JP3205582B6 - 空容器類破砕圧潰機 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、一般の酒店等で使用済みの各種空瓶，プラスチック製の空容器またはジュース空缶を粉砕・圧潰するための空容器類破砕圧潰機に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、例えば酒類小売店等においては使用済みの空瓶が多く発生するが、これらの取扱かいは、再使用するものはそのまま保管しておき、取扱かい業者に適宜引取らせている。また、廃棄処分するものはまとめて溜めておいて瓶類の廃品回収日に出し、回収業者にそのまま引取らせている。さらに破砕したものを回収業者に引取らせることも行なわれているが、この場合は、空瓶をハンマーで叩いて砕くなどし、容器に溜めていた。一方、ビール缶，ジュース缶等のアルミ，スチール製空缶はドラム缶等の缶入れに放り込み貯留しておき、一杯になれば、これを回収業者に渡し、回収業者は処理場で圧潰処分している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、廃棄処分する空瓶・空缶はそのまま溜めてゆくと非常に容積が嵩み、しかも転がり易いので扱かいにくく、場所的にも広いスペースを必要とすることから時には邪魔になっていた。また、容積を減らすため空瓶をハンマー等で叩き細く砕いて容器に溜めておく場合は、作業時にガラスの破片が飛散して危険である。さらに、割らずにそのまま回収業者に引取って貰うとすれば、空瓶等は嵩の割りに重量が極めて少なくて、恰も空気を運ぶのと同じことになり運搬効率が低いものであった。
【０００４】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、酒類小売店，一般の工場，さらには家庭等でも手軽に使える容器類の破砕圧潰機の出現が強く要望されているところ、本発明はこれに応えるべくなされたものであり、前記の如き課題をすべて解決すると共に、安全で能率良く、しかも手軽に使用できる空容器類破砕圧潰機を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
かかる目的達成のため、本発明の空容器類破砕圧潰機は、箱形のカバー本体の上面に投入口を開設すると共に、内部に該投入口と連なるホッパーを設け、該ホッパーの出口部の下方一側に固定盤を立設し、他側に該固定盤と向き合い接離自在に往復運動する可動盤を対設し、また、カバー本体の底部には前記ホッパーの出口部に対向して所定幅の排出口を設け、該排出口の中央に投入された各種空容器等を一旦受 け止める棚受バーを架設し、前記固定盤と可動盤の互い に向い合う面には、表面に多数の突起が突設された歯部 板、又は互いに向き合う面を上方から下方に向けて順次 せり出す傾斜面とすると共にその表面に互いに噛合する 多数の凹凸面よりなる刃を形成した歯部板、又は互いに 向き合う面を咬合する波形面 に形成した歯部板、のいず れかを着脱自在に取着できるようにし、前記可動盤を適宜駆動手段により往復運動させてホッパーから導入される各種空容器等を固定盤と可動盤間で破砕圧潰し、排出口から下方へ落下させるようにした構成よりなる。
【０００６】
【作用】
カバー本体の上面の投入口から、ホッパー内に適宜空容器を投入する。この時、最下位の空容器は排出口の棚受バー上面に載っている。そして、可動盤を稼動し、固定盤に対し可動盤を接離自在に往復運動させる。投入された各種空容器は可動盤の接近に伴ない固定盤と可動盤間で押圧されて破砕し、排出口の棚受バーの両側隙間から自然と落下する。また、固定盤と可動盤とが離隔した際その間に次の空容器が落下し前記と同じ動作を繰り返し順次破砕圧潰する。
【０００７】
【実施例】
以下に本発明の空容器類破砕圧潰機の一実施例を図面と共に説明する。図において１は防音効果を備えて箱形に形成されるカバー本体であり、該カバー本体１の上面１ａには透明なアクリル板などで被ったのぞき窓３ａを有した蓋３で開閉される投入口２を開設すると共に、内部に該投入口２と連なる縦型のホッパー４が装着される。該ホッパー４の出口部５の下方で底面１ｂ上に左右一対をなす固定盤６，７を夫々垂直状に立設する。そして、一方の固定盤７側に固定盤６と向き合う可動盤８を対向配置する。該可動盤８は図４に示すよう後側面に一対の支持軸９ａ，９ｂを水平且つ平行に突設し、固定盤７を貫通する軸筒１０ａ，１０ｂに嵌挿され支持される。また、前記固定盤７の後面にはロッド１１先端が固定盤７から出没する油圧シリンダー１２が取着され、ロッド１１の先端は前記可動盤８の後面に固着される。１３は油圧シリンダー１２に油圧を送る油圧モータであり、１４はカバー本体１の一側に突出し、油圧シリンダ−１２の油圧の掛かる方向を切替する作動レバーである。
【０００８】
そして、作動レバー１４を左右に動かすことにより油圧シリンダー１２が作動し、可動盤８は固定盤６に対し接離自在に往復運動をする。固定盤６と可動盤８の互いに向い合う面には図５（イ），図５（ロ）及び図６（イ），図６（ロ）に示すように表面に多数の突起１５が突設された歯部板１６がねじ１７により着脱自在に取着されている。また、前記可動盤８の上端面には庇板１８が後方へ水平に延設しており、ロッド１１が伸びた時該ロッド１１上に圧潰物が入らないように保護している。１９…は固定盤６と固定盤７間に差し渡され、これらを強固に保持固定する固定杆である。前記、固定盤６，７間の底面１ｂには所定幅の排出口２０が開設されており、該排出口２０の略中央に棚受バー２１が回転自在に軸支されている。
【０００９】
２２はカバー本体１を載置して移動可能に支持する架台であり、基板２２ａの下面四隅角に所要の長さを持つ支脚２３をそれぞれ垂設し、各支脚２３の下端部にはキャスター２４を取付けている。また、前記基板２２ａにはカバー本体１の底面１ｂに開設した排出口２０と略同じ大きさで連通する開口２５を設けている。該開口２５の下面周側縁にはゴムカバー２６を筒状に垂下して防護壁を形成している。
【００１０】
架台２２上面の四側縁にはそれぞれ止板２７，２７…を立設し、一つの角部を挟んだ両側縁の止板２７ａ，２７ａ…にはそれぞれ螺子２８を外側から螺挿すると共に、内側先端に押圧片２９を固着してなり、カバー本体１を基板２２ａ上面に載せた際、螺子２８を締めて押圧片２９をカバー本体１の表面に押圧して位置ずれを起さないようにしている。また、カバー本体１の上面１ａ四隅部には吊り環３０が植設されており、クレーン（図示せず）などで吊って移動する時に使用する。３１ａ，３１ｂはカバー本体１の一側面に設けられた電源のオン又はオフ用のスイッチを示す。なお、前記棚受バー２１は排出口２０に設けたが、架台２２の開口２５に設けても良い。
【００１１】
３２は手押し車３３に載置して前記架台２２下面の各支脚２３間に出入自由に搬入させる回収容器であり、中に網目状の側壁からなり通水性のある中容器３４を収容してなる。この回収容器３２内には水を入れておく。該回収容器３２は手押し車３３で移動させ架台２２の下方に搬入し、基板２２ａの下面から垂設したゴムカバー２６を回収容器３２内、すなわち中容器３４内に入れその下端が水面より下の位置に来るようにセットする。
【００１２】
本発明は上記構成よりなり、先ず、蓋３を開けて投入口２からホッパー４内に破砕すべき各種空容器、例えば一升瓶又は洋酒の瓶などのガラス瓶Ｂを投入する。投入されたガラス瓶Ｂは図８に示すように下に位置するものが可動盤８と固定盤６間に落下し、棚受バー２１に受止められ排出口２０から落下することなく溜る。この状態で電源スイッチ３１ａを押し油圧モータ１３を駆動させ、作動レバー１４を介して油圧シリンダ−１２を駆動させることにより、固定盤６に対して可動盤８を接離自在に往復運動させる。
【００１３】
これによりガラス瓶Ｂは可動盤８の接近に伴ない固定盤６と可動盤８間で挟圧されて図９に示すように破砕される。破砕されたガラス片は棚受バー２１に遮ぎられることなく排出口２０から自然に落下し、ゴムカバー２６によって外方へ飛び散ることもなく回収容器３２内の中容器３４へ回収される。この際、棚受バー２１は回転するので破片がひっかかるようなこともなくスムーズに落ちる。このとき、回収容器３２内には水が入れてあるので、落下時の音が少なく、また酒瓶に付着している臭気を水で薄めるので、悪臭が発生するのを防止することができる。また、細かいガラス片が飛び散るのを防止するなど都合が良い。
【００１４】
また、固定盤６及び可動盤８の互いに向き合う面に多数の突起１５を設けることで、破砕に際してこれらの突起１５がガラス瓶Ｂの表面に刺さり亀裂を生じさせるので、円柱状のものでも割れ易くなり、油圧モータ１３に過大な負荷を掛けず、円滑な動作を行なわせることができる。破砕が終れば、手押し車３３を架台２２から引出し、更に、中容器３４を回収容器３２から引出し例えばカレツトとして処理する。
【００１５】
また、固定盤６と可動盤８の互いに向き合う面は処理する空容器の材質等に合わせて効率のよい構成が選択される。即ち、図１０に示したものは固定盤６と可動盤８に螺着される歯部板１６ａ，１６ａで、これはプラスチック製の空容器破砕に適しており、両歯部板１６ａ，１６ａは互いに向き合う面を上方から下方に向けて順次せり出す傾斜面とすると共に、その表面に互いに噛合する多数の凹凸面よりなる刃３５を形成し、対向する刃３５，３５どうしが噛合することで空容器を裁断させる。なお、図中、３６…は螺締するための透孔である。
【００１６】
図１１に示したものは金属製の破砕に適した歯部板１６ｂ，１６ｂであり、両歯部板１６ｂ，１６ｂは互いに向き合う面を咬合する波形面に形成している。そして、咬合する波形面によってブリキ缶又はアルミ缶などの金属缶を扁平状に圧潰させる。この歯部板１６ｂ，１６ｂ´にも螺締するための透孔３６が開設されている。
【００１７】
また、図は省略するが、生ごみ等の嵩を減じさせるには前記歯部板１６，１６の対向面をそれぞれ扁平にすれば良い。そして、平坦面間で生ごみ類を挟圧して水分と容積とを減少させ、乾燥状態乃至半乾燥状態の廃棄処理し易い形態に処分することができる。
【００１８】
図１２に示したものはカバー本体１を架台２２上に載置させることなく、例えば直接ドラム缶Ｄ上に据置して使用する例である。この使用例では排出口２０から落下する破砕片をドラム缶Ｄに溜め、一杯になればそのまま回収業者に引取って貰うようにすることができて、無駄がなく輸送効率もよくなり、しかも業者に渡った後はカレットとして道路に敷設すればそのまま利用でき便利である。また、前記ホッパー４内を仕切壁などで区分けし、空瓶を色によって分けて、同色のもののみを破砕して集めるようにすれば、新しい又は再生瓶の製造原料としても使用することができる。
【００１９】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明の空容器類破砕圧潰機は、ガラス製の各種空瓶やプラスチック容器等の空容器またはスチール，アルミ製の空缶等を手軽にしかも安全に破砕して破片とし、若しくは圧潰して金属塊とすることができて、嵩を顕著に減少して一時的に保管しておく際のスペースが節減できる。また、回収業者らに引取らせた場合、運搬する際の輸送効率を向上させ、さらに資源として再利用したり、埋立て処分等にもそのまま使用することができる等の多くの利点を有する。
【００２０】
また、前記固定盤と可動盤の互いに向い合 う面には、表面に多数の突起が突設された歯部板、又は 互いに向き合う面を上方から下方に向けて順次せり出す 傾斜面とすると共にその表面に互いに噛合する多数の凹 凸面よりなる刃を形成した歯部板、又は互いに向き合う 面を咬合する波形面に形成した歯部板、のいずれかを着 脱自在に取着できるようにしたので、必要に応じて各歯 部板のみを交換すればよく、至便である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の空容器類破砕圧潰機の斜視図。
【図２】同分解斜視図。
【図３】同側面断面図。
【図４】図３における一部を断面にして示すＸ−Ｘ線矢視図。
【図５】（イ）は固定盤の正面図，（ロ）は図５（イ）のＹ−Ｙ線断面図。
【図６】（イ）は可動盤の正面図，（ロ）は図６（イ）のＺ−Ｚ線断面図。
【図７】回収容器を台車に載置した状態の斜視図。
【図８】空瓶をホッパーから投入した状態の側面断面図。
【図９】空瓶を圧潰した状態の側面断面図。
【図１０】プラスチック製空容器を圧潰するための歯部板の斜視図。
【図１１】金属缶を圧潰するための歯部板の斜視図。
【図１２】ドラム缶上に載置した使用例を示す断面図。
【符号の説明】
１ カバー本体
１ｂ 底面
２ 投入口
４ ホッパー
５ 出口部
６，７ 固定盤
８ 可動盤
１５ 突起
１６ 歯部板
１６ａ 歯部板
１６ｂ 歯部板
３５ 刃
２０ 排出口
２１ 棚受バー

Claims (1)

1. 箱形のカバー本体の上面に投入口を開設すると共に、内部に該投入口と連なるホッパーを設け、該ホッパーの出口部の下方一側に固定盤を立設し、他側に該固定盤と向き合い接離自在に往復運動する可動盤を対設し、また、カバー本体の底部には前記ホッパーの出口部に対向して所定幅の排出口を設け、該排出口の中央に投入された各種空容器等を一旦受け止める棚受バーを 架設し、前記固定盤と可動盤の互いに向い合う面には、 表面に多数の突起が突設された歯部板、又は互いに向き 合う面を上方から下方に向けて順次せり出す傾斜面とす ると共にその表面に互いに噛合する多数の凹凸面よりな る刃を形成した歯部板、又は互いに向き合う面を咬合す る波形面に形成した歯部板、のいずれかを着脱自在に取 着できるようにし、前記可動盤を適宜駆動手段により往復運動させてホッパーから導入される各種空容器等を固定盤と可動盤間で破砕圧潰し、排出口から下方へ落下させるように構成した空容器類破砕圧潰機。

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