JP3204596U - タービン用足場 - Google Patents
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Abstract
Description
上半部が取り外されたタービン車室の下半部によって少なくとも部分的に覆われるように設置され、タービンロータの側方に配置される足場板と、
前記タービン車室の前記下半部の前記上半部とのフランジ締結面に前記足場板を締結するための締結部材と、を備え、
前記足場板は、前記タービンロータに複数の動翼が植設された状態におけるロータ形状の外形に沿った形状を有している。
また、足場板は下半部のフランジ締結面に取り付けられるので、ロータの近傍まで足場を延設できる。その際、タービン架台等の周囲構造物に足場を取り付ける場合に比べて、足場板の締結部位とロータとの距離、すなわち足場板の長さを短くできる。これにより、足場板の軽量化を図ることができる。
前記足場板は、前記タービンロータの軸方向に並べて設置される複数の板部材を含み、
各々の前記板部材は、前記締結部材によって前記フランジ締結面に締結される第1端部から、前記第1端部とは反対側に位置する第2端部まで、前記タービンロータの中心軸に向かって延在する。
前記足場板は、各々の前記板部材に取り付けられ、各々の前記板部材を補強するための補強部材を含む。
前記補強部材は、少なくとも、各々の前記板部材の前記第1端部と前記第2端部との間で延在する第1補強部材を含む。
前記補強部材は、各々の前記板部材について、前記第1補強部材と、前記第1補強部材に交差するように配置される第2補強部材と、を含む。
前記足場板に取り付けられ、前記締結部材としてのボルトの頭部、または、前記ボルトに螺着されるナットが嵌まる凹部と、前記凹部の底面に開口するとともに前記ボルトが挿通される貫通孔と、を有するボルト受け部をさらに備える。
前記足場板は、
互いに対向して配置される同一形状の一対の板部材
を含み、
前記タービン用足場は、表裏反転させることで、前記タービンロータの両側の側方の何れにも設置可能なリバーシブル構造を有する。
また、足場板は下半部のフランジ締結面に取り付けられるので、ロータの近傍まで足場を延設できる。その際、タービン架台等の周囲構造物に足場を取り付ける場合に比べて、足場板の締結部位とロータとの距離、すなわち足場板の長さを短くできる。これにより、足場板の要求強度が低くなり、足場板の軽量化を図ることができる。
このタービン用足場1が適用可能なタービンは、上半部(不図示)及び下半部102を含むタービン車室100を備えており、上半部と下半部102が互いにフランジ締結される構成を有したタービンである。タービン用足場1が適用されるタービンは、ガスタービンであってもよいし、蒸気タービンであってもよい。
このタービン用足場1において、足場板2は、タービンロータ110に複数の動翼120が植設された状態におけるロータ形状の外形に沿った形状を有している。
なお、タービンロータ110は、中心軸Oに沿った方向(以下、軸方向と言う)に配列された複数のロータディスク112を含む。このロータディスク112の周囲に、複数の動翼120が放射状に植設される。
なお、足場板2の材料は特に限定されないが、例えば足場板2は、軽量化を図るためにアルミを含む金属材料で形成されてもよいし、防錆性に優れたステンレス材料で形成されてもよい。
また、足場板2は下半部102のフランジ締結面104に取り付けられるので、タービンロータ110の近傍まで足場を延設できる。その際、タービン架台等の周囲構造物に足場を取り付ける場合に比べて、足場板2の締結部位とタービンロータ110との距離、すなわち足場板2の長さを短くできる。これにより、足場板2の軽量化を図ることができる。
この場合、各々の板部材20は、締結部材3によってフランジ締結面104に締結される第1端部21から、第1端部21とは反対側(タービンロータ110側)に位置する第2端部22まで、タービンロータ110の中心軸Oに向かって延在する。
足場設置の作業性向上を目的として、各々の板部材20は、人力によって搬送可能な重量及び大きさに形成された可搬型としてもよい。
また、各々の板部材20には、天井クレーンやウィンチ等の移送機構によって吊った状態で搬送可能なように、移送機構に吊り下げるための吊り下げ部23が設けられていてもよい。吊り下げ部23は、足場板2上での作業性の観点から、板部材20の表面に突出しない吊り下げ用穴であってもよい。例えば、吊り下げ部23は、吊り下げ用アイボルト取付穴であってもよい。この場合、吊り下げ用アイボルト取付穴にアイボルトを取り付け、このアイボルトに移送機構のワイヤを取り付けて、移送機構により板部材20を吊り上げて運搬する。なお、吊り下げ部23は、吊り下げ用穴に限定されるものではなく、例えばフック等の係止部であってもよい。
このように、足場板2を分割構造とすることにより、可搬性を向上させることができる。例えば、足場板2を運搬する際、移送機構を用いずに人手によって運搬することもできる。あるいは、足場板2の運搬に移送機構を用いる際には、最大吊上げ能力が比較的低い移送機構を使用することも可能となる。また、足場板2を分割構造とすることは、足場板2の保管に大きなスペースを要しないという利点も有する。
また、足場板2の第1端部21は下半部102のフランジ締結面104に締結された固定端であり、第2端部22は第1端部21よりもタービンロータ110の中心軸O側に位置した自由端となっている。すなわち、足場板2は、下半部102のフランジ締結面104に支持された片持ち構造となっている。この場合、足場板2の要求強度は高くなるが、上記構成によれば、足場板2を第1端部21から第2端部22までタービンロータ110の中心軸Oに向かって延在させることによって、足場板2の長尺化を回避することもでき、足場板2のより一層の軽量化が可能となる。これにより、足場板2の軽量化を図りながら、下半部102のフランジ締結面104からタービンロータ110までの空間を覆うように足場板2を配置することができる。
図2及び図3に例示するように、幾つかの実施形態におけるタービン用足場1は、足場板2に取り付けられるボルト受け部4をさらに備える。
ボルト受け部4は、ボルト31の頭部32(図2参照)、または、ボルト35に螺着されるナット36(図3参照)が嵌まる凹部42(42a,42b)と、凹部42の底面に開口するとともにボルト31,35が挿通される貫通孔43と、を有する。なお、ボルト31,35は、足場板2を下半部102のフランジ締結面104に締結するための締結部材3である。
具体的には、ボルト受け部4は、凹部42aが足場板2の上面(表面)に開口するように、足場板2の上面よりも下方に設置される。勿論、足場板2には、凹部42aに対応した開口が形成されている。ボルト31は、ボルト受け部4の貫通孔43及びフランジ103のボルト穴103aに挿通された状態で、頭部32が凹部42a内に位置し、他端がフランジ103の下面(裏面)よりも下方に位置するように設けられている。ボルト受け部4の貫通孔43及びフランジ103のボルト穴103aはいずれも、軸部33よりも径が大きくてもよい。そして、フランジ103よりも下方に突出したボルト31の端部にはナット34が螺合される。こうして、フランジ103と足場板2とが締結されるようになっている。
この実施形態において、図3に示すようなボルト(植え込みボルト)35を用いてもよい。
具体的には、ボルト受け部4は、凹部42aが足場板2の上面(表面)に開口するように、足場板2の上面よりも下方に設置される。勿論、足場板2には、凹部42aに対応した開口が形成されている。ボルト35は、ボルト受け部4の貫通孔43及びフランジ103のボルト穴103bに挿通された状態で、一端が凹部42a内に位置し、他端がフランジ103のボルト穴103b内に位置するように設けられている。この場合、フランジ103のボルト穴103bの内面とボルト35の外周面とが螺合するようになっている。こうして、フランジ103と足場板2とが締結される。
図4及び図5に例示するように、一実施形態において足場板2は、各々の板部材20に取り付けられ、各々の板部材20を補強するための補強部材5を含んでいてもよい。
図4に例示する実施形態では、第1補強部材51は、軸方向(図1に示すタービンロータ110の軸方向)に直交する方向に延在する第1補強部材51a,51bを含む。
図5に例示する実施形態では、第1補強部材51は、軸方向に直交する方向に対して傾斜した第1補強部材51cと、軸方向に直交する方向に延在する第1補強部材51dと、を含む。第2端部22は、動翼120(図1参照)の外径に沿った形状となっており、そのため一部の第1補強部材51cについては、軸方向に直交する方向に対して傾斜させることによって、第2端部22まで第1補強部材51cを確実に延在させることができる。
図4に例示する実施形態では、第2補強部材52は、軸方向に沿って延在する第2補強部材52a,52bと、軸方向に対して傾斜した第2補強部材52cと、を含む。
図5に例示する実施形態では、第2補強部材52は、軸方向に沿って延在する第2補強部材52d,52eを含む。
上述したように足場板2は、第1端部21において下半部102のフランジ締結面104に支持された片持ち構造となっており、第1端部21から第2端部22へ向かう方向における強度を高くすることが求められる。そこで、上記構成によれば、第1端部21と第2端部22との間で延在する第1補強部材51を設けることによって、より一層効果的にタービン用足場1の強度向上が図れる。
また、第1補強部材51(51a〜51d)に交差するように第2補強部材52(52a〜52e)を設けることによって、タービン用足場1の全体的な強度向上が図れる。
このように、第2端部22側の縁部に弾性部材60を設けることによって、例えば動翼120(図1参照)の抜き取り又は植設作業を行う際に、動翼120が足場板2に接触して動翼120の表面のコーティング層が剥がれ落ちることを防止できる。
またこの場合、ボルト受け部4も同様にリバーシブル構造を有していてもよい。例えば、ボルト受け部4は、第1板部材20a側と第2板部材20b側にそれぞれ凹部42a,42bを有する。そして、これらの凹部42a,42bを貫通するように、貫通孔43が形成されている。すなわち、ボルト受け部4は、貫通孔43の軸方向を通る断面において、両端側に凹部42a,42bを有するH形状となっている。
このボルト受け部4は、第1板部材20aと第2板部材20bとの間に設置されてもよい。また、このボルト受け部4が、第1板部材20aと第2板部材20bの連結部材の一部として用いられてもよい。
また、足場板2は下半部102のフランジ締結面104に取り付けられるので、タービンロータ110の近傍まで足場を延設できる。その際、タービン架台等の周囲構造物に足場を取り付ける場合に比べて、足場板2の締結部位とロータとの距離、すなわち足場板の長さを短くできる。これにより、足場板2の軽量化を図ることができる。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
2 足場板
3 締結部材
4 ボルト受け部
5 補強部材
20 板部材
20a 第1板部材
20b 第2板部材
21 第1端部
22 第2端部
31,35 ボルト
36,37 ナット
42,42a,42b 凹部
43 貫通孔
51 補強部材
51a〜51d 第1補強部材
51b 第1補強部材
51c 第1補強部材
51d 第1補強部材
52 補強部材
52a〜52e 第2補強部材
60 弾性部材
100 タービン車室
102 下半部
103 フランジ
104 フランジ締結面
110 タービンロータ
120 動翼
Claims (7)
- 上半部が取り外されたタービン車室の下半部によって少なくとも部分的に覆われるように設置され、タービンロータの側方に配置される足場板と、
前記タービン車室の前記下半部の前記上半部とのフランジ締結面に前記足場板を締結するための締結部材と、を備え、
前記足場板は、前記タービンロータに複数の動翼が植設された状態におけるロータ形状の外形に沿った形状を有していることを特徴とするタービン用足場。 - 前記足場板は、前記タービンロータの軸方向に並べて設置される複数の板部材を含み、
各々の前記板部材は、前記締結部材によって前記フランジ締結面に締結される第1端部から、前記第1端部とは反対側に位置する第2端部まで、前記タービンロータの中心軸に向かって延在することを特徴とする請求項1に記載のタービン用足場。 - 前記足場板は、各々の前記板部材に取り付けられ、各々の前記板部材を補強するための補強部材を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のタービン用足場。
- 前記補強部材は、少なくとも、各々の前記板部材の前記第1端部と前記第2端部との間で延在する第1補強部材を含むことを特徴とする請求項3に記載のタービン用足場。
- 前記補強部材は、各々の前記板部材について、前記第1補強部材と、前記第1補強部材に交差するように配置される第2補強部材と、を含むことを特徴とする請求項4に記載のタービン用足場。
- 前記足場板に取り付けられ、前記締結部材としてのボルトの頭部、または、前記ボルトに螺着されるナットが嵌まる凹部と、前記凹部の底面に開口するとともに前記ボルトが挿通される貫通孔と、を有するボルト受け部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のタービン用足場。
- 前記足場板は、
互いに対向して配置される同一形状の一対の板部材
を含み、
前記タービン用足場は、表裏反転させることで、前記タービンロータの両側の側方の何れにも設置可能なリバーシブル構造を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のタービン用足場。
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