JP3203280B2 - 芳香族ポリマーのスルホン化方法 - Google Patents

芳香族ポリマーのスルホン化方法

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JP3203280B2 JP08721893A JP8721893A JP3203280B2 JP 3203280 B2 JP3203280 B2 JP 3203280B2 JP 08721893 A JP08721893 A JP 08721893A JP 8721893 A JP8721893 A JP 8721893A JP 3203280 B2 JP3203280 B2 JP 3203280B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/34Introducing sulfur atoms or sulfur-containing groups
    • C08F8/36Sulfonation; Sulfation

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は芳香族ポリマーのスルホ
ン化方法に関する。
【0002】
【従来技術】芳香族ポリマーのスルホン化は原料の被ス
ルホン化物とスルホン化剤の供給量を制御することによ
って行う。しかし、芳香族ポリマーのスルホン化工程に
おいては、被スルホン化物すなわち芳香族ポリマーは、
一般には水に溶けないためにこれを溶媒に溶解してスル
ホン化処理を行うようになっている。このため、芳香族
ポリマーをスルホン化した後この溶媒を回収除去する工
程が必要となる。特公昭63−189404号、特公平
2−258802号に開示されるように静置分離方式で
溶媒を回収する場合、原料の分子量、分子量分布、反応
率、およびスルホン化処理系中の水分、金属等の不純物
等の存在によって溶媒とスルホン化物との分離性が低下
するという問題がある。不純物が存在する場合、エマル
ジョンが生成しこの結果、分離率が低下するものと考え
られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、分離率が低下
すると溶媒中の不純物が増大するので溶媒を精製回収す
る工程において、この不純物を除去する特別の工程が必
要となる。このため、従来のスルホン化工程では、静置
分離槽から溶媒をバッチによって回収して溶媒から不純
物を除去する工程を設けていた。しかし、このようにバ
ッチによる処理ではスルホン化能力に限界があるととも
に、処理量を増大するには装置を大型化しなければなら
ないという問題がある。また、作業能率が低下するとい
う問題がある。
【0004】したがって、本発明の目的は、連続的芳香
族ポリマーのスルホン化方法を提供することである。ま
た、処理能力の高い芳香族ポリマーのスルホン化方法お
よびコンパクトなシステムを提供することを目的とす
る。さらに別の目的は、スルホン化芳香族ポリマーの溶
媒の分離率を精密に管理し高分離率を維持できる連続芳
香族ポリマーのスルホン化方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明においては、芳香族ポリマーと溶媒とからな
る原料溶液を調整し、前記原料溶液とスルホン化剤とを
スルホン化反応器に連続的に供給して芳香族ポリマーの
スルホン化を行い生成したスルホン化芳香族ポリマー含
有溶液を攪拌槽に連続的に導入して攪拌し、攪拌後槽内
のスルホン化芳香族ポリマー含有溶液を静置分離槽に連
続的に導入して所定時間の平均滞留時間を有するように
前記スルホン化芳香族ポリマーリッチの水溶液相と前記
溶媒リッチの溶媒相とを静置分離する操作を行い、前記
静置分離槽における溶媒相の水溶液相と溶媒相との分離
率を測定し、該記分離率が所定値以上になるように原料
溶液の供給を制御することを特徴とする芳香族ポリマー
のスルホン化方法が提供される。
【0006】この場合、他の好ましい態様では、攪拌槽
において中和剤を添加して前記スルホン化芳香族ポリマ
ー含有溶液を中和する工程が含まれる。このようにする
ことによって、静置分離槽にはスルホン化物は塩の形で
導入され水相に抽出される。さらに、静置分離槽内の温
度は約30℃から60℃に維持するのが好ましい。温度
が30℃より低くなると連続スルホン化に必要な所望の
分離率を確保できなくなるからである。また、芳香族ポ
リマーの溶媒として使用する溶媒の沸点を考慮して、6
0℃程度以下に抑えるのが望ましい。
【0007】図1および図2には、ポリスチレンスルホ
ン酸およびポリスチレンスルホン酸塩の静置分離時間と
温度との関係がそれぞれ示されている。これに示すよう
に静置分離温度が約30℃以上で静置分離時間はほぼ1
時間以内になることが判明する。また、スルホン化剤に
対する芳香族ポリマーのスルホン化反応器への導入モル
比を約1.0から1.30に維持するのが好ましい。導
入モル比が約1.0よりも小さくなると、すなわちスル
ホン化剤の量に対して芳香族ポリマーの量を相対的に増
大すると、系の負担が増大し分離率が低下し所望の分離
率が得られなくなる。図3に導入モル比と静置分離時間
との関係が示されている。静置分離効率の観点からは導
入モル比が小さい方が良い結果が得られる。しかし、導
入モル比が約1.30より大きくなるとスルホン化反応
における副生成物が不当に増大するするという別の問題
が生じる。
【0008】本発明において、用いられる芳香族ポリマ
ーは例えばポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、
スチレン−ジエン共重合体、スチレン・アクリル酸又は
アクリル酸エステル共重合体等の芳香族モノマー単位を
構成成分とするポリマーである。また、原料としての芳
香族ポリマーの数平均分子量の範囲は200〜5000
0である。平均分子量が50000を越えると反応系の
粘度が高くなり、ハンドリングが困難となる。また、平
均分子量が200より小さいと未反応スチレンモノマー
の存在により重合反応が併発して水不溶性スルホン化物
の量が増大するからである。
【0009】また、スルホン化処理装置の性能上、分子
量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は約4.0以
下が好ましい。また、芳香族ポリマーの溶媒としてはハ
ロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素などが使用される。
スルホン化剤としては無水硫酸、発煙硫酸、クロルスル
ホン酸などが用いられる。
【0010】中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カルシウム、水酸化リチウム、アンモニア、アミン等
のアルカリ剤が使用される。本発明に係るシステムの概
念図を図4および図5に示す。図4は、スルホン化芳香
族ポリマーを塩の形で回収する場合である。この場合の
基本的な工程は、スルホン化反応工程1、中和工程2、
および静置分離工程3である。また、図5は、スルホン
化芳香族ポリマーをスルホン酸の状態で回収するもので
ある。この場合にはスルホン化反応工程1、溶解工程4
および静置分離工程3である。
【0011】原料溶液の供給量すなわち、スルホン化剤
または原料芳香族ポリマーの供給量は、適当な測定手段
5によって得られる静置分離率に基づいて好ましくはマ
イクロコンピュータを含んで構成されるコントローラ6
によって制御される。なお、本発明者らの研究によれ
ば、静置分離槽の水相の液密度と静置分離率とは一定の
関係がある。上記したように静置分離率が良好である場
合には、特別の溶媒の分離工程あるいは溶媒回収工程に
おける不純物除去工程が必要とならず、連続処理が可能
になる。したがって、静置分離槽の液密度を管理しなが
ら原料溶液の供給を制御することにより、静置分離率を
高効率に維持することができ、これによって芳香族ポリ
マーのスルホン化工程の連続処理を行うことができる。
また、スルホン化剤の供給を制御しても同様の効果が得
られる。
【0012】本発明によれば、上記のように所定の分子
量の範囲の芳香族ポリマーとスルホン化剤からなる原料
溶液を調整し、スルホン化反応器に連続導入する。スル
ホン化反応器においてスルホン化剤と接触させ、スルホ
ン化反応を行わせた後、処理液を攪拌槽に入れ水酸化ナ
トリウム等の中和剤を入れて中和するとともに溶媒相か
ら水相にスルホン化物を抽出する。
【0013】つぎに、この処理液を連続的に静置分離槽
に導入し、上部からスルホン化芳香族ポリマーリッチの
水相を、下部から溶媒相を連続的に抜き取る。このと
き、静置分離槽の水相の液密度を常時測定しており、液
密度に応じて上記スルホン化反応器に導入量を調整す
る。この手順について図6を参照して説明する。
【0014】原料液供給量はコントローラ6によって制
御される。この目的のためにコントローラ6は、静置分
離槽の目標分離率(実際溶媒相/理論溶媒相、たとえば
95%)を設定する(ステップS1)。静置分離槽にお
ける分離率と静置分離槽の水相の密度とは一定の関係が
あり、この関係を実験的に求めている。
【0015】コントローラ6は、静置分離槽の溶媒相の
密度と分離率との関係について上記のように実験的に求
めた図7に示すようなチャートを記憶している。コント
ローラはこのチャートに基づいて静置分離槽の水相の目
標液密度を設定する(ステップS2)。つぎに、コント
ローラ6は静置分離槽における水相の密度ρを測定する
(ステップS3)。そしてコントローラ6は上記目標液
密度ρ0と実際密度ρとの比が0.995以上であるか
どうか判定する(ステップS4)。この判定がYESで
ある場合には、静置分離率は連続処理条件を充足する程
度に十分高い。したがって、現状の原料溶液供給状態を
変更する必要はないので、コントローラはこの運転状態
を変更することなく継続する。
【0016】一方、ステップS4における判断がNO、
すなわち、目標液密度ρ0 と実際密度ρとの比が0.9
95よりも小さい場合には、コントローラは、つぎに静
置分離率を算出する(ステップS5)。この場合、上記
のように静置分離率と水相液密度とは一定の関係を有す
るので、コントローラは、再びこの関係を用いて、静置
分離槽の水相の密度ρから静置分離槽の分離率Sを求め
る。また、発明者らの研究によれば、静置分離率Sと導
入モル比(スルホン化反応器へのSO3 導入モル/スル
ホン化反応器への原料ポリマー(1分子単位)導入モル
比)mとの関係は図8に示すようにほば直線近似でき
る。すなわち、直線の傾きと、切片の高さ、および静置
分離率Sを与えることにより、導入モル比mを知ること
ができる。この関係を式で表すと、 m=K1 S+K2 ……(1) ここで、m :導入モル比 K1 :直線の傾き K2 :切片の高さ S :静置分離率である。
【0017】K1 の値は、ポリスチレンスルホン酸ナト
リウム(PSS−Na)の場合には約0.01、ポリス
チレンスルホン酸(PSS−H)の場合には、約0.0
05である。したがって、K2 は、K2 =m−K1 Sで
ある。したがって、これに現在の導入モル比mと静置分
離率Sを代入することによってK2 が算出できる(ステ
ップS6)。
【0018】づぎに、コントローラは、上記(1)式に
おいて、静置分離率Sに目標静置分離率S0 を代入し
て、目標導入モル比m0 (m0 =K1 0 +K2 )を算
出する(ステップS7)。そして、コントローラは、こ
の目標導入モル比m0 を達成するように芳香族ポリマー
の供給ポンプ、または、スルホン化剤供給ポンプの吐出
量を制御する(ステップS8)。
【0019】この制御は、たとえば、芳香族ポリマーま
たはスルホン化剤供給ラインにある流量レギュレータの
開度もしくは、供給ポンプのモーター出力を制御するこ
とによって行うことができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を参照しつ
つ説明する。図9を参照すると、本発明を実施すること
ができるスルホン化システムのフローのブロックチャー
トが示されている。図示のシステムは、スチレンモノマ
ーを原料として、重合、スルホン化、中和、溶媒分離、
濃縮の各工程を行うことによってポリスチレンスルホン
酸ナトリウム(PSS−Na)を製造するものである。
【0021】本例のシステムでは、原料としてのスチレ
ンポリマー/溶媒(1、2−ジクロルエタン)溶液7
は、所定の流量で連続的にスルホン化反応器8に導入さ
れる。また、所定量のスルホン化剤9が該スルホン化反
応器8に連続的に導入される。これによってスルホン化
反応器8において、スチレンポリマー1のスルホン化が
進行する。この場合、スルホン化原料溶液7の調製はポ
リマー溶液およびスルホン化剤の反応器8への導入量を
制御することによって行われる。それぞれのスルホン化
反応器8への供給量の制御は、ポンプの吐出量を制御す
ることによって行うことができる。
【0022】この操作によって、原料溶液導入モル比を
所望の値たとえば、1.0〜1.3に制御することがで
きる。このスルホン化処理液は、攪拌槽10に連続的に
導入される。攪拌槽10には、所定量の水11と中和剤
12としての水酸化ナトリウム(NaOH)が導入され
る。攪拌槽においてスルホン化したスチレンポリマー
は、中和されて水溶性のポリスチレンスルホン酸ナトリ
ウム(PSS−Na)に変化する。この処理溶液は、ポ
ンプアップされて静置分離槽13に導入される。静置分
離槽13の温度は、所定の温度たとえば、30℃から6
0℃に制御されている。また、静置分離槽13での処理
溶液の平均滞留時間は、約60分から120分になるよ
うに制御される。
【0023】静置分離槽13では、スルホン化ポリマー
リッチの水相と、原料溶媒として使用された溶媒(1、
2−ジクロルエタン)リッチの溶媒相とに分離する。理
論上の溶媒量と現実の溶媒量の比が静置分離率である。
スルホン化ポリマーリッチの水相の液は連続的に静置分
離槽13の上端部から、また、溶媒(1、2−ジクロル
エタン)は、下部から回収される。その後、溶媒(1、
2−ジクロルエタン)14は、タンクからポンプによっ
て排出されて不純物を除去する精製工程に送られて精製
され再使用される。
【0024】スルホン化ポリマーリッチの水相は濃縮タ
ンク15において濃縮されてポリスチレンスルホン酸ま
たはその塩16の濃縮物が精製される。なお、スルホン
化後においてスルホン化スチレンの状態で濃縮工程まて
行う場合には、この場合には、攪拌槽13における中和
処理は不要であるので、攪拌槽7には、中和剤としての
水酸化ナトリウムは供給されない。
【0025】(実施例1)数平均分子量7000の分布
3.0、モノマー量2%のポリスチレン、溶媒として
1,2−ジクロロエタン(EDC)を1:10の割合で
溶解し、原料溶液を調製した。このときの水分は、15
0ppmであった。この原料溶液とスルホン化剤である
無水硫酸(S03 )をそれぞれ20g/分および1.5
4g/分の速度でスルホン化反応器に供給してスルホン
化反応を行った。スルホン化反応器は200ml容量の
タービン型攪拌機付のものであった。なお、スルホン化
温度は40℃であった。こののち、500mlの攪拌槽
への導入し、5%NaOH水溶液で中和し、さらに中和
液を500mlの比重差式レベル計が付いた静置分離槽
へ導入し、槽の最上部から水相、槽の底部からEDC相
を排出した。この場合、静置分離槽の水相の密度が目標
液密度(ρ≦1.102)になるように原料の量をコン
トロールした。上記の反応器への原料液の供給、攪拌槽
への処理液の導入、静置分離槽への中和後の処理液の導
入は全て連続的に行った。
【0026】上記連続運転を3時間継続した後、水相に
含まれるEDCの量をガスクロマトグラフにより分析し
た。 (実施例2)数平均分子量5000、原料中のモノマー
量を1%として原料溶液を調製した。これ以外は実施例
1と同様の操作を行った。すなわち、原料溶液とスルホ
ン化剤である無水硫酸(S03 )をそれぞれ20g/分
および1.54g/分の速度でスルホン化反応器に供給
してスルホン化反応を行った。スルホン化反応器は20
0ml容量のタービン型攪拌機付のものであった。な
お、スルホン化温度は40℃であった。こののち、50
0mlの攪拌槽への導入し、5%NaOH水溶液で中和
し、さらに中和液を500mlの比重差式レベル計が付
いた静置分離槽へ導入し、槽の最上部から水相、槽の底
部からEDC相を排出した。静置分離槽の水相の密度が
目標液密度(ρ≦1.102)になるように原料の量を
コントロールした。上記の反応器への原料液の供給、攪
拌槽への処理液の導入、静置分離槽への中和後の処理液
の導入は全て連続的に行った。
【0027】上記連続運転を3時間継続した後、水相に
含まれるEDCの量をガスクロマトグラフにより分析し
た。 (実施例3)数平均分子量10000、分子量分布5.
0として原料溶液を調整した。これ以外は実施例1と同
様の操作を行った。すなわち、原料溶液とスルホン化剤
である無水硫酸(S03 )をそれぞれ20g/分および
1.54g/分の速度でスルホン化反応器に供給してス
ルホン化反応を行った。スルホン化反応器は200ml
容量のタービン型攪拌機付のものであった。なお、スル
ホン化温度は40℃であった。こののち、500mlの
攪拌槽への導入し、5%NaOH水溶液で中和し、さら
に中和液を500mlの比重差式レベル計が付いた静置
分離槽へ導入し、槽の最上部から水相、槽の底部からE
DC相を排出した。静置分離槽の水相の密度が目標液密
度(ρ≦1.102)になるように原料の量をコントロ
ールした。上記の反応器への原料液の供給、攪拌槽への
処理液の導入、静置分離槽への中和後の処理液の導入は
全て連続的に行った。
【0028】上記連続運転を3時間継続した後、水相に
含まれるEDCの量をガスクロマトグラフにより分析し
た。 (比較例1)数平均分子量7000の分布3.0、モノ
マー量2%のポリスチレン、溶媒として1,2−ジクロ
ロエタン(EDC)を1:10の割合で溶解し、原料溶
液を調製した。このときの水分は、150ppmであっ
た。この原料溶液とスルホン化剤である無水硫酸(S0
3 )をそれぞれ20g/分および1.54g/分の速度
でスルホン化反応器に供給してスルホン化反応を行っ
た。スルホン化反応器は200ml容量のタービン型攪
拌機付のものであった。なお、スルホン化温度は40℃
であった。こののち、500mlの攪拌槽への導入し、
5%NaOH水溶液で中和し、さらに中和液を500m
lの比重差式レベル計が付いた静置分離槽へ導入し、槽
の最上部から水相、槽の底部からEDC相を排出した。
この場合、原料液供給量は初期設定条件を維持し、静置
分離槽の密度測定に基づく原料供給量の制御は行わなか
った。 (実施例4)数平均分子量2000の分布3.0、溶媒
として1,2−ジクロロエタン(EDC)を1:4の割
合で溶解し、さらに水を加えて1000ppmとなるよ
うに原料溶液を調製した。
【0029】この原料溶液とスルホン化剤である無水硫
酸(S03 )をそれぞれ9.1g/分および1.54g
/分の速度でスルホン化反応器に供給してスルホン化反
応を行った。スルホン化反応器は200ml容量のター
ビン型攪拌機付のものであった。なお、スルホン化温度
は40℃であった。こののち、500mlの攪拌槽への
導入し、水相中のPSS−Hが25%の濃度になるよう
に水を連続供給し、この液をさらに200mlの密度計
を備えた静置分離槽に導入し、槽の最上部から水相、槽
の底部からEDC相を排出した。この場合、静置分離槽
の水相の密度が目標液密度(ρ≦1.097)になるよ
うに原料の量をコントロールした。上記の反応器への原
料液の供給、攪拌槽への処理液の導入、静置分離槽への
処理液の導入は全て連続的に行った。
【0030】上記連続運転を3時間継続した後、水相を
採取し水相に含まれる溶媒(1、2−ジクロルエタン)
の量をガスクロマトグラフにより分析した。結果を図1
0に示す。この結果によれば、実施例1〜4の結果にか
かる静置分離率はいずれも高く、すくなくとも98%の
分離率になっている。このレベルが維持される限りスル
ホン化処理を連続的に行うことができる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、静置分離槽の水相液密
度を測定しながらスルホン化反応器への原料供給を調整
するようにしたので、静置分離率を常時良好に維持する
ことができ、連続的にスルホン化処理を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリスチレンスルホン酸についての静置分離時
間と分離温度との関係を示すグラフ、
【図2】ポリスチレンスルホン酸ナトリウムについての
静置分離時間と分離温度との関係を示すグラフ、
【図3】静置分離時間と導入モル比との関係を示すグラ
フ、
【図4】スルホン化工程の概略フローを示す説明図、
【図5】スルホン化工程の概略フローを示す説明図、
【図6】原料供給量を算出する手順を示すフローチャー
ト、
【図7】静置分離率と静置分離槽の水相の密度との関係
を示すグラフ、
【図8】導入モル比と静置分離率との関係を表す近似直
線のグラフ、
【図9】本発明を適用できるスルホン化システムのブロ
ックチャート、
【図10】実験結果を示す表である。
【符合の説明】
1 スルホン化工程、2 中和工程、3 静置分離工
程、6 コントローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬淵 智之 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライ オン株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−310821(JP,A) 特開 昭63−189404(JP,A) 特開 平2−258802(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/34 - 8/38 C08F 12/30

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ポリマーと溶媒とからなる原料溶液
    を調整し、前記原料溶液とスルホン化剤とをスルホン化
    反応器に連続的に供給して芳香族ポリマーのスルホン化
    を行い生成したスルホン化芳香族ポリマー含有溶液を攪
    拌槽に連続的に導入して攪拌し、攪拌後槽内のスルホン
    化芳香族ポリマー含有溶液を静置分離槽に連続的に導入
    して所定時間の平均滞留時間を有するように前記スルホ
    ン化芳香族ポリマーリッチの水溶液相と前記溶媒リッチ
    の溶媒相とを静置分離する操作を行い、前記静置分離槽
    における溶媒相の水溶液相と溶媒相との分離率を測定
    し、該記分離率が所定値以上になるように原料溶液の供
    給を制御することを特徴とする芳香族ポリマーのスルホ
    ン化方法。
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