JP3204810U - 防水扉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】防水扉だけを収納できる深さの戸袋を使用でき、しかも、防水扉を戸袋に収納するまでの防水扉の可動を機械的に行うことができる防水扉装置を提供する。【解決手段】構造物110における開口111を防水可能に塞ぐ防水扉2a、2bと、防水扉2a、2bの下端に回転可能に保持され構造物110の床面113を転がり走行する車輪3a、3bと、車輪3a、3bを回転駆動させる車輪駆動部材4a、4bとを備える。防水扉2a、2bは、前記車輪3a、3bの回転に伴い前記開口111を開閉し得るように前記構造物110に回動自在に保持され、車輪駆動部材4a、4bは、防水扉2a、2bに付設されている。【選択図】図1

Description

本考案は、例えば地面や地下空間等に構築された開口を有する構造物における開口を防水可能に塞ぐ防水扉装置に関するものである。
例えば地面や地下空間等に構築された開口を有する構造物における開口を防水可能に塞ぐ防水扉装置が従来から知られている。このような防水扉装置は、従来、シリンダー装置を用いて、構造物に回動自在に取り付けた防水扉を可動させて開口を自動的に開閉させるものが広く知られている。例えば特許文献1に、シリンダー装置を用いて都市における地下空間への水の侵入を防止する浸水防止遮蔽装置が開示されている。
また、図7に示すように、シリンダー装置102を用い、地下空間に構築された、開口111を有する構造物110における開口111を塞ぐ防水扉装置100も従来から広く実施されている。詳しくは、この防水扉装置100は、構造物110の開口111を塞ぐ防水扉101と、防水扉101を操作するシリンダー装置102とを備えている。防水扉101は、構造物110に形成された凹部状の戸袋112に収納できるように構造物110に設けられた回動軸113に回動自在に取り付けられている。シリンダー装置102は、防水扉101に取り付けられたシリンダー本体102aと、シリンダー本体102aに摺動可能に保持されたロッド102bとを備えている。又、ロッド102bの先端は、戸袋112内の壁面に取り付けられている。そして、開口111を防水扉101によって閉める場合は、シリンダー装置102を作動させ、シリンダー本体102aからのロッド102bの突出長さが長くなるようにロッド102bを摺動させる。これにより、防水扉101が構造物110の回動軸113回りに回動して開口111を閉める。一方、開口111を開く場合は、シリンダー本体102aからのロッド102bの突出長さが短くなるようにロッド102bを摺動させる。これにより、防水扉101が上記とは反対方向に回動して、図7(a)中に一点鎖線で示すように戸袋112の前方位置まで回動し、開口111を開くことができる。
特開平6−93623号公報
しかしながら、上記図7に示す防水扉装置100では、シリンダー装置102を防水扉101と共に戸袋112内に配置しなければならない。そのため、シリンダー装置102を収納可能な深さの戸袋112が必要になる。その結果、例えば既に設置されている手操作用の防水扉装置にシリンダー装置102を付設するためには、前記手操作用の防水扉装置を装備した既存の構造物の戸袋を深く形成し直すことが必要であり、シリンダー装置102の付設作業が困難になってしまう。
また、上記図7に示す防水扉装置100では、シリンダー装置102及び防水扉101を戸袋112に収納した状態で、シリンダー装置102のシリンダー本体102aと防水扉101との距離が短くなるため、シリンダー装置102で防水扉101を90°以上、回動させて開閉操作し難く、例えば図7中に一点鎖線で示すように、シリンダー装置102では戸袋112の前方位置までしか防水扉101を回動させ難いという問題点がある。
本考案は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、防水扉だけを収納できる深さの戸袋を使用でき、しかも、防水扉を戸袋に収納するまでの防水扉の可動を機械的に行うことができる防水扉装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本考案は、開口を有する構造物における前記開口を防水可能に塞ぐ防水扉と、前記構造物の床面を転がり得るように前記防水扉の下端に回転可能に保持された車輪と、前記車輪を回転駆動させる車輪駆動用モータとを備え、前記防水扉は、前記車輪の回転に伴い前記開口を開閉し得るように前記構造物に回動自在に保持され、前記車輪駆動用モータは、前記車輪を回転させ得るように前記防水扉に付設されていることを特徴とする防水扉装置を提供する。
これによれば、防水扉に取り付けた車輪を車輪駆動用モータで回転させるため、戸袋は防水扉のみを収納できる深さでよく、シリンダー装置を設ける場合のように戸袋を深く形成せずに済み、既存の戸袋を使用できる。しかも、車輪を車輪駆動用モータで回転させることで、防水扉を90°以上、容易に回動させることができ、防水扉の戸袋への収納を車輪と車輪駆動用モータとで機械的に容易に行うことができる。
前記車輪を付勢する車輪付勢部材を、更に備え、前記防水扉は、前記構造物に対する配置位置を下位置と前記下位置よりも上方位置となる上位置とに変え得るように前記構造物に保持された扉本体と、前記扉本体の下端面から下方に突設されるように前記扉本体に保持された下防水シール部材とを備え、前記下防水シール部材は、前記扉本体が前記下位置に配置されるに際して前記床面に当接状態になり、且つ、前記扉本体が前記上位置に配置されるに際して前記床面から離れるように形成され、前記車輪は、前記扉本体に上下移動可能に保持され、前記車輪付勢部材は、前記扉本体が前記上位置に配置されるに際して前記車輪が前記床面に当接状態になるように、前記車輪を前記扉本体に対して下方向に付勢している構成にできる。
これによれば、扉本体が構造物に対して下位置で下防水シール部材が床面に当接状態になるため、この状態で扉本体の下端と床面との間から水が浸入するのを防止できる。一方、扉本体が構造物に対して上位置で下防水シール部材が床面から離れるため、この状態で、扉本体を回動させれば、扉本体の回動抵抗が小さくなった状態で扉本体を円滑に回動操作できる。この際、車輪は車輪付勢部材によって床面に当接状態になるため、車輪を確実に床面に当接させて扉本体を回動操作できる。
前記当接状態の車輪を前記床面に付勢する前記車輪付勢部材の付勢力を調整する付勢力調整部材を、更に備えている構成にできる。
これによれば、付勢力調整部材によって、扉本体が上位置に配置された際に車輪が床面に押し付ける強さを調整できる。従って、扉本体が上位置に配置された状態で車輪が床面を転がり走行する際の車輪の回転抵抗を調整でき、車輪が転がり走行する床面の種類等に応じて適宜車輪の回転抵抗を調整できる。よって、車輪が常時円滑に床面を転がり走行可能になる。
前記車輪駆動用モータは、電動モータである構成にできる。
これによれば、車輪駆動用モータは電動モータであるため、車輪駆動用モータを、例えば有線又は無線で遠隔操作によって作動させることができ、或いは電動モータに電気的に接続したセンサにより自動的に作動させることも可能になり、扉本体の操作を容易なものにできる。
前記車輪は、前記床面を転がる走行輪と、前記走行輪の外周の全周に亘って配置された弾性体からなる被覆部材とを備えている構成にできる。
これにより、車輪と床面との滑り抵抗が大きくなり、車輪が床面を転がり走行する際に車輪が床面を滑るおそれの少ないものになり、車輪が床面を円滑に転がり走行できるものになる。
前記防水扉は、前記開口の右側部を塞ぐ第1防水扉と、前記開口の左側部を塞ぐ第2防水扉との2つを備え、前記車輪は、前記第1防水扉と前記第2防水扉とのそれぞれに保持されており、前記第1防水扉の右端側が前記構造物に回動自在に取り付けられ、前記第1防水扉の左端側に、前記第2防水扉と当接する第1当接面が設けられ、前記第2防水扉の左端側が前記構造物に回動自在に取り付けられ、前記第2防水扉の右端側に、前記第1当接面と当接する第2当接面が設けられ、前記第1防水扉と前記第2防水扉とは、前記第1当接面と前記第2当接面との当接状態で、前記第1防水扉における右端から左端にかけての幅方向と前記第2防水扉における左端から右端にかけての幅方向とが交差して平面視でくの字状を呈するように形成されている構成にできる。
これによれば、第1当接面と第2当接面との互いの当接状態で、第1防水扉と前記第2防水扉とが平面視でくの字状を呈するように形成されているため、例えば平面視でくの字状に突出する第1当接面と第2当接面とを、水が浸入する浸入側に配置することで、浸入する水に対する第1防水扉と第2防水扉との強度を、平面視で平面状の場合に較べて高めることができる。これにより、多量の水が一度に侵入した場合でも第1防水扉と第2防水扉とで確実に水の浸入を防ぐことができる。
本考案の防水扉装置は、防水扉だけを収納できる深さの戸袋を使用でき、しかも、防水扉を戸袋に収納するまでの防水扉の可動を機械的に行うことができる。
本考案の一実施の形態に係る防水扉装置の正面図である。 図1の防水扉装置の平面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図1の防水扉装置の防水扉に付設された車輪、車輪駆動部材及び車輪付勢部材の正面図である。 図4の一部を省略した平面図である。 防水扉に保持された車輪と車輪付勢部材との拡大平面図である。 (a)は、従来例の平面図、(b)は、図7(a)の側面図である。
以下、本考案を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本考案に係る防水扉装置の正面図、図2は、図1の防水扉装置の平面図である。
本考案の防水扉装置1は、例えば地上や地下空間等に構築された開口111を有する構造物110における開口111を防水可能に塞ぐ装置である。
この実施形態の防水扉装置1は、防水扉2a、2bと、防水扉2a、2bの下端に取り付けられた車輪3a、3bと、車輪3a、3bを付勢したコイルバネ(車輪付勢部材、図4及び図6参照)5と、車輪3a、3bを回転駆動させる車輪駆動部材4a、4b(図4及び図5参照)とを備えている。
防水扉は、この実施形態では、開口111の右側部を塞ぐ第1防水扉2aと、開口111の左側部を塞ぐ第2防水扉2bとの2つを備えている。
第1防水扉2aは、扉本体20aと、扉本体20aに取り付けられた防水シール部材とを備えている。
扉本体20aは、正面視で矩形状に形成されており、その左端面に、第2防水扉2bと当接する第1当接面22a(図2に図示)を備えている。この実施形態では、第1当接面22aは、第1防水扉2aの左端面の全体に形成されている。
防水シール部材は、扉本体20と構造物110との隙間を塞ぐためのもので、この実施形態の防水シール部材は、合成ゴム製の板状のものから構成されており、扉本体20aの下端面と構造物110の床面113との隙間を塞ぐための下防水シール部材21aと、扉本体20aの上端部と構造物110との隙間を塞ぐための上防水シール部材21bと、扉本体20aの右端面と構造物110の側壁との隙間を塞ぐための右側防水シール部材(図示せず)と、扉本体20aと後述の第2防水扉2bの扉本体20bとの端面同士の隙間を塞ぐための左側防水シール部材(図示せず)とを備えている。
防水シール部材は、扉本体20aの周縁部に設けられており、下防水シール部材21aは、扉本体20aと床面113との隙間を塞ぐために、図1、図6に示すように扉本体20aの下端面から下方に突出した状態で扉本体20aの下端部に保持されている。
このように構成された第1防水扉2aは、扉本体20aの右端部が、構造物110に回動自在に保持されている。詳しくは、図1〜図3に示すように構造物110における開口111の右側壁に、戸袋112が設けられているとともに、戸袋112内に、防水扉保持部115が設けられている。戸袋112は、第1防水扉2aを収納できるように、第1防水扉2aの厚さよりもやや深く、且つ第1防水扉2aの幅及び高さよりも大きく形成されている。
また、防水扉保持部115は、上部及び下部に、上下方向に延された回動軸114を備えている。
そして、扉本体20aの右端部が回動軸114に回動自在に且つ上下移動可能に保持されている。これにより、第1防水扉2aは、開口111の右側部を塞ぐ位置(図1に示す位置)から戸袋112に収納される位置(図1中に一点鎖線で示す位置)までの範囲を回動可能とされている。
また、このように保持された第1防水扉2aは、防水扉保持部115に設けられた昇降ジャッキ116によって構造物110に対する配置位置を、下位置A(図6に示す)と、下位置よりも上方位置になる上位置B(図6に示す)とに変え得るようになっている。
第1防水扉2aは、扉本体20aに付設されたジャッキ駆動装置116aの作動に伴い、昇降ジャッキ116が上昇操作されると下位置Aから上位置Bに持ち上げられ、昇降ジャッキ116が下降操作されると下位置Aに降下される。
また、第1防水扉2aが下位置Aにきた状態で、図6に示すように下防水シール部材21aの下端211が、構造物110の床面113に当接した状態になっており、一方、第1防水扉2aが上位置Bにきた状態で、下防水シール部材21aの下端211が、床面113から離れた非接触の状態になっている。
第2防水扉2bは、第1防水扉2aと略同構成を採っており、第1防水扉2aと左右対称に配置されている。詳しくは、第2防水扉2bは、扉本体20bと防水シール部材21a、21bとを備えている。扉本体20bは、第1防水扉2aの第1当接面22aと当接する第2当接面22bを備えている。
そして、第2防水扉2bは、扉本体20bの左端部が構造物110の回動軸114に回動自在に保持され、これにより、第2防水扉2bは、開口111の左側部を塞ぐ位置(図2に示す位置)から戸袋112に収納される位置(図2中に行って鎖線で示す位置)までの範囲を回動可能とされている。また、第2防水扉2bは、防水扉保持部115の昇降ジャッキ116によって下位置Aと上位置Bとに位置を変え得るようになっており、第2防水扉2bが下位置にきた状態で、下防水シール部材21aの下端211が、構造物110の床面113に当接した状態になっている。一方、第2防水扉2bが上位置Bにきた状態で、下防水シール部材21aの下端211が、床面113から離れた非接触の状態になっている。
以上のように構成された第1防水扉2aの第1当接面22aと第2防水扉2bの第2当接面22bとが当接した図1、図2に示す状態で、開口111を塞いだ状態になる。この状態で、第1防水扉2aにおける右端から左端にかけての幅方向と第2防水扉2bにおける右端から左端にかけての幅方向とが交差して第1防水扉2aと第2防水扉2bとが平面視でくの字状を呈する。
そして、平面視でくの字状に突出した第1当接面と第2当接面とが、水が浸入する浸入側(図2のX側)になるように配置されている。これにより、浸入する水に対する第1防水扉2aと第2防水扉2bとの強度を、互いの幅方向が平行となる平面視で平面状の場合に較べて高めることができ、多量の水が一度に侵入した場合でも第1防水扉2aと第2防水扉2bとで確実に水の浸入を防ぐことができる。
次に、車輪3a、3bについて説明する。車輪は、第1防水扉2aに付設された第1車輪3aと、第2防水扉2bに付設されたと第2車輪3bとから構成されている。
第1車輪3aと第2車輪3bとは、同構成を採っており、以下に、第1車輪3aについて説明し、第2車輪3bの説明を省略する。
第1車輪3aは、図4、図6に示すように車輪本体31を備えており、この車輪本体31は、車軸311と、車軸311に支持された走行輪312と、走行輪312の外周を覆うように走行輪312の外周に装着された被覆部材313とを備えている。
車軸311は、この実施形態では、軸心方向が扉本体20aの幅方向に沿って延ばされており、後述の車輪本体支持部材322に軸心回りに回転可能に保持されている。
走行輪312は、車軸311に固定的に支持されており、車軸311と共に車軸311の軸心回りに回転する。
被覆部材313は、例えばウレタンゴム等の合成ゴム製或いは合成樹脂製の弾性体からなるリング状のものから構成されている。この実施形態の被覆部材313は、外周面に複数の凸部313a(図5中に一点鎖線で示す)を備え、これらの複数の凸部313aよって床面113を滑り難いようになっている。尚、凸部313aの形状は滑り止め等を考慮して適宜選定できる。
そして、この第1車輪3aは、車輪取付部材32を介して扉本体20aに回転可能且つ上下移動可能に取り付けられている。
詳しくは、車輪取付部材32は、扉本体20aに固定的に取り付けられる扉本体固定部材321と、車輪本体31を支持した車輪本体支持部材322とを備えている。
扉本体固定部材321は、固定部材本体321aと、車輪本体支持部材322を上下移動可能に保持した保持軸321bとを備えている。この実施形態の保持軸321bは、前後左右に配置された4本の円柱体から構成されている。各保持軸321bは、固定部材本体321aから上方に延されている。
車輪本体支持部材322は、下部に、車輪本体31の車軸311を回動自在に支持した車軸支持部323を備え、上部に、扉本体固定部材321の保持軸321bに上下移動可能に保持された被保持部324を備えている。
車軸支持部323は、この実施形態では、ベアリングを備え、このベアリングを介して車軸311を回動自在に支持している。
被保持部324は、保持軸321bそれぞれが移動可能に挿通する4つの保持軸挿通孔324aを備えている。
次に、コイルバネ5について説明する。コイルバネ5は、この実施形態では、4つからなる。各コイルバネ5の内周側に、車輪取付部材32の保持軸321bそれぞれが挿通されており、この状態で、各コイルバネ5は、車輪本体支持部材322の上方側に配置されて車輪本体支持部材322を下方側に付勢している。
また、コイルバネ5による車輪本体支持部材322の付勢、即ち車輪本体支持部材322に保持された第1車輪3aの付勢は、第1防水扉2aが上位置Bにきた状態で、第1車輪3aが床面113に当接状態になるようになされている。
また、この実施形態では、第1防水扉2aが上位置Bにきた状態で、第1車輪3aと床面113との当接状態における第1車輪3aを床面113に押し付ける付勢力は、付勢力調整部材6によって適宜調整されるようになっている。
詳しくは、扉本体20aには、枠体201が設けられており、この枠体201に、付勢力調整部材6が取り付けられている。この実施形態の付勢力調整部材6は、外周に雄ねじ部611を有する軸部61と、軸部61を回動操作する操作部62と、軸部61に取り付けられたバネ受け部材63とを備えている。
軸部61は、バネ受け部材63を上方側から受けるストッパ612を備えている。又、軸部61は、ストッパ612の下方側に、ガイド用長孔613を備え、このガイド用長孔613に、車輪本体支持部材322に設けられた軸ピン322aが移動可能に嵌挿されている。これにより、車輪本体支持部材322が軸ピン322aに案内されて軸部61の下端部が上下方向に沿って案内移動されるようになっている。
操作部62は、この実施形態では、操作ハンドル621と、操作ハンドル621と軸部61とを連結した図示しないベベルギアとを備えている。
バネ受け部材63は、コイルバネ5が挿通された車輪取付部材32の保持軸321bそれぞれに移動可能に挿通されている。これにより、コイルバネ5の上端がバネ受け部材63に当接し、コイルバネ5の下端が被保持部324に当接した状態で、コイルバネ5がバネ受け部材63と被保持部324との間に配置されている。
又、バネ受け部材63は、軸部61のストッパ612に上方側から受けられており、ストッパ612よりも上方側への移動が規制されている。
このように構成された付勢力調整部材6の操作ハンドル621が一方向側に回転操作されると、軸部61が下方向に移動する。この軸部61の下方向への移動に伴い、バネ受け部材63がストッパ612によって下方側に押圧されて軸部61と共に下方に移動する。これにより、コイルバネ5の圧縮量が増し、車輪本体支持部材322に対する下方側への付勢力を強めることができる。
一方、操作ハンドル621が上記とは反対側の他方向側に回転操作されると、軸部61が上方向に移動する。この軸部61の上方向への移動に伴い、バネ受け部材63がコイルバネ5の付勢力によってストッパ612に当接した状態を維持して軸部61と共に上方に移動する。これにより、コイルバネ5の圧縮量が減じ、車輪本体支持部材322に対する下方側への付勢力を弱めることができる。
次に、車輪駆動部材4a、4bについて説明する。図1に示すように車輪駆動部材は、第1防水扉2aに付設され第1車輪3aに連結された第1車輪駆動部材4aと、第2防水扉2bに付設され第2車輪3bに連結された第2車輪駆動部材4bとから構成されている。
第1車輪駆動部材4aと第2車輪駆動部材4bとは、同じ構成のものであり、以下に、第1車輪駆動部材4aについて説明し、第2車輪駆動部材4bの説明を省略する。
第1車輪駆動部材は、図4、図5に示すように、駆動部材411と、駆動部材本体411と第1車輪3aとを連結した連結部材412とを備えている。
駆動部材本体411は、この実施形態では、電動モータ(車輪駆動用モータ)411aを備えたギヤドモータから構成されている。
連結部材412は、この実施形態では、ユニバーサルジョイントから構成されており、一端が駆動部材本体411にチェーンカップリング412aを介して回転伝達可能に連結され、他端が車輪本体31の車軸311に回転伝達可能に連結されている。
次に、本考案の防水扉装置1の動作について説明する。開口を防水扉装置1によって閉めた図1に示す状態から説明する。この状態では、第1防水扉2a及び第2防水扉2bそれぞれの扉本体20は、図6に示すように下位置Aに配置されている。
この図1に示す状態から、ジャッキ駆動装置116aが作動され、昇降ジャッキ116が上昇操作される。これにより、第1防水扉2a及び第2防水扉2bそれぞれの扉本体20は、下位置Aから上位置Bに持ち上げられる。
次に、第1車輪駆動部材4a及び第2車輪駆動部材4bが作動し、その作動により第1車輪3aと第2車輪3bとのそれぞれの車軸311が回転し、第1車輪3a及び第2車輪3bが床面113を転がり走行する。これにより、第1防水扉2aは、図2の反時計方向に回動し、第2防水扉2bは、図2の時計方向に回動する。
その際、下防水シール部材21aの下端211が構造物110の床面113から離れた非接触の状態になっているため、第1防水扉2a及び第2防水扉2bの回転抵抗が小さく、円滑に回動することができる。
そして、第1防水扉2aと第2防水扉2bとのそれぞれが、車輪駆動部材4a、4bと車輪3a、3bとによって戸袋112内に収納される。従って、戸袋112に第1防水扉2a及び第2防水扉2bを、作業者等が第1防水扉2a及び第2防水扉2bを押圧操作することなく機械的に収納できる。
第1防水扉2a及び第2防水扉2bが戸袋112に収納すると、第1車輪駆動部材4a及び第2車輪駆動部材4bの作動が停止する。尚、この実施形態では、車軸311を予め設定された数だけ回転させると第1車輪駆動部材4a及び第2車輪駆動部材4bの作動が停止するように設定されている。
開口111を閉める場合は、第1車輪駆動部材4a及び第2車輪駆動部材4bが作動することで、第1車輪3aと第2車輪3bとのそれぞれの車軸311が上記とは反対方向に回転し、第1車輪3a及び第2車輪3bが床面113を上記とは反対方向に転がり走行する。これにより、第1防水扉2aは、図1の時計方向に回動し、第2防水扉2bは、図1の反時計方向に回動する。そして、第1防水扉2aの第1当接面22aと第2防水扉2bの第2当接面22bとが当接する。また、第1防水扉2aの第1当接面22aと第2防水扉2bの第2当接面22bとが当接した状態で、第1車輪駆動部材4a及び第2車輪駆動部材4bの作動が停止する。
その後、ジャッキ駆動装置116aが作動され、昇降ジャッキ116が下降操作される。これにより、第1防水扉2a及び第2防水扉2bそれぞれの扉本体20aは、上位置Bから下位置Aに降ろされて下防水シール部材21aの下端211が構造物110の床面113に当接した状態になる。これにより、開口111が第1防水扉2aと第2防水扉2bとで閉められた状態になり、扉本体の下端と床面との間から水が浸入するのを防止できる。
尚、この実施形態では、上記開口111を閉める際のジャッキ駆動装置116a、第1車輪駆動部材4a及び第2車輪駆動部材4bの作動は、ジャッキ駆動装置116a、第1車輪駆動部材4a及び第2車輪駆動部材4bそれぞれと有線又は無線で接続された図示しない作動スイッチを管理者等が遠隔操作することにより行っている。ただし、ジャッキ駆動装置116a、第1車輪駆動部材4a及び第2車輪駆動部材4bを作動させる方法は、この形態のものに限らず、適宜変更でき、例えばジャッキ駆動装置116a、第1車輪駆動部材4a及び第2車輪駆動部材4bと通電可能に接続された水位検知センサを構造物に取り付け、床面から所定の高さ以上の水が構造物に流れ込んできた場合に、水位検知センサーがそれを検知すると第1車輪駆動部材4a及び第2車輪駆動部材4bが作動するようにしてもよい。
以上のように構成された本考案の防水扉装置1によれば、戸袋112は防水扉2a、2bのみを収納できる深さでよく、戸袋112を深く形成せずに済み、既存の戸袋を使用できる。
また、付勢力調整部材6によって、扉本体20a、20bが上位置に配置された際に車輪3a、3bが床面113に押し付ける強さを調整できる。従って、扉本体20a、20bが上位置に配置された状態で車輪3a、3bが走行する床面113の種類等に応じて適宜車輪3a、3bの回転抵抗を調整できる。よって、車輪3a、3bが常時円滑に床面113を転がり走行可能になる。
また、車輪駆動部材は電動モータを備えているため、車輪駆動部材を、例えば有線又は無線で遠隔操作によって作動させることができ、或いは電動モータに電気的に接続したセンサにより自動的に作動させることも可能になり、扉本体の操作を容易なものにできる。
また、車輪3a、3bは、走行輪の外周の全周に亘って弾性体からなる被覆部材を備えているため、車輪3a、3bと床面113との滑り抵抗が大きくなり、車輪が床面を転がり走行する際に車輪が床面を滑るおそれの少ないものになり、車輪3a、3bが床面113を円滑に転がり走行できるものになる。
また、第1防水扉と前記第2防水扉とが第1当接面と第2当接面との互いの当接状態で、平面視でくの字状を呈するように形成されているため、例えば平面視でくの字状に突出する第1当接面と第2当接面とを、水が浸入する浸入側に配置することで、浸入する水に対する第1防水扉と第2防水扉との強度を、平面視で平面状の場合に較べて高めることができる。これにより、多量の水が一度に侵入した場合でも第1防水扉と第2防水扉とで確実に水の浸入を防ぐことができる。
1 防水扉装置
2a 第1防水扉(防水扉)
2b 第2防水扉(防水扉)
3a 第1車輪(車輪)
3b 第2車輪(車輪)
4a 第1車輪駆動部材
4b 第2車輪駆動部材
5 コイルバネ(車輪付勢部材)
20a 扉本体
21a 下防水シール部材
110 構造物
111 開口
112 戸袋
411a 電動モータ(車輪駆動用モータ)

Claims (6)

  1. 開口を有する構造物における前記開口を防水可能に塞ぐ防水扉と、前記構造物の床面を転がり得るように前記防水扉の下端に回転可能に保持された車輪と、前記車輪を回転駆動させる車輪駆動用モータとを備え、
    前記防水扉は、前記車輪の回転に伴い前記開口を開閉し得るように前記構造物に回動自在に保持され、
    前記車輪駆動用モータは、前記車輪を回転させ得るように前記防水扉に付設されていることを特徴とする防水扉装置。
  2. 前記車輪を付勢する車輪付勢部材を、更に備え、
    前記防水扉は、前記構造物に対する配置位置を下位置と前記下位置よりも上方位置となる上位置とに変え得るように前記構造物に保持された扉本体と、前記扉本体の下端面から下方に突設されるように前記扉本体に保持された下防水シール部材とを備え、
    前記下防水シール部材は、前記扉本体が前記下位置に配置されるに際して前記床面に当接状態になり、且つ、前記扉本体が前記上位置に配置されるに際して前記床面から離れるように形成され、
    前記車輪は、前記扉本体に上下移動可能に保持され、
    前記車輪付勢部材は、前記扉本体が前記上位置に配置されるに際して前記車輪が前記床面に当接状態になるように、前記車輪を前記扉本体に対して下方向に付勢していることを特徴とする請求項1記載の防水扉装置。
  3. 前記当接状態の車輪を前記床面に押し付ける前記車輪付勢部材の付勢力を調整する付勢力調整部材を、更に備えていることを特徴とする請求項2記載の防水扉装置。
  4. 前記車輪駆動用モータは、電動モータであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の防水扉装置。
  5. 前記車輪は、前記床面を転がる走行輪と、前記走行輪の外周の全周に亘って配置された弾性体からなる被覆部材とを備えていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の防水扉装置。
  6. 前記防水扉は、前記開口の右側部を塞ぐ第1防水扉と、前記開口の左側部を塞ぐ第2防水扉との2つを備え、
    前記車輪は、前記第1防水扉と前記第2防水扉とのそれぞれに保持されており、
    前記第1防水扉の右端側が前記構造物に回動自在に取り付けられ、前記第1防水扉の左端側に、前記第2防水扉と当接する第1当接面が設けられ、
    前記第2防水扉の左端側が前記構造物に回動自在に取り付けられ、前記第2防水扉の右端側に、前記第1当接面と当接する第2当接面が設けられ、
    前記第1防水扉と前記第2防水扉とは、前記第1当接面と前記第2当接面との当接状態で、前記第1防水扉における右端から左端にかけての幅方向と前記第2防水扉における左端から右端にかけての幅方向とが交差して平面視でくの字状を呈するように形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の防水扉装置。
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