JP3205144U - 材料試験機用つかみ具およびこのつかみ具を備えた材料試験機 - Google Patents

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Abstract

【課題】スライド係合方式のつかみ具においても、隙間取り動作を不要とし、正確な材料試験を実行することが可能な材料試験機用つかみ具およびこの材料試験機用つかみ具を備えた材料試験機を提供する。【解決手段】つかみ歯31とつかみ歯ホルダー41とが互いに傾斜面を当接した状態で係合する構造を有する。一対のつかみ歯を互いに近接する方向に移動させ、一対のつかみ歯により試験片10を把持した場合、つかみ歯をつかみ歯ホルダー側に押圧する作用が生じる。このとき、つかみ歯における山部の傾斜面とつかみ歯ホルダーにおける谷部の傾斜面の作用により、つかみ歯における山部の中心とつかみ歯ホルダーにおける谷部の中心とが一致する高さ位置まで、つかみ歯が、試験片を把持した状態で上昇し、試験中のつかみ歯の移動を防止できる。【選択図】図5

Description

この考案は、試験片を把持するためのつかみ歯を備えた材料試験機用つかみ具およびこのつかみ具を備えた材料試験機に関する。
試験片に対して引張試験力を付与して材料試験を行う引張試験機等の材料試験機においては、試験片の両端を把持するために一対のつかみ具が使用される。このつかみ具は、一対のつかみ歯と、このつかみ歯を保持するつかみ一対の歯ホルダーと、一対のつかみ歯が互いに近接し、あるいは、離隔するようにつかみ歯ホルダーを移動させる駆動機構とを備える。
従来、つかみ歯をつかみ歯ホルダーに固定するためには、ボルトによりつかみ歯をつかみ歯ホルダーに締結する構成が採用されている。しかしながら、このような構成を採用した場合においては、つかみ歯を交換するときの作業性が悪く、つかみ歯の交換のために煩雑な作業が必要となり、また、交換に時間がかかるという問題がある。
このため、つかみ歯をつかみ歯ホルダーに対してスライドさせて係合するスライド係合方式のつかみ具も提案されている(特許文献1参照)。
図7は、特許文献1に記載されたような、従来のスライド係合方式のつかみ具の要部を示す側面図である。図7においては、つかみ具における一対のつかみ歯91およびつかみ歯ホルダー92のうちの一方のみを図示している。図7における矢印Aは試験力の付与方向を示し、矢印Bはつかみ歯91およびつかみ歯ホルダー92の往復移動方向を示している。なお、図7においては、つかみ歯91とつかみ歯ホルダー92との間の隙間を誇張して表現している。
このつかみ具においては、つかみ歯91には略T字状の係合部93が付設されている。一方、つかみ歯ホルダー92には、係合部93に対応した形状を有する凹部94が形成されている。つかみ歯91とつかみ歯ホルダー92とを係合するときには、つかみ歯ホルダー92における凹部94に対してつかみ歯61における係合部93を、矢印Aで示す試験力の付与方向および矢印Bで示すつかみ歯91の移動方向と直交する方向(図7における紙面に垂直な方向)から挿入することにより、つかみ歯91をつかみ歯ホルダー92により保持する構成となっている。
特開平8−193930号公報
つかみ歯91における係合部93をつかみ歯ホルダー92における凹部94に対して容易に挿入可能とするためには、係合部93と凹部94との関係をすきまばめ状態とする必要がある。このため、係合部93と凹部94との間には、一定の隙間が形成されることになる。このような隙間が形成された状態で一対のつかみ歯91により試験片を把持して材料試験を行った場合には、係合部93と凹部94との間に形成された隙間により、つかみ歯91が移動することになる。このとき、隙間によりつかみ歯91に生ずる矢印B方向の移動は、一対のつかみ歯91により試験片を把持することで解消され問題はないが、材料試験中に試験片に試験力が付与されることで、つかみ歯91に矢印A方向の移動が生じた場合には、試験片を把持したつかみ歯91の移動により試験結果に誤差が生じることになる。
例えば、図7に示す試験力の付与方向である矢印A方向が上下方向であり、上つかみ具と下つかみ具とにより試験片の両端を把持して引張試験を行う場合には、一対のつかみ歯91により試験片を把持していない状態においては、図7に示すように、つかみ歯91における係合部93の上側で、つかみ歯91における係合部93とつかみ歯ホルダー92における凹部94との間に隙間が生じることになる。このため、引張試験の開始後に、下つかみ具における一対のつかみ歯91が、係合部93と凹部94との間に生じた隙間に起因して一対のつかみ歯ホルダー92に対して上方向に移動することになる。
このような問題を解消するため、図7に示すようなスライド係合方式のつかみ具を使用して引張試験を行う場合には、一対のつかみ歯91により極めて弱い力で試験片を把持した上で一対のつかみ具間を互いに離隔する方向に移動させ、下つかみ具におけるつかみ歯91の係合部の上部に形成された図7に示す矢印A方向の隙間を解消するための隙間取り動作を実施した後に、引張試験を開始する必要がある。このため、隙間取り動作という特別な作業が必要となり、煩雑であるばかりではなく、材料試験のサイクルタイムが伸びるという問題が生ずることになる。
この考案は上記課題を解決するためになされたものであり、図7に示すようなスライド係合方式のつかみ具においても、隙間取り動作を不要とし、正確な材料試験を実行することが可能な材料試験機用つかみ具およびこの材料試験機用つかみ具を備えた材料試験機を提供することを目的とする。
請求項1に記載の考案は、試験力が付与される試験片を把持するために、互いに近接し、あるいは、離隔する方向に移動可能な一対のつかみ歯と、前記各つかみ歯に形成された係合部と係合する凹部が形成された一対のつかみ歯ホルダーとを備え、前記つかみ歯ホルダーにおける凹部に対して、前記つかみ歯における係合部を、前記試験力の付与方向および前記つかみ歯の移動方向と直交する方向から挿入することにより、前記つかみ歯を前記つかみ歯ホルダーにより保持する材料試験機用つかみ具において、前記つかみ歯における係合部には、前記試験力の付与方向に平行で前記つかみ歯の移動方向に直交する面に対して所定の交差角度で交差する一対の傾斜面を備え、前記つかみ歯ホルダー側に向かって凸設された山部が形成されるとともに、前記つかみ歯ホルダーには、前記つかみ歯の山部における傾斜面と対応する角度を有する一対の傾斜面を備える谷部が形成され、前記つかみ歯における山部と前記つかみ歯ホルダーにおける谷部とが対向する状態で、前記つかみ歯を前記つかみ歯ホルダーにより、すきまばめ状態で保持することを特徴とする。
請求項2に記載の考案は、請求項1に記載の材料試験機用つかみ具において、前記つかみ歯における山部と、前記つかみ歯ホルダーにおける谷部とは、前記試験力の付与方向に、各々、複数連設される。
請求項3に記載の考案は、請求項1または請求項2に記載の材料試験機用つかみ具において、前記つかみ歯における山部の頂点に平坦部が形成される。
請求項4に記載の考案は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の材料試験機用つかみ具において、前記つかみ歯における山部の一対の傾斜面の交差角度は、100度以上140度以下である。
請求項5に記載の考案は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の材料試験機用つかみ具において、前記試験力の付与方向は鉛直方向を向くとともに、試験力が付与されていない状態において、前記一対のつかみ歯の上下方向の位置を調整する位置調整部材をさらに備える。
請求項6に記載の考案は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の材料試験機用つかみ具において、前記一対のつかみ歯を、互いに近接し、あるいは、離隔する方向に移動させる一対の油圧シリンダーを備える。
請求項7に記載の考案は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の材料試験機用つかみ具を一対備えるとともに、前記一対の材料試験機用つかみ具間の距離を変更する負荷機構を備えることを特徴とする材料試験機である。
請求項1および請求項7に記載の考案によれば、一対のつかみ歯により試験片を把持したときに、つかみ歯とつかみ歯ホルダーとが互いの傾斜面を当接させた状態で係合することから、試験片の把持時にすきまばめ状態により生じる隙間を解消することができる。このため、スライド係合方式のつかみ具においても隙間取り動作が不要となり、正確な材料試験を実行することが可能となる。
請求項2に記載の考案によれば、複数の山部と谷部とにより試験力を受けることができ、つかみ歯ホルダーの破損を防止することが可能となる。
請求項3に記載の考案によれば、つかみ歯における山部の先端の加工精度を高精度にすることが不要となり、つかみ歯の加工コストを低減することが可能となる。
請求項4に記載の考案によれば、つかみ歯およびつかみ歯ホルダーの厚みを適度に維持した状態で、つかみ歯とつかみ歯ホルダーとの間に滑りが生ずることを防止することが可能となる。
請求項5に記載の考案によれば、一対のつかみ歯による試験片の把持時に生ずるつかみ歯の移動量を調整することが可能となる。
請求項6に記載の考案によれば、油圧シリンダーの作用により、一対のつかみ歯により自動的に試験片を把持することができ、このときに生ずる試験片の移動を防止することが可能となる。
この考案に係る材料試験機の正面概要図である。 下つかみ具12の概要図である。 つかみ歯31の正面図である。 つかみ歯ホルダー41の正面図である。 下つかみ具12のつかみ歯31により試験片10を把持する前後の状態を示す説明図である。 上つかみ具12のつかみ歯31により試験片10を把持する前後の状態を示す説明図である。 従来のスライド係合方式のつかみ具の要部を示す側面図である。
以下、この考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この考案に係る材料試験機の正面概要図である。
この材料試験機は、クロスヘッド13と、基台15と、この基台15の左右に立設されたカバー14とにより囲まれた材料試験機本体の試験空間に、後述する試験片10を配置して材料試験としての引張試験を実行するものである。試験片10は、クロスヘッド13側に配設された上つかみ具11と基台15に固定された下つかみ具12とによって両端部を把持されることにより、試験空間に配置される。
クロスヘッド13の両端部には、基台15の左右に立設されたカバー14内に配置される一対のねじ棹と螺合する図示しないナット部が配設されている。そして、一対のねじ棹が基台15内に配設されたモータの駆動により同期して回転することで、クロスヘッド13が上下方向に移動する。クロスヘッド13が上昇することにより、試験片10に引張荷重(試験力)が負荷される。
試験片10に負荷される試験力は、試験力検出器としてのロードセル16により検出される。また、試験片10の上下の標点間の変位量は、図示を省略した接触方式または非接触方式の変位計により検出される。ロードセル16および変位計からの信号は、本体制御部17に入力される。本体制御部17は、ロードセル16および変位計からの信号に基づいて、クロスヘッド13を昇降させるためのモータの駆動制御信号を作成する。これにより、モータの回転が制御されクロスヘッド13が負荷軸に沿って移動し、引張試験等の各種材料試験が実行される。また、本体制御部17は、液晶表示パネル等から構成される表示部18と、各種の入力を行う操作部19とに接続されている。
図2は、下つかみ具12の概要図である。
この下つかみ具12は、本体21と、本体21に固定された連結部22と、本体21に対して移動可能に配設された一対のつかみ歯ホルダー41と、各つかみ歯ホルダー41に保持された一対のつかみ歯31と、一対の油圧シリンダー23とを備える。一対のつかみ歯31は、油圧シリンダー23の駆動により、一対のつかみ歯ホルダー41を介して、互いに近接し、あるいは、離隔する方向に移動する。下つかみ具12の連結部22は、基台15に固定された連結部材24と、ピン25により連結されている。
なお、上つかみ具11は、この下つかみ具12と、後述する位置調整ネジ49の有無をのぞき、同様の構成を有する。
図3は、つかみ歯31の正面図である。また、図4は、つかみ歯ホルダー41の正面図である。さらに、図5は、下つかみ具12のつかみ歯31により試験片10を把持する前後の状態を示す説明図である。なお、図5(a)は試験片10を把持する前の状態を、また、図5(b)は試験片10を把持した後の状態を示している。
図3に示すように、つかみ歯31は、後述するつかみ歯ホルダー41の凹部42内に配置される係合部32を備える。この係合部32には、3個の山部33が凸設されている。各山部33は、試験片10に対する試験力の付与方向(図3における上下方向)に平行で、かつ、つかみ歯31の往復移動方向(図3における左右方向)に直交する面に対して所定の交差角度で交差する一対の傾斜面を備える。そして、各山部33の頂点には、面取りによる平坦部34が形成されている。また、係合部32の上下両端には、凸部35、36が形成されている。
図4に示すように、つかみ歯ホルダー41には、つかみ歯31における係合部32を収納するための凹部42が形成されている。この凹部42には、3個の谷部43が形成されている。これらの谷部43は、つかみ歯31の係合部32に凸設された山部33の傾斜面と対応する角度を有する傾斜面を備える。そして、各谷部43間に形成される山部の頂点には、面取りによる平坦部44が形成されている。また、凹部42の上下には、平面部45、46が形成されている。
これらのつかみ歯31とつかみ歯ホルダー41とを係合するときには、図5に示すように、つかみ歯ホルダー41における凹部42に対してつかみ歯31における係合部32を、試験片10に対する試験力の付与方向(図5における上下方向)およびつかみ歯31の往復移動方向(図5における左右方向)と直交する方向(図5における紙面に垂直な方向)から挿入する。これにより、つかみ歯31がつかみ歯ホルダー41により保持されることになる。
このとき、つかみ歯31における係合部32をつかみ歯ホルダー41における凹部42に対して容易に挿入可能とするためには、係合部32と凹部42との関係をすきまばめ状態とする必要がある。このため、係合部32と凹部42との間には、一定の隙間が形成されることになる。すなわち、一対のつかみ歯31により試験片10を把持していない状態においては、図5(a)に示すように、つかみ歯31の自重によりつかみ歯31における凸部35(図3参照)とつかみ歯ホルダー41における平面部45(図3参照)とが当接することになり、つかみ歯31における凸部36(図3参照)とつかみ歯ホルダー41における平面部46(図3参照)との間に隙間が形成される。この状態においては、図5(a)に示すように、つかみ歯31における山部33の中心と、つかみ歯ホルダー41における谷部43の中心とは、距離dだけ互いに上下方向(試験力の付与方向)にずれた位置に配置されることになる。
図5(a)に示す状態から、一対のつかみ歯31を図2に示す油圧シリンダー23の駆動により互いに近接する方向に移動させ、図5(b)に示すように一対のつかみ歯31により試験片10を把持した場合には、つかみ歯31をつかみ歯ホルダー41側に押圧する作用が生じる。このときには、つかみ歯31における山部33の傾斜面とつかみ歯ホルダー41における谷部43の傾斜面の作用により、つかみ歯31における山部33の中心とつかみ歯ホルダー41における谷部43の中心とが一致する高さ位置まで、つかみ歯31が、試験片10を把持した状態で上昇する。
なお、このときには、つかみ歯31における山部33とつかみ歯ホルダー41における谷部43とが完全に密着する。このとき、上述したように、つかみ歯31における各山部33の頂点には面取りによる平坦部34が形成されており、また、つかみ歯ホルダー41における各谷部43間に形成される山部の頂点には面取りによる平坦部44が形成されていることから、つかみ歯31における各山部33の頂点とつかみ歯ホルダー41における各谷部43の間の山部の頂点との加工精度に誤差があったとしても、つかみ歯31における山部33とつかみ歯ホルダー41における谷部43とを完全に密着させることが可能となる。
図6は、上つかみ具12のつかみ歯31により試験片10を把持する前後の状態を示す説明図である。なお、図6(a)は試験片10を把持する前の状態を、また、図6(b)は試験片10を把持した後の状態を示している。
上つかみ具12におけるつかみ歯ホルダー41には、つかみ歯31により試験片10を把持していない状態において、つかみ歯31の高さ位置を調整するための位置調整ネジ49が配設されている。この位置調整ネジ49は、つかみ歯ホルダー41と螺合した状態でつかみ歯ホルダー41を貫通し、つかみ歯31における凸部35の下面と当接している。つかみ歯31により試験片10を把持していない状態においては、この位置調整ネジ49を回転させることにより、つかみ歯31の高さ位置を調整することができる。このように、つかみ歯31により試験片10を把持していない状態におけるつかみ歯31の高さ位置を調整することにより、図6(a)に示す試験片10を把持する前の状態から図6(b)に示す試験片10を把持した後の状態に至る間のつかみ歯31の上昇量、すなわち、試験片10の上昇量を調整することが可能となる。
次に、以上のような構成を有する材料試験機において、試験片10に対して引張試験を実行するために試験片10の両端を上つかみ具11および下つかみ具12により把持するときの把持動作について説明する。
試験片10の両端を上つかみ具11および下つかみ具12により把持するときには、最初に、下つかみ具12における一対の油圧シリンダー23の駆動により下つかみ具12における一対のつかみ歯31を互いに近接する方向に移動させ、図5(b)に示すように、試験片10の下端部を一対のつかみ歯31により把持する。このときには、上述したように、図5(a)に示す状態から、つかみ歯31における山部33の傾斜面とつかみ歯ホルダー41における谷部43の傾斜面の作用により、つかみ歯31における山部33の中心とつかみ歯ホルダー41における谷部43の中心とが一致する高さ位置まで、つかみ歯31が、試験片10を把持した状態で上昇する。
次に、上つかみ具11における一対の油圧シリンダー23の駆動により上つかみ具11における一対のつかみ歯31を互いに近接する方向に移動させ、図6(b)に示すように、試験片10の上端部を一対のつかみ歯31により把持する。このときには、下つかみ具12の場合と同様、図6(a)に示す状態から、つかみ歯31における山部33の傾斜面とつかみ歯ホルダー41における谷部43の傾斜面の作用により、つかみ歯31における山部33の中心とつかみ歯ホルダー41における谷部43の中心とが一致する高さ位置まで、つかみ歯31が、試験片10を把持した状態で上昇する。
下つかみ具12により下端部を把持された試験片10を、上つかみ具11における一対のつかみ歯31により把持した場合には、その把持力により試験片10がつかみ歯31から押し出されるようにわずかに変形し、試験片10に対して圧縮試験力が付与されることになる。これに対して、上つかみ具11における一対のつかみ歯31により試験片10を把持するときに、一対のつかみ歯31が上昇した場合には、この圧縮試験力を緩和する作用が生ずる。このため、位置調整ネジ49の作用により上つかみ具11における一対のつかみ歯31の高さ位置を予め調整しておくことにより、一対のつかみ歯31の上昇量を調整することができ、上つかみ具11における一対のつかみ歯31により把持したときに生ずる試験片10に対する圧縮試験力を、一対のつかみ歯31の上昇によりキャンセルすることができる。このため、より正確な引張試験を実行することが可能となる。
なお、上つかみ具11における一対のつかみ歯31により試験片10を把持するときの一対のつかみ歯31の上昇量は、つかみ歯31における山部33を構成する傾斜面の角度により影響を受ける。このため、位置調整ネジ49により上つかみ具11における一対のつかみ歯31の高さ位置を調整するときには、つかみ歯31における山部33を構成する傾斜面の角度を考慮する必要がある。
なお、山部33を構成する一対の傾斜面の交差角度は、100度以上140度以下であることが好ましい。山部33を構成する一対の傾斜面の交差角度が100度より小さくなった場合には、つかみ歯31やつかみ歯ホルダー41の厚み(移動方向の大きさ)が過度に大きくなる可能性がある。また、山部33を構成する一対の傾斜面の交差角度が140度より大きくなった場合には、つかみ歯31とつかみ歯ホルダー41との間で試験力の付与方向への滑りが生ずる可能性がある。
試験片10の両端を上つかみ具11および下つかみ具12により把持すれば、試験片10に対する引張試験を実行する。このときには、試験片10に付与される引張試験力は、つかみ歯31における複数の山部33とつかみ歯ホルダー41における複数の谷部43とを介してつかみ歯ホルダー41に伝達される。このため、試験力の伝達を広い範囲で分担することができ、図7に示す従来のつかみ歯ホルダー92と比較して、つかみ歯ホルダー41の端部の強度を小さなものとして、肉厚を薄くするなどの設計をすることも可能となる。
なお、上述した実施形態においては、下つかみ具12には図5に示すつかみ歯ホルダー41を使用し、上つかみ具11には図6に示す位置調整ネジ49を備えたつかみ歯ホルダー41を使用しているが、下つかみ具12にも図6に示す位置調整ネジ49を備えたつかみ歯ホルダー41を使用してもよい。
また、上述した実施形態においては、3個の山部33を連設したつかみ歯31と3個の谷部43を連設したつかみ歯ホルダー41とを使用しているが、山部33および谷部43の数はこれに限定されるものではない。また、単一の山部33を備えたつかみ歯31と単一の谷部43を備えたつかみ歯ホルダー41とを使用するようにしてもよい。
10 試験片
11 上つかみ具
12 下つかみ具
13 クロスヘッド
15 基台
21 本体
23 油圧シリンダー
31 つかみ歯
32 係合部
33 山部
34 平坦部
41 つかみ歯ホルダー
42 凹部
43 谷部
44 平坦部
49 位置調整ネジ

Claims (7)

  1. 試験力が付与される試験片を把持するために、互いに近接し、あるいは、離隔する方向に移動可能な一対のつかみ歯と、前記各つかみ歯に形成された係合部と係合する凹部が形成された一対のつかみ歯ホルダーとを備え、前記つかみ歯ホルダーにおける凹部に対して、前記つかみ歯における係合部を、前記試験力の付与方向および前記つかみ歯の移動方向と直交する方向から挿入することにより、前記つかみ歯を前記つかみ歯ホルダーにより保持する材料試験機用つかみ具において、
    前記つかみ歯における係合部には、前記試験力の付与方向に平行で前記つかみ歯の移動方向に直交する面に対して所定の交差角度で交差する一対の傾斜面を備え、前記つかみ歯ホルダー側に向かって凸設された山部が形成されるとともに、
    前記つかみ歯ホルダーには、前記つかみ歯の山部における傾斜面と対応する角度を有する一対の傾斜面を備える谷部が形成され、
    前記つかみ歯における山部と前記つかみ歯ホルダーにおける谷部とが対向する状態で、前記つかみ歯を前記つかみ歯ホルダーにより、すきまばめ状態で保持することを特徴とする材料試験機用つかみ具。
  2. 請求項1に記載の材料試験機用つかみ具において、
    前記つかみ歯における山部と、前記つかみ歯ホルダーにおける谷部とは、前記試験力の付与方向に、各々、複数連設される材料試験機用つかみ具。
  3. 請求項1または請求項2に記載の材料試験機用つかみ具において、
    前記つかみ歯における山部の頂点に平坦部が形成される材料試験機用つかみ具。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の材料試験機用つかみ具において、
    前記つかみ歯における山部の一対の傾斜面の交差角度は、100度以上140度以下である材料試験機用つかみ具。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の材料試験機用つかみ具において、
    前記試験力の付与方向は鉛直方向を向くとともに、
    試験力が付与されていない状態において、前記一対のつかみ歯の上下方向の位置を調整する位置調整部材をさらに備える材料試験機用つかみ具。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の材料試験機用つかみ具において、
    前記一対のつかみ歯を、互いに近接し、あるいは、離隔する方向に移動させる一対の油圧シリンダーを備える材料試験機用つかみ具。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の材料試験機用つかみ具を一対備えるとともに、
    前記一対の材料試験機用つかみ具間の距離を変更する負荷機構を備えることを特徴とする材料試験機。

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