
精度が高いとともに、カラーフィルタは優れた表面平滑
性、耐熱性、耐光性を有する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の一実施例であるカラーフィ
ルタの概略構成を示す断面図である。図1において、カ
ラーフィルタ10は透明基板12と、この透明基板12
上に形成されたブラックマトリックス14と、着色層1
6と、ブラックマトリックス14と着色層16を覆うよ
うに設けられた保護層18と透明共通電極19とを備え
ている。そして、着色層16は赤色パターン16R、緑
色パターン16G、青色パターン16Bからなってい
る。
【0016】また、図2は本発明のカラーフィルタを用
いたアクティブマトリックス方式による液晶ディスプレ
イ(LCD)の一例を示す斜視図であり、図3は同じく
概略断面図である。図2および図3において、LCD1
はカラーフィルタ10と透明ガラス基板20とをシール
材30を介して対向させ、その間に捩れネマティック
(TN)液晶からなる厚さ約5〜10μm程度の液晶層
40を形成し、さらに、カラーフィルタ10と透明ガラ
ス基板20の外側に偏光板50,51が配設されて構成
されている。そして、カラーフィルタ10は透明共通電
極19が液晶層40側に位置するように配設されてい
る。
【0017】また、透明ガラス基板20上には表示電極
22が各着色パターン16R、16G、16Bに対応す
るように設けられ、各表示電極22は薄膜トランジスタ
(TFT)24を有している。また、各表示電極22間
にはブラックマトリックス14に対応するように走査線
(ゲート電極母線)26aとデータ線26bが配設され
ている。
【0018】尚、カラーフィルタ10の着色層16の各
着色パターンの配列は図2に示されるようにモザイク配
列となっているが、着色パターンの配列はこれに限定さ
れるものではなく、三角配列、ストライプ配列等として
もよい。
【0019】このようなLCD1では、各着色パターン
16R、16G、16Bが画素を構成し、偏光板51側
から照明光を照射した状態で各画素に対応する表示電極
をオン、オフさせることで液晶層40がシャッタとして
作動し、着色パターン16R、16G、16Bのそれぞ
れの画素を光が透過してカラー表示が行われる。
【0020】カラーフィルタ10の透明基板12として
は、石英ガラス、パイレックスガラス、合成石英板等の
可撓性のないリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、
光学用樹脂板等の可撓性を有するフレキシブル材等を用
いることができる。このなかで、特にコーニング社製7
059ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定
性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガ
ラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラスであ
るため、アクティブマトリックス方式によるLCD用の
カラーフィルタに適している。
【0021】ここで、本発明のカラーフィルタにおける
ブラックマトリックス14および着色層16の形成例を
図4および図5を参照して説明する。先ず透明基板12
上に感光性物質を塗布して厚さ0.5〜5μm程度の感
光性層13を形成する(図4(A))。次に、ブラック
マトリックス用のフォトマスクを介して感光性層13を
露光し露光部分13aに粘着性を発現させる(図4
(B))。そして、感光性層13上に隠蔽粉末物質を散
布し(図4(C))、露光部分13aに隠蔽粉末物質を
付着させるとともに余分な隠蔽粉末物質を吹き飛ばすこ
とによりブラックマトリックス14が形成される(図4
(D))。
【0022】次に、赤色パターン用のフォトマスクを介
して感光性層13を露光し露光部分13bに粘着性を発
現させる(図5(A))。そして、感光性層13上に赤
色粉末物質を散布し(図5(B))、露光部分13bに
赤色粉末物質を付着させるとともに余分な赤色粉末物質
を吹き飛ばすことにより赤色パターン16Rが形成され
る(図5(C))。同様に、緑色パターン用のフォトマ
スクを介して露光し、緑色粉末物質を付着させて緑色パ
ターン16Gが形成され(図5(D))、青色パターン
用のフォトマスクを介して露光し、青色粉末物質を付着
させて青色パターン16Bが形成される(図5
(E))。このようにして、赤、緑、青の各着色パター
ンからなる着色層16が形成される。
【0023】上述のようにしてブラックマトリックス1
4および着色層16を形成した後に加熱処理を施しても
よい。加熱処理条件は、通常、150℃以上、好ましく
は250℃以上である。このような加熱処理により、感
光性層13の感光性物質が昇華除去されて、ブラックマ
トリックス14を構成する隠蔽粉末物質および着色層1
6を構成する着色粉末物質が平坦化され、ブラックマト
リックス14および着色層16の表面平滑性が向上す
る。
【0024】尚、露光部分への隠蔽粉末物質、各着色粉
末物質の付着は、上述のように1回の付着操作のみとし
てもよく、あるいは複数回繰り返してもよい。また、上
述の実施例では、ブラックマトリックス14が形成され
てから着色層16が形成されるが、形成順序はこれに限
定されるものではなく、着色層16が形成されてからブ
ラックマトリックス14が形成されるものであってもよ
い。また、ブラックマトリックスを備えていないカラー
フィルタとしてもよい。
【0025】露光により粘着性を発現する感光性物質と
しては、下記に示されるような1,4−ジヒドロピリジ
ン化合物を用いることができる。1,4−ジヒドロピリ
ジン化合物 : 2,6−ジメチル−4−(2′−ニト
ロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジ
カルボン酸ジメチルエステル; 2,6−ジメチル−4
−(2′−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジ
ン−3,5−ジカルボン酸ジエチルエステル; 2,6
−ジメチル−4−(2′−ニトロ−4′,5′−ジメト
キシフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−
ジカルボン酸ジエチルエステル; 2,6−ジメチル−
4−(2′−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリ
ジン−3,5−ジカルボン酸ジイソプロピルエステル;
2,6−ジメチル−4−(2′−ニトロフェニル)−
1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸ジ
(β−エトキシエチル)エステル; 2,6−ジメチル
−4−(2′−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピ
リジン−3,5−ジカルボン酸3−メチル−5−エチル
エステル; 2,6−ジメチル−4−(2′−ニトロフ
ェニル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカル
ボン酸3−イソプロピル−5−メチルエステル; 2,
6−ジメチル−4−(2′−ニトロフェニル)−3−ア
セト−1,4−ジヒドロピリジン−5−カルボン酸エチ
ルエステル; 2,6−ジメチル−4−(2′−ニトロ
フェニル)−3,5−ジアセト−1,4−ジヒドロピリ
ジンおよび2,6−ジメチル−4−(2′−ニトロフェ
ニル)−3,5−ジシアノ−1,4−ジヒドロピリジ
ン。
【0026】このような1,4−ジヒドロピリジン化合
物は、例えば1モルの脂肪族または芳香族アルデヒド、
1モルのアンモニアおよび2モルのβ−ケトカルボン酸
エステル、β−ケトカルボン酸ニトリルあるいはβ−ジ
ケトンとから、Hantzsch合成の方法に従って製造するこ
とができる。
【0027】上述の感光性物質は、単独で用いて感光性
層13を形成してもよく、あるいはバインダーと混合し
て使用してもよい。バインダーとの混合割合は、バイン
ダー1重量部に対して0.2〜9重量部程度が好まし
い。使用するバインダーとしては、ポリアクリル酸エス
テルおよび/またはポリメタクリル酸エステル、アクリ
ル酸および/またはメタクリル酸もしくは他のアクリル
モノマーおよび/またはビニルモノマー類の共重合体;
マレイン酸無水物、マレイン酸および/またはそのス
チレン、もしくは他のビニルモノマーのジ−もしくはセ
ミエステル類の共重合体; ポリ塩化ビニル、その塩素
化処理生成物、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレ
ン等の塩素含有ビニルポリマー、または共重合体; ポ
リスチレンおよびマレイン酸等とのスチレン共重合体、
ポリエチレンおよびマレイン酸等とのエチレン共重合
体; ブタジエン、クロロプレン等に基づく合成ゴムお
よびそれらのスチレン、アクリロニトリル等との共重合
体; 高分子量のポリエチレンオキサイドまたはポリエ
ピクロルヒドリンのようなポリエーテルが挙げられる。
【0028】また、感光性物質には増感剤、安定化剤等
を含有することができる。上述のような感光性物質を透
明基板12上に塗布するには、スピンコート法等の公知
の方法を用いることができる。また、感光性層13の露
光に用いる光源としては、超高圧水銀灯、キセノンラン
プ、蛍光灯等が挙げられる。露光における照射量は50
〜300mJ/cm2 程度が好ましい。
【0029】隠蔽粉末物質および着色粉末物質は、酸化
チタン(TiO2 )、SiO2 、ガラス粉末、カーボン
ブラック、グラファイト、銅ーフタロシアニン類、アゾ
染料、アルミニウム、銅、鉄等の金属粉末あるいは金属
酸化物をバインダーを用いて平均粒径30μm以下、好
ましくは10μm以下の微細粒子としたものを使用する
ことができる。バインダーとしては、上記の感光性層1
3形成用のバインダと同様の材料を使用することができ
る。また、バインダーには湿潤剤、帯電防止剤等の添加
剤を加えてもよい。
【0030】カラーフィルタ10のブラックマトリック
ス14と着色層16を覆うように設けられる保護層18
は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂およびウレタン系
樹脂の少くも1種からなる透明有機材料により形成され
る。
【0031】上記の樹脂による保護層18の形成は、ス
ピンナー塗布法、バーコート法、フレキソ印刷法、流延
法(被塗布体上に溶融樹脂を流し、その後、ローラで所
定の厚みに延ばす方法)等の塗布方法を用いて行うこと
ができる。そして、このような保護層18の厚さは、
0.2〜50μm程度、好ましくは0.5〜10μm程
度である。保護層18の厚さが0.2μm未満では保護
層としての効果、特に表面平坦化の効果が充分に得られ
ず、また50μmを越えると保護層自体の応力が増加し
好ましくない。このように、保護層18が透明有機材料
により形成されることにより、カラーフィルタ10には
優れた表面平滑性、耐熱性、耐光性が付与される。
【0032】透明共通電極19としては、酸化インジウ
ムスズ(ITO)膜、酸化亜鉛(ZnO)膜等を用いる
ことができる。ITO膜、ZnO膜は蒸着法、スパッタ
法等の公知の方法により形成することができ、厚さは2
00〜2000Å程度が好ましい。
【0033】次に、実験例を示して本発明を更に詳細に
説明する。 (実験例1)まず、2−ブタノン200cm3 中に、2,
6−ジメチル−4−(2′−ニトロフェニル)−1,4
−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸のジメチル
エステル7.5gと、2,6−ジメチル−4−(2′−
ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5
−ジカルボン酸のジエチルエステル7.5gとを溶解し
て、露光により粘着性を発現する感光性物質を調製し
た。そして、透明基板としてコーニング社製7059ガ
ラス(厚さ=1.1mm)を用い、スピンコート法(回
転数=500r.p.m.)により上記の感光性物質を塗布
し、透明基板上に感光性層(厚さ=1.5μm)を形成
した。
【0034】次に、感光性層に対してブラックマトリッ
クス用のフォトマスクを介して紫外線露光を行った。露
光用の光源は超高圧水銀灯を用い、照射量は365nm
の波長において200mJ/cm2 とした。このような紫
外線露光により、感光性層のうち紫外線が照射された領
域には粘着性が発現していることが確認された。
【0035】次に、感光性層の全面に黒色トナー(積水
化成品工業社製MB−15ブラックSHC−3(試供
品)、平均粒径=14.2μm)をふりかけ、その後、
圧縮空気により黒色トナーを吹き飛ばした。これによっ
て、上記の紫外線露光により粘着性が発現している領域
にのみ黒色トナーを付着してブラックマトリックスパタ
ーンを形成した。尚、この工程において圧縮空気により
吹き飛ばされた(除去された)黒色トナーは、回収して
再度使用することができた。この時の解像力は、ライン
&スペースで10μmであった。
【0036】次に、黒色トナーが付着している感光性層
に対して赤色パターン用のフォトマスクを介して所定位
置に紫外線露光を行った。紫外線露光条件は上記の露光
と同一とした。そして、黒色トナーの場合と同様に赤色
トナー(積水化成品工業社製MB−8レッド50(試供
品)、平均粒径=8.7μm)を用いて赤色パターンを
形成した。
【0037】次に、黒色トナーおよび赤色トナーが付着
している感光性層に対して、赤色パターンと同様にして
緑色パターン用のフォトマスクを介して所定位置に紫外
線露光を行い、緑色トナー(積水化成品工業社製MB−
8グリーンHC(試供品)、平均粒径=8.1μm)を
用いて緑色パターンを形成した。
【0038】さらに、黒色トナー、赤色トナーおよび緑
色トナーが付着している感光性層に対して、赤色パター
ンと同様にして青色パターン用のフォトマスクを介して
所定位置に紫外線露光を行い、青色トナー(積水化成品
工業社製MB−8ブルーHC(試供品)、平均粒径=
8.9μm)を用いて青色パターンを形成した。これに
より、赤(R)、緑(G)、青(B)の着色パターンか
らなる着色層を形成した。
【0039】次に、このような着色層を覆うように保護
層を形成した。この保護層は下記組成の保護層用塗布液
をスピンコート法により着色層上に塗布して形成した後
に、紫外線露光により硬化した。保護層の厚さは約8μ
mであった。このカラーフィルターの表面粗さを測定し
たところ、最大粗さRmax=0.2μmであった。
【0040】 (保護層用塗布液) ・O−クレゾールノボラックエポキシアクリレート 35重量部 ・クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 15重量部 ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 50重量部 ・イルガキュラー907(チバガイギー社製) 2重量部 ・UVE1014(ゼネラルエレクトリック社製) 2重量部 ・エチルセロソルブアセテート 200重量部 さらに、この保護層上にスパッタリング法により厚さ約
200Åの透明共通電極(ITO膜)を形成してカラー
フィルタを得た。 (実験例2)保護層用塗布液として下記組成の保護層用
塗布液を用い、150゜C、30分間の熱処理により硬
化した他は実験例1と同様にしてカラーフィルタを得
た。このカラーフィルタの保護層の厚さは約3μmであ
った。
【0041】 (保護層用塗布液) ・ポリオール(武田薬品工業タケラックU25) 130重量部 ・ポリイソシアネート(武田薬品工業タケネートD110N)130重量部 ・エチルセロソルブアセテート 676重量部 ・エチルセロソルブ 104重量部 (実験例3) 実験例1と同様にしてブラックマトリックスと赤
(R)、緑(G)、青(B)の着色パターンを有する着
色層を形成した後、270℃で30分間の加熱処理を施
し、その後、実験例1と同様にして保護層と透明共通電
極(ITO膜)とを形成してカラーフィルタを得た。こ
のカラーフィルタでは、感光性物質は昇華除去されてい
た。 (比較実験例1)保護層を形成しないことの他は実験例
1と同様にしてカラーフィルターを形成した。
【0042】このカラーフィルターは、透明共通電極
(ITO膜)の形成中に、スパッタリング時の温度上昇
に伴う感光性物質の昇華が同時に発生した。このため、
良好なITO膜が得られず、LCD用カラーフィルター
としては、不適当であった。 (比較実験例2)保護層を形成しないことの他は、実験
例3と同様にしてカラーフイルターを形成した。
【0043】このカラーフィルターは、ガラス基板とブ
ラックマトリックス層、着色層との密着性が低く、配向
膜のラビング工程において膜剥れが発生し、LCD用の
カラーフィルターとしては不適当なものであった。 (比較実験例3)保護層の厚さを約0.1μmとした他
は実験例1と同様にしてカラーフィルタを得た。このカ
ラーフィルターの表面粗さを測定したところ、最大粗さ
Rmax=1.8μmであり、LCD用カラーフィルタ
ーとしては不適当であった。 (比較実験例4)保護層の厚さを約60μmとした他は
実験例1と同様にしてカラーフィルタを得た。このカラ
ーフィルターには、保護層の応力によるものと思われる
ガラス基板の反りが発生し、LCD用のカラーフィルタ
ーとしては不適当であった。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によるカラ
ーフィルタは、透明基板上の感光性層が所定のパターン
を有するフォトマスクを介して露光されて粘着性が発現
された露光部分に着色粉末物質が付着されて形成された
複数色の着色パターンからなる着色層を備え、また、こ
の着色層上にはアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂および
ウレタン系樹脂の少くも1種からなる透明有機材料によ
り形成された保護層を備えているため、微細パターン精
度が良好であるとともに、優れた表面平滑性、耐熱性、
耐光性を有するという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの一実施例を示す概略
断面図である。
【図2】本発明のカラーフィルタを用いたアクティブマ
トリックス方式による液晶ディスプレイの一例を示す斜
視図である。
【図3】図2に示される液晶ディスプレイの概略断面図
である。
【図4】本発明のカラーフィルタの製造を説明するため
の工程図である。
【図5】本発明のカラーフィルタの製造を説明するため
の工程図である。
【符号の説明】
10…カラーフィルタ 12…透明基板 13…感光性層 14…ブラックマトリックス 16…着色層 16R,16G,16B…着色パターン 18…保護層

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、露光により粘着性を発現す
    る感光性物質を前記透明基板上に塗布して形成された感
    光性層を所定のパターンを有するフォトマスクを介して
    露光し露光部分にバインダーを含有する平均粒径10μ
    m以下の着色粉末物質を付着させて形成した複数色の着
    色パターンからなる着色層と、該着色層上に積層された
    アクリル・エポキシ系樹脂からなる透明有機材料により
    紫外線を硬化手段として形成されている厚さ0.5〜1
    0μmの保護層とを有することを特徴とするカラーフィ
    ルタ。
  2. 【請求項2】 前記感光性層をブラックマトリックス用
    パターンを有するフォトマスクを介して露光し露光部分
    に隠蔽粉末物質を付着させて形成したブラックマトリッ
    クスを有することを特徴とする請求項1記載のカラーフ
    ィルタ。
  3. 【請求項3】 前記保護層上に透明導電膜を有すること
    を特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタ。
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