JP3205168U - 壁面収納システム - Google Patents

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Abstract

【課題】居住空間の広さを損なうことなく、簡単な構造で壁裏空間の有効活用を図れ、取扱い性及び使い勝手並びに意匠性に優れるフレキシブルウォール機能の高い壁面収納システムを提供する。【解決手段】複数の収容部110,120を有し、収容部110,120の正面部側は居住空間10内の壁面40bと略同一面上に位置し、収容部110の裏面部側は壁面40bの裏側に位置するよう壁40に埋設された壁面収納システム100であって、収容部110,120の正面部側には開閉機構部150を介して垂直方向に回動自在な扉130,140が着脱自在となるよう設けられ、収容部110,120には収納部160,170が挿脱自在に収容されるよう構成したことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本考案は、建築物の居住空間に位置する壁面に埋設された壁面収納システム、特に戸建て住宅やマンション他集合住宅等の限られた居住空間に於ける壁裏空間の有効活用を図った壁面収納システムに関する。
従来、戸建て住宅やマンション他集合住宅等の限られた居住空間にあっては、居住空間を広く使用するために、種々の工夫が図られてきている。例えば、物品等の収納場所として、壁面収納といったように壁面を利用した種々の工夫が図られてきている。
特開平8−254009(下記特許文献1)には、壁パネル面に設けられた開口部に嵌め込んで取付けられるプラスチックにより一体成形されたシングル壁パネル用の壁面収納棚に於いて、収納棚本体の前面周縁の外側に収納棚本体の奥行方向に折り返してフランジが設けられ、このフランジの先端が壁パネルの開口部周囲に当接され、収納棚本体が壁パネル内に嵌め込まれるよう構成した壁面収納棚が開示されている。この特許文献1によれば、壁面に嵌め込むことにより、壁体のデッドスペースを有効に活用するとともに、壁面よりの出っ張り寸法を少なくして、居住空間の占領を少なくすることが可能で、シングル壁及びダブル壁の両方に適用して設けることができる組立て及び取付けが容易となるものである。
特開平8−338126号公報(下記特許文献2)には、住宅の玄関ホールや廊下の壁面に設けられた壁面収納構造に関する技術が開示されている。この特許文献2の壁面収納構造は、壁面の一部を後退させて凹部を形成し、少なくとも一方の面にコート掛け等の所定の収納具を取り付けた収納板を当該収納板の鉛直対称軸線回りに回動自在に上記凹部の開口に配設する構造とすることにより、収納品の取り出しが容易であるとともに小さな前面スペースでも開閉可能で、重量負担を軽減することができるようにしたものである。
特開平10−292614号公報(下記特許文献3)には、住宅等の室内の壁面収納部の構造に関する技術が開示されている。この特許文献3は、外壁または仕切り壁の裏面と室内壁との間の空隙部に一体成型した収納部を格納していること或いは内装材を取着していることを特徴とし、さらに上記収納部は蓋に開口部が設けられているトランクであり、このトランクが空隙部に着脱自在に格納されているよう構成したことを特徴としている。これにより、手数が掛からず容易に施工でき、作業性がよく、意匠性と利便性に優れた壁面収納部を提供するようにしたものである。
特開2005−325525号公報(下記特許文献4)には、壁面収納を自由に配置できる建物に関する技術が開示されている。この特許文献4では、外壁内面に室内側に突出する突出壁が複数形成されることによって、これら突出壁と外壁とにより平面視コ字状の凹部が形成され、この凹部に収納部が設けられている。そして、突出壁は、柱と異なり外壁内面の所望の位置に形成できるので、この突出壁と外壁とによって形成された凹部を所望の位置に設けることができ、以って収納部を所望の位置に自由に配置できるようにしたことを特徴としている。
特開平8−254009号公報 特開平8−338126号公報 特開平10−292614号公報 特開2005−325525号公報
近時、居住空間にビルトインされ扉開放時に階段状に収納棚が展開されるよう構成した収納システムの壁面収納への応用を図ろうとする試みもある。しかし、このものにあっては、その仕組みが大がかりで、その設置のために多くの費用と手間を要するものである。
また、フレキシブルウォール機能として種々の提案が設計側からなされているが、これは単に収納棚的な機能に視点が置かれ、ユーザ視線に立った使い勝手のよいものが提案されていないのが実情である。例えば、季節毎或いは生活シーンに応じて居住空間のイメージを変えるべく壁面のデサインを変えるようなことは容易にはできないものである。また、普段は収納棚として機能し、来客時には飾り棚としての機能を欲したくても、これを実現するようなフレキシブルウォール機能は提案されていなかった。
特許文献1に開示されたものは、壁体のデッドスペースを有効に活用するとともに、壁面よりの出っ張り寸法を少なくして、居住空間の占領を少なくすることを可能とし、圧迫感を受けたり、立ち振る舞い時に不都合であるといったことを解消することを意図したものに過ぎないものである。上述したようなユーザ視線に立ったフレキシブルウォール機能の思想は全くなく、また示唆もされていないものである。
特許文献2に開示されたものは、収納品の取出しが容易であるとともに小さな前面スペースでも開閉可能であり、且つ重量負担を軽減することを意図したものに過ぎないものである。特許文献2には、上述したようなユーザ視線に立ったフレキシブルウォール機能の思想は全くなく、また示唆もされていないものである。
特許文献3に開示されたものは、手数が掛からず容易に施工でき、作業性がよ
く、意匠性と利便性に優れた壁面収納部を提供することを意図したものに過ぎないものである。このものにあっても、上述したようなユーザ視線に立ったフレキシブルウォール機能の思想は全くなく、示唆もされていないものである。
特許文献4に開示されたものは、壁面収納を自由に配置できる建物を提供することを意図したものに過ぎないものである。特許文献4にあっても上述したようなユーザ視線に立ったフレキシブルウォール機能の思想は全くなく、また示唆もされていないものである。
本考案は、上記事情を考慮してなされたもので、上述の不具合を解消し、居住空間の広さを損なうことなく、簡単な構造で壁裏空間の有効活用を図れる壁面収納システムを提供することを目的とする。
また、本考案は、取扱い性、使い勝手及び意匠性に優れ且つフレキシブルウォール機能の高い壁面収納システムを提供することを目的とする。
本考案は、上記目的を達成するために以下の通りの構成とすることを特徴とする。
(1) 複数の収容部を有しこの収容部の正面部側は居住空間内の壁面と略同一面上に位置し当該収容部の背面部側は当該壁面の裏側に位置するよう当該壁に埋設された壁面収納システムであって、上記収容部の正面部側には当該収容部に設けられた開閉機構部を介して垂直方向に回動自在な扉が着脱自在となるよう設けられ、また上記収容部には一部が開放された収納部が挿脱自在に収容されるよう構成したことを特徴とする。
(2) 上記(1)の構成にあって、上記収容部に設けられた扉で同一形状を呈するもの同士は、交換可能とするよう構成したことを特徴とする。
(3) 上記(1)または(2)の構成にあって、上記扉は居住空間内の床面から所定の位置未満に存する場合は当該扉の上部側が下方向へ回動自在に開閉するよう構成され、また上記扉は居住空間内の床面から上記所定の位置以上に存する場合は当該扉の下部側が上方向へ回動自在に開閉するよう構成されることを特徴とする。
(4)上記(1)、(2)または(3)の構成にあって、上記扉に照明機構部を設けた構成としたことを特徴とする。
(5)上記(1)乃至(4)の構成にあって、上記扉は垂直方向に対して略直角に水平状態を保持可能となるようステー機構部を上記収容部に設けた構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、居住空間の広さを損なうことなく、簡単な構造で壁裏空間の有効活用を図れるものである。また、操作性も良く取扱いが容易という実用的効果を奏するものである。
さらに、上記構成によれば、扉を着脱自在に交換可能としてあるので、扉に描かれるデザインを容易に変更可能となり、居住空間側の意匠性の自由度向上を図れ、美観にも優れ且つフレキシブルウォール機能が高いという効果を奏するものである。
本考案によれば、居住空間の広さを損なうことなく、簡単な構造で壁裏空間の有効活用を図れるものである。
また、本考案によれば、取扱い性、使い勝手及び意匠性の観点からの改善も図れ、且つフレキシブルウォール機能の高い実用的な効果をも奏する。
本考案の一実施形態に係わる壁面収納システムの正面側からの全体の概略構成を示す図である。 同実施形態に係わり、壁面収納システムの側面側からの全体の概略構成を模式的に示す図である。 同実施形態に係わり、壁面収納システムに於ける扉の開閉状況を側面側から模式的に示す図である。 同実施形態に係わり、最下段以外に位置する扉の概略構成を模式的に示す図であり、(a)は正面側からの、(b)は背面側からの、(c)は側面側からの図である。 同実施形態に係わり、最下段に位置する扉の概略構成を模式的に示す図であり、(a)は正面側からの、(b)は背面側からの、(c)は側面側からの図である。 同実施形態に係わり、収容部に設けられた開閉機構部の一部の概略構成を模式的に示す図であり、(a)は最上段に位置する収容部に設けられた開閉機構部の、(b)は最上段以外に位置する収容部に設けられた開閉機構部の概略構成を模式的に示す図である。 同実施形態に係わり、ステー機構部を設けた扉の開閉状況を側面側から模式的に示す図である。 同実施形態に係わり、最下段以外に位置する収容部に収容される収納部の概略構成を模式的に示す図である。 同実施形態に係わり、最下段に位置する収容部に収容される収納部の概略構成を模式的に示す図である。 同実施形態に係わり、着脱自在に設けられた収納棚を有する収納部の概略構成を模式的に示す図であり、(a)は最下段以外に位置する収納部の、(b)は最下段に位置する収納部の図である。 本考案の他の実施形態に係わる壁面収納システムの正面側からの全体の概略構成を示す図である。 同実施形態に係わり、壁面収納システムの側面側からの全体の概略構成を模式的に示す図である。 同実施形態に係わり、壁面収納システムに於ける扉の開閉状況を側面側から模式的に示す図である。 同実施形態に係わり、最下段以外に位置する扉の概略構成を模式的に示す図であり、(a)は正面側からの、(b)は背面側からの、(c)は側面側からの図である。 同実施形態に係わり、最下段に位置する扉の概略構成を模式的に示す図であり、(a)は正面側からの、(b)は背面側からの、(c)は側面側からの図である。 同実施形態に係わり、収容部に設けられた開閉機構の一部の概略構成を模式的に示す図であり、(a)は最上段に位置する収容部に設けられた開閉機構部の、(b)は最上段以外に位置する収容部に設けられた開閉機構部の概略構成を模式的に示す図である。 同実施形態に係わり、ステー機構部を設けた扉の開閉状況を側面側から模式的に示す図である。 同実施形態に係わり、最下段以外に位置する収容部に収容される収納部の概略構成を模式的に示す図である。 同実施形態に係わり、最下段に位置する収容部に収容される収納部の概略構成を模式的に示す図である。 同実施形態に係わり、着脱自在に設けられた収納棚を有する収納部の概略構成を模式的に示す図であり、(a)は最下段以外に位置する収納部の、(b)は最下段に位置する収納部の図である。 同実施形態に係わり、扉により閉塞状態にある収納棚を装着した収納部の概略構成を模式的に示す図であり、(a)は最下段以外に位置する収納部の、(b)は最下段に位置する収納部の図である。 同実施形態に係わり、収納部を閉塞状態にした扉の開閉状況を側面側から模式的に示す図である。 同実施形態の変形例に係わり、扉の概略構成を模式的に示す図であり、(a)は正面側からの、(b)は背面側からの、(c)は側面側からの図である。
以下本考案の一実施形態につき、図を参照して説明する。
本実施形態に係わる壁面収納システム100は、居住空間の壁と一体となってフレキシブルウォールとして機能するものであり、直方体状で、その下部100aは居住空間10を形成する床面20と同一平面上に位置して天井30方向に垂直に指向するよう居住空間10を形成する壁40に壁裏40a方向へ埋設されている。ここで、この埋設されている部分L1は、例えば50cmである。
この壁面収納システム100の正面側100bは例えば横方向の一辺L2が160cmで縦方向の一辺L3が180cmの長方形状であり、居住空間10側に位置する壁面40bと同一平面上に位置するよう構成されている。而して、壁面収納システム100の正面側100bと壁面40bとは、あたかも一体的に形成されているよう外観を呈するものである。
なお、L1、L2及びL3の寸法は上記に限定される訳ではなく、他の寸法でもよいことは勿論である。
また、壁面収納システム100は、正面側の一辺がM1(即ち、L2/4)の正方形状である収容部110を12個と、横の辺がM1で縦の辺がM2の正面部が長方形状である収容部120を4個有している。正方形状の収容部110は、一段につき4個ずつ壁面収納システム100の最上段から下方へ3段に亘って配されている。長方形状の収容部120は、上部に収容部110が位置するよう壁面収納システム100の最下段に配されている。
ここで、M1=40cm、M2=60cmとしているが、これに限定される訳ではなく、他の寸法でもよいことは勿論である。
各収容部110,120の正面部側には、扉130,140が設けられている。この扉130,140は、各収容部110,120に設けられた開閉機構部150を介して垂直方向に回動自在となるよう取付けられている。また、扉130,140の幾つかは収容部110,120の正面部側に対し着脱自在となるよう設けられている。而して、各収容部110,120の正面部側が扉130,140にて閉塞状態にあると、扉130,140は同一平面上に位置して壁面収納システム100の正面側100bを構成し、以って壁面40bとあたかも一体的に形成されているよう外観を呈するものである。
なお、扉130は、その正面部は一辺が略M1の正方形状である。他方、扉140は、その正面部の横辺が略M1、縦辺が略M2の長方形状である。
最上段に位置する収容部110は、即ち床面20から(M2+2×M1)以上に位置する収容部110は、その上部に開閉機構部150が設けられており、開閉機構部150を介して矢印U方向及び反矢印U方向に回動自在となるよう構成されている。最上段以外に位置する収容部110,120は、即ち床面20から(M2+2×M1)未満に位置する収容部110,120は、その下部に開閉機構部150が設けられており、開閉機構部150を介して矢印D方向及び反矢印D方向に回動自在となるよう構成されている。
最上段に位置する収容部110に設けられた開閉機構部150は、収容部110の正面部側の側面上部に設けられた樹脂製の変形及び復元可能な突起部152と、扉130の両側面の上部及び下部に設けられた突起受け部154とから構成されるものである。即ち、突起受け部154に突起部152を押し込み嵌合させることで、扉130は回動自在となるよう構成されている。
最上段以外に位置する収容部110,120に設けられた開閉機構部150は、収容部110,120の正面部側の側面下部に設けられた樹脂製の変形及び復元可能な突起部152と、扉130,140の両側面の上部及び下部に設けられた突起受け部154とから構成されるものである。最上段に位置する収容部110に設けられた開閉機構部150と同様に、突起受け部154に突起部152を押し込み嵌合させることで、扉130,140は回動自在となるよう構成されている。
図4に示すように、最下段以外に位置する扉130の正面側(正面側100bの位置)には、その上部及び下部の中央部分に扉130の開閉時に指を引掛けて引いたり押したりするための凹部132が形成されている。また、扉130の背面側には、その上部及び下部の中央部分に磁石につく性質を有する金属片例えば鉄片134が取着されている。
図5に示すように、最下段に位置する扉140の正面側(正面側100bの位置)には、その上部及び下部の中央部分に扉140の開閉時に指を引掛けて引いたり押したりするための凹部142が形成されている。また、扉140の背面側には、その上部及び下部の中央部分に磁石につく性質を有する金属片例えば鉄片144が取着されている。
収容部110,120には、正面部側が開放された収納部160,170が挿脱自在に収容されている。
収納部160は、最下段以外に位置する収容部110に挿脱自在に収容さるもので、収容部110の内側の縦、横及び奥行きの寸法より若干小さく作られている。収納部160の正面部側には、その上部及び下部の中央部分に磁石より成る取着部162が設けられており、扉130による収容部110の閉塞時、鉄片134を吸着するものである。
収納部170は、最下段に位置する収容部120に挿脱自在に収容さるもので、収容部120の内側の縦、横及び奥行きの寸法より若干小さく作られている。収納部170の正面部側には、その上部及び下部の中央部分に磁石より成る取着部172が設けられており、扉140による収容部120の閉塞時、鉄片144を吸着するものである。
なお、収納部160,170の幾つかには、図10に示すように収納棚164,174が着脱自在に設けられている。限られた空間の有効活用を図るべく収納部160,170に収納棚164,174を取付けることで、多くの小物等の載置・収納を可能としてある。
ここで、収納棚164,174の収納部160,170への着脱は、ねじ留め方式によるものでも良いし、ラッチ機構を利用したものでも何でもよいものである。
収容部110の幾つかには、ステー機構部180が設けられている。
このステー機構部180は、最上段に位置する収容部110に於いては、その一端部180aが当該収容部110の上部側面に取付けられ、その他端部180bが扉130に取付けられており、扉130が回動自在に矢印U方向に回動し垂直方向に対して直角状態、即ち床面20と水平状態になると、この水平状態を保持するよう機能するものである。
また、最上段以外に位置する収容部110、例えば上から2段目に位置する収容部110に於いては、その一端部180aが当該収容部110の下部側面に取付けられ、その他端部180bが扉130に取付けられており、扉130が回動自在に矢印D方向に回動し垂直方向に対して直角状態、即ち床面20と水平状態になると、この水平状態を保持するよう機能するものである。
ステー機構部180としては、スプリング式パワーアシスト式のもの、オイルダンパー式のもの或いはロック付のもの等種々のものが市販されており、いずれを用いてもよいものである。
なお、最上段に位置する収容部110の一つには、その扉130の表面及び裏面に照明機構部190が設けられている。即ち、この照明機構部190は、正面側100bの扉130(扉の正面側)の周縁部近傍に取付けられた枠状のLED照明具192と、扉130の背面側に取付けられたLEDダウンライト照明具194とから構成されている。また、最上段以外に位置する収容部110,120の扉130,140には、照明機構部190を設けていない。
上記構成につき、その作用を以下に述べる。
本壁面収納システム100は、全ての扉130,140を開閉機構部150を介して回動自在に垂直方向に移動させて収容部110,120の正面部側を閉塞させると、壁40と一体的になり、居住空間10の壁として機能を呈するものである。この状態でLED照明具192を点灯させれば、例えば居住空間10の補助照明として機能するものである。
ここで、着脱自在に取外しが可能な扉130,140に所望のデザインを施してあれば、同形の扉同士を交換して取付ければ、居住空間10の視覚的印象を変えられるものである。扉130,140の取外しは、扉130,140を凹部132,142を介して正面側100bに引張れば、樹脂製の突起部152が変形して突起受け部154から離脱することにより可能となる。扉130,140の取付けは、突起部152を突起受け部154に押込み嵌合させることにより可能となる。
また、例えば2段目に位置する収容部110の扉130を、開閉機構部150を介して矢印D方向に回動して水平状態にすると、ステー機構部180が扉130の水平状態を保持するので、簡単なライティングディスクとして機能するものである。このとき、照明機構部190が設けられた扉130を、開閉機構部150を介して矢印U方向に回動して水平状態にすると、ステー機構部180が扉130の水平状態を保持するので、LEDダウンライト照明具194を点灯状態にすれば、手元を明るくした状態でライティングディスク機能を利用できるものである。また、LED照明具192を点灯させれば、光が天井30で反射することにより間接照明として機能するものである。
扉130,140が着脱自在に取外し可能な収容部110,120或いは収納部160,170にあっては、内部に例えば装飾用小物を置いて扉130,140を取外しておけば、飾り棚として機能するものである。また、扉130,140を閉塞状態にしておけば、小物入れとして機能できるものである。
収納部160,170に収納された上記装飾用小物は、収容部110,120から収納部160,170を挿脱自在に取外し可能としてあるので、当該小物を収納部160,170に収納した状態で持運びや移動或いは他の収容部110,120への移動等が可能である。
上記実施形態によれば、壁面収納システム100は居住空間10の壁40と一体となってフレキシブルウォールとして機能し、居住空間10の広さを損なうことなく、簡単な構造で壁裏空間の有効活用を図れるものである。また、操作性も良く取扱いが容易という実用的効果を奏するものである。
また、上記実施形態によれば、扉130,140を着脱自在に交換可能としてあるので、扉130,140に施されるデザインを容易に変更可能となり、居住空間10側の意匠性の自由度向上を図れ、美観にも優れ且つフレキシブルウォール機能を高められるという効果を奏するものである。
さらに、上記実施形態によれば、扉130を水平状態にしてライティングディスクとして機能させることもでき、また照明機構部190により補助照明機能或いは間接照明機能を提供することも可能となり、実用的であり便利なものである。
さらに、上記実施形態によれば、収容部110,120或いは収納部160,170を例えば装飾用の棚や収納用棚としても機能させることができるので、実用的にも優れるものである。しかも、収納部160,170は取外して移動や持運び等可能なので、便利で有用なものである。
なお、上述した開閉機構部150やステー機構部180の具体的構成は、上記実施形態に限定される訳ではなく、種々の変形が可能である。
次に本考案の他の実施形態につき、図11乃至図22を参照して以下に説明する。
前述の一実施形態と同一部分、同一機能については、同一番号・同一記号を付して一部説明は省略する。
本実施形態に係わる壁面収納システム200は、居住空間の壁と一体となってフレキシブルウォールとして機能するものであり、直方体状で、その下部200aは居住空間10を形成する床面20と同一平面上に位置して天井30方向に垂直に指向するよう居住空間10を形成する壁40に壁裏40a方向へ埋設されている。ここで、この埋設されている部分L4は、例えば30cmである。
この壁面収納システム200の正面側200bは例えば横方向の一辺L2が160cmで縦方向の一辺L3が180cmの長方形状のあり、居住空間10側に位置する壁面40bと同一平面上に位置するよう構成されている。而して、壁面収納システム200の正面側200bと壁面40bとは、あたかも一体的に形成されているよう外観を呈するものである。
なお、L2、L3及びL4の寸法は上記に限定される訳ではなく、他の寸法でもよいことは勿論である。
また、壁面収納システム200は、正面側の一辺がM1(即ち、L2/4)の正方形状である収容部210を12個と、横の辺がM1で縦の辺がM2の正面部が長方形状である収容部220を4個有している。正方形状の収容部210は、一段につき4個ずつ壁面収納システム200の最上段から下方へ3段に亘って配されている。長方形状の収容部220は、上部に収容部210が位置するよう壁面収納システム200の最下段に配されている。
ここで、M1=40cm、M2=60cmとしているが、これに限定される訳ではなく、他の寸法でもよいことは勿論である。
各収容部210,220の正面部側には、扉230,240が設けられている。この扉230,240は、各収容部210,220に設けられた開閉機構部250を介して垂直方向に回動自在となるよう取付けられている。また、扉230,240の幾つかは収容部210,220の正面部側に対し着脱自在となるよう設けられている。而して、各収容部210,220の正面部側が扉230,240にて閉塞状態にあると、扉230,240は同一平面上に位置して壁面収納システム200の正面側200bを構成し、以って壁面40bとあたかも一体的に形成されているよう外観を呈するものである。
なお、扉230は、その正面部は一辺が略M1の正方形状である。他方、扉240は、その正面部の横辺が略M1、縦辺が略M2の長方形状である。
最上段に位置する収容部210は、即ち床面20から(M2+2×M1)以上に位置する収容部210は、その上部に開閉機構部250が設けられており、開閉機構部250を介して矢印U方向及び反矢印U方向に回動自在となるよう構成されている。最上段以外に位置する収容部210,220は、即ち床面20から(M2+2×M1)未満に位置する収容部210,220は、その下部に開閉機構部250が設けられており、開閉機構部250を介して矢印D方向及び反矢印D方向に回動自在となるよう構成されている。
最上段に位置する収容部210に設けられた開閉機構部250は、収容部210の正面部側の側面上部に設けられた樹脂製の変形及び復元可能な突起部252と、扉230の両側面の上部及び下部に設けられた突起受け部254とから構成されるものである。即ち、突起受け部254に突起部252を押し込み嵌合させることで、扉230は回動自在となるよう構成されている。
最上段以外に位置する収容部210,220に設けられた開閉機構部250は、収容部210,220の正面部側の側面下部に設けられた樹脂製の変形及び復元可能な突起部252と、扉230,240の両側面の上部及び下部に設けられた突起受け部254とから構成されるものである。最上段に位置する収容部210に設けられた開閉機構部250と同様に、突起受け部254に突起部252を押し込み嵌合させることで、扉230,240は回動自在となるよう構成されている。
図14に示すように、最下段以外に位置する扉230の正面側(正面側200bの位置)には、その上部及び下部の中央部分に扉230の開閉時に指を引掛けて引いたり押したりするための凹部232が形成されている。また、扉230の背面側には、その上部及び下部の中央部分に磁石につく性質を有する金属片例えば鉄片234が取着されている。
図15に示すように、最下段に位置する扉240の正面側(正面側200bの位置)には、その上部及び下部の中央部分に扉240の開閉時に指を引掛けて引いたり押したりするための凹部242が形成されている。また、扉240の背面側には、その上部及び下部の中央部分に磁石につく性質を有する金属片例えば鉄片244が取着されている。
収容部210,220には、正面部側が開放された収納部260,270が挿脱自在に収容されている。
収納部260は、最下段以外に位置する収容部210に挿脱自在に収容さるもので、収容部210の内側の縦、横及び奥行きの寸法より若干小さく作られている。収納部260の正面部側には、その上部及び下部の中央部分に磁石より成る取着部262が設けられており、扉230による収容部210の閉塞時、鉄片234を吸着するものである。
取着部262の磁力は強力であり、鉄片234と吸着状態にあると、扉230の開閉動作に伴って、収納部260は矢印U方向及び反矢印U方向に連動可能となるものである。
収納部270は、最下段に位置する収容部220に挿脱自在に収容さるもので、収容部220の内側の縦、横及び奥行きの寸法より若干小さく作られている。収納部270の正面部側には、その上部及び下部の中央部分に磁石より成る取着部272が設けられており、扉240による収容部220の閉塞時、鉄片244を吸着するものである。
取着部272の磁力は強力であり、鉄片244と吸着状態にあると、扉240の開閉動作に伴って、収納部270は矢印D方向及び反矢印D方向に連動可能となるものである。
なお、収納部260,270の幾つかには、図20に示すように収納棚264,274が着脱自在に設けられている。限られた空間の有効活用を図るべく収納部260,270に収納棚264,274を取付けることで、多くの小物等の載置・収納を可能としてある。また、扉230,240の開放時に飾り棚としても機能するよう構成されている。
ここで、収納棚264,274の収納部260,270への着脱は、ねじ留め方式によるものでも良いし、ラッチ機構を利用したものでも何でもよいものである。
収容部210の幾つかには、ステー機構部280が設けられている。
このステー機構部280は、最上段に位置する収容部210に於いては、その一端部280aが当該収容部210の上部側面に取付けられ、その他端部280bが扉230に取付けられており、扉230が回動自在に矢印U方向に回動し垂直方向に対して直角状態、即ち床面20と水平状態になると、この水平状態を保持するよう機能するものである。
また、最上段以外に位置する収容部210、例えば上から2段目に位置する収容部210に於いては、その一端部280aが当該収容部210の下部側面に取付けられ、その他端部280bが扉230に取付けられており、扉230が回動自在に矢印D方向に回動し垂直方向に対して直角状態、即ち床面20と水平状態になると、この水平状態を保持するよう機能するものである。
ステー機構部280としては、スプリング式パワーアシスト式のもの、オイルダンパー式のもの或いはロック付のもの等種々のものが市販されており、いずれを用いてもよいものである。
なお、最上段に位置する収容部210の一つには、その扉230の表面及び裏面に照明機構部290が設けられている。即ち、この照明機構部290は、正面側200bの扉230(扉の正面側)の周縁部近傍に取付けられた枠状のLED照明具292と、扉230の背面側に取付けられたLEDダウンライト照明具294とから構成されている。また、最上段以外に位置する収容部210,220の扉230,240には、照明機構部290を設けていない。
上記構成につき、その作用を以下に述べる。
本壁面収納システム200は、全ての扉230,240を開閉機構部250を介して回動自在に垂直方向に移動させて収容部210,220の正面部側を閉塞させると、壁40と一体的になり、居住空間10の壁として機能を呈するものである。この状態でLED照明具292を点灯させれば、例えば居住空間10の補助照明として機能するものである。
ここで、着脱自在に取外しが可能な扉230,240に所望のデザインを施してあれば、同形の扉同士を交換して取付ければ、居住空間10の視覚的印象を変えられるものである。扉230,240の取外しは、扉230,240を凹部232,242を介して正面側200bに引張れば、樹脂製の突起部252が変形して突起受け部254から離脱することにより可能となる。扉230,240の取付けは、突起部252を突起受け部254に押込み嵌合させることにより可能となる。
また、例えば2段目に位置する収容部210の扉230を、開閉機構部250を介して矢印D方向に回動して水平状態にすると、ステー機構部280が扉230の水平状態を保持するので、簡単なライティングディスクとして機能するものである。このとき、照明機構部290が設けられた扉230を、開閉機構部250を介して矢印U方向に回動して水平状態にすると、ステー機構部280が扉230の水平状態を保持するので、LEDダウンライト照明具294を点灯状態にすれば、手元を明るくした状態でライティングディスク機能を利用できるものである。また、LED照明具292を点灯させれば、光が天井30で反射することにより間接照明として機能するものである。
扉230,240が着脱自在に取外し可能な収容部210,220或いは収納部260,270にあっては、内部に例えば装飾用小物を置いて扉230,240を取外しておけば、飾り棚として機能するものである。また、扉230,240を閉塞状態にしておけば、小物入れとして機能できるものである。
収納部260,270に収納された上記装飾用小物は、収容部210,220から収納部260,270を挿脱自在に取外し可能としてあるので、当該小物を収納部260,270に収納した状態で持運びや移動或いは他の収容部210,220への移動等が可能である。
このとき、取り外し可能な扉230,240にて収納部260,270の正面開口部を閉塞状態にしておけば、持運びや移動時における被収納物の落下等の防止も図れるものである。
収納棚264,274を収納部260,270に取付けておけば、収納数も増え、また飾り棚としての見栄えも良くなるものである。
上記実施形態によれば、壁面収納システム200は居住空間10の壁40と一体となってフレキシブルウォールとして機能し、居住空間10の広さを損なうことなく、簡単な構造で壁裏空間の有効活用を図れるものである。また、操作性も良く取扱いが容易という実用的効果を奏するものである。
また、上記実施形態によれば、扉230,240を着脱自在に交換可能としてあるので、扉230,240に施されるデザインを容易に変更可能となり、居住空間10側の意匠性の自由度向上を図れ、美観にも優れ且つフレキシブルウォール機能を高められるという効果を奏するものである。
さらに、上記実施形態によれば、扉230を水平状態にしてライティングディスクとして機能させることもでき、また照明機構部290により補助照明機能或いは間接照明機能を提供することも可能となり、実用的であり便利なものである。
さらに、上記実施形態によれば、収容部210,220或いは収納部260,270を例えば装飾用の棚や収納用棚としても機能させることができるので、実用的にも優れるものである。しかも、収納部260,270は取外して移動や持運び等可能なので、便利で有用なものである。
さらに、上記実施形態によれば、収納部260,270に着脱自在な収納棚264,274により、収納数も増え、また飾り棚としての見栄えも良くなるものである。
図23は、上記実施形態の変形例に係る扉230であり、同一部分、同一機能については、同一記号を付して説明は省略する。
扉230の背面側には、底面部が正方形状の凹部230aが形成されている。凹部230aの中心部には、凹部230a内に納まるようにLEDダウンライト照明具294を設けている。このような構造により、LEDダウンライト照明具294が扉230の背面側から突出しない外観を呈することが可能となるものである。
本考案は上記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない限り種々の変形が可能なことは勿論である。
10 …居住空間
20 …床面
30 …天井
40 …壁
40a …壁裏
40b …壁面
100,200 …壁面収納システム
100b,200b …正面側
110,120,220,220 …収容部
130,140,230,240 …扉
150,250 …開閉機構部
152,252 …突起部
154,254 …突起受け部
160,170,260,270 …収納部
164,174,264,274 …収納棚
180,280 …ステー機構部
190,290 …照明機構部

Claims (5)

  1. 複数の収容部を有し、この収容部の正面部側は居住空間内の壁面と略同一面上に位置し、当該収容部の背面部側は当該壁面の裏側に位置するよう当該壁に埋設された壁面収納システムであって、
    上記収容部の正面部側には、当該収容部に設けられた開閉機構部を介して垂直方向に回動自在な扉が着脱自在となるよう設けられ、
    上記収容部には、一部が開放された収納部が挿脱自在に収容されるよう構成したことを特徴とする壁面収納システム。
  2. 上記収容部に設けられた扉で同一形状を呈するもの同士は、交換可能としたことを特徴とする請求項1記載の壁面収納システム。
  3. 上記扉は、居住空間内の床面から所定の位置未満に存する場合、当該扉の上部側が下方向へ回動自在に開閉するよう構成され、
    上記扉は、居住空間内の床面から上記所定の位置以上に存する場合、当該扉の下部側が上方向へ回動自在に開閉するよう構成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の壁面収納システム。
  4. 上記扉に照明機構部を設けたことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の壁面収納システム。
  5. 上記扉は垂直方向に対して略直角に水平状態を保持可能となるようステー機構部を上記収容部に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の壁面収納システム。
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