JP3204873U - 太陽光発電パネル検査光照射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽光発電設備の現場に既に設置されて発電に使用されている太陽電池の夜間検査を可能にする検査光照射装置を提供する。【解決手段】屋外へ設置された多数枚の太陽光発電パネル10に対して、太陽光パネルが発電できる検査光を遠隔から照射するための検査光照射装置30であり、所定の一枚に対して平行な検査光を発光する発光装置と、発光装置における光の向きを変更可能な光向き変更機構と、発光装置を所定の高さにて固定するポール40と、を備える。ポールは、太陽光発電パネルの全部に対し、発光装置から発光される検査光を照射可能であるような位置に固定する。【選択図】図1

Description

本考案は、太陽光発電設備の現場へ既に設置されている多数の太陽電池パネルを保守点検するために検査する太陽電池パネルの検査技術に関する。
太陽光発電は、自然エネルギとして普及し、日本の500キロワット以上の太陽電池は、既に約5000箇所になっている。
太陽光発電は、太陽光の光エネルギを電気エネルギへ変換する太陽光発電用パネル(以下、単に「太陽光パネル」と記す)を屋外へ設置することで実現している。
屋外に設置され、稼働する太陽光パネルは、耐候性など耐久性が求められる。近年の技術競争によって性能が向上し、多くの太陽光パネルは、10年以上のメンテナンスフリーとして売り出され、設置されている。
しかし、多数枚の太陽光パネルが永年にわたって設置される以上、故障や発電不足となる太陽光パネルは、どうしても発生している。
そこで、正常に発電しているかどうかを検証する検査装置、検査方法などの技術が必要とされている。具体的には、サーモカメラ方式、EL方式、IVカーブ方式などがある。
特許文献1では、太陽電池モジュール不具合検出装置が開示されている。この太陽電池モジュール不具合検出装置は、固定枠に設けられた一対の走行ガイドの間に横行ガイドを直交するように架け渡し、その一対の走行ガイドに沿って横行ガイドを移動させると共に、その横行ガイドに沿って磁気センサを移動させることで、磁気センサをXY方向に移動させて検査を実行する。
特許文献2に開示された技術は、太陽電池の発電出力に変調信号をのせて検査する技術である。したがって、太陽光発電設備の現場に既に設置されて発電に使用されている太陽電池をその発電を止めずに検査することができる。
特開2010−171065号公報 特開2015−56418号公報
特許文献1に開示された技術は、不具合検出装置は製造時の不良品の発見を目的に太陽電池モジュールを検査するものである。したがって、既に屋外の現場に設置されて発電に使用されている太陽電池には適用することができない。
特許文献2に開示された技術は、発電のための光を利用して検査するので、検査のための専用光源が不要になって、装置全体の小型軽量化に寄与する。しかし、検査を日中に実行するために、その際には発電を停止しなければならない。
本願考案が解決しようとする課題は、既に設置されている太陽光パネルの不具合検査を夜間に実行するために必要な機器を提供することにある。
太陽光パネルの不具合検査を夜間に実行するため、夜間に太陽光パネルへ発電できる検査光を照射する。そして、その検査光によって照射した太陽光パネルが発電したか否かを検査するシステムにおいて、本願考案は、前記の検査光を照射するための装置を提供する。
(第一の考案)
本願における第一の考案は、屋外へ設置された多数枚の太陽光発電パネル(10)に対して、太陽光パネル(10)が発電できる検査光を遠隔から照射するための検査光照射装置であって、
前記の多数枚の太陽光発電パネル(10)における所定の一枚に対して平行な検査光を発光する発光装置(31)と、
その発光装置(31)における光の向きを変更可能な光向き変更機構(32)と、
前記の発光装置(31)を所定の高さにて固定する照射装置設置手段(ポール40)と、を備え、
そのポール(40)は、前記の太陽光発電パネル(10)の全部に対し、前記の発光装置(31)から発光される検査光を照射可能であるような位置へ固定されたことを特徴とする。
なお、「平行な検査光」は、ほぼ平行であればよい。
(作用)
発光装置(31)は、照射装置設置手段(40)が所定の高さにて固定している。発光装置(31)の位置は、発光装置(31)から発光される検査光を照射可能であるような位置である。
発光装置(31)が、平行な検査光を発光し、多数枚の太陽光発電パネル(10)の所定の一枚に対して照射する。照射された太陽光発電パネル(10)の所定の一枚は、異常がなければその検査光によって発電する。異常があれば発電しない、もしくは不十分な発電しかできない。
光向き変更機構(32)は、発光装置(31)における光の向きを変更し、太陽光発電パネル(10)の全部に対して検査光を照射する。それによって太陽光発電パネル(10)の全部に対して、異常の有無を調べることに寄与する。
(第一の考案のバリエーション1)
第一の考案は、 前記の太陽光発電パネル(10)の近傍には照度計(60)を備え、
前記の検査光照射装置は、前記の照度計(60)の測定した照度が所定値以下となった場合に作動することとしてもよい。
(作用)
太陽光パネルにある程度の光が当たっている状態では、検査光による検査がうまく機能しないおそれがあるので、照度が所定値以下となった場合に作動させることが有益である。
(第一の考案のバリエーション2)
第一の考案における前記の照射装置設置手段(40)は、前記の検査光照射装置の高さ方向の寸法を変更可能としてもよい。
たとえば、伸縮部位を備えた構造とするのである。
(作用)
照射装置設置手段(40)は、設置する場所や太陽光発電パネル(10)の場所などに応じて事前に設計するが、その高さ方向寸法ついて変更可能な構造であれば、現場での調整が可能となる。
(第一の考案のバリエーション3)
第一の考案における前記の検査光照射装置(30)には、発光しない場合に発光装置(31)を保護するシャッター(34)を備えることとしてもよい。
シャッター(34)は、発光しない場合に、風雨などから発光装置(31)を保護することに寄与する。
第一の考案によれば、太陽光パネルの不具合検査を夜間に実行するため、夜間に太陽光パネルへ発電できる検査光を照射するための装置を提供することができた。
太陽発電パネルの検査装置の概略を示す概念図である。 本考案に係る検査光照射装置における検査光の概略を示す概念図である。 本考案に係る検査光照射装置が検査光をどのような順序で照射するかを示す概念図である。 本考案に係る検査光照射装置の三面図である。 本考案に係る検査光照射装置の拡大側面面図である。 本考案に係る検査光照射装置の主要部拡大図である。 照射装置設置手段としてのポールについての概念図である。
以下、本考案の実施形態に係る検査光照射装置について図面を参照して説明する。ここで使用する図面は、図1から図7である。
図1に示すのは、多数枚の太陽光発電パネルを屋外に設置するとともにその太陽光発電パネルに照射された光を電気へ変換して用いるためのパワーコンディショナを備えた太陽光発電システムに対して、前記の太陽光発電パネル一枚一枚の発電性能を検査可能な検査システムである。
本実施形態に係る検査光照射装置は、検査システムの一部として機能する。
なお、詳細な図示は省略するが、前記の太陽光発電パネルと前記のパワーコンディショナと間には集電箱が設置されている。
前記の検査システムは、太陽光発電パネルへ照射した場合に発電できる検査光を照射する検査光照射装置と、 その検査光照射装置における照射方向を変更可能な照射方向制御装置と、を備える。
この照射方向制御装置は、XY軸方向への照射方向の制御は、後述するステッピングモータを用いて実現している。
前記の照射方向制御装置および前記の検査光照射装置によって検査対象となる太陽光発電パネルの全てへ検査光を照射可能な位置へ前記の照射方向制御装置および前記の検査光照射装置を設置する照射装置設置手段(ポール40)を備える。
このポール40は、図7に示すように伸縮可能であり、検査の際に伸ばして用いるが、検査をしない時間帯には縮めて収納することとしている。この実施形態に係るポール40は、縮めた場合に2メートル、延ばした場合に歳代で12メートルとなるものを採用した。ここでは採用していないが、伸縮しないもの、20メートル級のものなども準備できる。
この検査システムは、夜間に作動させる。所定の照度以下とならないと、検査精度が落ちるので、照度計60にて作動させることができるか否かを判断することとしている。
前記のパワーコンディショナ、検査光照射装置、照度計は、解析装置としてのパーソナルコンピュータ(図中に「PC」と略記)へ電気的に接続されている。
この解析装置は、検査光を照射された太陽光発電パネルが発電した電気信号を受けた集電箱から発電データを受信するデータ受信手段と、 発電データによって発電性能を判断するための判断用データを蓄積する判断用データ蓄積手段と、 その判断用データ蓄積手段に蓄積された判断用データおよび前記のデータ受信手段が受信した発電データに基づいて発電性能を判断するデータ解析手段と、 そのデータ解析手段が判断した発電性能を出力する解析結果出力手段と、を備えている。
(図2)
図2には、本実施形態における検査光についての性能を示している。
本実施形態では、可視光LEDや近赤外線LED光や同様な波長を持つレーザ光を用いる。100メートル離れて、レーザの照射面積は15センチメートル四方に収まる程度の直進性のある検査光である。LED光は、これより集光性は悪いが平行光を実現できる光学系を備え、100センチメートル四方に収まるものである。
検査光には、赤色レーザ光を用いることも可能である。レーザ光を採用するメリットは、直進性の高い平行光を得やすい点である。
結晶系のパネルに対しては、赤色の光は、発電効率がよい。発電効率がよい光を検査光として採用すると、検査精度を高められる。近赤外線を発光するLEDを用いれば、検査の性能は向上すると見込まれるが、コスト面から、照明用のLEDを用いることが多い。
(図3)
太陽光発電では、多数の太陽光発電パネル10が設置されている。
図3に示すような範囲に配置されている多数の太陽光発電パネル10があった場合、そのパネルに対して、照射方向制御装置に制御される検査光照射装置が、検査光をどのような順序で照射するかの一例を示す。
実際の検査光照射装置は、隣接するパネルへの移動中は検査光を照射せず、移動が終了したら照射するので、照射時間は僅かである。
なお、検査光の照射方向については、パネル位置データベースに蓄積されたデータと、前述したポールの高さとで、照射方向制御装置が決定する。検査時のポールの高さを予め決めておけば、照射方向制御装置の負担が軽減される。
(図4)
図4は、検査光照射装置30の詳細を説明するための三面図である。
発光装置31は、光向き変更機構32と、二つのサーボモータ33とによって水平方向の角度および仰角を変更できる。
水平方向の角度は、図4(c)に示すように、150度近く変更可能である。
(図5)
仰角は、サーボモータ33が図5に示す対ポール角度調整機構35に対して動きを与えることで変更している。詳細な図示は省略しているが、所定の角度内で変更しかできないように、ストッパを備えている。
水平方向の角度および仰角を変更することで、図1や図3二示したようなX方向、Y方向への検査光の照射が可能となる。
(図6)
図6に示すように、検査光照射装置30には、発光していない間に発光装置を保護するシャッター30を備えている。
シャッター34は、発光しない場合に、風雨などから発光装置を保護することに寄与する。
(図7)
図7に示すように、検査光照射装置30は、ポール40の上端に、対ポール角度調整機構35を介して固定されている。
また、ポール40は、前述したように伸縮可能としている。
検査光照射装置30を設置する場所や太陽光発電パネル10の場所などに応じてポール40の高さは、検査システム全体についての設計段階で、把握できる。
しかし、その高さ方向寸法ついて変更可能な構造であれば、現場での調整が可能となるというメリットがある。
また、悪天候の際には、ポール40を縮めて検査光照射装置30の破損を未然に防ぐ、などの対応を取ることも可能となる。
本考案は、太陽光パネルの検査サービス業、検査機器の製造業などにおいて、利用可能性を有する。
10;太陽光発電パネル
20;計測装置
30;検査光照射装置 31;発光装置
32;光向き変更機構 33;サーボモータ
34;シャッター 35;対ポール角度調整機構
40;ポール(照射装置設置手段)
50;解析装置
60;照度計

Claims (4)

  1. 屋外へ設置された多数枚の太陽光発電パネルに対して、太陽光パネルが発電できる検査光を遠隔から照射するための検査光照射装置であって、
    前記の多数枚の太陽光発電パネルにおける所定の一枚に対して平行な検査光を発光する発光装置と、
    その発光装置における光の向きを変更可能な光向き変更機構と、
    前記の発光装置を所定の高さにて固定する照射装置設置手段と、を備え、
    そのポールは、前記の太陽光発電パネルの全部に対し、前記の発光装置から発光される検査光を照射可能であるような位置へ固定された検査光照射装置。
  2. 前記の太陽光発電パネルの近傍には照度計を備え、
    前記の検査光照射装置は、前記の照度計の測定した照度が所定値以下となった場合に作動することとした請求項1に記載の検査光照射装置。
  3. 前記の照射装置設置手段は、前記の検査光照射装置の高さ方向の寸法を変更可能とした請求項1または請求項2のいずれかに記載の検査光照射装置。
  4. 前記の検査光照射装置には、発光しない場合に発光装置を保護するシャッターを備えた請求項1から請求項3のいずれかに記載の検査光照射装置。
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