下記の実施の形態は、図1〜図9に示す使い捨てマスクに関し、考案の不可欠な構成ばかりではなく、選択的及び好ましい構成を含む。
図1〜図4を参照すると、本考案の使い捨てマスクの一例として示す、マスク10は、上下方向Y及び幅方向Xを有し、肌対向面及びそれに対向する非肌対向面と、上下方向Yの寸法を2等分する横断中心線Qと、マスク本体20と、マスク本体20の両側縁20c,20dから延びる環状の一対の耳掛け部30とを含む。
マスク本体20は、基材シート21から形成されており、幅方向Xへ直状に延びる上端縁20aと、下方へ僅かに凸曲して幅方向Xへ延びる下端縁20bと、上下端縁20a,20b間において上下方向Yへ延びる両側縁20c,20dと、両側縁部18とを有する。また、マスク本体20は、一対の耳掛け部30の基端部(固定両端部)31が位置する上下端部22,23と、上下方向Yにおいて上下端部22,23の間に位置する、着用者の口と対向する口覆い部(中間部)24とをさらに有する。さらに、マスク本体20は、上下端縁20a,20bと両側縁20c,20dとが交差する曲状の隅部27を有する。隅部が、先鋭状ではなく曲状を有することによって、着用者の顔面が隅部に触れても刺激を与えることはない。
マスク本体20(マスク10)の上下方向Yの寸法(両側縁20c,20dの長さ寸法)W1は、60〜100mm、幅方向Xの寸法(上下端縁20a,20bの長さ寸法)L1は、140〜180mmである。マスク本体20の上下方向Yの寸法W1が、140mm以下の場合には、大人の着用者の標準的な大きさの顎部を十分に被覆することができず、幅方向Xの寸法L1が180mm以上の場合には、後記の口覆い部24の非重畳部分29Bにおいてマスク本体20を屈曲させることができないおそれがある。
マスク本体20を形成する基材シート21は、肌対向面側に位置する内層シート25と、非肌対向面側に位置する外層シート26とから構成されている。内層シート25と外層シート26とは、マスク本体20の外周縁に沿って断続的に延びる外周シール域40によって互いに接合されている。外周シール域40は、その延在方向へ所定寸法離間して配置された複数の接合部41から形成される。外周シール域40は、マスク本体20の上端縁20aに沿って幅方向Xへ断続的に延びる2条のラインからなる上側シール域42と、下端縁20bに沿って幅方向Xへ断続的に延びる下側シール域43と、両側縁20c,20dに沿って上下方向Yへ断続的に延びるサイドシール域(シール域)44とを有する。
内層シート25と外層シート26とは、例えば、熱融着性繊維を含む質量10〜40g/m2の通気性を有する繊維不織布シートであって、メルトブローン繊維不織布、スパンボンド繊維不織布、SMS繊維不織布及びエアスルー繊維不織布等の各種公知の繊維不織布の他に、織布、ガーゼ、木綿布等の肌触り及び通気性の良好なシート材料から形成することができる。図示していないが、内外層シート25,26間に微粒子のフィルター機能を有するシートを介在させてもよい。耳掛け部30は、好ましくは弾性的に伸縮可能なものであって、不織布や織布、プラスチックフィルム、ゴムひも等の公知の材料によって形成することができる。
外周シール域40は、断続的に配置された複数の接合部41において内層シート25と外層シート26とを互いに溶着する溶着シールラインであって、両シート25,26は外周シール域40においてのみ接合され、他の部分において互いに接合されていない。したがって、両シート25,26の内面全体が互いに接合されている場合に比して、マスク10全体は柔軟性及び通気性に優れる。
図3を参照すると、外周シール域40の接合部41は、一対の短辺と一対の長辺とから画成された略長方形状であって、上側シール域42と下側シール域43とにおいては、長辺が幅方向Xへ延びるように接合部41が配置されており、上下方向Yへ延びる2つのシールラインを形成している。また、上側シール域42のシールライン間の上下方向Yの離間寸法は、下側シール域43のシールライン間の上下方向Yの離間寸法よりも大きくなっている。
図2を参照すると、上側シール域42のシールライン間には、幅方向Xへ延びる弾性帯片60が配置されている。弾性帯片60は、内層シート25と外層シート26との間に介在されており、具体的には、上側シール域42を形成する2つのシールライン間に形成された筒状の空間内に挟持固定されている。弾性帯片60の両端の幅方向の外側には、弾性帯片60の幅方向Xへの移動を規制するための接合部41Cが配置されている。
内層シート25の上下端縁部は、外層シート26の下端縁部よりも上下方向Yの外側へ延出しており、該延出部25a,25bが上下方向Yの内側へ曲状に折り曲げられて、上側シール域42と下側シール域43とによって外層シート26の非対向面側に固定されている。また、マスク本体20の下端縁20bは、該延出部25bが曲状に折り曲げられていることによって、下方へ向かって緩やかに湾曲した形状を有する。かかる曲状の下側縁20bとマスク本体20の曲状の隅部27とが相俟って、マスク10は全体的に丸みを帯びた外観を呈する。
耳掛け部30は、マスク本体20の上端部22と下端部23に位置する一対の固定両端部(基端部)31と、固定両端部31間において環状に延びる自由部32とを有する。基端部31は、それぞれ、マスク本体20の上下端部22,23に溶着されており、上下端部22,23には、基端部31を固定する矩形の上下固定部(上下シール部)34A、34Bが形成されている。上下固定部34A,34Bは、基端部31の外形よりもひと回り大きな矩形状を有する。上下固定部34A,34Bが、基端部31の外形よりも大きいことによって、基端部31はマスク本体20に対して所要の剥離強度を有し、着用中に基端部31にそれを剥離しようとする力が作用しても、容易に剥離することはない。
図1〜図3を参照すると、下側シール域43は、マスク本体20の下端縁20bに沿って曲状に延びており、その両端部は下端部23に位置する下側シール域43まで延びている。また、サイドシール域44は、上端部22に位置する上側シール域42と下端部23に位置する下側シール域43と重なって位置している。したがって、サイドシール域44の接合部41と下側シール域43の接合部41とが、マスク10の平面視において、下側シール域43と互いに重なっている。そのため、下固定部34Bでは、シートの溶着部分が集中して接合強度が高くなるだけではなく、剛性が比較的に高くなって肌に触れると強く刺激を与えるおそれがあるが、下固定部34Bの位置する隅部27がアール形状であるので、肌に触れても強く刺激を与えるおそれはない。
マスク本体20の口覆い部24は、基材シート21をプリーツ状に折り曲げて形成された幅方向Xへ延びる複数の襞部28を有する。襞部28は、上側から順に、マスク本体20の非肌対向面側において上向きに凸となる第1〜第3襞部28A〜28Cと、第3襞部28Cの下方において下向きに凸となる第4襞部28Dと最下襞部(襞部、第5襞部)28Eとを有する。基材シート21は、第3襞部28Cと第4襞部28Dとにおいて、断面Ω状に折り曲げられている。口覆い部24は、かかるプリーツ加工が施されていることによって、基材シート21が折り重ねられてそれが複数に積層された重畳部分(重層部分)からなる各襞部28A〜28Eのほかに、第3襞部28Cと第4襞部28Dとの間に位置する、基材シート21が折り重ねられていない、単層構造を有する非重畳部分(非重層部分)29とを有する。
各襞部28A〜28Eは、基材シート21が折り曲げられた形成された積層構造を有する重畳部分であるから、単層構造を有する非重畳部分29よりも剛性が高く、前者を高剛性領域、後者を低剛性領域ともいえる。このように、各襞部28A〜28Eと非重畳部分29とにおいて剛性が異なることから、着用する際に、マスク本体20の両側縁部18に作用するそれを変形しようとする力を低剛性領域である非重畳部分29において吸収、拡散することによって、両側縁部18全体の変形を抑制し、顔面から浮き上がりを防止することができる。ここで、「各襞部28C〜28Eの剛性が非重畳部分29の剛性よりも高い」とは、少なくとも上下方向Yにおける曲げ剛性において、各襞部28A〜28Eの方が非重畳部分29よりも高いことを意味する。また、襞部28は、基材シートの折り目のほかに、その折り目によってマスク本体20の厚さ方向に折り重ねられた内外層部分を含む。なお、本実施形態のマスク10では、下端部23に最下襞部28Eのみが位置しているが、複数の襞部が位置していてもよい。
図2を参照すると、最下襞部28Eは、折り目によってマスク本体20の厚さ方向に折り重ねられた内層部分35と外層部分36とを有し、下端部23において耳掛け部30の下固定部34B間において幅方向Xへ延びている。最下襞部28Eの幅寸法、すなわち、最下襞部28Eが展開された状態における上下方向Yの寸法(内層部分35と上下方向Yの寸法と外層部分36の上下方向Yの寸法との合計寸法)W2は、第1〜第3襞部28A〜28Cの幅寸法(上下方向Yの寸法)とほぼ同じ大きさであって、具体的には、幅寸法W2は6〜11mmである。なお、後記の本考案の技術的効果を奏する限りにおいて、最下襞部28Eの幅寸法W2が他の襞部28A〜28Dの幅寸法と異なり、相対的に小さくてもよいし、大きくされていてもよい。一方、非重畳部分29の幅寸法(上下方向Yの寸法)W3は、1〜7mmである。非重畳部分29は、マスク10の両側縁部18においてそれを変形しようとする力を分散、吸収するための折曲誘導手段としての機能を果たすものであって、それが1mm未満の場合には、隣接する第3及び第4襞部28C,28Dにおいて変形を生じてしまうおそれがある。また、非重畳部分29の幅寸法W3が、7mmを超える場合には、比較的に大きくなり過ぎて、非重畳部分29内において複数の折曲がなされて、歪な形状となるおそれがある。
図4を参照すると、従来のマスク210は、幅方向の寸法を2等分する縦断中心線と上下方向の寸法を2等分する横断中心線Mと、内外層を有する基材シートから形成されたマスク本体220と、マスク本体220の両側縁から延びる一対の環状の耳掛け部230とを有する。基材シートの内外層は、マスク本体220の外周に配置された複数のシール部からなるシール域によって接合されている。上端縁220aと、下端縁220bと、両側縁220c,220dとから画成された外形をなし、耳掛け部230の上固定部234Aが位置する上端部222と、耳掛け部230の下固定部234Bが位置する下端部223と、上下端部222,223間に位置する口覆い部(中間部)224とを有する。中間部224と下端部223とには、基材シートをプリーツ状に折り重ねて形成された複数の襞部228A〜228Dが配置されており、口覆い部224は、第1〜第3襞部228A〜228C,下端部223には、最下襞部(第4襞部)228Dが位置している。また、横断中心線M近傍において、基材シートが断面Ω状に折り畳まることによって、第1襞部228Aは上方へ凸となり、第2襞部228Bは下方へ凸となっており、それらの間には、基材シートが折り重ねられていない単層構造を有する非重畳部分229が形成されている。
従来のマスク210において、上側縁220aは幅方向へ直状に延びており、下側縁220bは、幅方向へ直状に延びる中央部位と、中央部位の両側において下固定部234Bの下縁から中央部位に向かって直線状に傾斜して延びる傾斜部位とから形成されている。また、両側縁220c,220dの略中央部には、幅方向の内方へ延びる切欠260が位置しており、切欠260から下方には、幅方向の内方へ斜めに延びる傾斜部位が位置している。
図5(a)を参照すると、マスク10を着用するときには、耳掛け部30を着用者の耳部に掛け回した状態において、耳掛け部30が後方へ引っ張られることによって、マスク本体20の両側縁部18に上下方向Yへ向かうそれを変形させようとする力が作用する。具体的には、マスク本体20の上端部22では耳掛け部30の基端部31から下向きの力F1が作用し、下端部23では基端部31から上向きの力F2が作用する。このように、上下方向Yにおいて互いに逆方向の力F1,F2がマスク本体20の両側縁部18に作用することによって、両側縁部18が変形して顔面から浮き上がり、隙間が生じるおそれがあるが、各襞部28A〜28Eに比して剛性の低い低剛性域である非重畳部分29においてこれらの力を吸収、分散するように折曲されることによって、両側縁部の変形を抑制することができる。
図5(b)を参照すると、従来のマスク210を着用するときにも、マスク10と同様に、耳掛け部230を着用者の耳部に掛け回した状態において、耳掛け部230が後方へ引っ張られることによって、マスク本体220の両側縁部に上下方向へ向かうそれを変形させようとする力が作用する。具体的には、マスク本体220の上端部222では耳掛け部230の基端部から下向きの力F3が作用し、下端部223では基端部から上向きの力F4が作用する。このように、上下方向Yにおいて互いに逆方向の力F3,F4がマスク本体220の両側縁部218に作用することによって、両側縁部218が変形するおそれがある。従来のマスク210では、非重畳部分229においてそれらの力F3,F4を吸収、分散するように折曲されるとともに、切欠260が力F3,F4を逃がす働きをして、かかる変形を抑制している。
図6(a)を参照すると、マスク10では、下端部23に位置する最下襞部28Eに対して、折り重ねられた部分を上下方向Yにおいて展開しようとする力が作用する。最下襞部28Eにそれを展開しようとする力が作用することによって、最下襞部28Eの中央部分(折り目部分)から内層部分35は下方へ向かって展開され、外層部分36は上方へ向かって展開される。通常、マスクの襞部において襞部の幅寸法(上下寸法)が一定の場合であっても、襞部が固定されるサイドシール域間の幅方向における離間寸法によって、マスク本体の両側縁部における変形領域の大きさが異なる。すなわち、サイドシール域が、マスク本体の両側縁に近い場合であって、互いに離間寸法が大きい場合には、マスク本体の両側縁部における変形領域が小さく、一方、サイドシール域が、マスク本体の両側縁から比較的に離れて位置し、互いの離間寸法が小さい場合には、マスク本体の両側縁部における変形領域が大きくなる。
マスク10では、両側縁20c,20dが上下方向Yへ並行に延び、かつ、下固定部34Bにおいて襞部28Eが固定されていることから、下固定部34Bの内側縁間の離間寸法R1は比較的に大きくなり、襞部28Eの展開時における外形に沿ったそれを上下方向Yへ展開させようとする力の延長線上間の変形領域70は比較的に小さくなる。それによって、マスク本体20の両側縁部18において上向きの力F2による最下襞部28Eの両側部分(固定部分)の変形が抑制されるので、耳掛け部30を耳部に掛け回したときに、最下襞部28Eを形成する内外層部分35,36を展開することができる。
図6(b)を参照すると、従来のマスク210においても、着用したときに、下端部223に位置する最下襞部228Dに対して、折り重ねられた部分を上下方向において展開しようとする力が作用する。最下襞部228Dにそれを展開しようとする力が作用することによって、最下襞部228Dにおいて折り重ねられた内層部分235は下方へ向かって展開され、外層部分236は上方へ向かって展開される。マスク10では、両側縁220c,220dの傾斜部位に最下襞部228Dが位置しており、それを固定するサイドシール域244の接合部241が両側縁220c,220dから離れて位置することから、それらの離間寸法R2は比較的に小さくなる。そのために、襞部228Dの展開時における外形に沿ったそれを上下方向へ展開させようとする力の延長線上間の変形領域270は比較的に大きくなる。それによって、マスク本体220の両側縁部218における最下襞部228Dの両側部分(固定部分)が変形されて、耳掛け部230を耳部に掛け回したときに、最下襞部28Dを形成する内外層部分235,236を十分に展開させることができない。
マスク10の最下襞部28Eとマスク210の最下襞部228Dとは、それぞれ、マスク本体20,220の下端部23,223に位置して着用者の口部及び/又は顎部と対向する部分を展開するためのものであって、顔面と対向する他の襞部よりも幅寸法が比較的に小さく、それらの幅寸法W2,W4は、6〜11mmである。一方、マスク10の下固定部34B間の離間寸法R1とマスク210の接合部241間の離間寸法R2とは相違しており、離間寸法R1は、120〜135mm、離間寸法R2は、100〜115mmである。
マスク10では、幅寸法W2と離間寸法R1とがかかる関係を有することから、一対の耳掛け部30の下固定部34B間の幅方向Xの寸法(離間寸法)R1を下固定部34B間に位置する最下襞部28Eの上下方向Yの寸法(幅寸法)で除算した値が11以上となっている。一方、従来のマスク210においては、一対の耳掛け部230のサイドシール域244の接合部241間の幅方向Xの寸法(離間寸法)R2を接合部241間に位置する最下襞部228Dの上下方向の寸法(幅寸法)で除算した値が11以下となっている。出願人が知見したところによれば、かかる計算式によって算出された値が11以上の場合には、マスク10と同様に、マスク本体の両側縁部における変形領域が比較的に小さくなり、着用したときに最下襞部が展開され易くなる一方、11以下の場合には、従来のマスク210と同様に、マスク本体の両側縁部における変形領域が比較的に大きく、着用したときに最下襞部が展開され難くなるおそれがある。
また、図示していないが、最下襞部28Eの幅方向へ延びる下側縁、すなわち、折目部分が、マスク本体20の両側縁部18において耳掛け部30の下固定部34Bと互いに重なっていないことが好ましい。かかる場合には、下固定部34Bと互いに重なる場合に比して、最下襞部28Eの展開の基点となる折目部分の両側の剛性が低くなって展開しやすくなる。
再び、図5(a)を参照すると、マスク10においては、最下襞部28Eを含むすべての襞部28A〜28Eが十分に展開されることによって立体的な形態をなし、着用者の口部とマスク本体20との間に比較的に大きなスペースS1が形成される。それによって、着用者は息苦しく感じることはなく、女性の着用者の場合には、口紅がマスク本体20の内面に付着するのを防止することができる。図5(b)を参照すると、従来のマスク210においては最下襞部228Dが十分に展開されないことから、着用者の口部とマスク本体220との間に比較的に小さなスペースS2が形成されており、着用者は息苦しく感じるとともに、口紅がマスク本体220の内面に付着してしまうおそれがある。
図7(a)及び(c)を参照すると、マスク本体20は、下側縁20bが下方へ僅かに凸曲した形状を有し、かつ、最下襞部28Eが展開されて下端部23が前方へ突出した立体形状を呈することから、正面視において、下端部23が顎部の形状に沿う幅狭となり、顎部が実際よりもシャープであって小顔の印象を与えることができる。また、最下襞部28Eの変形領域70が比較的に小さく、かつ、非重畳部分29において両側縁部18を変形させようとする力F2,F3を分散、吸収することができることから、両側縁部18の変形を抑制し、側面視においても顔面にフィットさせることができる。
図7(b)及び(d)を参照すると、従来のマスク210では、下端縁220bが傾斜部位を有することから下方へ凸となる形状を有するものの、最下襞部228Dが十分に展開されずに変形されることから、両側縁部218全体が顔面から離間したような状態となり、フィット性が低下する。そのために、正面視において、下端部223が着用者の顎部よりも横に張り出したような態様となり、顔の外形輪郭が大きいような印象を与えるおそれがある。なお、従来のマスク210においては、非重畳部分229及び切欠260において両側縁部218を変形させようとする力F3,F4を吸収、分散させることができるが、上方へ向かう力F4の基点となる耳掛け部230の下固定部と離間して位置していることから、変形領域260に作用する上方へ向かう力F4を吸収、分散することができない。
再び、図6(a)を参照すると、本考案に係るマスク10において、上固定部34Aと下固定部34Bとが上下方向Yにおいて並んで配置されていることから、それらの内側縁を通過する一点鎖線(仮想線)T1,T2は、上下方向Yへ並行に延びている。マスク10の一点鎖線T1,T2間において、耳掛け部30の上固定部34A間の幅方向Xの寸法である第1寸法N1,耳掛け部30の下固定部34B間の幅方向Xの寸法である第2寸法N2(離間寸法R1と同じ),下端部23の下端縁の幅方向Xの寸法である第3寸法N3の大きさの相関関係が、N3>N1≒N2となっている。
図6(b)を参照すると、従来のマスク210においては、耳掛け部230の上固定部234Aと下固定部234Bとが上下方向Yにおいて位置ずれしていることから、それらの内側縁を通過する一点鎖線(仮想線)T1,T2は幅方向Xの中央部に向かって傾斜して互いに交差方向へ延びている。マスク210の一点鎖線T1,T2間において、耳掛け部230の上固定部234A間の幅方向Xの寸法である第1寸法N4,耳掛け部230の下固定部234B間の幅方向Xの寸法である第2寸法N5(離間寸法R2と同じ),下端縁220bの幅方向Xの寸法である第3寸法N6の大きさの相関関係がN4>N6>N5となっている。
本考案に係るマスク10においては、耳掛け部30の上固定部34A間の第1寸法N1と下固定部34B間の第2寸法N2とがほぼ同じあることから、耳掛け部30における後方へ引っ張る力F5,F6が均等にマスク本体の両側縁部18に作用し、顔面からの浮き上がりが防止される。また、第1寸法N1と第2寸法N2とがほぼ同じ大きさであって、それらが、上下方向Yにならんで位置していることから、下固定部34Bが上固定部34Aの幅方向Xの内側に位置している等の位置ずれしている場合に比して、上固定部34Aと下固定部34Bとの離間寸法R5が小さくなる。したがって、下固定部34B間の部分が比較的に小さくなり、小顔の印象を与えることができる。
マスク10を着用したときに、このような小顔効果を発揮するために、主として成人の女性を対象とする場合、第3寸法N3が120〜140mmであって、第2寸法N2と第3寸法N3との合計寸法が240〜260mmであることが好ましい。第2及び第3寸法N2,N3がかかる寸法の範囲内であることによって、下方へ凸曲しすぎて面長な印象を与えることなく、シャープな印象を与えることができる。
従来のマスク210では、耳掛け部230の上固定部234A間の第1寸法N4が、下固定部234B間の第2寸法N5よりも大きく、それらが、上下方向Yへ位置ずれしていることから、上固定部234Aと下固定部234Bの離間寸法R6がマスク210に比べて大きくなる。それによって、マスク210の正面視において、中間部222が縦長となって実際の顔の大きさよりも大きな、横に張り出したような印象を与えるおそれがある。
<変形例1>
図8を参照すると、本変形例においては、マスク本体20の両側縁部18において、横断中心線Qよりも下方であって、かつ、耳掛け部30の下固定部34Bに近接する位置に切欠部(折曲誘導部)70が位置している。切欠70は、両側縁20c,20dから幅方向Xの内方へ向かって次第に幅狭となる略V字状であって、切欠70において両側縁部18を変形させようとする力F1,F2を吸収、分散させることができる。切欠70を横断中心線Qよりも下方に配置することによって、その上方に位置する場合に比べて、下固定部34Bとの距離が近くなるので、上方へ向かう力F2を吸収、分散させ易くなるが、さらに、下固定部34Bに隣接させて位置させることによって、力F2をより確実に吸収、分散させることができる。
また、切欠70は、両側縁部18においてサイドシール域44を横断してそれよりも幅方向Xの内側へ延出している。切欠70の先端が、サイドシール域44に位置する場合には、切欠70とサイドシール域44の内側縁に位置する接合部41との間において僅かな変形が生じてしまうおそれがあるが、切欠70がサイドシール域44を横断してその先端がサイドシール域44の内側縁よりも幅方向の内側に位置することによって、かかる僅かな変形が生じるのを防止することができる。切欠70は、単数又は複数の直状、曲状等の各種公知の形状であってもよい。
<変形例2>
図9を参照すると、本変形例においては、切欠70が、第3襞部28Cと第4襞部28Dとの間に位置する非重畳部分29に位置している。このように、各襞部28A〜28Eに比べて低剛性の低剛性域である非重畳部分29に切欠70が位置し、かつ、非重畳部分29と切欠70とが下固定部34Bの近傍に位置することから、両側縁部18を変形させようとする力F2をより確実に吸収、分散することができる。なお、図示していないが、非重畳部分29を下端部23に形成し、かかる非重畳部分29に切欠70を形成してもよい。
マスク10を構成する部材には、特に明記されていない限りにおいて、本明細書に記載されている材料のほかに、この種の分野において通常用いられている公知の材料を制限なく用いることができる。また、本明細書において使用されている「第1」〜「第4」等の用語は、同様の要素、位置等を単に区別するために用いてある。