JP3204797B2 - レーザー反射光を用いたトロリ線摩耗量の算出方法 - Google Patents
レーザー反射光を用いたトロリ線摩耗量の算出方法Info
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Description
するシステムと、その測定方法に関し、詳しくは、新幹
線のさらに高速化される検測車に対応するものである。
って漸次に摩耗する。これが一定の限界に達すると切断
などの重大事故の原因となるので、検測車に摩耗測定装
置を搭載し、適時に摩耗量を測定して限界に達したトロ
リ線は張り替えなどの措置がとられている。従来から摩
耗測定装置は各種のものが開発されており、例えば新幹
線においては、検測車にレーザー方式の摩耗測定装置を
搭載して、昼夜を問わず営業列車なみの走行速度で測定
がなされている。
の概略の構成を示す。摩耗測定装置10は、それぞれ検
測車に搭載された光学系1とデータ処理部2よりなる。
光学系1においては、レーザー光源11よりのレーザーが
平面ミラー12により反射され、投光レンズ13によりビー
ムに集束されて孔ミラー14の中心孔141 を通り、回転ミ
ラー15により角度掃引される。掃引されたレーザービー
ムは第1および第2の平面ミラー161,162 により反射さ
れ、さらにパラボラミラー17により平行ビームとされて
鉛直上方に投射され、トロリ線3の偏位D(約70c
m)の範囲を走査してトロリ線3の底面の摺面3a が照
射される。摺面3a による反射光は上記の光路を逆に通
って孔ミラー14まで戻る。反射光は乱反射するので、中
心孔141 の周辺により反射され、フィルタ18により波長
選択されて受光器19に受光される。受光器19の検出信号
はデータ処理部2に入力して処理され、摩耗量が測定さ
れる。
3a の走査と、データ処理部2によるデータ処理につい
て説明する。図9(a) において、平行ビームの走査線s
は摺面3a を距離間隔pで走査する。走査間隔pは走査
周波数に反比例し、走行速度に比例する。例えば走査周
波数を1000Hzとすると、走行速度が時速200k
Mの場合は走査間隔pは55mmである。次に、図9
(b) はトロリ線3の断面を示し、断面は直径H0 の円形
をなし、摺面3a は摩耗によりその幅W1 が漸次大きく
なり、残る部分(残存直径)HR は逆に小さくなる。摺
面幅W1 と残存直径HR には一定の関係があるので、摺
面幅W1 を計測して残存直径HR に換算し、これにより
摩耗が管理されている。
は、より高速運転が可能な新型車両が計画され、一部は
すでに実用段階にある。これに対応して検測車も高速化
が必要とされ、ついでに上記の摩耗測定装置10も見直
す時機にあるとされている。摩耗測定装置10の長所
は、レーザービームの使用により天空の強力な自然光に
妨害されず、昼間においても測定できる点にあるが、短
所としてはパラボラミラー17は長さが1メートル近くあ
るなど、全体の規模がかなり大きいため検測車に搭載す
るには広いスペースが必要である。さらに根本的な問題
として、走査間隔pが過大なため測定性能上の難点があ
る。すなわち、時速200kMでは、前記したように摺
面3a は55mm飛びにしか計測されない。一方トロリ
線3には、局部的に異常な摩耗や切りキズなどの、切断
の原因となる短い欠陥がときに存在し、これが各走査線
sの中間にあるときは見逃されてしまう。新型車両は速
度がさらに速く、例えば目標の最高時速360kMで
は、走査間隔pは約100mmとなるので欠陥の見逃し
の確率はさらに増加する。走査間隔pを短縮するには、
走査周波数をより高くすればよいが、回転ミラー15は機
械式であるため周波数に限界があって、これを飛躍的に
高くすることは困難である。この問題に対しては走査方
法を電子化する以外にない。以上の大型な規模の装置を
簡略化し、測定性能上の難点を解決して、最高時速36
0kMで測定できるとともに、短い欠陥をも検出できる
摩耗測定システムが要望されている。ただし取りあえず
は昼間専用とし、夜間測定は必ずしも条件としないとさ
れている。この発明は上記の要望を達成するトロリ線の
摩耗測定システムと、その測定方法を提供することを目
的とする。
耗測定システムおよび摩耗測定方法である。摩耗測定シ
ステムは、検測車の屋根上にそれぞれ搭載され、トロリ
線の両側面と摺面に対して光ビームを投射する複数の投
光器を有する投光系と、トロリ線の偏位範囲を複数に区
分した各領域に対応して配置され、それぞれCCDリニ
アセンサ(以下単にCCDセンサ)を有する複数の受光
器よりなる受光系とを具備する。検測車の一定の走行時
間に対する走行距離に画像フレーム(以下単にフレー
ム)Fを対応させる。検測車の走行に伴ってフレームF
ごとに各CCDセンサを複数回走査し、両側面と摺面の
反射光、および背景光を受光したCCDセンサより出力
される受光信号の強度を、各画素ごとにデジタルの多値
データに変換するA/D変換器と、A/D変換器が逐次
に出力する多値データを、フレームF単位で交互に記憶
し、かつ収録する2組のバッファメモリおよびVTRと
よりなる信号処理部を、検測車の車内に配置する。VT
Rに収録された多値データを画像処理して、各フレーム
Fに対する摺面幅W1 の平均値をそれぞれ算出し、これ
らをトロリ線の残存直径HR に換算し、摺面幅W1 と残
存直径HR のフレームFに対する平均値データを出力す
る画像処理部を、地上に設置して構成される。摩耗測定
方法は、トロリ線の両側面と摺面に対して投射された光
ビームの、摺面と両側面による反射光、および背景光を
CCDセンサにより受光する。検測車の走行に伴って、
一定時間の走行距離に対応したフレームFごとに、CC
Dセンサの走査を複数回行い、CCDセンサより出力さ
れる受光信号の強度を、各画素ごとにA/D変換により
デジタルの多値データに変換する。画像処理部により、
多値データを各画素ごとに加算して、受光信号の強度に
対する各フレームFの画素数の分布曲線Gをそれぞれ作
成し、分布曲線Gより背景光と両側面、および両側面と
摺面の、それぞれの画素数に対する境界点を求める。境
界点の強度La,Lb を閾値として多値データを3値化
し、3値データより走査方向を横軸とする強度曲線Kを
作成する。強度曲線Kにより、各フレームに対する両側
面と摺面の平均的な相対幅W1', W2'をそれぞれ求め、
既知の両側面の絶対幅W2 を参照して相対幅W1'を絶対
幅W1 に換算し、さらに、絶対幅W1 より各フレームに
対するトロリ線の残存直径HR の平均値を算出し、摺面
の絶対幅W1 と残存直径HR のフレームFに対する平均
値データを出力する。上記の摩耗測定方法において、検
測車の最高速度の時速360kmにおける各走行距離の
5.0mmを、各フレームFに対応させ、各フレームF
に対するCCDセンサの走査を少なくとも25回行い、
走査間隔pを最大0.2mmとする。上記の摩耗測定方
法において、上記の強度曲線Kに、摺面または両側面に
存在する黒点などによる落ち込み部分があるときは、こ
れを空間フィルタ法により画像処理して除去する。
よりトロリ線の両側面と摺面に対して光ビームが投射さ
れ、これらによる反射光と背景光が複数のCCDリニア
センサのいずれかにより受光される。検測車の走行に伴
って、一定の走行時間に対する走行距離に対応した各フ
レームFに対して、CCDセンサがそれぞれ複数回走査
され、反射光を受光したCCセンサより出力される受光
信号の強度は、各画素ごとにA/D変換器によりデジタ
ルの多値データに変換され、フレームF単位で、信号処
理部の2組のバッファメモリに交互に記憶され、ついで
VTRに収録される。以上は検測車の車内で走行中にな
される。VTRに収録された多値データは、地上に設置
された画像処理部によりオフラインでバッチ処理され、
各フレームFに対する摺面幅W1 の平均値がそれぞれ算
出され、これらより所定の換算式によりトロリ線の残存
直径HR が算出され、摺面幅W1 と残存直径HR のフレ
ームFに対する平均値データがそれぞれ出力される。上
記の測定システムは、昼間ではCCDセンサに受光され
る背景光の強度が非常に強いため測定は困難であるが、
夜間では背景光が弱くて摺面と両側面のコントラストが
十分あって摩耗測定を良好に行うことができる。また、
上記の投光系と受光系は、いずれも簡易な構成で検測車
などの屋根上に搭載され、検測車の車内には信号出力部
のみが配置され、画像処理部は地上に設置されるので検
測車の取り付けスペースは狭くて済み、簡略化の目的が
達成される。つぎに摩耗測定方法においては、CCDセ
ンサの25回の走査と、A/D変換とにより作成された
多値データは、画像処理により各画素ごとに加算され、
各画素の受光信号強度は凹凸が平均化されて平坦とな
る。しかし、この波形はあまり明確でないので、これよ
り摺面幅W1 を直接求めると誤差が大きい。そこで、加
算された多値データより画素数の分布曲線Gを作成す
る。トロリ線の背景は夜間では暗闇、または月明かりで
あり、ただしトンネル区間では天井によるやや明るい反
射光がある。これに対してトロリ線の両側面は投射され
た光ビームによりかなりの輝度があり、また摺面は反射
率が良好であるので、分布曲線Gの画素数は、背景光と
両側面および摺面により相違し、これらには境界点が存
在する。各境界点の強度La,Lb を求め、これらを閾値
として多値データを3値データに変換して作成された強
度曲線Kは、明確な3段階の波形をなすので、各段階の
境界点より、摺面と両側面のフレームFに対する平均的
な相対幅W1', W2 ' を正確に求めることができる。両
側面の絶対幅W2 は既知であるので、これを参照して相
対幅W1'は絶対幅W1 に換算され、さらに所定の換算式
により残存直径HR が算出され、摺面の絶対幅W1 と残
存直径HR のフレームFに対する平均値データが出力さ
れる。上記においては、摺面幅W1 または残存直径HR
は、走査間隔pごとには計測されないが、最大で5.0
mmの各フレームFに対する平均値が算出されるので、
局部的な摩耗や切りキズなどの短い欠陥も見逃しなく検
出されて測定性能上の難点がほぼ解決される。なお、上
記の強度曲線Kに、摺面または両側面に存在する黒点な
どによる落ち込み部分があるときは、空間フィルタ法に
よるソフト処理により除去される。
耗測定システムの一実施例を示し、図1は投光系4、図
2,図3は受光系5、図4,図5は信号処理部6および
データ処理部7のそれぞれの概略の構成図である。図1
(a) に示す投光系4は、検測車の屋根上に複数個、例え
ば5個の投光器4a 〜4e を配列し、トロリ線3の偏位
D(70cm)の範囲を分担して光ビームを投射する。
投光器4b,4c,4d は主として摺面3a を照射し、両側
の投光器4a,4e は高さを高くして主として両側面3b,
3b を照射する。図(b) は照射されたトロリ線3の断面
を示す。図2(a),(b) に示す受光系5は、検測車の屋根
上に設けた筐体51の内部に、例えば7個の受光器52a 〜
52g を等間隔で配列して構成される。各受光器52は偏位
Dの1/7の100mmにそれぞれ対応する。なお筐体
51の上面には各受光器に対して、トロリ線3の方向に狭
い幅のスリットを有するスリット板53が設けられる。図
3(a) は各受光器52の構成を示し、結像レンズ521 と、
多数の画素[e]が微小な間隔で配列されたCCDセン
サ522 よりなり、トロリ線3の直角方向では100mm
の範囲の光が結像レンズ521 に入射して画素[e]に結
像され、トロリ線3の方向では、スリット板53により狭
い幅δdの光が入射して画素[e]に結像される。図3
(b) は、トロリ線3に対するCCDセンサ522 の走査方
法を説明するもので、検測車の一定時間における走行距
離に対応して画像フレームFを設定する。フレームFの
長さは走行速度に比例するが、前記した短い欠陥に対す
る分解能の観点から、例えば最高時速360kmにおい
て5.0mmとする。CCDセンサ522 においては、各
フレームFに対してすくなくとも25回の走査を行う。
速度が最高のときは各走査線s1 〜s25の走査間隔pは
0.2mm、時速100kmでは、Fは約1.4mmな
って分解能は向上する。この場合の走査間隔pは0.0
55mmである。ただし、各画素[e]は走査と直角方
向に幅を有し、トロリ線3の反射光はこの幅で連続的に
受光されるので、走査間隔pはあまり関与しない。次に
図4は、検測車内に配置される信号処理部6を示し、ク
ロック発生器(CLK)61と、A/D変換器62、2組の
バッファメモリ(BF・MEM)631,632、およびビデ
オテープレコーダ(VTR)64を主要要素として構成さ
れ、A/D変換器62に対して、各受光器52のCCDセン
サ522 が接続される。データ処理部7は地上に設置さ
れ、VTR64の磁気テープを装着して画像処理する画像
処理部71と、摺面幅W1 または残存直径のHR 測定デー
タ(平均値)を、測定位置とともに表示する表示器72な
どにより構成される。測定位置は位置検出器により検出
されるが、説明は省略する。図5は、各バッファメモリ
631,632 のメモリ領域を3次元空間で表示したもので、
8ビット1バイトの8個のメモリセル[c]がY方向に
配列され、これがCCDセンサ522 の画素数だけX(走
査)方向に配列されて、走査線s1 に対応するメモリ層
[m1]が構成される。以下同様に、各走査線s2,s3,…
…s25に対するメモリ層 [m2],[m3], …… [m25] が
Z方向の積層され、それぞれ1フレームF分が構成され
る。
の動作を説明する。投光系4の5個の投光器4a 〜4e
より、トロリ線3の偏位Dの範囲に対して光ビームが投
射され、摺面3a と両側面3b,3b がそれぞれ照射され
る。検測車の走行に伴って、受光系5の7個の受光器52
a 〜52g のうちの、いずれかが摺面3a と両側面3b の
それぞれの反射光と背景光とを受光し、受光光はスリッ
ト板53を通して結像レンズ521 に入射してCCDセンサ
522 の画素[e]に結像される。CCDセンサ522 は、
信号処理部6のクロック発生器61より与えられるクロッ
ク信号により、フレームFごとに走査間隔pで25回走
査されて受光信号が出力され、各受光信号の強度Lは、
各画素[e]ごとにA/D変換器62によりデジタル化さ
れ、8ビット、256階調の多値データが出力される。
多値データはフレームF単位で2組のバッファメモリ63
1,632 に交互に記憶され、一方が記憶中に他方に記憶さ
れた多値データがVTR64の磁気テープに交互に収録さ
れる。検測車上で多値データを収録した磁気テープは、
地上に設置されたデータ処理部7の画像処理部71に装着
され、画像処理されて摺面幅W1 が算出され、さらに残
存直径HR に換算され、それぞれの平均値データが表示
器72に表示される。画像処理部71における画像処理方法
は、つぎに述べる摩耗測定方法において詳細に説明す
る。
定方法の一実施例における、摩耗測定原理の説明図、図
7は摩耗測定手順を示すフローチャートである。図6
(a) の(イ) において、トロリ線3に投射された光ビーム
は、前記したように摺面3a で非常に強く、両側面3b
ではやや強く反射される。これらに比較して夜間では背
景光は非常に弱い。もし摺面3a や両側面3b に黒点3
c が存在するときは、これによる反射光も背景光と同様
に非常に弱い。これに対して(ロ) は、任意の走査線sの
受光信号の強度をA/D変換したデジタルの多値データ
の一例を示し、背景光と両側面3b および摺面3a の反
射光のレベルはこの順序で大きく、黒点3c により波形
に落ち込みrが生じている。フレームFに対するすべて
の走査線sに対する多値データを、各画素[e]ごとに
加算すると凹凸が平均化され、(ハ) に示すようにかなり
平坦となり、落ち込みrは相対的に浅くなる。図(b) は
加算された多値データより作成された、強度Lに対する
画素数の分布曲線Gの一例を示し、強度Lが0付近では
背景光による非常に多い画素数が、強度Lが中間の範囲
では両側面3b による少ない画素数、また強度Lが大き
い範囲では摺面3a によるやや突起した多い画素数がそ
れぞれ分布する。ただし上記の分布曲線Gは一例であっ
て、一般的には強度Lに対する画素数の分布形状はかな
らずしも図示とはならない。しかし、強度Lが0付近、
中間の範囲、中間より大きい範囲は、それぞれ背景光、
両側面3b 、摺面3a に対応することは間違いない。分
布曲線Gの各範囲には高低差があるので、それぞれには
図示のような境界点α,βが存在するb この境界点α,
βとそれぞれの強度La,Lb を求め、強度La,Lb を閾
値として上記の加算された多値データを3値化し、さら
に走査(X)方向を横軸とする3値データの強度曲線K
を作成する。図6(c) は強度曲線Kの一例を示し、閾値
La の下部は背景光、閾値La とLb の中間は両側面3
b 、閾値Lb の上部は摺面3a に、それぞれ対応する3
段階に明確に区分される。ただし強度曲線Kは任意のス
ケールであるので、図示のW1', W2'は摺面3a と両側
面3b の相対幅を示す。画像処理により、相対幅W1',
W2'が算出され、両側面3b の既知の絶対幅W2 を参照
して、摺面3a の絶対幅W1 が求められ、さらに残存直
径HR に換算される。ただし、絶対幅W1 と残存直径H
R はいずれもフレームFに対する平均値である。なお上
記の加算による平均化にかかわらず、図6(c) のように
摺面3a の範囲に落ち込みrがまだ残留しているとき
は、空間フィルタ法による画像処理によりこれを除去し
て、各幅W1', W2'を正確に算出する。図(d) により空
間フィルタ法の原理を説明すると、任意の9個の画素
[e](または画素集団)において、中心の1個が "
0" 、周辺の8個がすべて "1" のときは、中心の1個
も "1"とみなして、これを除去するものである。
耗測定方法の手順を説明する。トロリ線の短い欠陥を考
慮して、検測車の最高速度に対してフレームFの長さを
例えば5.0mmと定め、各フレームFに対する各CC
Dセンサ522 の走査回数を25回に設定する。検測車
の走行に伴ってCCDセンサ522 を走査し、これより
出力される受光信号の強度をA/D変換して、8ビッ
ト、256階調のデジタルの多値データとする。画像
処理により、フレームFに対する多値化データを各画素
ごとに加算して、強度Lに対する画素数の分布曲線Gを
作成し、この分布曲線の境界点α,βにおける強度L
a,Lb を求める。強度La,Lb を閾値として上記の多
値化データを3値化し、3値データにより走査方向に対
する強度曲線Kを作成する。もし、強度曲線Kの摺面
3a や両側面3b の範囲に、黒点などによる落ち込みr
が残留しているときは、空間フィルタ法によりこれを除
去し、強度曲線Kの3段階の各境界点の間隔より、摺
面3a と両側面3b の平均的な相対幅W1', W2'が求め
られ、両側面3b の既知の絶対幅W2 を参照して、相
対幅W1'が絶対幅W1 に換算され、フレームFに対する
摺面の絶対幅W1 の平均値データが出力される。さら
に、所定の換算式により、絶対幅W1 より残存直径HR
が算出され、フレームFに対する残存直径HR の平均値
データが出力される(10)。以上で当該フレームFに対す
る処理が終了し(11)、ルーチンはステップに戻って次
位のフレームFに移行し、上記の画像処理が継続され
る。なお、前記した摩耗測定システムにおいては、検測
車上で走行中に多値化データをVTR64の磁気テープに
収録し、地上に設置された画像処理部71により、上記の
ステップ〜(11)をオフラインでバッチ処理するもので
ある。
ロリ線の摩耗測定システムにおいては、投光系と受光系
は、いずれも簡易な構成で検測車などの屋根上に容易に
搭載され、また車内には信号処理部のみが配置されるの
で検測車に対する搭載部分が簡略化され、さらに、画像
処理部を地上に設置することにより、取り扱い要員の一
部は搭乗する必要がなくて検測車のスペースが狭くて済
む効果がある。また摩耗測定方法により、最高時速36
0kmに対応して設定された最大で5.0mmの各画像
フレームFに対して、摺面幅W1 または残存直径HR の
平均値が正確に測定されるとともに、局部的な摩耗や切
りキズなどの短い欠陥も見逃しなく検出できるもので、
新幹線のトロリ線の夜間における摩耗測定に寄与すると
ころには大きいものがある。
テムの一実施例における、投光系4の概略構成図を示
す。
であり、(a) はその縦断面側面図、(b) はその横断面図
である。
であり、(a) はその縦断面図、(b) はその横断面図であ
る。
明図である。
施例における、概略のシステム構成図である。
における、摩耗測定原理の説明図であり、(a) はトロリ
線の反射状態の説明図、(b) はその加算された多値デー
タによる強度分布の説明図、(c) はその強度曲線、(d)
はその空間フィルタの説明図である。
における、測定手順のフローチャートを示す。
概略構成図を示す。
ービームの走査間隔pと、測定されるトロリ線3の摺面
3a または残存直径HR の説明図である。
転ミラー、17…パラボラミラー、18…フィルタ、19…受
光器、2…データ処理部、3…トロリ線、3a …摺面、
3b …両側面、3c …摺面の黒点、4…投光系、4a 〜
4e …投光器、5…受光系、51…筐体、52,52a〜52g …
受光器、521 …結像レンズ、522 …CCDリニアセン
サ、 53 …スリット板、6…信号処理部、61…クロック
発生器(CLK)、62…A/D変換器、631,632 …バッ
ファメモリ(BF・MEM)、64…VTR、7…データ
処理部、71…画像処理部、72…表示器、10…レーザー
方式の摩耗測定装置、D…トロリ線の偏位、またはその
範囲、p…走査間隔、F…画像フレーム、s,s1 〜s
25…走査線、[e]…CCDセンサの画素、[c]…バ
ッファメモリのメモリセル、[ m1]〜 [m25] …メモリ
層、r…黒点による波形の落ち込み、X…走査方向、L
…強度、G…画素数の分布曲線、α,β…分布曲線の境
界点、La,Lb …境界点の強度 K…3値データの強度曲線、Ho …トロリ線の直径、H
R …残存直径、W1', W2'…摺面と両側面の相対幅、W
1,W2 …摺面と両側面の絶対幅。
Claims (4)
- 【請求項1】 検測車の屋根上にそれぞれ搭載され、ト
ロリ線の摺面と両側面に光ビームを投射する複数の投光
器よりなる投光系と、該偏位範囲を複数に区分した各領
域に対応して配置され、それぞれCCDリニアセンサを
有する複数の受光器よりなる受光系とを具備し、前記検
測車の一定の走行時間に対する走行距離に画像フレーム
Fを対応させ、前記検測車の走行に伴って該画像フレー
ムFごとに前記CCDリニアセンサを複数回走査し、前
記摺面と両側面の反射光および背景光を受光したCCD
リニアセンサより出力される受光信号の強度を、各画素
ごとにデジタルの多値データに変換するA/D変換器
と、該A/D変換器が逐次に出力する多値データを、前
記画像フレームF単位で交互に記憶し、かつ収録する2
組のバッファメモリおよびVTRとよりなる信号処理部
を、前記検測車の車内に配置し、該VTRに収録された
多値データを画像処理して、前記摺面幅W1の前記各画
像フレームFに対する平均値をそれぞれ算出し、かつ該
各平均値を前記トロリ線の残存直径HR に換算し、前記
摺面幅W1 および該残存直径HR の、前記画像フレーム
Fに対する平均値データを出力する画像処理部を、地上
に設置して構成されたことを特徴とする、レーザー反射
光を用いたトロリ線摩耗量の算出方法。 - 【請求項2】 トロリ線の摺面と両側面に対して投射さ
れた光ビームの、該摺面と両側面による反射光、および
背景光をCCDリニアセンサにより受光し、検測車の一
定時間の走行距離に対応した画像フレームFごとに、該
CCDリニアセンサの走査を複数回行い、該CCDセン
サより出力される受光信号の強度を、各画素ごとにA/
D変換によりデジタルの多値データに変換し、画像処理
部により、該多値データを各画素ごとにそれぞれ加算し
て、前記受光信号強度に対する前記各画像フレームの画
素数の分布曲線Gをそれぞれ作成し、該各分布曲線Gよ
り、前記背景光と両側面、および両側面と摺面のそれぞ
れの画素数の境界点を求め、該境界点の強度La,Lb を
閾値として前記多値データを3値化し、該3値データよ
り前記走査方向を横軸とする強度曲線Kを作成し、該強
度曲線Kより前記両側面と摺面の前記各画像フレームF
に対する平均的な相対幅W1', W2'をそれぞれ求め、既
知の両側面の絶対幅W2 を参照して該相対幅W1'を絶対
幅W1 に換算し、さらに、該絶対幅W1 より前記各画像
フレームFに対する前記トロリ線の残存直径HR の平均
値を算出し、前記摺面の絶対幅W1 と該残存直径HR
の、前記画像フレームFに対する平均値データを出力す
ることを特徴とする、レーザー反射光を用いたトロリ線
摩耗量の算出方法。 - 【請求項3】 前記検測車の最高時速360kmにおけ
る各走行距離の5.0mmを、前記各画像フレームFに
対応させ、該各画像フレームFに対する前記CCDリニ
ヤセンサの複数回の走査を少なくとも25回行い、走査
間隔pを最大0.2mmとすることを特徴とする、請求
項2記載のレーザー反射光を用いたトロリ線摩耗量の算
出方法。 - 【請求項4】 前記強度曲線Kに、前記摺面または両側
面に存在する黒点などによる落ち込み部分があるとき
は、該落ち込み部分を空間フィルタ法によリ画像処理し
て除去することを特徴とする、請求項2記載のレーザー
反射光を用いたトロリ線摩耗量の算出方法。
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