JP3203294B2 - レーザ加工装置用レンズカバー - Google Patents

レーザ加工装置用レンズカバー

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JP3203294B2
JP3203294B2 JP23781494A JP23781494A JP3203294B2 JP 3203294 B2 JP3203294 B2 JP 3203294B2 JP 23781494 A JP23781494 A JP 23781494A JP 23781494 A JP23781494 A JP 23781494A JP 3203294 B2 JP3203294 B2 JP 3203294B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、波長が例えば400
nm以下のレーザ光を用いたパターン転写加工に用いら
れるレーザ加工装置のレンズカバーに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図7は例えばLASER FORCUS/ELECTRO-OPT
ICS(MAY 1987,P.60)に記載された従来のエキシマレーザ
加工装置を示す概略構成図であり、図において1はエキ
シマレーザのレーザビーム、2は所望の形状に開口した
パターン2aが形成されたマスク、3は転写レンズであ
り、この転写レンズ3は短波長のレーザビーム1の吸収
がすくない高純度合成石英や蛍石あるいはMgF2等の
材料で作製されている。4は例えばガラス・セラミック
ス基板上に銅の配線が施され最上層部にポリイミドの薄
膜層が形成された被加工物、5は被加工物4を載置する
ステージ、6は集光点である。また、図8は例えば第2
8回レーザ熱加工研究会論文集(1992年7月、20
8頁)に記載されたヘリウムパージシステムを示す構成
図であり、図において7はノズル先端部を被加工物4の
レーザビーム1の照射部に向けられて保持具9に支持さ
れたヘリウムガス供給ノズル、8はノズル先端部を被加
工物4のレーザビーム1の照射部に向けられて保持具9
に支持されたガス吸引用バキュームノズルである。
【0003】つぎに、上記従来のエキシマレーザ加工装
置の動作について説明する。エキシマレーザのレーザ発
振器(図示せず)から出射されたレーザビーム1はマス
ク2に照射される。そして、マスク2に形成されたパタ
ーン2aを通過したレーザビーム1は転写レンズ3を介
して被加工物4上に集光照射されて、被加工物4が加工
される。つまり、被加工物4の最上層部のポリイミドを
形成する化学結合鎖がレーザビーム1により直接切られ
て気化・蒸発し、除去される(アブレーション加工)。
この時、ヘリウムガス供給ノズル7から被加工物4の加
工部にヘリウムガスが供給される。そこで、加工部が質
量の軽いヘリウムガスで覆われて、加工部から発生する
飛散物の飛散距離が大きくなり、加工部周辺への飛散物
の堆積が低減される。そして、ガス吸引用バキュームノ
ズル8によりヘリウムガスとともに加工部から発生する
飛散物を吸引しており、該飛散物の加工部周辺への堆積
がより低減される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のエキシマレーザ
加工装置は以上のように構成されているので、転写レン
ズ3に付着するゴミ、汚れについては何等考慮されてい
ない。また、従来のヘリウムパージシステムは、加工雰
囲気を改善し、被加工物4の加工部周辺への飛散物の堆
積を低減し、飛散物による被加工物4表面の汚染を抑え
ることを目的するものであって、やはり転写レンズ3に
付着するゴミ、汚れについては何等考慮されていない。
そこで、転写レンズ3のレンズ面に大気中に浮遊する塵
や被加工物4から発生する飛散物が付着し、パワーの低
下やレーザダメージを生じさせ、加工コストを大幅に上
昇させてしまい、エキシマレーザ加工装置の量産ライン
への実用化が困難となるという課題があった。また、従
来のエキシマレーザ加工装置やヘリウムパージシステム
は、転写レンズ3の集光点6に絞りがないので、光軸か
ら遠く離れたレーザビーム1が結像に寄与してしまい、
解像度を低下させてしまうという課題もあった。
【0005】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、大気中の塵や被加工物から発生
する飛散物の転写レンズのレンズ面への付着を防止して
パワーの低下やレーザダメージを抑え、光軸から遠く離
れたレーザビームを遮蔽して解像度の低下を抑えること
ができるレーザ加工装置用レンズカバーを得ることを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明に
係るレーザ加工装置用レンズカバーは、転写レンズを保
持するレンズ保持体と、転写レンズから被加工物に至る
レーザビームの光路の側方を覆うようにレンズ保持体に
設けられた筒状のフードと、フードの先端部に設けられ
たレンズ絞りと、フードのレンズ保持体側の側壁に設け
られて転写レンズのレンズ面に向かってパージガスを導
入するレンズ面パージ用ガス導入口と、フードの側壁の
レンズ面パージ用ガス導入口と相対する部位に設けられ
たパージガス排出口と、フードのレンズ絞り側の側壁に
設けられて加工雰囲気調整用ガスをフード内に導入する
加工雰囲気調整用ガス導入口と、フードの側壁のレンズ
面パージ用ガス導入口と加工雰囲気調整用ガス導入口と
の間の部位に設けられてフードの軸心に直交するように
異物侵入防止用ガスを導入する異物侵入防止用ガス導入
口と、フードの側壁の異物侵入防止用ガス導入口と相対
する部位に設けられた異物侵入防止用ガス排出口とを備
えたものである。
【0007】また、この発明の第2の発明に係るレーザ
加工装置用レンズカバーは、上記第1の発明において、
フードおよびレンズ絞りの少なくとも一方が、転写レン
ズに対して進退自在に設けられているものである。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【作用】この発明の第1の発明においては、転写レンズ
から被加工物に至るレーザビームの光路の側方を覆うよ
うにレンズ保持体に設けられた筒状のフードにより、大
気中に浮遊する塵や被加工物の加工部から発生する飛散
物の転写レンズのレンズ面への側方からの飛来が阻止さ
れる。そこで、塵や飛散物の付着による転写レンズのレ
ンズ面の汚れが低減され、パワー低下やレーザダメージ
が抑えられる。また、フードの先端部に設けられたレン
ズ絞りにより、転写レンズの球面収差に起因して被加工
物の所定の結像位置からずれた位置に結像するレンズ中
心から遠く離れた部分を通過したレーザビームが取り除
かれる。そこで、転写レンズの解像度が見かけ上高めら
れる。また、パージガスがレンズ面パージ用ガス導入口
から転写レンズのレンズ面に向かって噴射される。そし
て、転写レンズのレンズ面に付着している塵や飛散物が
パージガス流により吹き飛ばされ、パージガスとともに
パージガス排出口から排出される。そこで、転写レンズ
のレンズ面の汚れが低減される。また、加工雰囲気調整
用ガスが加工雰囲気調整用ガス導入口からフード内に導
入される。そして、フード内に導入された加工雰囲気調
整用ガスはレンズ絞りを介して被加工物上に供給されて
加工部を覆う。そこで、加工部から発生する飛散物の飛
散距離が大きくなり、加工部周辺への飛散物の堆積が抑
えられる。また、異物侵入防止用ガスが異物侵入防止用
ガス導入口からフード内に導入され、異物侵入防止用ガ
ス導入口と相対して設けられた異物侵入防止用ガス排出
口から排出され、フードの軸心に直交する異物侵入防止
用ガスのガス流が形成される。そこで、レンズ絞り側か
ら転写レンズ側への塵、飛散物さらには加工雰囲気調整
用ガスの侵入が阻止される。さらに、パージガス、異物
侵入防止用ガスおよび加工雰囲気調整用ガスの系統が独
立しているので、各ガス流量を各々の機能に合わせて独
立して調節でき、最適な加工条件が選択できる。
【0013】また、この発明の第2の発明においては、
フードおよびレンズ絞りの少なくとも一方が、転写レン
ズに対して進退自在に設けられている。そこで、レンズ
絞りの位置が調整でき、転写レンズの解像度が自由に調
整される。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。参考例1. 図1はこの発明の参考例1に係るエキシマレーザ加工装
置のレンズカバー周りを示す断面図であり、図において
図7および図8に示した従来のエキシマレーザ加工装置
およびヘリウムパージシステムと同一または相当部分に
は同一符号を付し、その説明を省略する。
【0019】図において、10は円筒状をなしその先端
側外周面に雄ねじ部10aが形成されたレンズ保持体で
あり、このレンズ保持体10の内部には、転写レンズ3
がその光軸とレンズ保持体10の軸心とが一致するよう
に取り付けられている。11は後端側を円筒とする中空
の切頭円錐状をなしその後端側内周面に雌ねじ部11a
が形成され、先端側外周面に雄ねじ部11bが形成され
たフードであり、このフード11は雌ねじ部11aをレ
ンズ保持体10の雄ねじ部10aに螺合させて転写レン
ズ3に対して進退自在に取り付けられている。12は有
底円筒状をなしその後端側内周面に雌ねじ部12aが形
成され、先端側底面中央に円形の開口12bが形成され
たレンズ絞りであり、このレンズ絞り12は雌めじ部1
2aをフード11の雄ねじ部11bに螺合させて転写レ
ンズ3に対して進退自在に取り付けられている。そし
て、開口12bはその内壁面、すなわち絞り面が転写レ
ンズ3の光軸に対して所定角度(絞り面で反射されたレ
ーザビーム1が転写レーザビーム3に戻らない角度)を
持つように切頭円錐状に穿設されている。13はフード
11をレンズ保持体10に固定する固定ねじである。な
お、レンズ保持体10、フード11およびレンズ絞り1
2は、それぞれの軸心が転写レンズ3の光軸に一致し、
かつ、レンズ絞り12の開口12bが焦点近傍に位置す
るように構成されている。また、雄ねじ部10aおよび
雌ねじ部11aのねじピッチに対して雄ねじ部11bお
よび雌ねじ部12aのねじピッチを小さくしている。
【0020】つぎに、この参考例1の動作について説明
する。まず、フード11を回転して、レンズ絞り12の
開口12bが焦点近傍に位置するようにレンズ保持体1
0に対してフード11を進退させ、固定ねじ13を締め
付けてフード11をレンズ保持体10に固定する。つい
で、レンズ絞り12を回転して、フード11に対してレ
ンズ絞り12を進退させ、開口12bが所定の位置に位
置するように微調整する。その後、エキシマレーザのレ
ーザ発振器(図示せず)から出射されたレーザビーム1
がマスク2に照射される。マスク2に形成されたパター
ン2aを通過したレーザビーム1は転写レンズ3を介し
て被加工物4上に集光照射されて、被加工物4がアブレ
ーション加工される。そして、被加工物4上にマスク2
のパターン2aが縮小転写される。この時、フード11
が転写レンズ3から焦点近傍までのレーザビーム1の光
路の側方を覆うように配置されているので、大気中に浮
遊する塵や被加工物4から発生する飛散物の側方から転
写レンズ3方向への飛来がフード11により阻止され、
塵や飛散物の転写レンズ3のレンズ下面への付着が防止
される。そして、転写レンズ3を通過したレーザビーム
1はレンズ絞り12により絞られて被加工物4上に照射
される。
【0021】ここで、レンズ絞り12の作用について図
2を参照しつつ説明する。マスク2の所望の形状に開口
したパターン2aを通過したレーザビーム1は回折によ
り様々な方向に分散される。つまり、レーザビーム1
は、図2において、転写レンズ3の左側端部および右側
端部を通る光30,31、光30,31より内側を通る
光32,33、転写レンズの中心を通る光34に分散さ
れる。一般的に、レンズは球面で形成されているために
光軸中心から遠く離れるにつれ球面収差が大きくなる。
そこで、レンズ中心から遠く離れた部分を通過した光3
0,31は被加工物4の所定の結像位置からずれた位置
に結像することになり、転写レンズ3の解像度を低下さ
せる要因となる。これらの分散された光30〜34はレ
ンズ焦点近傍に集中した後、被加工物4上に結像する。
そこで、レンズ絞り12の開口12bをレンズ焦点近傍
に位置させることにより、レンズ中心から遠く離れた部
分を通過した光30,31は開口12bの絞り面で反射
されて被加工物4側への通過が阻止され、転写レンズ3
の見かけ上の解像度を高めることができる。そして、レ
ンズ絞り12の開口12bの位置、あるいは開口12b
の口径を変えることにより、転写レンズ3の解像度を調
整することができる。また、絞り面で反射された光は転
写レンズ3を介してマスク2側に至ることがなく、反射
された光によりマスク2が加工されてしまうことが防止
される。
【0022】このように、この参考例1によれば、フー
ド11が転写レンズ3から焦点近傍までのレーザビーム
1の光路の側方を覆うように配置されているので、大気
中に浮遊する塵や被加工物4から発生する飛散物の側方
から転写レンズ3方向への飛来がフード11により阻止
され、塵や飛散物の転写レンズ3のレンズ下面への付着
が防止される。そこで、転写レンズ3のレンズ面の汚れ
が低減され、パワー低下やレーザダメージを抑えること
ができ、転写レンズ3の寿命を飛躍的に改善させること
ができるとともに、ランニングコストを低減させること
ができる。その結果、エキシマレーザ加工装置の量産ラ
インへの実用化を図ることができる。
【0023】また、フード11の先端にレンズ絞り12
を配置しているので、レンズ中心から遠く離れた部分を
通過したレーザビーム1の被加工物4側への通過が阻止
され、転写レンズ3の見かけ上の解像度を高め、加工精
度を高めることができるとともに、フード11の先端側
からフード11内部への塵や飛散物の侵入を抑え、その
分転写レンズ3のレンズ面の汚れを低減することができ
る。
【0024】また、レンズ保持体10にフード11を螺
合し、フード11にレンズ絞り12を螺合しているの
で、フード11、レンズ絞り12を回転させることによ
りレンズ保持体10、すなわち転写レンズ3に対して進
退移動でき、レンズ絞り12の位置調整を容易に行うこ
とができる。この時、雄ねじ部10aおよび雌ねじ部1
1aのねじピッチに対して雄ねじ部11bおよび雌ねじ
部12aのねじピッチを小さくしているので、フード1
1を回転させることによりレンズ絞り12位置の粗調整
ができ、レンズ絞り12を回転させることによりレンズ
絞り12位置の微調整ができ、レンズ絞り12の位置調
整を容易に高精度に行うことができる。さらに、フード
11およびレンズ絞り12が着脱可能であり、開口12
bの口径の異なるレンズ絞りを用意しておけば、レンズ
絞りを交換することにより、転写レンズ3の解像度を自
由に調整することができる。
【0025】実施例1. 図3はこの発明の実施例1に係るエキシマレーザ加工装
置のレンズカバー周りを示す断面図であり、図において
15は円筒状をなしその後端側内周面に雌ねじ部15a
が形成され、先端側外周面に雄ねじ部15bが形成され
たフード、16は円筒状をなしその後端側内周面に雌ね
じ部16aが形成され、その内部に円形の開口16bが
形成されたレンズ絞りであり、雌ねじ部15aを雄ねじ
部10aに螺合させてフード15がレンズ保持体10に
進退自在に取り付けられ、さらに雌ねじ部16aを雄ね
じ部15bに螺合させてレンズ絞り16がフード15に
進退自在に取り付けられている。そして、開口16bは
その内壁面、すなわち絞り面が転写レンズ3の光軸に対
して所定角度(絞り面で反射されたレーザビーム1が転
写レーザビーム3に戻らない角度)を持つように切頭円
錐状に穿設されている。レンズ保持体10、フード15
およびレンズ絞り16は、それぞれの軸心が転写レンズ
3の光軸に一致し、かつ、レンズ絞り16の開口16b
がレンズ焦点近傍に位置するように構成されている。ま
た、雄ねじ部10aおよび雌ねじ部15aのねじピッチ
に対して雄ねじ部15bおよび雌ねじ部16aのねじピ
ッチを小さくしている。
【0026】17はフード15の後端側の側壁に転写レ
ンズ3のレンズ下面に向けて設けられたレンズ面パージ
用ガス導入口、18はフード15の後端側の側壁のレン
ズ面パージ用ガス導入口17と相対する部位に設けられ
たパージガス排出口、19はフード15の中央部の側壁
にフード15の軸心と直交するように設けられた異物侵
入防止用ガス導入口、20はフードの側壁のガス導入口
19と相対する部位に軸心と直交するように設けられた
異物侵入防止用ガス排出口、21はフード15の先端側
の側壁に設けられた加工雰囲気調整用ガス導入口であ
る。ここで、パージガスG1は、例えば空気、酸素等の
ガスが用いられ、高純度フィルタ(図示せず)で異物を
完全に除去されてレンズ面パージ用ガス導入口17から
導入される。また、異物侵入防止用ガスG2は、例えば
空気、酸素等のガスが用いられ、高純度フィルタ(図示
せず)で異物を完全に除去されて異物侵入防止用ガス導
入口19から導入される。また、加工雰囲気調整用ガス
G3は、質量の軽いガス、例えばヘリウムガスが用いら
れ、加工雰囲気調整用ガス導入口21から導入される。
【0027】この実施例1におけるフード15およびレ
ンズ絞り16の構成、動作は上記参考例1におけるフー
ド11およびレンズ絞り12と同様であるので、ここで
はこの実施例1の特徴とする動作について説明する。フ
ード15内には、その内部に閉じ込められた大気中の塵
や、レンズ絞り16の開口16bを通って飛来してくる
飛散物や大気中の塵が存在している。そして、これらの
塵や飛散物が転写レンズ3のレンズ面に付着するおそれ
がある。そこで、パージガスG1がレンズ面パージ用ガ
ス導入口17から転写レンズ3のレンズ面に向かって噴
射される。そして、転写レンズ3のレンズ面に付着して
いる塵や飛散物はこのパージガスG1のガス流により吹
き飛ばされる。吹き飛ばされた塵や飛散物はパージガス
G1とともにパージガス排出口18から排出される。ま
た、異物侵入防止用ガスG2が異物侵入防止用ガス導入
口19から導入され、フード15内を通って異物侵入防
止用ガス排出口20から排出される。そして、異物侵入
防止用ガスG2はフード15内をその軸心と直交するガ
スの流れ(エアーカーテン)を形成し、レンズ絞り16
側から転写レンズ3側に飛来してくる塵や飛散物、さら
には加工雰囲気調整用ガスG3が異物侵入防止用ガスG
2とともに異物侵入防止用ガス排出口20から排出され
る。そこで、レンズ絞り16側から転写レンズ3側への
塵、飛散物あるいは加工雰囲気調整用ガスG3の飛来が
阻止される。また、加工雰囲気調整用ガス導入口21か
ら導入された加工雰囲気調整用ガスG3は、レンズ絞り
16の開口16bを介して被加工物4の加工部に供給さ
れる。そこで、被加工物4の加工部は加工雰囲気調整用
ガスG3で覆われ、加工部から発生する飛散物の飛散距
離が大きくなり、加工部周辺での飛散物の堆積が抑えら
れる。
【0028】このように、この実施例1によれば、レン
ズ面パージ用ガス導入口17がフード15の後端側の側
壁に転写レンズ3のレンズ下面に向けて設けられ、パー
ジガス排出口18がフード15の後端側の側壁のレンズ
面パージ用ガス導入口17と相対する部位に設けられて
いるので、転写レンズ3のレンズ面に付着している塵や
飛散物がパージガスG1のガス流により吹き飛ばされ、
転写レンズ3のレンズ面の汚れが一層低減され、パワー
の低下やレーザダメージが一層抑えられる。また、異物
侵入防止用ガス導入口19がフード15の中央部の側壁
にフード15の軸心と直交するように設けられ、異物侵
入防止用ガス排出口20がフードの側壁の異物侵入防止
用ガス導入口19と相対する部位に軸心と直交するよう
に設けられているので、レンズ絞り16側から転写レン
ズ3側への塵や飛散物の侵入が阻止され、その分転写レ
ンズ3のレンズ面の汚れが低減される。また、加工雰囲
気調整用ガス導入口21がフード15の先端側の側壁に
設けられているので、被加工物4の加工部を加工雰囲気
調整用ガスG3で覆い、加工部から発生する飛散物の飛
散距離を大きくして、加工部周辺での飛散物の堆積を抑
えることができる。さらに、パージガスG1、異物侵入
防止用ガスG2および加工雰囲気調整用ガスG3がそれ
ぞれ別系統で構成されているので、それぞれ独立して流
量調整が可能となり、それぞれの機能に最適なガス流量
が得られ、最適な加工条件を選択することができる。
【0029】なお、フード15およびレンズ絞り16は
上記参考例1におけるフード11およびレンズ絞り12
と同様に構成されているので、この実施例1においても
上記参考例1と同様の効果が得られる。
【0030】参考例2. 図4はこの発明の参考例2に係るエキシマレーザ加工装
置のレンズカバー周りを示す断面図であり、図において
22は円筒状をなすフード15の内壁面に形成されたダ
ンパー機構である。このダンパー機構22は、切頭円錐
状の筒体からなるダンパー22aがフード15の内壁面
に軸心方向に所定間隔をもって複数連設されて構成され
ている。そして、これらのダンパー22aはその先端口
径がフード15の後端側から先端側に向かって漸次縮小
するように構成されている。さらに、これらのダンパー
22aの先端内周面は、レンズ保持体10に保持された
転写レンズ3の端部とレンズ絞り16の開口16bの内
周面とを結ぶ曲面の外側に位置している。なお、他の構
成は上記参考例1と同様に構成されている。
【0031】つぎに、この参考例2の動作について説明
する。転写レンズ3を介して被加工物4に照射されたレ
ーザビーム1の一部は加工に供することなく反射され、
フード15内に反射光もしくは散乱光として照射され
る。また、転写レンズ3を透過するレーザビーム1の一
部は結像に寄与しないものがある。そこで、フード15
内には、被加工物4からの反射光もしくは散乱光や転写
レンズ3を透過して結像に寄与しないレーザビームが存
在している。これらの不要なレーザビームはフード15
の内壁面に照射されて加工につながり、加工にともなう
ゴミの発生の要因となる。このフード15内の不要なレ
ーザビームは、先端口径がフード15の後端側から先端
側に向かって漸次縮小するように構成された複数のダン
パー22aにより熱として吸収される。
【0032】したがって、この参考例2によれば、ダン
パー機構22によりフード15内の不要なレーザビーム
が吸収され、不要なレーザビームがフード15の内壁面
に照射されて加工につながることがない。そこで、フー
ド15の内壁面の加工にともなうゴミの発生が抑えら
れ、その分転写レンズ3のレンズ面の汚れを低減するこ
とができる。なお、この参考例2においても、フード1
5およびレンズ絞り16が上記参考例1におけるフード
11およびレンズ絞り12と同様に構成されているの
で、上記参考例1と同様の効果が得られる。
【0033】参考例3. 図5はこの発明の参考例3に係るエキシマレーザ加工装
置のレンズカバー周りを示す断面図であり、図において
23はアルミニウムで作製され、後端側を円筒とする中
空の切頭円錐状をなしその後端側内周面に雌ねじ部23
aが形成され、先端側外周面に雄ねじ部23bが形成さ
れ、さらにその内壁面が凹凸に形成されたフードであ
る。なお、この参考例3は、フード11に代えてフード
23を用いる点を除いて上記参考例1と同様に構成され
ている。
【0034】この参考例3によれば、フード23内に存
在する被加工物4からの反射光もしくは散乱光や転写レ
ンズ3を透過して結像に寄与しないレーザビームはフー
ド23の凹凸が形成された内壁面で乱反射されて吸収さ
れる。そこで、この参考例3においても、上記参考例2
と同様の効果が得られる。ここで、フード23がアルミ
ニウムで作製されているので、例えば248nmの波長
をもつエキシマレーザ光に対する反射率が高く、すなわ
ちレーザ耐力が高い。そして、内壁面が凹凸に形成され
ているので、レーザビームは乱反射されつつ強度が弱ま
り、ついには吸収されることになり、フード23の内壁
面の加工につながらない。
【0035】なお、上記参考例3では、フード23全体
をアルミニウムで作製するものとしているが、フード全
体をアルミニウムで作製する必要はなく、少なくともフ
ードの内壁面側がアルミニウムで構成され、かつ、アル
ミニウム表面が凹凸状に形成されていればよい。
【0036】参考例4. 図6はこの発明の参考例4に係るエキシマレーザ加工装
置のレンズカバー周りを示す断面図であり、図において
24はフード11の内壁面に被覆された誘電体膜であ
り、この誘電体膜24には例えばHfO2,SiO2,A
23等の誘電体材料が用いられる。
【0037】この参考例4によれば、フード11の内部
に閉じ込められた大気中の塵や、レンズ絞り12の開口
12bを通って飛来してくる飛散物や大気中の塵が、誘
電体層24に吸着される。そこで、その分転写レンズ3
のレンズ面の汚れを低減することができる。
【0038】ここで、上記参考例4では、フード11の
内壁面に誘電体膜24を被覆するものとしているが、フ
ード11全体を誘電体材料で作製してもよい。また、誘
電体膜24に電源を接続して誘電体膜24を強制的に帯
電させるようにすれば、塵や飛散物の吸着効果をより高
めることができる。
【0039】なお、上記実施例1では、フードとレンズ
絞りとを別体で構成するものとしているが、フードとレ
ンズ絞りとを一体構成としても同様の効果が得られる。
また、上記実施例1では、エキシマレーザによるポリイ
ミドのアブレーション加工について説明しているが、こ
の発明はエポキシ、ポリエチレンテレフタレート、塩化
ビニル、ポリウレタン等の高分子材料のアブレーション
加工にも適用できる。また、上記実施例1では、エキシ
マレーザ加工装置について説明しているが、アブレーシ
ョン加工が可能な400nm以下の短波長のレーザビー
ムを用いるレーザ加工装置に適用することができる。
【0040】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0041】この発明の第1の発明によれば、転写レン
ズを保持するレンズ保持体と、転写レンズから被加工物
に至るレーザビームの光路の側方を覆うようにレンズ保
持体に設けられた筒状のフードと、フードの先端部に設
けられたレンズ絞りと、フードのレンズ保持体側の側壁
に設けられて転写レンズのレンズ面に向かってパージガ
スを導入するレンズ面パージ用ガス導入口と、フードの
側壁のレンズ面パージ用ガス導入口と相対する部位に設
けられたパージガス排出口と、フードのレンズ絞り側の
側壁に設けられて加工雰囲気調整用ガスをフード内に導
入する加工雰囲気調整用ガス導入口と、フードの側壁の
レンズ面パージ用ガス導入口と加工雰囲気調整用ガス導
入口との間の部位に設けられてフードの軸心に直交する
ように異物侵入防止用ガスを導入する異物侵入防止用ガ
ス導入口と、フードの側壁の異物侵入防止用ガス導入口
と相対する部位に設けられた異物侵入防止用ガス排出口
を備えている。そこで、側方から転写レンズのレンズ
面への大気中の塵や被加工物から発生する飛散物の飛来
が阻止されてレンズ面の汚れを低減でき、パワー低下や
レーザダメージが抑えられ、転写レンズの長寿命化が図
られるとともに、転写レンズの端部を通過するレーザビ
ームの被加工物への照射が阻止されて、転写レンズの解
像度を高めることができる。また、転写レンズのレンズ
面に付着している塵や飛散物が除去され、レンズ絞り側
から転写レンズのレンズ面側への塵や飛散物の飛来が阻
止され、その分転写レンズのレンズ面の汚れを低減させ
ることができる。また、加工雰囲気調整用ガスで被加工
物の加工部が覆われ、加工部周辺の飛散物の堆積を低減
させることができる。さらに、パージガス、異物侵入防
止用ガスおよび加工雰囲気調整用ガスのガス流量を独立
して制御でき、最適な加工条件を選択することができ
る。
【0042】また、この発明の第2の発明によれば、上
記第1の発明において、フードおよびレンズ絞りの少な
くとも一方が、転写レンズに対して進退自在に設けられ
ているので、上記第1の発明の効果に加えて、レンズ絞
り位置の調整ができ、転写レンズの解像度を任意に設定
することができる。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の参考例1に係るレーザ加工装置の
レンズカバー周りを示す断面図である。
【図2】 この発明の参考例1に係るレンズカバーのレ
ンズ絞りの作用を説明する断面図である。
【図3】 この発明の実施例1に係るレーザ加工装置の
レンズカバー周りを示す断面図である。
【図4】 この発明の参考例2に係るレーザ加工装置の
レンズカバー周りを示す断面図である。
【図5】 この発明の参考例3に係るレーザ加工装置の
レンズカバー周りを示す断面図である。
【図6】 この発明の参考例4に係るレーザ加工装置の
レンズカバー周りを示す断面図である。
【図7】 従来のエキシマレーザ加工装置を示す概略構
成図である。
【図8】 従来のヘリウムパージシステムを示す構成図
である。
【符号の説明】 1 レーザビーム、2 マスク、2a パターン、3
転写レンズ、4 被加工物、10 レンズ保持体、11
フード、12 レンズ絞り、15 フード、16 レ
ンズ絞り、17 レンズ面パージ用ガス導入口、18
パージガス排出口、19 異物侵入防止用ガス導入口、
20 異物侵入防止用ガス排出口、21加工雰囲気調整
用ガス導入口、22 ダンパー機構、23 フード、2
4 誘電体層(誘電体)、G1 パージガス、G2 異
物侵入防止用ガス、G3 加工雰囲気調整用ガス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 26/00 - 26/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクを通過したレーザビームを転写レ
    ンズを介して被加工物上に照射し、前記マスク上に形成
    された開口パターンを前記被加工物上に転写するレーザ
    加工装置のレンズカバーであって、前記転写レンズを保
    持するレンズ保持体と、前記転写レンズから前記被加工
    物に至る前記レーザビームの光路の側方を覆うように前
    記レンズ保持体に設けられた筒状のフードと、前記フー
    ドの先端部に設けられたレンズ絞りと、前記フードのレ
    ンズ保持体側の側壁に設けられて前記転写レンズのレン
    ズ面に向かってパージガスを導入するレンズ面パージ用
    ガス導入口と、前記フードの側壁の前記レンズ面パージ
    用ガス導入口と相対する部位に設けられたパージガス排
    出口と、前記フードのレンズ絞り側の側壁に設けられて
    加工雰囲気調整用ガスを前記フード内に導入する加工雰
    囲気調整用ガス導入口と、前記フードの側壁の前記レン
    ズ面パージ用ガス導入口と前記加工雰囲気調整用ガス導
    入口との間の部位に設けられて前記フードの軸心に直交
    するように異物侵入防止用ガスを導入する異物侵入防止
    用ガス導入口と、前記フードの側壁の前記異物侵入防止
    用ガス導入口と相対する部位に設けられた異物侵入防止
    用ガス排出口とを備えたことを特徴とするレーザ加工装
    置用レンズカバー。
  2. 【請求項2】 フードおよびレンズ絞りの少なくとも一
    方が、転写レンズに対して進退自在に設けられているこ
    とを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置用レンズ
    カバー。
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