JP3204505B2 - 核磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

核磁気共鳴イメージング装置

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JP3204505B2
JP3204505B2 JP27243390A JP27243390A JP3204505B2 JP 3204505 B2 JP3204505 B2 JP 3204505B2 JP 27243390 A JP27243390 A JP 27243390A JP 27243390 A JP27243390 A JP 27243390A JP 3204505 B2 JP3204505 B2 JP 3204505B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、MRIアンギオグラフィーやMRIダイナミック
スタディーなどに適用される磁気共鳴イメージング(MR
I)装置に係り、とくに画像再構成時間を短縮できる磁
気共鳴イメージング装置に関する。
(従来の技術) MRIアンギオグラフィー(MRI血管造影、以下「MRアン
ギオ」と略す)は、X線CTスキャナのようなX線の被曝
がなく、また造影剤が不要という特徴を有する。MRアン
ギオは血管のみの画像を得るために、動いている血液の
スピンの位相を集めるパルスシーケンス(インフェーズ
シーケンス;In−Phase Sequ−ense)の画像値と、動い
ている血液のスピンの位相をばらすパルスシーケンス
(アウトオブフェーズシーケンス;Out−of−Phase Sequ
ense)の画像値にサブトラクション(減算処理)を施す
ことにより、画像から静止した臓器を消去することがで
きる。これにより、残った血管内の血液のみの信号か
ら、血管のイメージ(アンギオ像)が得られる。
最近主流の3次元フーリエ変換(3DFT)の場合は、イ
ンフェーズ像とアウトオブフェーズ像の組がスライス枚
数分必要になる。
一方、MRIダイナミックスタディー(MRI動態観察、以
下「D−MRI」と略す)は、Gd−DTPAなどの造影剤(ト
レーサ)を血管内に注入しながら同一部位を経時的にス
キャンし、経時的に得た複数の画像(エンハンスト(En
hanced)画像)値と、造影剤注入直前の画像(ベース
(Bese)画像)値とのサブトラクションを行うことによ
り、トレーサによる経時的な増分のみの画像を作成する
ことができる。
必要ならば、経時的な濃淡の変化をグラフ化した時間
−濃度曲線(タイムデンシティカーブ)を作成し、この
曲線を濃度変化に関する特定のモデルから導出される関
数(指数関数、ガンマ関数など)でフィッティングし
て、動態特性を定めるファンクショナルパラメータを数
値またはイメージとして表示することもできる。
(発明が解決しようとする課題) ところが、上述のMRアンギオでは、目的の画像を得る
のに、インフェーズ像のアウトオブフェーズ像をそれぞ
れ再構成してからサブトラクションを行うため、nスラ
イスの場合は2n回の画像再構成が必要である。また3DFT
の場合は、この2つの画像の組について別々に3DFTによ
る再構成をしなければならない。
一方、D−MRIにおいては、nスライス分時間方向に
スキャンするときは、ベース画像を含めn回の画像再構
成が必要になる。
このように従来のMRアンギオおよびD−MRIにおいて
は、再構成する画像の数が多いため、画像再構成に掛か
る時間がきわめて長く、全体の処理時間も長期化するこ
とからオペレータの負担も大きかった。
また、最終的な画像の情報として必要な信号は、イン
フェーズ像とアウトオブフェーズ像およびベース像とエ
ンハンスト像の差分に係るところだけで、演算装置にお
けるダイナミックレンジに係るビット数はきわめて小さ
いにも拘わず原エコーデータをそのまま画像再構成に用
いるので、画像再構成のためのダイナミックレンジは、
一度インフェーズ像やエンハンスト像の再構成に使用し
たビット数の大きな容量のものを使用する。このため、
演算に掛かる時間(再構成に要する時間)も長くなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、MRアンギ
オやD−MRIにおいて画像再構成に要する時間を短縮で
きる磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的と
する。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明は上記課題を解決するために、被検体の所定部
位からインフェーズシーケンスで収集した複素エコーデ
ータ及びアウトオブフェーズシーケンスで収集した、そ
れぞれ、複数スライス分の複素エコーデータから血管を
優先して描出するMRIアンギオグラフィを実施するため
の磁気共鳴イメージング装置において、前記複数の複素
エコーデータ間で、対応するスライス毎に且つ実部及び
虚部別々にサブトラクションを行うサブトラクション手
段と、前記サブトラクション手段により求められた複数
スライス分の複素サブトラクションデータをスライス毎
に再構成して前記複数スライスの画像を得る再構成手段
と、前記再構成の前に、ダイナミックレンジにおける高
位ビット側の数ビットを切り捨てるか、あるいは、ダイ
ナミックレンジにおける低位側ビットを高位側へシフト
させるかを選択する選択手段とを備えたことを特徴とす
るものである。
(作用) 本発明の磁気共鳴イメージング装置によれば、一例と
して、MRアンギオを実施する場合にはインフェーズ像と
アウトオブフェーズ像について、またD−MRIを実施す
る場合にはベース像とエンハンスト像について、画像を
再構成する前のエコーデータ(生データ)の段階でサブ
トラクションが施され、サブトラクションによって残っ
た信号に基いて画像再構成が行われる。
よって、本発明によれば、画像再構成の回数はMRアン
ギオにおいて1スライスにつき1回、すなわち従来の1/
2になる。またD−MRIにおいては各時刻につき1回です
む。すなわち、従来の各時刻についてエンハンスト画像
値からベース画像値をサブトラクションしていたのと比
べると、画像を作成する時刻全体において、例えばベー
ス画像の再構成に係る1回分だけ画像再構成の回数が減
る。したがって、本発明のMRI装置は、MRアンギオとD
−MRIにおいて画像の再構成に係る全体の時間を短縮す
ることができる。
また、上述のサブトラクションを行うときに、演算精
度又は演算速度を選択的に高めるようにしてもよい。す
なわち、画像値の演算に要するダイナミックレンジは、
インフェーズ像とアウトオブフェーズ像の差分、又は、
ベース像とエンハンスト像の差分に係る容量を満たせば
よいから、通常の画像再構成処理から分岐させ、従来に
比べてビット数が少ないダイナミックレンジを使用して
演算時間を短縮することが可能になる。また従来と同じ
ビット数のダイナミックレンジで演算を行う場合は、有
効数字の桁数を増やして細かい血管等の低い信号を切捨
てずにすむため、演算精度が向上する。
(実施例) 以下添付の図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。
第1図は、本発明の第1実施例に係るMRI(磁気共鳴
イメージング)装置において、MRアンギオを行う場合の
工程を示す。
インフェーズ(In−phase)データおよびアウトオブ
フェーズ(Out−of−phase)データとも、エコーデータ
の段階では同一部位の各スライスについて実(real)部
と虚(imaginary)部を含むデータが得られるが、本実
施例のMRI装置においては、これらのエコーデータをこ
のMRI装置の加算器に入力する。この場合、インフェー
ズデータは加算形で、アウトオブフェーズデータは減算
形で入力される。
加算器では、スライスごとに両データ間の実部・虚部
のそれぞれについてサブトラクションを行う。その結
果、実部と虚部それぞれに血液部分だけが残留したエコ
ー信号が得られる。このサブトラクションは、入力され
たスライス分繰返す。
加算器での処理が終わったら、得られるエコー信号は
実部と虚部を有するため、複素2DFFT(2次元高速フー
リエ変換)のユニットにり画像再構成を行ってアンギオ
画像を作成する。本実施例によれば、n枚のスライスに
ついて画像の再構成はn回、すなわち従来(2n回)の1/
2ですみ、画像再構成に掛かる時間の大幅な短縮が図れ
る。また、3DFT法の場合は、複素3DFTにより、画像再構
成が行われて、アンギオ像が作成される。この場合も、
再構成回数が減る。
アンギオ画像は、必要ならばさらに投影方向に合せた
レイ・トレーシングによる加算、最大値投影などの画像
処理を施す。
第2図は、本発明の第2実施例に係るMRI装置におい
て、D−MRIを行う場合の工程を示す。
造影後のデータ(エンハンストデータ)F1,F2,…,Fn
(それぞれ造影後t1,t2,…,tn時間経過後に収集)およ
び造影前のデータ(ベースデータ)F0(造影前の時刻t0
に収集)とも、エコーデータの段階では同一部位の所定
スライスについて実(real)部と虚(imaginary)部を
含むデータが得られるが、本実施例のMRI装置において
は、これらのエコーデータをこのMRI装置の加算器に入
力する。この場合、造影後のデータは加算形で、造影前
のデータは減算形で入力される。
加算器では、フレームごとに造影後のデータF1,F2,
…,Fnと造影前のデータF0の間で実部・虚部のそれぞれ
についてサブトラクションFi−F0(i=1,2,…,n)を行
う。このサブトラクションは、入力されたスライス分繰
返す。
加算器での処理が終わったら、得られるエコー信号は
実部と虚部を有するため、複素2DFFTのユニットにより
画像再構成を行って造影剤による増分のみの画像を作成
する。本実施例によれば、n枚のスライスについて画像
の再構成はn回であるから、従来(n+1回)に比べ、
画像再構成に掛かる時間の短縮が図れる。
これらの画像は、必要ならばさらにタイムデンシティ
カーブ処理やファンクショナルイメージなどの画像処理
を施す。
第3図は、本発明の第3実施例に係るMRI装置におい
て、Dixon法を行う場合の工程を示す。
Dixon法は、所定強度の外部磁場中の核スピンの共鳴
周波数が、周りの電子の影響によって感知する磁場強度
が少し変化してずれること(化学シフト)を考慮し、プ
ロトンスペクトルの2つの大きなピークに相当する水と
脂肪の画像を得る方法である。
すなわち、プロトンスペクトルにおける水と脂肪の化
学シフトの差Δσは約3.5ppmであるが、SE法のパルスシ
ーケンスにおける位相反転作用をもつπパルスをγ{Δ
σB0(2τ)}=π(これは1.5Tではτ=1.12msに相
当、γは磁気回転比、B0は外部磁場強度)となるように
設定すると、水と脂肪の位相が反転する。すなわち第3
図のデータAとして示すエコー信号が得られる。
一方、τ=0の場合は通常のSE像につながる水と脂肪
の位相が一致したエコーデータ、すなわち第3図のデー
タBの形のエコー信号が得られる。
従来は、データAとデータBを直ちに画像化して、そ
の後両画像値を相互に差引きし、また加え合せることに
よってそれぞれ水画像と脂肪画像を得ていたが、本実施
例においては、データAとデータBを、生データのまま
でMRI装置の2つの加算器に送る。このときデータBは
いずれの加算器にも加算形で加算器に入力するが、デー
タAは一方の加算器には加算形で、他方の加算器には減
算形で入力する。
そして加算器での加・減算が終わったら、それぞれ信
号値を1/2にして水データのみのエコー信号値および脂
肪データのみのエコー信号値を得る。
その後、水データ、脂肪データそれぞれについて画像
を再構成するならば、ダイナミックレンジのビット数は
少なくてすみ、再構成に要する時間が短縮できる。
このように、本発明のMRI装置は、画像間のサブトラ
クションを必要とする処理一般において、エコーデータ
間でのサブトラクションを行ってから目的の画像を再構
成することにより再構成に要する時間が短縮される。
第4図は、本発明のMRI装置における実際のサブトラ
クション演算法を詳細に示す工程図である。図中、□で
囲んだものはデータ、で囲んだものは処理を表す。
この図では、サブトラクション演算において演算され
るエコーデータをFA(ξ,η)、減算するエコーデータ
をFB(ξ,η)とする。本発明のMRI装置においては、
内蔵するコンピュータによる通常の減算処理にしたがっ
て、引くデータFB(ξ,η)について2の補数をとる。
そしてこのデータを先にバッファメモリ(またはレジス
タ)にストア(格納)しておく。
この格納が終わったら、つぎに引かれるデータF
A(ξ,η)を上記バッファメモリに加算形で入力す
る。こうして、バッファメモリではサブトラクションが
行われるが、サブトラクションの結果残るエコーデータ
値は、FA(ξ,η)とFB(ξ,η)の差に相当する量
で、FA(ξ,η)、FB(ξ,η)の値に比べ、大幅に小
さくなる。
そこで、まず演算速度を高めたい場合は、サブトラク
ションで値が小さくなる分だけ、ダイナミックレンジに
おける高位ビット(MSB;Most Significant Bit)側の数
ビットを切り捨て、短いビットの下で2DFFT(2次元高
速フーリエ変換)または3DFFT(3次元高速フーリエ変
換)を行い、画像を形成する。
一方、演算精度を高めたい場合は、サブトラクション
によってダイナミックレンジの高位ビットが空いた分だ
け、ビットを低位(LSB;Least Significant Bit)側か
ら高位(MSB)側へシフトさせる。その結果、新たにダ
イナミックレンジに格納されるデータFC(ξ,η)は、
有効数字の桁数を増やして細かい血管等の低い信号を切
捨てずにすむため、2DFFTまたは3DFFTにおいて演算精度
が向上し、細かい血管等もよく現れた画像を得ることが
できる。
なお、エコーデータFA(ξ,η)とFB(ξ,η)は、
エンコードの可能な交互スキャンを行い、1つのリード
データについてサブトラクションを繰返せばよい。この
場合、引くデータFB(ξ,η)から先に収集する。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の磁気共鳴イメージング
装置によれば、MRアンギオとD−MRIなどを実施すると
きに、複素エコーデータの段階でサブトラクションを演
算し、このサブトラクションによる差分データを使って
画像再構成を行うので、画像の再構成に要する時間を短
縮することができる。
また本発明によれば、サブトラクション時に、従来に
比べてビット数が少ないダイナミックレンジを使用して
演算時間を短縮させたり、従来と同じビット数のダイナ
ミックレンジで演算を行う場合は、有効数字の桁数を増
やして演算精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係るMRI装置で行うMRアン
ギオの工程図、第2図は本発明の他の実施例に係るMBI
装置で行うD−MRIの工程図、第3図は本発明のさらに
他の実施例に係るMRI装置で行うDixon法の工程図、第4
図は本発明のMRI装置で行うサブトラクション演算の工
程図である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体の所定部位からインフェーズシーケ
    ンスで収集した複素エコーデータ及びアウトオブフェー
    ズシーケンスで収集した、それぞれ、複数スライス分の
    複素エコーデータから血管を優先して抽出するMRIアン
    ギオグラフィを実施するための磁気共鳴イメージング装
    置において、 前記複数の複素エコーデータ間で、対応するスライス毎
    に且つ実部及び虚部別々にサブトラクションを行うサブ
    トラクション手段と、 前記サブトラクション手段により求められた複数スライ
    ス分の複素サブトラクションデータをスライス毎に再構
    成した前記複数スライスの画像を得る再構成手段と、 前記再構成の前に、ダイナミックレンジにおける高位ビ
    ット側の数ビットを切り捨てるか、あるいは、ダイナミ
    ックレンジにおける低位側ビットを高位側へシフトさせ
    るかを選択する選択手段とを備えたことを特徴とする磁
    気共鳴イメージング装置。
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WO2000065995A1 (fr) * 1999-04-30 2000-11-09 Hitachi Medical Corporation Procede d'imagerie par resonance magnetique et dispositif connexe
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