JP3202905U - Co2グロビュール移行 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接プロセスを制御するために負極性の溶接出力電流波形を生成することにより溶滴移行を促すガス金属溶接アークシステムを提供する。【解決手段】電気アーク溶接システムは、一部1020〜1040が負極性である電気溶接波形1000を生成する。電気溶接波形1000の周期は、電気溶接波形1000のバックグラウンド電流段階1010、バックグラウンド電流段階1010の後の短絡解除ランプ段階1020、ピーク電流段階1030及びテールアウト電流段階1040を含む。ピーク電流段階1030では負のピーク電流レベルが提供され、テールアウト電流段階1040では正のバックグラウンド電流レベル1010の方に単調に増加されるテールアウト電流レベルが提供され、短絡解除ランプ段階1020では電気溶接波形1000のための電流の正極性における電流レベルが減少する。【選択図】図10

Description

本願は、「短絡アーク溶接プロセスの間に溶接部への入熱を増加する方法及びシステム」と題する2008年6月27日出願の米国特許出願第12/163047号の優先権を主張する「短絡アーク溶接プロセスの間に溶接部への入熱を増加する方法及びシステム」と題する2012年7月20日出願の米国特許出願第13/554744号の一部継続出願である。それらの開示は参照により本願に全体的に組み込まれる。
2008年6月27日出願の米国特許出願第12/163047号が参照により本願に全体的に組み込まれる。
本明細書で説明する考案は、ガス金属アーク溶接(GMAW)短絡アークプロセスの間の電極とワークピースとの間でのグロビュール移行に関するシステムに一般的に関する。
溶接システムは、現代の産業化時代の中心に存在している。大規模な自動車の組み立て作業から自動化された製造環境に至るまで、これらのシステムはかつてないほどに複雑な製造作業における接合を促進する。そのような溶接システムの一例として電気アーク溶接システムが挙げられる。これには、消耗電極を、例えばワークピースの方に動かしながら、該電極及び該電極とワークピースとの間に発生するアークに電流を流すことを含み得る。例えば、COグロビュール移行は、電極の遠位端に形成された溶融ボールのワークピースへの移行を促すために、シールドガスとしてCOを用いるガス金属アーク溶接(GMAW)プロセスである。グロビュール移行GMAWプロセスは不安定になることがあり、他のアーク溶接プロセスに比べてワイヤのサイズが大きいことに多くの場合起因して他のアーク溶接プロセスよりも飛び散り(splatter)が多い。そのため、低ワイヤ送給速度範囲に起因して時間のかかる(slower)アーク溶接プロセスになる。
既に述べたように、GMAWプロセスは不安定になり易く及び/又は溶接溜まりの飛び散りが起こり易いことから、グロビュール移行GMAWプロセスを行うための改善された溶接技術が必要である。
米国特許第4972064号明細書 米国特許第6051810号明細書 米国特許第6498321号明細書 米国特許出願第11/861379号明細書
本考案によれば、アーク溶接プロセスで用いられる電流の負極性の1つ以上の部分を使用するための方法が提供される。当該方法は、電極とワークピースとの間に電気アークを維持するために波形の出力電流レベルを正極性のバックグラウンド電流レベルに調節する工程と、電極の遠位端に溶融金属ボールを生成する工程と、溶融金属ボールがワークピースに短絡して、電気アークを消弧したことに対応して、出力電流レベルを正極性のバックグラウンド電流レベルよりも下に下げて、溶融電極ボールをワークピース上の溶融溜まりに触れさせる工程と、電極の遠位端から溶融金属ボールが千切れるようにするために出力電流レベルを正極性のバックグラウンド電流レベルよりも下の負極性に自動的に下げる工程と、溶融金属ボールが電極の遠位端から千切れてワークピースに移るときに負極性内にある出力電流レベルを正極性のバックグラウンド電流レベルの方に上げて、電極とワークピースとの間に電気アークを再び確立する工程と、電気アークが再び確立されたことに対応して、負極性内にある出力電流レベルを正極性のバックグラウンド電流レベルから遠ざかる方にある波形の負のピーク電流レベルに下げる工程と、出力電流レベルを正極性のバックグラウンド電流レベルの方に上げて、電極の遠位端に次の溶融金属ボールを生成する工程とを含む。
本考案によれば、アーク溶接プロセスで用いられる電流の負極性の1つ以上の部分を使用するための方法が提供される。当該方法は、電極とワークピースとの間に電気アークを維持するために波形の出力電流レベルを正極性のバックグラウンド電流レベルに調節する工程と、電極の遠位端に溶融金属ボールを生成する工程と、溶融金属ボールがワークピースに短絡して、電気アークを消弧したことに対応して、出力電流レベルを正極性のバックグラウンド電流レベルよりも下の負極性に下げて、溶融電極ボールをワークピース上の溶融溜まりに触れさせる工程と、電気アークが再び確立されたことに対応して、負極性内にある出力電流レベルを負のピーク電流レベルに下げる工程と、出力電流レベルを正極性のバックグラウンド電流レベルの方に上げて、電極の遠位端に次の溶融金属ボールを生成する工程とを含む。
本考案によれば、送給される溶接電極と金属ワークピースとの間に電気溶接波形を生成するガス金属アーク溶接(GMAW)システムが提供される。当該ガス金属アーク溶接システムは、前記電気溶接波形のバックグラウンド電流段階、ピーク電流段階及びテールアウト電流段階を生成する第1の構成の電子コンポーネントであって、前記バックグラウンド電流段階では正のバックグラウンド電流レベルが提供され、前記ピーク電流段階では負のピーク電流レベルが提供され、前記テールアウト電流段階では前記正のバックグラウンド電流レベルの方に単調増加されたテールアウト電流レベルが提供される、第1の構成の電子コンポーネントと、前記電気溶接波形のピンチ電流段階を生成する第2の構成の電子コンポーネントであって、前記ピンチ電流段階では、前記バックグラウンド電流段階の後に前記電気溶接波形のための電流の正極性における電流レベルが減少する、第2の構成の電子コンポーネントとを含む。本考案のさらなる実施形態は、負のパルスで溶滴を作り、正のパルスで溶滴が溶融溜まりに触れるのを促進させることに関する。
本考案の上記の及び他の実施形態、特徴及び目的は、図面、詳細な説明及び添付の請求項に照らして考えた場合に明らかになる。
本考案は、特定の部分及び部分の構成において物理的形態を取り得る。その好ましい実施形態を本明細書で詳述し、本願の一部を成す添付の図面に図示する。
図1Aは、溶接部への入熱を増やすためにアーク溶接プロセスで用いられる電気溶接波形の周期の例示の実施形態を示す。 図1Bは、図1Aの電気溶接波形を用いた、図1Aの周期の間のアーク溶接プロセスの様々なステージを示し、溶接電極と金属ワークピースとの関係を示す。 図2は、図1の電気溶接波形を生成するためのシステムの第1の例示の実施形態の機能ブロック図を示す。 図3A〜図3Dは、図2のシステムの様々な機能により生成された変調波形の部分の例示の実施形態を示す。 図4は、図1の電気溶接波形を生成するためのシステムの第2の例示の実施形態の機能ブロック図を示す。 図5は、図1の電気溶接波形及び図2のシステム又は図4のシステムを用いてアーク溶接プロセスの間に溶接部への入熱を増やす方法の第1の例示の実施形態のフローチャートを示す。 図6A〜図6Bは、図4のシステムを用いてアーク溶接プロセスの間に溶接部への入熱を増やす方法の第2の例示の実施形態のフローチャート及び結果として得られた電気溶接波形を示す。 図7は、図1の電気溶接波形又は図6の電気溶接波形及び図2のシステム又は図4のシステムを用いてアーク溶接プロセスの間に溶接部への入熱を増やす方法の第3の例示の実施形態のフローチャートを示す。 図8は、溶接部への入熱を制御するためにアーク溶接プロセスで用いられる電気溶接波形の周期のさらなる例示の実施形態を示す。 図9は、1つ以上の部分が電流の負極性にある電気溶接波形の生成を促する溶接システムを示すブロック図である。 図10は、アーク溶接プロセスで用いられる、1つ以上の部分が電流の負極性にある電気溶接波形の周期の一実施形態を示すブロック図である。 図11は、アーク溶接プロセスで用いられる、1つ以上の部分が電流の負極性にある電気溶接波形の周期の一実施形態を示すブロック図である。 図12は、アーク溶接プロセスを制御するために電流波形の負極性部分の利用を促進する1つ以上のコンポーネントを示すブロック図である。 図13は、溶接プロセスを制御する負極性溶接出力波形を生成するフロー図である。 図14は、溶接プロセスの一部を制御するアーク溶接電流波形の電流の負極性を利用するフロー図である。 図15は、溶接プロセスの一部を制御する負極性を持つアーク溶接電流波形を示すグラフである。
本考案の実施形態は、溶接プロセスを制御するために負極性(negative polarity)の溶接出力電流波形を生成することに一般的に関連する方法及びシステムに関する。電気アーク溶接システムは、一部が負極性の電気溶接波形を生成する。この電気溶接波形の周期は、電気溶接波形のバックグラウンド電流段階(background current phase)と、バックグラウンド電流段階の後の短絡除去ランプ段階(short clearing ramp phase)と、ピーク電流段階と、テールアウト電流段階(tail-out current phase)とを含み、ピーク電流段階では負のピーク電流レベルが提供され、テールアウト電流段階では、正のバックグラウンド電流レベルの方に単調増加されたテールアウト電流レベルが提供され、短絡除去ランプ段階では電気溶接波形のための電流の正極性において電流レベルが下げられる(decreasing current level)。
本願の出願時に出願人が知っていた本考案を実施するための最良の形態を説明する目的で、係る最良の形態を以下で説明する。実施例及び図面は例示に過ぎず、本考案を限定することを意図したものではない。本考案は請求項の範囲及び精神によって判断される。
図1Aは、溶接部への入熱を増やすためにアーク溶接プロセスで用いられる電気溶接波形100の周期101の例示の実施形態を示す。図1Bは、図1Aの電気溶接波形を用いた、図1Aの周期の間のアーク溶接プロセスの様々なステージ(A〜E)を示し、溶接電極191と金属ワークピース199との関係を示す。アーク溶接プロセスの間、電気アークパルスを生成するために電気溶接波形100の生成が可能な電気アーク溶接システムを用いて、送給される電極(advancing electrode)191と金属ワークピース199との間に一連の電気アークパルスが生成される。一般に、周期101は、溶接部を結果として得るためにアーク溶接プロセスの間に周期的に繰り返される。しかしながら、短絡状態が起こらない場合は、周期101は増熱パルス(heat increasing pulses)150が同じ数ではない状態で、また場合によってはピンチ電流段階120がない状態で繰り返され得る。
電気溶接波形100の周期101は、バックグラウンド電流レベル111が提供されるバックグラウンド電流段階110と、単調増加ピンチ電流レベル(monotonically increasing pinch current level)121が提供されるピンチ電流段階120と、ピーク電流レベル131が提供されるピーク電流段階130と、単調減少テールアウト電流レベル(monotonically decreasing tail-out current level)141が提供されるテールアウト電流段階140とを含む。
バックグラウンド電流段階110の間、電極191とワークピース199との間で電気アーク195が維持されて、電極191の遠位端に溶融金属ボール192が生成される(図1BのステージA参照)。ステージBでは、電極191にまだくっついた溶融金属ボール192がワークピース199に短絡する。短絡が起こると、アーク195が消弧され、波形100の電流レベルがバックグラウンド電流レベル111以下に下げられて電流レベル112になり、溶融ボール192がワークピース199上の溶融溜まりに触れるように(wet into)する。
ピンチ電流段階120の間、波形100の電流レベルがバックグラウンド電流レベル111より上に単調増加され(例えば、上昇され)、増加ピンチ電流レベル121が提供される。増加ピンチ電流レベル121は、図1BのステージCで示すように、短絡した溶融金属ボール192が電極191の遠位端から千切れてワークピース199の溶接溜まり内に移るのを始めさせる。溶融金属ボール192が電極191から千切れる寸前に、波形100の電流レベルがスパッタを防ぐためにバックグラウンド電流レベル111よりも下の電流レベル112に再び下げられ、電極191とワークピース199との間にアーク196が再び確立される。
アーク196が再び確立されると、波形100はピーク電流段階130に入る。ピーク電流段階130の間、波形100の電流レベルはピーク電流レベル131に上げられて、そのレベルで維持される。一実施形態によれば、ピーク電流レベル131は波形100の最も高い電流レベルであり、電極191の遠位端で次の溶融金属ボール198の形成を始めるのに十分な強さのアーク197を電極191とワークピース199との間に確立する。
ピーク電流段階130の後、波形100はテールアウト電流段階140に入る。テールアウト電流段階140の間、波形100の電流レベルをバックグラウンド電流レベル111の方に単調(例えば指数関数的に)減少して、減少テールアウト電流レベル141を提供する。波形100の電流は溶接部に入熱を行う。テールアウト電流段階140は、波形100のための大まかな(coarse)熱制御段階としての役割を果たすのに対して、バックグラウンド電流段階110は、波形100のための細かな熱制御段階としての役割を果たす。しかしながら、特定のアーク溶接用途では、追加の入熱制御を設けることが望ましい場合がある。
テールアウト電流段階140の後、再びバックグラウンド電流段階110に入って、バックグラウンド電流レベル111が提供され、実質的に均一な次の溶融金属ボール198が電極191の遠位端に生成される(ステージA)。バックグラウンド電流段階110の間、少なくとも1つの増熱電流パルス150が生成されて、バックグラウンド電流レベル111とピーク電流レベル131との間の中間電流レベル151が提供される。増熱電流パルス150は、溶融金属ボール198とワークピース199との間で次の短絡が起こるまでバックグラウンド電流段階110内で周期的に繰り返され得る。次の短絡が起きると、アーク195が消弧され、波形100の電流レベルがバックグラウンド電流レベル111よりも下の電流レベル112に落とされて、次の溶融ボール198がワークピース199上の溶融溜まりに触れるようにする(ステージB)。増熱電流パルス150は溶融溜まり及びその周囲を再加熱して溶け込みを高める役割を果たす。増熱電流パルス150によってもたらされるそのような熱の増加は、例えば溶融溜まりの流動性を高めることなくより良好な溶け込みを提供するためにオープンルートジョイント(open root joint)の溶接において望ましい場合がある。増熱パルスはアークを越えて溶滴を移送するほど振幅が大きくなく、溶接システムに短絡アーク移行を越えてグロビュール移行を行わせるほどパルス幅が大きくない。繰り返しになるが、一般に、周期101は結果として溶接部を得るためにアーク溶接プロセスの間に周期的に繰り返される。しかしながら、短絡が起こらない場合は、周期101は増熱パルス150が同じ数ではない状態で、また場合によってはピンチ電流段階120がない状態で繰り返され得る。本明細書で使用の「電流レベル」という用語は、実質的に定常であるものの電気溶接波形の生成が幾分不正確であるという特質によってある程度変動し得る電流振幅を意味する。
一例として、本考案の一実施形態によれば、アーク溶接プロセスは、アルゴン及び二酸化炭素をシールドガスとして用いるガス金属アーク溶接(GMAW)プロセスである。バックグラウンド電流レベル111は約70アンペアであり、ピーク電流レベル131は約330アンペアであり、中間電流レベル151は約210アンペアである。1つの増熱パルス150のパルス幅は約1ミリ秒であり、バックグラウンド電流段階110の間に約3ミリ秒毎に最大で3〜6パルス繰り返され得る。
図2は、図1の電気溶接波形100を生成するためのシステム200の第1の例示の実施形態の機能ブロック図を示す。システム200はパワー生成機能210と、変調波形100’を生成するための変調波形生成/整形機能220を提供する。システム200は、電極191とワークピース199との間で短絡状態が起きた場合にそれを検出し、溶融金属ボール(例えば192)が千切れてワークピース199上の溶融溜まり内に入るのに伴って短絡状態が終了間近となること(非短絡(de-short)状態)を予測する短絡検出/兆候検出(非短絡予測)機能230も提供する。
変調波形生成/整形機能220によって生成された変調波形100’は、電極191及びワークピース199に電気溶接波形100の形で電流を提供するパワー生成機能210を変調するのに用いられる。変調波形生成/整形機能220は、周期ベース波形生成機能221を含む。図3A〜図3Dは、図2のシステム200の様々な機能によって生成された変調波形100’の一部の例示の実施形態を示す。図3Aは、周期ベース波形生成機能221によって生成された周期ベース波形部310を示す。周期ベース波形生成機能221は、変調波形100’のバックグラウンド電流段階110、ピーク電流段階130及びテールアウト電流段階140の生成を周期的に提供する。
変調波形生成/整形機能220は、ピンチ電流段階生成機能222も含む。図3Bは、図3Aの周期ベース波形部310にピンチ電流段階120が加えられたものを示す。本考案の一実施形態によれば、ピンチ電流段階120は、変調波形生成/整形機能220の信号加算機能223を用いて周期ベース波形部310に加えられ得る。
変調波形生成/整形機能220は増熱パルス生成機能224をさらに含む。図3Cは、図3Bのピンチ電流段階120を有し、バックグラウンド電流段階110の間に切り替えられる増熱パルス150を有する図3Aの周期ベース波形部310を示す。本考案の一実施形態によれば、増熱電流パルス150は、変調波形生成/整形機能220の信号切替機能225を用いてバックグラウンド電流段階110の間に切り替えられ得る。
変調波形生成/整形機能220はサブバックグラウンド電流レベル生成(減流)機能226も含む。図3Dは、図3Bのピンチ電流段階120、図3Cに示す増熱電流パルス150を有し、サブバックグラウンド電流部112’が加えられたバックグラウンド電流段階110を有する図3Aの周期ベース波形部310を示す。本考案の一実施形態によれば、サブバックグラウンド電流部112’は、波形生成/整形機能220の信号加算機能223を用いて周期ベース波形部310及びピンチ電流段階120に加えられ得る。
図3Dの合成変調波形100’は、パワー生成機能210を変調して、図1及び図2に示すような、電極191及びワークピース199に対する電気溶接波形100の様々な部分の実際の電流レベル(111、112、121、131、141、151)を提供するために用いられる。
システム200を用いる溶接プロセスの間、短絡検出/非短絡予測機能230は、電極191及びワークピース199における電流及び電圧を観察し、電極191とワークピース199との間で短絡状態が起きた場合にそれを検出し、短絡状態が終了間近となると(非短絡状態)それを予測する。短絡状態が起こると、サブバックグラウンド電流レベル機能226は、短絡状態が検出されたことに対応して、波形100の電流レベルをバックグラウンド電流レベル111よりも下の電流レベル112に即座に下げて、前で説明したように溶融金属ボールをワークピース199上の溶接溜まりに接触させる。そして、ピンチ電流段階生成機能222は単調増加ピンチ電流レベル121を波形100に適用する。
非短絡状態が予測されると(即ち、溶融金属ボールが電極の遠位端から千切れる間近)、サブバックグラウンド電流レベル機能226は、非短絡状態が予測されたことに対応して、飛び散りを防ぐために波形100の電流レベルをバックグラウンド電流レベル111よりも下の電流レベル112に再び下げる。さらに、波形生成/整形機能220のタイミング機能227を動作させる。タイミング機能227は、波形100がバックグラウンド電流段階110に達するまでピーク電流段階130及びテールアウト電流段階140によって占められた時間部分の間カウントダウンを行う。
本考案の一実施形態によれば、タイミング機能は非短絡状態とバックグラウンド電流段階110に入るときとの間で生じる時間が予めプログラムされている。タイミング機能227がカウントダウンを終えると(バックグラウンド電流段階110に入ったことを示す)、信号切替機能225が作動されて、増熱パルス生成機能224からの増熱パルス150が切り替えられる。増熱パルス150は、次の短絡状態が検出されるまでバックグラウンド電流段階110の間に波形100に切り替えられる。
図2のシステム200の様々な機能は、アナログ及び/又はデジタルの電子コンポーネントを含み得るある構成の電子コンポーネントを用いて実施してもよい。そのような構成の電子コンポーネントの構成の例としては、パルス発生器、タイマー、カウンター、整流器、トランジスタ、インバータ、発振器、スイッチ、トランス、波形整形回路、増幅器、状態機械、デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサ及びマイクロコントローラが挙げられる。実施の上で柔軟性を提供するために、そのような構成の一部がプログラム可能であってもよい。そのような構成の電子コンポーネントの様々な例は特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4にある。それらの各文献は参照により本願に全体的に組み込まれる。
本考案の一実施形態によれば、システム200は、電気溶接波形100のバックグラウンド電流段階110、ピーク電流段階130及びテールアウト電流段階140を生成する第1の構成の電子コンポーネントを含む。システム200は、電気溶接波形100のピンチ電流段階120を生成する第2の構成の電子コンポーネントをさらに含む。システム200は、バックグラウンド電流段階110の間に電気溶接波形100の少なくとも1つの増熱電流パルス150を生成する第3の構成の電子コンポーネントも含む。
本考案の一実施形態によれば、システム200は、電極がワークピースに短絡したことに対応して、バックグラウンド電流段階110の最後に電気溶接波形100の電流レベルをバックグラウンド電流レベルよりも下に下げる第4の構成の電子コンポーネントも含む。システム200は、電極がワークピースに短絡していないことを予測してピンチ電流段階120の最後に電気溶接波形100の電流レベルをバックグラウンド電流レベルよりも下に下げる第5の構成の電子コンポーネントをさらに含む。
第1〜第5の構成の電子コンポーネントは互いに独立している必要ななく、特定の電子コンポーネントを共有してもよい。例えば、本考案の一実施形態によれば、第1の構成の電子コンポーネントの多くは第3の構成の電子コンポーネントの多くと同じであり得る。同様に、第4の構成の電子コンポーネントの多くは第5の構成の電子コンポーネントの多くと同じであり得る。本考案の様々な実施形態によれば他の共有コンポーネントも可能であり得る。
図2に示す機能実現は1つの例示の実施形態を示す。他の実施形態も可能である。例えば、他の実施形態によれば、ピンチ電流段階120は信号加算機能223によって加算される代わりに信号切替機能225によって変調波形100’に切り替えられ得る。同様に、増熱パルス150は信号切替機能225によって切り替える代わりに信号加算機能223により変調波形100’に加えられ得る。他の実施形態によれば、サブバックグラウンド電流レベル生成機能226が存在しないか又は任意であってもよく、電流レベル部112’を含まない変調波形の生成が可能になる。他の変形実施形態も可能であり、図1の電気溶接波形100又はバックグラウンド電流段階の間に少なくとも1つの増熱電流パルスを有する同様の波形の生成が得られる。
図4は、図1の電気溶接波形100を生成するためのシステム400の第2の例示の実施形態の機能ブロック図を示す。システム400は、本明細書で説明するように状態機械型のシステムである。リンカーンエレクトリック社のパワーウェーブ(登録商標)450システムは状態機械型の溶接システムの一例である。
システム400は、状態ベースのファンクションジェネレータ420に搭載された溶接プログラム410を含む。本考案の一実施形態によれば、状態ベースのファンクションジェネレータ420はプログラマブルマイクロプロセッサ装置を含む。溶接プログラム410は、電気溶接波形を生成するためのソフトウェア命令を含む。システムは状態ベースのファンクションジェネレータ420に動作的に接続されたデジタルシグナルプロセッサ(DSP)430をさらに含む。システムは、DSP430に動作的に接続された高速増幅器インバータ(amplifier inverter)440も含む。
DSP430は状態ベースのファンクションジェネレータ420から命令を受けて、高速増幅器インバータ440を制御する。高速増幅器インバータ440は、DSP430からの制御信号435に従って高電圧の入力441を低圧の溶接出力に変換する。例えば、本考案の一実施形態によれば、DSP430は、高速増幅器インバータ440が電気溶接波形の様々な段階を生成する発射角度(切り替え作動のタイミング)を決定する制御信号435を提供する。
高速増幅器インバータ440の出力442及び443は、電極450とワークピース460との間に電気アークを形成する溶接電流を提供するために溶接電極450及びワークピース460にそれぞれ作動的につながっている。システム400は、電極450とワークピース460との間の電圧を検知し、電極450、ワークピース460及び高速増幅器インバータ440により形成される溶接回路を流れる電流を検知する電圧電流フィードバック機能470も含む。検知した電流及び電圧は、電極450がワークピース460に短絡していること(即ち短絡状態)の検出及び溶融金属ボールが電極450から千切れる間近であること(即ち非短絡状態)の検出のために状態ベースのファンクションジェネレータ420により用いられる。
システム400は減流装置(current reducer)480及びダイオード490をさらに含む。減流装置480及びダイオード490は、高速増幅器インバータ440の出力442及び443の間に動作的に接続されている。減流装置480はDSP430にも動作的に接続されている。電極450とワークピース460との間で短絡状態が起こると、DSP430は制御信号436を通じて減流装置480に命令して、溶接回路を通じて電流レベルを所定のバックグラウンド電流レベルより下に下げる。同様に、非短絡状態が起こると(即ち、電極450の遠位端から溶融金属ボールが千切れる)、DSP430は減流装置480に命令して、溶接回路を通じて電流レベルを所定のバックグラウンド電流レベルよりも下に下げる。本考案の一実施形態によれば、減流装置480はダーリントンスイッチ、レジスタ及びスナバを含む。
図5は、図1の電気溶接波形100及び図2のシステム200又は図4のシステム400を用いて、アーク溶接プロセスの間に溶接部への入熱を増やす方法500の第1の例示の実施形態のフローチャートを示す。ステップ510では、電極(例えば191又は450)とワークピース(例えば199又は460)との間で電気アーク195を維持するために、波形100の出力電流レベルをバックグラウンド電流レベル111に調節して、電極(例えば191又は450)の遠位端に溶融金属ボール192を生成する。ステップ520で、溶融金属ボール192がワークピース(例えば199又は460)に短絡し、電気アーク195を消弧したことに対応して、出力電流レベルをバックグラウンド電流レベル111よりも下に下げて、溶融金属ボール192がワークピース(例えば199又は460)上の溶融溜まりに触れるようにする。ステップ530では、溶融金属ボール192が電極(例えば191又は450)の遠位端から千切れるようにするために出力電流レベルをバックグラウンド電流レベル111よりも上に自動的に上げる。
ステップ540では、溶融金属ボール192が電極(例えば191又は450)の遠位端から千切れてワークピース(例えば199又は460)上に移ったときに、出力電流レベルをバックグラウンド電流レベル111よりも下に下げて、電極(例えば191又は450)とワークピース(例えば199又は460)との間に電気アーク196を再び確立させる。ステップ550では、電気アーク196が再び確立したことに対応して、出力電流レベルを波形100のピーク電流レベル131に上げる。ステップ560では、出力電流レベルをバックグラウンド電流レベル111の方に下げて、電極(例えば191又は450)の遠位端に次の溶融金属ボール198を生成する。ステップ570では、次の溶融金属ボール198とワークピース(例えば199又は460)との間に次の短絡が確立されるまで、バックグラウンド電流レベル111と(バックグラウンド電流レベル111とピーク電流レベル131との間の)中間電流レベル151との間で出力電流レベルを所定のパルス繰り返し数(pulse rate)でパルス化する。ステップ580では、アーク溶接プロセスが完了していない場合はステップ520に戻り、そうでなければ終了する。
図6A〜図6Bは、図4のシステム400を用いて、アーク溶接プロセスの間に溶接部への入熱を増やす方法600の第2の例示の実施形態のフローチャート及び結果として得られる電気溶接波形650を示す。ステップ601では、電気溶接波形650の出力電流レベルがバックグラウンド電流レベル602に調節される。短絡状態が検出された場合、ステップ603では減流装置480を作動させることにより出力電流レベルをバックグラウンド電流レベル602よりも下のサブレベル604に下げる。ステップ605では、ピンチ電流ランプ606に従って出力電流レベルのランプを開始する。非短絡状態(千切れ)が検出された場合、ステップ607では減流装置480を作動させることにより出力電流レベルを再びサブレベル604に下げる。
ステップ608では、電極450とワークピース460との間にアークが再び確立したことに対応して出力電流レベルをピーク電流レベル609に調節する。ステップ610では、単調減少テールアウト電流ランプ611に従って出力電流レベルをピーク電流レベル609からバックグラウンド電流レベル602の方に下げる。ステップ612では、第1のパルス間隔614の間に出力電流レベルを増熱電流レベル613に調節して、増熱電流パルス615を形成する。
方法600は、ステップ601及びステップ612を所定の回数又は次の短絡状態が検出されるまで交互に繰り返してもよい(即ち、出力電流を増熱電流レベル613とバックグラウンド電流レベル602との間で交互に切り替えて次の増熱電流パルスを形成する)。さらに、本考案の一実施形態によれば、溶接作業の詳細(例えば、溶接金属、シールドガス等)に応じて連続する増熱電流パルス615’のパルス幅及び振幅は第1の増熱電流パルス615のパルス幅及び振幅と同じであってもよいし異なっていてもよい。
図7は、図1の電気溶接波形100又は図6Bの電気溶接波形650及び図2のシステム200又は図4のシステム400を用いたアーク溶接プロセスの間に溶接部への入熱を増やす方法700の第3の例示の実施形態のフローチャートを示す。ステップ710では、バックグラウンド電流レベル(例えば111)が提供されるバックグラウンド電流段階(例えば110)と、ピーク電流レベル(例えば131)が提供されるピーク電流段階(例えば310)と、減少テールアウト電流レベル(例えば141)が提供されるテールアウト電流段階(例えば140)とを有する電気溶接波形(例えば100)のベース周期(例えば131)を生成する。ステップ720では、バックグラウンド電流段階(例えば110)とピーク電流段階(例えば130)との間に電気溶接波形(例えば100)のピンチ電流段階(例えば120)を生成して、増加ピンチ電流レベル(例えば121)を提供する。ステップ730では、バックグラウンド電流段階(例えば110)の間に電気溶接波形(例えば100)の少なくとも1つの増熱電流パルス(例えば150)を生成して、バックグラウンド電流レベル(例えば111)とピーク電流レベル(例えば131)との間の中間電流レベル(例えば151)を提供する。
図8は、本考案のさらなる例示の実施形態を示す。本実施形態は、バックグラウンド電流111及び増熱電流パルス150の大部分が第1の極性を有する一方、周期101の残りは逆の極性を有するという点を除いて、図1A〜図1Bに関連して図示説明したものと同様である。図8に示す実施形態では、増熱パルス150及びバックグラウンド電流111の大部分は正極性なのに対して、周期101の残りの部分は負極性である。波形のこれらの部分について逆の極性を用いることにより、溶接部への入熱をさらに制御することができる。図示の例示の実施形態では、比較的低温の溶接作業を実現できる。周期101の大部分を負極性にすることで、周期101の全体が正極性の場合よりも低い温度で溶接作業を行うことができる。これは一般的には電流の方向によるものであり、より具体的には、溶接アークの「熱」が溶接溜まりからワイヤの端部に変わるように溶接プロセスの陽極と負極とを逆にした結果によるものである。そのため、所定の大きさの液滴をつくるのに必要な電流が少なくてすむ(ピーク又はプラズマブーストの何れかにより)。これは、行われる溶接作業によっては非常に望ましい。しかしながら、溶接部への入熱を制御でき、増熱電流パルス150を利用して所望の又は必要な熱を溶接部に入熱させて溶接溜まり及び溶け込みを望み通りに制御できることが依然として望ましい。
この例示の実施形態では、溶接の間に短絡イベント801が起こると(図1BのステージB)、溶接電源は溶接電流を第1の極性(図8の正)から逆の極性(図8の負)に移行させる。溶接電源にとっては短絡中に極性を変える方のが一般的には簡単である。これは極性の変化後にアークを再び確立する必要がないためであり、アークを確立するのに必要な爆発的放出が解消される。そのような状況では、ワイヤは既に短絡されており、そのため電源は電流を減らすこと、極性を変更すること、電流を増やすことを必要に応じてより制御された形で行うことができる。電流の極性の変更後、ピンチ電流段階120、その後の低電流レベル112への低下、ピーク電流段階130及びテールアウト電流段階140は前で詳述したものと同様に実施される。テールアウト電流段階140がバックグラウンド電流レベル111’に近づくか又は到達すると(ポイント803)、電源は溶接信号の極性を再びバックグラウンドレベル111に切り替えて、前で一般的に説明したように増熱電流パルス150を実施する。
一部の例示の実施形態では、移行ポイント803は電流がバックグラウンドレベル111’に達した後で起こる。他の例示の実施形態では、移行ポイント803は電流がバックグラウンドレベル111’に近づいたときに起こり得る。本考案の例示の実施形態では、移行ポイント803は電流がバックグラウンドレベル111’の10%以内のときに起こる。例えば、バックグラウンド電流レベル111’が50アンペアに設定されている場合、電流が下がるため、移行ポイント803の範囲は50〜55アンペアになる。本考案のさらなる例示の実施形態では、移行ポイント803は、電流がピーク131の後で50〜75アンペアの範囲内にあるときに起こる。他の例示の実施形態では、最大電流移行レベルは、出力電流レベルが閾値以下にならない限り極性の変化が起きないように設定される。一部の例示の実施形態では、この閾値レベルは75〜100アンペアの範囲内にある。例えば、閾値レベルが80アンペアに設定されている場合、出力電流が80アンペア以下にならない限り波形の極性が変化しない。そのため、電源はこの閾値に達するまで電流のランプダウンを行わず、その後に極性の切り替えを始める。これは、一部の溶接作業の間にバックグラウンド電流レベルが上記の閾値よりも高い場合に該当し得る。そのような場合、電流は閾値に達するか又は下回るまで下げられ、その後に極性が切り替えられる。極性の切り替えの後、電流のレベルが所望のレベルになる。
また、例示の実施形態では、バックグラウンド電流111’及びバックグラウンド電流111は(極性が逆の)同じ絶対値を有することができる一方、他の実施形態では絶対値が異なり得る。本考案の例示の実施形態では、(増熱電流パルス150と共に用いられる)バックグラウンド電流111は50〜70アンペアの範囲内にあり、バックグラウンド電流111’とは極性が逆である。
そのため、溶接の間又は溶接の前のいずれかにおいて、本考案の電流波形を用いて溶接部への入熱を増やすか又は制御して溶接ジョイントの溶け込み又は濡れ性を高めることができる。前で説明したように、溶接部への入熱を増やすために増熱電流パルス150を様々な方法で変調するか又は実施することができる。即ち、パルス150の周波数、ピーク電流、パルス幅及び/又は量を変更して所望の量の入熱を提供することができる。それに加えて、任意の一連のパルスにおいてパルス150は同じパルス幅又はピーク電流の大きさを有している必要はない。一部の例示の実施形態では、所定の連続パルス(又は所定の周期101内)の後続のパルス150のピーク電流151及び/又はパルス幅は減少し得る。例えば、周期101で連続する4つのパルス150を用いる場合、各後続パルスは先行するパルスよりも電流ピーク151が小さい。他の実施形態では、電流及びパルス幅が増加し得る。
前で説明したように、パルス150は溶接電極から溶接溜まりに溶滴を移行させるのに用いられるのではなく、必要に応じて溶接部への入熱を増やすのに用いられる。本考案の例示の実施形態では、パルス150はバックグラウンドレベルよりも高いピーク電流レベル151を有し、一部の実施形態ではその範囲は50〜250アンペアである。他の例示の実施形態では、パルス150のピーク電流レベル151は100〜250アンペアの範囲内にある。単一のパルス150のパルス幅の範囲は0.5〜2msである。大半の実施形態では、単一のパルス150のパルス幅は溶滴移行機能/パルスのパルス幅よりも小さい。当然ながら、本考案の精神又は範囲から逸脱することなく他の値も利用できることから、本考案の実施形態は上記の範囲に限定されない。しかしながら、大半の例示の実施形態では、パルス150のピーク電流レベル151は波形のピーク電流(例えば131)及びバックグラウンドレベルよりも小さい。
本明細書で説明したように、本考案のこれらの実施形態は同様の溶接電源及び機器を用いて、また同様の制御方法を用いて実施することができるため、説明の繰り返しを省略する。当然ながら、利用する機器/電源は、図8に示すように極性間を素早く変化する溶接信号を生成可能なものでなければならない。例えば、リンカーンエレクトリック社(オハイオ州、クリーブランド)製造のパワーウェーブ(登録商標)等の電源はそのような溶接が可能である。
本考案のさらなる例示の実施形態では、図1A及び図8に示す周期の組み合せからなる溶接波形100を用いることができる。即ち、溶接波形100は、周期全体で極性が同じである周期101と図8に関連して説明した周期101との組み合せを有し得る。そのような実施形態はさらなる入熱変調機能を提供する。例えば、図1Aに示す周期101を複数の有し、続いて図8に示す周期を複数有する波形100を用いることができる。本考案の実施形態では、入熱制御を最大限に高めるために波形100の各周期の数を変更してもよい。即ち、各種類の周期101の数は同じである必要はない。
本考案のさらなる例示の実施形態では、波形100の周期101は「極性転換(flip polarities)」が可能である。即ち、波形100は、図8の周期101のように見える複数の周期101を含み、図8のものと左右対称の複数の周期101を含むことができ、その場合、パルス150及びバックグラウンド111は負極性であり、周期101の残りの部分は正極性である。
上記の柔軟性により、溶接部への入熱を正確に管理及び制御する溶接波形をつくることができる。さらに、本考案の実施形態は、ユーザーが汎用の溶接波形を用いて溶接部への入熱を慎重に制御及び管理できるようにする。さらに、図1A及び図3A〜図3Dで説明した実施形態と同様に、本考案の実施形態はそれらの図に示すものと同様のパルス130の使用に限定されず、波形においてバックグラウンド部を用いる様々な他の種類のパルス溶接波形を用いることができる。
要約すれば、アーク溶接プロセスの間に溶接部への入熱を増やし、制御し及び管理する方法及びシステムが開示される。電気アークパルスを生成するために電気溶接波形を生成することが可能な電気アーク溶接システムを用いて、送給される溶接電極と金属ワークピースとの間に一連の電気アークパルスが生成される。電気溶接波形の周期は、増加ピンチ電流レベルが提供されるピンチ電流段階と、ピーク電流レベルが提供されるピーク電流段階と、減少テールアウト電流レベルが提供されるテールアウト電流段階と、バックグラウンド電流レベルが提供されるバックグラウンド電流段階とを含む。周期の少なくとも1つの増熱電流パルスが生成されて、バックグラウンド電流段階の間にバックグラウンド電流レベルよりも上の増熱電流レベルが提供される。少なくとも1つの増熱電流パルスを有する電気溶接波形の周期は、アーク溶接プロセスが完了するまで繰り返され得る。増熱電流パルスは溶融溜まり及びその周囲を再加熱して溶け込みを高める役割を果たす。増熱電流パルスによってもたらされるそのような熱の増加は、例えば溶融溜まりの流動性を高めることなくより良好な溶け込みを提供するためにオープンルートジョイントの溶接において望ましい場合がある。増熱パルスはアークを越えて溶滴を移送するほど振幅が大きくなく、溶接システムに短絡アーク移行を越えてグロビュール移行を行わせるほどパルス幅が大きくない。さらなる例示の実施形態では、増熱パルスはピンチ電流、ピーク電流及びテールアウト電流の極性とは逆の極性を有する。
特定の実施形態を参照しながら本考案を説明してきたが、当業者であれば本考案の範囲から逸脱することなく様々な変更が加えられ、同等物が置換され得ることが分かる。それに加えて、本考案の範囲から逸脱することなく、本考案の教示に特定の状況又は材料を適合するために多くの変更が加えられ得る。従って、本考案は開示した特定の実施形態に限定されるのではなく、本考案は添付の請求項の範囲に含まれる全ての実施形態を含むことを意図する。
さらなる図面を参照して(図示のものは本考案の例示の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本考案を限定するためのものではない)、図9は、消耗溶接電極E及びワークピースWに作動的に接続された溶接システム900の概略ブロック図を示す。溶接システム900は、溶接システム900に電力を供給するスイッチ電源910を含む。供給される電力は、正極性の電流、負極性の電流、交流(AC)、直流(DC)又はそれらのうちの2つ以上を切り替えるものを含む。スイッチ電源910は、溶接電極E及びワークピースWとの間に溶接出力を提供する電力変換回路912を含む。電力変換回路912はハーフブリッジ出力のトポロジを持つトランスベースのものであり得る。例えば、電力変換回路912は、例えば溶接トランスの一次側及び二次側によってそれぞれ線引きされた入力側及び出力側を含むインバータ型のものであり得る。例えば、DC出力トポロジを有するチョッパー型等の他の種類の電力変換回路も可能である。ワイヤ送給装置5は、ワークピースWの方に消耗溶接電極Eを送給する。ワイヤ送給装置5、消耗溶接電極E及びワークピースWは溶接システム900の一部ではないが、溶接出力ケーブル(図示せず)により溶接システム100に作動的に接続され得る。
溶接システム900は、ACコンポーネント914も含む。ACコンポーネント914は溶接システム900にAC電流を提供する。ACコンポーネント914は、例えば主ブリッジ回路及び副ブリッジ回路を有するハイブリッドブリッジ回路であり得る。主ブリッジ回路は電源変換回路912に作動的に接続され、溶接システム900の溶接出力に作動的に接続された(電極E及びワークピースWを含む)低インピーダンス溶接出力回路経路を通じて、コントローラ930の命令により出力電流の方向を切り替えるように構成されている。
溶接システム900は波形発生器920及びコントローラ930をさらに含む。波形発生器920はコントローラ930の命令で溶接波形を生成する。波形発生器920によって生成された波形は、電極EとワークピースWとの間の溶接出力電流を生成するために電力変換回路912の出力を変調する。
溶接システム900は、電極EとワークピースWとの間の溶接出力電圧及び電流を観察し、観察した電圧及び電流をコントローラ930に戻す電圧フィードバック回路940及び電流フィードバック回路950をさらに含み得る。フィードバック電圧及び電流は、例えば、波形発生器920により生成された溶接波形を変更することに関する決定を行うこと及び/又は溶接システム900の安全動作に影響を与える他の決定を行うためにコントローラ930によって用いられ得る。
溶接システム900は、波形発生器920により生成された溶接波形の一部を調整するために溶接プロセスの測定パラメータを用いることができるのが分かる。一実施形態では、測定パラメータは、溶接プロセスの間の経時的な溶接パラメータの導関数であり、限定されないが、とりわけ電流測定値の導関数、電圧測定値の導関数、抵抗測定値の導関数、電力の導関数が挙げられる。さらに、溶接パラメータの導関数はリアルタイムに検出することができる。一実施形態では、溶接パラメータの導関数は、とりわけ溶接プロセス、波形、波形の一部、その組み合わせの変化のトリガーとなり得る。
前で言及したように、溶接システム900は、電極EとワークピースWとの間で溶接出力電流を生成するために負極性の電流を実現する(波形により)。負極性を有する波形の部分を用いることで、溶接システム及び/又は溶接プロセスに様々なメリット及び利点がもたらされる。あるイベント(例えばピーク電流段階、ショート解除ランプ段階、テールアウト電流段階等)のために負極性で用いられる電流振幅は、そのようなイベントのために正極性で必要となる電流振幅よりも小さいため、波形の負極性はより低温のアーク溶接プロセスをもたらす。さらに、波形の負極性は、波形の正極性に比べて素早く溶融ボールを形成できるようにする。例えば、負極性は溶融溜まりではなく電極260を加熱するのに対して、正極性は一般に溶融溜まりを加熱する。さらに、GMAWプロセス内で正極性を用いる場合と比較して、波形のマイナスの負極性がもたらす溶融溜まりの窪みが小さい。一実施形態では、表面張力移行(STT)は、波形を通じて負極性電流の一部を用いることができる。なお、波形の負極性部分を、限定されないが、とりわけ表面張力移行(STT)溶接プロセス、GMAWプロセス、アーク溶接プロセス等の溶接プロセスと共に用いることができるのが分かる。
さらに、本イノベーションでは、負電流の増加(increase with a negative current)及び負電流の低下(decrease with a negative current)に言及する。(例えば負極性内の)負電流レベルの増加は負電流レベルがゼロ電流レベル又は正電流レベルに近づくことを意味し、(例えば負極性内の)負電流レベルの低下は、負電流レベルがゼロ電流レベル又は正の電流レベルから遠ざかることを意味する。例えば、本イノベーションのために、−5電流レベルから1単位増加すると−4電流レベルになり(例えば、負電流レベルがゼロ電流レベルに近づく)、−5電流レベルから1単位減少すると−6電流レベルになる(例えば、負電流レベルがゼロ電流レベルから遠ざかる)。
図10は、溶接出力電流波形1000を示す。波形1000はバックグラウンド電流段階1010、短絡解除ランプ段階1020、ピーク電流段階1030及びテールアウト電流段階1040を含む。バックグラウンド電流段階1010の間、波形1000の出力電流レベルは正極性のバックグラウンド電流レベルに調節される。短絡解除ランプ段階1020の間、波形1000の出力電流レベルは、出力電流レベルを正極性のバックグラウンド電流レベル及びゼロ(0)よりも下に下げる負極性に下げられる(例えば落とされる)。ピーク電流段階1030の間、出力電流レベルは、正極性のバックグラウンド電流レベルから遠ざかって負極性内の負のピーク電流レベルにさらに下げられる。負のピーク電流レベルは波形1000で最も負の電流レベルである。テールアウト電流段階1040の間、出力電流は正極性のバックグラウンド電流レベルの方に上げられる。
波形1000を用いる溶接作業の間、図10に示すステージA(即ち、バックグラウンド電流段階1010の間)では、溶融金属ボール1050が消耗溶接電極1060の端部に生成される。図10に示すステージBの間(即ち、短絡解除ランプ段階1020の間)溶融金属ボール1060がワークピース1070に短絡し、電流がゼロ及びゼロよりも下の電流の負極性の方に下げられ、溶融金属ボール1050をワークピース1070上の溶融溜まりに触れさせる。図10に示すステージCの間(即ち、短絡解除ランプ段階1020の間)、(例えば負の傾斜の)ランプ電流を短絡に適用して、電極1060の端部から溶融金属ボール1050が千切れてワークピース1070上の溶融溜まりに移り易くする。図10に示すステージDの間(即ち、ピーク電流段階1030の間)、電流が(より負の方にあり、正極性のバックグラウンド電流レベルから遠ざかる)負のピーク電流レベルに下げられて、電極1060から溶融金属ボール1050が千切られた後に電極1060とワークピース1070との間に溶接アーク1080が再び確立し易くして短絡を解除する。図10に示すステージEの間(即ち、テールアウト電流段階1040の間)、電流が(正極性のバックグラウンド電流レベルの方に)上げられて、電極1060の遠位端に次の溶融金属ボールを生成する。テールアウト電流段階1040の間、生成された熱は、ピーク電流レベルからバックグラウンド電流レベルに電流が移行する速度を制御することにより制御される。溶接部を形成するために、波形は溶接プロセスの間繰り返され得る。
テールアウト電流段階1040の後、バックグラウンド電流段階1010に再び入り、バックグラウンド電流レベルが提供され、電極1060の遠位端に実質的に均一な次の溶融金属ボール1098が生成される(ステージA)。バックグラウンド電流段階1010の後(例えば、波形1000の第1の周期の後及びテールアウト電流段階1040の後)、少なくとも1つの増熱電流パルス1050が生成され、正のバックグラウンド電流レベルより大きく負のピーク電流レベルの絶対値よりも小さい中間電流レベル1051が提供される。増熱電流パルス1050は、溶融金属ボール1098とワークピース1070との間で次の短絡が起こるまでバックグラウンド電流段階1010内で周期的に繰り返され得る。次の短絡が起こると、アーク1095が消弧され、波形1000の電流レベルがバックグラウンド電流レベルより下の負極性内(例えばゼロ(0)より低い)に下げられ、次の溶融ボール1098をワークピース1070上の溶融溜まりに触れさせる(ステージB)。
増熱電流パルス1050は溶融溜まり及びその周囲を再加熱して溶け込みを高める役割を果たす。増熱電流パルス1050によってもたらされるそのような熱の増加は、例えば溶融溜まりの流動性を高めることなくより良好な溶け込みを提供するためにオープンルートジョイントの溶接において望ましい場合がある。増熱パルスはアークを越えて溶滴を移送するほど振幅が大きくなく、溶接システムに短絡アーク移行を越えてグロビュール移行を行わせるほどパルス幅が大きくない。繰り返しになるが、一般に、周期1001は結果として溶接部を得るためにアーク溶接プロセスの間に周期的に繰り返される。しかしながら、短絡が起こらない場合は、周期101は増熱パルス150が同じ数ではない状態で、また場合によっては短絡解除電流ランプ段階1020がない状態で繰り返され得る。本明細書で使用の「電流レベル」という用語は、実質的に定常であるものの電気溶接波形の生成が幾分不正確であるという特質によってある程度変動し得る電流振幅を意味する。電流パルス1050を正極性で示しているが、電流パルス1050の極性は正の部分、負の部分又は正の部分及び負の部分の切り替えを含むことができるのが分かる。それに加えて、電流パルス1050は、設定(例えば、とりわけ、動的に調整される設定、ユーザーが規定した設定、予め規定された設定、その組み合わせ)に基づいて調整可能な幅(例えば長さ)を含むことができるのが分かる。一実施形態では、各電流パルス1050の幅(例えばパルスの長さ)はワイヤ送給速度に基づいて変えることができる。例えば、ワイヤ送給速度が速くなるにつれて、電流パルス1050の幅(例えば時間の長さ)を大きくすることができる。
図11は溶接出力電流波形1100を示す。波形1100は、表面張力移行(STT)プロセスとして知られる短絡移行溶接プロセスで用いるために設計されたものである。図11は、アーク溶接プロセスで用いる電気溶接波形1100の周期1101を示す。図11はさらに、電気溶接波形1100を用いた、周期1101の間のアーク溶接プロセスの様々なステージ(A〜E)をさらに示し、溶接電極1191と金属ワークピース1199との関係を示す。アーク溶接プロセスの間、電気アークパルスを生成するために電気溶接波形1100の生成が可能な電気アーク溶接システムを用いて、送給される電極1191と金属ワークピース1199との間に一連の電気アークパルスが生成される。一般に、周期1101は、結果として得られる溶接部を生成するためにアーク溶接プロセスの間周期的に繰り返される。しかしながら、短絡状態が起こらない場合は、周期1101は増熱パルス1150が同じ数ではない状態で、また場合によってはピンチ電流段階1120がない状態で繰り返され得る。
電気溶接波形1100の周期1101は、正極性のバックグラウンド電流レベル1111が提供されるバックグラウンド電流段階1110と、(正極性のバックグラウンド電流レベルから遠ざかる方に)単調減少されたピンチ電流レベル1121が提供されるピンチ電流段階1120と、負のピーク電流レベル1131が提供されるピーク電流段階1130と、(正極性のバックグラウンド電流レベルの方に)単調増加されたテールアウト電流レベル1141が提供されるテールアウト電流段階1140とを含む。
バックグラウンド電流段階1110の間、電極1191とワークピース1199との間で電気アーク1195が維持されて、電極1191の遠位端に溶融金属ボール1192が生成される(ステージA参照)。ステージBでは、電極1191にまだくっついた溶融金属ボール1192がワークピース1199に短絡する。短絡が起こると、アーク1195が消弧され、波形1100の電流レベルが正極性のバックグラウンド電流レベル1111よりも下の電流レベル1112に下げられ、溶融ボール1192がワークピース1199上の溶融溜まりに触れるようにする。
ピンチ電流段階1120の間、波形1100の電流レベルが正極性のバックグラウンド電流レベル1111より下の負極性に単調減少され(例えば、負の傾斜でランプされる)、負のピンチ電流レベル1121が提供される。負のピンチ電流レベル1121は、ステージCで示すように、短絡した溶融金属ボール1192が電極1191の遠位端から千切られてワークピース1199の溶接溜まり内に移るようにする。溶融金属ボール1192が電極1191から千切れる寸前に、スパッタを防ぐために波形1100の電流レベルが電流レベル1112になるよう正極性のバックグラウンド電流レベル1111の方へと上げられ、電極1191とワークピース1199との間にアーク1196が再び確立される。
アーク1196が再び確立されると、波形1100はピーク電流段階1130に入る。ピーク電流段階1130の間、波形1100の電流レベルは負のピーク電流レベル1131に下げられ(正極性のバックグラウンド電流レベル1111から遠ざかる方に)、そのレベルで維持される。一実施形態によれば、負のピーク電流レベル1131の絶対値は波形1100の最も高い電流レベルであり、電極1191の遠位端で次の溶融金属ボール1198の形成を始めるのに十分な強さのアーク1197を電極1191とワークピース1199との間に確立する。
ピーク電流段階1130の後、波形1100はテールアウト電流段階1140に入る。テールアウト電流段階1140の間、波形1100の電流レベルを正極性のバックグラウンド電流レベル1111の方に単調(例えば指数関数的に)増加して、増加テールアウト電流レベル1141を提供する。波形1100の電流は溶接部に入熱を行う。テールアウト電流段階1140は、波形1100のための大まかな熱制御段階として機能を果たすのに対して、バックグラウンド電流段階1110は、波形1100のための細かな熱制御段階としての役割を果たす。しかしながら、特定のアーク溶接用途では、追加の入熱制御を設けることが望ましい場合がある。
テールアウト電流段階1140の後、再びバックグラウンド電流段階1110に入って、正極性のバックグラウンド電流レベル1111が提供され、実質的に均一な次の溶融金属ボール1198が電極1191の遠位端に生成される(第2のステージA)。バックグラウンド電流段階1110の間、少なくとも1つの増熱電流パルス1150が生成されて、正極性のバックグラウンド電流レベル1111より大きく負のピーク電流レベル1131の絶対値よりも小さい中間電流レベル1151が提供される。増熱電流パルス1150は、溶融金属ボール1198とワークピース1199との間で次の短絡が起こるまでバックグラウンド電流段階1110内で周期的に繰り返され得る。次の短絡が起きると、アーク1195が消弧され、波形1100の電流レベルが正極性のバックグラウンド電流レベル1111よりも下の電流レベル1112に落とされて、次の溶融ボール1198がワークピース1199上の溶融溜まりに触れるようにする(ステージB)。
増熱電流パルス1150は溶融溜まり及びその周囲を再加熱して溶け込みを高める役割を果たす。増熱電流パルス1150によってもたらされるそのような熱の増加は、例えば溶融溜まりの流動性を高めることなくより良好な溶け込みを提供するためにオープンルートジョイントの溶接において望ましい場合がある。増熱パルスはアークを越えて溶滴を移送するほど振幅が大きくなく、溶接システムに短絡アーク移行を越えてグロビュール移行を行わせるほどパルス幅が大きくない。繰り返しになるが、一般に、周期1101は結果として溶接部を得るためにアーク溶接プロセスの間に周期的に繰り返される。しかしながら、短絡が起こらない場合は、周期1101は増熱パルス1151が同じ数ではない状態で、また場合によってはピンチ電流段階1120がない状態で繰り返され得る。本明細書で使用の「電流レベル」という用語は、実質的に定常であるものの電気溶接波形の生成が幾分不正確であるという特質によってある程度変動し得る電流振幅を意味する。電流パルス1150を正極性で示しているが、電流パルス1150の極性は正の部分、負の部分又は正の部分及び負の部分の切り替えを含むことができるのが分かる。それに加えて、電流パルス1150は、設定(例えば、とりわけ、動的に調整される設定、ユーザーが規定した設定、予め規定された設定、その組み合わせ)に基づいて調整可能な幅(例えば長さ、時間の長さ)を含むことができるのが分かる。一実施形態では、各電流パルス1150の幅(例えば長さ)はワイヤ送給速度に基づいて変えることができる。例えば、ワイヤ送給速度が速くなるにつれて、電流パルス1150の幅(例えば時間の長さ)を大きくすることができる。
図12は、(図10の)波形1000又は(図11の)波形1100の少なくとも一方に従って波形を発生するように構成されたシステム1200を示す。図10の波形1000及び/又は図11の波形1100を利用する図12のシステム1200の様々な機能は、アナログ及び/又はデジタルの電子コンポーネントを含み得るある構成の電子コンポーネントを用いて実施してもよい。電子コンポーネントは、限定されないが、ソフトウェアの一部、ハードウェアの一部又はその組み合わせであり得る。システム1200は少なくとも1つのコンポーネント1210を含み、コンポーネント1210はメモリ1230に連結されたプロセッサ1220を含む。メモリ1230は、プロセッサ1220によって実行可能な少なくとも1つの命令を記憶する。そのような構成の電子コンポーネントの例としては、パルス発生器、タイマー、カウンター、整流器、トランジスタ、インバータ、発振器、スイッチ、トランス、波形整形回路、増幅器、状態機械、デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサ及びマイクロコントローラが挙げられる。実施の上で柔軟性を提供するために、そのような構成の一部がプログラム可能であってもよい。
本考案の一実施形態によれば、システム1200は、限定されないが、構成の電子コンポーネント〜構成の電子コンポーネント(但しNは正の整数)等の好適な数の構成の電子コンポーネントを含む。一実施形態では、システムは、電気溶接波形のバックグラウンド電流段階、ピーク電流段階及びテールアウト電流段階を生成する第1の構成の電子コンポーネントを含み、バックグラウンド電流段階では正のバックグラウンド電流レベルが提供され、ピーク電流段階では負のピーク電流レベルが提供され、テールアウト電流段階では正のバックグラウンド電流レベルの方に単調増加されたテールアウト電流レベルが提供される。一実施形態では、システム1200は、電気溶接波形の短絡解除ランプ段階を生成する第2の構成の電子コンポーネントを含み、短絡解除ランプ段階では、電気溶接波形のための電流の正極性において電流レベルがさげられる。
一実施形態では、システム1200は、バックグラウンド電流段階の間に電気溶接波形の少なくとも1つの増熱電流パルスを生成する第3の構成の電子コンポーネントを含み、少なくとも1つの増熱電流パルスは、正のバックグラウンド電流レベルよりも大きく負のピーク電流レベルの絶対値よりも小さい中間電流レベルにある。一実施形態では、システム1200は、電極がワークピースに短絡したことに対応して、バックグラウンド電流段階の最後に電気溶接波形の電流レベルを正のバックグラウンド電流レベルの方に上げる第4の構成の電子コンポーネントを含む。一実施形態では、システム1200は、電極がワークピースに短絡していないことを予測して短絡解除ランプ段階の最後に電気溶接波形の電流レベルを正のバックグラウンド電流レベルの方に上げる第5の構成の電子コンポーネントを含む。一実施形態では、システム1200は、バックグラウンド電流段階が少なくとも1つの増熱電流パルスを含むようにバックグラウンド電流段階、短絡解除ランプ段階、ピーク電流段階及びテールアウト電流段階を連続して定期的に再生成する第6の構成の電子コンポーネントを含む。
一実施形態では、コンポーネント1210は、本明細書で説明した方法1300及び1400を含む開示した方法及びプロセスを実行するように動作可能なコンピュータである。本考案の様々な態様のために追加の文脈を提供するために、下記の説明は、本考案の様々な態様を実施し得る好適なコンピュータ環境を簡潔且つ一般的に説明することを意図したものである。上記では、1つ以上のコンピュータ上で動作し得るコンピュータ実行可能命令の一般的な文脈で本考案を説明してきたが、当業者であれば本考案は他のプログラムモジュールとの組み合わせで及び/又はハードウェア及び/又はソフトウェアの組み合せとして実施できることが分かる。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを行うか又は特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造等を含む。
さらに、当業者であれば、本考案に係る方法は他のコンピュータシステムの構成でも実施し得ることが分かる。他のコンピュータシステムの構成としては、シングルプロセッサ又はマルチプロセッサコンピュータシステム、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータに加えて、パーソナルコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、マイクロプロセッサベースの又はプログラマブルな家庭用電化製品等が挙げられ、それぞれが1つ以上の関連装置に作動的に連結され得る。本考案の説明した態様は、通信ネットワークによってつながった遠隔処理装置により特定のタスクが行われる分散コンピューティング環境でも実施され得る。分散コンピュータ環境では、プログラムモジュールはローカル及びリモート双方のメモリ記憶装置に位置し得る。例えば、リモートデータベース、ローカルデータベース、クラウドコンピューティングプラットフォーム、クラウドデータベース又はその組み合わせをコンポーネント1210と共に用いることができる。
コンポーネント1210は、コンピュータを含む、本考案の様々な態様を実施するための例示の環境を用いることができ、コンピュータは、処理装置、システムメモリ及びシステムバスを含む。システムバスはシステムコンポーネントを連結し、例えば限定されないがシステムメモリを処理装置に連結する。処理装置は様々な市販のプロセッサの任意のものでよい。デュアルマイクロプロセッサ及び他のマルチプロセッサアーキテクチャも処理装置として用いることができる。
システムバスは、様々な市販のバスアーキテクチャの任意のものを用いたメモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス及びローカルバスを含む幾つかの種類のバス構造の任意のものであり得る。システムメモリは、リードオンリーメモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)を含み得る。起動の間等、コンポーネント1210内の要素の間で情報を移動させるのに役立つ基本ルーチンを含むベーシックインプット/アウトプットシステム(BIOS)がROM内に記憶されている。
コンポーネント1210はハードディスクドライブ、例えば、リムーバブルディスクから読み出しを行うか又はリムーバブルディスクに書き込みを行うための磁気ディスクドライブ、例えば、CD−ROMディスクを読み出すか又は他の光学媒体から読み出しを行うか若しくは他の光学媒体に書き込みを行うための光学ディスクドライブをさらに含むことができる。コンポーネント1210は少なくともある形態のコンピュータ可読媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによりアクセス可能な任意の既存の媒体であり得る。限定ではなく一例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含み得る。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータ等の情報の記憶のために任意の方法又は技術で実施される揮発性及び非揮発性のリムーバブル及び非リムーバブルな媒体を含む。コンピュータ記憶媒体の例としては、限定されないがRAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD−ROM、DVD又は他の磁気記憶装置又は所望の情報を記憶するのに用いることができ且つコンポーネント1210がアクセス可能な任意の他の媒体が挙げられる。
通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は搬送波等の変調データ信号若しくは他の搬送機構における他のデータを一般的に具現化し、任意の情報搬送媒体を含む。「変調データ信号」という用語は、信号内の情報が符号化されるようにその特徴の1つ以上が設定又は変更された信号を意味する。限定ではなく一例として、通信媒体は、有線ネットワーク若しくは直接有線接続等の有線媒体及び音響、ラジオ周波数(RF)、近距離無線通信(NFC)、無線自動識別(RFID)、赤外線及び/又は他の無線媒体等の無線媒体を含む。上記のものの任意の組み合せもコンピュータ可読媒体の範囲に含まれるべきである。
オペレーティングシステム、1つ以上のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール及びプログラムデータを含む複数のプログラムモジュールがドライブ及びRAMに記憶され得る。コンポーネント1210におけるオペレーティングシステムは、数ある市販のオペレーティングシステムのうちの任意のものでよい。
コンピュータは、リモートコンピュータ等の1つ以上のリモートコンピュータへの論理及び/又は物理接続を用いてネットワーク環境で動作できる。リモートコンピュータは、ワークステーション、サーバーコンピュータ、ルーター、パソコン、マイクロプロセッサベースのエンターテイメント機器、ピアデバイス又は他の共通ネットワークノードでよく、コンピュータに関連して説明した要素の多く又は全てを通常含む。図示の論理接続はローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドエリアネットワーク(WAN)を含む。そのようなネットワーク環境はオフィス、企業規模コンピュータネットワーク、イントラネット及びインターネットでは一般的である。
LANネットワーク環境で用いる場合、コンピュータはネットワークインターフェース又はアダプタを通じてローカルネットワークに接続される。WANネットワーク環境で用いる場合、コンピュータは通常モデムを含むか、LAN上の通信サーバに接続されるか又はインターネット等のWANを通じた通信を確立するための他の手段を有する。ネットワーク環境では、コンピュータに関連して図示したプログラムモジュール又はその一部はリモートメモリ記憶装置に格納されていてもよい。本明細書で説明するネットワーク接続は一例であり、コンピュータ間で通信リンクを確立するための他の手段を用いてもよいことが分かる。
あるいは又はそれに加えて、ローカル又はクラウド(例えば、とりわけローカル、クラウド、リモート)コンピューティングプラットフォームを、データの集約、処理及び配送に利用することができる。この目的のために、クラウドコンピューティングプラットフォームは特定の遠隔場所に複数のプロセッサ、メモリ及びサーバを含むことができる。サービス型ソフトウェア(SaaS)パラダイムの下では、クラウド内に存在するデータにアクセスするために1つのアプリケーションが複数のユーザーにより用いられる。このように、データ処理が通常クラウドで行われるため、ローカルレベルでの処理要件が緩和され、それによりユーザーネットワークリソースが軽減される。サービス型ソフトウェアアプリケーションによって、ユーザーは、クラウド内に存在するプログラムの全てをホストするウェブベースサービスに(例えば、ウェブブラウザを用いて)ログインすることができる。
一例では、複数のユーザーが、タブレット、パッド、ラップトップ、セルラー電話、コンピュータ又は他のコンポーネント等のコンピュータデバイス上のウェブベースアプリケーションを通じてローカル又はクラウドデータベース(例えば、とりわけローカルデータベース、クラウドデータベース、リモートデータベース)コンピューティングプラットフォームにアクセスできる。ウェブベースアプリケーションにより、ユーザーは、実質的にどのような形式のデータも定量化する特定のレポートを、パフォーマンスベンチマーク等の任意の数の基準と比較して構成することができる。さらに、各ユーザーが最新且つ最高の技術を使用していることが確実になるように、ソフトウェアアプリケーションを世界的に更新及び配布できる。
上述した例示の装置及び要素に鑑みて、開示の主題に従って実施され得る方法は、図13〜図14のフローチャート及び/又は方法を参照することでより良く理解される。方法及び/又はフロー図を一連のブロックとして図示説明するが、本願の主題は係るブロックの順番に限定されない。何故なら、一部のブロックは、図示説明するブロックとは異なる順番で起きるか又は他のブロックと同時に起こり得るからである。さらに、以下で説明する方法及び/又はフロー図を実施するのに図示のブロックの全てが必要な訳ではない。
図13の決定木のフロー図1300に示すように、次のことが連続して起こる。図13は、例えばGMAWプロセス等の溶接プロセスを制御する負極性の溶接出力電流波形を生成するフロー図1300である。電極とワークピースとの間で電気アークを維持するために、波形の出力電流レベルが正極性のバックグラウンド電流レベルに調節されて、電極の遠位端に溶融金属ボールが生成される(参照ブロック1310)。溶融金属ボールがワークピースに短絡し、電気アークを消弧したことに対応して、出力電流レベルが正極性のバックグラウンド電流レベルよりも下に下げられて、溶融金属ボールをワークピース上の溶融溜まりに触れさせる(参照ブロック1320)。溶融金属ボールが電極の遠位端から千切れるようにするために、出力電流レベルが正極性のバックグラウンドレベルより下の負極性に自動的に下げられる(参照ブロック1330)。電極の遠位端から溶融ボールが千切れてワークピース上に移ったとき、出力電流レベルが負極性内で正極性のバックグラウンド電流レベルの方に上げられて、電極とワークピースの間で電気アークを再び確立する(参照ブロック1340)。電気アークが再び確立されたことに対応して、出力電流レベルを負極性内で正極性のバックグラウンド電流レベルから遠ざかる方に下げて波形の負のピーク電流レベルに下げる(参照ブロック1350)。出力電流レベルを正極性のバックグラウンド電流レベルの方に上げて、電極の遠位端に次の溶融金属ボールを生成する(参照ブロック1360)。
一実施形態では、方法1300は、アルゴン及びCOをシールドガスとして用いるガス金属アーク溶接(GMAW)プロセスであるアーク溶接プロセスに関する。一実施形態では、方法1300は、出力電流レベルが負極性内にある状態で溶融溜まりよりも電極を加熱することを含む。一実施形態では、方法1300は、波形の負のピーク電流レベルを利用して、電極の遠位端に次の溶融金属ボールを生成することを含む。一実施形態では、方法1300は、正極性のバックグラウンド電流レベルと、正極性のバックグラウンド電流レベルより大きく負のピーク電流レベルの絶対値よりも小さい中間正電流レベルとの間で出力電流レベルをパルス化することを含む。一実施形態では、方法1300は、正極性のバックグラウンド電流レベルと、正極性のバックグラウンド電流レベルより小さく負のピーク電流レベルの絶対値よりも小さい中間負電流レベルとの間で出力電流レベルをパルス化することを含む。一実施形態では、方法1300は、次の溶融金属ボールとワークピースとの間で次の短絡が確立されるまで出力電流レベルを所定のパルス繰り返し数でパルス化することを含む。
図14は、溶接プロセスの一部を制御するために、アーク溶接電流波形の電流の負極性を利用することに関する。電極とワークピースとの間で電気アークを維持するために波形の出力電流レベルを正極性のバックグラウンド電流レベルに調節して、電極の遠位端に溶融金属ボールを生成する(参照ブロック1410)。溶融金属ボールがワークピースに短絡し、電気アークを消弧したことに対応して、出力電流レベルが正極性のバックグラウンド電流レベルよりも下の負極性内に下げられて、溶融金属ボールをワークピース上の溶融溜まりに触れさせる(参照ブロック1420)。電気アークが再び確立されたことに対応して、出力電流レベルを負極性内の負のピーク電流レベルに下げる(参照ブロック1430)。出力電流レベルを正極性のバックグラウンド電流レベルの方に上げて、電極の遠位端に次の溶融金属ボールを生成する(参照ブロック1440)。
一実施形態では、方法1400は、アルゴン及びCOをシールドガスとして用いるガス金属アーク溶接(GMAW)プロセスであるアーク溶接プロセスを用いる。一実施形態では、方法1400は、出力電流レベルが負極性内にある状態で溶融溜まりよりも電極を加熱することを含む。一実施形態では、方法1400は、負極性内の出力電流レベルを用いて電極の遠位端から溶融金属ボールが千切れることに起因する溶融溜まりの凹みを緩和することを含む。一実施形態では、方法1400は、正極性のバックグラウンド電流レベルと、正極性のバックグラウンド電流レベルより大きく負のピーク電流レベルの絶対値よりも小さい中間正電流レベルとの間で出力電流レベルをパルス化することを含む。一実施形態では、方法1400は、正極性のバックグラウンド電流レベルと、正極性のバックグラウンド電流レベルより小さく負のピーク電流レベルの絶対値よりも小さい中間負電流レベルとの間で出力電流レベルをパルス化することを含む。一実施形態では、方法1400は、次の溶融金属ボールとワークピースとの間で次の短絡が確立されるまで出力電流レベルを所定のパルス繰り返し数でパルス化することを含む。
一実施形態では、溶滴移行を促す溶接システムは、電極の遠位端に溶融金属ボールを生成するために電極とワークピースとの間で電気アークを維持するため、波形の出力電流レベルを正極性のバックグラウンド電流レベルに調節すること、溶接システムにおける短絡イベントを検出すること、短絡イベントに基づいて電極の遠位端から溶滴が千切れるのを高めるために正極性のバックグラウンド電流からある電流レベルに変更すること、溶滴が千切れた後でアークを再び形成すること、ある電流レベルから正極性のバックグラウンド電流への移行を制御すること及び/又は電極の遠位端にある溶滴が溶融溜まりに触れ易くするために正極性のバックグラウンド電流をパルス化することを含むことができる。さらに、本実施形態は、電流レベルとして負極性を用いることを含むことができる。一実施形態では、システムは、電極とワークピースとの間で電気アークを維持するため波形の出力電流レベルを正極性のバックグラウンド電流レベルに調節して、電極の遠位端に溶滴を生成すること、溶滴がワークピースに短絡し、アークを消弧したことに対応して、出力電流レベルを正極性のバックグラウンド電流レベルよりも下の負極性内に下げて、溶滴をワークピース上の溶融溜まりに触れさせること、アークが再び確立されたことに対応して、負極性内の出力電流レベルを負のピーク電流レベルに下げること及び/又は出力電流レベルを正極性のバックグラウンド電流レベルの方に上げて電極の遠位端に次の溶滴を生成することを含むことができる。
図15は、溶接プロセスの一部を制御するために負極性を有するアーク溶接電流波形を示すグラフ1500を示す。グラフ1500は1つ以上のパルス1510、STT1520、バックグラウンド電流1530及びパルス1540の間のバックグラウンド電流を含む。グラフ1500は一例として図示しているに過ぎず、本イノベーションを限定するものではない。例えば、値(例えば、とりわけ時間、電流、電圧、ワイヤ速度、ワイヤゲージ、ワイヤ送給速度)は一例として用いたに過ぎず、正しい工学的判断により他の値を選択することができる。
グラフ1500と共に説明する実施形態では、短絡アーク/グロビュール移行上で0.052のワイヤが277インチ/分(IPM)のワイヤ送給速度(WFS)で用いられる(例えば、CO100%でシールドされるER70S−6軟鋼)。これはCO100%で行うことができるが、このWFSではガスが非常に飛び散り、制御が難しい。1つ以上のパルス1510は出力を上げる代わりに下げることができる。ここで、溶滴にかかるアークの力を下げることで短絡が促進される。従来のグロビュール移行では、溶滴は、それが溶融溜まりに触れるまで非常に長い時間くっついている。
溶滴が触れない場合は、出力がリストアされて1つ以上のパルス1510が後で再び用いられる。この溶滴の振動は、従来のグロビュール移行法よりも前に溶滴が溶融溜まりに触れて移行することを促す。バックグラウンド電流1530はショートアークと比べ比較的長時間にわたって維持される(例えば、約16ミリ秒対1秒)。システムはパワーを必要とし、正のバックグラウンド部分がそのパワーを提供する一方、負の部分は比較的溶接溜まりにではなくワイヤにパワーを入力する。短絡解除ルーチンはランプではなくて規定の電流であってもよい。溶滴は非常に大きく、電源が制限されているため、高い電流が安定した分離を促す。
一実施形態では、短絡解除ランプは420アンペアの絶対電流である。一実施形態では、1つ以上のパルス1510はパワーを下げて、低パワーで溶滴を溶接溜まりに触れさせる。一実施形態では、必要なパワーを得てプロセスを機能させるバックグラウンド時間は16ミリ秒である。一実施形態では、溶滴が溶融溜まりに触れない場合は、より多くのパワーを加えるために出力がバックグラウンドに戻される。
一実施形態では、バックグラウンド電流1530及び/又は1540は92アンペアで持続時間が16msであり得る(例えば、システムに入熱を行うよう作用するために、1.5msのパルス時間に比べて持続時間が長い)。さらに、パルス電流は40アンペアで持続時間が3msである(例えば、パルスの間、電流を下げて溶滴が溶融溜まりに触れるのを促すようにできる)。3ms以内に溶滴が触れない場合、10msの間バックグラウンドをリストアできる。それに加えて、短絡電流は420アンペアで、ピーク電流は470アンペアであり得る。なお、実際の時間及び電流は、とりわけCO、セルフシールドワイヤと共に用いるための相対基準を提供するための一例に過ぎない。
上記の例は、本考案の様々な態様のいくつかの可能性のある実施形態を説明するためのものに過ぎず、当業者であれば本明細書及び添付の図面を読み、理解した際に同等の変更及び/又は修正を思い付く。特に、上述のコンポーネント(アセンブリ、装置、システム、回路等)によって行われる様々な機能に関して、そのようなコンポーネントを説明するのに用いた用語(「手段」への言及も含む)は、別段指摘がない限り、本考案の説明した実施において機能を行う開示の構造とは構造的に同等ではなくても、説明したコンポーネントの特定の機能を行う(例えば、機能的に同等な)ハードウェア、ソフトウェア又はその組み合わせ等の任意のコンポーネントに対応する。それに加え、いくつかの実施のうちの1つだけに関連して本考案の特定の特徴を開示してきたが、そのような特徴を他の実施の1つ以上の他の特徴と組み合わせることは、所定の又は特定の用途にとって望ましく、有利であり得るため組み合わせてもよい。また、詳細な説明及び/又は請求項では「含む(including、includes)」、「有する(having、has)」、「備える(with)」又はその異形を用いているが、それらの用語は「包含する(comprising)」と同様に包含的であることを意図している。
本説明では、最良の形態を含む本考案を開示し、当業者が本考案(任意の装置又はシステムの製造及び使用並びに内在される方法を行うことを含む)を実施できるようにするために例を用いている。本考案の範囲は請求項によって規定され、当業者が思い付き得る他の例も含み得る。そのような他の例は、それらが請求項に文字通り記載されたものと差異がない構造的要素を有するか又は請求項に文字通り記載されたものとの差異がごくわずかな同等の構造的要素を含む場合、それらは請求項の範囲に含まれる。
本願の出願時に出願人が知っていた本考案を実施するための最良の形態を説明する目的で、係る最良の形態を説明してきた。実施例は例示に過ぎず、本考案を限定することを意図したものではない。本考案は請求項の範囲及び精神により判断される。好ましい実施形態及び代替的実施形態を参照しながら本考案を説明してきた。当業者であれば本明細書を読んで理解した際に変更及び修正に気付くのは明らかである。そのような変更及び修正は、それらが添付の請求項又はその同等物の範囲に含まれる限り本願に含まれる。
5 ワイヤ送給装置
100 電気溶接波形
100’ 変調波形
101 周期
110 バックグラウンド電流段階
111 バックグラウンド電流レベル
111’ バックグラウンド電流レベル
112 電流レベル
112’ サブバックグラウンド電流部
120 ピンチ電流段階
121 ピンチ電流レベル
130 ピーク電流段階
131 ピーク電流レベル
140 テールアウト電流段階
141 テールアウト電流レベル
150 増熱パルス
151 中間電流レベル
191 溶接電極
192 溶融金属ボール
195 電気アーク
196 アーク
197 アーク
198 溶融金属ボール
199 金属ワークピース
200 システム
210 パワー生成機能
220 整形機能
221 波形生成機能
222 電流段階生成機能
223 信号加算機能
224 パルス生成機能
225 信号切替機能
226 減流機能
227 タイミング機能
230 兆候検出機能
310 波形部
400 システム
410 溶接プログラム
420 ジェネレータ
430 デジタル信号プロセッサ
435 制御信号
436 制御信号
440 高速増幅器インバータ
441 高圧入力
442 出力
443 出力
450 LEパワーウェーブ
460 ワークピース
470 電流フィードバック機能
480 減流装置
490 ダイオード
500 方法
510 ステップ
520 ステップ
530 ステップ
540 ステップ
550 ステップ
560 ステップ
570 ステップ
580 ステップ
600 方法
601 ステップ
602 バックグラウンド電流レベル
603 ステップ
604 サブレベル
605 ステップ
606 ピンチ電流ランプ
607 ステップ
608 ステップ
609 ピーク電流レベル
610 ステップ
611 テールアウト電流ランプ
612 ステップ
613 増熱電流レベル
614 第1のパルス間隔
615 増熱電流パルス
615’ 増熱電流パルス
650 電気溶接波形
700 方法
710 ステップ
720 ステップ
730 ステップ
801 短絡イベント
803 移行ポイント
900 溶接システム
910 スイッチ電源
912 電源変換回路
914 ACコンポーネント
920 波形発生器
930 コントローラ
940 電圧フィードバック回路
950 電流フィードバック回路
1000 電流波形
1001 周期
1010 バックグラウンド電流段階
1020 ランプ段階
1030 ピーク電流段階
1040 テールアウト電流段階
1050 溶融金属ボール
1051 中間電流レベル
1060 溶接電極
1070 ワークピース
1080 溶接アーク
1095 アーク
1098 溶融金属ボール
1100 電流波形
1101 周期
1110 バックグラウンド電流段階
1111 バックグラウンド電流レベル
1120 ピンチ電流段階
1121 ピンチ電流レベル
1130 ピーク電流段階
1131 ピーク電流レベル
1140 テールアウト電流段階
1141 テールアウト電流レベル
1150 増熱パルス
1151 中間電流レベル
1191 溶接電極
1192 溶融金属ボール
1195 電気アーク
1196 アーク
1197 アーク
1198 溶融金属ボール
1199 金属ワークピース
1200 システム
1210 コンポーネント
1220 プロセッサ
1230 メモリ
1300 方法
1310 参照ブロック
1320 参照ブロック
1330 参照ブロック
1340 参照ブロック
1350 参照ブロック
1360 参照ブロック
1400 方法
1410 参照ブロック
1420 参照ブロック
1430 参照ブロック
1440 参照ブロック
1500 グラフ
1510 パルス
1520 STT
1530 バックグラウンド電流
1540 パルス
A ステージ
B ステージ
C ステージ
D ステージ
E 溶接電極/ステージ
W ワークピース

Claims (6)

  1. 送給される溶接電極と金属ワークピースとの間の溶滴移行を促す電気溶接波形を生成するガス金属アーク溶接(GMAW)システムであって、
    前記電気溶接波形のバックグラウンド電流段階、ピーク電流段階及びテールアウト電流段階を生成する第1の構成の電子コンポーネントであって、前記バックグラウンド電流段階では正のバックグラウンド電流レベルが提供され、前記ピーク電流段階では負のピーク電流レベルが提供され、前記テールアウト電流段階では前記正のバックグラウンド電流レベルの方に単調増加されたテールアウト電流レベルが提供される、第1の構成の電子コンポーネントと、
    前記電気溶接波形の短絡解除ランプ段階を生成する第2の構成の電子コンポーネントであって、前記短絡解除ランプ段階では、前記バックグラウンド電流段階の後に前記電気溶接波形のための電流の正極性における電流レベルが減少する、第2の構成の電子コンポーネントと、
    を含むガス金属アーク溶接システム。
  2. 前記バックグラウンド電流段階の間に前記電気溶接波形の少なくとも1つの増熱電流パルスを生成する第3の構成の電子コンポーネントをさらに含み、該少なくとも1つの増熱電流パルスは、前記正のバックグラウンド電流レベルよりも大きく前記負のピーク電流レベルの絶対値よりも小さい中間電流レベルにある、請求項1に記載のガス金属アーク溶接(GMAW)システム。
  3. 前記電極が前記ワークピースに短絡している状態に基づいて前記電気溶接波形のための負の電流を生成するように構成された第1のコンポーネントをさらに含む、請求項1又は2に記載のガス金属アーク溶接(GMAW)システム。
  4. 前記電極が前記ワークピースに短絡しているのに対応して、前記バックグラウンド電流段階の最後に前記電気溶接波形の電流レベルを前記正のバックグラウンド電流レベルの方に上げる第4の構成の電子コンポーネントをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス金属アーク溶接(GMAW)システム。
  5. 前記電極が前記ワークピースに短絡していないことを予測して、前記短絡解除ランプ段階の最後に前記電気溶接波形の電流レベルを前記正のバックグラウンド電流レベルの方に上げる第5の構成の電子コンポーネントをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス金属アーク溶接(GMAW)システム。
  6. 前記バックグラウンド電流段階が前記少なくとも1つの増熱パルスを含むように、前記バックグラウンド電流段階、前記短絡解除ランプ段階、前記ピーク電流段階及び前記テールアウト電流段階を連続して周期的に再生する第6の構成の電子コンポーネントをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガス金属アーク溶接(GMAW)システム。
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