JP3204290U - 立体キルト式掛け布団 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用者の身体に対するフィット性及び保温性が高められた立体キルト式掛け布団を提供する。【解決手段】立体キルト式掛け布団100は、表側に配置される表布10と、表布10に対向して、使用者の身体側に配置される裏布20と、表布10と裏布20との間に介在して両者に縫合され、表布10と裏布20との間に間隔を確保する高さを有し、表布10及び裏布20と共に、平面視で行列状に配置される複数の中空セルCを画定するマチ布30と、各々の中空セルCに充填された保温材40と、を備える。各々の中空セルCの、マチ布30の高さ方向中間位置を通る仮想平面Sより身体側の身体側容積が、仮想平面Sより表側の表側容積よりも大きく形成されている。【選択図】図4

Description

本考案は、立体キルト式掛け布団に関する。
立体キルトと称される構造を有する立体キルト式掛け布団が知られている(例えば、特許文献1参照)。立体キルトとは、対向して配置される表布と裏布を、両者間を格子状に仕切るマチ布を介して縫合し、それら表布、裏布、及びマチ布によって画定される複数の中空セルの各々に羽毛や綿等の保温材を充填した構造を指す。
特開2002−345614号公報
従来の立体キルト式掛け布団は、使用者の身体に対するフィット性及び保温性を高めることに関して改善の余地を残していた。
本考案は、かかる実情に鑑みて成されたものであり、使用者の身体に対するフィット性及び保温性が高められた立体キルト式掛け布団を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本考案に係る立体キルト式掛け布団は、
表側に配置される表布と、
前記表布に対向して、使用者の身体側に配置される裏布と、
前記表布と前記裏布との間に介在して両者に縫合され、前記表布と前記裏布との間に間隔を確保する高さを有し、前記表布及び前記裏布と共に、平面視で行列状に配置される複数の中空セルを画定するマチ布と、
各々の前記中空セルに充填された保温材と、を備え、
各々の前記中空セルの、前記マチ布の高さ方向中間位置を通る仮想平面より前記身体側の身体側容積が、前記仮想平面より前記表側の表側容積よりも大きく形成されている。
幅方向中央部分に位置する前記中空セルの前記身体側容積が、幅方向両端に位置する前記中空セルの前記身体側容積よりも大きく形成されていてもよい。
前記裏布と前記マチ布との縫合部分に、タックが形成されていてもよい。
本考案によれば、各々の中空セルの身体側容積が表側容積よりも大きく形成されているので、使用者の身体に対するフィット性及び保温性を高めることができる。
(A)は実施形態1に係る立体キルト式掛け布団の表側の外観を示す斜視図であり、(B)は同立体キルト式掛け布団の身体側の外観を示す斜視図である。 (A)はマチ布の身体側の斜視図であり、(B)はクッション部を示す透過斜視図である。 クッション部を身体側からみた拡大斜視図である。 立体キルト式掛け布団の長さ方向に垂直な断面を示す断面図であり、(A)は実施形態1に係る立体キルト式掛け布団を示し、(B)は実施形態2に係る立体キルト式掛け布団を示し、(C)は実施形態3に係る立体キルト式掛け布団を示す。
以下、図面を参照し、本考案の実施形態に係る立体キルト式掛け布団について説明する。図中、同一又は対応する部分に同一の符号を付す。
図1(A)に、実施形態1に係る立体キルト式掛け布団100を表側からみた外観を示す。この立体キルト式掛け布団100は、その幅方向及び長さ方向に、クッション部50が行列状に配列された外観構成を有する。ここで、幅方向とは、使用者の肩幅の方向と平行な方向を指し、長さ方向とは、使用者の身長の方向と平行な方向を指す。図1(A)には、クッション部50が長さ方向に6行、幅方向に5列配列された構成を示すが、クッション部50の配列数は特に限定されない。
各々のクッション部50は、平面視で略矩形状をなしており、厚さ方向に関して表側及び使用者の身体側の双方に膨らみを有する。
図1(B)は、立体キルト式掛け布団100の、使用者の身体側の外観を示す。図示のように、各々のクッション部50の、身体側の膨らみの高さは、表側の膨らみの高さよりも高い。
また、幅方向中央に位置するクッション部50の身体側の膨らみの高さは、他のクッション部50の身体側の膨らみの高さよりも高い。その身体側に相対的に高いクッション部50が、立体キルト式掛け布団100の長さ方向に全長にわたって1列に配列されている。
以下、立体キルト式掛け布団100の上述した外観構成を実現するための内部の構成について説明する。
図4(A)は、立体キルト式掛け布団100の長さ方向に垂直な断面を示す。図示のように、立体キルト式掛け布団100は、表側(図4(A)では上側)に配置される表布10と、表布10に対向して、使用者の身体側(図4(A)では下側)に配置される裏布20と、表布10と裏布20との間に介在して両者に縫合され、表布10と裏布20との間に間隔を確保する高さを有し、表布10及び裏布20と共に、複数の中空セルCを画定するマチ布30と、各々の中空セルCに充填された保温材40と、を備える。
図2(A)は、マチ布30の身体側の斜視図である。図示のように、マチ布30は、帯状のマチテープ30a〜30iを、格子状に組んだ構造を有する。マチテープ30a〜30iの各々の幅方向は、マチ布30の高さ方向に等しい。マチテープ30a〜30iの幅方向表側の端部は、同一平面内に揃えられている。
また、立体キルト式掛け布団100の幅方向に並ぶマチテープ30a〜30dのうち、立体キルト式掛け布団100の幅方向中央部分のマチテープ30b及び30cには、相対的に幅広のものが用いられている。それら相対的に幅広なマチテープ30b及び30cは、使用者の身体側に突出している。
図2(B)に示すように、マチ布30を上下から表布10と裏布20とで挟み、マチ布30と表布10、及びマチ布30と裏布20とを縫合することにより、マチ布30で構成される格子の各升目において、中空セルCが画定される。マチ布30がマチテープ30a〜30dを格子状に組んだ構造を有するため、中空セルCは平面視で行列状に配置される。
図4(A)に戻って、中空セルCに保温材40が充填されることで、クッション部50が構成される。保温材40には、羽毛が用いられる。なお、保温材40は、保温性を有するものであれば特に限定されない。例えば、保温材40として、羽毛に代えて、又は羽毛と共に、羽根、羊毛、真綿、木綿、及び化学繊維からなる群より選択される1種以上を用いることもできる。
各々のクッション部50において、裏布20の面積は、対向する表布10の面積よりも大きい。即ち、保温材40が未充填の状態においては、各々の中空セルCを画定する裏布20の弛み量は、対向する表布10の弛み量よりも大きい。
このため、各々の中空セルCの、マチ布30の高さ方向中間位置を通る仮想平面Sより身体側(図4(A)では下側)の身体側容積が、仮想平面Sより表側(図4(A)では上側)の表側容積よりも大きい。ここで、マチ布30の高さ方向中間位置を通る仮想平面Sとは、マチ布30の高さが、立体キルト式掛け布団100の幅方向又は長さ方向の位置によって異なることにより複数の仮想平面が想定されうる場合、最も表側に配置される仮想平面を指すものとする。
なお、図4(A)には、仮想平面Sに関して表布10に対称な対称面Tを破線で示す。対称面Tが裏布20より仮想平面S側に位置することは、上記身体側容積が、上記表側容積よりも大きいことを示す。これにより、身体側の膨らみの高さが、表側の膨らみの高さよりも高いクッション部50が実現される。
クッション部50の身体側の膨らみは、立体キルト式掛け布団100と使用者の身体との隙間を埋め、フィット性を高めることに関して、表側の膨らみよりも大きく寄与する。そこで、クッション部50の身体側の膨らみを、表側の膨らみよりも大きく形成することで、使用者の身体に対するフィット性を高めることができ、保温性も高められる。
また、幅方向(図4(A)では左右方向)に関して、中央に位置する中空セルCの身体側容積が、他のいずれの中空セルCの身体側容積よりも大きい。これにより、幅方向中央に位置するクッション部50の身体側の膨らみの高さを、他のクッション部50の身体側の膨らみの高さよりも高くした構成が実現される。幅方向中央に位置するクッション部50は、使用者の身体の真上に位置するため、フィット性及び保温性に特に大きく寄与する。このため、幅方向中央に位置するクッション部50の身体側の膨らみの高さを相対的に高く形成することで、フィット性及び保温性を一層高めることができる。
図2(A)を参照して述べたように、立体キルト式掛け布団100の幅方向中央部分のマチテープ30b及び30cが、残余のマチテープ30a及び30dよりも幅広に形成されている。具体的には、マチテープ30b及び30cの幅は、例えば6cmであり、マチテープ30a及び30dの幅は、例えば3cmである。これにより、立体キルト式掛け布団100の幅方向中央に位置する中空セルCの身体側容積を大きくすることを容易に実現できる。
図3は、1つのクッション部50の身体側を示す拡大斜視図である。図示のように、裏布20とマチ布30との縫合部分にタック60が形成されている。これにより、美観を損なうことなく、裏布20の面積を、対向する表布10の面積よりも大きく確保することができ、中空セルCの身体側容積を、表側容積よりも大きく形成できる。なお、表布10とマチ布30との縫合部分にもタック60を形成してもよいのは勿論である。
図4(B)は、実施形態2に係る立体キルト式掛け布団200の長さ方向に垂直な断面を示す。この立体キルト式掛け布団200では、その幅方向中央の中空セルCの身体側容積を更に大きく形成している。また、幅方向中央の中空セルCの両隣の中空セルCの身体側容積も、中央の中空セルCの身体側容積と等しく形成している。これにより、フィット性及び保温性をより一層高めることができる。
また、本実施形態2では、立体キルト式掛け布団200の周縁にも、マチテープ30j及び30kを設けている。マチテープ30j及び30kの幅は、例えば6cmである。
なお、図4(B)には、幅方向両端のマチテープ30j及び30kを示すが、立体キルト式掛け布団200の長さ方向両端にも、マチテープ30j及び30kと同じ幅を有するマチテープを設けている。これにより、幅方向両端及び長さ方向両端の中空セルCも充分な容量を確保でき、使用時に幅方向両端又は長さ方向両端から暖気が逃げることを防止する効果を高めることができ、かつ美観を高めることができる。
図4(C)は、実施形態3に係る立体キルト式掛け布団300の長さ方向に垂直な断面を示す。本実施形態では、幅方向中央のマチテープ30b’及び30c’の幅を、残余のマチテープ30a及び30dと同じく3cmとしている。この立体キルト式掛け布団300のように、必ずしも幅方向中央の中空セルCの身体側容積を相対的に大きく形成しなくてもよい。
本実施形態3でも、各々の中空セルCの身体側容積が、表側容積よりも大きく形成されているので、使用者の身体に対するフィット性を高めることができ、かつ保温性を高めることができる。
以上、本考案の実施形態について説明したが、本考案はこれに限られない。上記実施形態は、本考案を説明するためのものであり、本考案の範囲を限定するものではない。本考案の範囲は、実施形態ではなく、実用新案登録請求の範囲によって示される。実用新案登録請求の範囲内及びそれと同等の考案の意義の範囲内で施される様々な変形が、本考案の範囲内とみなされる。
10…表布、20…裏布、30…マチ布、30a〜30k,30b’,30c’…マチテープ、40…保温材、50…クッション部、60…タック、100,200,300…立体キルト式掛け布団、C…中空セル、S…仮想平面、T…対称面。

Claims (3)

  1. 表側に配置される表布と、
    前記表布に対向して、使用者の身体側に配置される裏布と、
    前記表布と前記裏布との間に介在して両者に縫合され、前記表布と前記裏布との間に間隔を確保する高さを有し、前記表布及び前記裏布と共に、平面視で行列状に配置される複数の中空セルを画定するマチ布と、
    各々の前記中空セルに充填された保温材と、を備え、
    各々の前記中空セルの、前記マチ布の高さ方向中間位置を通る仮想平面より前記身体側の身体側容積が、前記仮想平面より前記表側の表側容積よりも大きく形成されている立体キルト式掛け布団。
  2. 幅方向中央部分に位置する前記中空セルの前記身体側容積が、幅方向両端に位置する前記中空セルの前記身体側容積よりも大きく形成されている請求項1に記載の立体キルト式掛け布団。
  3. 前記裏布と前記マチ布との縫合部分に、タックが形成されている請求項1又は2に記載の立体キルト式掛け布団。
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